「ふたつのスピカ」舞台探訪

〜行き当たりばったり編〜



舞台探訪者の心得
 ・探訪先では、地元の人の迷惑にならないように行動する。
 ・観光地でない場所や公共施設でない場所への探訪,撮影には十分注意する。
 ・探訪者の多い場所での行動は控えめに。


 アニメ版を見たのがきっかけで、原作の「ふたつのスピカ」を読んでファンになりました。
 宇宙飛行士を目指す女の子が主人公、という異色の設定ですが、その主人公を初め登場人物の設定が掘り下げられていて、ドラマとして良く出来ているのが良いです。
 さて、今回の企画は、別企画の「SNOW」舞台探訪のおまけとして組んだもの。「ふたつのスピカ」には江ノ電の沿線らしい風景が多数登場するので、本格的な調査の前の小手調べに鎌倉周辺を回ってみようというのが狙い。
 メンバーは、例によってQLAND氏,SUGI氏,そして私の3名。
 さて、その結果は…。

 まずは、第1話の冒頭に登場する、唯ヶ浜駅のモデルになった、江ノ電の極楽寺駅。

唯ヶ浜駅(第1話)

 原作のまんま、そっくり。

 …と、紹介するのは簡単なのだが、実はここまでたどり着くのには紆余曲折があって。
 事前にネットで調べたら、どこかのページに「『唯ヶ浜駅』のモデルは江ノ電の鎌倉高校前駅」と書いてあったのだ。
 そこで、鎌倉高校前駅に行こうとしたら、QLAND氏から「極楽寺駅じゃないの?」との指摘が。ちょうどその時、鎌倉市街から湘南方面に向かっていたので、どっちにしろ途中の極楽寺駅に寄ってみようということにしたのだ。
 そしたら、上の写真の通り、極楽寺駅が正解だったというわけ。
 (もしかしたら、アニメ版に鎌倉高校前駅が出て来たのかもしれない)
 ここから由比ヶ浜までは600mほど。『唯ヶ浜』は、本当に鎌倉市の由比ヶ浜にあったのだ。


 極楽寺駅が『唯ヶ浜駅』のモデルだと判ったものの、極楽寺駅周辺は狭くて車を止める場所が無かったのだ。
 それで、極楽寺駅を一旦通り過ぎて、海岸近くの駐車場に車を止めて、稲村ヶ崎駅から電車で極楽寺駅へ移動することに。

 そして、稲村ヶ崎駅に着いたところ、何かが妙に記憶に引っかかる。この駅のホームから見える踏切は、そう…、

「カムパネルラの森」扉絵の背景

 なんと、偶然にも、第2巻収録の「カムパネルラの森」の扉絵のモデルだったのだ。
 「カムパネルラの森」は、私にとって「ふたつのスピカ」の中で一,二を争う好きな話なので、ちょっと感動。
 行き当たりバッタリにもかかわらず、探していた風景に出会えた幸運に感謝しながら、我々は極楽寺駅に向かう電車に乗ったのだった。


おまけ −江ノ電 鎌倉高校前駅−
 さて、原作の『唯ヶ浜駅』が見つかったので、特に行く必要も無くなった鎌倉高校前駅であるのだが、どこかのサイトでアニメ版「恋風」のOP.に出てくる、という話も聞いていたので、せっかくだからと、行ってみることにした。

鎌倉高校前駅の東側踏切

 ・・・違う。これは、「恋風」のOP.の踏切ではない。
 OP.では1車線の狭い道路だが、これは2車線の道路で、両側の住宅の並びも全然違う。同じなのは江ノ電らしい電車が通るということだけ。
 QLAND氏によると、生徒が海をバックにして踏切を渡って行く構図が良くて、何かと映像作品に登場する有名な踏切らしい。
 それでも、知った作品でなければ意味が無い。
 しきりに「最近も何かのゲームのパッケージで見たんだけどなぁ、たしか『ホワイトナントカ』とか…」と首をひねるQLAND氏にかまわず、この時は失意のうちに宿へと向かったのだった。

 …が、その日の夜、ホテルにノートPC+AirHを持ち込んで検索していたSUGI氏が、突然叫んだ。
 「コレかぁ!」

 http://www.fandc.co.jp/wb/
 >タイトル:ホワイトブレス
 >ブランド:F&C・FC02
 ※エロゲーにつき、18歳未満は注意。

「ホワイトブレス」のパッケージ絵(近似、QLAND氏撮影)

 そんなわけで、今なら、胸をはって言えます。
 「我々は、『ホワイトブレス』の舞台を見て来ますた!」
 <いや、胸をはれる事では…。

 「SNOW」舞台探訪のついでの、行き当たりバッタリ企画でしたが、第1話冒頭の絵と、個人的に好きな「カムパネルラの森」を押さえられたことで、意外に満足出来た旅行になりました。
 この他にも、原作には色々と鎌倉周辺らしい光景が登場するので、また今度ゆっくり時間をかけて回ってみたいところです。
 今回車で走り回って、つくづく鎌倉市内での車の不便さを再認識したので、次は貸し自転車で回るのが良いかと思ってます。

  終わり。