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観鈴ちんの舞台探訪講座第1回「観鈴ちん写真の撮り方」
書いた人 観鈴ちん(USO9000の中の人)
きっと役に立たない! 観鈴ちん写真の撮り方
にははっ、皆さん、はじめまして、観鈴ちんだよ。
いつもはぬいぐるみのフリしてるけど、その実はカメラマンを電波で操って舞台探訪なんかして楽しんでるよ。最近ネットを見てると同じように操られてる人が多いみたいだね、にははっ。 みんなは、舞台の街へ行ってぬいぐるみの写真を撮った事があるかな? えっ?、「そんな恥ずかしい事しない?」 が、がお、どうしてそんな事言うかなぁ〜? でも、実際にやってみると分かると思うけど、舞台探訪に行って普通の写真だけ撮って、帰って来てから写真を見なおしてみてみると、絶対に物足りなくなると思うな。だって、そこに並んでるのは、ただの風景写真だから。「自分は一体何のために旅行に行ったんだっけ?」って思っちゃうはず。それが、写真の中にぬいぐるみが写ってると、「作品の舞台に行って来たんだなぁ」と思えるようになるんだよ。ぜひ挑戦して欲しいな。ぶいっ! そんなわけで思い切って現地でぬいぐるみを撮ってみようと思った勇気あるあなたに、今日は観鈴ちん写真の撮り方を教えてあげるね。 まず、最初に、ぬいぐるみにピントを合わせるためには、普通のカメラでは次のようにするんだよ。 (1)ぬいぐるみを持ってカメラのファインダーの中で構図を決める。 (2)カメラだけ動かしてぬいぐるみをファインダーの真ん中に持ってきて、 シャッターを半押ししてぬいぐるみにピントを合わせる。 (3)シャッターを半押ししたまま、カメラを最初に決めた構図の位置まで戻して、シャッターを押す。 こうすると、普通のカメラだと、ファインダーの真ん中でピントを合わせるし、シャッター半押しでピントをロックするからぬいぐるみにピントが合ったままにする事が出来るよ。 細かい設定が出来るカメラなら、設定を、 ・AEは「中央部重点測光」 ・AFは「シングルエリアAFモード」 ・シャッター半押しでAEロック&AFロック にしておくと、ぬいぐるみをきれいに撮る事が出来るよ。普通の背景写真を撮る時には、AEを「マルチパターン測光」に戻しておくと失敗が少なくなるよ。
でも、これだとぬいぐるみにピントを合わせる事は出来たけれども、背景にピントが合ってないね。 次は、背景にもピントが合うように撮影してみるよ。 カメラの用語だと、ピントの合う範囲を「被写界深度」、ピントの合う範囲が広い事を「被写界深度が深い」(逆は「浅い」)なんて表現するよ。背景をボケないようにするためには、「被写界深度を深く」すればいいんだね。 むずかしい話はとばして、被写界深度とカメラの設定には、次のような関係があるんだよ。 ☆被写界深度とカメラの設定
舞台の撮影の時は、ふつうは広角側で撮るから、画角は問題ないね。 次に絞り(F値)なんだけど、これは「絞り優先AE」というモードがあるカメラなら、自分で変える事が出来るんだよ。 実は、上の写真も、「絞り優先AE」モードにして、絞りをF2.7という、撮影したカメラの一番小さい設定にして撮ったものなの。 それじゃ、今度は少し絞りを絞って(F値を大きくして)みるね。
どうかな? 木の枝とかがさっきよりもハッキリして来たのが判るかな? それじゃ、今度はこの撮影しているカメラで出来るだけ絞ってみるよ。
