第112話 1962年 『他人の不幸は蜜の味』
ユダヤ暦5722年 皇紀2622年 大正9年
第123代 大正天皇(33) 第19代将軍 千家 夷隅(39)
ナノピンセットで、人海戦術で、構築する炭素系の賢者の石(LSI)を人工知能と呼ぶことになったらしい。
膨大な情報と、既存の高速処理行程だけ、創造性皆無というのに、
でも、なんとなく、未来の日本に追いついた的な気がする。
光通信電話50回線分あれば、大規模オンライン会議や講義だけじゃなく、
情報量というか、電子的に元素レベルから 仮想VRMMO できそうだし
国際情勢は、コンゴ戦争が中心で重工業の高笑いが聞こえるぜ
いや、破壊と、再建が一番儲かるし、他人の不幸は蜜の味
日本がそうならなきゃいいんだけどね。
好むと好まざるとに関わらず、そうなっちゃうんだよね。
01月
監視テレビを見ると、紐付き人型カラクリが農作業をしている。
人間がしている数百の仕事を人型カラクリに教えるのは、中央電子計算機から紐付きで繋げるか。
幾つかのカテゴリーを電算処理工程をメモリー記憶させるかの二つに一つしかない。
元々は、ベテランの農作業者の体に電極を付け
その動きを模倣させているに過ぎない。
もちろん、身体的な差もあるので、それも含めて計算するのだけど、達人と呼ばれる人たちの動きは、ほぼ模倣している。
人型カラクリを欲しがるのは、藩主が多いが、有力者と富裕層も欲しがっている。
あと、軍部と警察と鉄道も欲しがってる。
ちなみに、人型カラクリは、正当防衛主義で、自ら先行して攻撃することはないものの
武術を取得していて、普通の人間は勝てない。
人型カラクリがヘブライ語を話している。
おれは、単語を20～30個くらいしか知らないので、合ってるのか、間違ってるのかわからない。
わかるのは、ボ×ロ音声に近いので、本当に伝わってるのか不明。
でもまぁ 鉄道案内とかで利用されてるので、伝わってるのかも、
ていうか。主要30言語は、喋れるはず、
02月
総人口6億2499万人
20歳以上の男子人口が増えると、
北西に向かって100万人長行政区画がスライドしていく、
中央域から南東に掛けて100万人長区画のスライドが積み重なって、10個集まると、
そこに1000万人長区画が形成され、新たな1000万人長区画が出現してしまう。
現在、日本圏は、15個の1000万人長区画が存在し、
扶桑は2個目、日本は5個目、瑞樹は5個目、
フィリピンは4個目、ナミビアは4個目の1000万人長区画の線引きが進められている。
あと、僻地同士で寄せ集めの100万人長区画が集まり、1000万人長区画を作ることもあるが、
対22藩主用1000万人長に過ぎず、実質的な区画行政権としてのまとまりはない。
日本は、16歳から45歳までの人口が少なく、46歳以上の人間が多く。海外地は、その逆になった。
それほど、海外地と国外での労働収入が大きく、日本国内の労働収入は小さいのかもしれない。
国外や海外地で働いてきた子供が戻ってくると、お祝いをするのだけど、
その私財の多くは、国外と海外地にあって、
家の後をついでも、海外地の私財と、実家の私財の釣り合いをどうするかで逡巡してしまう。
日本を引き払って、完全に国外か海外地に行く者もいれば、
逆に海外地私財を引き払って、日本での地所を増やす者もいる。
あと、どっちも移動することなく、権限を人に委託し、配当だけを得る者もいるわけで、
おれは、どちらかというと、
国外・海外地・日本の利権を人に任せ、配当だけを貰ってる方だと思う。
でも、流石に珪炭社本社は、押さえてるけどね。
おれ、基本社長だけど、
ほかは、相談役とか、適当な役職を付けてるのだけど、
全周スクリーンと、人型、犬型、鳥型のカラクリで、
いろんな職場を一瞬に見て回れるので、かなり有利かな。
しかし、カラクリは、随分と、人に似てきたよ。
まだ紐付きなんだけどね。
試作生産中の人型が軍部・警察・消防などを中心に配備された頃、軍機に関わる企業にも一部が使われ出した。
