OED(The Oxford English Dictionary)から;拙訳
Sine2(サイン)。16〜17世紀 sign(e
[次のラテン語からとられた sinus曲がり、湾など、また、トウガの上部の垂れ下がったひだ、ガーメントの胸(のふくらみ)、
そこからアラビア語のjaib[ジャイブ]と同義語を表していた。
下記意味2として、幾何で用いられた。
Cf.フランス語 sinus,スペイン、イタリア語 seno]
+1.湾、入り江 廃語、稀 (Sinus 5参照)
1591年 シルヴェスター「ドウバーダス」1章3節98頁『そのようなものは、北海、ペルシ
ャ湾、インド湾』
1598年 上掲書2章2節、3章植民地94頁『紅海とペルシャ湾の間に』
2.三角法で、三つの基本的三角関数の一つ(タンジェント、セカント参照)
もともとは、円弧の一端から他端の接線に平行で、その半径まで引かれた線分の長さ、
現代用法では、上記の長さの半径との比 または(角の関数と同じこと)直角三角形の
与えられた角の対辺の斜辺に対する比(鈍角の正弦の数値はその補角の正弦の数値
に等しい)短縮形 sin
1593年 フェイル「日時計製作の技法」60頁『正弦表は、正弦関連の計算に不慣れな
者には理解しがたく難しく思えるであろう』
1662年 ホッブス「七つの問題」全集1845年版、7章62頁『BRをとると、それが
45度の正弦である』
1663年 バトラー「ヒューディブラス」1章1節123頁『もし、パンやバターの重さが不足
していれば、正弦、正接直線でとくことも彼ならば出来るのだ』
1710年 J.ハリス 「技術事典」2章語参照『プレイン比例尺、ガンター比例尺や殆
ど全ての比例尺に関する正弦は《正弦線》と呼ばれる直線を有する』
1738年 「ジェントル雑誌」8巻10号1章『地球の可視的半径の正弦』
1774年 M.マッキンジー 「海事通覧」63頁『仰角の補角の正弦』
1833年 ハーシェル「天文学」5章185頁『このような小さい弧の正弦、正接は弧その
ものに比例する』
1847年 テニソン 「原理」6章239頁『正弦と弧について、回転楕円体と方位角』
1880年 ホートン 「物理学、地理学」3章155頁注『これは、すべての周期的期間は
円弧の正弦、余弦の和に変換させられる』
b.角との結合形
1728年 ペンバートン 「ニュートンの哲学」361頁『入射角の正弦は屈折角の正弦に
対して一定の値を与える』
1823年 ブルーク 「結晶学」296頁『三角形の角の正弦とこれらの角に対する辺と
の間の相似』
1859年 サバイン 「科学探究法の手引き」91頁『異なる地域の地磁気の密度は、偏
向角の正弦の逆数に応じる』
1864年 ボーエン 「論理学」12章407頁『入射角の正弦と屈折角の正弦の比は同じ
媒質では一定である』
+3 Right sine 真正正弦 、先行形 廃語
1594年 ブランデヴィル 「練習」2章(1636年版)103頁『余正弦は所与の弧の余弧
である弧の真正正弦である』
1593年 W.バーラ 「羅針盤把握」『Bvbは反日の弧の第二真正正弦である』
1715年 訳文「グレゴリィの天文学」1726年版2章797頁『半径と角ASDの真正
正弦間の』
1795年 ハットン「数学辞典」2章425頁1段
4.連体詞として、
例 サインコンパス、余正弦、検流計、誘電器、正弦積分、航程線、正弦波
1706年 フィリップス(6版)注『弧あるいは角の正弦余は、90度への角や弧の不足分
である』
1797年 「エンサイクロペディアブリタニカ」3版7巻693頁『8点から31/4点までの広がり、
正弦航程線上の航路の不足分』
1828年 ムーア「実践航海術」15頁『15正弦航程線(SR)として記されているのは、
左から右へ図示されている。羅針盤の各点及び四分点の自然正弦の対数
を含む直線である』
1873年 F.ジェンキン 「電気磁気」13章8節『正弦検電器は正接検電器よりはるか
に感度が良いものが容易に作製できる』
1879年 「エンサイクロペディアブリタニカ」8巻49頁2段『電気力計のAは固定され、Bは
懸垂コイルで、Sは、正弦誘電器』
同掲書10巻52頁1段『標準検電計の初期の型式はポーレットが発明し
た正接または正弦羅針であった』
1880年 同掲書13巻39頁2段『これらの関数は、正弦積分、余弦積分の型式を
とっている』
Sinus(サイノス).複数形 sinuses(17世紀sinus、17〜19世紀sunus's,18世紀sinusses)
[語源 ラテン語sinus 曲線、曲がり、入り江、など)
+5(廃語)入り江、湾、海の入り江;=Sine21
1684年 T.バーネット 「原理地球」1章110頁『岬が海に突出し、湾や入り江が
内陸に入り込んでいる』
1693年 レイ「三つの発見」2章2節85頁『海はむしろ陸地に入り込んで、入り江
となっているようだ』
1717年 バークレイ「イタリア紀行」全集1871年版4巻549頁『狭い入り江に架かった
橋』
1749年 W.ダグラス「総覧」1章399頁『塩水の入り江は、普通トートン川の延長と
呼ばれている』
1789年 J.ウィリアムズ「最小の王国」2章163頁『数多くのファース(深い入り江)、入
り江、湾』