月夜裏 野々香 小説の部屋

タイムスリップ系架空戦記

『時空巡洋艦 露鳳』

 

 第49話 1989 『一線の向こう側へ』

 大日本帝国

 戦後、露鳳の情報の影響なのか、

 有名無実な “大” と “帝国” が消され、

 首相公選が取り入られ、民主化と資本主義が進む、

 しかし、天皇擁立機関の貴族院と枢密院は、存続し、

 特権階級と既得権益で膠着した老害貴患と囁かれている。

 とはいえ、100年の大計と言われる提案は、この老害貴患から出されることが多かった。

 4年任期の衆議員は、派内の権謀術数と離合集散に囚われ、

 常に即席な政策で成果を上げなければ選挙民に見限られる、

 そのため成果主義に陥りやすく、場当たりで掛け捨てな政策が執られてしまう。

 しかし、老害貴患がそういった大計を持った見識と覚悟を有しているのか不明で、

 国権掌握と世論操作のため勅命と愛国精神を利用しながら

 権威を嵩に怠惰と傲慢に国民を見下していることも無きにも非ずだった。

 彼らが侍を尊んだとしても、なぜ、侍の国が滅ぼされたかの経緯は学ばず、

 封建的な失敗を繰り返す恐れすらあった。

 なにより、言論の自由が全体主義を歯止めしていた。

 100回言えば嘘は本当になる強引な手法は、1度の事実で99回の嘘が覆され、

 さらに嘘を守る嘘100回が必要になり、

 それすら中途で出される1度の事実で覆されてしまう。

 常に事実を突きつけられるかもしれない情勢下では、

 旧日本軍部、旧ナチス、旧ファシストが使ったような

 嘘と暴力を背景にした国家簒奪と中央集権化は困難になっていく、

 アメリカやイギリスのような事実の中に嘘を織り交ぜなければならなくなっていた。

 日本の戦後社会は、戦前戦中の苦しい思いからか、時代錯誤からか、

 貴族院と枢密院は、国民から忌み嫌われて縮小が続き、

 帝国の権限は、地方で選ばれた議員による帝国議会と、公選された首相に集まっていく、

 むろん、国権の主たる天皇が民主化を容認したことによる保守の腰砕け改革であり、

 戦後、既得権と長子制度の反発からか、

 保守反流の新興勢力と学問閥は満州帝国に流れ、

 次男以下のあぶれ者が月巳に流れ、

 アメリカデモクラシーに惹かれた民がハワイに流れ、

 今の満州帝国、月巳、ハワイ州が顕現していた。

 これら新興外様勢力の圧力で、内地も妥協を強いられ、

 済し崩しに自由主義も強まっていた。

 国権派の全体主義と、民権派の個人主義の対立、

 弱肉強食の資本主義と、公平を求める民主主義の対立

 主義者といわれる者たちは、無駄に反勢力と敵対するのだが

 仮に既得権を有する勢力と既得権を持たない勢力は立場の違いに過ぎず、

 敵対する反勢力を滅ぼしていいようなものではなく、

 対外的な敵対勢力を作って軋轢を誤魔化していいようなものでもなかった。

 戦前戦中世代の多くは、逝ってしまったものの、

 戦後、日本が長期間にわたり平和を維持できたは、露鳳の未来情報と、

 露鳳技術による開発コスト省略による工業飛躍、

 満州、中華民国、大東亜共栄圏の権益、

 国民の戦前戦中の反動と厭戦機運など複合的な理由によるものだった。

 また、昭和天皇の姿勢は、権威主義者思惑を外し、

 民主化を加速させ、自由主義で得られる国民の活力を発揮させ、

 国家基盤を増大させたからに他ならない、

 多様な評価は、あるものの、

 天皇崩御は、日独皇皇婚姻の翌年のことで、不安材料が少なかったせいか、

 衝撃は、幾分か薄められていた。

 大半は、皇居を向かって冥福を祈り感慨に浸たり、

 遠く、外地でさえが、日本の昭和の終わりを重々しく、感じていた。

 しかし、皇居のおひざ元、帝都

 場末の食堂

 普通の人たちが定食を食べながら、テレビに映る大喪の礼に魅入っていた。