もっとも、軍機なので、人目に付かない場所で使われるよりなく、発覚したとしても、知らぬ存ぜぬを貫くよりない。
人型カラクリに人を殺せるか。
無人兵器は、人を殺せるので、いまさら感だけど、
人型カラクリは、日常の世界に入り込むことができるし、一定の規定がある。
通常、専守防衛で、違法行為があっても記録するだけにとどまり、上司が命令しない限り、捕縛に至らない。
戦時下に移行すると、殺傷も可能になるけど、これも上司の命令が必要になる。
捕縛命令で、眼を青くするか。
殺傷命令で、眼を赤くするかを幕藩連合議会で、検討しているらしい、
アポロSA2ロケットが打ち上げられた。
水を撒いただけだけど、アポロ計画の一貫で、実験的に打ち上げている。
03月
電話・電音・電映通信網の収入が増えるにつれ、
阿頼耶識の上位検索1000万頁に通信費の一部が再配分されることに決まった。
上位の収入は減るが、裾野が広がり、コンテンツが増加する。
列強と呼ばれる主要国家群でほぼネットワークが伸びつつあるし、
価格の引き下げだけでなく、魅力的な配当を提示しなければ通信網を広げにくくなってる。
ここで、中間層以下の家に通信ケーブル網を広げる方が何かと有利だ。
白装束の男が自動車の屋根の上に置かれた牢に座らされている。
史実の洋化明治維新を経験していないせいか、
江戸時代の刑罰は、幕藩連合議会で統廃合されつつも半分ほど生き残っている。
主・尊属殺しは、市中引廻しの上、死罪
卑属殺しは、死罪～遠島といった具合、
同じ殺人でも立ち位置で差別があるし、
時代を経るに従い幕藩連合などで法が変わり、刑罰と量刑も変遷してる。
主な変更は、死罪の方法で鋸挽き、磔、首晒しが消え、
切腹、首吊りが残り、投薬が追加された。
見せしめで、公開されるのは、投薬だけになった。
あと、武芸同士の死闘と仇討ちは、奉行所の許可制で、場所も指定され、
年齢制限されることになったけど、14歳以上か20歳以上で、多数決で14歳以上となり、
未来でいうところの人道的処置という言葉は、なんだったんだろうって、思えてくるね。
あと、仇討の仇討は、禁止されることになった。
安政の頃と、違うのは、市中引き回しでも、意識されることが少なく、
チラ見される程度で、忙しなく行き来する人間が増えてる。
未来だと、携帯で撮り捲くりかもしれないが、雰囲気的に自分で消去することになるだろう。
あと、世襲藩主が強い藩は、刑がすんなり行われやすく、
1000万人長の強い海外地では、用心深く刑が執行される傾向があるというか、
次の奉行に任せちゃえ的な感じなのか、復讐を恐れる傾向が強いのかもしれないね。
まぁ それでも弁護士はいないし、未成年が未成年を殺して3年で出所なんてことはないね。
04月
110年以上も日本社会を見つめていると、時代と時代を比較しやすい。
科学技術の階層が広がるほど、人が薄っぺらくなる気がする。
例えば、いまさら機械語で行程処理を作る人間はいないのだけど、
阿頼耶識の 千章眼 の行程処理を機械語で作らせていたおれからすると、
機械語も知らず行程処理を作っている人間が増えると不安になる。
しかしまぁ いつか来た道だし、
人型カラクリは、機械語から最新の電算言語まで知っているわけで、
誰が歴史を継承しているかというと、人間よりカラクリなのかもしれない。
05月
国際情勢は、世界最強最大の生産力をもつ日本が、
そして、コンゴ最大級外国資本の日本がコンゴ戦争に日和見なせいか。
各国は、中立を保ちつつも義勇兵をコンゴ戦争に派遣し、兵器・武器弾薬の試験を繰り返している。
実のところ、どの勢力がコンゴの主権を争奪したとしても、
日本の利権に手を出す国は、存在しないと考えられているのかもしれない。
「今、人型カラクリは、どうなっているの？」
「紐付き人型カラクリ10000体」
「ニッケル系吸蔵水素ロータリー機関と、珪素系の賢者の石のカラクリ3000体」
