「微分←→積分」器作製について
渡邊 勝(札幌琴似工業高校)
道数協高校サークル1月例会
2001年1月9,10日
札幌市北区、あけぼの旅館


 1.問題意識;微積分が互いに逆演算であることを視覚に訴える有効な手段が欲しい.
 2.1995年全国教研(札幌)発表、菱勇一先生(埼玉入間向陽高校)の
    レポート『柱状グラフによる微分・積分法の指導』に刺激を受けた。
 3.菱レポートの概要は次のようなものである。 
 @ 関数のグラフを柱状で描く。パソコン援用 
 A 差分を色分けして、同様に柱状グラフに描く。微分係数の近似値としては縦軸方向に縮小される。  
 B 縦軸方向の縮小を解除して柱状グラフで描く。これが導関数の柱状グラフである。  
 C 導関数のグラフを柱状に描く  
 D 縦軸方向に縮小する。差分が表れる。  
 E 差分を順次積み上げていく。出来るのが原始関数である。
 4.パソコンに依らないで直接目に見える教具を作る。  
   材料は、表紙紙(半面白厚紙)、糊、白糸、サランラップ
   道具は、カッター、鋏、スティプラー、針、千枚通し
 5.出来上がり;生来の不器用で円滑に動かない。上手につくればうまく動く。  
   ただし、導関数が原関数から産み出される過程、導関数が差分の極限値であること導関数から原始関数を作りあげる過程がみえる。
 6.欠点;差分は微分係数そのものでない。導関数が縮小される。    
      
  グラフに出てくるのはΔy、Δx=0.1 なので、十分の一に縮小される。
 7.改善点;ポイントは、短冊の精密化 材料を木製、プラスチックにして、区分をもっと小さくする。   
                                 

   左は、二次関数のグラフ、色が付いている部分は差分     
   右は、差分だけを並べたもの、これは、導関数を表している。
   ただし、導関数の縦軸は縮小されている。  
   右から左を見ると、差分を積み重ねたところ、即ち積分された状態を表している。
   図の枠からはみ出ている10枚の短冊を動かすことで微分したり、積分したりできる。


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