 皇族は遠い人で、自分たちと関係ないと思っている人たち、

 「競馬は休みか・・・今日は、当たりそうな気がしてたんだけどな」

 「無理無理」

 「「「「あはははは」」」」

 「しかし、激動の昭和も終わりか・・・」

 「前半は激動でも、後半は平和だったけどな」

 「平和のほうが国力が成長しただろう」

 「国力が成長したのは、戦争で頑張って大陸利権を維持できたからだろう」

 「だけど、地主家主の保守層は膠着してたし」

 「戦利品を手に入れても怠けていたら散在しただろうし」

 「次男以下が大陸と工業で頑張ったからじゃないか」

 「これまで、よくやってきた方だと思うよ」

 「あ・・・皇妃だ」

 「白人の皇族入りか、万世一系も大事だな」

 「白人の血統が入っても万世一系は変わらないのだからいいと思うけど」

 「でも仕来たりとか大変なんじゃないの」

 「だから交換留学させてたんじゃない、どこの派閥か知らんけど確信犯だと思うね」

 「アメリカとの関係のほうが重要じゃないか」

 「アメリカに貴族いないだろう」

 「そうだった」

 「なんか、右翼っぽい連中が取り巻いてるけどさ」

 「あいつら、権威を嵩に来て無理通そうとするし」

 「臣民とか言いながら見下してるし、どうも信用できないんだよな」

 「もう、戦争しないだろう」

 「だといいけどね」

 「だいたい、複雑な見解の相違を天皇でまとめて単純化してしまうところがあるからね」

 「それで、自分たちの派閥に権力を集約させようとするから、歪が作られるし」

 「巡り巡って、俺たちが嫌な思いするんだよな」

 「満州にでも行くかな」

 「満州も皇帝がいるだろう」

 「もう、あそこも日系皇帝だろう」

 「月巳か、ハワイは自由そうだな」

 「月巳は行ったことあるぞ。暑いけど、いいところだ」

 「へぇ 俺、三男だし、小金を貯めたら老後は月巳で半裸かな」

 「「「あははは」」」

 日本人でも彼らのような不敬の輩は少なからず存在する。

 天皇の権威を利用して私腹を貪る奸臣国賊や古い慣習に反発する逆心より益しで、

 陛下の温情で最も恩恵を受け、存在を許されている彼らは、良しに着け悪しきに着け、

 日本国で言論や人権が守られている証明にもなっていた。

 

 

 

 日本の中枢が何かに期待して背伸びしている間、足元は徐々に崩れていく、

 一流の会社は、高学歴高収入を優先するあまり良識が淘汰されていく、

 じっくり企業を育て収益を上げていくより、

 即興の成果が求められ、すぐに利益を上げる方法にたどり着いた。

 銀行は、汚い仕事を下請けに流していく、

 日本の下町の工場

 「お願いです。もう少し待ってください、あと三日で納金されるんです」

 「駄目ニダ、この工場は潰れるニダ」

 「そんな、お願いです、三日でいいんです」

 「もう三日、待ってください」

 「か、必ず再建できます、再建できますから」

 「・・・お前たち、勘違いしてるニダ」

 「銀行は会社を育てるために金を貸してるんじゃないニダ」

 「会社を潰して、財を奪うために金を貸してるニダ」

 「そ、そんな」

 「育つまで待っていたら時間がかかるニダ。ほかの競争会社の収益が減るニダ」

 「潰れるなら早い方がいいニダ」

 「この工場が潰れたら競争相手が減って、みんなが喜ぶニダ」

 「だから、口実さえあれば潰すニダ」

 「そ、そんな」 がっくり・・・

 「あなた」

 「お父さん」

 「ウェーハハハ!!!」

 「「「「ウェーハハハ!!!」」」」

 そして、企業も社員を育てるより使い潰していく会社が徐々に増えていた。

 これは、終身雇用制と年功序列の醜悪さがもたらした影のようなものであり、

 自然発生的なものといえた。

 

 

 

 