「パラジウム吸蔵水素ロータリー機関と、炭素系賢者の石のカラクリ100体」
「つまり、汎用自律系人型カラクリは、100体だけか」
「外に出せない機密なので、紐付きで十分だと思われている節もありますね」
「まぁ 少ないというべきなんだろうか」
「総人口6億人の産業で、試作の手工業実験機100体ですから、少ないと考えるべきでしょうね」
酒場
瑞樹以来の師弟友達と、酒を酌み交わす、
おれは、友達が少ない。
15歳から始めたので、幼馴染もいない。
でも、綾波とか、時司とか、友だちを作ろうとする機会すらなかったからね。
次は、もう少し若くして、はじめたいものだけど、
体組織900g消費して900時間(37.5日) ～ 体組織100gを消費して100時間(4.1日)の制限がある、
いまのうちから若返ってるけど、老衰で死ぬのなら、年齢相応の体格をしないといけない。
タイムラグがあるわけで、あまりに、若返ろうとするなら出所不明の孤児になるわけで、
錬成があっても孤児で生きていくのは、綾波で懲りたからね。
だいたい、若ければ友達を作れるかというと、作りやすいだけで、作れるという保障はないし。
「瑞樹の田舎で生まれが、政治中枢の京都で、活躍できるとは、いい時代になったものだ」
「霧島のおかげだな」
「基幹産業を興せたからな。うまみは、あるだろう」
「うまみと言えば、藩と、1000万人長区画で利権が細切れにされてるからな」
「配当があっても人事が及ばないと不便でしょうがない」
「その配当だって、軍機で利益を低く抑えられているからな」
「戦争があれば、炭素甲線と炭素甲網の設備投資と生産を増やせて、大儲けなんだけどね」
「あははは、まさか。幾らなんでも、私利私欲で、戦争は、まずかろう」
「そうそう、幾らばら撒くとしても、回収しきれなければ、新興企業が増えるだけだ」
「「「「・・・・・」」」」
利権と権限が大きくなるほど、戦争による利益と格差を望み始める。
金融をバラマキに頼るのでなければね。
06月
各国が電音・電映・阿頼耶識で、キリスト教・イスラム教の説教番組を行っている。
それも多言語放送で、日本語への吹き替えもあって、相当な力の入れようだ。
日本人を味方にしているのかもしれないし、
少しずつ反日を刷り込ませてる気がしないでもない。
日本も仏教や神道の番組はあるけど、説教というより解説に近い、
多言語も少ししかないようだ。
将来、不安だけど、
日本は、年代ごとに世界各国の写真集を撮っていて、阿頼耶識で公開している。
各国とも歴史教育で嘘を吐き難くなるわけで、
やるとしたら、物量で印象操作を繰り返すしかないのかもしれない。
千章眼 床屋・井戸端談義の収益で、現地通貨が貯まってるので、
まぁ 資源を買って、日本に供給するか。
現地で利権を買うのだけど、護送船団方式でやると現地政府に奪われにくく、守られやすい。
普通は、現地政府に買い戻し契約があるので、荒事より金で済ませる方が得策なのだけど、
最近、支那系、朝鮮系の嫌がらせが多く、
地主を追い出して、現地政府に売るみたいな、地上げ屋的なことをやってる。
人型カラクリ、犬型カラクリ、鳥型カラクリを作るのは、戦争だけじゃなく、
国外利権を守るためでもあるね。
人型カラクリ、たぶん、50人掛かりでも勝っちゃうから、
07月
久しぶりに新幹線に乗ると、地下鉄化が進んでいる。
中は広くて余裕があるのだけど、移動速度が速いので、ゆったり過ごす時間が少ない。
ちなみに極東ロシア鉄道(1600m広軌)と繋がっているので、
その気になれば、極東ロシアに行くこともできる。
あと、ソビエトは、1520mm広軌。
清国は、1435mm標準軌なので、乗り換えないと先には行けない、
極東ロシアは、親日国なのだけど、
欧米諸国だけでなく、清国の諜報機関が入り込んで、情報戦が繰り返されている。
でもまぁ 費用対効果で、回線を使った印象操作が強いようだ。
ていうか、極東ロシアは、日本資本の建設投資を公募していて、
