※2001.7.8(日)全日分裂とWCW買収


(日記より)

7/8(日)
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 予のプロレス観戦歴も20年になろうとしている。
 TVを見始めた所からだと、あと数年が加わる。
 その間に於いて予にとって最も重要なトピックがここ2年ばかりの間に続けて起こった…世紀の変わり目だからか?
 それは昨年――20世紀の終わりに全日本プロレスが分裂したことと、今年――新世紀早々にWCWがWWFによって買収されたことである。
 G馬場、J鶴田の死は驚きであり、その早すぎることにおいて悲しいことではあったけれど、力道山の死程マット界に影響はなかった。
 鶴田は引退していたし、馬場は現役だったけれど、一線はとうの昔に退いていた。
 社長、現場責任者としても後継者(三沢)が育ち始めていた。
 しかしやはり早すぎたその死が、昨年の全日本分裂の遠因になっていることは否めない事実であろう。
 
 先だってTV朝日で全日本の興行を中継していた。
 かつて「ワールドプロレスリング」においてWARの興行を中継して賛否を呼んだ(そんな時間があるなら新日の試合を放送しろ!と当時はまだいたガチガチ新日ファンに評判が悪かった)が、今回は「ワールドプロレスリング」とは別枠で、「全日本プロレス中継」と銘打って1hびっちり放送した(続けて放送されたので通しで2h、深夜とは言えプロレスが放送された)。
 これはロウイズウォー(WWF)とマンデイナイトロ(WCW)の同時2元中継(ナイトロ最後の放送日)ほどではないにせよ、時代が変わったことを実感させる驚くべき出来事であった。
 全日本を新日が買収して傘下団体にする(WWFがWCWにした如く)というウワサもある。
 日米両国とも2代メジャー対立時代は、(米ソ冷戦の終結から少々時間がずれたけれども、同様の形として)一方のメジャーの完全勝利(あるいは一方の自壊)により終わりを告げたのであろうか。
 もっとも日本では、全日本から分離独立したノアがNTVを味方につけて新メジャーとなりつつある。
 しかしそれでも新日本と肩を並べてまともに戦おうとするまでには至らない。
 むしろ秋山の参戦がありそうなように、共存を図って行くようである。
 新日本は株式の上場も計画している(これもWWFにならってか?)ようで、プロレス界では市場100%独占は無理でも、その中心としてもはや敵なしと言えるだろう。
 敵はK-1であり、より近くプライドである。
 しかし長州が引いて猪木の関与が強まると、むしろK-1やプライドと積極的に交わり関わって行く方向に進みそうである。
 しかしそうなると、格闘技界の中心はむしろ新日本と言うより――A猪木であると言うことができるだろう。
 恐るべし猪木、馬場の後継者たる三沢でさえ、これに巻き込まれかけているではないか?
 結局、プロレスひとすじだった馬場は、移り気なA猪木に負けてしまうのか?

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 一方、米国においてはビンス・マクマホンJr.の1人勝ちである。
 プロレス界を制圧し、より広くスポーツ界において大きな地歩を占めるべくアメフトに進出したが、XFLは1年でつぶれた。
 しばらくはその損失を取り戻すべく、プロレスに専念するのでは?
 WCWの放送がなくなっても意外にロウ等の視聴率は上がらず、むしろ下がり気味のようで、そのせいか最近やたらとTVマッチのカードが豪華で内容も素晴らしい。
 そのせいでロウやスマックダウンの試合もいいものは保存しておこうと昨日、今日と編集作業をしていたのである。
 これからWCW勢が続々と出て来るようで、ますます楽しみである…もっとも元々のプロレスファンというよりWWFフリークにすぎない人々にとっては、ルッソー流のストーリー展開(バックステージなどの芝居)が充実している方が楽しいようだから、意外に最近の放送はもの足りないのかもしれない。
 一時…インターネットでアメプロ情報やファンの意見などを読んでいたのだが、先の展開がわかってしまうので今は見ないようにしている。

