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テーマ | 説 明 |
人権デューディリジェンス(Human Rights Due Diligence) | ◆「人権デューディリジェンス」(Human Rights Due Diligence)とは、企業がサプライチェーン上を含めた事業における人権リスクを特定し、その防止・軽減を図り、取組みの実効性や対処方法について説明・情報開示する、と云う一連の取り組み行為を指す。 ・企業は、人権への影響を特定し、予防し、軽減し、そしてどの様に対処するかについて説明する為に、人権への悪影響の評価、調査結果への対処、対応の追跡調査、対処方法に関する情報発信を実施する事を求められている。 ・日本では、政府により ①「ビジネスと人権」に関する行動計画(2020-2025)」(2020年10月 外務省、法務省) ②「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」(2022年9月 経済産業省、2023年12月 厚生労働省) が策定される等、国として企業の人権デューディリジェンスの実施を促進している。 ◆「ラギー原則」は、国連人権理事会が策定した「ビジネスと人権に関する指導原則」(UN Guiding Principles on Business and Human Rights)の事である(2011年3月 国際連合広報センター、2024年9月 外務省)。 ・ラギー原則は、企業に対し人権・労働基準・環境の分野における10原則への支持と実践を求めるものである。 ・ラギー原則は、企業の倫理的行動を規定する「グローバル・コンパクト」(UN Global Compact)として位置付けられ、多くの国が同原則に基づいて国内の会社法等に規定を盛り込んでいる。 【人権】 原則1:企業はその影響の及ぶ範囲内で国際的に宣言されている人権の擁護を支持し、尊重する。 原則2:人権侵害に加担しない。 【労働】 原則3:組合結成の自由と団体交渉の権利を実効あるものにする。 原則4:あらゆる形態の強制労働を排除する。 原則5:児童労働を実効的に廃止する。 原則6:雇用と職業に関する差別を撤廃する。 【環境】 原則7:環境問題の予防的なアプローチを支持する。 原則8:環境に関して一層の責任を担う為のイニシアチブを取る。 原則9:環境にやさしい技術の開発と普及を促進する。 【腐敗防止】 原則10:強要と賄賂を含むあらゆる形態の腐敗を防止する為に取り組む。 ◆ラギーフレームワークは、3つの柱から成る(2019年4月 日経ESG)。 ①国家は、人権を保護する義務がある。 ②企業は、人権を尊重する責任がある。 ・企業は、人権を尊重する責任を果たす為に、方針の策定や、人権デューデリジェンスの確立、是正、救済等を行う事を定めている。 ③人権侵害の被害者は、救済措置を受ける権利がある。 ※ジョン・ラギー…アメリカの国際政治学者、1997年から2000年まで、コフィー・アナン国連事務総長のシニア・アドバイザーを務めた。 ※2025/01/28。 |
ジャネーの法則 | ◆「ジャネーの法則」は、「生涯のある時期における時間の心理的長さは、年齢の逆数に比例する(年齢に反比例する)」と云う事。「ジャネの法則」とも。 ・この法則は、ポール・ジャネ(19世紀のフランスの哲学者)が発案し、ピエール・ジャネ(甥の心理学者)が著書『記憶の進化と時間観念』において紹介した。尚、ピエールは著書の中で、ポールの説を時間観念に関する諸説の一つとして、批判的に紹介している。 ◆「ジャネーの法則」は、「主観的に記憶される年月の長さは、年少者にはより長く、年長者にはより短く感じられる」と云う現象を、心理学的に説明したもの。 ・生きて来た年数によって、1年の相対的な長さがどんどん小さくなることによって、時間が早く感じると云うもの。 ・例えば、50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1ほどですが、5歳の人間にとっては5分の1に相当する。つまり、50歳の人にとっての10年間は、5歳の人にとっての1年間に当たり、5歳の人にとっての1日は、50歳の人にとっての10日に当たる事になる。 ◆ジャネーの法則では、人が1年を早く感じる理由がもう一つあるとしている。 ・人は初めての事や経験した事が無い事をしている時は、それが強く印象に残り時間が長く感じるが、反対にその行動に慣れてしまうと時間の長さが気にならなくなり、あっという間に時が過ぎた様に感じると云う。 ◆ジャネーの法則は、その時間内に行った新しい経験量に関係している。 ・社会人になり夢や目標もなく10年も同じ仕事を続けていると、マンネリ化しイレギュラーがあっても想定の範囲内で、心理的に1年が短く感じてしまうと云う。しかし、「過ぎた時間を短く感じている事」と「これからの時間を短く感じる事」はイコールでは無い。ジャネーの法則を打ち破るには、夢や目標を持ち常に新しい事に挑戦し続ける事であるとされる。 ※2024/12/28。 |
○字型回復(○-shaped recover) | ◆「○字型回復」(○-shaped recover)には、「V字型回復」「U字型回復」「W字型回復」「L字型回復」等がある。 ・「V字型回復」(V-shaped recovery、V-shaped turnaround) …急下降して大赤字だった企業の業績が、急回復して大変な利益が上がったり、急下降していた景気が急回復する。 ・「U字型回復」(U-shaped recover) …弱々しいけれど、緩やかに回復する。 ・「W字型回復」(W-shaped recovery) …いったん成長軌道に乗るものの、先細りになり、再び底を打ち、また回復していく。 ・「L字型回復」(L-shaped recovery) …急下降し、底入れしたけれど、上昇せずに横這い状態が続く。 ・「K字型回復」(K-shaped recovery) …全体としては回復局面でありながらも、急回復するものと回復ペースが緩慢な(或いは落ち込みが拡大する)ものと二極化する。 ・ナイキ型回復(Nike shaped recovery) …底打ちから、最初は緩やかに反転し、それから上昇路線を辿り、徐々に加速していく。スポーツ用品メーカーNIKEのシンボルマークから来ている。 ・チェックマーク(✓)型回復(Check mark recovery) …「ナイキ型回復」と形は良く似ているが、底打ちからの反転は急角度。また、その逆の「逆チェックマーク型」もある。こちらは回復が限定的である。 ・ルート(√)型回復(Square root-shaped recovery) …急回復してから頭打ちとなって、横這いの状態が続く。 ・レ点型回復(レ-shaped recovery) …急下降して、底入れし、急回復はするものの、以前の状態ほどには回復しない。 |
租税原則 | ◆日本の税制における租税原則は、「公平・中立・簡素」の3原則とされる。これは、どこかの法律に書かれている訳では無い。それは、戦後日本の税制の基礎を提示した1949年の「シャウプ勧告」で打ち出された、とされている。 ※参考:ぎょうせいオンライン(地方自治の総合サイト)の地方税・財政。 ◆日本の税制の基本原則 ①公平 ・水平的公平…等しい負担能力のある人には、等しい負担を求める。 ・垂直的負担…負担能力の大きい人には、より大きな負担をして貰う。 ②中立→効率性(パレート最適) ・税制が出来るだけ個人や企業の経済活動における選択を歪める事が無い様にする。 ③簡素 ・税制の仕組みを出来るだけ簡素なものとし、納税者が理解し易いものとする。 ※参考:『入門財政学(第2版)』(著者:土居丈朗…経済学者、出版社:㈱日本評論社)。 ※出典:東京財団研究所。 ◆税の3原則(税に求められる3つの要素) ・税の基本原則を纏めた学者としては、アダム・スミス、アドルフ・ワグナー、リチャード・マスグレイブの3名が有名。 ・彼らが纏めた原則を要約すると、概ね「公平・中立・簡素」の3点に整理出来ると考えられている。 ・これらは必ずしも共存出来るものでは無く、何れかに偏ってしまう事があり得るものだが、「公平・中立・簡素」の3点を基本原則として、常に税制度をチェックし続ける事が重要。 ①アダム・スミス(Adam Smith、生没:1723年~1790年) ・イギリスの経済学者・神学者・哲学者で、「経済学の父」とも呼ばれており、経済学の入門書として知られる『国富論』を著している。 ・著書の中で、税に関する4原則として「公平の原則」「明確の原則」「便宜の原則」「最小微税費の原則」を纏めている。 ②アドルフ・ワグナー(Adolf Heinrich Gotthilf Wagner、生没:1835年~1917年) ・ドイツの経済学者・財政学者で、国民総生産(GDP)の増大に伴って国費の支出が増加する法則を「ワグナーの法則」として提唱した学者。 ・税に関しては、4大原則・9原則を纏めており、「財政政策上の原則(課税の十分性、課税の弾力性)」「国民経済上の原則(正しい税源の選択、正しい税種の選択)」「公正の原則(課税の普遍性、課税の公平性)」「租税行政上の原則(課税の明確性、課税の便宜性、最小微税費への努力)」としている。 ③リチャード・マスグレイブ(Richard Abel Musgrave、生没:1910年~2007年) ・ドイツ生まれのアメリカの経済学者(財政学)で、20世紀の後半から21世紀にかけて活躍。 ・税の基本原則として、次の7条件を挙げている。「十分性」「公平」「負担者」「中立(効率性)」「経済の安定と成長」「明確性」「費用最小」。 ※2024/11/26。 |
知恩(ちおん)・感恩(かんおん)・報恩(ほうおん) | ◆知恩(ちおん)・感恩(かんおん)・報恩(ほうおん)は、お釈迦様(仏教)の教え。 ①「知恩」とは、自分が支えられている事に気付く(気が付く)事。 ・「自分は、誰にも頼らず、生きている」と思っている人はいても、実際に、自分だけの力で生きている人はいない。必ず、誰かの何かの支えを受けている。 ・自分が色々な人や物に支えられている事を知れば、「有り難い」「嬉しい」と云う感謝の心が湧いて来る。感謝が出来ないのは、そもそも自分が受けている「お蔭」を知らないから。だからまず、「知恩」が最初である。 ②支えられている事に気が付けば、「感恩」の気持ち(感謝)が出て来る。 ・幸せな人が感謝するのではなく、感謝する人が幸せになるとも云われる。 ・世界で最も不幸な人は、感謝の心のない人。 ・どんなに財産や名誉がなくても、感恩の心のある人は、幸福なのである。 ③感恩の気持ちは、「報恩」になる。 ・「有り難い」と云う感謝の気持ちになると、「自分を支えてくれた人の為に頑張ろう」と云う気持ち(報恩)になる。 ・知恩から、感恩、感恩から報恩と繋がる事になる。 ・報恩の種蒔きは尊い善行と教えられ、幸せになる為の大切な種蒔きだからである。 ※出典:仏教辞典。 ◆「恩」とは、人から受ける感謝すべき恵み・慈しみを意味し、恩を知る事を「知恩」、その恩に報いる事を「報恩」と云う。 ・仏教では、頂いている恩に気付く事が大切であり、恩を送る事が求められる。 ・仏教経典には、「知恩報恩の者、人中の珍宝となす」、「知恩報恩は、これ菩薩行」等と説かれている。 ◆感恩載徳(かんおんたいとく) |
認知戦(Cognitive Warfare) | ◆「認知戦」(Cognitive Warfare)とは、インターネット空間で、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS:Social Networking Service)等を利用して、虚偽報道、フェイクニュース(Fake News)を流布させるなどして、人の認知や行動に影響を与え様とする行為(脅威)。 ・「認知戦」を、「偽情報により相手の認知(認識)を誤った方向に導き、判断を誤らせる戦い」、或いは「ソーシャルメディア(含む、マスメディア)による情報操作や偽情報等」と云ったニュアンスで認識(世界の共通定義は確立されていない)。 ・2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を前後する頃から、安全保障やサイバーセキュリティの世界で良く聞く様になった用語。 ◆認知とは、「何かを認識・理解する心の働き」であり、認知戦の本質は、「相手の心に影響を与え支配する事」。 ・古代の中国では、「攻心術」や「心戦」と称されていた。 ・我が国においても、古代から兵法の一つとして用いられて来た。第二次世界大戦時には、欧米の専門家が"Psychological Warfare"及び"Psychological Operations"の概念を提起し、我が国ではそれを「心理戦争、心理戦」、「心理作戦」等と訳していた。 ・湾岸戦争において米国は、“C4ISR”[あらゆる情報を統合的に活用して軍事活動を行う軍事用語の一つ。4つのC、つまり指揮(Command)、統制(Control)、通信(Communication)、コンピューター(Computer)と、情報(Intelligence)、監視(Surveillance)、偵察(Reconnaissance)を指す]を駆使した戦いを展開し、その戦争から情報の重要性が認識され、"Information Warfare"(情報戦)や"Information Operation"(情報作戦)等の言葉の定義付けや研究が世界的に行なわれた。 ・そして、現在は、世界の多くの人々の心理・認知に影響を及ぼしている。即ち、国際社会全体が認知戦の影響を受けている。 ・更に、認知戦の先には、人工知能(AI:Artificial Intelligence)が人間の心理・認知を操作する、或いは人間の心理・認知をも超えてAIが自律的な意思決定を行ない、自律型無人機が戦場を飛びかうAI戦争が見え隠れしている。 ※出典:総合テレビ NHKスペシャル「調査報道File6 中國・流出文書を追う」(2024/09/22(日)放送)、日本カウンターインテリジェンス協会(JCIA:Japan Counter Intelligence Association)、他。 |
アノマリー(anomaly) | ◆「アノマリー」(anomaly)とは、ある法則・理論からみて異常であったり、説明出来ない事象や個体等を指す。科学的常識、原則からは説明出来ない逸脱、偏差を起こした現象を含む。 ・超常現象学では、超常現象についての科学的研究を行う。計算機科学における異常検出とは、関連データから不正データを検出する手法一般に関する事柄である。 ◆株式市場には法則性がある。 ・「アノマリー」(anomaly)とは、株式市場において「なぜそう動くのかは分からないけど、何故かその時が来ると株式市場が前もって決められた様に動く傾向」の事。 ・初心者が株の売り時を見失わない為のポイントは、予め自分の中で基準(ルール)を決めておけば安心。ルールを決める際は、「アノマリー」(経験則)を参考にするのも良い。 ◆アノマリーと内容(経験則) ①1月効果 …株式市場に新規資金が流入し易い1月のリターンが他の月よりも高くなり易い現象。 ②節分天井・彼岸底 …節分の時期(2月上旬)に高値を付けて彼岸の時期(3月中旬)に安値を付けると云う相場の言い伝え。 ③4月に日本株が買われやすい …日本株の売買シェアの約7割を占める外国人投資家が4月に日本株を買うと云うアノマリー。 ④夏枯れ相場 …夏になるとお盆休み等で市場参加者が減る為、株式相場の取引高が減少し相場があまり動かなくなる現象。 ⑤年末ラリー …株式相場が年末に向けて上昇していくと云う現象。 ⑥月替わり効果 …月の変わり目(月末・月初)に株価が上昇し易い傾向にあると云う現象。 ⑦干支のアノマリー …「丑(うし)つまづき、寅(とら)千里を走り、卯(う)跳ねる」等。 ⑧サザエさん効果 …日曜日に放送されるサザエさんの視聴率が上がると株価が下がり、視聴率が下がると株価が上がると云う法則。 ⑨ジブリの法則 …金曜日にジブリ作品が放映されると、週明けの株式相場が下落すると云うジンクス。 ⑩配当アノマリー …高配当銘柄の株価が配当の権利付き最終売買日に向けて上昇する現象。 ⑪株主優待効果 …株主優待の権利確定時期になると、関連銘柄の株価が上昇すると云う現象。 ※出典:㈱SBI証券 2024/07/25(木)メール、投資の教科書、ビジネス用語。 |
ゴルディロックスの原理(Goldilocks principle) | ◆『三匹の熊』(ゴルディロックスと3匹のくま、Goldilocks and the Three Bears)の童話の喩えを借りて名付けられた経済学用語。「ゴルディロックスの効果」とも。 ・物語の中にゴルディロックス(Goldilocks)と云う名前の少女が登場し、三種のお粥を味見したところ、熱過ぎるのも冷た過ぎるのも嫌で、丁度良い温度のものを選ぶ。この童話が世界中で良く知られている事から、この名前を使う事で「丁度良い程度」と云う概念の理解が容易になり、発達心理学や生物学、経済学、工学等、他の幅広い領域にも適用される様になった。 ◆松竹梅の法則 ・日本のマーケティング業界で使われている用語。 ・「松・竹・梅」の三種類のグレードの商品が用意されていた場合、消費者は真ん中の「竹」を選ぶとされる法則。 ◆原理の応用 ・認知科学・発達心理学…乳幼児が本人自身が認識出来る世界の中で、単純過ぎず且つ複雑過ぎない事象に関わろうとする選好を意味する。 ・宇宙生物学…「ゴルディロックスの領域」、ハビタブルゾーン(恒星の周辺で生命が存在可能な領域)の事である。「ゴルディロックス惑星」。 ・医学…アンタゴニスト(抑制)とアゴニスト(興奮性)の性質の両方を兼ね備えた物質を呼ぶ。 ・経済学…経済の緩やかな持続的成長と低インフレ率を云い、市場親和的な金融政策が可能になる。「ゴルディロックス市場」「ゴルディロックス価格」。 ・通信技術…システムの効果を最大化しながら、同時に冗長さや範囲の広さが過度にならない様にする為に必要な通信の量と種類、詳細さを云う。 ・数学…「ゴルディロックスのゾーン」、三次や更に高次の多項式、例えばƒ(x)=x³等におけるほぼ水平に見える領域、"shelf area"を云う。 ◆ゴルディロックス相場(適温相場とも)とは、景気が過熱も冷え込みもしない適度な状況にある相場の事。 ・経済は緩やかに成長して長期金利は低位に安定し、金余りの期待から資金が安定資産からリスク資産へと流入し相場を押し上げる。 ・「ゴルディロックス経済」(Goldilocks economy)とも呼ばれる。 ※2024/03/20。 |
日経平均株価に関わる主な出来事 | ◆日経平均株価(日経225、Nikkei 225)に関わる主な出来事 ※(追記) ・1985年 9月22日(日):プラザ合意(Plaza Accord)…主要国でドル高の是正→円高不況を受け、政府と日銀が景気対策と金融緩和。 ・1986年12月頃 :バブル景気(平成景気)に突入。 ・1987年10月19日(月):ブラックマンデー(Black Monday、暗黒の月曜日)…米株市場の大暴落。 ・1989年12月29日(金):バブル期の史上最高値…終値38,915.87円。 ・1991年 2月頃 :バブル景気(平成景気)が終了。 ・1995年 1月17日(火):阪神・淡路大震災(気象庁、NHK)。 ・1997年11月24日(月):山一證券㈱が自主廃業。 ・1998年 4月10日(金):円買い・ドル売りの為替介入。 ・2000年 4月12日(水):ITバブル期の最高値…終値20,833.21円。 ・2000年12月 :ITバブル崩壊(インターネットバブル、ドットコムバブル)。 ※ ・2001年 9月11日(火):米同時多発テロ。 ・2007年 8月 :パリバショック(Paribas Shock)…サブプライム・ショック(Subprime Shock)、サブプライムローン問題。 ※ ・2008年 9月15日(月):リーマン・ショック(Lehman Shock)。 ・2009年 3月10日(火):バブル景気後最安値…終値7,054.98円。 ・2011年 3月11日(金):東日本大震災(気象庁、NHK)。 ・2012年12月26日(水):第2次安倍内閣が発足…アベノミクス(Abenomics)。 ・2013年 4月 :日銀が量的・質的金融緩和(異次元緩和)…大規模な金融緩和策を導入。 ・2015年 4月22日(水):15年振りに2万円台…終値20,133.90円。 ・2020年 3月 :コロナショック(Corona Shock、コロナ危機 Corona Crisis)…新型コロナウイルスの感染拡大。 ・2021年 2月15日(月):30年振りに3万円台…終値30,084.15円。 ・2022年 9月22日(木):円買い・ドル売りの為替介入(24年振り)。 ・2024年 2月22日(木):34年2ヵ月振りに史上最高値を更新して初の3万9000円台…終値39,098.68円。 ※出典:読売新聞(2024年2月23日)、iFinance - 金融情報サイト、他。 |
STEAM教育(スティームきょういく) | ◆「STEAM教育」(スティームきょういく)とは、科学・技術・工学・芸術・数学の5つの英単語の頭文字を組み合わせた造語。 ・科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Arts、リベラルアーツ)、数学(Mathematics)の5つの領域を対象とした理数教育に創造性教育を加えた教育理念。 ・Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Mathematics(数学)を統合的に学習する「STEM教育」(ステムきょういく)に、Arts(芸術)を加えたもので、STEMだけでは収束思考に陥りがちだが、Arts(芸術)を加える事で拡散思考が加わり、創造的な発想が可能になると云う考えに基づいた教育手法である。 ・「STEAM教育」と云う用語を最初(2006年~2008年)に用いたのは、ヤークマン(G. Yakman)であり、STEMとArtsとの統合の枠組みをピラミッドで表したものが知られている。 ・「STEAM教育」は、2007年にはNPO法人オハイオ芸術教育同盟(Ohio Alliance for Arts Education)のプラッツ(J. Platz)が“STEM into STEAM”と云う表現で、Artsを加えたSTEAMを強調した。 ・また,RISD(Rhode Island School of Design)の学長であったマエダ(J. Maeda)が、2008年~2015年まで“STEM to STEAM”の教育プログラムを主導したとされる。 ・高等教育(専門学校・大学・大学院)での「STEAM教育」では、"A"の意味は芸術(Arts)以外にも、農業(Agricultures)、建築(Architectures)、応用数学(Applied Mathematics)等もプロモートされている。 ※出典:BSテレビ東京 「池上彰のSTEAM教育革新」(2023/12/22(金)放送)、他。 ※参考:文部科学省、STEAM JAPAN、東洋経済オンライン。 |
ゴールドスタンダード(Gold standard) | ◆医療の「ゴールドスタンダード」(Gold standard)とは、診断や評価の精度が高いものとして広く容認された手法の事。 ・標準基準(Criterion standard)や参照基準(Reference standard)とも云われている。 ・理学療法の臨床で新たな評価法や効果判定の方法を検討する際には、その新たな手法を、ゴールドスタンダードとなる既存の基準や評価方法と比較しなければ、新たな手法の妥当性は検証は出来ない。 ※出典:日本理学療法学会連合、2023/11/26(日)。 |
田中角栄の名言 | ◆今の政治家には、言葉の力があるかを問いたい→言葉の力(重み)を「田中角栄の名言」から学んで欲しい。 ・「気の利いた事を言うな。そんなものは聞いている者は一発で見抜く。借り物でない自分の言葉で全力で話せ。そうすれば初めて人が聞く耳を持ってくれる」 ・「自分の物差しばかりでものを言っちゃいかんという事だ。世の中には人の為に働かないで、文句ばかり言う横着な人間が少なくない。こういうのはダメだ。使いものにならない」 ・「東大を出た頭のいい奴はみんな、あるべき姿を愛そうとするから、現実の人間を軽蔑してしまう。それが大衆軽視につながる」 ・「薀蓄(うんちく)をひけらかす事が得意な人がいる。しかし悲しいかな自分の言葉が無い」 ・「議員は1人というものの、この背後には15万5千人の国民大衆があって、議員1人の発言は、まさに国民大衆の血の叫びなのであります」 ・「一番力がある時こそ、一番難しい問題に挑戦するんだ」 ・「一番いい事は、わが国周辺の平和が確かなものになる事だ。国防費を増やす心配もなくなる。だから日中国交回復なんだ」 ・「戦争を知っているやつが世の中の中心である限り日本は安全だ。戦争を知らないやつが出てきて、日本の中核になった時、怖いなあ。しかし勉強してもらえばいいやな」 ※出典:日刊スポーツ【政界地獄耳】岸田文雄の言葉と田中角栄の名言(2023/08/19(土))。 |
ハッシュ(#、#)とシャープ(♯) | ◆「ハッシュ(#、#)」と「シャープ(♯)」の違い。 ◆「ハッシュ記号(#、#)」とは、一般的に、番号を記す際に用いられる記号。 ・「ハッシュマーク」「ナンバーサイン」「番号記号」とも呼ばれる。 ・英語圏では"hash key"、"pound key"、"number key"と云う呼び方が一般的。 ・日本語では「井桁」(いげた)と云う。 ・元々は番号の前に置かれ、それに続く数字が番号である事を示すもの。 ・記号の形は、横線が水平で、縦線が右に少し傾いている。 ・「#」は、一般的なキーボードでは「3」のキーに割り当てられている。 ・因みに、プッシュ式電話の「#」「#」キーは「シャープ」では無く「ハッシュ」(ハッシュキー)。 ◆「シャープ記号(♯)」とは、西洋音楽の五線記譜法による楽譜上で半音上げる事を意味する変化記号。 ・これは、音楽の為だけの記号で、全角表現しか出来ない。 ・記号の形は、縦線が垂直で、横線が少し右上がり。 ・日本語では、「嬰記号」(えいきごう)と云う。 ※出典:テレビ朝日 「グッド!モーニング」ことば検定スマート(2023/06/15(木)放送)、他。 |
