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表参道の交差点からすぐのわき道を入ったところに、この樹があり
ます。
元々この場所には個人の木造住宅があり、持ち主が亡くなって土
地が売却された時に、10数メートルあった楠も切り倒されました。
その後、ある出版社がこの土地に本社ビルを建てることになりまし
た。立派な切り株を見て、再生を願い、切り株を保護できるように配
慮した社屋を建てました。1年後、何と切り株からは若々しい新芽が
すくすく伸びていたのです!
和歌山の熊野本宮大社のお払いを受けて、よみがえった楠は神木
になりました。それから数年、楠はこんなに大きくなり、裏通りの小さ
なオアシスになっています。
青山エリアは再開発にともない、古くからの個人住宅がどんどん取
り壊されていきます。庭木も容赦なく取り除かれます。高い費用を払
って植え替えても、古い樹は根付かないと聞きましたが、命のあるも
のを問答無用で処分するのはしのびないものです。
ガラス張りのトレンディな出版社が、こんな小さいことに一生懸命に
なってくれたなんて、気持ちがあたたかくなります。
2000年12月6日付朝日新聞の記事にもなり、由来は「小さな鎮
守の森」に建っているプレートで読むことができます。
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