観鈴ちんの舞台探訪講座

第2回「GPSデバイスを使ってみよう!」

書いた人 観鈴ちん(USO9000の中の人)


本コラムは、2007年夏コミで頒布されたCD-ROM、「QLAND 舞台探訪レポート 2007_SUMMER」に掲載されたものです。

 にははっ、皆さん、はじめましての人もそうでない人も、こんにちは。
 電波で人を操って舞台探訪している魔性のぬいぐるみ、観鈴ちんだよ。

 さて、今回は、舞台探訪に持っていくと便利かもしれないちょと微妙なグッズ、GPSデバイスの紹介だよ。
 舞台を探して知らない町を歩き回る時に迷ってしまったり、地図は持って行ったんだけど現在の場所がわからなくて困った事は無いかな?
 そんな時に便利なのが、最近種類が増えて来たハンディGPSなんだよ。
 今回は、そのハンディGPSを中心に説明するね。

1.ハンディGPSにはどんなものがあるの?
 色々と種類があるけど、大雑把に分けると↓のようになるよ。
 (1)GPS付き携帯電話
 (2)ポータブルカーナビ(メモリタイプカーナビ)
 (3)PDAタイプのポータブルナビ(PDAナビ)
 (4)登山にも使える本格ハンディGPS
 それぞれの特徴を紹介するね。

(1)GPS付き携帯電話
 機種変更ならば価格も一番手頃で、一番身近なGPS機器だと言えるよね。AuならばEZナビウォーク対応機種、DoCoMoならFOMAのGPS対応機種なんかだね。


 経路検索機能も付いていて、電車や地下鉄なども網羅されているから、歩いて回る舞台探訪に向いてるよ。
 それと、フルブラウザを搭載した機種なら、探訪先でネットの情報を見る事も出来るから、旅先で「あ、あの情報忘れた!」といった時にも便利だね。
 欠点と言えば、一番には頻繁に利用しているとパケット通信料がかかって通信代がかかる事。カーナビとして使おうとしたら、パケット定額サービスに入ってないと無理だね。
 それと、画面が小さい事や、カメラの標準サイズのSDカードを直接読み込んだり出来ないのが欠点かな。

(2)ポータブルカーナビ(メモリタイプカーナビ)
 カーナビメーカが販売しているナビがこれ。SANYOのミニゴリラ、クラリオンのDrivTraxシリーズなんかがこれにあたるよ。
 一番のメリットは、カーナビとしても十分使えること。自律航法(ジャイロ)システムが入った本格的なナビより精度は劣るけど、2台目のナビとしては十分じゃないかな?
 それと、画面が大きくて見やすい事、表示の速さなんかもやっぱりカーナビメーカーだけあって良く出来てるよ。
 欠点は、カーナビには向いているけれども、歩いて回るための電車や地下鉄の経路表示機能が付いてない事。そのうちに付くようになると思うんだけどね…。
 最近の製品だと、メモリカードに入れたJPEGファイルが表示出来たりするものもあって、舞台探訪のキャプチャ画像の表示にも使えたりするよ。ただし、フォルダを認識しないなんて制約がある機種もあるから、買う時にはよく調べて買ってね。

(3)PDAタイプのポータブルナビ(PDAナビ)
 これは、PDA(携帯情報端末)にGPS機器とソフトが入ったもの。マイタックのMio P350なんかがコレ。

 この特徴は、PDAそのものだから、PCに近い感覚で使えることだね。観鈴ちんのところでもコレを使っているけど、画像ビューアをインストールしてSDカードのキャプチャ画像は表示出来るし、ネットからフリーウェアのエディタとFTPソフトをダウンロードしてインストールして、SDIOの無線LANカードとIrDAキーボードを接続して、探訪先からのサイト更新なんかも出来たよ。
 無線LANカードを使えば、マクドナルドのYahoo!のホットスポット(有料)とかホテルの無料ホットスポットでインターネットに接続することが出来るよ。


 欠点と言えば、ナビの機能がメモリタイプカーナビよりちょっと操作性が悪かったり、地方だと詳細な地図が出なかったりする事だね。それと、同じく歩いて回るための電車や地下鉄の経路表示機能はまだ付いてないよ。
 “PCに近い感覚”、と言っても、やっぱりノートPCには敵わないし、欠点がわかって使いこなせる人には向いているけど、そうでない人にはどれも中途半端、という事になりかねないかも?

