第97話 1947年 『権威は器。器の中は・・・・』
ユダヤ暦5707年 皇紀2607年 明治46年
第122代明治天皇(68) 18代将軍 池田 徳真(43)
そろそろ、次の将軍が選出されつつあるようだ。
将軍職は、戦争でもならない限り権限が低い、
権力基盤で面白いのは、藩主だし、
海外地の100万人長かもしれない、
1000万人長は、象徴的な存在で、
1000万人長区画は、必要最小限の基幹産業が含まれている。
国民は、政治に強い石票を買うか。配当の大きな有価証券を買うか。揺れてる気がする。
石票を購入すれば、農業用高層建築が建ち、配当は、大きくないけど、利益誘導しやすく、
有価証券を購入すれば、産業が大きくなって雇用が増え、儲かると配当が大きい。
たぶん、好みの問題になるね。
01月
極東ロシア全域での電話・電音・電映網施設が決まった。
日本の電音・電映1回線ずつ流すとしても、回線は、ロシアが選択できるし、
残りの放送は、ロシアが配信できるのだからロシア側有利だ。
最近、幕藩連合と、極東ロシアの交渉が増えている。
おれも、文字検索 千章眼 と 床屋・井戸端談義板 の件で、参席している。
電子装置的なものは、全て樺太に置かれ、
文字検索の結果だけが、極東ロシアへ送り返される仕組みだ。
ていうか、極東ロシア人の書いた文章が全て、樺太の電子制御室に置かれているのだから、
そりゃもう、ロシア人の思考は、丸見えということになる。
そうそう、露ソ戦争が近いらしい。
日本縦断鉄道で兵站線が伸び、戦争しやすくなったのかもしれない。
ロシア皇帝アレクセイ・ニコラエヴィチ(43)も、覚悟してるのか。戦争に言及している、
内心はどうあれ、ロシア人に強気の牽制は効果があるかもしれない。
危険な挑発かもしれないが、
あと、極東ロシア人は、貧富と地域の格差を利用して、革命を起こされたことを経験していて、
電話・電音・電映網だけでなく、
10人長選挙制を取り入れ、日本と似た統治機構に移行しつつある。
ロマノフの遺産を食い潰したことによる妥協と、
西のソビエトと、南の清国の脅威に対抗するため、民主化で国民の総力を味方に付けるためらしい。
02月
比叡山(848.3m)
地下司令部
軍部がB36爆撃機500機で日本本土を爆撃した場合の被害をシミュレーションしている。
迎撃はしておらず、被害状況だけを調べる。
道路の全てと、施設の基礎工事の8割以上は、ジオポリマーで作られ、焼夷弾は、ほとんど、効果がない。
投下する爆弾は、250kg、227kg、113.5kg、45kgだろうか。
レーダーサイトが爆撃機来襲に気付いて、空襲サイレンを流し、民間人の避難を始めるのだけど、平和ボケしているせいか。
これが一番難しいようだ。
ていうか、この時代の軍オタですら、十字軍世界大戦を総力戦のイメージにしているので、
進入速度が速く搭載量の多いジェット爆撃機の絨毯爆撃がわからない。
単純計算で、半分以上が逃げ遅れる。
あと、日本人のほとんどは、敵国民を殺す気がないわけで、
民間人を攻撃してはならないとする国際条約を信用してる民間人もいるらしい。
それ、小国が条約を破ったら条約違反の罰則を押し付けられるけど、
大国が条約破ったら仕方がなかったで済むんですけど、お馬鹿ですか。
文字検索 千章眼 と、床屋・井戸端談義板 で、避難を早くできるのかを検討している。
阿頼耶識を見てる人間は、逃げるだろうけど、サイレンの方が早いような気もする。
しかし、敵爆撃機推定500機と、明文化することで、早足になるかもしれない。
もちろん流言飛語で、押し合い圧し合いになると、悲惨なことになるし、
その辺の仮定も含めて訓練するかが検討材料になっている。
ちなみに高層建築は、鉄骨に囲まれたシェルターボックスというのがあって、
機銃弾くらいなら、防げるらしい。
その地下で設置されてるのは、文字検索 千章眼 の中枢になる中央電算施設で
22藩と海外地の中継電算施設と直通で、
電話番号＋頁数 の阿頼耶識を全て複製し、整列させるのだから巨大になる。
