タイムスリップ系架空戦記
『時空巡洋艦 露鳳』
第48話 1988 『儒陀藩皇国の興亡』
有名無実分裂の神聖ローマ帝国(962年〜1806年)時代。
プロイセン皇帝に権力が集中した第一次ドイツ帝国(1871年〜1918年)時代。
世界大戦の敗北で封建主義的な貴族社会が薄れ、
民族民主主義的な風潮が『形成されたヴァイマル共和国(1918年〜1933年)時代
不況脱出と民族高揚で台頭したナチスドイツ(1933年〜1947年)時代。
ナチス崩壊によりドイツ皇帝が復権した第二次ドイツ帝国時代(1947年〜現在)。
第二次ドイツ帝国は、全体主義と民族主義が強かったナチスドイツの反動で、
帝政に回帰したものの、
ドイツ帝国皇帝の権力と貴族特権は、民族民主主義的な風潮で弱まっていた。
そして、4つの時代の経験則から、
まだ負の遺産のない個人主義、自由主義、資本主義が強まっていた。
といっても民族的な特性は強く、
都市景観に合わせたモダンな建築物が作られ、
法順守の精神は社会全般で生きていた。
日本レストランの客の9割がドイツ人に占められ、
残りを外国人観光客と日本人が埋めていた。
日本人たち
「意外と人気あるんだな」
「この店は、バイキング形式で日本料理を一通り楽しめるからね」
「ドイツ料理に飽きたら来るらしい」
「ふっ でもビールだけはドイツ産か」
「ビールでドイツと張り合おうとは思わんよ」
「満州ビールは国際的にも評価が高いそうだが」
「結局、ドイツの作り方を真似してるだけだから、新しい素材か製法でも考えないと」
「しかしまぁ こうして、ドイツのど真ん中で、おでんと熱かんを楽しめるのはいいね」
「ドイツに来てまで日本料理を食べたがるのもどうかと思うが」
「一週間もドイツ料理が続くと日本料理を食べたくもなるよ」
「そういや、中華料理も多いな」
「外資シンジケートの関連で、ドイツ国内も中華街ができてるよ」
「ふっ どこへでも現れる」
「国家規模で私腹を肥やして、会計監査なしで莫大な金を使えるから華僑は強いよ」
「アラブ資本といい勝負だな」
「ユダヤ資本もね」
「日系資本は国境の外に出ると意気地がなくなるからな」
「満州上がりの資本家は、外地でも強いぞ」
「生まれ育った環境だろうな。この店のオーナーも満州出身の日系人だし」
「日本人って言っても内地、満州、月巳、ハワイじゃ気質が違ってくるからな」
「一番違うのは、上層部の連中だな」
「あいつら宇宙人がいると思ってやがる」
「「「「あはははは・・・」」」」
ベルリン王宮が再建されていた。
ドイツ皇帝ルイ・フェルディナント・フォン・プロイセン(81)の居城は、ツェツィリエンホーフ宮殿であり、
ベルリン王宮は、祭典、式典用で、一般公開されていた。
入り口で署名と入場料が求められ、
中に入ると古くもなく新しくもなく、
如何にもドイツ王宮な装飾が視界に飛び込む、
日本人たち
「戦争しなかったら、全部、本物だったんだな」
「国より軍隊が好きな連中が国を脅かしたのかもしれないな」
「確執を解消する方法で暴力や戦争は手っ取り早いし、わかりやすいからね」
「リスクは大きくても、勝った時、得られる名声は、大きいし」
「しかし、戦争を避ける手段はあったのかな」
「ヒットラーの時代はともかく、ヴィルヘルム2世は避けられたんじゃないかな」
「戦争する手段があって、覇権欲に囚われると戦争したくなるのかもね」
「そうなると、危険な兆候にあるのが、アフリカ大陸だな」
「中国人の勢力は、急速に大きくなってるし」
「このままアフリカ大陸を統合してしまうとアラブイスラム圏とぶつかる」
「リビア、エジプトの国境と、きな臭くなってるし」
「ドイツ帝国は、アラブ・イスラムを対中華の防波堤代わりに使うつもりで支援してるようだ」
「それじゃ おの式は、中国人にとって面白くないかもな」
「どうかな」
「日本とドイツとも、中華圏とアラブイスラム圏のどちらと構えても国家経済は傾く」
