「AIR」舞台探訪

〜AIR編〜



舞台探訪者の心得
 ・探訪先では、地元の人の迷惑にならないように行動する。
 ・観光地でない場所や公共施設でない場所への探訪,撮影には十分注意する。
 ・探訪者の多い場所での行動は控えめに。


プロローグ
「いよいよ、関門トンネルをくぐるんですね」
QLAND「あれ、関門海峡って、橋で渡るんじゃなかったっけ?」
「えっ?! トンネルですよ、絶対トンネル!」
QLAND「そうだったかなぁ?」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 そして、やって来ました、関門海峡。
「…あれ? 橋だ。…おかしいなぁ?」
QLAND「フフン、やっぱりボクの言った通りだったね。」
 高速道は橋で海峡を渡り、トンネルで渡るのは一般道だと知ったのは、後日である。
「…だけど、記念すべき九州初上陸が、美少女ゲームの舞台探訪だとは、今まで思ってもみませんでしたよ(苦笑)」
 こうして我々は、九州の地に記念すべき第一歩を記したのだった。

 さて、話は、この1ヶ月ほど前にさかのぼる。

 気がつけば、いつの間にか、西は広島県三次市から北は長野県大町市、東は千葉県海上町まで、いろいろな作品の舞台を訪ね歩いてしまった私である。
 しかし、その旅の最中も、ずっと心の中にあったのは、あの、ゲーム「AIR」の舞台だった。
 特に、あのストーリーの中で強く印象に残っている、学校と堤防については、どうやっても手がかりが得られないでいた。
 月日が流れても、まるで「夏への扉」を探す猫のピートのように、私は「AIR」の学校と堤防を探していた。

 と、そんなある日のことだった。偶然にも、メールをいただいたサイトさんのページで、「AIR」の学校のモデルがあることを知ったのだ。
 私と、そして同じく「AIR」の舞台を探していた大先輩のQLAND氏は、早速、情報収集を開始した。
 そして、紆余曲折の末に、ついにモデルの学校を特定したのだった。
 それは、九州の地にあった。

 「AIR」の発売から3年、ついに、この日がやって来た。
 我々は、「夏影ツアー」と名付けた、「AIR」の学校を目指す旅へと出発した。
 異例の残暑がかすかに夏の気配を残している、秋の日だった。

新ヒロインの口ぐせ
 京都で合流した我々は、QLAND氏の車で高速をひたすら西へ走る。
 そして、九州に着いた時には、すでに初日の夜になっていた。
 とりあえずホテルを探して宿泊。
 これだけの長距離を走ると、助手席に乗ってただけでも結構疲れるもので、ぐっすりと就寝。

 翌朝、早朝に起き出して、いよいよ目的地目指して出発。
 昨日までの台風の雲が去って、まるで空の上の観鈴ちんが祝福しているかのような快晴の朝だった。

 途中、幽霊が出る心霊スポットとして有名(らしい)トンネルにさしかかる。

  私「ココ、子供の幽霊が出るらしいですよ」
 と、その時!

夭折した少女の幽霊!?
我々の目の前に、夭折した少女の幽霊がっ!

「キターッ! 不幸な少女の幽霊キター!ッ!(笑)」
QLAND「何か『がおがお』言ってる幽霊キター!ッ(笑)」

 ※トンネル内でフラッシュを焚くのは、対向車が危険なのでやめましょう。

 そこから話は脱線して、

「『CLANNAD』の発売が遅れてるのは、きっとヒロインの口ぐせが決まらないからだと思うんですよ」
QLAND「企画会議で、『えー、今日も口ぐせが決まらなかったので、発売は延期にします』」
「そうそう」
QLAND「じゃ、いっそ、『きてはぁーっ!』にすればいいのに」
「『祐一君、ひどいよ。きてはぁーっ!』(笑)」
QLAND「そうそう(笑)」

 もはや当人たちも何言ってるんだか分からなくなるぐらい盛り上がって来た頃、目的地周辺に到着。

  私「ついに来たーっ! ここが舞台の町!!」


ゲームの街に似てる?