完成すれば一項800文字になるはずだけど、
営業の可能性は、さらに大きくなるので、頁数が増加するらしい。
電話代の一部が上位10000頁の阿頼耶識に再配分されるので、上位は元が取れるだろう。
上位10000頁が多いか少ないかというと、
電音12回線(全国6回線：藩内6回線)
電映16回線(全国8回線：藩内8回線)
より多いかもしれない、
民間の広告料で賄われている電音・電映業界より、
電話代の一部が上位10000頁に振り分けられてる阿頼耶識が有利かもしれない。
電話・電音・電映関連会社が、電話回線と電話代が増える方が有利と思ったといしても仕方がないことだ。
ていうか、トップは、文字検索 千章眼 なんだけどね。
床屋・井戸端談義板 も上位になるはず。
未来の日本と違うのは、全国だけでなく、
藩・海外地単位で地域ごとの文字検索ができることで、志向が見えてくるかな。
あと、銅行も口座番号＋頁で、個人用阿頼耶識を作っているらしく、
それも文字検索に反映させなければならなくなってる。
といっても正確には、銅行の電話番号＋頁＋口座番号なので、銅行も上位に上がりそうだ。
電話回線と違って、銅行に行って、そこで、阿頼耶識を作らないといけないので、面倒かもしれないが、
阿頼耶識を使った取引をするのなら、便利かもしれない。
03月
裁判の映像と記録は、図書館に保管され、
100人長以上は、守秘義務にサインすることで、閲覧できた。
実は、100人長の仕事に公文書認証の仕事がある。
証拠に不正・不備がないか。前例の判例から逸脱してないか。
確認するだけなんだけどね。
公文書偽造してるおれが、公文書認証とか、笑っちゃうけどな。
あと、銅行の監査の手伝いとかもやる。
100人長は、先任・主任・主任を合わせて310万人ほどいるらしい。
総人口は4億人を超えるので、10人長に手伝ってもらわないととても足りない。
結構、金になるけど、
最初の2年は、副任で、見習い。
次の2年は、主任で決定権がある。
次の2年は、先任だけど、6年後、就職をどうするのか、考えないといけない。
おれは、22歳だけど、26歳まで100人長なので、一生懸命に働きながら、次の職を探すか。
もう一度、10人長選挙に参加するかだ。
実のところ、綾波・時司学閥派は、格差是正と新陳代謝。支那・朝鮮の排斥で評価されている、
まぁ 選挙は、水モノだけど
時司の闇閨閥ともなれば、それだけでも、100人長超えは、難しくない、
そうそう、10人長選挙とヤクザの関係なんだけど、
バラマキのせいで、ヤクザは、史実より力を失っている。
ヤクザが排斥される区画と、
ヤクザが間接的に取引する区画と、
ヤクザが10人長、100人長になる区画が生まれる。
まぁ これは、史実の帝国議会も同様なのだけど、
議員になってしまうと、建前で、更生してしまう。
そして、子分に、おれに恥をかかせたら指を詰めさせると、命令され、
ラスベガスマフィア化して治安がほかの都市より良くなってしまう。
この世界の日本だと、武家衆、武術系師弟人脈など、
武闘派が混在して、ヤクザ衆と拮抗しているので、やや腰が低い。
流石に長刀抜いて向かってくるサムライに、小刀じゃ不利だし。
岡っ引きがヤクザを兼ねてるような江戸時代な感覚も残ってる。
04月
播磨藩に行く
まぁ 時司の闇閨閥なので、時司を閨閥にした播磨藩は、閨閥本家になる。
播磨藩は、おれのことを調べているらしく、
顔と、時司から相続した小太刀を見せると、認められる。
暇潰しに、姫路城に行くと、桜が綺麗で、花見気分になるかな。
外国人が多く、ガイドらしい外国人が通訳している。
あまりに、熱心に通訳してるので、こっちが驚く、
「日本には、よく来るの？」
「50回になります」
「城のガイド？」
「はい、城が大好きです。もっと、たくさん連れてきます」
「神社、寺社も行くの？」
「城だけです」
「あははは・・・」
「城の違いもすべて説明できますよ」
「帰国のときは、日本の物を買って帰ります」
「盆栽。タンス。三味線。和太鼓。日本刀。和紙。竹細工。電化製品、自動車、バイク、自転車・・・」