極東ロシア観光旅券を日本の有力者に配っている。
贅沢コースになってるし、ただで、もらったから、来ただけなんだけどね。
首都ハバロフスクは、ロシア正教を中心にモスクのある建物が多いようだ。
白壁のクレムリンに似た建物があって、皇帝が住んでいる。
日本と似ていて、貴族制というか封建制が残っている。
政治体制も似ていて、石高に比例して、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵がもらえるらしく、
日本資本が建設した高層建築が多くて、なぜか、日系ロシア人貴族もいる、
その辺の繋がりは、いろいろあるのかもしれないけど、
土建屋の親父が、極東ロシアに観光に行く話しはよく聞く、
あと、西洋の没落貴族もなぜか、集まっていて、未婚の女貴族が日系の顔をした子供の手を引っ張って歩いていたり、
好むと好まざるとに関わらず親戚付き合いというか、交流が増えているらしい、
まるで、未来の日本と韓国の政官財みたいだ （笑
違うのは、生まれた子供が掛け値なしの美男美女で、性格もいいような気がする。
ていうか、子供が生まれると、
後ろめたい爺さんたちが金を出し合って、高層建築を建ててるような気もするね。
ちなみに、おれも、その仲間入りしそうな予感がする (笑
そうそう、日本人の旅館フロアも必然的に多くて、日本語の看板があって、ロシア人の日本語の話術者も多い。
日本と変わらない生活ができる感じ、
あと、日本の学校があって、適正年齢21歳以上合格者もいるらしく、高い評価を受けられているらしい。
極東ロシアの軍事力は、少しずつ国産が増えてる気がするけど、基本、日本製と互換性のある兵器が多いらしい。
極東ロシア軍は、主敵をソビエト軍と想定していて。副敵を清国にしているらしい。
次の戦争は、露ソ統一戦争になるか。
清露戦争になるかは、不明かな。
極東ロシアって、白人が多いし、欧州国家だと思うわ。
ロシア料理は、結構うまい。
でも、日本で、日本人の料理人が作ったロシア料理の方が美味しく思えるから不思議。
アムール川で釣りをするのは、それなりに楽しい。
そうそう、学校を見学したり、役所の働きぶりを見たり、警察官の素行を見たり、
ロシア軍将兵のモラルと士気を調べたり、ロシア人同士のコミュニティを覗いたり、
ロシア貴族の考えを聞いたり、ロシア正教の説教を通訳してもらったり、
あと、地方を回ったり、
なんか映画撮影をしている。
日本の映画なのにロシア人が日本語を話していたり、ファンタジーな建物が建設されていたり、
そういや、ロシア系建築を背景にした作品が増えた気がする。
あと、ヲタ魂が揺さぶるようなキャラものが増えたっけ、
試しに、シャフ×角度をやらせてみた (笑
08月
やべぇ～ 酒池肉林な毎日を送ってる気がする。
極東ロシアは、国力を大きくしない限り、国防が困難で、日本資本を欲しているし、
貴族にしたら、石高を大きくすれば、自動的に爵位があがるわけで、
庶民の娘でさえ、上手くいけば、爵位に繋がる可能性を捨てきれないようだ。
まぁ 若くて美人だし、
国際親善の範疇でしょう。
ていうか、お金持ちにしたら、国境より、血縁が強いわけで、
そういう意味で 国境はない 的な意識になりやすいかもね。
ちなみに、似たような産業をしている国があって、
スウェーデンとか、デンマークとか、ノルウェーとか、
オーストリア＝ハンガリー帝国とか、ルーマニアとか・・・・
下半身ってやつは、国境線を抜いちゃうんだな (笑
学校で槍やってる15、16歳のロシア人を見掛けた。
上手いので、聞いてみると、適正年齢28歳合格者らしい。
この時代、まだゴスプレーヤーはおらず、練度で評価されてる。
ていうか、日本でゴスプレが流行らない限り、海外に波及しないかもね。
たぶん、
工業は、どうだろうと思って、自動車工場に行ってみると、
流れ作業でやってるけど、労働者の動きとか見てると、
しばらくは、大丈夫な気がする。
09月