(4)登山にも使える本格ハンディGPS
 GARMIN社のものが老舗だね。防水仕様だったり気圧高度計が付いてたりして、登山とかバイクなどのヘビーデューティーな用途に向いてるよ。
 でも、舞台探訪向きじゃないかも。値段も機能の割りには高めだったりするし…。まぁ、用途が違うかもね。にははっ。

2.どんな時に便利なの?
 普通の舞台探訪なら、あまり必要じゃないかも…。
 というと話が終わってしまうから、観鈴ちんが実際に使って役に立った場面を書いてみるね。

(1)初めての町でも迷わない
 目印の少ない郊外を歩いた時に、道に迷わずに済んだよ。あとは、町中すぎてどの辺りを歩いているか判らなくなった時なんかも助かったかな?
 舞台探訪は旅行費をかけて遠くまで出掛けたりするから、1時間無駄にならなかっただけでも、ずいぶん助かる時ってあるよね。

(2)舞台をマッピング
 コレはオススメの使い方。ハンディGPSはだいたい目印の記録機能を持っているから、どの場所で撮影したか、データを記録しておくと後で探訪記を書く時に便利だよ。

(3)キャプチャ画像を確認
 キャプチャ画像が十数枚程度なら、キャプチャ画像をプリントアウトしたファイルを持ち歩かなくて済むから便利だよ。


 でも、20枚を超えるようだと、やっぱり昔ながらのプリントアウトした紙をクリアファイルに入れて持ち歩いた方がランダムサーチが効いて便利だと観鈴ちん思うなっ。

(4)カメラの撮影データを確認
 最近のデジカメの画面も大きいけれども、ハンディGPSの画面は3.5inch以上でデジカメよりも大きいから、撮ったデータを確認したり、人に見せたりするのに便利だよ。

 …って、主な使い方はこれだけなんだけど。
 これだけだと、買う価値は微妙だよね、買った携帯に付いて来たのでない以外は。
 だから、観鈴ちんとしては、カーナビに使えたり、ノートPC代わりに使えたりするものをオススメするよ。そうして複数の用途で使えるのなら、買って損はしないと思うなっ。

3.その他
 変わりダネとしては、SONYのGPS-CS1Kなんてものがあるよ。


 これは、地図を表示してくれるものじゃなくて、デジカメとセットで使うものなの。
 (参考記事:「青い花」舞台探訪〜鎌倉編 おまけ〜
 GPS-CS1Kを動作させると、その時々の時間と場所のデータを記録してくれるのね。それで、あらかじめ時計を合わせておいたデジカメで撮影すると、後で家に帰ってPCでGPS-CS1Kのデータとデジカメのデータを合わせると、写真の時刻データから撮影した場所の位置情報がわかるというしかけ。付属のアプリで位置データ(ジオタグ)を打ち込んだ写真は、Google Earthで表示出来たりするよ。
 ジオタグはJPEGのEXIF情報領域に記録されるから、例えば画像ビューアのirfanview↓
 http://www8.plala.or.jp/kusutaku/iview/
 で「画像」→「画像の情報」→「EXIF情報」で開かれるEXIF情報を見れば読むことが出来るよ。

 たとえば、京アニ「Kanon」舞台探訪記の↓の写真だと、


 ↓こんな風に記録されているから…、


 この数値を10進法に変換した「43.04880556,141.3531667」を、Google Mapsに入力すると…、

  京アニ「Kanon」探訪記の写真撮影場所(Google Mpas)

 …と、いうように後になっても写真を撮影した場所がわかるから、「この写真どこで撮ったっけ?」なんていう時に便利だよ。
 ただし、受信状況によって誤差が10m〜50mぐらいあるから、あまり正確さには期待しないでね。

 というわけで、GPSデバイスについて解説してみたけど、どうだったかな?
 大切なのは、舞台探訪をどうしたら楽に、楽しくできるか、自分で工夫することだと観鈴ちん思うな。
 それじゃ、みんなも、舞台探訪を楽しくする工夫があったら、ネットで発表してみてねっ! 観鈴ちん、期待してるからね。が、がお。

 おわり

 ●コラムバックナンバー
 ・第1回「観鈴ちん写真の撮り方」