「AIR」舞台の町
「AIR」学校のモデルの町

「・・・砂浜、無いですねぇ…」
QLAND「堤防も、テトラポットで埋まってるし」
「基本的に、岩石質の海岸ですね」
QLAND「でも、今まで見た候補の中では、一番(ゲームと)似てるよ」
「えーっ、そうですか!? コレだったら兵庫県の香住町の方が似てますって」
QLAND「いや、似てるよ。山の迫り方とか湾の形とか」

 そんなわけで、「ゲームの雰囲気と似ているか?」という点に関しては、今でもQLAND氏と意見が分かれたままである。

 堤防を越えて海岸に降りてみる。

学校近くの海岸観鈴ちんアップ
学校近くの海岸石ころばっかりだね。が、がお。

 石ころだらけの海岸で、ゲームのような砂浜は無い。
 波は荒くはないのだが、見た感じ潮の流れが速そうで、あまり穏やかそうには見えない海岸である。

 せっかく舞台に来たことだから、ということで、

でっかいおむすびと観鈴ちん
でっかいおむすびですねっ。

 お約束は全部やります(笑)

 全体としては、町というよりも「地区」という規模の集落である。
 古くからの集落と新興の団地にはっきりと二分されていて、中心となるような商店街があるわけではない。
 しかし、よく探してみると、そこにはっ!

武田商店
武田商店

「武田商店、発見!」
QLAND「オマエはお店を見れば何でも武田商店かーっ!」


バス停バス停と観鈴ちん
バス停全然違うよね、往人さん。

QLAND「おおっ、これはっ! バス停!」
「バス停なら何でもいいんですかぁ!?」

 鍵者には何でも「AIR」の背景に見えてしまうのだった。

「だけど、オタクの旅行って、普通の人には言えないですよねぇ。『九州に行って来たんだ』って言って、『何しに行って来たの』って聞かれたら‥」
QLAND「『学校見に』(笑)」
「『何の写真撮って来たの?』って聞かれて、『バス停』(笑)」
QLAND「『堤防』(笑)」

 周りにそんな人がいたら、そこは一つ、あたたかい目で見守っていただきたい。


ついにめぐりあえた学校のモデル!
 そして…、
 ついに着きました、「AIR」の学校のモデル。

「AIR」学校のモデル
「AIR」学校のモデル

 これに左右反転をかけると、見た感じゲーム中に近い画像になる。

 ゲーム中には、手前にマンホールの蓋が描かれているので、実際の位置的には、

「AIR」学校のモデル
堤防からの構図の再現(左右反転)

 こっちの方が近いのだが、木々に学校が隠れてしまう。
 (ゲーム中では、マンホールの周りは舗装されて描かれているが、その後工事があったらしく、マンホールの周りは砂利がむき出しになっている)
 実は、この撮影位置のすぐ後ろは別の建物になっていて、「AIR」の背景の元となった写真は、この建物の2階か3階あたりから撮られたようだ。
 判明:「AIR」の舞台となった堤防の上は、この後ろの建物の2階か3階。
 えらく高い堤防だなぁ(^^;
 実際の海岸は、この後ろの建物からさらに40〜50mぐらい後ろである。

 以前の、「AIR」舞台探訪〜Dream編〜にて、
 『学校と堤防に関しては、個人的に疑問に思ったのが、ゲーム中の原画は堤防と学校の間が妙に広すぎるという点。山が海に迫っている狭い土地にしてはかなり不自然な土地の使われ方である。
 あの原画のモデルがあるとすれば、波風がかなり強い土地か、津波の恐れがある所ではないだろうか?』
 と書いたのだが、今となっては疑問解消。不自然なのも当たり前で、実際には堤防では無かったのだ。

学校と観鈴ちん
堤防が無いなんて、ビックリだね、にははっ。

 さて、QLAND氏によると、ここには、もう一つの舞台があるらしい。
 それは…、

成瀬川の卒業式の体育館
「ラブひな」第4巻で成瀬川が卒業式をした体育館

QLAND「これが『ラブひな』に出て来た体育館なのだな」
「おお、これが!」

 観鈴ちんの学校からは、200mも離れていない。
 なんと、「AIR」の舞台は、「ラブひな」の舞台でもあったのだ!
 この写真は敷地の外から撮ったもの。「ラブひな」では、この角度からでなく、反対側の入り口側が描かれているので、敷地の中から撮られた写真を元にしたようである。