寒くなる前に日本に戻る。
ていうか、日本もたいがい寒いけど、極東ロシアの極寒さと比べるべくもない。
幕藩軍の訓練地を見に行くと、一般将兵に並んで、自律型人型カラクリ兵がいる。
簡単な行程処理だと、二つの地形の地盤を確認して、15～25mほど跳ばす方法がある。
これだと速いが、間違いなくロボット兵とわかるため、
複雑な処理計算で、幹や枝を頼って移動させるのだけど、人間の兵士の真似をさせるのがコツらしい。
これが意外に負担になるし、燃料消費も大きくなるようだ。
自律人型カラクリの炭素型電子頭脳は、スーパーコンピューター並みで、
一つ製造するのに、数千人がナノ工具を持って手工業で製造し、数年もかかる。
量産用の珪素型賢者の石とは、次元が違うせいか、主に軍用で使われ、
一個作るのに、空母を建造するような気分になる。
費用対効果が悪いのに製造を続けるのは、汎用性の高さと、
富裕層が、信用できる私兵と、若い愛人を欲しているからかもしれない。
九州 脊振山地(800～1000m)
花崗岩の山体を刳り貫いた空間にナノ工場が建設されている。
巨大な工場に数千人が作業して、親指大の表面ほどのモノを何年もかけて製造する。
それが炭素系の賢者の石で、主に軍用で使われる。
情報量の大きさと、処理速度の速さで、無人兵器化させやすかった。
「新しい工場か」
「数百人で数年なら、数千人で1年。数万人で数か月ってことですよ」
「量産のきかない小物とはいえ・・・」
「長期的に考えれば、人類史上最強の軍団ですよ」
「リミッターの外し方が問題だがね」
「天皇と、将軍と、22藩主と、1000万人長の過半数でしたっけ？」
「分母を大きくすればいいというわけじゃないが、5分の3だったな」
10月
時司の時代、愛人だったロゼ・ティーナ(78)が死んだ。
老衰というか、風邪を拗らせたらしい。
扶桑なので、
来年になって行こうと思う。
12000t級黒姫型原子力巡洋艦 佐幌
全長210m×全幅22m×吃水5.8m
小型ナトリウム冷却高速炉 電気推進
50000kw(37500馬力)3基150000kw（112500馬力） 32kt 40年間
垂直発射装置(VLS)対空・対艦・対潜ミサイル20発 ×4基
70口径150mm砲2基 70口径25mm6束機関砲4基
ヘリコプター1機 無人哨戒機3機
1942年から一番艦の 黒姫 が就役し
隔年ごと 雲仙 穂高 葉山 黒部 入笠 霧島 比叡 金剛 と建造し、
10隻目の 佐幌 を建造していた。
中央電子戦制御室は、年々 性能が向上し、
ついに、炭素甲線と炭素甲網系の手工業製、賢者の石(LSI)を搭載する。
ほぼ、究極的な電子計算機能力を持つ軍艦は、火器管制システムだけでなく、
眠ることも、食べることもない、人型カラクリ兵士を統制できた。
もちろん、人間の将兵も乗艦するけど、いなくてもいいと思わせるほど性能が良かった。
哨戒機は、滞空力と哨戒力が増し、
艦隊と相互リンクすることで、低空から侵入する敵機も迎撃しやすいようだ。
「霧島殿。水上艦もパラジウムを使いたいそうですよ」
「そんなにないよ」
「カラクリにパラジウムを使われているからですか？」
「まぁ 護衛が欲しい御仁が多いからね」
「腹黒いことをしてるからでしょう」
「いやいや、まじめにやっていても、利権を奪われないよう。護衛がいるんだよ」
飛行場
人工知能を持つ人型カラクリを歩かせたり、整備士にするより、
人工知能を持つ戦闘機を飛ばす方が処理上、容易だった。
たぶん、パイロットが搭乗しなくても戦闘機を飛ばせるし、戦闘機動も人工知能に任せた方が優れている。
まぁ 最初は、戦闘機動を模倣しやすいように、標的機やウィング機として取り入れさせていくつもりかな。
阿頼耶識 ワシントン電音局
“今年も、アメリカ合衆国の政治エンターテインメント中間選挙が始まりました”
“実況・解説、ユダヤ資本。応援団、ユダヤ資本。会場、ユダヤ資本です”
