2012年ヨットレース

別府 湯けむりヨットレース2012

ブログ記事

 2012.10.6(土) 〜 10.7(日)

今年もやってきました「別府湯けむりヨットレース」。
春の宇和島と並んで、この海域でのメジャーレースです。
地元大分はもちろん長崎、福岡、山口、高知、愛媛から多くのヨットが別府に集まり、今回のエントリーは42隻。
この大所帯を受入れられるだけのヨットハーバーがあり、近くには温泉にホテルに歓楽街。巨大ショッピングセンターがハーバーのお隣というのもすばらしい。
目の前の別府湾は波が穏やかで年中ヨットを楽しむことが出来る・・・。まったくうらやましい環境です。

レース前夜は、ヨットマン達の交流会が開催されました。
BOYCの皆さんが手作りでおでんや料理を用意してくださり、心が温まります。

交流会に先駆け、ボランティア活動で東北の復興支援にご尽力された佐伯ヨットクラブのN山会長講演会が実施された。
現地に足を運んだ人にしか分からない苦労話や凄惨な現地の状況を語られ、胸を打たれました。
こうやって、ヨットレースに参加できる日常の幸せを実感しました。

時間の経過と共に場の雰囲気も和やかになる。
年に数回、どこかのヨットレースで顔を合わせるセイラー達と繰り広げるたわいもない会話が、この上なく楽しい。
各地のヨットマン達との貴重な情報交換の場でもあるし、明日のレースに向けての腹の探りあいが面白くて、ついつい深水にはまってしまうのよね〜。

明日のレースで上位を目指そうとするチームも、成績に関係なくのんびりとお祭りレースを楽しもうというチームもそれぞれでしょうが・・・、本音を言うと、レースに出場するからには、やはり結果にこだわりたい。
いや、結果というより内容が大事な訳で、少なくとも、自艇よりレーティングの低い艇に前を走られるわけにはいかないし、同レベルのライバル艇よりも速くなければ勝ちはない。
おそらく、腹の内は皆同じ考えなのだろうね・・・?

「明日のこの時間も美味し〜〜〜い、お酒を飲んでいたいなあ〜〜〜。」


 

 

ホワイトホーク艇上は夜遅くまで、盛り上がった。
酒もつまみもろくに用意していないヨットに、多くの人が立ち寄ってくれるのはとてもありがたい。
対岸のSACHIIさんは、コクピットに20人ぐらいの人影が見える。「すげぇ〜。沈しそ〜。」
「みんな海に落ちないように気をつけてくださいね。」

レース当日の朝は、けっこう風がある。
天気図から判断すると、北から北東に風は周り、けっこう吹き上がってくると予想した。

艇長会議が終わって出港。
スタート海面はやはり風がある。東側に口を開いた別府湾は北東の風が吹くといやらしい波が立つ。
年に2〜3回は秋から冬にかけて北東の大時化になることがあるが、今回はそこまではないだろう。
しかし、かなり吹いてくるんじゃぁないかなぁ・・・?
ちょっと、不安がよぎる。

セイルはフルメインに、ヘビージェノアを選択。
メインもジェノアも継ぎ接ぎだらけで、がっかりする。
ジェノアは2年前のこのレースで真っ二つに破れ、
補修の後が痛々しい。
今回も吹かれたらヤバイかな?

 

 

今回からレース海面が別府湾の南側に変更された。
せっかく北側コースを攻略しかけたところであったため、ちょっと残念な気もする。 
別府北浜沖をスタートし、観光港南側に設置された風上ブイを時計回りで回航した後、一辺2マイルのトライアングルを反時計で一周するというけっこうハードなコース設定になったようだ。

スタート前、今回初めて使用するプロスタートをセットし、2〜3回精度チェックをしてみる。
「ん〜、大丈夫か? 信頼するぞ。」

10:00レーススタート。
スタート前の加速は十分。プロスタート君を信じて「エイヤ〜」で飛び出る。
「ビンゴ!!ジャストスタート!!」

「タキオン」(YAMAHA33S)と共に、良いスタートを切った。

スピード、上り性能共に勝る33Sと競い合っても大人と子供・・・
悔しいけれど風上マークまでに置いて行かれる。
しかし、後ろは紺色のハルのユリカゴン(J/V9.6RC)が付いて来ているけれど、ウチのほかに4隻出場している31FとSの姿が見えない。たぶん集団に巻き込まれているのかな・・・?
「絡んで来いよ!! でも、待ってやらないよ!!」