日本の主な出来事 (企業の雇用に影響を与えた出来事) |
◆日本の主な出来事(企業の雇用に影響を与えた出来事) ※(追記) ・1985年 9月22日(日):プラザ合意(G5による為替レート安定化に関する合意)。 ※1ドル≒240円→200円→150円 ・1987年 2月 :ルーブル合意(G7による為替レート安定化に関する合意)。 ※1ドル≒150円 ・1987年10月19日(月):ブラックマンデー。 ※1ドル≒150円→120円 ・1989年 :米ソ冷戦(東西冷戦)終結…1945年2月第二次世界大戦の終結直前~1989年12月ヤルタ会談(クリミア会議)。 ※ ・1989年12月29日(金):日経平均株価 “終値3万8,915円87銭”(史上最高値)。 ・1990年 :株価急落 バブル崩壊へ。 ・1991年12月 :ソビエト連邦(ソビエト社会主義共和国連邦) 崩壊。 ・1993年~ :“就職氷河期”へ。 ・1995年 4月19日(水):円相場 “1ドル=79円75銭”(史上最高値)。 ※ ・1995年11月 :「Windows95」 日本で発売。 ・1996年~ :金融システム改革(日本版ビッグバン)。 ・1997年 4月 :消費税 3%→5%。 ・1997年 7月~:アジア通貨危機。 ・1997年11月 :山一証券㈱・㈱北海道拓殖銀行 経営破綻。 ・1998年10月 :㈱日本長期信用銀行 経営破綻。 ・1999年 2月 :完全失業率 300万人超。 ・2000年~ :牛丼 値下げ競争激化。 ・2001年 :アフガニスタン紛争(~2021年)。 ※ ・2002年 8月 :マクドナルド ハンバーガー 59円。 ・2002年 :完全失業率“ 過去最悪” 5.4%。 ・2004年 :“労働者派遣法 改正” 製造業解禁。 ・2005年 :“出生率 過去最低” 少子化加速。 ・2007年 6月 :「iPhone」(アイフォーン、Apple) 発売。 ・2008年 4月 :「Twitter」(ツイッター) 日本でサービス開始。 ・2008年 5月 :「Facebook」(フェイスブック) 日本でサービス開始。 ・2008年 9月15日(月):リーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers Holdings Inc.) 経営破綻(リーマン・ショック)。 ・2008年12月~:年越し派遣村。 ・2009年 3月10日(火):日経平均株価 “終値7,054円98銭”(バブル後最安値)。 ・2010年 :GDP(Gross Domestic Product、国内総生産) 中国に抜かれる。 ・2011年 3月11日(金):東日本大震災(東北地方太平洋沖地震による災害及びこれに伴う福島第一原子力発電所事故による災害)。 ※ ・2011年10月31日(月):円相場 “1ドル=75円32銭”(史上最高値を更新)。 ※ ・2013年 6月 :“国の借金” 1,000兆円超える。 ・2014年 4月 :消費税 5%→8%。 ・2016年 4月 :シャープ 台湾企業(鴻海精密工業股份有限公司)が買収。 ・2019年10月 :消費税 8%→10%。 ・2020年~ :新型コロナウイルス 感染拡大。 ・2021年 9月14日(火):日経平均株価 “終値3万670円10銭”(バブル後最高値)。 ・2022年 2月 :ロシア ウクライナ侵攻。 ※出典:総合テレビ NHKスペシャル“中流危機”を越えて「第1回 企業依存を抜け出せるか」(2022/09/18(日)放送)。 |
儀礼的無関心(Civil inattention) | ◆「儀礼的無関心」(Civil inattention)とは、同じ社会的状況に単に居合わせているだけの人々の間で行われる礼儀正しい振る舞い方の1つ。 ・アーヴィング・ゴッフマン(カナダ生まれのアメリカの社会学者)が名付けた社会的相互作用の1つ…1950年代~1960年代のアメリカのミドル・クラス社会の礼儀作法に適った振る舞い方を、資料収集と参与観察によって研究を進めた。 ・内容としては、見知らぬ人との間では、相手をちらっとは見るが、その時の表情は相手の存在を認識した事を表す程度に留め、決して凝視せずに視線をそらし、相手に対して特別の好奇心や特別の意図が無い事を示す事。 ・日常生活における儀礼的無関心の最も身近な例は、①電車やバス等の交通機関②エレベーター③街中、等々。 ※2022/06/03、TBSラジオ「荻上チキ・Session(セッション)」。 |
地政学(独:Geopolitik)と地経学(Geoeconomics) | ◆「地政学」(独:Geopolitik)は、国際政治を考察するに当って、その地理的条件を重視する学問。 ・1899年に、ルドルフ・チェレーン(スウェーデンの国家学者・政治家)により提唱された。チェレーンは当初「ゲオポリティク」の語をラッツェル(ドイツの地理学者・生物学者)の政治地理学(Political geography)は、政治を研究対象とする、人文地理学の一分野)と同義で用いたが、後に「政治地理学が人類の居住地としての地球を他の性質との関係において研究するのに対して、地政学は国家の体躯(たいく)として領土を扱う」ものであると規定した。 ・19世紀~20世紀初期に掛けて形成された伝統的地政学は、国家有機体説と環境決定論を理論的基盤とし、ドイツ(ドイツ国)・イギリス(大英帝国)・日本(大日本帝国)・アメリカ合衆国等において、自国の利益を拡張する為の方法論的道具として用いられて来た。 ・第二次世界大戦後の国際社会において、地政学と云う言葉はナチス・ドイツの侵略行為との結び付きから忌避されて来たが、しばしば著述家により「自らの著作に一種の荒っぽい格を付与させる」短縮表現として用いられる事がある。 ・1980年代以降に勃興した批判地政学(Critical geopolitics)は、地理に関する政治的言説そのものを研究対象とする学問であり、ある空間に対する政治的イメージが如何に構築されるかについて論ずる。 ◆「地経学」(Geoeconomics、ジオエコノミクス)とは、経済や資源の時間的、空間的そして政治的側面の研究をする学問。 ・地政学の一分野としての地経学の形成は、エドワード・ルトワック(アメリカの国際政治学者)やパスカル・ロロット(フランスの経済学者、地政学者)らが源流とされる。 ・ユサル・ガシムリ(アゼルバイジャンの経済学者)は、地経学を(惑星資源の経済分析を含めた)地球の中心から宇宙へと向かう「無限円錐」における経済学、地理学そして政治学の相互関係の学問である、と定義している。 ・加藤洋一(日本再建イニシアティブ(RJIF)の研究主幹)は「地政学的な利益を、経済的手段で実現しようという政治・外交手法」であるとしている。 ・一般的には、政治的紛争における経済的手段の使用に関する研究領域として理解される。類似でより広範囲の概念に経済外交(Economic diplomacy、Economic statecraft)が存在する。 ※2022/05/23。 |
フレイル(Frail) | ◆「フレイル」(Frail)とは、海外の老年医学分野で使用されている英語の"Frailty"(フレイルティ)が語源で、日本語訳では「虚弱」「老衰」「脆弱」等を意味する。 ・2014年5月に、日本老年医学会が"Frailty"(虚弱)の日本語訳として提唱した概念。 ・加齢と共に心身が衰えた状態になる事を意味し、健康な状態から要介護状態へと移行する段階だと考えられている。 ・運動機能や認知機能等が低下する事で、フレイルの患者は慢性疾患に悩まされたり、疲れや易くなったりする。しかし、治療や予防等の対策をすれば要介護状態にならずに済む場合もある。 ・高齢者のフレイルは、日常生活に支障が出て生活の質(QOL:Quality of life)を落とすだけでなく、様々な合併症を引き起こす危険があるので早めに対処する事が大切である。 ◆フレイルは、厚生労働省研究班の報告書では「加齢と共に心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存等の影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」とされており、健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味する。 ※参考:日本サルコペニア・フレイル学会、国立長寿医療研究センター。 ※2022/02/19。 |
アンコンシャス・バイアス(Unconscious bias) | ◆「アンコンシャス・バイアス」(Unconscious bias、無意識バイアス、無意識の偏見)とは、自分自身が気付いていないものの見方や捉え方の歪み・偏りを云う。 ・"Conscious"は、ラテン語で「意識」と云う意味の語句に由来した英語で、「意識する」「意識的な」「意識のある」等の意味。 ・考える以前に瞬時にかつ無意識に起こる知的連想プロセスの1つであり「高速思考」とも云える。大量の情報から素早くパターンを見つけ出しギャップを埋め、仮説を元に素早く行動を起こす事をサポートする上で、重要な役割を持っている。 ・誰もが何らかのアンコンシャス・バイアスを持っていて、それ自体が直ちに関係性に悪影響を与える訳ではないが、問題は、その様な無意識の関連付けが相手に影響を与えネガティブに作用する事にある。 ◆アンコンシャス・バイアスが及ぼす影響 ①個人への影響 ・日常の些細な言動、行動となって表れ、相手の意識に作用する事で職場の人間関係やパフォーマンスを悪化させる。 ②組織への影響 ・採用、評価、昇進、育成等のタレントマネジメントや、リーダーの意思決定や行動選択に影響を与え、ビジネス上の問題を引き起こす恐れがある。 ◆バイアスの典型的パターン ①ハロー効果(一貫性バイアス) ・ある人物に好意を抱くと、その人物に対する全てのものに対して好意的に考える。 ②ステレオタイプバイアス ・ある特定のグループにステレオタイプ的な判断をし、客観的な判断を妨げる。 ③確証バイアス ・仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視、または集めようとしない。 ④正常性バイアス ・自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう。 ⑤集団浅慮(せんりょ) ・集団に所属する事で無意識に同調傾向・思考停止に陥る。 ⑥慈悲的性差別 ・女性へのポジティブな偏見が差別に繋がる事を云う。 ※2021/11/08。 |
掃除の五功徳 | ◆「功徳」(くどく)とは、善い行いの結果、手にする事が出来る恵みの事。 ・現在、また未来に幸福をもたらす善い行ない。神仏の果報を受けられる様な善行。優れた果を招く力を徳として持っている善の行為。 ①自身清浄(じしんせいじょう) ・自分の心が清められる。自分の心が清らかになる。心の汚れも取り除かれる。 ②他心清浄(たしんせいじょう) ・他人の心まで清める事が出来る。他の人の心を清らかにする。他人の心の汚れも取り除かれる。 ③諸天歓喜す(しょてんかんきす) ・周囲の環境が活き活きしてくる。この世の全ての存在が活き活きとする。驕慢(おごりたかぶり)を取り除かれる。 ④端正の業を植ゆ(たんせいのごうをうゆ) ・周囲の人の心も物事も整ってくる。すっきりと美しい行為の種が撒かれる。自身の心を調和させられる。 ⑤命終の後、まさに天上に生ずべけん(みょうじゅうののち、まさにてんじょうにしょうずべけん) ・死後、必ず天上に生を受ける。功徳を増し、死後必ず天国に帰る事が出来る。 ※出典:釈迦(仏教の開祖)の教え。 ※2021/09/24。 |
慢(まん) | ◆「慢」(まん)とは、他人と比べて、自分を誇ったり過剰評価して、思い上がる心を云う。 ・家柄、財産、地位、知識、能力、容姿等、比べられる事柄では、何にでも起こりえる「煩悩」の1つ。 ・サンスクリット語のMana(マーナ)に由来する漢訳語。 ・心の状態で、七つに分けたものを「七慢」と云い、「八慢」、「九慢」、と云う分類もある。 ※出典:『撰時抄』(せんじしょう、釈子日蓮述)の「慢煩悩は七慢九慢八慢あり」。 ◆七慢(しちまん) ①慢(まん) …自分より劣っている人に対しては、自分が勝っていると自惚れ(うぬぼれ)、同等の人には自分と等しいと心を高ぶらせる。 ②過慢(かまん) …自分と同等の人に対して自分が勝っているとし、自分以上の人は自分と同等とする。 ③慢過慢(まんかまん) …勝っている人を見て、自分は更に勝っていると自惚れる(うぬぼれる)。 ④我慢(がまん) …自負心が強く自分本位。強い自己意識から起こす慢心の事。我慢は一般的に、自分を押さえて耐える、と云う意味で使われるが、本来は、自分を偉いと思い、他人を軽んじる事である。仏教では、自分に執着する事から、自分を高く見て他人を軽視する心が生まれる、と考える。 ⑤増上慢(ぞうじょうまん) …悟っていないのに悟ったと思い、得ていないのに得たと思い、奢り(おごり)高ぶる。 ⑥卑慢(ひまん) …非常に勝れている人を見て、自分は少し劣っていると思う。 ⑦邪慢(じゃまん) …間違った行いをしても、正しい事をしたと云い張り、徳が無いのに有ると思う。 ※出典:お経の第一巻の辯五事品の「阿毘達磨品類足論」(あびだつまほんるいそくろん)。 ◆八慢(はちまん) ・慢(まん)、大慢(たいまん)、慢慢(まんまん)、我慢(がまん)、増上慢(ぞうじょうまん)、不如慢(?まん)、邪慢(じゃまん)、倣慢(ごうまん)。 ◆九慢(くまん) ・我勝慢(がしょうまん)、我等慢(がとうまん)、我劣慢(がれつまん)、有勝我慢(うしょうがまん)、有等我慢(うとうがまん)、有劣我慢(うれつがまん)、無勝我慢(むしょうがまん)、無等我慢(むとうがまん)、無劣我慢(むれつがまん)。 ◆四慢(しまん) ・増上慢(ぞうじょうまん)、卑下慢(ひげまん)、我慢(がまん)、邪慢(じゃまん)。 ※2021/07/02。 |
日経平均株価の推移 (1989年~2021年) 史上最高値 1989年12月29日(金) 終値38,915.87円 バブル後最安値 2009年3月10日(火) 終値7,054.98円 バブル後最高値 2021年9月14日(火) 終値30,670.10円 ㈱時事通信社+Yahoo! 2021/12/21(火)配信 |
◆2021年2月15日(月) 日経平均株価(日経225、日経平均プロフィル)の終値が、30,084.15円(前週末比+564.08円、高値30,092.34円)となり、バブル期の1990年8月1日(水)の終値30,837.99円(前日比-197.67円、高値31,371.53円)以来、30年6ヵ月振りに、3万円の大台を回復しました。 ・日経平均株価(日経225)…㈱日本経済新聞社(日経平均プロフィル)が、㈱東京証券取引所の市場第一部(東証一部)に上場する銘柄(東証一部上場企業数(2020年12月29日現在)=2,187社)の内から、市場流動性(売買の活発さや安定度)の高い225銘柄を選定し、その株価を元に算出する指数です(単純平均では無く、特殊な計算(「みなし額面への修正」と「除数の調整」)を行なう)。日経平均株価の源流となる株価指数の算出が始まったのは、1950年9月7日(木)からで、当初は、㈱東京証券取引所が算出していたので、「東証株価平均」「東証修正平均株価」と呼ばれていました。1970年7月1日(水)からは、㈱日本経済新聞社が引き継ぎ、1985年5月1日(水)に、「日経平均株価」と名称が変更されました。 【株価暴落の歴史】(History of Stock Market Crash) ■1987年10月 ブラックマンデー(Black Monday) ・1987年10月19日(月)に、香港株式市場を発端に、米国ニューヨーク株式市場で起こった史上最大規模の株価大暴落である。「暗黒の月曜日」とも。 ・世界恐慌を引き起こした1929年10月24日(木)のブラックサーズデー(下落率12.8%)を上回り、米国のダウ工業株30種平均(DJIA:Dow Jones Industrial Average)は、前週末より1日の取引で508ドル(22.6%…過去最大の1日の減少率)下落した。S&P500種指数(Standard & Poor's 500 Stock Index)とウィルシャー5000指数(Wilshire 5000 Total Market Index)は、18%以上下落し、S&P500先物は29%下落した。そして、翌日の日本平均株価は、戦後最大の下落率14.9%を記録した。 ・原因は、米国が財政赤字と貿易赤字の「双子の赤字」を抱えており、ドル安に伴うインフレ懸念が浮上した事とされる。また、プログラム売買(コンピューターを使って、一定のルールで株式やデリバティブを自動的に売買するシステム)が、株価の下落を加速させたと云われている。 ・ニューヨーク市場の暴落は全世界に波及し、世界の主要23市場全てが同時株安に陥った。全世界での損失は、1兆7000億米ドルと推定された。 ■1990年3月 不動産バブル崩壊(Real estate Bubble Burst) ・バブル崩壊は、日本の不景気の通称で、バブル景気後の景気後退期または景気後退期の後半から、景気回復期(景気拡張期)に転じるまでの期間を指す。 ・1980年代末期の日本での不動産バブルは、価格上昇の原資は、主に国内のマネーだけであった。大蔵省が行った総量規制で銀行の不動産向け融資が沈静化し、地価が大幅に下がり始めバブルが崩壊した(土地神話の終焉)。 ・以後、2005年に至るまで、公示価格は下がり続けた。2005年以降は、一部の優良な場所の公示価格が上昇に転じている。 ・原因は、1990年3月に、大蔵省銀行局長の土田正顕から通達された「土地関連融資の抑制について」(総量規制)に加えて、日本銀行総裁三重野康による金融引き締めは急激なものとなり、信用収縮が一気に進んだ事とされる。 ■1991年3月 バブル崩壊(Bubble Burst) ・「バブル景気」(Bubble Boom)は、日本の好景気の通称で、景気動向指数(CI:Composite Index)上は、1986年(昭和61年)12月~1991年(平成3年)2月までの51ヵ月間に、日本で起こった資産価格の上昇と好景気、及びそれに付随して起こった社会現象とされる。情勢自体は「バブル経済」と同一であり、「バブル経済期」「バブル期」「平成景気」「昭和・平成バブル」とも。内閣府景気基準日付でのバブル期間は、数値上、第11循環(内閣府の景気基準日付)と云う通称で指標を示している。 ・「バブル経済」(Bubble Economy)とは、日本の景気の通称で、投機によって株価や地価が異常に上昇し、実体経済と掛け離れた経済状況になる事を云う。 ・「バブル崩壊」(Bubble Burst)とは、日本の不景気の通称で、バブル景気後の景気後退期または景気後退期の後半~景気回復期(景気拡張期)に転じるまでの期間を指す。内閣府景気基準日付でのバブル崩壊期間(第1次平成不況や複合不況とも)は、1991年(平成3年)3月~1993年(平成5年)10月までの32ヵ月間の景気後退期を指す。「バブル経済崩壊」(Bubble Economy Burst)とも。 ・日本では、1980年代~1990年代に掛けて、「バブル経済」が発生した。その原因は、1980年代当時の米国の貿易収支が赤字になったのが背景にあり、金融引き締めからドル高になった、そして、ドル高を救済すべく先進5ヵ国(G5:アメリカ、イギリス、西ドイツ、フランス、日本)による「プラザ合意」(1985年9月22日(日))が行われ、日本では円高が進行し輸出が減少する結果となった。その結果、低金利政策から“株”と“土地”(土地神話)に投資され、バブル経済になって行った。 ・しかし、その後1989年の金融政策転換と1990年の総量規制(不動産融資を制限する政策で、1990年~1991年までの1年3ヵ月間に亘り実施)で、土地神話が崩れ、バブル崩壊に向かって行った。 ■2000年12月 ネットバブル崩壊(Internet Bubble Burst) ・1990年代前期~2000年代初期に掛けて、米国の市場を中心に起こったインターネット関連企業の実需投資や株式投資が、実態を伴わない異常な高値になった事である。「ITバブル」「ハイテクバブル」とも。英語では「Dot-com Bubble(ドットコム・バブル)」と云う。 ・「ドットコム会社」と呼ばれる多くのIT関連ベンチャーが設立され、1999年~2000年までの足掛け2年間に亘って、株価が異常に上昇したが、2001年には完全にバブルは弾けた。 ・日本では、1999年2月~2000年11月までの景気拡張期を「ITバブル」「IT景気」「ITブーム」等と呼ばれる。また、2000年12月~2002年1月までの景気後退期を「ITバブル崩壊」「IT不況」「第3次平成不況」「デフレ不況」等と呼ばれる。 ■2002年11月 SARSショック(SARS Shock) ・2002年11月16日(土)に、中国南部の広東省で重症な非定型性肺炎が発生したとの症例報告があった。 ・2003年2月に、ベトナムやカナダでの発症が確認されてから、世界的にSARS(Severe Acute Respiratory Syndrome、重症急性呼吸器症候群)の認知が広がり、同年6月に、原因が新型のコロナウイルスがある事が確認された。 ・日本では、2003年4月に新感染症に、ウイルスが特定された6月に指定感染症に指定され、11月5日より第一類感染症として指定された。 ・2003年3月12日(水)にWHOから「グローバルアラート」が出され、2003年7月5日(土)に、終息宣言が出されたが、32の地域と国に亘り、8,000人を超える症例が報告された。 ■2007年2月 サブプライム・ショック(Subprime Shock) ・2007年~2009年に掛けて、米国で起こった住宅購入用途向けサブプライム・ローンの不良債権化である。これにより一連の世界的な金融・経済危機が起きた。「サブプライム住宅ローン危機」(Subprime Mortgage Crisis)「サブプライム問題」とも。 ・主に米国のサブプライムローンの焦付(不良債権化)と、その証券化商品の価格暴落によって、世界の金融市場と各国経済を大きく混乱させる原因となった。 ・サブプライムローン(Subprime Lending)とは、主に米国において貸し付けられるローンの内、サブプライム層(優良客(プライム層)よりも下位の層)向けとして位置付けられるローン商品を云う。 ・サブプライム・ローンへの投資を証券化し金融商品として取引可能にした「サブプライム・モーゲージ」は、金融市場で価格が下落する等して、「リーマン・ショック」を代表例とする経済問題に発展した。 ■2008年9月 リーマン・ショック(Lehman Shock) ・2008年9月15日(月)に、米国の大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングス(Lehman Brothers Holdings Inc.)が経営破綻(連邦倒産法第11章の適用を連邦裁判所に申請)した事に端を発して、連鎖的に世界規模の金融危機が発生した事象(株価下落、金融不安(危機)、同時不況)を総括的に呼ぶ日本における通称である。 ・同社は、低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)を証券化し販売したが、住宅バブルの崩壊と共に、結局は負債総額約6,000億ドル(約64兆円)と云う空前の破綻を招いた。リーマンブラザーズ社の破綻は、連鎖的に大手金融機関の経営危機を招き、金融危機を加速化させるに至った。 ・日経平均株価も大暴落を起こし、2008年9月12日(金)の終値は12,214円だったが、10月28日(火)には一時は6,000円台(6,994.90円)まで下落し、1982年10月以来、26年ぶりの安値を記録した。 ■2011年3月 東日本大震災 ・2011年3月11日(金)に発生した東北地方太平洋沖地震による災害、及びこれに伴う福島第一原子力発電所事故による災害である。大規模な地震災害である事から大震災と呼称される。 ・東日本各地での大きな揺れや、大津波、火災等により、東北地方を中心に12都道県で2万2,000人余の死者・行方不明者が発生した。 ■2015年8月 チャイナ・ショック(China Shock) ・株式のバブルが引き金となり、2015年6月12日(金)に始まった株価の大暴落である。「中国株の大暴落」とも。 ・2015年6月の中国株式市場は、米中貿易摩擦激化への警戒感に加え、経済指標が総じて市場予想を下回る低調な内容で景気減速観測が高まった事も嫌気され、大幅に下落した。 ・2015年8月11日(火)に、中国人民銀行(中央銀行)が人民元の切り下げを発表したのを機に、世界の主要株式市場は、世界同時株安に見舞われ、中国景気の減速から世界経済の減速懸念が強まり、世界的な株安へと波及した。 ・米国の利上げへの思惑や中国人民銀行による人民元の切り下げも、投資家の警戒感を強めた。米国ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、一時1日で1,000ドルを超えて下落し、日本や欧州等の先進国や新興国でも株安の連鎖が広がった。 ■2018年2月 VIXショック(VIX Shock) ・2018年2月に、米国のVIX指数が引き金で起こった大幅な世界同時株安である。 ・米国株式市場の予想変動率を反映するVIX指数が、投資家の想定以上に急上昇し、多数の投資家が大幅かつ急激にロスカットを強いられた。 ・VIX指数(Volatility Index)とは、シカゴオプション取引所(CBOE:Chicago Board Options Exchange)がS&P500種指数(Standard & Poor's 500 Stock Index)のオプション取引の値動きを元に算出・公表している指数で、上昇すれば相場の変動に対する市場の警戒度が高く、下落すれば低いとされ、市場心理を表す指標で、別名は、「恐怖指数」とも。 ・2月の「VIXショック」の際は、1月分米雇用統計で、時間当たり賃金が予想を上回る伸びを示した事等から、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースが加速するとの見方が強まり、米長期金利が大幅に上昇した事が、株価急落の要因となった。 ・同年10月にも2度目の世界同時株安が起こっているが、FRBは中立金利水準(3%)を超えて利上げを続けると云うシナリオで、2月とは異なっいた。 ■2020年2月 新型コロナショック(Corona Shock) ・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に流行し始めた2020年2月末頃~3月に掛けて始まった世界的な株価大暴落(2020 Stock Market Crash)である。 ・感染拡大の影響により、世界は戦後最悪の経済危機に直面した。この経済危機(コロナショック)の本質は、人のコミュニケーション制限、外出自粛や移動制限、海外への渡航制限等が実施された事に加え、イベント交流が制限された事である。 ・供給面からの経済停滞が発生。人の移動の停滞により生産活動や物流が止まり、物資の不足が生じた。国際分業の進展により、国境を越えるサプライチェーンの途絶も発生。また、営業自粛に伴って、レストランのイートイン営業やエンターテインメントサービスも停止。 ・需要面からの経済停滞も発生。感染拡大の抑制の為の外出制限、渡航制限の導入等に伴い、観光や宿泊、航空等、人同士が接点を持つ対面サービスでは前例の無い規模で需要が縮小。物についても耐久財の需要が急減。一方で、オンライン消費や巣ごもり消費の拡大の様に新たな消費の胎動もあった。 ・新型コロナショックは、需給両面のショックが相互作用して経済悪化が深刻化するものであり、主に供給面に影響した東日本大震災や、主に需要面に影響した世界金融危機の様な過去の経済危機とは異なる、全く新しい種類の経済ショックである。 ・日経平均株価も2020年2月25日(火)から僅か4日間で2,200円以上下落した。3月19日(木)には16,552円(最安値)まで下げるも、各国の金融緩和等により次第に回復し、9月3日(木)には23,465.53円と、2月20日(木)以来の高値を付けるまでになった。 ※出典:世界の暴落の歴史(投資の森)他を参考に加筆して作成。 ※参考:株価大暴落の歴史(IG証券㈱)。 |