“政治役者、ユダヤ資本。興行選挙人、ユダヤ資本の提供で送る権力闘争のトワイライトゾーン”
“金融の番人のエレファント・リパブリカン候補と”
“金融の腰巾着のアシヌス・デモクラティック候補の壮大な民主主義出来レース”
“今期の焦点は、国際的焦点となってるコンゴ戦争でしょうか”
“それとも、事前に繰り返してる自作自演の不法移民事件で、お茶を濁すのでしょうか”
“また、目立つ宇宙開発か。あるいは、安全保障の核武装でしょうでしょうか”
“それとも、肉を切って骨を建つ格差社会問題か”
“大番狂わせ、アメリカのタブーの暗殺上等の牙城、金融FRBに突撃をかますのか”
“おっと、いきなり、エレファント・リパブリカン候補の先制攻撃は、アメリカのドルと清国の元の固定相場制だ”
“これは、意外だ”
“フェイントか。それとも本気なのか。新たな政治焦点か”
“アシヌス・デモクラティック候補は、目を泳がせて、表情を変えた”
“清国とのパイプの薄いアシヌス・デモクラティックが守勢に立ったのか”
“そして、機先を制したエレファント・リパブリカンが家族制度の重視法案で畳みかけた”
“巧みだ。あまりにも巧みな論戦に、アシヌス・デモクラティックが苦し紛れの死刑制度廃止で切り返した”
“どうですか。解説の古池さん、ここまでのディベートトークは？”
“そうですね。政治ショーは、実況と解説で大衆の意識を望む方向に向けさせられますからね”
“子供のケンカでさえ、聴率は取れますし、それが国政ならなおさらで”
“今は、前哨戦です”
“これから、コンゴ戦争、清国暴動、アチェ・タイのゲリラ戦争”
“日本の宇宙開発と、大きな話題に広がっていくと思いますね”
“どちらにせよ。アメリカ国民は、エンターテーメントに誤魔化され、金融改革に意識を集中できないはずです”
“おっと、アシヌス・デモクラティック候補が、麻薬問題を切り出した”
“これは、変化球か。下手の事を言えば、殺されるぞ”
“エレファント・リパブリカン候補が言い淀んだ。脳裏に銃口が浮かんだのか、顔色が曇る”
“さあ、票固めとはいえ。タブーと。マフィアとどこまで調整してるのか、問われるぞ”
“どうでしょう。古池さん、ここまでの舌戦は？”
“そうですね。国民の利益にかなう事を言うと、どうしても利権と対決することになりますからね”
“政治家が利権の用心棒になっているのか。国民の護民官になってるのか、政策や発言で、わかるってものですよ”
“コンゴ戦争は、出てきませんね”
“話題を遅らせてることで、義勇軍出兵の問題を小さくしようという思惑なのでしょう”
“どちらの候補も、軍産複合体の首縄が付いてるわけですね”
“そりゃもう、成功報酬だけで、スイス銀行に金が振り込まれますからね”
“どちらも、大統領の地位と、お金と、クライアントを天秤に掛けながら、舌戦をするんじゃないですか”
“時に、中間選挙の元締めは、どれくらいの収益が見込めるんでしょうか”
“そうですね。動いたお金の5分の1は、何らかの形で、懐に転がり込んで、回収もできるそうですよ”
“さすが、元締め、羨ましいですね”
“ところで、独立系というか。イスラエル親衛隊は、何人くらい当選しそうですかね”
“そうですね。南ユダタルムード系の無視と、アンチ広告と、誤魔化し広告と、印象操作は、えげつないですかね”
“苦戦してると思います”
“それはそうと、アメリカの政治力は、暗黒面との交渉力と言われてるのですが”
“エレファント・リパブリカン候補と、アシヌス・デモクラティック候補のどちらが有利なのでしょうか”
“それは、日本も近いところがありますけどね”
“いやいや、バラマキのないアメリカのマフィアは、銃を持っていて、生きるか死ぬかですからね”
“日本みたいに、免許があるから帯刀できるとか”
“警察や軍人や師弟人脈をバックに、示談交渉ができるという程度じゃないですからね”
電音を聞いていたら変な実況が (笑
11月
パラジウム吸蔵水素と、ロータリーエンジンの組み合わせの動力機関は、カラクリだけでなく、