風上マークを「タキオン」に続いて2番手で回航。
後ろは「ユリカゴン」と「シェンロン」(ジャノー35OD)。その後は判別不能。
このまま、トライアングル第1マークまで行く。

フリーになるかと思ったが風はアビーム。
「タキオン」はジェネカーを上げて走り去った。


ジェネカーを持ってない「ホワイトホーク」はスピンを上げるが、スピンを上げていられるギリギリの角度でかなりきびしい。
後ろからジェネカーを上げて来た「シェンロン」にパスされる。
さらに艇速がある「ユリカゴン」にも抜かれてしまう。
前の3艇はレーティングが高い艇なので仕方ないが、なんとか食らい付いていきたいところ・・・。
しかし、徐々に差を広げられてしまう。

さらに、風が弱まり始め、前の3艇もトライアングル第2マークを回るのにかなり苦労している。
我々もなかなか、マークを回れずに相当手こずった。
その間に後方の艇はピューッとブローに乗って走っていて、すぐ後ろまで大型艇の「悟空」(ババリア38マッチ)が迫ってきた。
「ありゃ〜、また抜かれる」と思ったけれど、風はまた無くなり前を走られることはなかった。

風はほとんど無くなり、いやらしい波だけが残る。
セイルに風ははらまず、波に揺られてカラ〜ン、コロ〜ンと不快な音色を奏でるヨットは一向に前に進まない。
なんとかブローを拾い、トライアングル3マークまで漕ぎつける。
先頭の「タキオン」はかなり遠くに行ってしまった。
一つ前の「ユリカゴン」にはまだ届くかもしれない。後ろの艇は「悟空」と「ピーターストーム」(スプリント98)ぐらいまでは確認できるが、レーティングからしてまったく問題ないだろう。

トライアングル第3マークを回って、やっと待望の風が吹き出した。
「よ〜し、これから吹き上がってくるぞ〜」
と期待したのもつかの間・・・。
予想は見事にはずれ、ふたたび風向の定まらない超微風に悩まされることになる。
風は無いのに波があるということは、間違いなく北東の風が吹いている証拠なのだが、別府湾の一番奥まで届かないのか?                                        

コースは短縮され、トライアングル第1マークでフィニッシュとなるようだが、なかなか辿り着けないよ。
「タキオン」、「シェンロン」の順でフィニッシュしたのが確認できた。「ユリカゴン」もまもなくフィニッシュ。
「ホワイトホーク」ももうちょっとだけど、ピタリと止まって動かない。
ウインデックスはグルグル回っている。
かなり遅れを取ってしまったけれど、4番手でようやくフィニッシュ。
本当にしんどいレースだった〜。
            

精神的に厳しいレースだったが、着順4位という成績はまずまず。
しかし、いくらウチより高性能のヨットだからといって、前にフィニッシュした3艇には離され過ぎ・・・。完敗です。
後で思えば、反省することばかりで、何とかすると修正であと一つは順位を上げることが出来ていたなあ・・・?などと始まらない後悔ばかりしている。
でも、我々の後続にはガッチリ差を付けているし、今年の宇和島で負けたライバル艇には圧勝してリベンジしてやった。
前半戦ではそれなりに「ホワイトホーク」の見せ場を作ることも出来たし、今年のヨットレース最終戦を良い結果で終えることが出来て満足です。

また、来年もがんばりましょう!!

順位 着順 船名 艇種 船籍
1 2 シェンロン ジャノー35OD 長崎
2 1 タキオン YAMAHA33S 別府
3 3 ユリカゴン J/V9.6CR 北九州
4 4 ホワイトホーク YAMAHA31S 宇和島
5 6 ピーターストーム スプリント98 周南
6 5 悟空 ババリア38マッチ 室津
7 8 SIMOON YAMAHA31S 北九州
8 9 パル YAMAHA31F 高知
9 11 CHIHAYA YAMAHA30S 別府
10 10 だるま YAMAHA31F 高知
公式成績表 参加42艇
   
   

ヒットパレードクラブでのアフターパーティーの後、ホワイトホークのコックピットでは娘の誕生会をしました。
この子が生まれた時には、いろいろあったけど早いものです・・・

  ↓   ↓   ↓ 

2006年 湯けむりヨットレース