後書き
後書きというほどのモンでもないんですが、あれだけ長引いてしまったブツなので一応…。
また先に言っておきますが、私は結構その時の気分で文を書いてるうえに石牢を思いついたのはかれこれ下手すりゃ一年前とかになってしまうので、
ぶっちゃけ当初の目的、よく覚えてないところがあります。
辻褄あわン所があるんでないかと思うんですが、そこらは触れんといてください・・・。いや、突っ込みたけりゃ突っ込んでもらってエエんですがな。寧ろ有難い。
そんな感じで勧めますスミマセン。
何が書きたかったってゆーと
「何にも属せない王の孤独」
「王を支える人々の心情」
「ファラミアの心情」
「アルダの人間の死」
「第四紀」
「死にネタ」
ですかね大まかに。
そういえば前のジャンルでも三十話とか使って色々やった記憶がありますが、こーゆーのが結構管理人の性に合っている模様。
でもメインとしてはやはり「王の孤独」なのです。
タイトルや終わり方からして。
映画戴冠式でエレスサールが黒服なのはこれから一生王として縛られ続けることへの表徴みたいなことを某女史が仰っていましたが、これを聞いたとき私はショックだったのです。
あぁ当時の携帯メール履歴が残ってたらなぁ。思わず友に長文メールを送りつけてアラゴルンがいかに不憫か語ってやったんですよねぇ。
片や得ることで自由を失い、片や失うことで自由を失った王様と指輪所持者。
しかしそれが幸せかといえば本当にそうなのか甚だ疑問。
何よりも自由を愛し、野山を愛し、エルフを愛している王にとって、石の都は冷たすぎるように思えてなりませんでした。
そういった王の孤独を一番に解ってやれるのは夕星だと私は思いたい。
彼女も哀れな王妃だから。
でも彼女は王の最後の瞬間までは全ての痛みに耐えうる強さを持っていたと思うの。
そんな風に、全てを嘆いて故郷を想っていた王を許容したのはファラミアだったら個人的にとても満足。
自分の治める国以上に故郷を、エルフ族を想ってしまう王を許し、心のそこから王を生み出してくれた寂然の大地に感謝を捧げる執政がいてくれたらとても満足。
・・・まぁこの話では王様はそれにすら恐怖して逃げてしまうのですガー(本物の王様はこんな弱くないし)。
そこを慰めに行くのが王を支える人々。
実際あの人は周りに助けてもらってばっかなんじゃないかと思う。特に精神的に。
あの旅でもその後も死ぬ手前まで。
だけどそうしてやりたくなる魅力を、弱さも魅力になってしまうものを持っている人なんだろうと思う。
そして人間の死。
ご存知の通りエルフは死んだらマンドスの館に行って、そこで次の世を待ち続ける。
彼らはアルダから切り離されること無く、次の世でもエルフとしてそのまま永遠に大地に縛られ続ける運命を定められたんだよね?
じゃあ人間はどうなるか。
人間は死んだらエルの御許で次の世を待ち続ける。
そして次の世の創世時、人間はアイヌアと席を同じくして創世の音楽を奏でる。
そうやって作られた世界で新しい生を、もしくはアイヌア以上の存在として生まれ変わるって説を私は今回取ったんです。
ようするにエルフはリセットきかずに永遠を生きなくちゃならんけど、
人間はエルが作った唯一のリセットできる、個々で様々な選択ができる種族ってことなんだと思うんだけど・・・。
そういうこともあってアカルラベースの時にアイヌアの人たちがヌメノーリアンに「勝手言いくさりやがって。お前らは贅沢なんだよ!」って説教たれてたんだと思うんだけど。悟り開いちゃってるエルフが人間を羨ましいと思うのはそこなんだろうと・・・。
まぁ何が良いかは個々で違うでしょうが、とりあえず私はエルフに生まれたくないです(聞いてない)。
永遠なんて耐えられません。
ぶっちゃけ石牢で王が永遠がいいなんて思ってるのは傲慢でないかとも思うのですが、ファラミーはそれを哀れんで慰めてくださいました。
そして皆さんにさんざ優しくされて色んなことに気付いた王様はファラミアに約束するのですね。
次の世でも皆で一緒にいよう、その中でもお前は絶対離さないよって。
それは次の自分の「選択」を貴方にやってもいいよということで、ファラミーは「ああこの方は大事な選択を私と一緒にしてくれるのか」って涙したんですね。
兄上にコンプレ抱いてたファラミーはこれまたボロミーにコンプレを抱いていた王がそんなこというとは思わずに、驚愕し涙したんですね。
でも王も形だけでなく、心のそこからそう思っていたのだと思ってくれていいです。
実際にファラミアといる気ですウチの王。
実際にファラミアがとても大切なんですウチの王。
ですから最後は『アラゴルン』なんです。
でも愛しているのは変わらずアルウェンです。
アルウェン、最後に不安になって息子に縋っていましたが、そら不安にもなるでしょうよ。
ただでさえ夫の最後の瞬間を予見しちまってるのにさ。
でもウチの王様が夕星を置いていく事はありません。
だって原作旅の仲間の「彼は現のままでは帰ってこなかったのです」の一文を読み、追補編も読み終わった後にまた見た瞬間、
私は号泣したからね。
ああ、それでいちいち『現』って言ってるんだなと。
つまり迎えにいったんだな、と。
それからアラアルがいっそう好きになったのでした。
あ。何アラアル語りしてんだ。
とにかくアルウェンは愛されてますから。エルダリオンの言葉の通り。
それから第四紀メンバーとしてエルダリオンとエルボロン。
もう、二人していきなりゴメンと言いたい気分ですが、本当、お疲れ様です・・・。
ちなみに「壱」の冒頭のオホタールとエルダリオンの会話はファラミア死亡直後です。時間列がわかりぬくくてスミマセン。
ラストで太子が王様に訴えていたのはそーゆーわけです。そう解釈しておいてください。
それで、映画エルダリオンはアルウェンにそっくりじゃありませんでしたか。目とか。私はとてもじゃないが「父親に似てネェ」と感じてそれからエルダリオンのイメージは一変しました。父親大好きなのに父親に似てないスネてるお世継ぎ。・・・これってリアル・モーテ○セン家?
彼は何だかんだいって精神的に強いです。多分一番。
そしてエルボロンは・・・。これも伯父貴へのコンプレ持ちですが、でも強いです。ほんと、第四紀の子どもたちは姫も含め猛者ぞろいです。
姫二人出せなかったけど、そのうちギャグ短編でも書こうと思ってます(迷惑)。
なんだかアレな話で、消化不良だったりしたら申し訳ないんですが、とりあえずきりがつけたことに感謝して。
長々とお待ち頂いていた方々、激励してくださった方々、感想下さった方々、誠に有難うございました。
紅夜は皆さんの力で珍しく挫折せず最後までアップできたのです。
感謝にたえませんです。
それでは、ここまで読んでくださって本当に有難うございました!!
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