クリティカル・シンキング(Critical thinking) | ◆「クリティカル・シンキング」(Critical thinking)とは、あらゆる物事の問題を特定して、適切に分析する事によって、最適解に辿り着く為の思考方法。「批判的思考」(ひはんてきしこう)とも。 ・クリティカル・シンキングは、論理的・構造的に思考するパターンの事を指し、自分が普段無意識にとっている行動や考え方を意識化し、客観的かつ分析的に振り返ると云う意味で用いられる。 ・批判的思考は、1930年代のアメリカの教育学において主張され始め、1960年代の教育の現代化に伴い注目された。アメリカの教育学、心理学等の分野で非形式論理学(形式論理学とは異なる一般の議論等における論理に関する学問)とも関連して形成された。 ・批判の定義については、論者によって異なるが、共通的には、単に否定的になるのではなく、自身の論理構成や内容について内省する事を意味する。その方法論としては、考察対象を良く理解する事、間違った推論を起こす暗黙の前提を明らかにする事、証拠について評価したり、循環論法や人身攻撃等の論理的な誤りを避ける為の誤謬の理解といった事。 ◆「クリティカル・シンキング」(Critical thinking、批判的思考)と「ロジカル・シンキング」(Logical thinking、論理的思考)の違い。 ・ロジカル・シンキングは、情報を整理し、論理的に推論を積み重ねて結論や解決策を導く思考プロセス。 ・クリティカル・シンキングは、論理的思考に客観的な視点を加えた思考で、論理的な(ロジカルな)正しさだけでなく、物事の妥当性を含めて考える思考プロセス。 ※2020/10/06。 |
アフォーダンス理論(Affordance theory) | ◆「アフォーダンス理論」(Affordance theory)とは、物や環境が、動物の行動を引き出す様な特性を持っていると云う理論。物に備わっている、人の行為を促す様なヒント。 ・ジェームズ・J・ギブソン(アメリカの知覚心理学者)が提唱した、認知心理学における概念で、生態光学、生態心理学の基底的概念である。 ・「アフォーダンス」(Affordance)は、環境が動物に対して与える「意味」の事である。 ・語源は、「与える、提供する」と云う意味の英語"afford"(アフォード)から名付けられた造語で、物が持つ形や色、材質等が、その物自体の扱い方を説明していると云う考え方。 ・アフォーダンスは、動物(有機体)に対する「刺激」と云う従来の知覚心理学の概念とは異なり、環境に実在する動物(有機体)がその生活する環境を探索する事によって獲得する事が出来る意味・価値であると定義される。 ・アフォーダンスの概念の起源は、クルト・コフカ(ゲシュタルト心理学者)の「要求特性」(Demand character)の概念、或いはクルト・レヴィン(同じゲシュタルト心理学者)の「誘発特性」(Invitation character)、ないし「誘発性」(Valence)の概念にあると、ギブソンは自ら述べている。 ※参考:日本生態心理学会。 ※2020/08/21。 |
フロー(Flow)とフロー体験(Flow experience) | ◆「フロー」(Flow)とは、人間がその時している事に、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴付けられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功している様な活動における、精神的な状態を云う。 ・ミハイ・チクセントミハイ(1934年ハンガリー出身のアメリカの心理学者、シカゴ大学の教授)によって提唱され、その概念はあらゆる分野に渡って広く論及されている。 ・フローは、チクセントミハイの1975年のインタビューにおいて、幾人かが彼らの「フロー」体験を、ずっと彼らを運んでいる流れと云う隠喩を使って描写した為に名付けられた。 ・他に、「ゾーン」(Zone)「ピークエクスペリエンス」(Peak experience)「無我の境地」「忘我(ぼうが)状態」とも。 ◆「フロー体験」(Flow experience)とは、自分自身の「心理的エネルギー」が、100%今取り組んでいる対象へと注がれている状態を表す。 ・この状態が満たされる為には、以下の様な要素(「フロー体験」が生み出される主要な条件)が必要となって来る。 ①自分の能力に対して適度に難しい(適切な難易度)。 …それをやり通す事によって、その自分の能力が向上する様な難易度である事。 ②対象への自己統制感がある。 …自分がコントロールが出来ると云う感覚、可能性を感じている事。 ③直接的なフィードバックがある。 …即座に「それは良いか、良くないか」と云うフィードバックが返って来る事。 ④集中を妨げる外乱がシャットアウトされている。 …取組対象以外の事が自分に降り掛かって来る事がなく、対象にのみ集中出来る事。 ・これらの要素が満たされると、自分の「心理的エネルギー」は、淀みなく連続して、100%その対象に注ぎ込まれる様になり、これによりとてつもない集中と、楽しい感覚が生み出される。この様な状態を「フロー体験」と呼び、この状態にある間、人は時間の流れを忘れ、ひたすらその事に没頭し、得も言われぬ高揚感に包まれる。 ※2020/08/21。 |
誤読しやすい言葉 (慣用読みと本来の読み) |
◆誤読しやすい言葉…慣用読みと本来の読み。 ・小豆…×あずき ○しょうず(古名:赤粒木(アカツブキ)→アズキに変化) ・荒げる…×あらげる ○あららげる(荒らげる) ・御用達…×ごようたつ ○ごようたし ・最高値…×さいこうち ○さいたかね ・重複…×じゅうふく ○ちょうふく ・出生…×しゅっせい ○しゅっしょう ・職人気質…×しょくにんきしつ ○しょくにんかたぎ ・早急…×そうきゅう ○さっきゅう ・続柄…×ぞくがら ○つづきがら ・代替…×だいがえ ○だいたい ・大地震…×だいじしん ○おおじしん ・大人数…×だいにんずう ○おおにんずう ・多士済々…×たしさいさい(呉音) ○たしせいせい(漢音) ・他人事…×たにんごと ○ひとごと ・知音…×ちおん ○ちいん ・乳離れ…×ちちばなれ ○ちばなれ ・貼付…×てんぷ ○ちょうふ ・独擅場…×どくだんじょう(独壇場) ○どくせんじょう ・荷役…×にえき ○にやく ・捏造…×ねつぞう ○でつぞう ・一段落…×ひとだんらく ○いちだんらく ・真逆…×まぎゃく ○まさか ・老舗…×ろうほ ○しにせ(熟字訓) ※参考:NHK放送文化研究所。 ・所謂…いわゆる ・所為…しょい せい ・所以…ゆえん ・喧喧囂囂(けんけんごうごう) 侃侃諤諤(かんかんがくがく) 喧喧諤諤(けんけんがくがく)…混交表現 |
サンクコスト(Sunk cost) | ◆「サンクコスト」(Sunk cost)とは、事業や行為に投下した資金・労力の内、事業や行為の撤退・縮小・中止をしても戻って来ない資金や労力の事。「埋没費用」(まいぼつひよう)とも。 ・簡単云うと、「回収が出来なくなった投資費用」を意味し、イニシャルコスト(初期費用)やランニングコスト(運営費用)と同様に、意思決定に影響する重要な項目である。 ・コストの回収は、投下した費用を売上等から取り返すと云う考え方を意味している。特にビジネスへ参入する際は、イニシャルコストとその回収について考えなくてはならない。継続的な企業活動には、ランニングコストが掛かるが、このランニングコストについては、収入が支出を上回っている場合に、「コスト回収に成功している」と判断出来る。 ◆「イニシャルコスト」(Initial cost)とは、新しく事業を始めたり、新しく機械や設備等を導入したり、新しく建築物を建築したりする時等に、稼働するまでの間に必要となる費用の事である。「初期費用」とも。 ・新しく導入する機械・設備の商品価格の他、設計費用、技術開発費用、運搬費用、工事代金、設置費用等が含まれる。 ◆「ランニングコスト」(Running cost)とは、企業等において設備や建物を維持する為に必要となるコストで、稼動から廃止までの期間に掛かる費用の事である。「運営費用」とも。 ・稼動が始まってから使い続ける為に必要となる、光熱費や保守点検サービス費や消耗品費等が含まれる。 ◆「サンクコスト効果」(Sunk cost effect)、「コンコルド効果」(Concorde effect) ・サンクコストに引きずられて未来の判断を誤り、更に損失を拡大させてしまう現象を、「サンクコスト効果」(Sunk cost effect)や「コンコルド効果」(Concorde effect)と云う。心理現象の1つで、「コンコルドの誤謬」(ごびゅう、Concorde fallacy)「コンコルドの誤り」「コンコルドの誤信」「コンコルド錯誤」とも。 ・ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をし続ける事が損失に繋がると分かっているにも拘わらず、それまでの投資を惜しみ、投資が止められない状態を指す。「コンコルド効果」は、超音速旅客機コンコルドの商業的失敗を由来とする。 ・世界的には、"Concorde fallacy"の名称で研究がなされているが、日本では"fallacy"の訳語が一定しない為、"Concorde effect"の訳語としての「コンコルド効果」が用いられる事が多い。 ※2020/06/16。 |
ナッジ理論(Nudge theory) 厚生労働省の事例 |
◆「ナッジ理論」(Nudge theory)とは、リチャード・セイラー博士(経済学者、2017年にノーベル経済学賞を受賞)と、ハーバード大学のキャス・サンスティーン教授が、2008年に提唱した(行動経済学の)概念。 ・ナッジ(Nudge)は、“ひじで軽く突いて注意を促す”事を意味する。 ・強い立場にある人が、弱い立場にある人を強制的に導こうとする思想を「パターナリズム」(Paternalism)と云い、個人の自由を尊重し、自主性に委ねる思想を「リバタリアニズム」(Libertarianis)と云うが、「ナッジ理論」はこの2つを融合させたもの。 ・さり気無く働き掛け、その人物が自分の意志で行動する方向へ導く思想。 ◆「パターナリズム」(Paternalism)とは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益の為として、本人の意志は問わずに、介入・干渉・支援する事を云う。親が子供の為に、良かれと思ってする事から来ている。 ・日本語では、家族主義、温情主義、父権主義、家父長制。中国語では、家長式領導、溫情主義等と訳される。 ・語源は、パトロンの語源となったラテン語の"pater"(パテル、父親)。 ・対義語の「マターナリズム」(Maternalism)は、相手の同意を得て、寄り添いつつ進む道を決定していくと云う方針である。日本では、「母性主義」とも。 ◆「リバタリアニズム」(Libertarianism)とは、個人的な自由、経済的な自由の双方を重視する、自由主義上の政治思想・政治哲学の立場を云う。 ・他者の身体や正当に所有された物質的、私的財産を侵害しない限り、各人が望む全ての行動は、基本的に自由であると主張する。 ※2020/05/23。 |
東大話法 | ◆「東大話法」とは、東京大学東洋文化研究所教授の安冨歩(経済学者)が著書『原発危機と「東大話法」-傍観者の論理・欺瞞の言語』(発行:㈱明石書店、2012年1月)で提唱している用語。 ・この用語について、『東京大学(東大)の学生、教員、卒業生達が往々にして使うとされる「欺瞞的(ぎまんてき)で傍観者的」な話法』と定義している。 ・東大話法の概念は、「常に自らを傍観者の立場に置き、自分の論理の欠点は巧みに誤魔化しつつ、論争相手の弱点を徹底的に攻撃する事で、明らかに間違った主張や学説をあたかも正しいものであるかの様にして、その主張を通す論争の技法であり、それを支える思考方法」と云うものである。 ・安冨教授は、学者、官僚、財界人、言論人に、この話法の使い手や東大話法的思考を持つ人が多いと云う。権力の集まる場所にいる人の多くが東大話法を操っており、その技術が高い人が組織の中心的役割を担う、これは国民にとって大変な不幸である、と安冨教授は述べている。 ※2020/05/12。 |
「誰が蝶を車裂きに?」の意味 | ◆Q:映画『マリオネット・ゲーム』の最後のシーンで、妻アビーが夫ニールに対して、「誰が蝶を車裂きに?...私よ...。」のセリフを云うが、その意味は? ・『マリオネット・ゲーム』…原題:“Butterfly on a Wheel”、製作:カナダ、イギリス、公開:アメリカ2007年。 ◆A:『アーバスノット博士への手紙-風刺への序言として』(“An Epistle from Mr.Pope to Dr.Arbuthnot : being the prologue to the satire”、著者:アレキサンダー・ポープ、Alexander Pope…イギリスの詩人、発行:1734年)の中の一節にある、“Who breaks a butterfly on a wheel ?”(誰が、車輪を轢(ひ)いてまでして、蝶々を裂(さ)いたの?)から。 ・その意味は、「些細な事なのに、おおごとにしてしまうのは誰か?」で、このフレーズは、他にもしばしば引用されている様である。 ※出典:テレビ東京 午後のロードショー「マリオネット・ゲーム」(2020/05/12(火)放送)。 |
各月毎の満月の名称 | ◆アメリカの先住民は、季節を把握する為に、各月に見られる満月に名前(動物や植物、季節のイベント等)を様々に付けていた。 ・先人達は、月の動きを観察して太陰暦を作り、農業や漁業、狩猟の目安にしていた事は良く知られている。 ・英語圏では、月毎に異なる満月の呼び名があり、米国“Farmers' Almanac”(農夫の年鑑)等によって定義されている。 ◆“The Old Farmers' Almanac”によると、今アメリカで使われている満月の名前は、ネイティブ・アメリカンやその後の入植者によって広く使われる様になった呼び名に因んでいるそうである。そのうちの主なものを以下に紹介。 1月:Wolf Moon/Old Moon(狼月、狼が空腹で遠吠えをする頃) 2月:Snow Moon/Hunger Moon(雪月、狩猟が困難になる頃) 3月:Worm Moon(芋虫月、土から虫が顔を出す頃)/Sap Moon(メープル樹液が出る頃) 4月:Pink Moon(桃色月、フロックスPhloxと云うピンクの花が咲く頃) 5月:Flower Moon(花月、花が咲く頃) 6月:Strawberry Moon(苺月、イチゴが熟す頃) 7月:Buck Moon(男鹿月、雄ジカの新しい枝角が出て来る頃) 8月:Sturgeon Moon(チョウザメ月、チョウザメが成熟し、漁を始める頃) 9月:Harvest Moon(収穫月、収穫の頃)/Corn Moon(とうもろこしを採取する頃) 10月:Hunter's Moon(狩猟月、狩猟を始める頃) 11月:Beaver Moon(ビーバー月、毛皮にするビーバーを捕獲する為の罠を仕掛ける頃) 12月:Cold Moon(寒月、冬の寒さが強まり、夜が長くなる頃) ※2020/05/07。 |
情報の非対称性(Information asymmetry) | ◆「情報の非対称性」(Information asymmetry)は、市場における各取引主体が保有する情報に差がある時の、その不均等な情報構造である。 ・情報の非対称性を最初に指摘したのは、ケネス・アロー(アメリカの理論経済学者)である。アローは、1963年にアメリカの経済学会誌「アメリカン・エコノミック・レビュー」において“Uncertainty and the Welfare Economics of Medical Care”(医療の不確実性と厚生経済学)と云う論文を発表し、医者と患者との間にある情報の非対称性が、医療保険の効率的運用を阻害すると云う現象を指摘した。 ・情報の非対称性という用語は、ジョージ・アカロフ(アメリカの理論経済学者)が1970年に発表した論文“The Market for Lemons: Quality Uncertainty and the Market Mechanism”で初めて登場した。 ・市場での取引を行う際、商品等に関して当事者が持っている情報に当事者間で格差がある事。市場では「売り手」と「買い手」の間において、「売り手」のみが専門知識と情報を有し、「買い手」はそれを知らないと云う様に、双方で情報と知識の共有が出来ていない状態の事を指す。 ※2020/04/29。 |
加一倍法(かいちばいほう) | ◆「加一倍法」(かいちばいほう)とは、1を原数とし、1に1を加えて2とし、2に2を加えて4とし、4に4を加えて8とする様に、倍加していく方法。 ・「易経」繋辞(けいじ)上の「易に太極有り、是 (これ) 両儀を生じ、両儀四象を生じ、四象八卦 (はっか) を生ず」に基づき、中国北宋の邵雍 (しょうよう) が、天地万物の変化・消長の数理を推測するのに用いたと云う算法。 ※2020/02/19。 |
東医宝鑑(とういほうかん) 東醫寶鑑(トンイボガム) |
◆『東医宝鑑』(とういほうかん)=『東醫寶鑑』(トンイボガム Dongui Bogam)は、李氏朝鮮時代の16世紀終りから17世紀初めに掛けて編纂された、朝鮮第一の医書と称される医学書。 ・撰著:許浚(ホ・ジュン Heo Jun、生没:1539年(1546年とも)~1615年(76歳没、69歳没とも)、韓医学・韓方の父と云われる)、編纂期間:1596年~1610年(14年間)、刊行:1613年、世界記憶遺産登録:2009年7月。 ・内容(23編(25編とも)、全25巻):序 目録(上下2巻)、内景編(4巻…内科に関するもの)、外形編(4巻…外科に関するもの)、雑病編(11巻…疫病・婦人科・小児科に関するもの)、湯液編(3巻…薬物(薬方)に関するもの)、鍼灸編(1巻)。 ◆命名の由来(第15代王・光海君に宛てた文書)…テレビ東京 「ホジュン 伝説の心医」の第67話(2019/08/29(木)放送)より。 <吹替> ・王様 ようやく医学書の編纂が終わりました 朝鮮は大国の東にありますが 医術は脈々と受け継がれています この医学書は 大国のそれと比べても 何ら遜色はございません 東方の医術を鏡(鑑)のごとく映し出すとの意味で これを「東医宝鑑」(トンイボガム)と命名します 私は この医学書を王様と この国に生まれ落ちたすべての民に捧げます <字幕> ・王様 ようやく医書が完成しました 大国の東端に位置するですが 医術は脈々と受け継がれてきました この医書は 大国のそれと比べても 何ら遜色はございません 東方の医術を鏡(鑑)のごとく映し出すとの意で これを「東医宝鑑」(トンイボガム)と命名します 私は この医書を王様と この国で生まれ育つすべての民に捧げます ◆天地と人体の関係性(人間・生命の根源は、宇宙・自然の根源に同じ)…テレビ東京 「ホジュン 伝説の心医」の第67話(2019/08/29(木)放送)より。 <吹替> ・人の頭が丸いのは天を表し 人の足が角ばっているのは地を表している 天に四季があるように 人には四肢があり 天に五行があるように 人には五臓がある そして 天に六極があるように 人には六腑がある 天に八方向から吹く八風があるように 人には八節があり 天に九星があるように 人には九竅がある 天に十二時があるように 人には十二経脈があり 天に二十四節気があるように 人にも二十四兪がある また 天が365度であるように 人には365の関節がある <字幕> ・頭の円形は天をかたどり 足の方形は地をかたどる 天には四季 人には四肢 天には五行 人には五臓 天には六極 人には六腑がある 天に八風があるなら 人には八節があり 天に九星があるなら 人には九竅がある 天に十二時 人には十二経脈があり 天には二十四節気 人には二十四兪がある 天が365度であるように 人には365の関節がある 【補足説明】 ・五行(ごぎょう)…木・火・土・金・水の五元素。 ・五臓(ごぞう)…肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓。 ・六極(りっきょく)…天地と東西南北の六方角。 ・六腑(ろっぷ)…胆・胃・小腸・大腸・膀胱・三焦。 ・八風(はっぷう)…八つの方角から吹く風。 ・八節(はっせつ)…肩・肘・膝・股の八つの関節。 ・九星(きゅうせい)…一白・二黒・三碧・四緑・五黄・六白・七赤・八白・九紫。 ・九竅(きゅうきょう)…口・両眼・両耳・両鼻孔・尿道口・肛門の総称。 ・十二時(じゅうにとき)…卯(5時~7時)・辰・巳・午・未・申(15時~17時)の昼の六時に、酉(17時~19時)・戌・亥・子・丑・寅(3時~5時)の夜の六時を加えたもの。 ・十二経脈(じゅうにけいみゃく)…正経(せいけい)のこと。肺経・大腸経・胃経・脾経・心経・小腸経・膀胱経・腎経・心包経・三焦経・胆経・肝経。手の太陰肺経・手の陽明大腸経・足の陽明胃経・足の太陰脾経・手の少陰心経・手の太陽小腸経・足の太陽膀胱経・足の少陰腎経・手の厥陰心包経・手の少陽三焦経・足の少陽胆経・足の厥陰肝経。 ・二十四節気(にじゅうしせっき)…立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨・立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑・立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降・立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒。 ・二十四兪(にじゅうしゆ)…陰部から顎への一直線上にある24の経穴。 ●朝鮮王朝第14代王・宣祖(ソンジョ)…生没:1552年~1608年(56歳没)、在位:1567年~1608年(15歳~41年間)。 ・正室…懿仁王后朴氏(ウイインワンフパクシ)…生没:1555年~1600年(45歳没)、1569年結婚、子女無し。 ・継室…仁穆王后金氏(インモクワンフキムシ)…生没:1584年~1632年(48歳没)、1602年結婚。 ①貞明公主(ジョンミョンコンジュ)…生没:1603年~1685年(82歳没)→ドラマ「華政」(ファジョン)のヒロイン。 ②永昌大君(ヨンチャンデグン)…生没:1606年~1614年(8歳没)、宣祖が54歳の時に生まれた末子で唯一の嫡出子。 ・第一側室…恭嬪金氏(コンビンキムシ)…生没:1553年~1577年(24歳没)。 ①臨海君(イメグン)…生没:1572年~1609年(37歳没)。 ②光海君(クァンヘグン)…生没:1575年~1641年(66歳没)→第15代王。 ※第15代王・光海君(クァンヘグン)…生没:1575年~1641年(66歳没)、在位:1608年~1623年(33歳~在位15年間~廃位後18年)。 ・第二側室…仁嬪金氏(インビンキムシ)…生没:1555年~1613年(58歳没)。 ①義安君(ウィアングン)…生没:1577年~1588年(11歳没)。 ②信城君(シンソングン)…生没:1578年~1592年(14歳没)。 ③定遠君(チョンウォングン)…生没:1580年~1619年(39歳没)→第16代王・仁祖の父。 ※第16代王・仁祖(インジョ)…生没:1595年~1649年(54歳没)、在位:1623年~1649年(26年間)。 |