「とても高く売れるけど。もっと、長く日本に居たい」
「・・・・・」
城の観光だけで需要が成り立つのが信じられん・・・・
ドイツ帝国は、貧富と地域の格差が広がってるせいか、左翼が増え、混乱している。
というより、オーストリア＝ハンガリー帝国の左翼勢力が、ドイツ帝国に浸透したのかもしれない。
仮にユダヤ人を国内から追い出したとしても、ユダヤ式金融政策を執っている限り、
既得権が有利な金融と、既得権が有利な税制と、既得権が有利な財政が繰り返され、貧富の格差が広がり続ける。
これでは、新陳代謝がなければ、イノベーションもないのだけど、
その不満の矛先を移民受け入れと、移民排斥で、貧富と地域の格差を誤魔化そうとしてるわけ、
まだ噂だけど、
タイ王国と、アチェ王国が、その気になって準備しているらしい。
両国とも国権産業が中心で、民権産業が育っていない。
特に、アチェ王国は、スマトラ島全域の教育機関、税制、軍制が中途で、
南側への遷都を計画しているし、対外戦争なんて、早い気がするけど、
イギリス領マレーと、オランダ領インドネシアは、独立戦争中で機会を逃したくないらしい。
05月
銃・射撃場
葉隠1945年式(8mm×21)自動拳銃
800kg
銃身長112mm/全長206mm
装弾数10発 発射速度40発/分 銃口初速345m/s
有効射程 約30～50m
日本刀は、帯刀が許されているのだけど、
熊の生息地を除くと、
不便なせいか、帯刀して歩いてる武士は、ほとんどいない、
そのくせ、武士が、抵抗もせず斬られると 恥 みたいなことがあって、
帯刀している武士は、人が近づかなくなったのだけど、
これでは、社会生活が送れないと、
ほとんどの武士が帯刀をやめて、久しい。
武士の魂でない銃砲所持を法律で禁止できたのだけど、
100人長以上は、警官待遇で、保持できる。
だけど、事件が起き、配備態勢にならない限り、携帯できないことになってるので、
普段は、家に置いとけってことだけど、
配備態勢になっても、警官の後ろで “御用！ 御用！” って、いう役割らしい。
バラマキのせいで、犯罪自体が少ないけどね。
とにかく、100人長とか。10人長は、何でもやらされる。
戦争になったら、中隊、小隊、分隊の監査で、MPみたいなこともする。
何でもやらされるので、人脈を作って、再就職に役立てたりもする。
ちなみにおれの4年後の再就職は、文字検索 千章眼 と、床屋井戸端談義板 があるので、情報関連の部署になりそう。
未来の日本だと、特高とか、公安みたいな暗そうなところ。
事実、暗い。
ていうか、おれ、公文書偽造の常習犯なんで、情報部に勤めるとか、
再調査されたりしたら、ヤバい気がする。
何とか断ろう・・・
でも新型の拳銃は、錬成できるようにしとかないとね。
06月
幕藩連合日本は、言論仕様が様々で、
22藩、海外地は、お抱えの電映放送局、電音放送局、新聞、出版社、記者、作者を持ち我田引水を繰り返している。
中央集権でなかったことで、国家統一がしにくかったものの、
逆に、数百の仕様言論が形成されている。
14歳以上の男子へのバラマキは、人権というより民権で、親方日の丸財政に見向きもしない日本人を増やした。
逆に言うと、未来の日本の戦前戦中戦後の利権保守は、
中央集権、バラマキ廃止、消費税、貧富の格差増大で、奴隷と、乞食の創出と、
世襲天下り政官財の中央と地方の地域格差拡大と、無能化、
生産減・雇用減・賃金低下による人口減と、外患誘致による犯罪増加で、
政治的混乱が大きく、中身のない外交政策で誤魔化し、
反日外資在日勢力が目標とするところのクーデター、内戦、戦争、革命に近付いている。
多くの利権が、亡国の片棒を担いでいることすら目を逸らし、
見ざる・言わざる・聞かざる・・・・
幕藩連合は、多少、分権化している方が新陳代謝が激しく、混沌としていても成長している、
戦争に至らないのなら、日本国民は、利権のために殺されず、済むだろう。
文字検索 千章眼 と 床屋井戸端談義板 を作っても、
