「かみちゅ!」舞台探訪

広島県尾道市編〜その9〜



舞台探訪者の心得
 ・探訪先では、地元の人の迷惑にならないように行動する。
 ・観光地でない場所や公共施設でない場所への探訪,撮影には十分注意する。
 ・探訪者の多い場所での行動は控えめに。


「かみちゅ!」舞台探訪− 〜INDEX〜
福山編「読子さん、舞台ですよ!」 福山駅周辺
尾道編〜その1〜「古寺めぐりコース」と「石浜中学校」 駅周辺・某学校
尾道編〜その2〜「石浜中学校」と「来福神社の社殿」 某学校・艮神社
尾道編〜その3〜「もののけの小道」 千光寺周辺
尾道編〜その4〜「見晴らしは来福神社」 千光寺山公園
尾道編〜その5〜「イカデビル」 商店街
尾道編〜その6〜「ゆりえ宅」と「来福神社」 浄土寺周辺・御袖天満宮
尾道編〜その7〜「来福神社の境内」と「光恵坂」 御袖天満宮
尾道編〜その8〜「大和見物の堤防」と「神様ご休息センター入口」 向島
尾道編〜その9〜「突堤」と「日の出渡船」 尾道渡船周辺・福本渡船(尾道側)
尾道編〜その10〜「大和」と「日の出渡船」 向島 大和ロケセット・福本渡船(向島側)
尾道編〜その11〜「商店街(三笠屋)とジョンの坂道」 長江周辺
尾道編〜その12〜「街を見下ろす岩」 浄土寺山
尾道編〜その13〜「DVD Vol.5 初回特典ピンナップ」 しまなみ海道 生口島
尾道編〜その14〜「ゆりえ宅へ続く坂道」 向島


 尾道市編〜その8〜に引き続き、「かみちゅ!」の舞台探訪記です。
 いよいよ、最終日、我々は最後の探訪へと向かう…。

 来福神社への坂道 −尾道市 千光寺山周辺−
 いよいよ「かみちゅ!」舞台探訪も最終日。
 しかし、一つ、心に引っかかっていた場所があった。それは、第1話で三人が上る、来福神社に続く坂道のこと。
 どこかにあるに違いないと思うと、見つけずにはいられなかった。
 そこで、一人でホテルを朝6時に出て、事前偵察を敢行することにした。

 実は、その坂道は、「転校生」の冒頭の下校シーンで登場している。なので、最初は「転校生」の校門のロケ地の小学校の近くかと思ったのだが、前日歩いた印象では、その地区とは地形が違う。また、「尾道三部作」の作中のシーンのつながりがアテにならない事は、「のれんまたぎの家」の位置からも明らかである。
 そこで、地形から推測することにして、千光寺山の西側または南側であると判断した。

 駅周辺の線路わきのアーケード街の下からじっと千光寺山方向を観察する。
 似たような屋根を見つけて、「見つけた、きっとあの屋根に違いない!」、と思って登っていったら…、
 …なんと、そこへ行く途中で見つかりました、というオチ(笑)
 これもゆりえ様の御加護のおかげだろうか? 幸運に感謝。

 ホテルに戻ったら、ちょうど朝食に降りて来たSUGI氏と遭遇。

SUGI「どこ行ってたんですか? こんな朝早くから」
「坂道見つけて来た」
SUGI「えーっ、本当ですか!?」

 えへん、ぷい。

 そして、我々はホテルをチェックアウト。
 まず、駅のコインロッカーに荷物を預ける。

尾道市営バス

 駅前で、OPに登場する尾道市営バスを撮影。
 バス停の「泉町」は依然謎らしいので、バスの撮影だけに留めておく。本当はアップで撮りたかったのだけど、アップで撮ると乗客の顔を処理しなければならないので、遠景で。
 ここから、石浜中学校方面へ歩く。途中の歩道橋で、

「ちなみに、ここが『転校生』で、男になった設定の一美が自転車で一気に登った歩道橋です。男の子の演技で女の子が一気に登ったという」
一同「ほ〜」

 などと話しながら着いたのが…、

第1話:ゆりえ「平気、古文で休めたし」

第1話:光恵「いや、休んだらダメだよ…」

第2話:もののけと話すゆりえ

 作中とそっくりそのまま。
 ちなみに、この場所は「転校生」の冒頭の下校シーンにも登場するのだが、「転校生」の中で家が建っている場所が、「かみちゅ!」では空き地になっているのが年月を感じさせる。

 無事に念願の場所の撮影を終えたので、お寺の境内で一時休憩&雨やどり。
 トイレを借りて戻って来ると…、

SUGI「これから、自分のカメラには名前を付けることに決まりました」
「はぁ?」
QLAND「ただし条件があって、眼鏡っ娘」
「はぁ???」
SUGI「というわけで、USOさんのカメラの名前は、『光恵ちゃん』に決まりました!」