 満州帝国

 日系は少数派ながら国家機関の中枢を占め、

 言語数でも多数派になっていた。

 権力基盤と生活基盤は満州帝国にあって、祖国との軋轢は、広がり、

 ハルピンオリンピックの成功と天皇崩御は、満州帝国の自主独立を加速させる。

 まだ日本軍駐留軍が駐留しているものの主力軍ではなくなり、

 日系の権力基盤、生活基盤が満州に作られるほど、

 日満関係は普通の国家同士の関係に近づいていた。

 日系人は、黒ネクタイをする者が多く、

 漢民族でさえ、崩御に一定の礼を見せていた。

 ハルピンの摩天楼の一角、

 関係者たちが満州料理を囲んでいた。

 日本料理と中国料理に特産品が加わり、ドイツ料理とロシア料理の影響を受け、

 独自の料理体系に昇華されつつあった。

 「結局、陛下は崩御されたのか」

 「何か、日本人は変わったんだろうか」

 「黒ネクタイをして喪に服してる者が多い、それでいいじゃないか」

 「愛国美化と挙国一致で騒いでる連中より好きだね」

 「愛国一致の幻想に取り憑かれると、そうでない国民を憎み、殺し始める」

 「労働者の平等を標榜して団結していた左翼な連中も同じ」

 「自分の夢と願望で一つになろうとしていた連中が」

 「いざ、具体化しようとすると他人との隔絶を埋められないから憎み合う」

 「結局、保守も革新も手足になって戦ってくれる馬鹿な人間が欲しいだけ」

 「保守と革新の本質も考えさせず、戦わせて味方に引き摺り込みたいだけですからね」

 「主流、反主流、中道が発生する経緯すらわからないかもしれません」

 「そして、大衆に夢を与えていた連中が世襲を望み、大衆の夢を奪い」

 「国を憎んで簒奪し」

 「同胞や同志を憎み、暴力を背景に中傷し、嘘をつくことを強要し、他人の夢を奪い殺し始める」

 「国家と国土を守るといってた連中が己が保身のため国家と国土を危険にさらし」

 「個人の人権と平等を守るといってた連中が、人権と平等を奪って銃口を国民に向ける」

 「人はね。そういう我が侭な生き物だよ。特に主義者はね」

 「天皇家の葬儀を権力掌握に利用する勢力が現れないだろうな」

 「一部そういった気概を見せた派閥もあるがね」

 「新天皇もあの性格だし、他派閥の干渉もある。無理なようだ」

 「まぁ 国際情勢は、今のところ安定しているから事を荒立てる必要もないだろう」

 「満州の権力基盤は日本から離脱しつつある」

 「中華民国の民族資本は基幹産業を買い戻しつつある」

 「大東亜共栄圏もアメリカ、ドイツと独自の国際協定を結びつつある」

 「アフリカ大陸の中国人はネットワークを構築して統合独立する兆候を見せてる」

 「低中級品市場は、後進国に押されている」

 「日本を巡る情勢がいいと限らないだろう」

 「だからと言って、武器を取ってどうにかしようとしたって無理だろう」

 「どちらかというと儒陀と漢民族の人民浸透戦術を警戒しないとな」

 「日本に民族差別法を作る動きは?」

 「右翼を中心にあるがね」

 「左翼が法は国民に公平であるべきと譲らないらしい」

 「むしろ連中が自勢力拡大のために外患を引き込んでるんだろうが」

 「ふっ 汚れ役がいないとな」

 「それに、それは、警察や司法がまともに機能している場合だろう」

 「一応は機能してるだろう」

 「外国人犯罪で飽和状態なら司法は機能不全に陥ると思うね」

 「満州じゃ漢民族ばかりだけどうまくやってるぜ」

 「満州は、白色テロで家族ごと殺しちゃうだろう」

 「まぁ だから漢民族が大人しいが、限度を超えなければ自由でいられる」

 「漢民族の富裕層も増えてるんじゃないか」

 「ああ、新規サービス産業は漢民族が強いな」

 「日本人は地主家主に収まって、怠惰を貪りやすくなってる」

 「税をかけようとすると反発するし」

 「税の支払いがいいのは漢民族かな」

 「そういうの良くないんじゃないのか」

 「そのうち是正したいと思ってるけどな」

 「開発は大資本がいるが、既得権益を認めると世襲やなんやらで低迷する」

 「既得権益を打破しようとすると大資本を必要とする開発が難しくなる」

 「ホント、既得権益ってやつはどうしようもないよ」

 「日本みたいに既得権が中流層にまで落ちていくと大変なんじゃないか」

 「そうだなぁ 高品質と薄利重労で国際市場を席巻してるけど」

 「資本家層を中心に倦怠期に入ってるし」

 「既得権が淀んで新商品の開発力が落ちてるし」

 「売れ行きが落ちると身の丈ばかり大きくて余剰資本が少ないから」

 「供給過多で売れなくなったら破局するかもな」

 「時限爆弾を抱えてるみたいじゃないか」

 「刷新は痛みが伴うからね。どこかを潰して、風通しを良くしない限り難しいな・・・」

 うさん臭そうな男がやってきて、偉そうな男に本を渡す。

 「先生。完成したニダ」

 ぱらぱらぱら ぱらぱらぱら

 「・・・そうか、息子も少しは、いい思いできるだろう」

 「先生。芸能コネ。財界コネ。政界コネ。官僚コネ。スポーツコネ。宗教コネとも枠が残ってるニダ」

 「先生も行けるニダ」

 「いいゴーストが残ってるのかね」

 「先生向きのゴーストを発掘できたニダ」

 「んん・・・まぁ 考えておこう」

 

 

 

 