おれがしたいのは ロボット と バイオ なんだよね。
電子計算は、解禁になったトランジスターを使うのだけど、入力作業だけ、
実際に計算するのは、どこかの地下にある中央計算機にプログラムを送り、
計算させ、出力させた結果をトランジスターで受けて、機械を動かしたりする。
未来の世界も、電子産業黎明期は、そんな感じだった。
最新の電子計算機は、樺太(綾波系)、扶桑(時司系)、京都(幕藩連合系)が強いけど、
いまは、22藩、ナミビア、瑞樹、フィリピンとも力を付けてきている。
というより、幕藩連合は、現地製造が販売でも有利になるので、自然とそうなってしまう。
そして、必然的に巨大市場になってしまう海外地は、工場も大きくなってしまうようだ。
幕藩連合で、電子図書館を作ることが決まったらしい。
瓦版以降の文章を電子的に記録する仕事があって、その監査で100人長と10人長も動員されるらしい。
まぁ 金からみなんだろうけどね。
07月
蝉がやかましく、
時折、小気味よい風鈴の音が聞こえる。
着流しで、歩き回り、お見合い会場に入っていくと、納涼床は、十数人の男女が集まっている。
隣りの女の子は、婚約するかもしれない相手で、抹茶と、葛饅頭を食べると、嬉しそうに微笑んでいる。
おれ、政争に関わってるみたいで、家と身を守るため、閨閥と縁を結ぶのは、アリなのだけど、
相応の家になると、候補の数が絞られる。
数が絞られると、
あれだ。
庶民を含めて、選択肢を増やしたいって気がする。
しかし、前途を考えると、しょうがないかもしれない。
『神籬の木仙』 みたいに、
子孫に能力を受け継がせられる相手を見分ける特異能力があるなら、閨閥に拘らないけどね。
日本から海外地の文字検索と、海外地から日本への文字検索が増えている。
あと、海外地と海外地の文字検索も増えている。
たぶん、気になるのかもしれない。
画像や映像を記録できるようになったら、
というより、電話回線で動画と画像を送れそうなんだけどね。
08月
長崎国際港
長崎は、日本人と接触したい外国人が住み。外国人と接触したい日本人がやってくる。
厚岸港が開港し、
参勤交代ルートが外国人旅行者に解禁されたのちも、非公式・公式会議は、長崎が多い。
船上パーティは、昔懐かしい4000t級青葉型機帆船の複製だけど、
当時の船員だった層が残っているせいか、
練習用とパーティー用で20隻ほどが運用されているらしい。
まぁ おれも、むかしを思い出して、ウルウルかな。
2000t級青葉型機帆船
全長100m×全幅14m×吃水6m
2500馬力2基 20kt 10000海里/14kt
30口径120mm連装砲4基
ただ、採算性なのか、思い入れなのか、
電子制御されていたり、フライ・バイ・ワイヤが使われていたり、
材質と構造が変わって軽量強靭化されている。
大砲は、機能があるけど、
砲弾は、空砲弾らしい、
沈香を効かせた会議室は、悪くない、
今回の外交圧力は、博愛の押し付けに近いものがある。
欧米列強が西アフリカ難民救済の協力要請とか寝ぼけたこと言ってくるのだけど、
難民を作ってるのお前ら欧米人なんだから、植民地化をやめろって、
あと、インディアン人と、アボリジニー人と、インドネシア人の狩りをやめれ、みたいな。
でもまぁ 日本が西アフリカが植民地化しないよう武器弾薬を送り込んでるので、
難民は、日本のせいだ。みたいな論調に摩り替えられ、
国際協調だから、日本に難民受け入れ枠を作らせようって話し、
日本側は、現地に中立地帯を作らせ、管理すればいいと言ったのだけど、
どうしても、日本に難民枠を押し付けたがってる。
やれやれだ。
そうそう、外交交渉の、ハッタリ、引っ掛け、カマかけで、わかったことなんだけど、
白人将兵は、世界十字軍大戦で戦意低下していて、
清国人、経国人、チワン人、朝鮮人、黒人の傭兵部隊が先住民狩りをしているらしい。
難民が増えるわけだ。
因みに、おれが呼ばれたのは、別件で、商館群を阿頼耶識に組み込むとどうなるか。
なんだけど、既に阿頼耶識を見たことのある連中なので、どんなマイナスがあるかの検証になった。