「大戦を戦うだけの国力はない」
「中国もアフリカ人を抱え込んで戦争する気はないと思うがな」
「むしろ、異分子を抱え込んでる今を置いてないとアラブイスラム圏が思うかも」
「まさか、アラブイスラム圏は、一枚岩じゃないよ」
「それはそうと、皇皇結婚は誰の差し金だ」
「互いに皇族を留学させて、交流するよう仕向けてたからな」
「仕掛け人は、その気だったのは確かだけど、上手くいったってことじゃないの」
「どんな利益があるんだろうね」
「国益重視の政略結婚だから本人同士は大した利益にはならないよ」
「難儀な人生だな」
「一般人だって好きな相手と結婚できるのなんて稀だし」
「公人なら公人の責務ってやつがあるんじゃないの」
「そのための公人だし、公人に私利私欲に走られたら目も当てられない」
「といっても、本当に利益になるのかというと日独イメージで、微妙な気もするが」
「国家同士で見るとそうだけどね」
「ドイツ系は世界中にいるし、階層の上位を占めてる」
「この婚姻で取引が増えるのは悪くないよ」
「民族主義者じゃなく、資本系の画策か、どっちに転ぶかわからないのに」
「まぁ 皇族同士が親戚でも戦争にならないわけじゃないし」
「それほどプラスにはならないかもしれないな」
「いや、民族的な飛躍になる可能性はあるよ」
「遅まきながらでも、欧米諸国の歴史と紡ぎ合うのも悪くいない」
「落ち目のソビエトにとどめを刺したようなものか」
「いやいや、権威主義勢力の国際的な復権イベント。民主主義者への嫌がらせとみたね」
「まぁ 目出度いことだし水を差すのもあれだろう」
「まぁ そうだけどね・・・」
数か月後、日独皇族間で婚姻の式典が行われ、
世界各国から参列者が集まる。
アフリカ大陸の植民地軍は宗主国イギリス、フランスの兵器を運用することが多く、
独立勢力は、ソビエト製、ドイツ製、アメリカ製が流れやすかった。
そして、アフリカ中華圏の台頭に対抗するアラブ・イスラム圏も同様だった。
大型戦車が中東に降ろされる。
180t級ドラッヘ(龍)戦車
全長14m 車体長12m×全幅5.2m×全高4m
4500馬力 速力65km/h 航続距離260km
K39クルップ製52口径149.1mm砲 7.92mm機銃2丁
100t級リーゼ(巨人)戦車
全長12m 車体長10m×全幅4.2m×全高3m
2500馬力 速力65km/h 航続距離260km
PaK44 55口径128mm砲 7.92mm機銃2丁
ドイツ帝国は、石油利権欲しさと戦訓欲しさ、
そして、運用上の負担に耐えかね。
アラブ資本に180t級ドラッヘ(龍)戦車と100t級リーゼ(巨人)戦車を中東に売却していた。
イラク陸軍将兵たち
「太陽の直射を受けてるのに、中は涼しい」
「特殊な金属を使ってるんだろう」
「・・・内壁が熱くない。熱の伝導率が低いようだ」
「複合装甲ってやつじゃないか」
「それにしては、ソビエト戦車より・・・」
「あと、普通の戦車より、広いな」
「ドラッヘは軽く3倍の重量で、リーゼは2倍の重量だからね」
「この大きさで、速いのはいい・・・」
「おっ・・・まるで軍艦に搭載してるエンジンじゃないか」
「車内でエンジンを調整できるのか」
「1t/25馬力だっけ」
「購入前にエンジンを再整備させた」
「この大きさのエンジンなら速いのは当然と思うな」
「防弾はどの程度だろう」
「複合装甲だから、現行戦車と撃ち合うことができるそうだ」
「2世代くらい旧式と聞いてたけど、全然違う感じだぞ」
「元々モジュール機構だから骨格を除くと張り替えられるらしいよ」
「じゃ 骨格が古くならない限り平気ということか」
「骨格はチタンだそうだ」
「それで世代を超えて、使い続けられていたわけね」
「しかし、売るんだから機能で寿命なんだろうな」
「中東のほうが戦力として使いやすそうだけど」
「ソビエト戦車より喜ばれそうだな」
「ドイツでは囮戦車だと」
「囮ねぇ」