命名:光恵ちゃん

 …名前が付いて良かったね、光恵ちゃん。

「という事は、オマエのカメラは『藤沢やよい』とか言い出すんだろ! そうだろ!?」
SUGI「はぁ? 一体、誰ですか、それ?」
「って、素で『ステルヴィア』忘れてるんじゃねぇー!」

 もはや、何がなんだか。
 さて、ここで線路の方へ戻ろうとしたら、

QLNAD「でも、こっちでいいの? スタッフがあの場所を撮ったという事は、あの道の奥に入って行ったんじゃないの?」
「う〜ん、そうですかねぇ?」
QLAND「いや、ボクはいいんだけどね、ただ、後でこの先に何か見つかった時にさ、きっとUSO君の事だから『あの時ボクは行こうって言ったのにQLANDさんが止めた〜』とか何とかサイトにウソ書くに決まってるからね」
SUGI「わははは!」
「ハイハイ、わかりましたよ。じゃ、行きましょう」

 ほら、ちゃんと正直に書いてるじゃないですか(笑)>QLANDさん

 そして、上の写真の道を東に歩いて行って出た先は、…

千光寺新道

 昨日降りてきた、千光寺新道だった。
 なるほど、これでつながった!
 昨日まで、スタッフの取材経路は、
  艮神社 → 猫の小道(徒歩) → 千光寺公園 → 千光寺新道(徒歩)
 だと思っていた。
 しかし、今朝の経路から考え直してみると、
  石浜中 → 坂道 → 千光寺新道 → ロープウェイ → 千光寺公園 → 猫の小道 → 艮神社
 と、石浜中から千光寺公園まで、ロープウェイを使って効率良く回れるルートが浮かび上がる。
 これが、スタッフの取材経路だったのではないかな? と。

 知人のQLAND氏が尾道を再訪した際に発見した追加情報をいくつか掲載。

第16話:ネコの階段?第16話:アップ

 まずは第16話のジョンが駆けた道に出てくる、おばさんがネコにエサをやっている階段、らしきもの。
 場所は、持光寺から古寺めぐりの順路に従って海福寺に行く途中。
 う〜ん、コレですか。実は、コレは私も一人で歩いた時に遭遇して「そうじゃないか?」と疑った物件なのですが。作品中だとこの階段を真横から撮る形になるのですが、そうすると非現実的な広角レンズでないとフレームに入りきらないので、「やっぱり違うかも?」と思って撮らなかった物件なんですよ。
 でも、QLAND氏もコレじゃないかと思ったという事は、やっぱりコレで合ってるのかも?

第2話:ネコに寄りつかれるゆりえ

 さらに古寺めぐりコースを東へ歩いて光明寺を過ぎて、このページ上↑で紹介した、来福神社に続く坂道の手前にあるというのが、コレ。
 QLAND氏に、
 「第1回の探訪の時、最終日の早朝に一人で出かけたUSO君が、『もうあと半日と思うといてもたってもいられなくて回ってきますたよ。そしたら、びっくり、ありますた』と披露したのが五叉路なのだが、ったく、その手前を見落としてたわけだ」
 と書かれてしまったけど、まぁ、そういうオチはありがちです(笑)
 そして次の物件は、さらに古寺めぐりコースを直進して、千光寺新道を通り越して、志賀直哉旧居を過ぎたあたり。

第15話:大根のもののけの畑

 …そうですか、コレでしたか。実は、これも何度も前を通って、そうじゃないかと疑ったのですが、手前の白い柵があるから違うだろうと何度も自己却下した場所なんですよ。そうか、その時に後ろの家の形に気づいていればなぁ…。
 というわけで、どうやら、スタッフの取材経路は、↓下のように訂正する必要がありそうです。

  石浜中 → (持光寺) → ネコの階段 → (光明寺) → 坂道 → 千光寺新道 → 大根畑 → 艮神社 → ロープウェイ → 千光寺公園 → 猫の小道

 突堤 −尾道市 尾道渡船付近−
 艮神社と御袖天満宮を回って撮り逃し分を撮って回った我々がやって来たのは、尾道渡船付近の突堤。

DVD Vol.2 パッケージ絵

 ここは、ご覧の通り、DVD Vol.2のパッケージ絵の背景の場所。

第2話:みこ「どうしよう?…」第2話:光恵,みこ,ゆりえ,祀
第2話:祀「神様の集まるような場所、知りません?」第2話:もののけ「あ〜、あの山の…」
第2話:もののけ「たしか、入り口が…」第6話:祀「パーッ、と遊びましょうか?」
第6話:ゆりえ「ありがと。光恵ちゃん、祀ちゃん」

 マキマキマキマキ…、というと、普通の人が思い浮かべるのは「舞-乙HiME」のシホだと思うが(それって普通の人か?)、「新・尾道三部作」の「あの、夏の日〜とんでろ じいちゃん〜」のじいちゃんが使う呪文でもある。
 この突堤は、「あの、夏の日〜とんでろ じいちゃん〜」の中で、じいちゃんが「マキマキ…」と呪文を唱えて向島へ飛んでいくシーンで使われている。

 日の出渡船 −尾道市 福本渡船−
 そして、ついにやって来ました、作中の「日の出渡船」こと福本渡船。

第6話:ゆりえ「どうしたらいいのかな?…」

第3話 ('06.11.4撮影)第3話
第6話:ゆりえ「ウソついちゃった…」 ('06.11.4撮影)

 作中では、石浜中が本土側、ゆりえ宅が島側という設定。
 福本渡船は、赤い桟橋が本土側、青い桟橋が向島側という塗り分けになっているのだが、作中での登場もちゃんとその通りになっている。お見事!

