レイモンド設計 : カニングハム・メモリアル・ハウス
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根津美術館の交差点を直進して坂を下りきったところに、
その木造家屋があります。はじめは、古くから住んでいる
方のお宅かと思いましたが、カニングハム・メモリアル・ハ
ウスと呼ばれる青少年音楽協会の建物でした。協会を創
立したE.カニングハム女史は、1902年に宣教師の両親
とともに来日し、以降青少年への音楽普及活動に一生を
捧げた方です。1999年には、当時100歳だった彼女の
功績をたたえて、日比谷公会堂で演奏会が開かれました。
もう一人忘れてはならないのは、設計者のA.レイモンド。
レイモンドはフランク・ロイド・ライトの弟子として、帝国ホテ
ル設計に携わり、その後聖オルバン教会や聖パウロ教会
を手がけました。
内部は和洋が溶け合った、とても素敵な建物です。私は一
度だけ、チェリストの水谷川優子さんを囲む会で、お邪魔し
たことがあります。
写真を撮った日は「柳貞子スペインを歌う」という催しが行
われていました。
何よりも私の目をひいたのは、窓辺に、とても品の良いご
婦人が割烹着を着て、立ち働いていた姿です。後ろには、
真っ白に洗い上げた布巾が何枚もかかっていました。お客
さまへのおもてなしの準備でしょうか・・・?
こういう”日本の婦人”を久しく見ていなかった気がして、背
すじが伸びるような気持ちでメモリアル・ハウスを後にしま
した。
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