「普通、囮とばれてるのに囮になるのかね」
「ばれてても大きいからつい狙ってしまうのだろう」
「中東じゃ戦車は族長の息子が乗る」
「この車内コンピュータで30両くらいの戦車を指揮できるそうだ」
「へぇ〜」
「ドイツ製戦車なら弾数。燃料。位置まで把握できるらしい」
「いいなぁ」
「だからドイツ戦車を買えっていったのに」
「ソビエト戦車のほうが安かったんだ」
「しかし、ソビエトよりドイツが南進を考えてると思えてくる」
「ソビエトは東部戦線だけ」
「ドイツは、北アフリカでも戦ったから経験則の差ってやつだろう」
「経験しない限り、考慮することもできないってことか」
「数は少ないが、この戦車があれば、黄禍軍に負けないだろう」
「黄禍軍がバクダットまで来るとは思えないが」
「本当は別のことに使いたいのだろう」
「別のとこ?」
「イランとか、クェートとか・・・」
「ふっ」
赤ちょうちん
焼き鳥の辛甘く香ばしい味が口の中に広がり、
まろやかな日本酒がのど越しを降り、一日の疲れを押し流していく、
日本人に生まれてよかったと、思う反面、ため息も混ざる。
杓子定規と派閥主義が作られ、
本質から遠ざかり、枝葉末節に傾注してく、
日本型組織病の悩みは尽きない。
ゼロ戦は、火力、速力、航続距離を追求するあまり、
航空機としての強度を失い欠陥機にしてしまった経緯があった。
その反省で作ったアマテラス、ツキヨミ、スサノオは、堅牢すぎ、
せっかくの水冷ディーゼルエンジンの経済効率を生かし切れていない。
場当たりな対処ばかりが先行し、一貫した戦略や仕様が確立されていない、
そういった組織風潮は、いまも変わらない、
現代の日本軍も求めうるスペックが先にあり、実情を見失っている。
さらに言うならなぜその兵器体系にしたのか、説明すら困難になっていた。
形式、広報、儀仗、書類が中心になり、
実戦部隊から遠ざかり、戦える軍隊でなくなろうとしていた。
まず、一か月で弾が尽きる、
これが現状だった。
むろん、予算が増えても正面装備に回されるだけ、
一か月で弾が尽きることに変わらない、
増産すれば間に合うかというと、戦況によりけりで、
戦端の開かれ次第で間に合わない可能性も高くなる。
かといって、どこかの国が攻めてくるのかという、国際情勢でもなかった。
極東ソビエト軍が満州帝国に侵攻したり、
ソビエト空挺部隊が東京上空を覆うというよな状況になる可能性も低い、
他国の軍隊も似たような問題を抱え、
酷い軍隊は、上官と部下が撃ち合うといった現象が起きてるとも聞く、
だからと言って、国防をないがしろにしていいということはない、
愛国に燃えて軍隊に入ったものの、
現実の内情と、外部からの言われない誹り・・・・
「おやじ、公共の利益や良心で始めたことでも上手くいかなくなるよな」
「へぃ よく聞きますね」
「そういう時、やめたくなったり、全部ぶち壊したくなってしまうよな」
「へぃ よく聞きますね」
「だよなぁ そういう気分になるよな」
「おや、だんな 公職者ニダカ」
屋台の客が声をかけてくる。
「ん・・・まぁなぁ・・」
「自分も今の日本人は、公共の意識が欠けてる気がするニダ」
「うんうん」
「日本社会が昔より一体感が減って脆くなってるように感じてるニダ」
「うんうん」
「ここで、席を同じにしたのも何かの縁ニダ。力になるニダ」
「ほぉ」
「数十万の人間を味方につけることができるニダ」
「ほぉ 偉い人なのかな」
「ちょっとだけ、顔ニダ」
「どうも、日本人は愛国心が薄れてるような気がしてな」
「そ、その通りニダ。最近の日本人は覇気を失って、近視眼になってるニダ」
「そ、そう思うだろう」
「思うニダ」
「このままでは、日本は滅びるニダ」
「うんうん」
「野党と共産勢力が悪いニダ」
「そうだ。あいつらが悪い」
「是非、協力するニダ」
「おおぉ それは心強い」
「さっそく、おごらせてもらうニダ」
「い、いや、それは・・・」