ちなみに、阿頼耶識の協定を結ぶと、
日本式の電話・電音・電映網の国外利権が大きくなるわけで、悪くないような気もする。
「わかりました。電話・電音・電映網の拡大は、本国で検討することにしましょう」
「時に、我々外国人は、石票を買うことができますか？」
「石票は日本国籍がないと」
「株はどうです？」
「日本国籍がないと」
「どうでしょう。互いの友好のため株式の外資取得比率を想定しては？」
「既に旅行者の宿泊割引を行ってますし、必要ないのでは？」
「政府に取られたくない、資産があるのですよ」
「貴国企業株を買っても、計画倒産で会社ごと潰されて大損しそうですな」
「ま、まさか」
「本筋のユダヤ人を騙そうなんて・・・」
「い、いや、これは、国家有力者同士の緊急避難用ですよ」
「互いに交易準備金と、外国人の口座を認めてるじゃないですか」
「口座があっても、利権がないと目減りするばかりですよね」
「大衆操作工作資金か、破壊工作資金か、要人暗殺資金に使われるかもしれない」
「あははは、まさか。両国ノブレス・オブリージュ同士の友好ですよ」
「そこまで、信用できない」
「「「「・・・・・」」」」 ぶっすぅ～～～！！！
欧米列強は、中央銀行・諸銀行のトップダウン式に紙幣が配分されていく、
この方式は、乞食と奴隷などの層を増やし、格差さえ維持できれば、ハイパーインフレを防ぎやすい。
欧米社会は、ハイパーインフレを起こせる金持ちが何人もいるわけで、
国家経済そのものが、彼らの人質になっているし、
国民は、彼らの紙切れによって、生かされている。
そして、その格差を守ろうとするために、
不正腐敗、犯罪、テロ、暗殺、外患誘致が増えていくのだけど、
外交代表の様子だと、戦争準備は整っていないように思えた。
対して、日本は、14歳以上の男子へのバラマキによって、金融が行われ、
累進課税の地租税と所得税で、紙幣量がコントロールされている。
金持ちにしたら、働けど、働けど、地租税と所得税で、金をとられてしまうのだけど、
少なくとも、利権だけは、蓄積されるし、配当分を使って、追加の利権を増やすことができた。
日本の公共投資と、設備投資は、その利権の積み重ねによって、成り立っている。
そして、高層建築は、高くなるほど、床面積が増えて利益が大きくなるのに、
地租税が変わらないので、利益が膨らむ、
あと、地下と海も地租税がかからないので、投資は、地租税のかかりにくい海外地に集まりやすいし、
高層建築や地下開発に集まりやすく、生産力が収入に繋がりやすかった。
09月
飛脚大会
脳内麻薬って、本当にあるんだな。
そんな気分で、走ってる。
おれ、リア充だよな。
ていうか、体力があることを証明をすると、閨閥が安心して、結婚を歓迎する。
結婚は、体力だぜ、
直径1kmの加速器を見せてもらった。
加速器は、綾波時代に基礎工学を確立しるし、
時司時代には、ジャンクヲタのおれの知識を超えている。
ちなみに直径1kmの加速器は、28個ほどあって、
それより大きな、直径3km3基。直径5km1基が建設され、
76の師弟人脈が協議会を作って管理している。
この協議会に入るには、物理で、30歳以上の適正年齢試験に合格することだけど、
毎年、20、30人という難関かな。
この時期、これだけの規模で加速器を持ってるのは、日本だけ、
孤児院に行って、何人か補充した。
あと、時司の時代に約束していた人間とも合流したし、陣容だけは、揃ってる。
政争に巻き込まれてるので、私兵がいないと、辛いからね。
京都に本社を移して、足場を変えたのに、おれの地盤は、大きくなっている。
幕藩連合は、おれが新天地で足場を失って弱体化すると考え、
有名無実にして 千章眼 を牛耳れると思ってたらしい。
でも、京都なら、お前らが物覚え付く前の1851年から知ってるぜ、残念でした。
ていうか、見知った顔が多過ぎて、ドキドキなんだよね。
政敵だった男が、いけしゃしゃと、
時司と、親友だったみたいな素振りをするのは、お約束なんだろうか。
教室
成功すると、受講生が増える。