秋の8K | ◆気象における「秋の8K」とは? ・秋の8K…小春日和・紅葉・乾燥・気温差(寒暖差)・花粉・木枯らし(強風)・霧・黄砂。 ※出典:テレビ朝日 「グッド!モーニング」(2023/10/24(火)放送)。 |
春の5K、7K | ◆気象における「春の5K」とは? ・春の5K…乾燥・花粉・黄砂・強風・気温差(寒暖差)。 ・春の5K…乾燥・花粉・黄砂・強風・火事。 ・春の5K…乾燥・花粉・黄砂・強風・快晴。 ※出典:テレビ朝日 「グッド!モーニング」お天気検定(2019/02/27(水)放送)、他。 ◆気象における「春の7K」とは? ・春の7K…乾燥・花粉・黄砂・強風・気温差(寒暖差)、雷、高温。 ※出典:テレビ朝日 「グッド!モーニング」(2019/04/05(金)放送)。 |
アンガーマネジメント(Anger management) | ◆「アンガーマネジメント」(Anger management)とは、怒りを予防し制御する為の心理療法プログラムであり、怒りを上手く分散させる事が出来ると評価されている。 ・怒りはしばしばフラストレーション(欲求不満)の結果であり、また自分にとって大事なものを遮断されたり妨害された時の感情でもある。 ・怒りはまた、根底にある恐れや脆弱感に対する防衛機制でもある。 ◆アンガーマネジメント・プログラムでは、怒りは定義可能な理由によって生じる、論理的に分析可能な強い感情であり、適切な場合には前向きに捉えて良いものだと考えられている。 ・「怒りは誰もが経験する感情だ。怒りが重大な懸念事項となるのは、それがあまりにも頻繁に、強烈に、長い時間、発生し続ける場合だけだ。」…レイモンド・W・ノヴァコ、Raymond Novaco、1984年。 ※参考:日本アンガーマネジメント協会、日本心理学アカデミーのアンガーマネジメント。 |
終助詞「よ」「よね」「ね」再考 (A Study of Ending Particles "yo" "yone" "ne") |
◆普段使用している言葉の中から、終助詞「よ」「よね」「ね」について、愛知学院大学・教養部の伊豆原英子氏の論文によると、以下の様に抄録されている(収録刊行物:愛知学院大学教養部紀要)。 ・終助詞「よ」「よね」「ね」のこれまでの研究は、三者を統一的に見たものは少なく、二者間の差異、または意味・機能を同じくする他の領域の語群との差異を明らかにするものが多かった。本稿は、終助詞「よ」「よね」「ね」三者の機能を統一的にとらえようとした点が従来の研究と異なる。本研究で明らかになったことは次の点である。 (1)「よ」「よね」「ね」は共に、話し手の認識の受け入れを聞き手に求める話し手の発話態度を表すものであるが、違いはその手続きにある。つまり、 ○「よ」は、聞き手の認識に働きかけて何らかの変化を促したり、そのことによって何らかの行動を促そうとするものである。 ○「よね」は、話し手の認識が聞き手の認識でもあるかを聞き手に確認するという過程をとることで、話し手の認識領域に聞き手を引き入れようとするものである。 ○「ね」は、話し手の認識を聞き手が受け入れることを当然とみなし、聞き手の同意を求めるという過程をとることで、話し手の認識領域に聞き手を引き入れようとするものである。 (2)終助詞「ね」と「よ」は共に、聞き手への効果的な伝達を保証する為に使われるものである。両者は、聞き手の持つ情報への配慮は当然なされるものの、「ね」と「よ」の使用を決定付けるのは、まさに話し手の伝達態度である。 ○「ね」は、共通認識領域・共感領域を形成し、そこに立って共感的に話を進める事で伝達を保証しようとするものである。 ○「よ」は、聞き手の注意を喚起し、状況に従った判断を促す事で伝達を保証しようとするものである。 ※出典:「CiNii Articles」(学術論文データベース)、2018/09/23。 ※「CiNii」(サイニィ、Citation Information by NII)は、国立情報学研究所(NII、National institute of informatics)が運営する学術論文や図書・雑誌等の学術情報データベース。「CiNii Articles」(学術論文データベース)「CiNii Books」(総合目録データベース)「CiNii Dissertations」(博士論文データベース)の3つのデータベースからなる。 |
シリコンバレーの仕事の進め方 | ◆シリコンバレーには、仕事の進め方に一定の「型」(手法)がある。 ①デザイン思考(Design thinking)…デザイナーが構想の初期段階から参画し、新たなビジネスモデルを作り出す手法。顧客の潜在的なニーズを探り当て、素早く商品を投入していく為の仕事術と換言しても良い。 ②アジャイル開発(Agile development) ③リーンスタートアッブ(Lean startup) ④オープンイノベーション(Open innovation) ◆シリコンバレーの流儀は、視察だけでは身に付かない。海外では、日本企業の事を「4L」と揶揄する向きもある。 ①Look(ルック)…視察し、 ②Listen(リッスン)…話を聞き、 ③Learn(ラーン)…学ぶだけで、 ④Leave(リーブ)…帰ってしまう。 と云う姿勢を皮肉った言葉。 ※出典:日経ビジネス2018年4月9日号「PROLOGUE ニュースを突く パナ・ホンダがデザイン思考を学ぶ理由 企業経営」 山川 龍雄(日経BPの編集委員兼BSジャパンのニュースキャスター)。 |
マックジョブ(McJob) | ◆「マックジョブ」(McJob)とは、低地位・低賃金・単調・重労働(長時間労働、過剰な疲労を伴う労働)の職種を賎(いや)しめて云う造語。 ・文字通り、「マクドナルド(ハンバーガーショップ)の様な仕事」を指す造語で、米国等では、「低賃金で必要な技術レベルが低く将来性のない仕事」と云うネガティブな意味で使われる。 ・この言葉は、1986年8月に米ワシントン・ポスト紙が初めて見出しとして起用。1993年に、ジョージ・リッツァ(米社会学者)がマックジョブの増加に警鐘を鳴らす著書『マクドナルド化する社会』を出版すると、米国社会全体に普及し、辞書(オックスフォード英語辞典)に掲載される程知られる様になった。 ◆一般用語として、マックジョブを「答えを導く為の方法論が分かっている、多くの人が出来る定型的な仕事」と定義したい(日経ビジネス)。 ※出典:日経ビジネス2018年2月19日号「特集 社員(アナタ)の賞味期限 増える「歳だけ重ね人材」 PART2.持て余されるプロパー社員「歳だけ重ね人材」量産のメカニズム」。 |
仕掛学(Shikakeology) | ◆「仕掛学」(Shikakeology、シカケオロジー)は、思わず行動したくなる様な「仕掛け」を設けて間接的に人の行動を変え、結果として問題を解決しようとするもの。 ・人の行動を変える「仕掛け」(人の行動を変えるトリガー)を対象にした新しい学問分野。 ・例えば、長時間残業の是正をトップダウンで呼び掛けたり、ポイ捨て禁止の張り紙をしたりする等、“正攻法”を講じても効かない場合は少なくない。頭で分かっていても行動変容に繋がらない場合に、仕掛けは有望なアプローチとなる。 ◆仕掛けを定義する「FAD要件」(思わず行動を促す仕組みを提供) ①Fairness(公平性)…誰も不利益をこうむらない。 ②Attractiveness(誘引性)…行動が誘われる。 ③Duality of purpose(目的の二重性)…仕掛ける側の目的(解決したい問題)と仕掛けられる側の目的(思わず行動する理由)が異なる。 ◆仕掛学は、リチャード・セイラー(米シカゴ大学の教授、2017年にノーベル経済学賞を受賞)が提唱する行動経済学の「ナッジ」に似ている。 ・「ナッジ」(Nudge)とは、「肘で軽くつつく」と云う意味。行動経済学において、人は合理的に判断する「エコン」(Ekong)と、必ずしも合理的ではない「ヒューマン」(Human)に分類される。これに対し仕掛学は、楽しくてつい反応してしまう「ホモ・ルーデンス」((Homo Ludens、遊ぶ人)を対象としたものと云える(2018年3月に開催される第3回仕掛学研究会で発表予定)。 ※出典:日経ビジネス2018年2月19日号「気鋭の経済論点」 松村 真宏(大阪大学大学院経済学研究科の教授、工学博士)。 |
フェルミ推定(Fermi estimate)とフェルミのパラドックス(Fermi paradox) | ◆「フェルミ推定」(Fermi estimate)とは、実際に調査するのが難しい様な捉え所のない量を、幾つかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算する事を指す。 ・「フェルミの問題」(Fermi problem/question/quiz)「オーダーエスティメーション」「封筒裏の計算」とも。 ・この言葉は、エンリコ・フェルミ(イタリアの物理学者、1938年にノーベル物理学賞を受賞)に由来する。フェルミはこの手の概算を得意としていた。 ・フェルミ推定は、コンサルティング会社や外資系企業等の面接試験で用いられる事がある他、欧米では学校教育で科学的な思考力を養成する為に用いられる事もある。 ◆「フェルミのパラドックス」(Fermi paradox)とは、エンリコ・フェルミ(物理学者)が最初に指摘した、地球外文明の存在の可能性の高さと、その様な文明との接触の証拠が皆無である事実の間にある矛盾の事である。 ・フェルミ推定という語句が日本に入って来たのは、『広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由-フェルミのパラドックス』(2004/06/01)が最初だろうと、細谷功(ビジネスコンサルタント)は述べている。 ※出典:TBSテレビ 「東大王」(2018/02/04(日)放送)。 |
トゥキディデスの罠(ツキジデスの罠、The Thucydides Trap) | ◆「トゥキディデスの罠」(ツキジデスの罠、The Thucydides Trap)は、トゥキディデス(ツキジデス、古代ギリシア・アテナイの歴史家)に因む言葉で、戦争が不可避な状態まで従来の覇権国家と、新興の国家がぶつかり合う現象を指す。 ・トゥキディデス(ツキジデス、古代ギリシア・アテナイの歴史家)が『戦史』で、紀元前5世紀に新興国アテネと覇権国スパルタが衝突したペロポネソス戦争を分析した事に因んだもの。 ・古代ギリシア当時は、アテネが台頭し、覇権を握るスパルタの間で長年に渡る戦争が勃発。転じて、急速に台頭する大国が既成の支配的な大国とライバル関係に発展する際に、それぞれの立場を巡って摩擦が起こり、当初はお互いに望まない直接的な抗争に及ぶ様子を表現したもの。 ◆「トゥキディデスの罠」は、グレアム・アリソン(米ハーバード大学の教授、政治学者)が提唱した造語で、覇権国と台頭する新興国は必ず衝突し、戦争が起きる可能性が高いと云う警告。 ・アリソン教授によれば、過去500年間に起きた16事例の主な覇権争いの内、戦争を回避出来たのは4つのみ。覇権争いがが起きると、実に75%の確率で戦争に陥っていると云う事。 ※2018/02/05。 |
企業経営者が取るべき危機対応の五カ条 | ◆不祥事に直面した時こそトップの「質」が問われる。その時、企業経営者が取るべき危機対応の五カ条。 ①トップが自ら迅速に動く。 ②情報開示は全ての基本。 ③利害関係者(ステークホルダー)に寄り添う。 ④謝罪の流儀を真摯に学ぶ。 ⑤過去の教訓を肝に銘じる。 ※出典:日経ビジネス2017年12月18日号「特集 謝罪の流儀2017 PART3.経営者が胸に刻むべき5カ条 トップが危機に向き合う窮地を救った裏舞台とは」。 |
中所得国のわな | ◆「中所得国のわな」とは、高所得国へ移行する段階で、経済成長が失速してしまうリスクを指す。 ・安い労働力や外資の誘致等をてこに経済成長を達成した中所得国が、産業構造の高度化や技術の革新等で困難に直面。時間の経過と共に成長が鈍化し、高所得国への移行が困難になると云う概念。 ※2017/12/04。 |
ジップ効果(ジフ効果、Zipf's law) | ◆「ジップ効果」(ジフ効果、Zipf's law)は、ジョージ・キングズリー・ジップ(米ハーバード大学の言語学教授)が発見した法則。 ◆英語と云う言語において出現頻度がナンバーワンの単語は、ナンバー10に位置する単語の10倍利用されており、出現頻度100番目の単語は、ナンバーワンの100分の1しか使用されない事を発見。 ・ビジネスの現場にも応用されている例として、「ナンバーワン企業の売上高は、ナンバー10に位置する企業の100培」と云う。要するに、「高い順位に位置付けられた企業、店舗、商品程、加速度的に高い成果を得られる可能性がある」と云う関係を示唆している。 ・情報が氾濫している社会では、ランキングと云う口コミの集成が購買の意思決定において大きな指針になる為、あらゆる企業は各種のサイトを戦略的手段として重視している。 ※出典:リテールマーケティング トレンド・トピックス〔戦略編〕2級用販売士更新テキスト(編集:日本商工会議所・全国商工会連合会編、発行日:2016年(平成28年)8月1日第9版)P.46、2017/11/24(金)。 |
メラビアンの法則(the rule of Mehrabian) | ◆「メラビアンの法則」(the rule of Mehrabian)とは、感情や態度に矛盾したメッセージが発せられた時の人の受け止め方について、人の行動が他人にどう影響を及ぼすかと云う実験から得られた割合を示す俗流解釈である。 ◆実験では、話の内容等(言葉)の言語情報7%、口調や話の早さ等(声の調子)の聴覚情報38%、見た目等(態度や表情)の視覚情報55%、と云う結果であった。 ・この割合からメラビアンの法則は、「7-38-55のルール」と云われている。 ・「言語情報=Verbal」「聴覚情報=Vocal」「視覚情報=Visual」の英語の頭文字を取って「3Vの法則」とも。 ※出典:リテールマーケティング トレンド・トピックス〔戦略編〕2級用販売士更新テキスト(編集:日本商工会議所・全国商工会連合会編、発行日:2016年(平成28年)8月1日第9版)P.73、2017/11/24(金)。 |
日本語の種類 | ◆日本語は、その生い立ちから、3つに分類される。 ①大和言葉 …和語。日本固有の言葉で、柔らかく、美しい響きが特徴である。平安時代に宮中で使われた雅(みやび)な言葉を指す事もあるが、一般には漢語と外来語を除いた日本語の語彙を指す。 ②漢語 …中国語から採り入れられた言葉や、漢字の字音で構成される語彙。漢字を組み合わせて自在に新しい言葉を生み出せる為重宝だが、大和言葉より響きが強く、やや硬い印象を受ける。 ③外来語 …中国以外の国々から採り入れた言葉。横文字で、一般にはカタカナで表記する。古くはオランダ、ポルトガルから、明治以降はイギリス、アメリカ、ドイツ、フランス等から大量に伝来した。 ※出典:リテールマーケティング トレンド・トピックス〔実務編〕3級・2級共用販売士更新テキスト(編集:日本商工会議所・全国商工会連合会編、発行日:2016年(平成28年)8月1日第9版)P.70、2017/11/24(金)。 |
IT人材の日米比較 | ◆IT人材の所属組織の日米比較。 ・日本のIT人材はベンダーに偏り、人数も不足。 ・日本…IT企業に所属:72%、752,600人、それ以外の企業に所属:28%、292,600人、合計1,045,200人。 ・米国…IT企業に所属:35%、1,453,300人、それ以外の企業に所属:65%、2,741,810人、合計4,195,110人。 ※出典:情報処理推進機構「IT人材白書2017」@日経ビジネス2017年11月13日号「特集 失敗の法則 PART3.動かぬ基幹システム」。 |
プロジェクト問題 | ◆プロジェクトが止まる5つの理由。 ①甘い見込みが諸悪の根源。 ②自前主義へのこだわり。 ③人財育成システムの断絶。 ④現場と経営の情報乖離。 ⑤第一人者と云う強い自負。 ◆プロジェクトを止めない5つの教訓 ①納期厳守が費用回収の条件。 ②外部人材の積極的な登用。 ③現場の劣化を直視する。 ④良い報告こそ疑ってかかる。 ⑤経験主義からの脱却。 ※出典:日経ビジネス2017年11月13日号「特集 失敗の法則 PART4.プロジェクトを止めない5つの教訓」。 |
新経営リスク | ◆日経ビジネス(日経BP社)が考える6つの新経営リスク。 ①社会のモラルハザードが生んだ「無責任な取引先」 ②技術革新が生んだ「ネットの悪評」(事実無根のネットの悪評) ③権利過剰時代が生んだ「モンスター顧客」(しつこいモンスター顧客) ④国の財政難が生んだ「当局の理不尽な見解」 ⑤グローバル化が生んだ「海外の模倣企業」(利益を奪う海外の模倣企業) ⑥悪意と知識を持つ「問題社員」 →何れも甘く見ると、会社が窮地に陥る危険な相手になる可能性がある。 ※出典:日経ビジネス2017年11月6日号「特集 それは訴えてもムダ「勝てる裁判」「負ける裁判」」。 |
主な評価バイアス(Bias) | ◆人対人の評価には、バイアス(Bias)がつきもの。 ①ハロー効果…特に優れた点や劣った点に目がくらむ。 ②対比誤差…得意分野に厳しく、知らない分野は当たり障りなく。 ③遠近効果…評価時点により近い取組みを重視する。 ④逆算化傾向…全体的な印象に基づき個別項目の帳尻を合わせる。 ⑤寛大化傾向…評価能力に自信がない為に甘くなる。 ⑥厳格化傾向…被評価者の業務内容を知っている為に厳しくなる。 ⑦中心化傾向…評価に差を付ける事をためらう。 ⑧分散化傾向…評価に極端な差を付ける。 ※出典:江夏 幾太郎(名古屋大学大学院経済学研究科の准教授)、2017/10/23。 |
中国古典の兵法 | ◆孫子(そんし)の兵法…敵の力を利用したり、敵方に間者(スパイ)を送れと説く、実戦向きの兵法。 ・中国春秋時代(紀元前500年頃)の軍事思想家の孫武の作とされる兵法書。武経七書の1つ。古今東西の兵法書のうち最も著名なものの1つ。紀元前5世紀中頃~紀元前4世紀中頃あたりに、成立したと推定されている。 ・『孫子』以前は、戦争の勝敗は天運に左右されると云う考え方が強かった。孫武は戦争の記録を分析・研究し、勝敗は運ではなく人為による事を知り、勝利を得る為の指針を理論化して、本書で後世に残そうとした。 ・『呉子』に比して『孫子』の方は、戦略や政略を重視している為、近代戦にまで応用出来る普遍性により世界的に有名になっている。 ◆呉子(ごし)の兵法…兵の育成を勧めている。兵を育て軍を強くするのは時間と金がかかる。 ・春秋戦国時代に著されたとされる兵法書。武経七書の1つ。古くから『孫子』と並び評されていた。しかし著者ははっきりとしない。中身の主人公でもある呉起またはその門人が著者であると云われるが、定かではない。 ・内容は、呉起を主人公とした物語形式となっている。部隊編制の方法、状況・地形毎の戦い方、兵の士気の上げ方、騎兵・戦車・弩・弓の運用方法などを説いている。 ・『孫子』と並び評される兵法書であるとされるが、後世への影響の大きさは『孫子』程ではない。これは内容が春秋戦国時代の軍事的状況に基づくものであり、その後の時代では応用が出来なかったのが原因であると云われる。 ◆韓非子(かんぴし)…人の心を読む術(すべ)が書かれている。 ・中国戦国時代の法家である韓非の著書。内容は、春秋戦国時代の思想・社会の集大成と分析とも云えるものである。 ・後世では、蜀漢の丞相の諸葛亮が、幼帝劉禅の教材として韓非子を献上している。 ◆論語(ろんご)…人の心を治めるにはどうすべきか、どうしたら良いか、が書かれている。 ・孔子と彼の高弟の言行を孔子の死後、弟子達が記録した書物である。『孟子』『大学』『中庸』と併せて儒教における「四書」の1つ。 ※出典:テレビ東京 「奇皇后 ふたつの愛 涙の誓い」の第24話(2017/07/18(火)放送)。 |
「一斗二升五合」と「春夏冬二升五合」 | ◆「一斗二升五合」は、「御商売益々繁盛」と云う意味。 ・「一斗」…「一斗は十升で、五升の倍」→『御商売』 ・「二升」…「升(しょう)は升(ます)とも読み、二升(しょう)は升(ます)が二つ」→『益々』 ・「五合」…「一升の半分で、半升(はんじょう)」→『繁盛』 ◆「春夏冬二升五合」は、「商い益々繁盛」と云う意味。 ・「春夏冬」…「秋」が無いから「あきない」→『商い』 ※2017/05/18。 |
組織の成功循環モデル | ◆「組織の成功循環モデル」とは、組織に成功をもたらす基本的な考え方である。 ・ダニエル・キム(米マサチューセッツ工科大学の教授)が考案・提唱したもので、組織が成果を上げ続け、成功に向かう過程やしくみを明らかにしたもの。 ・成功や成果と云った組織としての“結果の質”を高める為には、一見遠回りに思えても、組織に所属するメンバー相互の“関係の質”をまず高めるべきである。 ・組織の循環モデルには、「バッドサイクル」と「グッドサイクル」がある。 ◆「バッドサイクル」は、結果だけを求め、「結果の質」を向上させ様とする事から始める。しかし、中々成果が上がらず「結果の質」が低下すると、対立や押し付け、命令が横行する様になり、「関係の質」が低下する。時には一時的に成果が上がるかもしれないが、それはメンバーが追い詰められた状態で出した成果にすぎないので、持続せず、結局同じサイクルに入ってしまう。 ①成果・業績が上がらない(結果の質) ②対立が生じ、押し付け、命令・指示が増える(関係の質) ③創造的思考がなくなる、受け身で聞くだけ(思考の質) ④自発的・積極的に行動しない(行動の質) ⑤更に成果が上がらない(結果の質) ⑥関係がより悪化する、なすり合い、自己防衛(関係の質) ・「関係の質」が悪化すると、メンバーは考える事を止め、受け身になってしまい、仕事がつまらないと感じ、「思考の質」が低下する。受け身なので、当然自発的・積極的に行動しなくなり、「行動の質」が低下して成果が上がらなくなる、つまり「結果の質」が更に低下する。 ◆「グッドサイクル」は、「関係の質」を高める所から始める。「関係の質」を高めるとは、相互理解を深め、お互いを尊重し、一緒に考える事である。ここから始めると、メンバーは自分で気付き、面白いと感じる様になり、「思考の質」が向上する。面白いと感じるので、自分で考え、自発的に行動する様になり、「行動の質」が向上する。その結果として「結果の質」が向上し、成果が得られ、信頼関係が高まり、「関係の質」が更に向上する。 ①互いに尊重し、結果を認め、一緒に考える(関係の質) ②気付きがあり、共有され、当事者意識を持つ(思考の質) ③自発的・積極的にチャレンジ・行動する(行動の質) ④成果が出て来る(結果の質) ⑤信頼関係が高まる(関係の質) ⑥もっと良いアイデアが生まれる(思考の質) ・「関係の質」の大切さを理解せずに、「結果の質」だけを求めていると、部下との信頼関係を築けず、どんなに努力しても組織として結果を出せないという状況になる。 ※2017/04/24。 |
細胞の新陳代謝 | ◆人間の細胞の新陳代謝について ・小腸上皮細胞…24時間 ・胃腸…5日 ・心臓…22日 ・肌…28日(1ヵ月) ・肝臓や筋肉…60日(2ヵ月) ・骨…90日(3ヵ月) ・血液(赤血球)…120日(4ヵ月) ・爪…6ヵ月(半年) ・毛髪…2年~6年 →細胞の新陳代謝が正常であれば、身体は3ヵ月で新しく生まれ変わる事になる。 ※出典:太陽堂薬局(相模原市)「新陳代謝はどれくらいのスピードサイクル?」、2017/01/06。 |
経営陣開発の考え方 | ◆経営陣開発の考え方としては、育成段階からチームを前提に考える事が肝要。 <内容> <従来型> ⇔ <チーム型> ・幹部経営層の登用 徐々に入れ替え(社長だけに経験が溜る構造)⇔任期を共有(経営陣全体に経験が溜る構造) ・経営陣の議論の場 決める為の議論(全社・長期的判断を社長に依拠)⇔視座を高める為の議論(経営陣全体が全社・長期的判断に関与) ・次世代への継承 社長から社長(次期社長の力量次第となる一元的継承)⇔経営陣から経営陣へ(複数経営人材への多元的継承) ※出典:野村総合研究所@日経ビジネス2016年12月26日号「特集 私の経営リレー論」。 |
ライオン㈱の企業スローガン | ◆ライオン㈱の企業スローガンに「今日を愛する。」と云うものがある。 ・一日一日を大切に生きる事、その中で充実した瞬間を持つ事の大切さを込めた言葉。 ・換言すれば、集中すべきなのは、「過去」でも「未来」でもなく、「今日」だと云う事でもある。 ・人は、つい過去の失敗にクヨクヨしたり、未来を心配し過ぎたりと云う事をしがちである。勿論、過去を反省したり未来を想像したりする事は必要ですが、最も重要なのは今を大切にする事である。 ◆「今に集中する」…過去や未来に執着せず、「今」に集中すべし。 ・人生は、先を予想出来ないから、困難に直面すると誰しも迷い、右往左往してしまう。でも厳しい状況下である程、心を無にして今に集中し、決断した事を勇気をもって実行する。 ※出典:藤重 貞慶(ライオン㈱の相談役)、2016/10/31。 |
エンゲージメントの度合い | ◆主な国の社員の会社への信頼や仕事への熱意(=エンゲージメント、Engagement)の2015年調査結果は、日本は他国と比べ「やる気」(エンゲージメントの度合い)が低い。 ・インド…71% ・中国…70% ・米国…64% ・ロシア…64% ・韓国…58% ・ドイツ…57% ・英国…57% ・フランス…55% ・日本…39% ※出典:エーオンヒューイット、2016/10/31。 |
NIMBY(ニンビー) | ◆NIMBY(ニンビー)とは、英語の"Not In My Back Yard"(我が家の裏には御免)の略語で、「施設の必要性は認めるが、自らの居住地域には建てないでくれ」と主張する住民達や、その態度を指す言葉である。 ・正確には、「NIMBY症候群」を云う。 ・日本語では、これらの施設について「忌避施設」「迷惑施設」「嫌悪施設」等と呼称される。 ◆総論賛成各論反対の人…「NIMBY主義者」と云う場合もある。 ※2016/10/31。 |