客は、札をおやじに払って、
「今夜は、貸し切りニダ」
「へぃ ありがとうございます」
「あっ・・・・」
「もう払ったニダ」 にや
「・・・・・」
「それにしても、最近の女子供はなってないニダ」
「きっと、学校教育が悪いニダ」
「うんうん、そうそう」
「個人主義が強くなると利に敏すぎて、善悪の見境がなくなってるニダ」
「うんうん、そうそう」
「どうも、奥さんは女王気取りで、子供もばかになっていくニダ」
「そうそう、そうそう」
「困ったものニダ」
「特に上司の娘を貰った日にはな・・・」
「それは、やばいニダ」
「まずいよ。性格も悪くて、子供を人質にとって、なじってくる」
「こっちは、子供の手前、夫婦げんかを見せられないから、向こうはそれを利用してな」
「それは卑劣ニダ。最悪ニダ」
「しかし、上司の娘だとやりにくいからな・・・」
「それは、何とかしないといけないニダ」
「そうそう」
「知り合いに必殺行方不明業者に伝手がある友人がいるニダ」
「行方不明業者・・・」
『そうニダ。100kmの沖合にポイ捨てするらしいニダ』
「あはははは・・・・まさか・・・」
「あはははは・・・・どんな名探偵が出てきても絶対にばれないニダ。噂ニダ」
「あはははは・・・」
「あっ もう、こんな時間ニダ。用事が合ったニダ」
「これ、名刺ニダ」
「・・・・」
「じゃ 行くニダ・・・」
「・・・・・」 ため息
日本 総理官邸
各国の情報が集められていた。
「イラクはクェートに侵攻すると思うかね」
「国際情勢は幾分と違ってきていますが」
「イラクとクェートは二国間問題になりますので、可能性はあり得ますね」
「どうしたものか」
「アラビア海近海で持続的に作戦が可能なのは、アメリカ海軍くらいのものですが」
「日本海軍のインド洋展開と、日本陸軍の中東展開は難しいのかね?」
「燃料消費からして、大きな利権が得られない限り難しいかと」
「右翼勢力は、国威高揚のため、艦隊の整備をしたがってるが」
「特に在日右翼は強硬派のようで・・・」
「戦争で日本人が死ぬのが嬉しんだろうな」
「軍部も予算欲しさで危機を演出しますからね」
「まぁ 家族や部下を抱ええて実入りを考えると戦争未満がいいんだろうが・・・」
「子供が大きくなると使う金も増えますからね」
「組織を大きくすれば、そういう人間が増えるだけだろう」
「その上、再生産のきかない業種じゃじり貧だ」
「戦前戦中のような形で暴走されてしまうと困ることに・・・」
「とはいえ、政治的には何らかの対応をしなければ・・・」
「傍観してもいいのですから、無理に綱渡りすることもないのでは?」
「露鳳の情報だと戦争に勝っても、占領政策に悩まされるとある」
「うまみは小さくなるかもしれませんね」
「んん・・・石油は欲しいがね」
「戦争してまで欲しいわけじゃない」
「かといって、侵略を容認するのも指導力を問われるし」
「ほかの国の侵略も許すような国際世論が作られるのも困る」
「イラクに警告を発信すれば思いとどまるかもしれませんが」
「警告ねぇ」
「アメリカは出るだろうか」
「儒陀に基地がありますから、出そうと思えば、出せるはずです」
「ドイツ帝国は?」
「ドイツ海軍は潜水艦が主力で、上陸作戦艦隊も小さいですから」
「そうなると対処を問われるのはアメリカと日本か」
「それと地続きのソビエトです」
「ソビエトに遠征する力は残ってるだろうか」
「無理をすれば」
「ふっ そこまでしないか・・・・」
儒陀藩皇国中央情報部は10万もの要員を抱え、
そのほとんどの人員は儒陀藩皇国国民を監視し、
反儒陀勢力を一掃し、恐怖による人民支配を目的としていた。
しかし、数パーセントの対外情報部隊が存在し、暗躍している。
満州帝国 延辺朝鮮族自治州
儒陀対日戦略作戦本部
“日本の右翼化と対米対中対ソ戦争の誘発ニダ”
“日本の左翼化で日本人の三欲化、食欲、性欲、睡眠欲の追及で日本人の獣化ニダ”