それは、未来も、いまも、むかしも、変わらない。
閨閥でも、師弟人脈を持つ人間は、結婚相手で好まれる。
師弟人脈の結束力のせいかもしれない。
師弟人脈で、少し変わったのは、就職は、師弟人脈より、適正年齢試験が有利になったことかな。
というより、同じ師弟人脈で社員を固めてしまう危険性に気付いたのかもしれない。
徳川家康の天下統一後、
江戸幕府は、改易で倒幕の力を削ぎ、参勤交代で忠誠を確認する事で、統率されていた。
しかし、長く続く、天下泰平で、家臣団は、俸禄を相続するだけの閨閥保身共同体と成り果ていく、
黒船来航という外圧に至り、
徳川幕府は、過去の強い武断政治を取り戻そうとしたものの、
将軍家は、藩主どころか、旗本を糾合させる力さえ失っていた。
そして、天皇・公家衆を頼みにしようとするほど、徳川幕府の権威は失墜し、
征夷大将軍という名の小直衣を着た間抜けでしかなくなる。
とはいえ、綾波が興した瑞穂紙幣と、機関・造船・銃砲・発電・製鉄技術は、欧米列強を圧倒し、
家茂は、公武合体から幕藩連合へ舵を切った。
安政維新は、衰えた幕軍の権威を藩主会議の総意で再統合する構造改革だったものの、
徳川家は、征夷大将軍と摂関政治の世襲権を喪失させる致命的な自浄自助構造改革となった。
1858年 第14代征夷大将軍 徳川 家茂
1884年 第15代征夷大将軍 前田 利嗣
1902年 第16代征夷大将軍 伊達 宗基
1911年 第17代征夷大将軍 島津 忠重
1931年 第18代征夷大将軍 池田 徳真
家茂以降、将軍職は、譜代、外様へ移籍され、
藩士は、人口比に比例して出向を命じられた。
また、領民の10人長制を取り込むことで、次第に国民国家に変貌している。
とはいえ、権威の残照は、残っているわけで、
公家衆・武家衆は権威を頼り、富裕層と成り金は利権を頼るし、
虎の威を借りるだけの者は、領民を扱き下ろす事が、多いのだけど、
国家とか、国民といった大局観がなく、危機感もない。
その最たるものは、軍部かな。
彼らの忠誠は、将軍に向けられてるけど、上官と、仲間内の関係が大きいし、
昇進・昇級の査定と深く関わる藩閥閨閥、10人長制、師弟人脈が気になるわけで・・・・
まぁ 平均的な将兵の心根が気になるかな。
戦争したくなるほど、荒んでなければいいけど、
富士総合演習
50t級97式戦車4両、38t級95式戦車16両が隊列を作って移動している。
並ぶと、97式戦車は、95式戦車より二回りほど、大きく見える。
離れると、外見が似てるので、距離感が狂わされる。
そのつもり、製造したのだから、狂わされて当然なんだけど、味方すら錯覚する。
38t級95式戦車8300両。
50t級97式戦車2100両。
が生産されている。
95式戦車は、改八。97式戦車は、改五まで、更新され、近代化改装が行われている。
97式戦車は、日本国内で運用しづらいのか、海外地配備が多い。
これは、新聞に載ってることで、軍オタでなく、一般人でもわかる常識らしい、
この世界の軍オタと一般人の違いになると、
型式、大砲の違いを知ってるか、知らないかになってくるかな。
チタン製34t級97式戦車は、軍機らしく、参加してない。
ちなみにチタン製97式戦車は40両ほど生産され、別格扱いされている。
そして、攻撃ヘリ、
ヘリは、最初、対潜哨戒、対空哨戒、空輸ヘリで開発されたけど、
攻撃ヘリもようやく、完成したらしい、
自重4765ｋｇ/最大重量7200kg
全長9.75ｍ×回転翼直径15.7m×全高5.4m
ターボシャフトエンジン900馬力2基 最大速度220ｋｍ/ｈ(巡航速度193ｋｍ/ｈ) 航続力650km
乗員2名 25mm6束装砲1基 ハードポイント8基1200kg
と、いっても、哨戒ヘリをスリムにして、防弾を増やしただけのように見える。
Ka50の小型版というか、攻撃ヘリ特有の武骨な形になってる。
新兵器なので、まだ、外国には、売っていない、
今回のメインは、地対艦ミサイル車のお披露目かな。
4連装で、程度の低いICを誘導弾頭に使っている。