日本の電柱 | ◆日本の電柱の本数…約3,550万本。年間に7万本ずつ増加。 ◆無電柱化率 ・フランスの首都パリ、イギリスの首都ロンドン、中国・香港…100% ・米国のニューヨーク…80%以上 ・韓国の首都ソウル…50%弱 ・インドネシアの首都ジャカルタ…30%前後 ・日本の首都東京…5%、東京23区に限定…7% ◆無電柱化のコスト ・電柱の地中化のコストは、電柱を使用した場合の10倍。 ・1km当たりのコスト(試算)は、4億円~5億円。 ※出典:鈴木 茂晴(大和証券グループ本社の会長)、2016/10/24。 |
マインドフルネス(mindfulness) | ◆「マインドフルネス」(mindfulness)は、今現在において起こっている内面的な経験及び外的な経験に注意を向ける心理的な過程である。瞑想及びその他の訓練を通じて開発する事が出来る。 ・マインドフルネスの語義として、今この瞬間の自分の体験に注意を向けて、現実をあるがままに受け入れる事であるとか、特別な形で、意図的に、評価や判断とは無縁に、注意を払う事である、と云った説明がなされる事もある。 ・マインドフルネスと云う用語は、パーリ語のサティ(sati)の翻訳であり、サティは幾つかの仏教の伝統における重要な要素である。近年の西洋におけるマインドフルネスの流行は、概してジョン・カバット・ジン(マサチューセッツ大学医学大学院の教授、マサチューセッツ大学マインドフルネスセンターの創設所長)によって起こされて来たと考えられている。 ◆幾つかの定義付け ●越川房子氏(早稲田大学文学学術院の教授、日本マインドフルネス学会の理事長)によれば、「マインドフルネス」(mindfulness)とは、簡単に云えば、“今を大切にする”と云う事。私達は、過去の嫌な出来事を思い出したり、未だ分からない未来の事を思い煩(わずら)って病気になったりする。幸せに生きるには、そうした過去や未来のしがらみから離れる事が大切なのである。 ●ジョン・カバットジン博士(MITマインドフルネスセンターの所長)は、「今と云う瞬間に、余計な判断を加えず、自分の人生が係っているかの様に真剣に、意識して注意を向ける事」と定義している。 ●「マインドフルネス」は、仏教の教えに根ざしたもので、悟りを開く為に大変重要なものだと考えられている。「悟り(菩提)」とは、欲、憎悪、迷い(無明、パーリ語ではmoha)を克服し、放棄し、心から取り去った状態の事。中でも「マインドフルネス」は、(特に、今と云う瞬間の)物事の本質に対する気付きであり、迷いへの解毒剤であり、ある種の「力」(パーリ語ではbala)である、と考えられている。こうした能力が特に力を発揮するのは、今起きている事に対する明確な理解(正知、若しくは「自己への気付き」)と相まった時である。 ●エレン・ランガー博士(米ハーバード大学の教授、心理学者)は、これとは微妙に異なる西洋心理学的な観点から「マインドフルネス」の定義には、重要なものとして以下の様な属性が含まれている、と説明している。 ①常に新しいカテゴリーを創造する…旧来の分類方法やレッテルに捉われる事なく、状況や文脈に注意を払い、新たな特徴を見出す事が出来る。 ②新たな情報を積極的に受け入れ、物事を様々な視点から捉える…カテゴリーを創造出来るだけでなく、常に新たな情報を受け取り、新たな可能性に対してオープンになる事も意味する。 ③結果よりも過程を重視する…結果についてあれこれ心配するのでなく、ひとつずつのステップに意識の焦点を当てる状態である。 つまり、「マインドフルネス」とは、全ての経験に焦点を合わせ、より意識的になる事である。 ◆「マインドフルネス」の類義語は、「自覚、気付き、集中、覚醒」等と言い換えられる。反対語は、単に「マインドレスネス」(思慮のない事)だけではなく、「注意散漫、ぼんやり、集中力欠如」等も当てはまる。 ※2016/10/17。 |
◆「マインドフルネス」(mindfulness)とは、現在において起こっている経験に注意を向ける心理的な過程であり、瞑想(メディテーション、meditation)、及びその他の訓練を通じて発達させる事が出来るとされる。 ・日本マインドフルネス学会の定義として、マインドフルネスを「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」とし、「観る」とは、見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触れる、更にそれらによって生じる心の働きをも観る、と云う意味としている。 ・とりわけ新しい考え方では無く、東洋では瞑想の形態での実践が3000年程あり、仏教的な瞑想に由来している。 ◆「マインドフルネス」(mindfulness)とは、意図を持って、評価や判断を手放して、今の瞬間に注意を払う事から、湧き上がる気付きの状態(アウェアネス、awareness)と云う語義で説明がされている。 ・1979年に、ジョン・カバット・ジン(マサチューセッツ大学医学大学院の教授(博士)で、同大マインドフルネスセンターの創設所長)が、臨床的な技法としてMBSR(Mindfulness Based Stress Reduction、マインドフルネスストレス低減法、マインドフルネスストレス緩和プログラム)をマサチューセッツ大学の医療センターで開発した。 …8週間のマインドフルネス瞑想法では、扁桃(へんとう)体の反応が緩やかになり、海馬と前頭前野(学習、思いやり、内省等を司る脳部位)が活性化し、ストレス軽減・能力アップしたと云う科学的裏付けがある(Sara Lazar, Ph.D.他 2010University of Massachusetts Medical School)。 ◆メディテーション(mindfulness)とマインドフルネス(mindfulness)の違い ・「メディテーション」(meditation)は、精神を集中させる為のトレーニングであり、具体的な方法として瞑想がある。 ・「マインドフルネス」(mindfulness)は、現在起こっている事柄や行動に対し、意識を集中させる行為を指す。 ・両者の違いを一言で表すとすれば、メディテーション(瞑想)の最中に実践する行為が、マインドフルネスと云える。即ち、両者は密接に関連しており、メディテーション(瞑想)を習得する事で、マインドフルネスの効果も得られると云う。 ※出典:NHK総合テレビ 「あしたが変わるトリセツショー」(2024/07/11(木)放送)、リクルートマネジメントソリューションズ 人材育成・組織開発サービスサイト お役立ち情報・用語集、他。 |
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蛻変(ぜいへん)の経営 | ◆「蛻変(ぜいへん)の経営」とは、明治大学の籐芳誠一元教授(1995年3月31日退任)が、変化社会における企業の自己変革、経営革新こそ、企業の蛻変の姿であるとして、これを企業生存の鉄則として「蛻変の経営哲学」として説いたもの。つまり、企業がその時々の環境の変化に応じて経営のやり方を変えていく事を「蛻変の経営」としている。 ・蝉(セミ)と云う自然的生物は、「蛻変」(注)を与えられた環境条件の下で、本能的現象として行っている。 ・しかし、企業と云う社会的生物(怪物)は、「蛻変」を変化する環境の中で意識的に行わなければならない。 (注)「蛻変」(ぜいへん)とは、蝉の卵が幼虫になり、蛹(さなぎ)になり、羽化して成虫になっていく様を云うが、その都度脱皮を繰り返し形を変化させるので、こう云われている。 ※出典:㈱日本アクセスの田中 茂治会長、佐々木 淳一社長、2016/10/10。 |
ベーシックインカム(Basic Income) | ◆「ベーシックインカム」(Basic Income)とは、政府が国民全員に無条件で、生活に最低限必要な現金を支給する政策。 ・「基礎所得保障」「基本所得保障」「最低生活保障」「国民配当」とも。また"Basic income"(基本的な収入)の頭文字をとって、単に“BI”とも。 ・政府が性別、年齢、就労、資産の有無に拘わらず無条件で、全ての国民(個人)に対して、生活に最低限必要な所得(金額)を無条件に給付すると云う社会政策の構想。 ・最低限所得保障の一種で、政府が全ての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている現金を無条件で定期的に支給すると云う構想。 ・フィリップ・ヴァン・パレース(ベルギーの哲学者、政治経済学者)が代表的な提唱者であり、弁護者である。 ・社会保険や公的扶助等の従来の所得保障制度が何らかの受給資格を設けているのに対して、無条件で給付する点、また生活保護や税制における配偶者控除等の世帯単位の給付制度もある中で、個人単位を原則とする点が特徴である。 ・ヨーロッパでは18世紀末から議論されて来たが、日本でも新しい社会保障の考え方として近年、急速に関心が高まり、一部政党のマニフェストにも採用された。 ※2016/09/26。 |
男性の退職年齢 | ◆経済協力開発機構(OECD)の2014年統計による男性の退職年齢。 ・日本…67.6歳 ・フランス…59.8歳 ・ドイツ…62.7歳 ・米国…64.7歳 ・中国…54歳 ※2016/09/19。 |
夫源病(ふげんびょう) | ◆夫源病(ふげんびょう)とは、夫の何気ない言動(言葉や行動)に対する不平や不満がストレスとなって溜まり、妻の心身(心や身体)に様々な症状(めまいや頭痛)を引き起こす病気の事。 ・読んで字の如く、夫が源(原因)となって、妻の心身が不調になる病気で、医学的な病名ではない。 ・石蔵 文信氏(大阪樟蔭女子大学の教授)が、男性更年期外来で中高年の夫婦の患者さんを診察する中で気付き、命名した。 ・コミュニケーション不足と役割分担が上手くいっていない事が問題、と云われている。 ※2016/09/19。 |
パーフェクト・ストーム(Perfect storm) | ◆「パーフェクト・ストーム」(Perfect storm、究極の嵐)とは、複数の厄災が同時に起こり、破滅的な事態に至る事。 ・2008年に、世界中に広がった経済危機の震源地となった米国の金融恐慌(リーマン・ショック、Lehman shock、世界金融危機)を例える言葉。 ・アメリカ合衆国のバラク・オバマ大統領は、テレビ番組のインタビューの中で、"We are in a perfect storm of financial problems."(我々は、金融危機と云うパーフェクト・ストームの真っただ中にいる)と述べている。 ・1991年に、北大西洋上で三つの嵐が重なり、その巨大な高波に襲われた漁船の運命を描いたノンフィクション小説、及び同名の映画作品のタイトルとして用いられ、広く使われる様になった。 ※2016/06/20。 |
刑事裁判の大原則 | ◆刑事裁判の大原則は、「10人の真犯人を逃(のが)すとも、1人の無辜(むこ、罪の無い事)を罰するなかれ」。 ・この法格言は、刑事手続きにおいて、最も重視されなければならない言葉である。現代の刑事裁判では、冤罪(罪が無いのに罰せられる事)が発生しない様に、慎重に捜査・審理がなされる事を目的として、様々な制度(例えば、三審制、再審制度、等)が用意されているが、それでも、冤罪の発生を防ぐ事が出来ていない。 ◆実際の国民の感情 ・「1人の無辜(むこ、罪の無い事)を罰しても、10人の凶悪犯を野に放つ事なかれ」。 ※出典:TBSテレビ 日曜劇場「99.9 -刑事専門弁護士-」(2016/06/12(日)放送)。 |
ベイズ統計学(Bayesian Statistics) | ◆「ベイズ統計学」(Bayesian Statistics)は、18世紀イギリスの確率論研究家トーマス・ベイズが提案した「ベイズの定理」と呼ばれる逆確率計算法を基礎にした統計学の体系である。 ・ベイズ確率とは、ベイズ主義による「確率」の考え方(およびその値)を指す。即ち、複数の命題の各々の尤もらしさ(或いは、その根拠となる信念・信頼の度合)を確率値と見做す。主観確率理論の1つである。 ・「2度ある事は、きっと3度ある」と考える人を正当化する確率論。 ・現在、本場アメリカの統計学者の半分近くは、ベイズ主義統計学者(ベイジアン)であると云われている。 ◆一般の統計学の体系(検定、推定等)は、統計学史的に云うと「ネイマン・ピアソン理論」と云われ、20世紀の統計的品質管理の考え方を統計理論に仕立てたものである。 ・頻度論は、ロナルド・フィッシャー以降の推計統計学等で前提とされる「頻度主義」、即ち、ランダムな事象が生起・発生する頻度をもって「確率」と定義する考え方である。 ・何回も実験して確かめられる事を前提とする確率論。 ・20世紀までの確率・統計学の主流の論理で、現代を支える生産管理や疫学・実験計画等で活躍している。 ◆頻度論は、「固定した確率」からデータが生まれ、ベイズの理論では、「データから確率分布が得られる」と考え、拡張性に富む。 ・頻度論は、仮定した確率値が正しいかを確かめる為に、試行を何回も繰り返す必要がある。それに対して、ベイズの理論では、たった1個のデータからも妥当な結論を引き出す事が出来る。 ・現代において、AI(人工知能)や経済学、心理学でベイズの理論が多用されている。 ※出典:電脳会議vol.172@㈱技術評論社(2016/05/28)。 |
アドラーの「ライフスタイル」 | ◆仕事や生活の中で、様々な課題に対処する時「自分なりの一貫した方針」で対処しているが、これをアドラーは「ライフスタイル」と名付けた。 ・「ライフスタイル」は人それぞれ独自のものであるが、傾向を大きく見れば、幾つかのタイプに分けられる。「最優先目標」で分けると、以下の4つのタイプが考えられる。 ①Aタイプ…安楽でいたい(Arm chair、安楽型) ②Bタイプ…好かれたい(Baby、仲良し型) ③Cタイプ…主導権を取りたい(Controller、リーダー型) ④Dタイプ…優秀でいたい(Driver、優秀型) ※出典:電脳会議vol.172@㈱技術評論社(2016/05/28)。 ※アルフレッド・アドラー(Alfred Adler)…オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。ジークムント・フロイト及びカール・グスタフ・ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した一人。 |
パナマ文書(The Panama papers) | ◆暴露されたデータ容量は、パナマ文書(The Panama papers)が過去最大。 ◆これまで暴露された情報の暴露年とデータ規模は、下記の通り。 ・パナマ文書(2016年)…2.6TB(2,600GB) ※パナマの法律事務所モサック・フォンセカ→1,150万件の文書データが流出→匿名の情報源が南ドイツ新聞に提供→国際調査情報ジャーナリスト連合(ICIJ)と共有→2016/04/03に暴露。 ・オフショア機密(2013年)…260GB ・ルクセンブルクの税ファイル(2014年)…4.4GB ・英HSBCファイル(2015年)…3.3GB ・ウィキリークス(2010年)…1.7GB ※出典:The Economist/国際調査情報ジャーナリスト連合(ICIJ)、ウィキリークス、2016/04/18。 |
体温(Body temperature) | ◆動物の体の中の様々な化学反応は、体温(Body temperature)の発生源である。 ・体温は、その動物の周囲の温度とその動物の体内で作られる熱エネルギーによって変化する。 ・命を作る元気体温は、36.5℃~37.0℃である。 ・一般的に、36℃未満の体温の事を「低体温」と呼んでいる。 ・体温が1℃下がると、免疫力は33%も低下すると云われている。 【体温による症状】 ・36.5℃~37.0℃…健康体で免疫力も旺盛。 ・36.0℃…震える事によって、熱産生を増加。 ・35.5℃…恒常的に続くと、排泄機能低下、自律神経失調症、アレルギー症状が出る。 ・35.0℃…癌細胞が最も増殖する体温。 ・34.0℃…水に溺れた人の命が助かるかどうかの分れ目。 ・33.0℃…冬山で遭難し、凍死寸前に幻覚症状が出る。 ・30.0℃…意識を失う。 ・27.0℃…死体の体温。 ※出典:太陽堂薬局(相模原市)「大切な命のために体温が下がる恐さを知って下さい 命をつくる元気体温は36.5~37℃です」、2016/02/19。 |
「たいと」(84画) | ◆「雲」(12画)が3つと「龍」(16画)が3つから成る、「たいと」と読む漢字は、総画数が84画と云う最も複雑な(画数の多い)漢字(和製漢字)である。 ・日本人の苗字であるとされ、他に、「だいと」「おとど」とも読むとされる(ウィキペディア)。 【関連情報】 ・画数の多い漢字 ・【みんなの知識 ちょっと便利帳】画数の多い漢字 ※2016/02/12。 |
大衆の消費を刺激する10の戦略 | ◆大衆の消費を刺激する10の戦略は、古くから日本の広告業界や商品開発の世界に伝わるマーケティング戦略である。 ・この10の戦略の源流は、ヴァンス・パッカード(アメリカの社会学者、ジャーナリスト)が1960年代に米国で出版した『ウェイスト・メーカーズ』の「パッカード理論・パッカードの10戦略」に遡る。 ・そこに描かれた米国企業のマーケティング戦略を日本流にアレンジしたものが、次の10原則と例示である。 ①使い切りにさせる→使い切り哺乳瓶。 ②セカンドとして持たせる→スティック型掃除機。 ③単能化にする→美容家電。 ④贈り物にさせる→プレミアム茶。 ⑤抱き合わせにする→男性用グルーミング(身だしなみ)商品。 ⑥試させる→おまけ付き菓子。 ⑦旧式にする→最新スマートフォン。 ⑧予備を持たせる→大容量充電池。 ⑨多く使わせる→小分け調味料。 ⑩きっかけを与える→スクラッチクーポン。 ※出典:『浪費をつくり出す人々』(著者:ヴァンス・パッカード、訳者:南博・石川弘義、1961年)。 ※2016/02/01。 |
チャルディーニの理論(Theory of Cialdini)と影響力の武器(Weapons of influence) | ◆「チャルディーニの理論」(Theory of Cialdini)の大意を簡単に云うと、人間の感情は様々な影響力に左右され、それを使いこなせば、消費者の財布のひもを容易に緩める事が出来ると云うもの。 ・その主な影響力は、下記の7つである。 ①コントラスト効果(Contrast effect) ②社会的証明(Social proof) ③コミットメントと一貫性(Commitment and Consistency) ④希少性(Scarcity) ⑤権威(Authority) ⑥好意(Liking) ⑦返報性(Reciprocation) ※ロバート・チャルディーニ…アメリカの社会学者、説得・承知・交渉分野の世界的権威。「顧客にYESと云わせる技術」を30年間に亘り研究して来た、長年の研究成果を纏めた『影響力の武器』は、日本で1991年に初版が出版された(誠信書房、累計200万部超のベストセラー)。 ◆6つの「影響力の武器」(Weapons of influence)は、ロバート・チャルディーニ(Robert B Cialdini)が、説得戦略に関する自著『影響力の武器』で定義したもの。 ①見返り(英語版)(互恵、相互利益、Reciprocity)、返報性(Reciprocation) ・人は他者の恩義を感じがちである。マーケティングや広告の分野において、試供品と云う手法がこれ故広く普及している。 ・北風と太陽はこの概念を例える寓話であり、「良い警官・悪い警官」はこの概念に基づく尋問手法である。 ②誓約と一貫性(Commitment and Consistency) ・自身が正しいと思う事を「やります」と口頭や書面で一度確約すれば、元々与えられる予定だった褒美ややる気が後になって無くなったとしても、その誓約を堅持するのは極めて尤もらしい事である(一度決めた事はそう易々とは変えない)。 ③社会的証明(Social proof) ・人は他人の行為を自己の行為に反映しようとする。 ・例えば、複数の仕掛け人達が空を見上げると云う実験を行った。すると、その傍に立っている人物は、隣の人々が見ているものが気になって次第に空を見上げる様になる。模倣自殺(Copycat suicide)もこの例の1つである。 ④権威(性)(Authority) ・人は権威的な人物に対し無自覚に従いがちであり、それは例え好ましくない行動をする様に依頼されてもである。 ・チャルディーニは、1960年代前半のミルグラム実験や、1968年のミライの虐殺(My Lai massacre)の様な事例を挙げている。 ⑤好意(Liking) ・好意を向ける人物から人はあっさりと説得される。 ・チャルディーニは、今で云う所のバイラル・マーケティング(Viral marketing、口コミ)に含まれる、タッパーウェア(Tupperware、連鎖販売取引)に関するマーケティングの例を挙げている。 ・非常に魅力的な人物に対する好意を芽生えさせるバイアス(Bias)は、多くの議論の俎上にのぼるが、一般的に美しく魅力的な人物は他の手法に比して圧倒的にこの影響手法を用いる。 ⑥希少性(Scarcity) ・目に見えて分かる希少性は、需要を引き出す。 ・例えば、「サービスは期間限定奉仕です」(offers are available for a limited time only)と云う謳い文句は売り上げの向上に繋がる。 ※2016/02/01。 |
6次の隔たり(Six Degrees of Separation) | ◆「6次の隔たり」(Six Degrees of Separation)とは、自分の友人を1次、友人の友人を2次とした場合、世界中の人は6次(紹介者5人)以内で繋がると云う考え方(仮説)。 ・全ての人や物事は6ステップ以内で繋がっていて、友達の友達…を介して世界中の人々と間接的な知り合いになる事が出来る、と云う仮説。 ・多くの人数からなる世界が比較的少ない人数を介して繋がる「スモール・ワールド現象」の一例とされる。 ・SNSに代表される幾つかのネットワークサービスは、この仮説が下地になっている。 ◆この仮説は、スタンレー・ミルグラム(米エール大学の心理学者)の実験を裏付けとして、1967年に大きく広まったが、それ以前から文学作品等を通じて知られていた。 ・この仮説を描いた最古の作品は、カリンティ・フリジェシュ(ハンガリーの文学者)による1929年の小説『鎖』とされているが、「6次の隔たり」と云う名称は、劇作家ジョン・グエアの戯曲に由来する。この戯曲は後に『私に近い6人の他人』(原題:Six Degrees of Separation)として映画化された。 ※2016/02/01。 |
ワイブル分布(Weibull distribution) | ◆「ワイブル分布」(Weibull distribution)は、物体の強度を統計的に記述する為に、W.ワイブル(Ernst Hjalmar Waloddi Weibull、スウェーデンの数学者、技術者)によって提案された確率分布。 ・物体の体積と強度との関係を定量的に記述する為の確率分布として、1939年に提案された。 ・機械(人間も同じ)の故障や、時間に対する劣化現象や寿命を、統計的に記述する為にも利用される。 ・一般には、鎖を引っ張る場合において、最も弱い輪が破壊する事により鎖全体が破壊したとするモデル(最弱リンクモデル)として理解されている。 ・最弱リンクモデルの応力を時間に置き換えれば、部品において寿命が最も短い部分が故障する事によって部品全体が故障したとするモデルとなる。1960年代以降、広く利用される様になった。 ◆製品の寿命分布の代表的なものには、①指数分布、②ワイブル分布、③対数正規分布がある。その他にガンマ分布、二重指数分布も特殊な場合に利用される。 ※2016/01/07。 |
Melkeln(メルケルン) | ◆"Melkeln"(メルケルン)とは、新しいドイツ語の動詞で、邦訳すれば、「メルケる」。 ・ドイツのメルケル首相に由来し、「何もせず意見を云わない」や「決断しない」と云う意味で使われる。 ・大事な決断を引き延ばすのが流儀の様で、周囲をハラハラさせながら、重要な決定を引き延ばす、と云う事から。 ・実際、メルケル首相が一定の主義主張に固執したり、それを大声で唱える事は稀である。権力保持には長けているが、政治観が無い等と揶揄される事もある。難民問題に関しても長い間、明確な立場を示さずにいた。 ※メルケル首相…ドイツの政治家、アンゲラ・ドロテア・メルケル(Angela Dorothea Merkel、1954年7月17日~)。2000年よりキリスト教民主同盟(CDU)の党首、第8代ドイツ連邦共和国の首相。ドイツ国内において、女性としては初の大政党党首・首相である。 ※2015/12/28-2016/01/04。 |
福沢諭吉が作った日本語 | ◆福沢諭吉が作った日本語の紹介。 ・liberty(リバティ)…自由。 ・debate(ディベート)…討論。 ・competition(コンペティション)…競争。 ・speech(スピーチ)…演説。 ・talk(トーク)…談話。 ・copyright(コピーライト)…版権。 ・zoological garden(ズーロジカル ガーデン)…動物園。 ・paradise(パラダイス)…楽園。 ※福沢 諭吉(ふくざわ ゆきち)…天保5年12月12日(1835年1月10日)生誕~明治34年(1901年)2月3日(66歳)死没。武士(中津藩士のち旗本)、蘭学者、著述家、啓蒙思想家、教育者、慶應義塾の創設者。専修学校(後の専修大学)、商法講習所(後の一橋大学)、土筆ヶ岡養生園(後の北里研究所)、伝染病研究所(現在の東京大学医科学研究所)の創設にも尽力。 ※2015/12/11。 |