“日本人の利己主義化、無知化、無力化、無関心化で日本支配ニダ”
“日本人に成り済ますニダ。日本人に憑依するニダ。日本人に転生するニダ”
“日本右翼左翼に成り済まして日本の言論を支配するニダ”
“今月の月間目標、日本特高警察局長の買収ニダ”
「日本沈没ニダ!」
「「「「「日本沈没ニダ!!!」」」」」
「いくニダ!!」
「「「「「いくニダ!!!」」」」」
「前へ」
「「「「「はい、ニダ」」」」」
ぽろっ ぽろっ ぽろっ ぽろっ ぽろっ
「日本沈没ニダ!」
「「「「「日本沈没ニダ!!!」」」」」
「いくニダ!!」
「「「「「いくニダ!!!」」」」」
シャッ! シャッ! シャッ! シャッ! シャッ!
シャッ! シャッ! シャッ! シャッ! シャッ!
シャッ! シャッ! シャッ! シャッ! シャッ!
「い・・・く・・・に・・・だ・・・」
どっぴゅ〜〜〜〜〜〜 どっぴゅ〜〜〜〜〜〜
「「「「アイゴ〜!!!!!」」」」
どっぴゅ〜〜〜〜〜〜 どっぴゅ〜〜〜〜〜〜
「「「「アイゴ〜!!!!!」」」」
数十台のパソコンが並んでいた。
「各国要人の買収」
「儒陀人民の大規模浸透戦術」
「組織的な親儒陀の形成と、反儒陀勢力の一掃は成功しつつあるニダ」
「そして、いま、コンピューターネットワークにより、世界は、情報を共有しつつあるニダ」
「この機会を逃してはいけないニダ」
「誹謗中傷、自作自演、あらゆる技巧を駆使し」
「世界の世論を儒陀の有利に導くよう誘導するニダ」
「儒陀にとって都合の悪い書き込みは徹底的に排除するニダ!」
「金局長!」
「どうしたニダ」
「大型掲示板で、反儒陀の書き込みニダ」
「すぐ儒陀擁護の反撃ニダ」
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
「反共書き込み開放ニダ」
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
「全力で、反日書き込みニダ」
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
「反政府書き込みで誤魔化すニダ」
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
「掲示板が過疎化してるニダ」
「自作自演を繰り返すニダ」
ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ
ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ
「日本人に成り済まして中国の悪口を書くニダ」
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
「中国人に成り済まして日本の悪口を書くニダ」
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
「日本人に成り済ましてインド人の悪口を書くニダ」
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
「日本人に成り済まして反米書き込みニダ。自作自演を繰り返すニダ」
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
「アメリカ人に成り済まして反日書き込みニダ」
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
「日本人に成り済ましてソビエトの悪口を書くニダ」
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
「日本人に成り済ましてドイツの悪口を書くニダ」
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ! カキッ!