  「AIR」の舞台モデルの謎について


佳乃シナリオ探訪〜博多湾〜
QLAND「で、この後どうしますか?」
「せっかくだから、博多湾に行きましょう!」
QLAND「『AIR』の背景に博多湾が出てくるの?」(QLAND氏はいまだに「AIR」を全クリアしていない)
「いや、具体的にどこというのは無いんですが、『異国の軍隊が攻めて来た』、っていうくだりがあるもんですから」
QLAND「…ハイハイ、ボクはバカとオタクには逆らわないことにしてますからね」

 そんなわけで、高速に乗って、福岡市街の渋滞に悩まされつつ、博多湾へ。
 書店で見かけたガイドで、「元寇防塁」が復元されていると書いてあった「生の松原」に到着。

 この日の博多湾は、台風15号の通過直後だったもので、風が強いのなんの!

博多湾と佳乃
風が強くて倒れそうだよぉ〜

 実際、この写真を撮った後、佳乃は倒れるし…。

博多湾と佳乃
強風で、パ、パンツが…

 佳乃のスカートがめくれてパンツは見えるし…。
 それでも、

QLAND「元寇防塁ってこれだけなの?」
「う〜ん。…まぁ、こんなもんじゃないですか?」
QLAND「ふぅ〜ん・・・」
「…よし、任務完了!」
QLAND「状況終了!」

 一応の達成感を胸に引き上げた我々だったが…。

 この時の我々は、2つ上の写真の標識の「元寇防塁」の文字の下に、佳乃の後ろに隠れて、「↑」という記号が描かれていたことに気がつかなかった。
 実は、この200mほど先に、当時を再現した、高さ2mぐらいの、ちゃんとした元寇防塁の復元モデルがあったのである。
 戻って来て、この探訪記を書くためにインターネットで調べて、ようやく気がついたというマヌケっぷり。

  「フッ、認めたくないものだな、オタクゆえのあやまちというものを…」

 教訓:舞台探訪の下調べは入念に。


番外編 「朝霧の巫女」舞台探訪〜「モーツァルト」編〜
 翌日、我々は「AIR」の舞台の地を旅立った。
 そして、その帰り道の途中、高速を福山で降りた。

 やって来たのは、福山市内のケーキ屋さん「バッケンモーツァルト」。
 「朝霧の巫女」に出て来た「ザッハトルテ」と「チーズケーキ」を食べようという作戦である。
 (って、やっぱりそんなのばっかりかい>オレ)

 だけど、店内に入って探してみると…、

  「な、ない! ザッハトルテがない!」

 仕方ないので、チーズケーキと、間に合わせとして「朝霧の巫女」の柚子にひっかけて、もみじクッキーの”ゆず”を注文。

モーツァルトのチーズケーキ
モーツァルトのチーズケーキと、もみじクッキー”ゆず”

 店内の片隅にテーブルがあって、コーヒーもセルフサービスで無料でいれられるようになっているのがナイスな心遣いです。

 こうして我々は、おいしいケーキとコーヒーで、今回の舞台探訪の旅を締めくくったのだった。


 −あとがき−
 以上で、「AIR」の舞台探訪は終了。
 とにかく、念願の学校のモデルが見られて良かった〜、というのが実感。
 思ったよりも小さな地区で、「街の雰囲気を味わう」という感じでなかったのがちょっと残念でしたが。

 さて、私の個人的な事情から、ちょくちょく舞台探訪に行ける状況ではなくなってしまいました。
 舞台探訪は、これからは年1,2回のペースが良いところになると思います。
 そんなわけで、第一期(?)を締めくくる上での、記念すべき舞台探訪となりましたが、それが「AIR」で良かったな、と思っています。

 最後になりましたが、今回の旅行では、またしてもQLAND氏にドライバー,旅程の立案など大変お世話になりました。多謝m(__)m
 そして、今回の舞台探訪のきっかけとなったサイトさんの紹介です。感謝m(__)m
 
 
 夜乃さんのAIRの舞台に関するサイト。
 ここでの情報がきっかけとなって今回の旅に出かけました。
 AIRのほのぼのとした雰囲気を再現しつつ、舞台情報はかなり的確に網羅されてます。


  終わり。