スベリヒユ(滑莧) | ◆スベリヒユ(滑莧)は、スベリヒユ科スベリヒユ属の多年生植物で、史前帰化植物。 ・農業においては畑作の害草、全般的に執拗な雑草として知られるが、地域によっては食料として畑作もされる。山形県では「ひょう」と呼び、茹でて山菜として食用、干して保存食にもされた。トルコやギリシャでは生または炒めてサラダにする。 ・同属には、マツバボタン(松葉牡丹)等が知られている。 ・健康食品としても使われるω(オメガ)-3脂肪酸の含有量が全植物中最高なのをはじめ、天然の抗生物質とも呼ばれ、様々な有効成分が豊富である。 ・「五行草」と呼ばれる有名な漢方薬でもある。茎が赤く、葉が緑、花が黄色で根が白く、実が黒いので中国では「五行草」と呼ばれる。抗ウイルス、抗アレルギー、利尿等に薬効があるとされ、生葉をつぶして塗ると虫刺され、皮膚病に効くとされる。 ※2015/08/15。 |
十五年戦争(the Fifteen years' war)と五十年戦争(the Fifty years' war) 「検証 戦争責任」(読売新聞社) 「戦後70年談話」(NHK) 「戦争を伝えるミュージアム」(NHK) |
◆「十五年戦争」(the Fifteen years' war)とは、1931年(昭和6年)の満州事変~1945年(昭和20年)ポツダム宣言受諾による太平洋戦争(太平洋以外の地域も含む、大東亜戦争)の終結に至るまでの約15年間弱に亘る紛争状態と戦争を総称した呼称。 ・日本の先の戦争を、原因から結果まで総じて論じる事が可能である為、学者・有識者等によって便宜利用される。 ・しかし、途中に非戦争状態の時期がある不連続性(満州事変の終結、上海事変の勃発と終結、日中戦争の開始)と云う問題と、歴史学・政治学でしばしば用いられる様な一定の観点に基づく概念に過ぎない為、1つの戦争であるとの誤解を招く事から、現在学校教育ではこの語は用いられない。 ・この呼称は、鶴見俊輔(哲学者、評論家、1922年(大正11年)6月25日~2015年(平成27年)7月20日、満93歳没)が1956年(昭和31年)に「知識人の戦争責任」(『中央公論』、1956年1月号)の中で、この言葉を使用したのが最初とされ、鶴見氏は3つの段階に分けている。 ①満州事変(柳条湖事件)…1931年(昭和6年)9月18日~。 ②日中戦争(支那事変、盧溝橋事件)…1937(昭和12年)年7月7日~。 ③太平洋戦争(大東亜戦争)…1941年(昭和16年)12月8日~。 ・1931年(昭和6年)の満州事変~1942年(昭和17年)夏頃の太平洋戦争の戦況悪化までの期間(約12年間)を「戦争景気」と呼ぶ事がある。 ◆略年表(戦争終結への歩み)。 ■1931年(昭和6年) ★ 9月18日:「満州事変」勃発…中国東北部の奉天(現・瀋陽)近郊で起きた南満州鉄道の線路爆破(柳条湖事件)を「中国軍の仕業だ」とする関東軍が兵を進めて沿線都市を制圧。「満州国」が建国される発端となった。 ■1932年(昭和7年) 1月28日:第一次上海事変…上海共同租界周辺で起きた日華両軍の衝突。 3月 1日:満州国建国宣言…清朝最後の皇帝(第12代、宣統帝)であった愛新覚羅溥儀(あいしんかくらふぎ)を擁立、~1945年まで続く。 5月15日:五・一五事件発生…大日本帝国海軍の青年将校が犬養毅内閣総理大臣(第29代、満77歳没)を殺害した事件。 ■1933年(昭和8年) 3月 4日:フランクリン・D・ルーズベルトがアメリカ合衆国の大統領に就任(第32代、満51歳)。ニューディール政策を実施(~1936年)。 3月24日:ドイツが「全権委任法」を制定、アドルフ・ヒトラーが総統に就任(満44歳)。 3月27日:日本が国際連盟から正式脱退…国際社会で孤立を深める事になる。 ■1936年(昭和11年) 2月26日:二・二六事件…日本の陸軍皇道派の影響を受けた青年将校らが起こしたクーデター未遂事件。 ■1937年(昭和12年) ★ 7月 7日:盧溝橋事件(蘆溝橋事件)…北京郊外の盧溝橋付近で演習中の日本軍に中国軍から射撃があったとされ、両軍の武力衝突に発展した。国民党の蒋介石が7月19日、「あらゆる犠牲を払っても徹底抗戦する」との談話を発表。これより中華民国との「日中戦争」(支那事変)勃発。 8月13日:第二次上海事変…中華民国軍の日本租界への攻撃とそれに続く日本軍の反撃。 ●12月13日:南京事件…国民政府の首都南京を陥落させた際、中国人が多数犠牲になったとされる事件(「南京大虐殺」とも。事件の有無、規模、性質をめぐっては議論あり)。 ■1938年(昭和13年) 4月 1日:国家総動員法公布。 5月 5日:国家総動員法施行。 ■1939年(昭和14年) ● 5月11日:ノモンハン事件…満州国とモンゴル人民共和国の間の国境線を巡って発生した日ソ国境紛争(満蒙国境紛争)の1つ。歩兵主体の関東軍は約2万人が死傷。ソ連側も同程度の損害を受けた。 ★ 9月 1日:「第二次世界大戦」勃発…ドイツ軍がポーランドに侵攻開始、これに対して9月3日に英仏が宣戦。 ■1940年(昭和15年) 2月 2日:斎藤隆夫による反軍演説。 ※反軍演説…1940年(昭和15年)2月2日に、帝国議会の衆議院本会議において立憲民政党の斎藤隆夫が行った演説。日中戦争(支那事変)に対する根本的な疑問と批判を提起して、演説した。この演説により、3月7日に斎藤は衆議院議員を除名された。この経緯は、言論弾圧としても扱われている。 ※斎藤隆夫…弁護士、政治家。戦前期に、弁舌により帝国議会で軍部やファシズム(結束主義)に抵抗した。1870年9月13日(明治3年8月18日)~1949年(昭和24年)10月7日、満79歳没。 9月 :日本が北部仏印(フランス領インドシナ北部)に進駐。 9月27日:日独伊三国軍事同盟締結…日独伊三国間条約に基づく日独伊三国の同盟関係。第二次世界大戦における枢軸国の原型となる。 ■1941年(昭和16年) 4月13日:日ソ中立条約調印…ノモンハン事件の停戦をきっかけに成立。 6月22日:ドイツ軍がソ連に侵攻開始(バルバロッサ作戦)、独ソ戦始まる。 7月 :日本が南部仏印(フランス領インドシナ南部)に進駐。 11月26日:アメリカが日本に、ハル・ノート「アメリカ合衆国と日本国の間の協定で提案された基礎の概要」を提案(コーデル・ハルは、国務長官で交渉当事者)。 ★12月 8日:「太平洋戦争」勃発…日本は英米蘭に対し開戦、マレー作戦・フィリピン作戦・真珠湾攻撃実施。 12月10日:グアム占領(グアムの戦い(1941年))。 12月11日:ドイツとイタリアがアメリカに宣戦布告。 12月23日:ウェーク島占領(ウェーク島の戦い)。 12月25日:香港占領(香港の戦い)。 ■1942年(昭和17年) 1月 2日:マニラ占領 (フィリピンの戦い)。 ● 2月 6日:ラバウル占領(ラバウルの戦い)…豪州軍を破り、パプアニューギニア・ニューブリテン島のラバウルを攻略し、ニューギニア、オーストラリア大陸を目指す拠点とした。激しい戦闘を繰り広げ、戦時歌謡にも歌われた。 ● 2月15日:シンガポール占領・陥落(シンガポールの戦い)…10日足らずで英軍の要塞を制圧。英兵等約10万人が捕虜となり、チャーチル英首相は「歴史上最悪の惨事であり、最大の降伏」と述べた。 3月 8日:ラングーン占領(ビルマの戦い)。 3月 9日:ジャワ島占領(蘭印作戦)。 ● 4月 :バターン死の行進(フィリピン)…フィリピン・ルソン島を占領した日本軍は、米軍・フィリピン軍の捕虜を移動させるにあたり、炎天下で約7万人を約100km歩かせ、多数の死者を出した。戦後、当時の現地司令官はBC級戦犯裁判で死刑判決を受けた。 ※全長は120kmで、その半分は鉄道とトラックで運ばれ、残り42kmを3日間徒歩で移動した、と云う情報もある。フィリピンでは、バターン半島が陥落した4月9日を「勇者の日」 として休日に定めている。 5月 6日:フィリピンのコレヒドール島占領。 5月 7日~8日:珊瑚海海戦…史上初の航空母艦同士の決戦。 6月 4日:アクタン・ゼロ(Akutan Zero、古賀のゼロ)…アリューシャン列島のアクタン島に三菱零式艦上戦闘機二一型(搭乗員:古賀忠義一等飛行兵曹)が不時着した。同年7月に殆ど無傷のままアメリカ軍に回収・修理され、テスト飛行が行われた(初めて鹵獲された零戦)。結果、零戦に対抗する戦術を研究する事が出来た。 ● 6月 5日~7日:ミッドウェー海戦…真珠湾攻撃で逃した米艦隊を撃滅する為、ハワイ北西約2000kmのミッドウェー島周辺に進攻した。しかし、暗号を解読した米軍の奇襲攻撃を受け、「赤城」「加賀」等主力空母4隻、艦載機285機を失って大敗。太平洋戦争での主導権を奪われた。 ● 8月 7日:ガダルカナル島の戦い始まる…南太平洋の制空権を広げる為日本軍が建設した飛行場を、米軍約5万人が制圧した。奪回する為日本軍は3万人を投入したが、補給路を断たれて孤立。1943年2月の撤退までに飢えとマラリア等によって2万人以上が命を落とした。「餓島」(がとう)とも呼ばれた。 ■1943年(昭和18年) 2月 1日~7日:ガダルカナル島から撤退。 2月 2日:ソ連軍がスターリングラードでドイツ第6軍を降伏させる(スターリングラード攻防戦、1942年6月28日~)。 4月18日:山本五十六連合艦隊司令長官(第26、27代)がブーゲンビル島上空にて戦死(海軍甲事件、満59歳没)。 ● 5月12日:アッツ島の戦い(アッツ島守備隊玉砕)…米軍の北からの反撃を防ぐ為、1942年6月に北海道から約2500km離れたアッツ島を占領したが、約1年後に米軍は1万人以上の兵力で上陸を開始。増援がなく、日本軍2600人はほぼ全滅した。最後まで戦って潔く散る意味の「玉砕」は、この戦闘で初めて使われた。 7月10日:連合軍がシチリア島に上陸(ハスキー作戦)。 9月 3日:連合軍がイタリア半島に上陸(イタリアの戦い)。 9月 8日:イタリア王国が連合国に降伏。★ 9月10日:鳥取地震発生。☆ 【追記】11月21日~23日:タラワの戦い…米軍のガルヴァニック作戦(恐怖のタラワ、悲劇のタラワ)。 ■1944年(昭和19年) ● 3月~7月:インパール作戦…連合国軍から中国側への補給ルートを断つ為、英軍拠点のインド北東部に攻め入ったが、補給が不足して失敗。マラリアや赤痢等によって約3万人が死亡し、その退路は「白骨街道」と呼ばれた。 4月17日:一号作戦(大陸打通作戦)開始…日中戦争中、日本陸軍により中国大陸で行われた作戦(~12月10日)。日本側の投入総兵力50万人、作戦距離2400kmに及ぶ大規模な攻勢作戦で、日本軍が勝利したものの戦略目的は十分には実現出来なかった。中国軍の敗北により、アメリカ合衆国のルーズベルト大統領の中国に対する認識は変化した。 6月19日~20日:マリアナ沖海戦…空母3隻と搭載機のほぼ全てに加えて出撃潜水艦の多くも失う壊滅的敗北を喫し、マリアナ諸島の大半はアメリカ軍が占領する事となり、西太平洋の制海権と制空権は完全にアメリカの手に陥ちた。 ● 6月15日~7月9日:サイパンの戦い(サイパン島陥落)…B-29爆撃機で日本を空襲する際の拠点とする為、米軍は約6万人で上陸。追い詰められた日本軍は僅かな武器で戦うしかなかった。日本側の死者は約5万人を数えた。 ● 9月15日~11月25日:ペリリュー島の戦い…本土防衛の時間を稼ぐ為、約1万人の日本軍は、4万人以上で上陸を始めた米軍に対し、持久戦法を初めて採用。洞窟等に籠もり、2ヵ月余り徹底抗戦を続けた。生存者は僅か約450人だったとされる。 ●10月23日~25日:レイテ沖海戦…劣勢にあった日本軍は、フィレピン・レイテ島の米軍を攻撃する為連合艦隊の主力を投入した。だが、航空戦力に乏しい為、「武蔵」等の戦艦3隻、空母4隻を失い事実上壊滅した。「神風特別攻撃隊」(しんぷうとくべつこうげきたい)はこの戦闘で編成された。 12月7日:昭和東南海地震(遠州沖大地震)発生。☆ ■1945年(昭和20年) 1月13日:三河地震発生。☆ ● 2月18日:硫黄島の戦い始まる…栗林忠道中将率いる日本軍は全長18kmに及ぶ地下壕を作り、本土への進攻を目指す米軍を迎え撃った。激しい戦闘が1ヵ月以上繰り広げられ、日本側の死者は2万人超。米軍も約6800人の犠牲者を出し、米国内では「最悪の戦い」との批判が出た。 ※硫黄島は、本州から南方約1200kmに位置する、東西8km、南北4kmの島。沖縄本島やグアム島からも1200km~1300km程度のほぼ等距離に位置する。 3月10日:東京大空襲…第二次世界大戦末期に米軍により行われた、東京に対する焼夷弾を用いた大規模な戦略爆撃の総称。3月10日の死者数は10万人以上、罹災者は100万人を超えた。全国で空襲による死者は約20万人、被災者は約960万人に上るとされる。 3月22日:硫黄島が陥落。 ● 3月26日:沖縄戦…米軍が沖縄に上陸し、硫黄島に続く国内の地上戦。本土決戦への時間稼ぎを図った日本軍は、米軍の激しい艦砲射撃と上陸後の猛攻にじりじりと追い詰められた。6月23日に日本軍の司令官が自決し、組織的な戦闘は終結した。日本側の死者は18万人超で、内県民9万4000人が巻き添えとなった。米軍の死者は約1万2500人。 4月 6日:天一号作戦(菊水作戦)開始…太平洋戦争末期、連合国軍の沖縄諸島方面への進攻(沖縄戦)を阻止する目的で実施された日本軍の特攻作戦(~4月11日)。作戦は第一号から第十号(6月21日~22日)まで実施され、その後も終戦まで断続的に特攻が続けられた。沖縄諸島周辺での特攻作戦において、海軍機は940機、陸軍機は887機が特攻を実施し、海軍では2045人、陸軍では1022人が特攻により戦死した。 4月12日:アメリカ合衆国のフランクリン・D・ルーズベルト大統領が死去(満63歳没)。 4月30日:ドイツのアドルフ・ヒトラー総統がベルリン内の総統地下壕内で自殺(満56歳没)。 5月 2日:ベルリンが陥落(ベルリンの戦い)。 5月 8日:ドイツが無条件降伏。★ 7月25日:アメリカが原爆投下命令を下す。 7月26日:ポツダム宣言…アメリカ合衆国大統領(ハリー・S・トルーマン)、イギリス首相(ウィンストン・チャーチル)、中華民国・国民政府主席(蒋介石)の名において大日本帝国(日本)に対して発された、「全日本軍の無条件降伏」等を求めた全13カ条から成る宣言。 ● 8月 6日:広島市への原子爆弾(ウラン型)投下…米軍(B-29爆撃機)により、人類史上初めて原子爆弾が投下された。約14万人が死亡。 ● 8月 8日:ソ連侵攻…1945年2月の米英ソによるヤルタ会談(クリミア会議)で日本侵攻を約束したソ連は、ヤルタ協定(極東密約)に基づき日ソ中立条約を破棄し、日本に宣戦布告。日本保護領満州国、朝鮮半島、樺太南部、千島列島に侵攻(ソ連対日宣戦布告)。軍人や民間人ら推計で57万人以上がシベリア、北朝鮮等の各収容所に抑留され、強制労働させられた。約5万5000人が死亡したとされる。 8月 9日:長崎市への原子爆弾(プルトニウム型)投下…約7万4000人が死亡。放射線の影響は白血病や胎内被曝等戦後も長く続き、被爆者の苦しみは続いている。 8月14日:ポツダム宣言を受諾(無条件降伏)。 8月15日:玉音放送、終戦(敗戦)。 9月 2日:日本が降伏文書に調印、「太平洋戦争」・「第二次世界大戦」終結。★ 9月下旬:中国大陸の日本軍降伏、「日中戦争」終結。 ■1946年(昭和21年) 12月19日:ソ連地区引揚米ソ協定が成立…在ソ日本人抑留者の日本への送還が1956年(昭和31年)12月26日(第11次引揚)まで続いた。 12月21日:昭和南海地震発生。☆ ■1951年(昭和26年) 9月 8日:日本国との平和条約(サンフランシスコ平和条約)の署名…米国等48カ国と日本が米サンフランシスコで署名した。冷戦を背景に共産圏の旧ソ連、旧チェコスロバキア、ポーランドの3カ国は署名を拒否した。 ■1952年(昭和27年) ● 4月28日:日本国との平和条約(サンフランシスコ平和条約)の発効…国際法上、連合国各国(ソ連等共産主義諸国を除く)と日本の戦争状態が終結。日本は独立を回復したが、沖縄や小笠原諸島、奄美群島は本土復帰までの間、米国の施政下に残った。 ■1953年(昭和28年) 12月25日:奄美群島の復帰。 ■1968年(昭和43年) 6月26日:小笠原諸島の復帰。 ■1972年(昭和47年) 5月15日:沖縄返還…法令用語としては、「沖縄の復帰」と云う。 ■その後の国交回復 1954年(昭和29年):ビルマ(現・ミャンマー)。 1956年(昭和31年):ソ連(現・ロシア、日ソ共同宣言)。 1957年(昭和32年):チェコスロバキア(現・チェコ、現・スロバキア)、ポーランド。 1958年(昭和33年):インドネシア。 1965年(昭和40年):大韓民国(日韓基本条約)。 1972年(昭和47年):中華人民共和国(日中国交正常化)。 ※出典:読売新聞(2015年8月15日)、他。 ◆五十年戦争(the Fifty years' war)…1894年(明治27年)~1945年(昭和20年)。 ・日清戦争…1894年(明治27年)7月~1895年(明治28年)3月。 ・日露戦争…1904年(明治37年)2月8日~1905年(明治38年)9月5日。 ・第一次世界大戦…1914年(大正3年)~1918年(大正7年)。 ・満州事変(柳条湖事件)…1931年(昭和6年)9月18日~1933年(昭和8年)5月31日。 ・日中戦争(支那事変、盧溝橋事件)…1937年(昭和12年)年7月7日~1945年(昭和20年)9月下旬。 ・第二次世界大戦…1939年(昭和14年)9月1日~1945年(昭和20年)9月2日。 ・太平洋戦争(大東亜戦争)…1941年(昭和16年)12月8日~1945年(昭和20年)9月2日。 |
世代(Generation)と日本の実質GDP成長率の推移 | ◆世代(Generation)。 ・1945年(昭和20年)~1949年(昭和24年)生まれ:団塊世代(5年間) ・1950年(昭和25年)~1959年(昭和34年)生まれ:すきま世代(10年間) ・1960年(昭和35年)~1964年(昭和39年)生まれ:ハナコ世代(5年間) ・1965年(昭和40年)~1970年(昭和45年)生まれ:バブル入社組(6年間) ・1971年(昭和46年)~1974年(昭和49年)生まれ:団塊ジュニア世代(4年間) ※2015/08/03。 ◆日本の実質GDP成長率の推移。 ・1950年代:平均 8.8% ・1960年代:平均10.4% ・1970年代:平均 5.2% ・1980年代:平均 4.4% ・1990年代:平均 1.5% ・2000年代:平均 0.6% ・2010年代:平均 1.5% ・1955年(昭和30年)~1973年(昭和48年):高度成長期(18年間) ・1980年(昭和55年)~1990年(平成 2年):バブル期(10年間) ・1990年(平成 2年)~2010年(平成22年):失われた20年 【補足説明】 ・GDP…Gross Domestic Product、国内総生産。 ・実質GDP…一定期間に国内で生産された商品・サービスの合計額である国内総生産(GDP)を、基準年の価格で評価したもの。名目国内総生産(名目GDP)から物価の上昇・下落による影響を取り除いたもので、実質的な経済活動の規模を把握する為に利用される。実質GDP=名目GDP÷GDPデフレーター(物価)。 ・実質経済成長率…実質GDPに基づいた経済成長率の事。実質GDPの変化率の事で、実質成長率とも呼ばれる。名目経済成長率の対義語。 ※2015/08/10-08/17。 |
トリクルダウン理論(Trickle-down Effect) | ◆「トリクルダウン理論」(Trickle-down Effect)とは、「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン)する」と云う経済理論または経済思想。 ・サプライサイド経済学における中心的な思想となっているが、実証性の観点からは、富裕層を更に富ませれば貧困層の経済状況が改善する事を裏付ける有力な研究は存在しないとされている。 ・トリクルダウン理論は、新自由主義の代表的な主張の1つであり、この学説を忠実に実行した「レーガノミクス」(Reaganomics、アメリカ合衆国のロナルド・レーガン大統領の経済政策)について、その批判者と支持者が共に用いた言葉。 ・1714年に刊行された、“The Fables of the Bees: or, Private Vices, Public Benefits”(バーナード・デ・マンデヴィル(イギリスの精神科医・思想家)の主著、邦題:『蜂の寓話―私悪すなわち公益』、発行:法政大学出版局)がこの考え方を示した最初のものとされる。 ※2015/05/23。 |
フルーガル・イノベーション(Frugal Innovation) | ◆「フルーガル・イノベーション」(Frugal Innovation)とは、お金を掛けずに身近なものを使って、従来型の製品や工程を再設計して不必要なコストを徹底的にカットする事。 ・直訳すると、「質素な革新」「倹約した革新」。 ・先進国の製品開発が、似た様な差別化(しかし消費者にとっては区別しにくく、本質的でもない)をしようとして「差別化の罠」に陥っているのに対し、フルーガル・イノベーションでは、そうした行為は無駄と考える。 ・インドの自動車メーカーのタタ・モーターズ(Tata Motors Limited)が2009年3月23日に発売を発表した低価格(価格は10万ルピーであり、量産自動車としては世界で最安値)の小型車「ナノ」(Nano)は、その代表例として知られる。タタは、インドの多くの人々にとって十分と思える機能を徹底的なフルーガル・イノベーションで実現し、市場シェアを獲得した。 ※2015/04/27-05/04。 |
日本列島の特徴 | ◆日本列島の特徴。 ①急な河川(水源の標高と河口からの距離の関係)。 ・常願寺川(富山県)…水源の標高2,661mに対し、河川の延長は僅か56kmと云う、世界でも有数の急流河川。 ・日本三大急流…富士川(長野県・山梨県・静岡県)、球磨川(熊本県)、最上川(山形県)。 ・緩やかな河川…コロラド川(アメリカ)、ロアール川(フランス)、セーヌ川(フランス)。 ②雨が多い(年間降雨量)。 ・高知(約2,700mm)、長崎(約2,000mm)、東京(約1,500mm)。 ・ワシントン(アメリカ、約1,100mm)、北京(中国、約800mm)、パリ(フランス、約700mm)、サンフランシスコ(アメリカ、約600mm)。 ③雪が多い。 ④台風が多い。 ⑤火山が多い。 ⑥地震が多い。 ⑦土砂災害が多い。 ・色々な自然条件が重なる事により、土砂災害がとても多く発生。 ・災害発生件数 -過去10年の平均[2000年(平成12年)~2009年(平成21年)]…1,007件=がけ崩れ662件+地すべり179件+土石流166件。 -過去10年の中で最も多かった2004年(平成16年)…2,537件=がけ崩れ1,511件+地すべり461件+土石流565件。 ※出典:地すべり資料館@新潟県上越市板倉区、2015/04/15(水)。 |
2025年問題 一般社団法人ディペロップメントシニアPCコミュニティ(DSPC) |
◆10年後の2025年には、団塊の世代が丸ごと75歳超の後期高齢者になる事に伴って、社会保障費が膨れ上がる。 ・2025年に日本の国民皆保険(公的医療保険)制度は、大きな転換点を迎える。この年には、日本の人口動態中の最大集団である団塊の世代(1947年~1949年生まれ:約700万人)の全員が75歳以上、つまり「後期高齢者」となる。国民皆保険の持続可能性の観点からみた「2025年問題」である。 ◆社会保障費の増加予測(厚生労働省の推計)。 ────────────────────────────────── 領 域 2012年(予算)→ 2025年 伸 び ────────────────────────────────── 医療費 35.1兆円→ 54.0兆円 1.54倍 介護費用 8.4兆円→ 19.8兆円 2.36倍 社会保障費(含、年金) 109.5兆円→148.9兆円 1.36倍 ────────────────────────────────── 介護職員数 180万人 →250万人(所要)1.39倍 認知症高齢者数 345万人 →470万人 1.36倍 ────────────────────────────────── ◆後期高齢者の年間医療費は、国民平均の3倍。 ・医療費の国民平均は、約30万円/年。 ・後期高齢者の1人当たり年間医療費は約92万円で、国民平均の約3倍。 ・75歳~79歳の1人当たり年間医療費は約78万円で、国民平均の2.6倍。 ・2025年以降の75歳以上の人口は、2,200万人。4人に1人が75歳以上と云う超高齢社会が到来。 ※2015/01/26。 ・2012年の認知高齢者数推計:約462万人。 ・2025年の65歳以上の高齢者数推計:3,657万人。 ・2025年の認知症患者数推計:700万人超(2012年比1.5倍以上、高齢者数の20%)。 ※出典:厚生労働省(電脳会議Vol.175)。 ・2015年度の認知症(或いは、認知症が疑われる)行方不明者数:12,000人超(3年連続で1万人超)。 ※出典:警察庁(電脳会議Vol.175)。 |
国際規格(3種類) | ◆国際規格は、3種類ある。 ①デジュールスタンダード(de jure standard)。 ・標準化団体が定めた「標準規格」の事で、日本語ではデジュリスタンダード、デジュレスタンダード等と表記する事も。 ・デファクトスタンダードを標準化団体が追認する事で、デジュリスタンダードとなる場合もある(Shift_JIS等が代表例)。 ・デファクトスタンダードと比べ独占禁止法違反に問われる可能性が低く、またグローバルスタンダード化する際に他国との貿易障壁を減らす事が出来る。 ・代表的な規格…国際標準化機構(ISO)、米国国家規格協会(ANSI)、日本工業規格(JIS)等。 ②デファクトスタンダード(de facto standard)。 ・「事実上の標準」の事で、法的強制力は無いが、市場で勝ち抜いて事実上の標準となった。 ・"de facto"は、ラテン語で「作られたるがゆえの」を意味する。 ・代表的な規格…米マイクロソフトの「ウィンドウズ」(Windows)やバーコード(Barcode)・QRコード(Quick Response二次元コード)等。 ③フォーラムスタンダード(forum standard)。 ・学会・業界団体が定めた規格。 ・IEEE(アイ・トリプル・イーと読み、公式な日本語名称は無い。"The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc."の略。電気・電子分野における世界最大の学会)は、LANの規格を定める等IT業界で影響力を持つ。 ※2015/01/26。 |
