しろうと考えではありますが・・・

一人暮らし中高年向け安否確認事業
加入した人は、個人のデューディリジェンス(資産調査)をしてもらいます。
ここがミソです。

企業のM&A(合併・買収)の際には、必ずデューディリが行われます。
企業の資産といっても、それは預金や土地や在庫などのモノだけではありません。技術や販路や人脈など、カタチに表しにくいものも、企業の資産であります。

個人についても、そのリストを作ってもらいましょう。
その上で、最後を迎えるとき何が必要か、専門家に分析してもらい、きちんと後始末してもらうことにします。

例えば、
・残った預金の処理、はもちろんですが、
・土地、建物も処分しなければなりませんし、
・屋内の家具は、売却できるものもあれば、廃材として費用が発生するものもあります。寄付なら受け取ってくれる人もいるかもしれません。
・パソコンがあれば内部情報の消去も不可欠です。
・電気、ガス、水道を止めるのも必要だし、毎月の支払いがあれば、それの停止もお願いしなければなりません。ホームページの削除や携帯電話やプロバイダー契約の解約もしなければなりません。
・自分が他界したことを、知己に連絡しなければならないし、葬儀が必要ならばその段取り、香典はどう処理するか。先祖の墓があるなら、その維持をどうするかが課題です。
・「実は10年前に100万円貸した・・・」とか、身に覚えのない要求をしてくる御仁が出てくるかもしれません。それも対抗してもらう必要があります。
・そういった諸々の費用を支払った後で、さらに幾ばくかのお金が残ったならば、それをどうするか、ということまで決めておかなければならないでしょう。

ざっと考えただけでも、これくらいあります。
それを一切合切お願いするとなれば、費用はばかになりません。

何しろ、そのとき自分はいませんから、あらかじめ徹底的に調査してもらい、逐一、処理方法を決めておき、さらにその処理を信頼できる相手に託しておく必要があります。

そんな心配もしなくてはならない。
一人暮らしだからです。


実は私、以前、遺言を書こうと思っていろいろ調べ物をしたことがあるんですが、これがなかなか簡単ではないことがわかりました。

(1)個人で自書すればお金はかからないのですが、書式に間違いがあると無効になります。それに何より、「見つからない」という危険性があります。
(2)公正証書として届け出る方法もありますが、証人を2人立てなければなりません。付き合わされる方も迷惑だし、若い人に頼まないと、その人たちの方が自分よりも先に他界してしまうかもしれません(もちろん、頼む相手がいないというのが正直なところです)。
(3)金融機関や弁護士などに頼むと費用がかかります。財産処分まで依頼すると100万円以上かかるようです。さよならする時がいつになるかわからない以上、大きな金額は事前に使いたくないですよね。
(4)それに、いくら精緻な遺言書を作ったからといって、すべてを網羅するのは無理。後から「しまった!あれ、忘れてた」ということになると、遺言書の作り直しになります。5年10年も経つと、状況も変わってきますので、やはり作り直さなくてはならなくなる。となると、また面倒な手続が必要ってことになります。

そんなわけで、遺言書を作るのは、もう少し先にすることにしましたが、その間にバッタリってこともありますよね。
「何でそこまで、死ぬときの心配をしなければならないのか」と思うと、いやんなります。


昔、借家住まいだった頃、更新時に「連帯保証人」をお願いするのが、気詰まりでした。
しかたなく職場の上司にお願いしたのですが、自分の年齢が上がってくると、なかなかそうも行きません。そこでやむなくマンションを買いました。

今は、連帯保証人の代わりに、お金を取って保証してくれる事業があるそうです。それを知っていたら、一生借家住まいでも構わなかったのに、残念です。


そこでもって、考えたのが、デューディリしてくれた会社に全財産と全負債を譲る契約をするという方法です。
一口でいって、企業に相続相手になってもらう、って寸法です(ただし、法律等の改正が必要かも)。

その代わり、“後払い”。

会社としては、「全財産を使われてからでは利益が出ない」と心配かもしれません。

そこで、定期的なデューディリを義務づけます。
結果、資産が少なくて全面的に面倒みられないという場合は、サービスをレベルダウンさせるとか、サービス内容を部分的に切り離して個別契約にする工夫をします。
「預金残高が〇〇万円を下回ったので、ディズニーランドの優待は使えません・・・」とか、いうふうにです。

しかし、私たちの立場から見ると、「全財産を使って死にたいけど、できない」という実情があります。「誰も自分が死ぬ期日を設定できない」からです。
つづく→

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