 権力層や富裕層の不正腐敗が発覚すると、国内のモラルが低下し犯罪が急増する。

 聖域を作るほど庶民は国家から離反し、愛国心が薄れていく、

 中華民国

 広大な領土、膨大な人口、豊富な資源、

 世界を征服しても余りある国家が外資系シンジケート支配に甘んじていた。

 漢民族の総意が同胞支配下の公平と自由を信用しておらず、

 元がそうであったように、

 清がそうであったように、

 外患を用い、忌むべき同胞支配から逃れていた。

 しかし、中国が中国であることに変わりなく、

 紀元前から培われてきた性癖は、簡単に変わるものではなく、

 生まれたころから不正腐敗が共にあり、

 愛国心は最初からなかった。

 漢民族にとって、国家は搾取の象徴であり、

 資本家は泥棒以外の何物でもなかった。

 少なくとも外資系シンジケートの庇護下にある間は、よい待遇に恵まれ、

 努力に見合う成果が得られた。

 中南海の住人たち

 「最近、中華民国の資本攻勢は目に余るものがある」

 「基幹産業は外資系資本ある。とやかく言われる筋合いじゃないある」

 「しかしなぁ・・・」

 「国内の鉱物を外資シンジケートから買ってるある」

 「鉄道の運賃も外資系シンジケートに支払ってるある」

 「電話代も外資系シンジケートに払ってるある」

 「しかし、それ以外で稼いだ金は漢民族のモノある」

 「いや、君らの同胞からの搾取について言及してるんだが」

 「利権のない部分で干渉はよくないある」

 「「「「・・・・・」」」」 ため息

 「我々華僑資本が稼いだ金をどうしようと我々の自由ある」

 「「「「・・・・・」」」」 ため息

 「アフリカ大陸をどうするつもりだ」

 「知らないある」

 「そんな。無責任な」

 「漢民族は一枚岩じゃないある」

 「自分に有益なら国籍は問わないフリーな民族ある」

 「利害が一致しない限り、中南海の意向なんか聞かないある」

 「アフリカの漢民族の利害が一致すればそっちに行くかもしれないある」

 「行きそうな雰囲気ではあるな」

 「否定はしないある。あんたたち列強がそう仕向けたある」

 「「「「・・・・」」」」 ため息

 「天皇が亡くなったある。日本は支障はないあるか」

 「しばらく、喪に服すことになりますが政府業務は行われますよ」

 日系シンジケートの議員は、黒ネクタイをしていた。

 普段、ヤクザで不逞な男もどこか神妙に見えた。

 「あと、思い切った折衝は、自重するかもしれませんね」

 「炭鉱の買戻しの話しは?」

 「喪が明けるまで見送るつもりです」

 「しょうがないある・・・・・」 ため息

 「しかし、鉱員は中華資本に買い取られることを望んでいないようですがね」

 「そんなの無視ある。変わりはいくらでもいるある」

 「いや、ベテランの鉱員は・・・」

 「何とでもなるある」

 「・・・・」 ため息

 「郷に入れば郷に従うある」

 「日本に行って企業買収するときは終身雇用制ある」 にや〜

 「・・・・」 ため息

 社会資本を血液と仮定するなら淀みなく還流すればよく、

 比較的健全に生産を誘発する消費、加工でなくともよく、

 不健全なカジノで還流する社会資本は、中華民国経済を刷新し、

 生産と消費を刺激し、社会資本が膨れ上がっていた。

 生産と直接かかわらない射幸経済であっても莫大な金が動いた。

 中華民国不良官僚の不正蓄財は莫大で、

 太刀打ちできる資本家は、日本、アメリカ、ドイツでも少数の財閥だけだった。

 何より会計監査抜きで使える資金は、日米欧資本家の数十倍に達し、

 中華資本攻勢から全ての優良企業を支える資本を捻出できないこともわかりきっていた。

 場末の下級企業なら簡単に傘下に収められる。

 中華資本は世界中の中華街を足場にネットワークを構築し、

 優良企業を併呑しようと食指を伸ばしつつあった。

 

 

 中華民国 雲南省

 白人が大手を振って行き交う。

 ポーランド人が多かったものの、白人系多民族省であり、

 中華民国でありながら強い自治権を有していた。

 というより、外資シンジケート、民族資本に関わらず、

 中華民国の権力層の多くがこの省に別荘を持ち、

 中華民国を実効支配していた。

 中国の一般庶民にすれば、権力層と隔絶が甚だしいのだが、

 一般庶民の所得は増え、自由度は増えていた。

 日本にしても、満州帝国と並ぶ中華民国支配の要である雲南省に代表を派遣し、

 国情把握に努めていた。

 昆明駅

 海抜1981mの高地は、涼しげな風が吹く、

 中華民国との省境を越えてきた乗客たちは、薄手の服装に厚手のコートを羽織り、

 降りる準備を始める。

 マルボルク城に似せた駅ビルは、雲南省の実態を体現していた。

 白人と漢民族の格差は、服装に現れ、

 白人層の多くは高そうなコートを羽織っていた。

 新幹線が停まると日本人が降りてくる。

 「お帰りなさい局長」

 「ただいま」

 「日本はどうでした?」

 「政変は起きそうにないから安心していいよ」

 「それはホッとしますね」

 「自重と自主規制で重苦しかったが出発するころには、明るさを取り戻していたな」

 「激動の昭和でしたから感慨深かったのでは?」

 「世界中から主要な閣僚と要人が集まってきてたから逆に驚いたよ」

 「明治大正の頃とは、国の身の丈が違いますからね」

 「まぁ 戦争もしてないし、来やすかったのかもしれないな」

 「玉龍の老人たちは?」

    ※玉龍雪山近郊の別荘地帯の権力者たちの総称、

 「途中の重慶で別れたよ」

 「最後まで、一緒でなくてもよかったので?」

 「一緒にいたくないという目をしてたんでな」

 「悪巧みの邪魔をしちゃいけないだろう」

 「あはははは・・・・」

 「そういえば、中華民国がアフリカ移民枠を増やす動きがあると」

 「じゃ いよいよ。華漢帝国を?」

 「かもしれません」

 

