宮前小学校跡 @ 小津記念碑

宇治山田中学校卒業後、1年間の浪人生活を送り、ここ飯南郡宮前村にやって来ました。宮前村小学校の代用教員でした。

宮前村は松阪の西南30キロ、もう少しで奈良県境と言う所です。
小津さんが担任したのは五年生の男子組でほかにも高等科一 二年生の体操、また臨時に他の学年の授業も見たと言う事です。

また、この地区の有名な小津研究者に柳瀬才治さんと言う方がお見えになりますが、柳瀬さんは当時宮前小学校三年生で宮前小学校を卒業すると、教師となり母校宮前小学校の校長を最後に退職し、現在は宮前の花岡神社の宮司となっています。

小津さんの教え子の一人でもある柳瀬さんはその後、この時期の小津に関する事柄を健在の他の教え子たちから聞き取り調査をし二冊の本にまとめられました。
この小津の碑も生誕100年を記念し、柳瀬さんを中心に当時の教え子やそのご家族からの寄付で建てたと言う事です。

2003年12月12日 先生御生誕100年記念。

                    
宮前小学校跡 A

井上和男の小津の伝記映画「生きてはみたけれど」では、この宮前村の美しさをよくとらえています。
教え子の一人も映画に登場しますね。


宮前村は台高山脈を源とする櫛田川が流れる美しい山村です。
この原風景が「一人息子」「父ありき」など信州を舞台とした作品や、教師としての経験が、「生まれては見たけれど」「お早う」などの子供を主役とした作品を生み出したのではと・・・・・・管理人は勝手に想像しました。

この1年間の経験が後の小津作品に多大な影響を与えている様に感じます。
「父ありき」で親子で川釣りする美しいシ−ンがありますが、まるでここ宮前村の櫛田川の様に見えます。

実際の設定は信州で、ロケは伊豆のようですが・・・・・。



この碑に隠れていますが奥に見える山が小津が下駄で登ったと言われている局ケ岳1029メートルです。
地元では「だけさん」と呼ばれていますが、、これも井上和男の映画に登場しますね。
花岡神社 @



小津さんの在職中は宮前小学校の校庭が工事中の為、体育の時間は学校から程ない花岡神社で、相撲などをしたそうです。

でも余談ですが、神社仏閣は昔から変わらないと言うのが一番魅力ですね、当時とおそらくほとんど変わってないでしょう。

花岡神社 A

この変で相撲をとってたんでしょうか・・・・。


この宮前村は想像以上に美しい村でした。
小津云々無しでも充分に自然を満喫出来る、素晴らしい地です。


また機会があれば、ゆっくりと訪れたいと思います。
2004年5月 取材