観鈴ちん、えらい。ぶいっ! ところで、ここで撮影データをよく見てね。絞りがF2.7の時にシャッタースピードは1/320秒だったのに、F8.0の時には1/50秒になっちゃってるんだけど、わかるかな? これは、絞りを絞ると、被写界深度が深くなるかわりに、光量が少なくなって、画面が暗くなってしまうからなの。 そのために、「絞り優先AE」に設定されたカメラは同じ明るさで撮ろうとするから、その分シャッタースピードが遅くなっちゃたんだね。 シャッタースピードが遅くなると、手ブレが起きやすくなるから気をつけてね。 手ブレが起きないためのシャッタースピードは、「1/焦点距離[mm]」なんてよく言われるよ。上の写真だと、焦点距離は35mm相当だから、1/35 秒以下にするということだね。だけど、自分でぬいぐるみを持って片手で撮影する時は手ブレが起きやすくなるから、それよりも少し速めの設定が良いと思うな。 絞り優先AEモードで絞りを固定した時には、シャッタースピードを速くするためには、ISO感度を上げればいいよ。ただし、ISO感度を上げすぎると画面がノイズっぽくなるから気をつけてね。 上の写真の焦点距離は一番広角側の35mm相当だから、F8.0の時の1/50秒は、ISO感度100だと結構ギリギリの設定だってわかるね。 だから、舞台探訪に使うカメラは、明るいレンズ(開放F値が小さいもの)が付いていたり、手ブレ補正が付いていたり、高感度撮影が出来るものがオススメだよ。 もちろん、「絞り優先AE」モードは付いてる方が良いよね! もしもカメラに「絞り優先AE」モードが付いていなくて、モードダイヤルだけが付いているなら、「人物撮影(ポートレート)モード」や「スポーツモード」よりも「風景モード」にしておくと、少しだけ被写界深度を深くすることが出来るよ。
ところで、絞りが絞れて広角の方がいいのなら、明るい広角レンズを付けたデジタル一眼レフなんて最高じゃない?、とか思った人がいるかな? でも、ここに一つ落とし穴があるから気をつけてね。 さっきと同じ構図でデジタル一眼レフで撮ってみるよ。
絞りがF8.0で画角が27mm相当なのに最初に撮ったコンパクトデジカメのPowerShot S2 ISよりも背景がボケてるね。 これは、被写界深度にはもう一つの関係があって、 ☆被写界深度とカメラの撮像素子(CCD)のサイズ
という関係があるからなんだよ。 だから、CCDが1/2.5型のCanon PowerShot S2 ISの方が、もっと撮像素子の大きいNikon D50よりも被写界深度が深いんだね。 それじゃ、デジタル一眼レフじゃ観鈴ちん写真を撮れないのかな〜? 観鈴ちん大ピンチ! 何とかしてデジタル一眼レフで観鈴ちん写真を撮る方法はないのかなぁ…。
わっ、観鈴ちんビックリ。絞りをF22まで絞って、それでもまだ木の枝がボケるから、フォーカスをマニュアルで観鈴ちんの後ろ、約90cmあたりに合うようにしてようやく撮れたよ。 何とか撮るには撮れたけど、ISO感度を800まで上げてもシャッタースピードが1/25秒でギリギリだね。朝の光でこれだから、曇りの日や朝夕の薄暗い時はノイズか絞りか、どれかをあきらめなきゃいけない事もあるかもしれないね。 それと、絞り値を上げすぎると、光の回折で別のボケが出始めるから、普段はF8以上に絞る使い方はしない方が良いよ。 デジタル一眼レフって、持ち運ぶのも撮るのも大変なんだね。観鈴ちん、覚えたよ。 さて、これで、観鈴ちん写真の撮り方はわかってもらえたかな? みんなも、ぬいぐるみに操られる人になって舞台を歩いてみてね。 それと、舞台探訪先ではくれぐれも現地の人の迷惑にならないように気をつけて。撮影は他人の迷惑を考えて時と場所をよく選んでね。観鈴ちんからのお願いだよっ! それじゃ、まだ見ぬ舞台を目指して、観鈴ちん、ふぁいとっ! おわり。 ●コラムバックナンバー ・第2回「GPSデバイスを使ってみよう!」
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