中国古典 | ◆中国古典は、かつて日本人の教養の根幹であって、日本の近代を切り開いた明治維新も、中国古典の存在抜きには語れない(中国文学者の守屋 洋)。 ・中国古典は、どれも以下の3つのテーマを共通して取り上げている。 ①修己治人(しゅうこちじん)…リーダー論。 ②応対辞令(おうたいじれい)…人間関係論。 ③経世済民(けいせいさいみん)…政治論。 ※2015/01/19。 |
産業革命(Industrial Revolution)の変遷 | ◆産業革命(Industrial Revolution)の変遷と第4次産業革命。 ①蒸気機関。 ・18世紀のイギリスで起きた蒸気機関の発明による機械化。イギリスの繊維工業が発展。エネルギー源は石炭。 ・Industry 1.0…18世紀からの産業革命で実現した、機械化された工業生産。 ②電気エネルギー。 ・20世紀初頭に起きた電力の使用による大量生産。ベルトコンベヤーを使った生産ラインが普及。アメリカのT型フォード自動車が好例。 ・Industry 2.0…20世紀初頭に米国等で実現した、流れ作業による大量生産。 ③コンピュータによる自動化。 ・1970年代以降(20世紀後半)に進んだコンピュータを利用した生産自動化により大量生産が進化。日本の「カイゼン」(改善)が製造業の競争力になる。 ・Industry 3.0…1970年代に実現した、電子・情報技術により最適化が実現された工業生産。 ④IoT産業革命。 ・2015年~工場内外の生産設備や製品、人間が相互に繋がり、業種や会社の枠を超えて、工場同士、工場と消費者等をインターネットで繋ぐ。ドイツが主導。 ・Industry 4.0…高度なIT技術で生産工程や物流の過程をリアルタイムで一元管理出来る産業状態。 ・「1兆個(トリリオン、Trillion)」センサー時代。 ※2015/01/12、2016/04/25。 |
世界三大蒸留酒 | ◆世界三大蒸留酒。 ・蒸留酒とは、醸造酒を蒸留して作った酒。スピリッツ(Spirits)。 ①ウイスキー(Whisky、Whiskey)。 ・蒸留酒の1つで、大麦、ライ麦、トウモロコシ等の穀物を麦芽の酵素で糖化し、これを発酵させ蒸留したもの。 ・スコッチ・ウイスキー(Scotch Whisky)は"Whisky"、アイリッシュ・ウイスキー(Irish whiskeyは"Whiskey"と表記される。 ・名称は、ラテン語の"aqua vitae"(アクア・ヴィテ、「命の水」の意)に由来する。この"aqua vitae"は、元々はぶどう酒を蒸留したもので、今で云うブランデーの事。スコットランドやアイルランドでは、"aqua vitae"をゲール語に逐語翻訳した"uisce beatha"(ウィシュケ・ベァハ、「命の水」の意)の「水」の部分"uisce"(ウィシュケ)が訛って「ウィスキー」となった。 ②ブランデー(Brandy)。 ・果実酒から造った蒸留酒の総称で、主に白ブドウのワインを蒸留して樽に入れ、熟成して製造する。 ・語源は、焼いたワイン(ヴァン・ブリュレ)から。 ・単にブランデーと云った場合は、通常ブドウが原料のワインを蒸留して作られたものを指すが、リンゴから作ったアップル・ブランデーやサクランボから作ったチェリー・ブランデーもある。 ・名称は、フランス語で"Vin brûlé"(ヴァン・ブリュレ、「焼いたワイン」の意)と呼ばれていたものが、オランダを経由してイギリスに持ち込まれる際、オランダ語に直訳して"Brandewijn"(ブランデウァイン)と呼ばれた。これが英語"Brandywine"(ブランディワイン)に変わり、いつしか"Wine"が取れ"Brandy"(ブランディ)となって広まった。 ③白酒(パイチュウ、バイチュウ)。 ・中国の穀物(高粱や芋類等)を主原料とする蒸留酒。 ・主原料から「高粱酒」(カオリャンチュウ)、製法から「焼酒」(シャオチュウ)「火酒」(カシュ)とも。 ※2014/12/29。 |
マツ(松):門松と正月行事 【植物三界の代表】 松…裸子植物 竹…被子・単子葉植物 梅…被子・双子葉植物 |
◆「マツ」(松)の名は、神様がその木に降りて来られるのを「待つ」ところに由来すると云われ、また「祀る」(まつる)にも繋がる神が宿る樹木とされる事や、いつも変わらず緑の葉(松葉色)を付け、何十年、何百年とその樹齢を重ねる事から、生命力や不老長寿、繁栄の象徴として神聖視されて来た。 ◆「門松」には、お正月に各家にやって来る「年神」を家に迎え入れる為の「よりしろ」と云う意味合いがあるとされる。 ・「門松」の習慣は、平安時代の新年に松を家に持ち帰る習慣にルーツがあると云われ、室町時代に現在の様な様式が定まったと云われている。鎌倉時代以後になって、松に竹を加えて「門松」とされる様になったとも云われる。 ※「門松」…「松飾り」「飾り松」「立て松」とも。 ※「年神」…「歳神」「お正月さま」「若年さま」「歳徳神」とも。 ※「よりしろ」(依代、憑代)…神霊が招き寄せられて乗り移るもの。樹木・岩石・人形等の有体物で、これを神霊の代わりとして祭る。「かたしろ」とも。 ◆正月行事と由来。 ①門松。 ・門松の一夜飾りはしない…12月31日にするのを「一夜飾り」と云って、避ける習慣がある。12月29日に立てるのは「九松」と云って「苦待つ」に通ずる事から嫌われる。12月28日までに立てる事が多い。 ・松の内…元日から門松を取り外す日までの期間を云う。普通は、七草の1月7日に取り外す。 ②しめ飾り(注連飾り)。 ・しめ縄…天の岩戸に隠れた天照大神(あまてらすおおみかみ)を、岩を引き明けて連れ出し、大神の回りに「しりくめ縄」を引き巡らしたと云う神話が、このしめ縄の初めだと云われている。「しりくめ縄」の略、「注連(しめ)縄」「標(しめ)縄」とも書く。 ・しめ飾り…内外の境界または出入禁止の印に引き渡す縄。しめ縄、玉飾り、輪飾り等がある。12月28日までに飾り、松の内が過ぎれば取り払って、どんど焼きで燃やす。 ③鏡餅。 ・鏡餅…「お鏡」「お供え」「お重ね」等と呼ばれる。お餅は12月28日までにつく。12月29日になると「九餅」から「苦餅」と云って嫌う習慣がある。 ④おせち料理(お節料理)。 ・おせち料理…おせちとは、「お節句」(おせっく)から来た言葉。正月におせち料理が普及した理由の1つには、おせち料理がある間は、家庭の主婦も台所仕事から解放されて、休養が出来ると云う意味合いがあったと云われている。重箱におせち料理を詰めるにもしきたりがあり、上から順に一(いち)の重は口取り(黒豆、数の子、等)、二(に)の重が焼きもの、三(さん)の重は煮もの、与(よ)の重が酢のものになる。また、料理の品数は三、五、七と云う様に奇数に揃える。 ⑤お屠蘇(おとそ)。 ・お屠蘇…元日から三が日の間に飲む薬酒の事。元日にこれを飲めば、一年の邪気を払い寿命を延ばすと云う中国の伝説に基づき、不老長寿を祈る新年の祝い酒として出されるもの。お屠蘇には肴(さかな)や料理が付かないのが正式。 ・屠蘇酒…鬼気、悪魔を屠(ほふ)り、人魂を蘇らせる酒と云う意味。 ⑥お雑煮。 ・お雑煮…餅を野菜・魚介類・鶏肉等と共に煮る吸物。正月三が日にこれを食べて新年を祝う。 ・みそは関西、すましは関東…関西や四国・九州では、みそ汁仕立てが多く、関東や中部等では、すまし汁仕立ての雑煮が主流になっている。 ・丸餅と切り餅…関西では丸餅を湯煮して用いるのに対し、関東では切り餅を焼いて用いる。本来は、丸い餅は円満を表すとされている。 ⑦七草がゆ(七草粥)。 ・七草がゆ…1月7日は、「七日正月」「七日節句」とも。朝、七草がゆを作って食べる風習があり、万病を避けられると云い伝えられている。 ・七草…大昔は、米・麦・稗(ひえ)・粟(あわ)など七種の穀物を指し、今日では、「芹(せり) 薺(なずな、ぺんぺん草) 御形(ごぎょう、母子草) はこべら 佛座(ほとけのざ) 菘(すずな、かぶの葉) 蘿葡(すずしろ、大根の葉) これぞ七草」と歌に詠まれる七種類の若菜を云う。 ⑧鏡開き。 ・鏡開き…正月の間、神棚に供え、或いは床の間等に飾ってあった鏡餅を割って、汁粉や雑煮等にして食べる儀式の事。1月11日まで飾っておいて、飾りを取り除くと同時に鏡餅を食べるのがしきたり。 ⑨小正月。 ・小正月…元旦から松の内までを「大正月」と云うのに対して、1月15日を一般に「小正月」、地方によっては、「女正月」と呼んでいる。 ・佐義長(さぎちょう)…小正月に行われる行事で、場所によっては、「どんど」「ほっけんぎょう」「ほちょうじ」「才の神」等とも。正月に使った門松・しめ飾り・書き初め等を燃やして始末する。 ・女正月…京都や大阪では、元旦から松の内までを「男正月」と呼び、これに対して、1月15日を「女正月」と呼んで、男正月に接客等で忙しかった女性を労わり、家事万端から解放する日としていた。 ※2014/12/14。 |
こうよう(紅葉・黄葉)、モミジ(紅葉)、カエデ(楓) 東京の紅葉日(気象庁) |
◆こうよう(紅葉・黄葉)、モミジ(紅葉)、カエデ(楓)の関係と違い。 (1)こうよう(紅葉・黄葉)とモミジ(紅葉)の関係。 ◆「紅葉」(こうよう)。 ・秋に木々(落葉樹)が冬に備えて落葉する前に、紅(赤)や黄色に葉の色が変わる事、変わった状態を総称して云う。 ・黄色く色付くのを「黄葉」(こうよう)とも云うが、「黄葉」(こうよう)も含んだものを広義の「紅葉」(こうよう)としている(定説)。 ・広義の紅葉=紅葉+黄葉+その他の橙色等も含む。 ・狭義の紅葉=紅葉。木の葉が紅くなる事、紅くなった状態。 ◆変色する科学的な説明。 ・紅葉…葉の中の緑色のクロロフィルが分解して、紅いアントシアンが生成される事で起こる。 ・黄葉…葉の中の緑色のクロロフィルが分解して、黄色のカロチノイドが残る事で起こる。 ◆「モミジ」(紅葉)。 ・広義の紅葉(こうよう)の中で、ひときわ紅色の目立つ(黄葉では無く)、狭義の紅葉(こうよう)の仲間で、カエデ(楓)の仲間を総称して、広義のモミジ(紅葉)と云う。 ・狭義の所謂「モミジ」(紅葉)は、カエデ(楓)の中の特定なものを指す。イロハモミジ(伊呂波紅葉)の仲間は、葉の切れ込みの深い人の手を広げた形の葉っぱ(掌型葉っぱ)をしていて、代表して「モミジ」(紅葉)と云う様になった。 ・広義の紅葉(こうよう)=黄葉も含む >狭義の紅葉(こうよう)=紅い葉っぱ仲間全て >広義のモミジ(紅葉)=カエデ(楓)の仲間 >一番狭義のモミジ(紅葉)=掌型葉っぱ (2)モミジ(紅葉)とカエデ(楓)の違い。 ◆植物分類上では、モミジ(紅葉)とカエデ(楓)は区別はしない。植物学的には、モミジ(紅葉)もカエデ(楓)も「カエデ」と云い、どちらも分類上カエデ科のカエデ属の植物で、モミジと云う科や属は無い。 ・園芸上では、葉の切れ込み数や切れ込み具合によって、明確に区別している。イロハモミジ(伊呂波紅葉)、ヤマモミジ(山紅葉)、オオモミジ(大紅葉)等葉が5つ以上に切れ込んで掌状のものを「モミジ」と呼び、それ以外のトウカエデ(唐楓)等の様に切れ込みが3つのものを「カエデ」と呼んでいる。 (3)モミジ(紅葉)とカエデ(楓)の語源。 ◆モミジ(紅葉)の語源…2説ある。 ①「もみじ」は揉(も)んで染め出す紅色「もみ」が語源とする説。動詞「もみづ」は紅葉する事。平安時代より染料として使用されて来たベニバナ(紅花)等から染料を揉み出し、水色に染み出すと云う言葉を「もみづ」と定義していた。この言葉から派生した名詞「もみぢ」は、当時イロハモミジ、オオモミジ等を示すわけでなく、上記の様な染み出す様に草木が色付いたさまを「もみぢ」として使っていた。 ②.ベニバナ(紅花)から染料を「揉(も)み」出す様子(紅花を細かく優しく揉むと紅や黄色に変化する)から、「もみ」が「紅」を指す様になり、楓(かえで)の紅葉もこの紅花から染料を抽出する時の色の変化の様子と類似しているので、「もみずる」が「紅葉(もみ)ずる」、更に名詞化して「もみじ」になったとする説。 ・「もみじ」の由来となった言葉の出て来る文献は、万葉集(日本に存在する最古の和歌集)の柿本人麻呂の歌や、古今集にも出て来る。 ◆カエデ(楓)の語源。 ・「蛙の手→かえるで」から転じたと云う説が一般的で、カエデ属植物の葉形が蛙の手の形に似ている事から「かへるで→かえで」と訛って今日に至ったと云う説。もみじと同じく万葉集にも和歌に「蛙手」(かえるで)の表記が見られる。大伴田村大嬢(おおとものたむらのおおいらつめ)は、「わがやどにもみつかえるてみるごとに いもをかけつつこひぬひはなし」と云う和歌を詠み、「家の庭の紅葉(こうよう)したかえでをみるたびあなたの事を恋しくない日はありません」と云う意味を詠っている。 ・俗説(通説)として、蛙の手みたいに水かきがあって切れ込みの少ないのを「カエデ」。人の手みたいに切れ込みのあるのが「モミジ」と云う後付け説もある。 (4)カエデの「楓」と云う字は誤訳。 ◆中国に日本のカエデと良く似たのにマンサク科の「フウ」と云うのがある。 ・それを漢字で「楓」と書く。日本人の誰かが「カエデ」と中国の「楓」とを同一視し、「カエデ」に「楓」と云う字を当てたのが間違いの元。 ・中国では、カエデ科の「カエデ」は「槭」(かえで)と云う字を書く。 ◆モミジ(紅葉)='Japanese maple'=日本のカエデ(楓)。 ※2014/12/03。 |
外資系企業数の日中比較 | ◆外資系企業数の日中比較。 ①日本にある企業数:4,128,215社(出典:2012年総務省統計局)。 ・日本にある外資系企業数:3,189社(出典:2013年帝国データバンク)。 ・日本にある外資系企業比率:0.077%。 ②中国にある企業数:16,778,000社(出典:2014年7月末時点 中国国家工商行政管理総局)→日本の約4倍。 ・中国にある外資系企業数:451,800社(出典:2014年7月末時点 中国国家工商行政管理総局)→日本の約141.7倍。 ・中国にある外資系企業比率:2.69%。 ※2014/11/29。 |
健康保険(5種類) | ◆健康保険は、5種類ある。 ①健保組合 (健康保険組合連合会(けんぽれん))。 ・加入者数:約2,935万人(23.8%)。 ・加入対象:企業の会社員等(1,410組合)。 ・医療窓口負担:3割。 ②共済組合 (国家公務員共済組合連合会、等)。 ・加入者数:約 900万人( 7.3%)。 ・加入対象:公務員や教職員等。 ・医療窓口負担:3割。 ③協会けんぽ (全国健康保険協会)。 ・加入者数:約3,510万人(28.5%)。 ・加入対象:中小企業の会社員等。 ・医療窓口負担:3割。 ④国民健康保険 (国民健康保険)。 ・加入者数:約3,466万人(28.1%)。 ・加入対象:自営業者や退職者等。 ・医療窓口負担:3割。 ⑤後期高齢者医療制度 (厚生労働省 後期高齢者医療制度)。 ・加入者数:約1,517万人(12.3%)。 ・加入対象:75歳以上の高齢者全員。 ・医療窓口負担:1割。 合 計:約12,328万人(100%)。 ◆生涯賃金の平均と健康保険料の平均総額(2012年(平成24年)に定年を迎えた人)。 ・生涯賃金の平均(勤続42年:1969年(昭和44年)~2012年(平成24年)、出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査):1億6,606万円。 ・健康保険料の平均割合(出典:協会けんぽ、昭和44年~平成24年):8.32%。 ・健康保険料の平均総額:約1,382万円。 ※2014/11/24。 |
VUCA(ブカ) | ◆“VUCA”(ブカ)とは、今日の世界を描写する概念で、以下の4語の頭文字を取った略語。 ①Volatility(不安定、変動性)…変化の性質、量、スピード、大きさが予測不能のパターンを持つ事。 ②Uncertainty(不確実、不確実性)…問題や出来事の予測がつかない事。 ③Complexity(複雑、複雑性)…多数の理解困難な原因、抑制因子が絡み合っている事。 ④Ambiguity(曖昧模糊、曖昧性、曖昧さ)…出来事の因果関係が全く不明瞭で前例も無い事。 ・リスクに向き合う力が経営者に求められるのは、世界的な潮流であるが、その事を示すキーワード、一種のバズワード(Buzzword、専門的流行語)。 ・1990年代後半に米国の軍事用語として生まれ、その後ビジネス界でも使われる様になった。 ・敵の居場所や動きがはっきりしている戦争から、対テロに移行する中で、軍隊は相手の出方が読めない状況下での戦いを余儀なくされる(直近では、イスラム国、等)。 ・先を読めないのは、戦争もビジネスも同じである。 ・英蘭ユニリーバは、2013年のアニュアルリポートで、同社の事業環境を“VUCA”と云う単語で表現した。 ・これまでの世界で通用していた、データを集め、分析し、問題を特定して対処していく事で成果を得られると云う方法論が通じ難くなっている。思ったよりも常に状況は大きく変動し、未来は不確実で、決定のキーは常に複数あり、それはしばしば矛盾していて、現状は曖昧である。 ※出典:日経ビジネス2014年11月17日号、他。 |
フリーミアム(Freemium) | ◆「フリーミアム」(Freemium)とは、基本的なサービスや製品は無料で提供し、高度な機能や特別な機能については課金すると云う仕組みのビジネスモデル。 ・無料サービスや無料製品の提供コストが非常に小さい、或いは無視出来る程度の為、Webサービスや、ソフトウェア、コンテンツの様な無形のデジタル提供物との親和性が非常に高い。F2P(Free to Play)とも。 ・「フリーミアム」(Freemium)と云う単語は、「フリー」(Free、無料)と「プレミアム」(Premium、割増)と云う、2つの面を組み合わせて作られた造語(かばん語)である。 ・フリーミアムのビジネスモデルは、2006年3月23日、フレッド・ウィルソン(ベンチャー投資家、Fred Wilson)により明確に示された。 ※2014/07/28。 |
ジェロントロジー(Gerontology) | ◆「ジェロントロジー」(Gerontology)とは、人間の老化現象を生物学、医学、社会科学、心理学等多面的、総合的に研究する学問で、「老年学」「加齢学」とも訳される加齢と高齢化に関する学問。 ・高齢者の抱える問題を解決する為に、医学・心理学・社会学・経済学等あらゆる学問が協働して、総合的な見地から解決を図る事を目的としている。 ・日本では、医療や介護、美容等の分野で研究が行われている。欧米ではもっと幅広く、年金等の社会政策や工学、心理学と云った分野でも研究が進んでいる。 ・比較的新しい学問で、元々発達心理学から派生した学問の為、老齢化又は老いる事について心理学的な立場から考える学問として生まれた。 ・1904年に、イリヤ・メチニコフ(ドイツの免疫学者)によってその名("Gerontology")が付けられた。後、1930年頃から社会の変化に伴って、社会学的及び生物学的分野も取り入れた幅広い見地から老齢化について研究していく学問として、現在に至るまで様々な老齢化に関する研究がなされている。 ※出典:崎山 みゆき(㈱自分学の代表)@日経ビジネス2014年7月7日号。 |
欧米CEOの特徴(9つの属性) | ◆欧米CEOに特徴的な9つの属性(CEOと他の幹部との差異)。 ・優れたCEOは、他の経営幹部と比較して何が異なるのかを確認する為に、北米と欧州の企業幹部の約3,700人(内、CEOは134人)を対象にアセスメント(人材評価)調査を実施した結果。 【未来志向】 ⑧前向きな思考…13%。 【大胆な勇気】 ①計算されたリスク志向(不確実性が高い局面で、リスクを取る傾向が強い事)…27%。 →日本の経営幹部は、総じてこの傾向が弱い、と云う別の調査結果がある。 ②実行重視(徹底した実行力)…22%。 ④楽観性…16%。 ⑥建設的なタフマインド…14%。 【組織力】 ③人を見抜く力(鋭い対人洞察力)…17%。 ⑤感情をコントロールする力…15%。 ⑥人を巻き込む力…14%。 ⑨信頼度…10%。 ※出典:ラッセル・レイノルズ・アソシエイツ・ジャパン・インク(Russell Reynolds Associates Japan Inc.)@日経ビジネス2014年6月30日号。 |
国際化(Internationalization)とグローバル化(Globalization) | ◆国際化・インターナショナリゼーション(Internationalization)は、「国家間」で生じる現象であるのに対して、グローバル化・グローバリゼーション(Globalization)は、「地球規模」で生じるものであり、国境の存在の有無と云う点で区別される。 ・インターナショナル(International)には、「国際」とか「国際的」と云った、歴史のある日本語訳が定着している。しかし、グローバル(Global)には決まった訳語が無く、「地球規模の」とか「世界的な」と云う表現になっている。 ◆国際化・インターナショナリゼーション(Internationalization)は、この地球(Earth)の上に、横にずっと広がって展開している様々な国(Nations)が沢山あるイメージ、それらの国同士或いは国と国の関係と云ったイメージ。即ち、内と外を意識した概念。 ◆グローバル化・グローバリゼーション(Globalization)は、社会的・文化的或いは経済的な関連が、旧来の国家や地域等の境界を越えて、地球規模に拡大して様々な変化を引き起こす現象である。即ち、国境等を跨いだ概念。 ・グローバル(Global)と云う言葉の語感には、地球を1つの塊として、個々の国や大陸、民族の集まりとしてでは無く、この地球(Globe)と云う星を1つと見る世界観が凝縮されている。 ・具体的に云えば、世界地図を見て国境を意識しながら国家間の問題を考えれば、「インターナショナル」な問題を考えている事になる。対して、地球儀を見ながら地球全体の問題を考えれば「グローバル」な問題を考えている事になる。即ち、「グローバリゼーション」の方が「インターナショナリゼーション」よりも範囲は広くなる。 ※2014/05/26。 |
IoT(Internet of Things) | ◆“IoT”(Internet of Things)とは、一意に識別可能なものがインターネットに接続され、情報交換する事により相互に制御する仕組み。 ・家電や自動車など多種多様な「モノ」がインターネットに繋がり、お互いに情報をやり取りする事で新しい価値を生み出すと云う概念。 ・コンピュータ等の情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々なモノに通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信する事により、自動認識や自動制御、遠隔計測等を行う事。 ・「モノのインターネット」や"Internet of Everything"とも。 ・"Internet of Things"と云う用語は、1999年にケビン・アシュトン(Kevin Ashton、イギリスの技術先駆者、MITのAuto-IDセンターの共同創設者、無線IDタグの専門家、当時はP&G(プロクター&ギャンブル)のマネジャー)が、自分の会社のサプライチェーンを管理する際に思いついた概念で初めて使用した造語。 ・IoT(Internet of Things)…ITが埋め込まれたモノがネットワークを介して通信する形態。 ・M2M(Machine to Machine)…機械と機械がネットワークを介して通信する形態。 ◆市場予測。 ・IDATEは、2012年の時点で、150億の機械やデバイス等の「モノ」がインターネットに接続していたと云う。2020年には、その数は800億にも上ると予想。 ・米ガートナーは、2020年には、モバイル端末を含め260億個~300億個(2009年の約10倍)の多種多様なモノがインターネットに繋がると予測。IoTが創出する経済的付加価値の総計は、2020年には、1.9兆ドルに達すると推定。 ・インターネットに接続されたモノの数は現在、約100億個と云われている。これが、2020年になると、500億個を越えると云う予測もある。 ※2014/05/12。 ◆ネット接続機器の増加予測(日経ビジネス)。 ──────────────────────────────────── 領 域 2014年 → 2020年 伸 び ──────────────────────────────────── 一般消費者向け製品 22億4450万個→131億7250万個 5.9倍 産業分野 13億1590万個→ 83億2300万個 6.3倍 自動車部品 1億8960万個→ 35億1110万個 18.5倍 ──────────────────────────────────── 合 計 37億5000万個→250億 660万個 6.7倍 ──────────────────────────────────── ※2015/01/05。 ◆IoTが生む経済価値の予測(2013年~2022年):総額14.4兆ドル…既存の産業でも効率化などが進む(出所:米シスコシステムズ)。 ①資産の活用(各種コスト削減や資本効率向上)…2.5兆ドル。 ②従業員の生産性(短時間で高い成果)…2.5兆ドル。 ③サプライチェーン・物流(無駄の削減、効率化)…2.7兆ドル。 ④消費者体験(生涯価値や顧客数増加)…3.7兆ドル。 ⑤イノベーション(研究開発の効率増大や新たなビジネスモデル等)…3兆ドル。 ※2016/05/23。 |