 

 

 

 未来科学研究所 (Future science laboratory : F・S・L)

 ジュラ紀に生態系分岐した時空潮流の地球に向け、

 時空カタパルトの調整が進んでいく、

 「喪明けというのに、ずいぶん、急ですね」

 「陛下に結果を知らせると約束していたのでな」

 「せめて、墓前にでも報告せねば・・・」

 「“鳥居” 固定完了・・・」

 「次元空芯式共振コイル及び次元スパークギャップスタンバイ」

 「次元テスラコイル移送器共振モード準備完了・・・」

 『ところで、所長。本当に大丈夫かね』

 『総理。既にタミアラ人に通達してます』

 『そう頼むよ』

 『では、最初の事ですので・・・』

 『・・・・』

 「・・・始めてくれ」

 「原子共有結合のサーチに入ります」

 「原子軌道及び分子軌道の変数は、許容範囲内です」

 「次元探知機の固有振動数と原子共有結合を一致させます」

 「価電子波長の同調性は、80パーセント」

 「原子軌道誤差0.01パーセント。分子軌道誤差0.006パーセント」

 「重力計数は正常」

 「目標座標、ジュラ生態分岐タミアラに固定」

 「共有結合オールグリーン」

 「分子軌道オールグリーン」

 「空間軸±0.5、時間軸±0.01、重力変動±0.02、最終調整確認」

 「次元磁石ローレンツ力安定しました。転移可能です」

 「総理・・」

 「あ、ああ・・・転移スタート」

 “鳥居” の中の外交文書入りの筒が青白い光に包まれ、一瞬にして消える。

 「・・・親書はジュラ紀分岐のタミアラ人に届いたのかな」

 「はい。総理。正確には、哺乳類でないのでタミアラ類です」

 「細かいことはいい、言語は、間違いないだろうな」

 「彼に確認してもらってるので、間違いないかと」

 「たくぅ〜 言語解析もこっちでやらんといかんとはな」

 「結局、身の丈に合った付き合いしかできないということで・・・」

 「所長! 次元空芯式共振コイルに不調です」

 「時空。次元磁石ローレンツ力強制解除されています」

 「座標は、ジュラ紀生態分岐タミアラ・・・」

 時空カタパルト内に緑色の筒が出現する。

 全員が総毛立つ中、

 データーが分析され、

 「シリコン系樹脂の書簡のようです」

 「爆薬、有害物質の類は、有りません」

 「「「「・・・・」」」」 ほっ!

 「総理。どうやら、親書の返答のようです」

 「・・・ず、随分、返事が早いな」

 「タミアラ側は既に準備していたのでは?」

 「反応の速さからして、そのようだ」

 「しかし、データー解析は、もっと速くできないのか、怖すぎるぞ」

 「それ以前に、防衛手段が全くないのが問題ですよ」

 「言語解析は?」

 「いま、やってます」

 “双弓類系タミアラ類は、ジュラ紀分岐哺乳類系人類の親書を受け取った”

 “対等を望むなら己の力で這い上がるがいい”

 “施しが欲しいなら対価が必要だ”

 “選択は哺乳類系人類に委ねる”

 「「「「・・・・」」」」

 「むかつきますね」

 「むしろ、選択肢をこちらに与えてるだけでも上等なのでは?」

 「時空世界の常識かもしれないな」

 「まぁ タミアラ類の誇り高さはうかがえる」

 「取り敢えず、鳥居があれば交流ができそうだな」

 「時空カタパルトは片道です」

 「そうだった」

 「時空巡洋艦 春日 は?」

 「準備は完了してますよ」

 

 

