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・中央桟橋(おのみち海の駅) 住吉神社越しに見えた桟橋、セカンドシーンのカットがB番になります。 映画ではもう少しカメラが右方向でローアングルですが、このシーンは今でも再現可能ですね。 何で読んだか忘れましたが、この桟橋は生誕80年との事です。 浮き桟橋としては日本最古の物の一つとの事。 いや〜まだ残っていたとは・・・・感慨深いですねぇ。 映画では、例によって桟橋で待つ人全員が右方向を見てるんですよねぇ。 ま、確かにこの桟橋だと右側が向島ですので、一応理屈にはあってますが・・・・。 「聖なる映画」の著者ポール・シュレイダーは「小津は映画界でもっとも形式にやかましい監督だった」と言ってました。 小津さんの極端なまでの空間感覚、視線の等方向性の拘りは、はっきり言って不自然と言うか不気味です。 評論家 蓮實重彦が指摘した「早春」での蒲田駅でのプラットホーム・通勤風景での異様なまでの等方向性の強調。 それは、初めてあの作品を見た人一応に感じる程の不自然さがあります。 しかし、「東京物語」の桟橋シーンでの等方向性の拘りについては、長い間気がつく事がありませんでした。 何せ映画自体の画質が悪い為、画面が暗くてよく分からなかったのも一因だとは思います。 何かの本に掲載されていた、この桟橋シーンの鮮明なスチール写真。 それを初めて見た時・・・・・はっきりと、等方向の視線を確認し、正直鳥肌が立ちました。 「げげ〜・・・桟橋の人間が・・・ここでも・・同じ方向を向いちゃってるよ〜不気味」。 しかし、まるで絵画に有る様な構図ですよねぇ、くどい様ですが一応視線の方向は向島です。 みな桟橋から小船に乗って向こうに渡ろうとしているのです、理屈は確かにあってますが、 勿論そんな理屈が通用する相手ではありません(爆)。 |