報告を受けた座標に向かけて発射し、
ミサイルは、低空を1000km/hで飛翔し、
目標の座標に近付くと上昇し、レーダーと赤外線誘導で捜索して標的に向かって軌道修正しながら命中する。
射程150kmで、要塞砲台がいらなくなったわけだけど、地対艦ミサイルを搭載した装甲列車と被る。
装甲列車は、運行ダイヤを鉄道局に支配されて煩わしく、
地下鉄化も進んでるので、戦闘指揮車両か、後方兵糧支援車両にしようって、話しも持ち上がっている。
ただ、地対艦ミサイルは、装甲列車が大きいし、性能もいい・・・
数人の兵士と話す機会があったので、話してみると、
志願兵しかおらず、給与格差は、悪くなく、食事が美味いらしい、
イジメがあるか聞いてみると、
それほど酷くはないようだ。
軍隊は、次男坊・三男坊が多いのだけど、
この時代の次男坊・三男坊は、バラマキが大きく、雇用の声はすぐかかる。
海外地や国外利権に雇われると高収入で自立しやすく、鍛錬を越えた私情が入ると辞めるだろう。
そして、替わりの新兵補充は、3～4ヵ月後らしい、
歩兵訓練を含めると、さらに2～3ヵ月必要になるし、
これが専門兵科だと、補助がいるとしても、分隊ごと、年単位で機能低下になり兼ねない。
上官の査定に繋がりかねない数字で、部下に気を使うか、気を使わないか微妙なところだろうか。
10月
陸奥藩
海岸から山を見ると紅葉が広がり、沖を見ると、数百の巨大風力発電が回っている。
東北以北は、深度100m以内の海底に、ジオポリマーの土台を造成し、洋上風力発電装置を並べている。
津波の防波堤にもなるけど、台風を弱める働きもあるらしい。
加賀藩、陸奥藩、出羽藩、北海藩、千島藩は、燃料を採掘できる関東藩、樺太藩の言いなりになりたくないのか、
地熱発電と、洋上風力発電を増加させている。
そして、樺太藩も、いつまであると思うな石油ガス油田と、洋上、風力発電機の設置を増やしている、
というより、おれが綾波の時代からやっていたので、東北以北で風力発電が占める発電は、6割に達し、
北に行くほど、風力発電の占める割合が大きくなっている。
これが中央主権だと、中東油田輸入利権、南関東ガス油田、樺太油田が強く、
風力発電の建設がおざなりにされたかもしれない、
まぁ それが利権って、やつなんだけどね。
F86セイバー
4940kg/6300kg/9200kg
全長11.4m×全幅11.3m×全高4.5m 翼面積26.7㎡
推力2630kg 1105km/h 2454km
12.7mm機関砲6丁 爆弾900kg
震電
自重3500kg/運用6000kg/最大離陸10000kg
全長9.76m×全幅11.114m×全高3.55m 翼面積20.50㎡
ターボファンエンジン推力2200kg×2基 1200km/h 航続距離1500～3000km
索敵レーダー 射撃レーダー
25mm機銃1基 ハードポイント6基 増/爆3000kg
この年代になると、日本と、ドイツ帝国、イギリス、アメリカ、ソビエトは、ジェット戦闘機を飛ばしている。
レシプロ機は、プロペラの回転速度が音速に近付くにつれ、推進力の限界を迎え、
音速を超えると衝撃波で、推進力を失う。
そのことは、その筋の人間に知られ、
史実のドイツがジェットとロケットの技術で先行したのは、事実としても、
レシプロ機の速度が750km/hに近付くにつれ、ジェットと、ロケットの開発が予算増しされたわけで、
他の列強に航空機の速度記録で先行したドイツ機がジェット機と、ロケット機に移行しただけに過ぎず、
噴射式推進の発想そのものは、ドイツの専売特許じゃなかったようだ。
ドイツのジェット、ロケット技術が、アメリカに流れた可能性は、否めないけど、
白人同士の第一次世界大戦がなかったことで、
製造に強いドイツ系アメリカ人がアメリカで強い影響力を維持したことも大きいようだ。
アメリカのF86セイバーが史実に近い性能なら
震電は、低出力ながらターボファンエンジンを採用しているし、
素材、機構、火器管制は、F86セイバーより優れているはず、