 アメリカ合衆国 白い家

 政財界の偉い人たちが集まっていた。

 「天皇崩御後、日本の変化は?」

 「政体は、基本的に変わりません」

 「官僚行政か」

 「選挙の民主制と科挙の門閥の複合政治といえますね」

 「もう少し膠着すると思ったのだが」

 「支持基盤の違う首相公選と外地日系勢力で緩和されてるようです」

 「しかし、与野党の関係は、長子制の流れか、与野党交代が少ないようだ」

 「長子が馬鹿なら全部馬鹿になるな。相変わらずリスク分散ができない国だ」

 「分散して勝った方が長子になる方が健全なんですがね」

 「その手の機会均等の競争ができない国なのだろう」

 「それはそうと、例の情報は確認が取れたのかね」

 「日本の原子力発電所は、やはり2000m級の縦穴を掘っているそうです」

 「水素爆発どころか、核爆発起こしても天井を吹き飛ばせないでしょう」

 「縦穴を2000m掘って原子力発電所を建設するコストパフォーマンスは?」

 「全て燃料エネルギーに換算したところ、あり得ませんね」

 「コストパフォーマンス度外視のドイツ人だってこんな割の合わない発電所は作らないよ」

 「まぁ 我々の発電所も2000mとまではいかないまでも縦穴を掘って埋めるべきなんだろうが」

 「原子力空母、原子力潜水艦との兼ね合いがあるからね」

 「余計な原子炉形式に開発費を捻出できない」

 「儒陀の情報では、日本は、建設費を10分の1に抑えてる可能性もあるとか」

 「そんな賃金為替大系、冶金技術、燃費技術はあり得ない」

 「しかし、日本のチタン・タングステン生産は世界一だ」

 「何度も計算してる。それを込みで計算してもあり得ない」

 「しかし、10分の1なら日本で噂の粉飾決算も相当大きなものになりそうだな」

 「あの粉飾決算の噂はどこまで本当なんだ」

 「与野党で共謀してない限り難しいと思いますよ」

 「どちらにせよ。儒陀の情報は怪しいですからな」

 「この前は、鳥居の向こうに平行次元世界があるのないのと・・・」

 「鳥居って、ハワイにある世界一の鳥居のことかね」

 「たぶん」

 「そんな節があるのかね」

 「この前、衛星で300時間くらい監視しましたよ」

 「ほかにも日本で一番古い鳥居やら、曰く付の鳥居やらを監視して徒労でしたよ」

 「あのアホどもが・・・」

 「頭にきて、殺しましたけどね」

 「「「「あはははは・・・」」」」

 

 

 ドイツ帝国

 学術投資は、公益性が強く独立採算制よりトータルメリットを優先する、

 元々 ドイツ人はコストパフォーマンスを軽視する傾向の強い民族であり、

 技術立国を標榜し、世界一が好きなだけあって、世界最大の粒子加速器が建設されていた。

 科学者たち

 「これで日本の時空次元研究に勝る研究ができるはず」

 「日本はテスラー回路を用いてると聞きますが」

 「テスラー回路では無理だ」

 「たとえ、海底で採掘したプラズマ粒子を用いても上手くいかないではないか」

 「ブラックホール生成を危険視する声もあるようですが」

 「まだ、可能性の行きだが、細心の注意を払うよ」

 「未知の研究で細心もないと思いますがね」

 「事象は推測はできる」

 「その事象が推測の範囲に収まればいいのですが」

 「君は足を引っ張りに来たのかね」

 「まさか、あなたを含めた友人と知人とその家族を守りたいだけですよ」

 「何としても日本に一泡吹かせなければならん」

 「「「「・・・・」」」」 ため息

 

 

 