 ここでの写真撮影は、いくつか失敗して不本意な結果に。
 渡船への乗り込みがあわただしくて気が急くのと、待っている車が多いので視線を意識してしまって資料をゆっくり見ていられなかったのが敗因。渡船が出た直後に勝負をかけるべきだった…。まぁ、また次の機会があれば、ぜひ。

 ('06.11.12 改訂)
 再訪した際に再挑戦して、ほぼ作品通りの構図で撮影出来ました。
 ちなみに、この福本渡船は、「さびしんぼう」,「あした」に登場している。

 渡船内部は、なぜか作品中と違った。
 どちらかというと「しまなみフェリー」の方が似ているような…、と思っていたら、同じ福本渡船でも違う船があるらしい、とはQLAND氏の情報。たまたま違う船だったらしい。残念。

 閑話休題 −その4− デジタル一眼レフについて
 今回の取材に使ったカメラは、
  ・デジイチ:ニコンD50+シグマ AF18-50mm F3.5-5.6DC
  ・レンズ一体型:CANON S2 IS(36-432mm相当)
 というもの。ほとんどがD50で、望遠が必要な所のみS2 ISという組み合わせで撮影しました。

 長らくPanasonicのFZ-1という12倍ズーム機を愛用していて、かなり満足していたのですが、デジイチに手を出した理由は、
  (1)「Fate」の背景で左右が切れてしまったので、広角が撮れるカメラが欲しかった。
  (2)D50を触ってみて、この重さならもう片方の手でぬいぐるみを持てそうだと思った(笑)
  (3)D70を持ってる知人とサーキットに行った時に、望遠での画質,AF速度がコンデジより断然良くて欲しくなった。
  (4)カメラのキタムラで、
    ニコンD50
   +シグマ AF18-50mm F3.5-5.6DC
   +シグマ AF55-200mm F4-5.6DC
  がキャッシュバックと中古カメラ下取り込みで\65,800という値段になっていて、つい…。
 というもの。

 そして、今回、デジイチを導入してから初の本格的な舞台探訪だったわけですが、その実戦での使い勝手は、想像してたのとまるで違いました。使ってみた感想としては、
  1.いくらコンデジに近い価格の入門機といっても、デジイチはコンデジとは別世界の道具。
  2.デジイチは、決して万能ではない。
 というのが実感。

 まず最初のつまづきは、撮像素子のサイズが大きいために、コンデジに比べて被写界深度が浅くて、ぬいぐるみと背景に同時にピントを合わせるためには、F22まで絞ってもまだ足りない、ということ。…用途が特殊すぎますか。そうですか。
 第二に、ボディがかさばるために、カサをさしてキャプチャ資料を持ちながらだと非常に扱いづらかった事。雨の中、キャプチャ資料を入れたファイルを地面に4〜5回落としてしまいました。
 第三に、デジイチは、レンズを交換してこそ万能だという事。雨の中歩き回る撮影旅行では、レンズを替える事なんて出来ません。今回は、18-50mmを付けたままにして、望遠が必要な時にはレンズ一体型のS2 ISを望遠レンズ代わり(?)に使いましたが、これが手持ちの組み合わせの中では最適な選択でした。
 デジイチに18-200mmの高倍率ズームを付ければ全て1台で足りるのでしょうが、D50の場合だとボディをもう1台買うぐらいの追加投資が必要ですし、18-50mmで重荷だったのに、さらにカサをさしながら18-200mmを振り回す事を想像するとかなり憂鬱です。

 今回の旅行中、デジイチに対して使い勝手の面でかなり困惑して、Caplio R3(28-200mm相当)で軽快に撮影するQLAND氏がうらやましく見えたりもしました。
 やっぱり、自分にジャストミートなデジカメは、富士フイルムのFinePix S9000(28mm-300mm相当)だったのかな〜?

 と、旅行中ずっと思っていたのですが、後で撮った写真を見てみると、デジイチの画像はさすがに綺麗で満足度は高いものがあります。
 また、暗い所での画像も安定しているため、レタッチソフトもほとんど使わずに済んだり、使っても階調が反転しにくいのは、作業効率が良くて便利です。
 取材中が楽しいコンデジに対して、取材後が楽しいデジイチ、とは言えます。

 使い勝手がだいぶ予想とは違ってしまったデジイチですが、せっかくの投資したので、機動性の不利はグリップストラップ等を追加してカバーしてみるなどして、結論を出すまでもう少し付き合ってみたいと思います。

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