「だ、駄目ニダ。押されてるニダ」
「一斉にF5を攻撃を開始するニダ」
ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ
ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ
「指が折れるまでF5を叩くニダ」
「「「「アイゴー!!!!」」」」
ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ
ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ
「日本沈没ニダ!」
「「「「「日本沈没ニダ!!!」」」」」
ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ
ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ
「日本沈没ニダ!」
「「「「「日本沈没ニダ!!!」」」」」
ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ
ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ
「日本沈没ニダ!」
「「「「「日本沈没ニダ!!!」」」」」
ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ
ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ ぺちっ
満州帝国
日系人4000万、漢系6000万、総人口1億。
日本語人口は7000万を超えて主要言語となっていた。
GDPはアメリカ合衆国、日本、ドイツ帝国の次に位置し、
日本の傀儡だった満州帝国は、既得権益を持たない日本学閥の徒が力をつけ、
地位名誉財産などの既得権益を手に入れ、独立独歩の国情を作り、
自分たちの帝国として勝手に切り盛りし始める、
むろん、祖国の意向は強い影響力があるものの、
満州育ちの日本人が増えるにしたがって変わり
傘下企業を押し始めるなど、
日本の既成勢力の言いなりになる気分ではなくなっていた。
ハルピンオリンピックは、満州帝国の自主独立の気風をますます強め、
満州帝国は、独自の外交を展開していく切っ掛けにもなった。
クレープ屋シルクウィート
ポーランド人留学生ヤン・シェリングは、いつものようにクレープを焼き、
オリンピック観光客が買っていく、
「商売繁盛だな」
「いらっしゃい、警部さん」
「名前を言ってもらいたいね。人に知られると困る」
「どこかのサービス業の営業係長でしたっけ」
「ふっ 身内と近所じゃ そういうことになってる」
「人系も複雑なことで」
「タミアラ系はどうなんだ?」
「そうですね・・・」
「基礎能力値が違いますが集団では、そういう役割もありますね」
「この仕事は、苦痛じゃないのか」
「クレープを焼くのは、楽しいですよ」
「なぜ、クレープ屋を選んだ?」
「アルバイト広告の距離と時間と賃金と待遇を見て決めただけですよ」
「ふっ 俺も、よその世界で、そうやって生活してみたいものだな」
「仕事はしなくていいんですか」
「これも仕事の一部だよ」
「だいたい、特高なんて、白血球みたいなものでな」
「仕事をし過ぎても母体を傷つけてしまうのさ」
未来科学研究所 (Future science laboratory : F・S・L)
戦後、露鳳は、兵器としての価値より、
搭載されていた電子機器、未来史と付随していた技術が日本再建に大きく寄与していた。
さらに露鳳の出現は、タイムスリップ現象の確信につながり、
時空力学、次元力学、位相力学、宇宙樹理論など新分野を開拓し、
その価値は、露鳳そのものの価値より大きかった。
また、露鳳の素材でテスラ・コイルを作ると、X海域海底から採集したプラズマを集約させ、
電子的にコントロール可能なことが明らかになっていく、
露鳳の素材を基にしたテスラコイルは、次元(Dimension) + 位相( Phase) + 粒子(Particle)を発生させ、
空間力場形成、時空移動など、驚異的な現象を引き起こし、新技術の革新を促していく、
しかし、秘密主義では、最先端科学技術に人材、資材、資本を投入しても産業として寄与しない、
競争原理が働かず、相乗効果が得られず、
生産量が限られ、応用技術も波及せず経済全体に波及せず、浪費にしかならない、
