2021ヨットレース

2021別府ゆけむりヨットレース

このサイトの画像の一部は「ちはやママ」さん、「疾風」さん、「別府北浜ヨットハーバー」さんのものを使用させていただいてます。

2021.10.10 (日)

前の週の「佐伯市長杯レース」に続き、今シーズン2戦目の「別府湯けむりレース」です。
レース当日は南東の風が吹くことが予想され、朝の艇長会議でレース委員長から別府湾ロイヤルホテル沖の北側ブイからスタートすることが提案されましたが、ハーバーから遠くなるとの理由で参加者から反対意見が出ました。
結局、観光港沖からスタートして三角形+ソーセージを周回するいつものコースです。

 

「ホワイトホーク」は早めに出港してコースの下見とスタート海面の風を確認します。
スタートの混雑を避けるため、SクラスとCクラスにグループ分けして、時間差でスタートしますが、成績はクラスに関係なく所要時間×各艇TCFで算出されます。
今回のスタートラインはかなり短めに設定されているようです。

時間があるうちにスタートをイメージして練習をしながら、いざ本番。
「ホワイトホーク」が所属するSクラスは09:50スタートです。
ウエザーサイドの本部船側が有利と判断し、カウントダウンしながらほぼ思いどおりのジャストスタートでした。
昨年は上下ルールを無視した強引な艇が数艇いましたが、今回はオールフェア―なクリーンスタート。
昨年だいぶ脅してやったから、参加艇のマナーも向上したかな?

 

「ホワイトホーク」はフレッシュな風をもらって加速。
スタートで頭一つ飛び出すと後の展開がとても楽になります。
下側にスピードのある「小春」(CAPE 35)と「そうみ」(J/V9.6R)が並んで来ます。
後方からは快速の「LEO」(グランドサプライズ31)を始め、「悟空」(ババリア38マッチ)やYAMAHA31S軍団とSWING31など「ホワイトホーク」のライバル艇達が追走。

 

 

第一マークを前にして少し風が安定しなくなります。
「小春」と「そうみ」には少し前に出られましたが、後続は引き離しています。
第一マーク手前で「ホワイトホーク」はスピンが揚がると判断しスピンアップ。
前の2艇はジブのままでマークを回航しました。
「ホワイトホーク」はマーク回航と同時にジャイブして第二レグへ突入し、前2艇を抜いてトップに立ちました。

 

スピンを揚げた「小春」が下から突いて来ますが、こちらはプロパーコース。
「上れませんよ〜」
「そうみ」はダウンウインドのレグに入って失速したのか、我々よりかなり遅れました。
こうなれば、格上「小春」さんと一騎打ち。
ワクワクします。

 

 

スピンダウンして第二マークを回って第三レグへ。
このレグはクローズホールドのビートレグ。
先にタックした「小春」とミートしそうになるぐらい追い回しました。
「小春」さんはしつこいハエのようだな・・・と思っていたかもしれません。

 

スタートした時のリミットマークを回り、あとは最初の第一マークを回って帰るソーセージレグ。
「小春」が先行しますが「ホワイトホーク」もすぐ後を追いかけます。

 
スピンが揚がるかどうかだけど、ちょっと厳しそう。
「ゼネカーだったら揚がるんだけどねぇ〜」
風が少しでも後ろに回ればスピンを揚げられるよう準備しておき、先行艇に隙があれば刺したいところ。
ここまで来れば、もはやマッチレースですが最終マーク手前になると風が弱り始めて艇速が伸びません。
かなり引き離していたはずの「そうみ」が後ろから少し近づいてきているようにも見えます。
陸地の影響で風が少し前に回ったか?
落とし気味に走っていた「小春」は1タック必要になるかもしれません。
我々はそのまま行ける!!

ジャイブして最終マークを回り、先行艇との差は縮まりました。
「小春」もスピンの用意はしていますが、最終レグもスピンが揚がるかどうか難しい風。
「ホワイトホーク」はスピンアップを指示しました。(その代わり、厳しかったらすぐ降ろすよ!!)
「小春」もウチが揚げれば揚げないわけにはいきません。
「ホワイトホーク」としては何としてでも前を走る巨人を倒したい!!
「小春」としては格下相手に前を走られる訳にはいかないプライドがあります。
お互いリスクを冒してまで、こんな駆け引きをする必要はなかったと思います。

スピンを揚げると加速し、風は前に回りすぐに「ダメだ、こりゃぁ」と思いました。
艇速は7ノット出ていてブローチングしそうになります。
すぐにゼノアに切換えてスピンを下ろす指示を出しますが、デッキ上はバタバタ。
『スピンが下りん・・・!!』
『誰かがスピンハリを踏んどる・・・!!』
『ジブシートがウインチに噛み込んだぁ・・・!!』
今回も不本意ながら私が舵を持ち、クルーとして私にヨットを教えてくれた先輩方がデッキワークを担当してくださっています。
その先輩方が必死でトラブルを解消しようとしてくれているのに、それがドリフのドタバタコントのようで滑稽でした。(失礼!!)
私は笑いをこらえながら自艇の状況を見つつ、「小春」の様子も伺っていましたが、相手艇は深刻そうです。
大きく風下にコースアウトし、メインセイル1枚で走っています。
無理もありません。こちらは5人乗っていますが、あちらは35ftレーサーなのにダブルハンドです。

「ホワイトホーク」はトラブルを解消し、最終レグでついにトップに立ちました。
『集中してセイルトリムをお願いしまーす!!』
『メインシート引いて〜!!、出して〜!!、引いて〜!!』
メイントリムをしてくれていたS本先輩の息使いが、''ゼェーゼェー、ハァーハァー''激しくなってきます。
大変失礼ながら、この息使いが面白くて、半笑いで舵を握っていました。

後ろから「小春」が猛追してきます。
’’ゼェーゼェー、ハァーハァー’’が気になりますが、もう大丈夫。
「プゥーーー!!」
フィニッシュのホーンが鳴りました。
別府湯けむりレース15年ぶりのファーストフィニッシュです。

 

ハーバーに戻って片付けをし、S本先輩が持ってきてくれた高級芋焼酎で祝杯。
昨年の事があるので、結果は最後まで安心できません。
とりあえずは、ファーストフィニッシュと乗員みんなのナイスファイトに乾杯!!

 

今回は完勝でした。
こんなに清々しい気分で危なげない勝利を確信できたことはありません。
回航からレースまですべて帯同してくださった高知のK村さん。
いつも応援に駆けつけてくださる長崎の先輩方。
昨年と同じメンバーで勝利の喜びを分かち合えたことをとても嬉しく思います。
また、大分2連戦でレースを開催してくださった佐伯セーリングクラブと別府ヨットクラブの皆様に感謝いたします。

 

表彰式後の祝勝会はレース中の’’ドタバタ劇’’と’’ゼェーゼェー、ハァーハァー’’をつまみに酒が進み、〆は天丼を腹いっぱい食べて満足しました。

 

今シーズンの初戦は「佐伯」、最終戦は「別府」でしたが、どちらも好成績の良いシーズンでした。
来年は各地のヨットレースが再開し、賑やかなシーズンを迎えられることを願っています。