 南極大陸は氷に閉ざされ、お湯を撒くと一瞬で氷の粒と化し、白い煙のように広がる。

 吹雪けば闇に覆われ、手を伸ばすと指先が見えなくなる。

 世界に残された最後のフロンティアは、過酷な環境によって戦後まで守られ、

 戦後、科学技術が発達した今日も経済的な理由と、

 日米独ソの戦略上の都合で、

 南極協定 : 研究機関地5か所合計300kuの所有が認められる、

 という調印が結ばれ、

 領有化が不可能になっていた。

 列強は潜在的な資源と未知への探求で基地を進出させていた。

 日本は、さらにもう一つ、南極大陸は生態系分岐世界同士の接触で感染症を避けやすい、

 という理由で、平行次元世界の出入り口として昭和基地を拡充させる。

 基本的に初期のローテク時空技術世界は南極大陸を使って平行世界を出入りする。

 タミアラ種属のように長い年月をかけて調査を重ね。

 高度な技術で感染症に対処できるのなら、どこの大陸でも出現することができた。

 しかし、日本の時空技術は、低いレベルにあり、

 なにより探査期間が短く、化学物資が人体に影響を与えても完全には対処できなかった。

 南極昭和基地地下

 ブリーフィングルームで収集し解析された情報が、もう一度、最終確認されていた。

 科学者とパイロットたち

 「近隣の生態系分岐世界はバックフラッシュで反発するため行けない」

 「つまり今いる乙潮流世界から、露鳳が出現しなかった甲潮流世界には行けないということだ」

 「もう一つ、いまのところ、新生代の生態分岐」

 「第四紀、新第三紀、古第三紀はバックフラッシュノイズが強くいけない」

 「古生代のペルム紀、石炭紀、デボン紀、シルル紀、オルドビス紀、カンブリア紀も」

 「我々の科学技術力が足りず、周波数の圏外になる」

 「とりあえず、我々の技術レベルの周波数で行ける生態系分岐世界の範囲は中生代」

 「白亜紀、ジュラ紀、三畳紀の3つから枝分かれした時空潮流の範囲になる」

 「といっても過去に行くわけではなく、我々と違う生態系に分岐した世界であり」

 「宇宙樹理論における時間軸は同じだ」

 「どのような生態系に発展しているのか、未知の部分も多い」

 「そこの資源は得られるのでしょうか?」

 「それについては、バックフラッシュ理論上、大きな災厄を生む可能性が高い」

 「災厄といいますと」

 「時空分岐だよ」

 「「「「・・・・」」」」

 「宇宙樹理論でいうなら、極端な例で杉型と、みかん型がある」

 「杉型は、長寿宇宙樹型」

 「みかん型は、実を取りやすいように横に広がるのだが、短命宇宙樹になる可能性が高い」

 「ほかの宇宙樹では、寿命を延ばすため、次元世界同士で滅ぼしあってる可能性すらある」

 「「「「・・・・」」」」

 「バックフラッシュを避ける上で資源採掘を目的とした渡航は可能な限り避けるべきだ」

 「うまみが少ないですな」

 「量的な目安はあるのですか」

 「バックフラッシュの検出量で決まると思うが、それは、これからだよ」

 「しかし、学術研究程度の採収なら構わないと思う」

 「短期探査はともかくとして」

 「長期探査で生活していくには、その世界の食物に頼ることになるからだ」

 「体に変調をきたす恐れは?」

 「化学物質の影響は、スーパーコンピューターで査定する」

 「時間はかからないと思う」

 「あと、固有の時空遺伝子が体に与える影響は、バックフラッシュの影響と変わらないはず」

 「まぁ これも帰還後、長期人間ドック行きになる」

 「たぶん我々の行動が過ぎれば、先行する異世界人が干渉してくるはずだ」

 「宇宙樹を短命にするなと?」

 「そういうこと、彼らに強硬手段を取られたくなければ自重すべきだろうな」

 「彼らと、どういう関係を取るべきなのでしょう」

 「それは、科学技術が進んだ彼らが優先的に決める力があるだろう」

 「しかし、彼らとてバックフラッシュや時空分岐が怖ければ無茶はしないはずだ」

 「軍事的脅威とか」

 「タミアラ人の話しでは、ベガ星系で宇宙人と接触して揉めたことがあったらしい」

 「しかし、同じ地球の時空系で戦闘はほとんどないそうだ」

 「その心配は、かなり低いと思っていいだろう」

 「春日の武装は次元魚雷と通常火器のようですが」

 「次元魚雷は、時空間戦闘用だ」

 「目標のDPP周波数を追随して追いかけていく」

 「もっとも科学技術差があり過ぎて、当てる自信はないがね」

 「気休めと思ってくれたまえ」

 「「「「・・・・」」」」

 「DPPの採取は?」

 「時間移動で物質が変質する」

 「これは、未来側と過去側の両方から得られると仮定されている」

 「露鳳は、未来から逆流してきたため、本来は」

 「未来(Future) + 次元(Dimension) + 位相(Phase) + 粒子(Particle)で、FDPPになるし」

 「過去側から採取すれば過去(Past) + 次元(Dimension) + 位相(Phase) + 粒子(Particle)でPDPPになる」

 「二つの物質の違いは?」

 「基本的に同じ性質があると思われる」

 「しかし、バックフラッシュ圏ではとノイズが強すぎて採取に成功していない」

 「バックフラッシュの弱い中生代分岐潮流域で、春日で採取してもらうしかない」

 「採取といってもこちらで用意した物質を未来側、過去側に置いて、戻すだけなのだがね」

 「そして、時空格差が大きければ大きいほど物質の変質は大きくなる」

 「露鳳はかなり有望な物質だったのでは?」

 「かなり優秀なマテリアルパーツであることは確かだね」

 「しかし、今回は、露鳳のような片道ではない」

 「未来に送ったのち過去に戻すということは、FDPPであり、PDPPということだ」

 「先に過去に戻しPDPPで未来側に戻すとFDPPで」

 「順番が変わればDPPの性質も変わるかもしれない」

 「片道の露鳳の素材とと、往復の素材の違いは?」

 「それもこれからかな」

 「わからないことばかりですね」

 「そういうことだな」

 「危険がなければいいのですが」

 「危険があったら即帰還してくれ」

 

 

 ブリザードの暗闇の中、

 全長180m、直径24mほどの葉巻型時空船が着地していた。

 この体積なら8000tはゆうにありそうでも船というより、洗練された航空機に近く、

 それでいて深海調査船並みの高重圧に耐え、

 宇宙船並みの真空にも耐える特殊な構造で総トン数は3600tほどしかなかった。

 次元モーターは、空間座標を固定しやすい機関だった。

 しかし、ブリザード対策で安全のため着底させ固定している、

 コクピット

 カウントダウンが始まっていた。 失敗しても救援が出せないためか、最終調整が進んでいく、

 “北条艦長。気分は?”