たぶん、震電が飛んでる姿を見れば、日本と、戦争したくないだろう。
ドイツは、日本を除く国で、もっとも、ジェット機が、優れた国だけど、
イギリス、フランスと、ロシアに包囲され、閉塞感が強いらしい、
ドイツは、地政学的な封鎖から抜け出そうと、カメルーンとトーゴとキューバとベネゼエラ、南極に基地を建設し、
直径80m×全長400mの巨大飛行船を何隻も建造して、サルガッソ海上空に配備している。
ドイツ、アメリカ、イギリス、フランスは、軍事的緊張が大きく、
おかげで、スペイン・ポルトガル語圏と、イスラム圏は、一息ついている。
まぁ 一息ついてるのは、日本もだけどね。
11月
十字軍世界大戦後、軍需が低迷し、雇用が消え、所得が減少している。
それでも、戦争中の社会資本が残っているのか、
幾つかの企業は、軍需から民需へ設備投資を行ったのだけど、
ユダヤ系資源メジャーが、日本の民需商品の購入を増加させた。
目的は、戦争でばら撒いた紙幣を回収し、
利益が減少して経営が傾いた非ユダヤ系製造業を手に入れるためかな。
まったく紙幣を使うことなく、鉄鉱石と石油と、石炭を輸出し、
対価で、日本商品を買って、アメリカ製造業の商品より低価格で売るのだから儲かるのだろう。
ちなみに、日本がダンピング(不当廉売)したということになっているけど、
ドル紙幣でなく、資源で受け取ってるわけで、
商品の対価のドル紙幣は、ユダヤ系資源メジャーに溜まっている。
そんなわけで、欧米列強は、ユダヤ系金融支配のせいで、奴隷と乞食を増やし、
次の戦争に備えているのだけど、
日本が成長し続け、ドイツがキューバに足場を作っているのに、
アメリカ国内は、ユダヤ系と、非ユダヤ系資本の国権強奪戦争が行われ、
その皺寄せで、貧富の格差と地域の格差が大きくなり、
奴隷と乞食が増えているのだから、反政府勢力が強まってる感じかな。
12月
京都で人材を雇って、ポストを固めている。
千章眼 という神輿に乗るだけというのは楽だし、悪くはないけど、
必要最小限の根幹だけは、押さえておきたい。
しかし、一項800文字になると、広告力が大きくなるし、主回線以外の副回線が増えるし、頁数も増えるかな。
いまのところ、企業広告と、プロパガンダが多いけど、サブカルチャーモノが増えそうだ。
年内は、京都で足場を固めるけど、来年から海外に行けそう。
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綾波 慶司(88) 佐奈(86) 晃司（82）
おれ、 綾波 源司(あやなみ げんじ) ⇒⇒⇒ 時司史朗(ときつかさ しろう)
ロゼ・ティーナ(63) 露瀬 統司(45) 露瀬 千夏(43) 露瀬 陽介(40)
智子(61歳) 時司 頼経(42) 直衛(40) 美智(38) 雪妃（36）
時司史朗(ときつかさ しろう) ⇒⇒⇒ 霧島 高雄 (きりしま たかお ： 22歳)
史実 7810万人
戦記 4億1225万人
日本 1億5752万人
瑞樹 1億1794万人
扶桑 642万3908人
フィリピン 7168万人
ナミビア・インド洋諸島・イスラエル・スペイン・ポルトガル語圏 6767万人
スペイン・ポルトガル国境 カディス 200ｋ㎡
ベネゼエラ トルトゥガ島 156ｋ㎡
コロンビア・ペルー・ブラジル国境 レティシア4500ｋ㎡
ボリビア・パラグアイ・アルゼンチン国境 ピルコマヨ4500ｋ㎡
ウルグアイ バラ・デル・シュイ 100ｋ㎡
メキシコ・グアテマラ国境スチアテ港 200ｋ㎡
チリ ファン・フェルナンデス諸島 182k㎡
オスマン帝国領バルカン北部自治区100000ｋ㎡
オスマン帝国領コーカサス北部自治区156000ｋ㎡
| 第96話 1946年 『偽ユダヤ系タルムード脳ゴイム人生』 |
| 第97話 1947年 『権威は器。器の中は・・・・』 |
| 第98話 1948年 『国外天下り利権は、いつか来た道』 |
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