日本のDPP技術は、基幹産業の中枢だけにとどまり、
局所的に使われDPP産業に至らない、
しかし、多くは産業主導の利益誘導でマザーマシンに振り分けられ、
日本の工業精度を二桁ほど押し上げていた。
それは、チタン、タングステンなど材質が強固なものであっても複雑な加工を可能にし、
結果、国際競争力が得られ、貿易黒字は大きくなり、
その収益の一部が未来科学研究所に還元されていた。
そして、人類初の次元航行船 “春日” の建造が進んでいた。
技術者たち
「いよいよ。春日も完成か」
「ここは何も知らない少年たちが突然呼ばれ」
「春日に乗せられるのがセオリーなんですけどね」
「「「「あはははは・・・」」」」
「ヘッドマウントディスプレイが進んでるから素人でも少しは使えるだろうけど」
「最低、6か月は訓練期間が必要だよ」
「できれば、ベテランで行ってもらいたいね。失敗しない方がいい」
「そういえば、陸軍もヘッドマウントディスプレイを欲しがってたっけ」
「あの味方識別付のやつね」
「機内や艦内で使う分は問題ないけどさ」
「陸戦の場合、一般人はどうするんだろうね」
「その辺は、考慮しないとな」
「しかし、ヘッドマウントディスプレイは、戦場での孤立感を是正する効果がある」
「味方と目標の位置を指示されていると気分が楽だし」
「命令をリピートさせられるなら間違いが少なくていい」
「命令が記録に残されるのは漏えいの危険があって困ると一部から反発があったぞ」
「支障があるからってそれ以上の利益を失うのはだめだろう」
「ふっ 困るのは命令が記録として残される事の方だろう」
「軍法会議が怖くて命令出しそびれて戦場で負けたら目も当てられんわ」
「「「「あはははは」」」」
新・儒陀皇帝府
ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ!
ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ!
ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ! ぱたっ!
「暑いニダ〜」
「皇帝。インド全域で反マンティコア運動が高まってるニダ」
「なんでニダ。何にも悪いことしてないニダ」
「皇国内のインド人飲食業界のキムチカレー必須制度に怒ったニダ」
「キムチカレーは最高ニダ。当然ニダ」
「それと欠陥車を日本車と偽って大量に売りつけたと」
「そ、それは、インド藩王諸国の陰謀ニダ」
「きっと、似ていたから間違えたニダ。車の形状を真似した日本の嫌がらせニダ」
「皇帝。ハイデラバードとパキスタンも儒陀不買運動を始めてるニダ」
「ハイデラバードもパキスタンも同盟国のくせに裏切りニダ。許せないニダ」
「不買運動の理由は、ハイデラバード軍とパキスタン軍の機密漏洩に儒陀人が関わっていたからと・・・」
「そ、それは、世界儒陀イジメ協会の工作ニダ」
「儒陀に成り済ました極悪日本人の仕業ニダ」
「皇帝。今月の買収者目録帳ニダ」
「おぉおお〜 ずいぶん増えたニダ」
「これで、世界を相手に戦うニダ」
「最近、中華民国の不良官僚の買収工作が増えて苦戦してるニダ」
「おのれぇ 外資シンジケートに支配されてる蛆民族の分際で」
「資金力で中国腐敗官僚が勝ってるニダ」
「艦隊を建造するニダ」
「そして、儒陀海軍が中華民国とアフリカ大陸の華僑を遮断できることを教えてやるニダ」
「税収が少なすぎて難しいニダ」
「日本みたいに加工貿易するニダ」
「全世界に工業品を輸出して、利益を上げまくるニダ」
「儒陀製品は、売れないニダ」
「もっと日本製品の真似をするニダ」
「日本製品の真似しても日本製品のほうが強いニダ」
「日本製品のボイコット運動を全世界で展開するニダ」
「儒陀製品こそ、オリジナル性にとんだ。世界最高の製品ニダ」
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月夜裏 野々香です
大志を胸に公僕で尽くしても
利権がらみの尻拭いをさせられ、
門外漢に疎まれ、
家の外も内も内患外患、
某アニメじゃないけど魔女化してぇ〜! な気分になりやすい昨今、
いかがお過ごしでしょうか (笑
露鳳戦記では未来情報で善処させてるので少し楽かもですが・・・
それでも人の世ですから、あれこれあるかもです (笑
第48話 1988 『儒陀藩皇国の興亡』 |
第49話 1989 『一線の向こう側へ』 |