 「覚悟は決めてます」

 “予定通りなら命が脅かされることはない”

 「研究の成果に期待してますよ」

 “・・10・9・8・7・6・5・4・3・2・1・・”

 「時空移動開始」

 時空巡洋艦 春日 は時空の狭間のバックフラッシュで振動が始まる、

 探知できる時空周波数域の分だけ視界が広がり、 その外は何もない薄暗い闇に包まれる。

 「これが時空の狭間ですか」

 「周波数の調整を急がせろ、バックフラッシュ圏から離脱する」

 「まるで宇宙ロケットの大気圏脱出みたいですね」

 「動いてるわけではないが、まぁ 似たようなものだろう・・・」

 不意に春日は静寂に包まれる。

 「バックフラッシュ圏を離脱しました。中生代分岐圏域です」

 「F・S・Lのいう通り、未来の側は赤っぽく見え、過去の側は青っぽく見えるわけか」

 「ドップラー効果なんですかね」

 「理屈は似て非なるものらしいが、考え方は同じだそうだ」

 「F・S・Lも給与泥棒じゃなかったみたいですね」

 “聞こえたぞ。真田少尉”

 「あ・・・」

 “まぁいい、時間軸を狂わせないでくれ、時空分岐は嫌だからな”

 「はい」

 時空移動は質量に比例して時間も余計にかかる。

 通信が一瞬でも、3600tの質量は、それだけ、時空移動に時間を要した。

 

 そして、ジュラ生態分岐タミアラ類世界の南極大陸、

 人類分岐系もタミアラ類分岐系も南極大陸は南極大陸だった。

 ブリザードは止み、周囲は白銀の氷に包まれていた。

 というより、窒素 77パーセント、酸素 22パーセント、アルゴン 1パーセントで、

 タミアラは酸素が1パーセント多く、大気成分が違い、

 生態系だけでなく、気候も違う、

 DPP探知機に反応があり、

 春日は、タミアラ大型時空船3隻に囲まれる。

 「降りるか」

 「はい」

 「朝霧副長。後を頼む」

 「はい」

 春日の搭乗口が開き、

 タミアラの冷たい空気が肺の中に入っていく、

 『酸素が少し多いだけで、同じだな』

 北条トウヤ艦長は目の前にいる双弓類系タミアラ類の代表と握手を交わした。

 

 

 

 

 新・儒陀皇帝府

 ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ!

 ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ!

 ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ!

 「暑いニダ〜」

 「皇帝」

 「どうしたニダ」

 「今回の扶儒滅日は、近衛呪詛師団の対日帝呪詛大隊B22中隊の呪詛期間工程と一致するニダ」

 「アイゴー!」

 「対日呪詛部隊は創設以来30年にわたって、日帝の呪詛返し結界と攻防を繰り広げていたニダ」

 「呪詛部隊と儒陀対日潜入工作部隊の帝都神社仏閣の護符破壊と買収の連携により」

 「日帝の風水を粉砕し、帝都に呪詛を直撃させたニダ」

 「アイゴー!」

 「皇帝。儒陀藩皇国は、失われた古代儒陀文明発祥の世界最強の最終兵器」

 「“藁人形” を見事、復活させたニダ」

 「アイゴー! よくやったニダ」

 「古代儒陀起源究極呪詛奥儀 “藁人形” を日本に奪われていたと心配していたニダ」

 「B22中隊は、よくやったニダ。儒陀の大勝利ニダ」

 「このまま、日本で不正腐敗と格差社会を広げ」

 「日本人から愛国心を喪失させるニダ」

 「そうすれば、日本人は自ら自身で日本国を滅ぼすニダ」

 「それで儒陀の世界戦略がまた一歩進むニダ」

 「儒陀藩皇国が完全犯罪を可能にしたことを闇社会に公開するニダ」

 「全世界は、儒陀の近衛呪詛師団に怯えて平伏すニダ」

 「ウェーハハハ!!!」

 「「「「ウェーハハハ!!!」」」」

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 月夜裏 野々香です

 昭和から平成へ、

 銀行は企業育成から企業潰しへ、

 哺乳類人類系は、時空を超え、

 ジュラ紀に生態系分岐した双弓類系タミアラ類と接触、

 儒陀藩皇国は、世俗の国からオカルトホラーの扉を開いたようです。

 アフリカ大陸もいよいよ華漢帝国に・・・

 今回は既得権益、ウヨ、サヨの “魔女化” でしょうか (笑

 仲の良かった兄弟姉妹が遺産相続を境に憎み合い、

 他人を味方に引きずり込んで殺し合ったり

 同胞と同志が目的のために結束し、

 いざ、国権を掌中に収める段階で、憎み合って殺し合うとか (笑

 まぁ ありそうなことなんで (笑

 

 それと、巡洋艦 春日が生態分岐した平行次元世界タミアラに到達したので、

 『時空巡洋艦 露鳳』 一部完結ということに、

 つか、二部を書く気があるんだろうか (笑

 

 

誤字脱字・感想があれば掲示板へ

第48話 1988 『儒陀藩皇国の興亡』

第49話 1989 『一線の向こう側へ』  完結