 V・マクマホンSr.が、ホーガンを擁して全米制圧に乗り出したのはいつ頃だったろうか?
 85〜86年ぐらいだったように思う。
 ホーガンは第2回IWGPの時には既にWWF王者になっていて、どう見てもIWGPよりWWFのベルトを大事そうにしていて、前年は勝って(猪木がのびてしまい)おろおろしていたのに、もはや負けることを拒否したため長州が乱入して暴動となり、前年以上に新日はミソをつけてしまった。
 '90の日米レスリングサミットの時にはNTVの特番を見るためだけに福島へ行った(宮城TVで放送されなかったため)思い出があるが、今思うとドームへ見に行けば良かった(それも考えはしたのである。**兄が何かの折りに「今の金が学生の時にあったらなあ」と思うことがある、と言っていたがホントにそうである)。
 レスリングサミットは面白かったが、ビデオでレッスルマニアなどを見てもそれ程面白く感じなかった。
 その後「マニア・ツアー」でWWFが日本で興行したときは見に行こうとは全く思わなかった。
 ホーガンやマッチョマンは既にもういなかったのだろうか?
 トップがヨコズナ(G・コキーナ)やB・ハートやアンダーテイカーでは新日本を見に行った方が良い、と思えたものである。
 ほとんどファイト紙しか読まなくなると、もはや完全にどういう試合をしているのかわからなくなり、小物のイメージしかない選手やイメージのほとんどない選手、全く未知の人がトップになっていると思うと興味も失っていた。
 茶番であるとの活字を読めばなお更である。
 ビンスが王者になった、と聞けばもはや極まれりと思ったものである。
 去年ケーブルTVに入ってWWFロウやスマックダウンを見始めると、その茶番ぶりは想像以上であった(ルッソーのいた頃はより以上であったらしいが)。
 しかし茶番は茶番なりによくできていて、毎週見ていると面白いことがわかってきた。
 時々ハードマッチもある(ラダーマッチなど)。
 スーパー・バンプもある。
 放送コードの問題で血こそ出ない(出せない)が、かつてのFMWや大日本ばりのハードな試合が(たまにだけど)あって、そういう所でレスラーのプライドが見られるのがうれしい。
 しかしながら試合をレスラー自身がコントロールしていないのは明白で、そこが不満な所である。
 もっとも前述の如く最近はいい試合が多い(特にベノワがらみ)。


 WCWも同時に見始めたのだけれど、こちらは新日と提携していて、しょっちゅう(でもないか)日本に人を送っていたし、またTV埼玉などで「ワールドワイド」を見ていたので、なじみのある選手が多いのだが、その割にはWWFより面白くなかった(少なくとも去年は)。
 不思議なことに末期の頃はだんだん面白くなって来た。
 試合重視で試合の質が高くなって来ていた。
 WWFよりビッグネームの数は多かったのだから(最後まで)、内部の権力闘争がなければ逆の結果だって有り得たかもしれない。
 nWoブームの頃ははっきりWWFに勝っていたわけで、何が(=誰が)悪くて転落してしまったのかオレにはわからない。
 ロッドマンが出た頃は実はもう落ちつつあった(それでテコ入れでムリして出した)と言うが、オレなどはここまで上がっているんだという証拠の1つかと思って見ていたものである。
 思えばアウトサイダーズが日本へ来たのは1回こっきりだった(しかも大阪だった)のは残念なことだった。
 ロウを日本でやれないか、という話が日本のファンの間でされるが、ナイトロ(かサンダー)ならできたのではなかったろうか(新日本が協力していれば)。
 S・ホールがまた新日に来ている。
 ナッシュも来れば面白いのだが。
 他にも新WCWもしくはWWFと契約していない選手を新日本で呼んでほしいものだ。
 全日本でもいいけど。

※文中にある、TV朝日における「全日本プロレス中継」について、別頁にレポートを書きました。
 2001.6.9TV朝日の「全日本プロレス中継」