潜水艦にも使われ、水上艦艇にも波及する。
海水を酸素と水素に分離し、酸素は潜水艦ならエアコン用、
水上艦なら、そのまま燃料として燃やすことができた。
そして、水素は、パラジウムに吸蔵させることができるため、
最大速で航行しない限り、長期航続力が得られた。
弱点があるとすれば、パラジウムが高価であること以外にないのだが、
日本は、世界一の金持ち国であるし、希少戦略物資でない限り買えないものはなかった。
まぁ 残念ながらパラジウムは、戦略物資なのだけど、いろんな方法で手に入れる道があった。
大阪湾
3200t/4600t級海龍型戦術潜水艦
全長90m×全幅10m×吃水8.6m
水素パラジウム・ロータリーエンジン20000馬力 30kt 25000海里
544mm魚雷発射管8基 24本
「原子力潜水艦のような馬力はないよいうのに。やはり、原子力は、嫌われモノか」
「金で、兵士を集めやすくなるのなら安いものですよ」
「国力当たりの戦力は小さいけど。近隣諸国と比べたら戦力的に余裕があるがね」
「スターリング機関は？」
「ロータリーエンジンの発熱と連動させて充電してますよ。気休めですけどね」
「それは、それとして、熱水噴出孔や海底熱水鉱床で、希少金属を採掘する海底機械は？」
「あれに予算を取られると、面白くないですがね」
「しかし、希少金属がないと、高品位兵器を作れないだろう」
「んん・・・」
人型カラクリ兵は、パワーがあって、
分隊支援火器6.5mm機関砲や10mm機関砲を突撃銃のように扱える。
いや、マジで、
でもなぜか、狙撃銃は苦手らしい。
機械で 炭素系賢者の石(LSI) を作れないのと似ている。
感覚的なセンサーに、まだ、欠陥があるのかもしれない。
まさか、超感覚とか、ゾーンに入ってますとかじゃないよね。
たぶん。
アポロSA3ロケット打ち上げ
今回も打ち上げ実験で、水を撒いただけ
低軌道に4000t級ドーナツ型ステーションを計画している。
無重力が産業で益になることがあっても、人体は重力を不可欠としているわけで、
重力を得るために一々地上に降りるのは、エネルギー効率が悪すぎた。
有人区画と、ジャイロスタビライザーのサンドイッチ構造で、
ジャイロスタビライザーを高速回転させることで、微小重力振動を相殺しつつ人工重力を作るつもり、
12月
この世界の日本も、少しばかり未来の日本と似ているところがあって、
クリスチャンは、1パーセント未満、
むしろ、ユダヤ神道と、ユダヤ教が、人口の5パーセントを超えている。
と言っても、檀家制としての宗教なのか、信仰は宗教戦争未満な感じだ。
そんな街は、クリスマスで賑わっている。
商品を捌きたい店が、クリスマスソングを鳴らして、客寄せしているわけだが、
この光景は、未来の日本と変わらない。
小雪が降る中、暇潰しに本屋に立ち寄る。
基本的に阿頼耶識で上位になると、電話料金の一部が再配分されるのだけど、
広告としての書籍は、健在らしく、
欧米資本は、日本の思想・思考を変質させるため
毎年、500億文ほどの対日工作予算で、退廃作品を底支えしている。
ちなみに有力企業の年間広告費は、800億文くらいで、
予算を上手く振り分けると、そこそこ上位になるし、
日本人の嗜好は、そっちだから、
みんなそれをテンプレにして書けってことになる。
関係者は、売上げが昇給と報償と昇進に繋がるので、必死に援護射撃するわけで、
広告費に比例して味方が増えるようだ。
まぁ 利権社会にしたら家族や地域から切り離した個人を利害関係だけで、ロボットのように働かせ、
しかも、自分の思考を殺して働いてくれる人間が都合がいいからね。
日本人の嗜好も操作したいのかもしれない。
書籍を見ると、左翼系は、欧米の弁護士制度、陪審制度を取り入れようと画策している気がする。
ちなみに幕藩連合の日本は、奉行所で裁判が行われる。
安政以前は、将軍や藩主に人事権があって、奉行を選任したけど、
いまは、藩主の主従関係でなく、
