しろうと考えではありますが・・・

まぼろしの経営力向上プロジェクト その3
〔疑問3:企業のレベル感って、何だ?〕

診断士さんたちが2,000社を回って集めてきた報告書は膨大なものでした。
スタッフは、その分析に手を焼いていました。
しかし、「何か企業にレベル感のようなものがあるのでは・・・」というところは皆に共通した意見でした。
漠然としているけれど、「自分達の作ったチェック項目がピタリと当てはまる企業」と「そうでない企業」では、何かレベル感の違いがあるようだ、そして、どうもそれは「企業規模」と関係しているようだ、ということです。

そこで、私は先述した「経営者が先頭に立つ」のとは対極にある経営実態を、「高度にシステム化された」大規模企業だと、想定しました。

話は変わりますが、「働かないアリに意義がある」(長谷川英祐 メディアファクトリー新書)という本があり、興味深く読ませていただいたのですが、ミツバチの中にも「腰の軽い」働き者のミツバチと、怠け者のミツバチがいるそうです。
働きバチは幼虫の世話をしますが、幼虫が空腹だというサインを出すと、まず働き者がその世話をする。それでも手が足りなくなると、怠け者のミツバチが動き始めてエサやりに参加する。幼虫が満腹すると、怠け者のハチから仕事をしなくなり、最終的に作業は終了する。そういう仕組みになっている、ということが書かれています。

大切なのは「全員が腰が軽くてもダメ」というところでして、すべてのハチが働き者だと、不必要に労働力がフル回転し、結果として過労死するハチが出る、そのため、そのコロニーは長く存在できない、そういう話でした。
必要なニーズに対して最適な労働が投入される、しかも自動的に処理される、そういう高度なシステムが知性のない虫の世界で成り立っているというところは驚異です。

この話を読んで私は、自分が考えていた高度システム型の企業形態は、このミツバチ社会に近いのではないか、と考えました。
そして、「経営者が先頭に立って営業する」レベルの企業は、長く経営を維持できないのではないか、とも思いました。

次に私は、両極端のモデルが出来たので、その中間もあるだろうと、 想定しました。

いわゆる「中堅企業」と呼ばれるレベルです。大手企業から安定した受注を確保し、一定の従業員を擁して企業の規約も整備され、経営計画や資金計画も取りあえずは作って会社を維持しているタイプです。
別の見方をすれば、あれこれ「調整」や「気配り」が経営者に求められることになります。
このレベルだと、経営力向上プロジェクトの質問項目との親和性も高まります。

そして、企業のレベル感は、経営者先陣型→気配り調整型→高度システム型に成長していく。企業が長く存続していくためには、次のレベルへのステップアップがどこかで必要になる。
そういう仮説を立てました。

しかし、そんな難しいことを言ったところで、中小企業のオヤジさんは興味を示さないでしょう。
だから、誰でも知っている別の名前で、これを啓発したらどうかな、というアイデアが浮かんだのです。

私は、有名なこの3人に、企業レベルの違いを映してみました。 
まぼろしの経営力向上プロジェクト!  さて、あなたの経営は誰にいている?
私は、経営者先陣型経営を、
「信長型」としました。


私は、気配り調整型経営を、
「秀吉型」としました。


私は、高度システム型経営を、
「家康型」としました。




※作画は著者。本物はこういう顔ではありませんが、あくまでイメージということでご勘弁を。
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