「常用対数」の定義;底が10の対数 a=log10A
例(1) 地震の規模 magnitude[マグニチュード]Mで表す。
@ 地震のエネルギーとMとの関係式 E;地震波のエネルギー、単位はerg=10−7J(107erg=J)
l og10E=11.8+1.5M
例(1) 兵庫県南部地震;95年1月17日;死者6308+2、負傷者43177人
M=7.2 深度h=18km であった。
エネルギーE1を求めよう。
(解) log10E1=11.8+1.5×7.2=22.6
E1=1022.6erg=1015.6J≒1016J=1京J
練習(1) 北海道南西沖地震93年7月12日 死者202+28、負傷者321人
M=7.8 深度h=34km であった。
エネルギーE2を求めよう。
例(2) E1とE2を比較してみよう。
(解)
ゆえに
練習(2) 予想される東海沖地震では、M=8 である。
(1) エネルギーE3 を求めてみよう。
(2) を求めてみよう。
(3) を求めてみよう。
組 出席番号 氏名
A 気象庁のマグニチュード(この他にいろいろな決め方がある)
(1) 深度h≦60km のとき
a) M=log10A+1.73log10Δ−0.83
A;中周期変位型地震計で、
5サイクル以下の波の最大地動片振幅μm
東西方向の変位x、南北方向の変位y、
Δ;観測地から震央までの距離 km
b) M=log10AZ+1.64log10Δ+α
AZ;短周期速度型地震計で、
上下動の最大地動速度振幅 10−3cm/s
Δ;観測地から震央までの距離 km
α;その地震計の特性補正項
(2) 深度h>60km のとき
c) M=log10A+K(Δ、h)
Δ;観測地から震央までの距離 km
h;深度 km
K(Δ,h);Δとhの二変数関数:表になっている。
例(2) 溶液1gの中のH+の数 (H+は活性水素)
@ 6.02×1023個=1mol という。(12個=1dz[ダース]と同じ発想)
例(1) 6.02×1015個のH+
の個数をmolで表そう。
6.02×1015個=6.02×1023−8個=6.02×1023×10−8個=1mol×10−8
モル数を[H+]と表せば、 [H+]=10−8
練習(1) 次のH+
の個数をmolで表してみよう。 モル数も表してみよう。
(1) 6.02×1016個= [H+]=
(2) 6.02×1017個= [H+]=
A 溶液1gの中のH+のモル数を[H+]で表し、
pH=−log10[H+] を定義する。(pHはドイツ語読みで[ペーハー])
例(2) モル数[H+]をpHで表してみる。
[H+]=10−8 のとき pH=−log10[H+]=−log1010−8=8
練習(2) 次の[H+]をpHで表してみよう。
(1) [H+]=10−7 のとき pH=
(2) [H+]=10−6 のとき pH=
組 出席番号 氏名
例(3) 星の光度等級 magnitude [マグニチュード]
@ 紀元前150年頃、ギリシャの天文学者ヒッパルコス Hipparchos は、
星の明るさを1〜6等星までに分けた。
A 1830年頃、イギリスのハーシェル J.Herschell(天王星を発見した人の息子)
次の関係「明るさは等級に応じて一定の割合で減少する」を明らかにした。
[1] 等級 1→+1→2→+1→3→+1→4→+1→5→+1→6
明るさ L1 →×r→L2→×r→L3→×r→L4→×r→L5→×r→L6 但し 0<r<1
[2] L1=100L6
B 1850年頃、ポグソン N.Pogson は次の式を明らかにした。
等級 1 2 3 4 5 6
明るさ L1
L2=L1r L3=L2r L4=L3r L5=L3r L6=L3r
=L1r2
=L1r3
=L1r4 =L1r5
C 0等星を基準にすると、1等星の明るさは; L1=L0r、2等星のは;L2=L0r2 以下同様、m等星では、
例(1) 光害が無いところでは、人間の目は6等星までみえる。都会では、2等星しか
見えない所が多い。6等星と2等星の明るさを比較してみよう。
練習問題;すばる(8.2m望遠鏡ハワイ・マウナケア)は、27等級まで見える。
27等級の明るさと6等級の明るさとを比較してみよう。