藩主は、法曹系師弟人脈の適正試験合格者か、10人長制から奉行を選ぶ
これが、海外地1000万人長区画になると、旧藩主がいたとしても実権がない。
1000万人長か100万人長が法曹系師弟人脈か、下位の10人長から10人ほど選抜して量刑を決める。
まぁ おれも100万人長、10万人長、10000人長、1000人長、100人長のとき、
やったことあるから知ってる。
欧米風に言うと、法曹系師弟人脈系の適正年齢合格者が、裁判官とか警察官の役割で、
10人長制から選出された人が陪審員とか、弁護士的な役割かもしれない。
ちなみに両方で高位な者も少なくなく、半分は、混在しているかもしれないけど、
一つの裁判で10人ほどが動機、証拠、証言から判例を照らし合わせ、情状酌量を差し引いて量刑を決め
表舞台のお白洲で、奉行が罪状を滔々と述べ、判例と情状酌量など吟味した裁きを伝える。
裁判内容の記録は、奉行と、一定期間を過ぎると、図書館に残される。
法曹系師弟人脈系適正年齢高位合格者と、10000人長以上は、自由に閲覧でき、
最近は、阿頼耶識の法曹機密禄に記録されるらしい。
外が騒がしいと思ったら
右翼連中が日本も世界平和のため、集団的自衛権で開戦しようと騒いでる。
そんな感じに誘導しようという架空戦記も出版されているようだ。
そりゃ 戦争で一人勝ちする軍需産業からお駄賃を貰ってるのかもしれないけどさ、
戦場は、日本の国防と無関係なアフリカ大陸のど真ん中だよ。
現地に行って日本の国防と無関係に負傷したり死ぬのは、日本軍将兵で。
そのことで、一生、苦しむのは家族だし、
遺族年金と見舞金を払うのは、国家財政で。負担すのは、国民だし、
戦争したとしても美味しい思いをするのは、特定産業だけで、大多数の国民は、なんの良いこともないのだけど、
日本国内の軍産複合体は、愛国心を大義名分にして、海外派兵させようとしている。
未来の日本と同じだ。
幕藩連合軍も、軍産複合体の金儲けの手駒になっちまうのかね・・・
まぁ いまのところ、欧米型裁判への移行はなさそうだし、
日本が開戦する動きもないかな。
たぶん、
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おれ、 綾波 源司(あやなみ げんじ) ⇒⇒⇒ 時司史朗(ときつかさ しろう)
ロゼ・ティーナ(78) 露瀬 統司(60) 露瀬 千夏(58) 露瀬 陽介(55)
智子(76歳) 時司 頼経(57) 直衛(55) 美智(53) 雪妃（51）
時司史朗(ときつかさ しろう) ⇒⇒⇒ 霧島 高雄 (きりしま たかお ： 37歳)
霧島高雄(37) 香織(26) 翔太（8） 慶太（8） 雅(4) 伸治(2)
史実 9517万人
戦記 428万0358k㎡ 6億2499万人
日本 46万6088k㎡ 1億8086万人
瑞樹 92万5915k㎡ 1億8246万人
扶桑 171万7854k㎡ 2248万人
フィリピン 29万9404k㎡ 1億2602万人
ナミビア・インド洋諸島・イスラエル藩 86万1259k㎡ 1億2501万人
スペイン・ポルトガル国境 カディス 200ｋ㎡
ベネゼエラ トルトゥガ島 156ｋ㎡
コロンビア・ペルー・ブラジル国境 レティシア4500ｋ㎡
ボリビア・パラグアイ・アルゼンチン国境 ピルコマヨ4500ｋ㎡
ウルグアイ バラ・デル・シュイ 100ｋ㎡
メキシコ・グアテマラ国境スチアテ港 200ｋ㎡
チリ ファン・フェルナンデス諸島 182k㎡
オスマン帝国領バルカン北部自治区100000ｋ㎡
オスマン帝国領コーカサス北部自治区156000ｋ㎡
| 第111話 1961年 『日本の政治・経済・軍事を亡くし、女子供・幼児化』 |
| 第112話 1962年 『他人の不幸は蜜の味』 |
| 第113話 1963年 『式神ゴーレムの世界』 |
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