労働に関する5基本能力 | ◆労働に関する限り、人間には以下の5つの基本的な能力がある。 【一般に、ブルーカラーと呼ばれる仕事】 ①大きな筋肉を使って、モノを動かす。 ②小さな筋肉を使って、細かい操作をする。 【通常、ホイトカラーと呼ばれる仕事】 ③手と口と脳と目と耳を使って、各工程や手順が想定した通りに進む様に、プロセスを管理する。 ④様々な社会的相互関係や交渉に関わり乍ら、全員で1つの方向に向かって行く。 ⑤私達がやりたくなる様な新しい事を考え出す。具体的には必要とされる何らかの結果や、便利さ、或いは贅沢をもたらす活動を考え出す。 ※出典:J・ブラッドフォード・デロング…米カリフォルニア大学バークレー校の経済学教授、ジェームズ・ブラッドフォード・デロング(James Bradford DeLong, born June 24, 1960)@日経ビジネス2014年5月12日号。 |
ダウンシフト(Downshift、Downshifting) | ◆「ダウンシフト」(Downshift、Downshifting)とは、生活のペースを下げて、ゆとりある生活に切り換えていく事を指す。生活様式に関する社会的な潮流・傾向の1つである。 ・過度な出世競争(Rat race)や長時間労働、物質主義的、唯物的な生活環境を日常から排し、よりゆとりのあるストレスの少ない生活に切り替える生活態度の劇的な変化を指す。 ・邦訳では、そうした生活態度は、「減速生活」と云われる。 ・元々は「車のギアを1段下げる」と云う意味のダウンシフトが転じて、「生活のギアを切り替える事」を指す様になった。 ◆「ダウン・シフター」(Downshifter)とは、「生活水準を低下させてでも、自分の満足出来るライフスタイルを選ぶ人々」で、「スローライフ実践者」の事。 ※出典:『浪費するアメリカ人』(著者:ジュリエット・B.ショア、監訳者:森岡 孝二、2000年)の中でこうした生活態度の変化をとったダウンシフター(減速生活者)について初めて紹介された。 ※2014/05/09。 |
バイブス(Vibes) | ◆「バイブス」(Vibes)とは、「雰囲気」「心の中」「考え方」を意味する言葉。 ・音楽の世界で良く使われ、レゲエでは「ノリ」や「フィーリング」の意味として、ヒップホップでは「気合い」や「霊気」と云う意味を含み使われている。 ・良いバイブスは"Good Vibes"、悪いバイブスは"Bad Vibes"と、良い意味も悪い意味も表現出来、"Good Vibes"は、自然に囲まれて仲間と平和的に盛り上がっている状態、"Bad Vibes"は、都会の喧騒に疲れ周りの人間関係にギスギスしている状態の事を云う。 ※出典:今井 華(モデル)@『踊る!さんま御殿!!』。 |
自律訓練法(Autogenic training) | ◆「自律訓練法」(Autogenic training)とは、1932年にJ・H・シュルツ氏(ドイツの精神科医、教授、博士)によって創始された自己催眠法であり、治療技法であり、リラクセーション法の1つである。 ・効果…ストレス緩和、心身症、神経症等に効果がある。 ・方法…最も一般的な自律訓練法は、次の基礎公式(背景公式とも)と第1公式~第6公式の合計7つの公式からなり、これらの公式を順に心の中で繰り返し唱え、自己催眠状態になっていく。 ①基礎公式:気持ちがとても落ち着いている。 ②第1公式:手足が重たい(手足の重感)。 ③第2公式:手足が温かい(手足の温感)。 ④第3公式:心臓が静かに打っている。 ⑤第4公式:呼吸が楽にできる。 ⑥第5公式:お腹が温かい。 ⑦第6公式:額が涼しい。 ・事後…自律訓練法では、特有の生理的変化や意識状態(めまい、脱力感等)が生じる事もある為、訓練の後は、消去動作を行う事が必要とされている。 ※J・H・シュルツ…ドイツ・ベルリン出身の精神科医で、独イエーナ大学で医学部教授を務めた。日本では、心身医学的な自己催眠療法の一種である『自律訓練法』の創始者として知られている。ヨハネス・ハインリヒ・シュルツ(Johannes Heinrich Schultz)。 |
日本の禅宗(3宗派) ※禅語五選(禅の言葉) |
◆日本の禅宗には、3つの宗派がある。 ①臨済宗(りんざいしゅう)…開祖:栄西、設立年:1191年(栄西が宋から伝える)、総大本山:建仁寺、建長寺、東福寺、円覚寺、南禅寺、大徳寺、国泰寺、妙心寺、天龍寺、永源寺、向嶽寺、相国寺、方広寺、仏通寺、信者数:111万人、特徴:公案(こうあん)禅。 ②曹洞宗(そうとうしゅう)…開祖:道元、設立年:1227年(道元が宋から伝える)、総大本山:永平寺、總持寺、信者数:155万人、特徴:只管打坐(しかんたざ)。 ③黄檗宗(おうばくしゅう)…開祖:隠元、設立年:1661年(隠元が萬福寺を開創)、総大本山:萬福寺、信者数:30万人、特徴:念仏禅。 ◆禅の根本原理(根本的な考え方・教え)は、「即今、当処、自己」と呼ばれる三つの考え方。 ①即今(そっこん)…今この瞬間。 ②当処(とうしょ)…今居るこの場所。 ③自己(じこ)…私が生きる。 ・今日なすべき事をする。 ・今この瞬間を、今居るこの場所で、誰でもないこの私自身が生きていく。 ・今、自分が置かれている場所、状況の中で、やるべき事を自分自身で一生懸命にやる。それが生きている事である。 ・過去を後悔してはいけない、未来を思い描いてはいけない、そんな事は誰にも分からない。だから、今日なすべき事をする。 ・今、ここで自分が生きる事を大事にする。即ち、先々を追い掛けるのではなく、「日々の仕事にきちんと向き合う事が明日に繋がる」と云う理念。 ・今、自分が置かれている状況の中で、本当の自分を見極め、自分しか出来ない最大限の事をする。それこそ、「誰にも負けない努力」に他ならない。 ※出典:日経ビジネス2013年12月16日号、他。 ※参考:運とは、「適当な時に、適当な場所にいる事」である。運とは、「適当なタイミングで、適当な場所にいる事」である(出口 治明…実業家、ライフネット生命保険㈱の創業者、立命館アジア太平洋大学の学長)。 |
ガラスの天井(Glass Ceiling)とガラスの崖(Glass Cliff) | ◆「ガラスの天井」とは、英語の「グラスシーリング」(Glass Ceiling)の訳で、組織内で昇進に値する人材が、性別や人種等を理由に低い地位に甘んじる事を強いられている不当な状態を、キャリアアップを阻む“見えない天井”になぞらえた比喩表現。 ・もっぱら女性の能力開発を妨げ、企業における上級管理職への昇進や意思決定の場への登用を阻害する要因について用いられる事が多く、ガラスの天井の解消を図る事が、職場における男女平等参画を実現する上で重要な課題となっている(人事労務用語辞典の解説)。 ◆「ガラスの天井」(Glass Ceiling)とは、目には見えない社会的障壁の事で、マイノリティや女性が企業内で昇進する障壁となる、その能力や成果とは関係ない、不可視の破れない壁("the unseen, yet unbreachable barrier that keeps minorities and women from rising to the upper rungs of the corporate ladder, regardless of their qualifications or achievements.")である。 ・当初は、女性のキャリアを阻む障壁のメタファー(Metaphor、隠喩(いんゆ)、暗喩(あんゆ))であったが、現在は男女を問わずマイノリティの地位向上を阻む壁として用いられるようになった。 ・ウォールストリート・ジャーナルの1986年3月24日版でマシュー・リブスレー(Matthew Livesley)とティモシー・シェルハート(Timothy Schellhardt)による造語と云われる事が多いが、それ以前にもゲイ・ブライアント(Gay Bryant)による1984年3月のAdweek記事等で利用されている例がある。 ※参考:『男女共同参画白書 平成25年版』(内閣府男女共同参画局)。 ◆「ガラスの崖」(Glass Cliff)とは、2004年に英エクセター大学のミシェル・ライアン教授とアレックス・ハスラム教授によって造られた用語。 ・「ガラスの断崖」「ガラスの崖っぷち」等とも訳される。 ・彼らの調査によって、女性がガラスの天井を突き破って指導的な立場につくと、同じ様な境遇の男性とは異なる経験をする事がしばしばあると云う事が証明されている。より具体的に云えば、女性の占める立場は往々にして不安定であり、それ故に失敗のリスクも高くなるが、これは危機的状況にある組織を率いる様に指名される事や、成功に必要な資金や援助が与えられない事に原因がある。 ・「ガラスの天井」と云う隠喩(いんゆ)表現を拡張し、彼らは失敗するリスクに晒(さら)されているが、直ぐには気付き難い危険性を言及する言葉として、"Glas Cliff"と云う概念を描き出した。従って、ガラスの天井を突破したのち、自らがガラスの崖に立たされている、つまり自分の指導的立場がリスクを伴う心許ないものであると気付く事は、実は男性よりも女性に起こり得る。 ※ミシェル・ライアン…英エクセター大学生命科学学部の社会・組織心理学教授。 ※アレックス・ハスラム…英エクセター大学の心理学教授、『欧州ジャーナル・社会心理学』の元編集者。 ※2013/12/13。 |
メンタルヘルス(Mental Health) | ◆「メンタルヘルス」(Mental Health)とは、精神面における健康の事である。 ・心の健康、精神衛生、精神保健と称され、主に精神的な疲労、ストレス、悩み、等の軽減・緩和とそれへのサポート。 ・鬱(うつ)病等の心の病気(精神疾患)の予防を目的とした場面で使われる。 ◆メンタル不調(異変)のサイン…「4つのA」に要注意。 ①「アルコール」(Alcohol)。 ・飲食時に泣き出す、泥酔する、無口になる。 ・二日酔いからの遅刻や、体調不良での有給休暇申請、等が頻発する。 ・不眠、疲労、うつ、等をアルコールで紛らわす事が習慣になると依存症にも繋がる。 ②「アブセンティーイズム」(Absenteeism)。 ・遅刻、早退、体調不良による欠勤、会議の突然の欠席、営業アポイントメントの敬遠、ボーッとしている状態も含まれる。 ③「アクシデント」(Accident)。 ・職場でのミス、怪我、納期延滞、等が該当する。 ・社員のうつを放置して大事故に繋がったケースもある。 ④「アノイアンス」(Annoyance)。 ・職場でのイラつき、焦燥感、泣き言、喧嘩、苦情、ハラスメント、等が該当する。 ◆心身が不調気味の部下への接し方のポイント。 ①日頃から「4つのA」のサインに注意し、勤怠問題が出始めたタイミングを捉えて面談する。叱責や叱咤激励はせずに心配する気持ちを示す。 ②メンタル不調への言及は避け、睡眠不調、慢性疲労感、食欲不振、等の体調不良や、仕事で気になる事がないかを尋ねる。 ③不調が2週間以上続いているなら専門家を巻き込む。社内の産業医等の他、外部のカウンセラーやコーチ、EAP(従業員支援プログラム)を活用する。 ◆不調のサインに気づいた上司の行動。 ・部下の身だしなみ、顔つき、挨拶の声、「ホウレンソウ」(報告・連絡・相談)の頻度とメリハリ、能率低下による残業増加、等にも注意を向けたい。 ・異変は放置せず、早期にかつ継続して部下を呼び出し、上記の「心身が不調気味の部下への接し方のポイント」を引き出していく。 ※出典:渡部 卓(ライフバランスマネジメント研究所の代表)@日経ビジネス2013年12月9日号。 |
システムダイナミクス(System Dynamics) | ◆「システムダイナミクス」(System Dynamics)とは、1956年にジェイ・W・フォレスター(Jay Wright Forrester、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の教授)により、産業プロセスの構造と挙動の関係を調べる手段として開発された、シミュレーション手法。 ・当初は、企業行動のシミュレーションを対象に「インダストリアルダイナミックス」(Industrial Dynamics)と呼ばれた。やがて都市問題を考察する「アーバンダイナミックス」(Urban Dynamics)、世界の環境・資源問題を検討する「ワールドダイナミックス」(World Dynamics)等に発展、適用が広がった事から「システムダイナミックス」(System Dynamics)に改称された。「ソーシャルダイナミックス」(Social Dynamics)とも。 ◆「システムダイナミクス」(System Dynamics)とは、時間の経過と共に変動するシステム(動的システム)の内部構造をモデル化して、その挙動をシミュレートする事で、対象システムの動的特性を解明しようとする方法論の事。 ・企業組織やサプライチェーン、市場と云った「産業システム」、都市や国家、世界と云った「社会システム」等、人間の集団意思決定と多重フィードバックループを備えた複雑なシステムは、「機械システム」の様な単純なシステムと異なり、その振る舞いを理解するのは簡単ではない。そこで、複雑なシステムを構成する各要素同士の相互作用(因果関係)を数学的に記述してステップ・バイ・ステップのシミュレーションを行い、その当てはまりを検討する事で対象システムの内部構造の理解を深めていく方法が「システムダイナミックス」である。 ・この手法が対象とするのは、システムを構成する要素間にフィードバックによる非線形な相互作用があり、全体として自律調整や増幅、時間的遅れと云った働きを内在する社会システムである。例えば、経済・経営問題ならば、「人気商品は価格が上昇して需要が抑制される」(市場メカニズム)、「将来価値の上昇期待が現在価格が上げ、それがまた価格上昇につながる」(バブル経済)、「店頭需要の小さな変動が生産計画に大きな影響を及ぼす」(ブルウイップ効果)と云ったものである。 ※2013/12/06。 |
ストーク・マンデビル病院(Stoke Mandeville Hospital) | ◆ストーク・マンデビル病院(Stoke Mandeville Hospital)は、障害者スポーツ発祥の地と云われている。 ・イギリスのバッキンガムシャーのアリスバーリーにある公共病院で、国民保健サービスにより管理されている。 ・この地で、1948年7月28日(土)(ロンドンオリンピック開会式と同日)に行われた「ストーク・マンデビル競技大会」(障害者による最初の国際的な競技会)は、パラリンピックのルーツとなった。 ・リハビリ施設の他にスタジアムや体育館も備え、現役パラリンピック選手がボランティアで入院患者に指導する。 ・一般的な陸上競技施設でも、健常者と障害者が同じフィールドで練習しているのは日常風景に過ぎない。 ※出典:日経ビジネス2013年11月25日号。 |
プロボノ(Pro bono) | ◆「プロボノ」(Pro bono)とは、新しいボランティアの姿を示す言葉。 ・「公共善の為に」を意味するラテン語の"pro bono publico"に由来し、次第に市民権を得つつある。 ・専門的な技能を生かして、社会貢献の為にサービスを提供する活動や、その人を指す。医師や弁護士と云った国家資格が必要なものから、通訳やマッサージ師等の専門職まで幅広い活動がある。 ※出典:日経ビジネス2013年11月25日号。 |
3H作業 | ◆「3H作業」とは、人間が作業を行う際にミスや失敗を起こし易い状況を簡潔に纏めた標語。以下の3種の作業、または状況の事を指す。 ①初めて(はじめて、Hazimete)…初めて行う作業。 ②久しぶり(ひさしぶり、Hisashiburi)…久しぶりに行う作業。 ③変更(へんこう、Henkou)…手順や方法が変更された作業。 ・これらの作業においては、普段に比べ特にミスや失敗が発生し易く、そこから事故や怪我と云った災害に繋がる事も多いと云う。 ※2013/11/21。 |
スマートフォン関連企業 | ─────────────────────────────── スマートフォン関連企業 年間売上高 営業利益 営業利益率 ─────────────────────────────── アップル(Apple) 1,709億ドル 489億ドル 28.6% サムスン電子(Samsung) 1,877億ドル 271億ドル 14.4% マイクロソフト(Microsoft) 778億ドル 267億ドル 34.3% グーグル(Google) 501億ドル 127億ドル 25.3% クアルコム(Qualcomm) 249億ドル 72億ドル 28.9% ─────────────────────────────── ※2013/11/18。 |
インバウンドマーケティング(Inbound Marketing) | ◆㈱マーケティングエンジン(共同創業者:高広 伯彦)→解説資料。 ・『インバウンドマーケティング』(著者:高広 伯彦、出版社:SBクリエイティブ㈱、出版日:2013/11/08) 【内容】マーケティングを変える次世代のコンセプト…アウトバウンドからインバウンドへ変化して中、ユーザーに必要な情報をどうやって「見つけて貰う」のかを問う、既成概念を転換するデジタル時代の新しいマーケティングコンセプトを解説。 ※㈱マーケティングエンジン…日本初のインバウンドマーケティングエージェンシー、2013年8月に設立1年で、HubSpot社の"Annual Partner Awards"において国際部門の最優秀代理店賞を受賞。 ※高広 伯彦(たかひろ のりひこ)…㈱マーケティングエンジンの代表取締役兼共同創業者。 ※出典:日経ビジネス2013年11月18日号。 |
安定性(Dependability) | ◆「安定性」(Dependability、ディペンダビリティ)とは、「信頼性」(Reliability)、「保全性」(Maintainability)、「可用性」(Availability)等を総合した広義の信頼性の事。 ・数値尺度として厳密に定義する事が困難な「利用可能性」を含めた包括概念である。 ・信頼性工学の分野では、狭義の「信頼性」に「保全性」を加えた能力として説明している。 ・JIS Z 8115:2000では、「アベイラビリティ性能及びこれに影響を与える要因。すなわち信頼性性能、保全性能及び保全支援能力を記述のために用いられる包括的な用語」と定義し、その備考で「非定量的用語として一般的記述に限り用いられる」と述べている。 (注)英語の"Reliability"には、「信頼出来る」と云う特性とその尺度の両方の意味があるが、日本語ではそれぞれ「信頼性」「信頼度」と云う用語で識別される。 ◆「ディペンダビリティ」(Dependability)は、元々はフォールトトレランス研究の分野で、ジャン-クロード・ラプリエ(Jean-Claude Laprie)が使った言葉である。 ・非定量的な要因を含む一般的な意味で“信頼出来る”と云う特性を示す言葉として“頼りがいのある”“約束を守る”と云う意味の「Dependability」を採用した。 ・彼は「コンピュータ・システムのディペンダビリティとは、実行されたサービスがどの程度正しく行われているかを明らかにする為のクオリティを示すもの」と説明している。 (注)「フォールトトレランス」(FT:Fault Tolerance)とは、システムに障害が発生した時に、正常な動作を保ち続ける能力。つまり、「障害(Fault)に耐性(Tolerance)がある状態」と云う意味。 ※2013/11/15。 |
KGI(Key Goal Indicator)とKPI(key performance indicator) | ◆ビジネスにおける「指標」の管理。 ・ビジネスにおいては、各組織レベルで最終的な「目標」を定め、その目標を具体的に実現する為の「手段」を策定し、その手段がきちんと遂行されているかどうかを定量的に測定する「指標」を決める事が必要となる。 ・“KGI”も“KPI”も共に、企業目標を達成する為の手段(となる行動)が遂行されているかを、定量的に測定する指標の1つ。 ◆“KGI”(Key Goal Indicator、重要目標達成指標)。 ・目標(ゴール)に対する達成度合いを定量的に表すもの。代表的ものとして、「受注高」「売上高」「営業損益」等がある。 ◆“KPI”(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)。 ・目標達成プロセスの実施状況を計測する為に、実行の度合い(パフォーマンス)を定量的に表すもの。一般的には「提案件数」「成約率」等がある。これを日次・週次等の一定期間毎に実績数値を計測し、プロセスの進捗を管理する。 ◆“KGI”と“KPI”の違い。 ・“KPI”は、“KGI”達成に向かってプロセスが適切に実施されているかどうかを中間的に計測するもので、その為に、先ずは“KGI”明確化した上で、プロセスごとの中間指標となる“KPI”を設定する事が重要。 ・“KGI”が、プロセスの目標(ゴール)として達成したか否かを定量的に表すのに対して、“KPI”は、プロセスの実施状況を計測する為に、実行の度合い(パフォーマンス)を定量的に示すものになる。 |
エナジャイザー(Energizer) | ◆「エナジャイザー」(Energizer)とは、活力を与える人の事。 ・周囲を鼓舞してやる気を引き出す事で、革新を実現するリーダーを云う。 ※出典:日経ビジネス2013年11月11日号。 |
般若湯(はんにゃとう) | ◆「般若湯」(はんにゃとう)は、僧家(そうけ、そうか)での「酒」の事。 ・仏寺で使う僧侶の隠語で、「酒」を表す言葉(歴史民俗用語)。 ・高野山は、本来戒律の厳しい世界ですが、寒冷をしのぐ為に祖師弘法大師も「塩酒(おんしゅ)一杯を許す」(塩を肴に一杯だけ酒を飲むのを許す)と申され、酒の効用を認めておられた、との事。 ◆「般若」とは、サンスクリット語(インドの古い言葉)で、「知恵」と云う意味。 【解説】お酒はなぜ般若湯と云うのか? ・仏教徒が守るべき日常生活における規則に「五戒」と云うものがあります。五戒とは、よく知られているように、不殺生戒・不偸盗戒・不邪淫戒・不妄語戒・不飲酒戒の五つです。 ・これら五つのうち、最後の不飲酒戒の場合は、酒を飲む事自体を戒めたと云うよりも、酒を飲む事によって、前の四つの戒めを犯しやすくなるからと云う理由によって制定されました。こういった戒律は日本に伝わって来ると、日本人は「酒を飲む事自体がいけないのではないから、酒を飲んでも他の悪い事をしなければよいはずだ」と解釈するようになったようです。 ・特に禅系の寺院の門前には、「不許葷酒入山門」(くんしゅさんもんにいるをゆるさず)とあって、酒を飲む事が激しくいましめられていましたが、薬として身体のために少しぐらい飲むのならよかろう、と云う事で、酒として飲むのではない、と云う意識から、「智恵のわきいずるお湯」と云う意味を持った「般若湯」と云う名をつけたのです。 ・『般若波羅蜜多』・『般若の面』などで知られてる『般若』と云うのは、単なる人間の知識や知恵ではなく、真実を見抜くさとりへの智恵と云う事です。 ※出典:「曹洞宗 虚空蔵山 大満寺」(宮城県仙台市)のHPより転用→仏教Q&A-寺院について-お酒はなぜ般若湯というのか、2013/11/10(日)。 |
ピボット戦略(Pivot strategy) | ◆「ピボット戦略」(Pivot strategy)とは、米シリコンバレーの間で近年、浸透している考え方。 ・事業は小規模に始め成功の可能性を早期に見極め、芽がないと判断したら直ぐに撤退し軌道修正を繰り返す。 ・変化が激しい環境で、新規事業や起業の成功率を高める最新の方法論と云われている。 ・エリック・リース氏(『リーン・スタートアップ』の著者、米国の企業家)が提唱。 ※出典:日経ビジネス2013年11月4日号。 |
レッド・オーシャン(Red ocean)とブルー・オーシャン(Blue ocean) | ◆「レッド・オーシャン」(Red ocean、赤い海)。 ・既存市場を指す。 ・血で血を洗う競争の激しい領域や価格や機能で血みどろの戦いを繰り広げなくてはいけない競争の激しい既存市場。 ・企業が生き残る為に、既存の商品やサービスを改良する事で、高コストの激しい「血みどろ」の争いを繰り広げる既存市場。 ◆「ブルー・オーシャン」(Blue ocean、青い海)。 ・新規開拓市場を指す。 ・競合相手のいない領域や競争の無い未開拓の新しい市場。 ・競争者のいない新たな市場でまだ生まれていない、無限に広がる可能性を秘めた未知の市場空間。 ◆「レッド・オーシャン戦略」(Red ocean strategy)。 ・既存の市場の中での売上の更なる増大を目指す為に、競合企業を分析し、商品を差別化し、既存市場の中でのシェアの増大を図る。 ・この戦略では、ある企業が利益を上げると云う事は、他社企業の利益を奪う事であり、市場のゼロサムゲームに過ぎない。 ・マイケル・ポーターの競争戦略は、主としてレッド・オーシャンである激しい競争市場での戦い方を示す戦略論と云われている。 ◆「ブルー・オーシャン戦略」(Blue ocean strategy)。 ・フランスの欧州経営大学院(INSEAD)のW・チャン・キム教授とレネ・モボルニュ教授によって、2005年2月に発表された著書『ブルー・オーシャン戦略』で提唱された経営戦略論。 ・レッド・オーシャンの「競争」とは無縁のブルー・オーシャンと云う新しい価値市場を創造し、ユーザーに高付加価値を低コストで提供する事で、利潤の最大化を実現すると云うのが、この戦略の狙い。 ・この市場では、顧客にとってあまり重要ではない機能を「減らす」「取り除く」事によって、企業と顧客の両方に対する価値を向上させる「バリュー・イノベーション」(Value innovation)が必要だとしている。 ◆従来から良く知られているマイケル・ポーターの競争戦略が「事業が成功する為には、低価格戦略か差別化(高付加価値)戦略の何れかを選択する必要がある」としているのに対し、「ブルー・オーシャン戦略」では、低コストと顧客にとっての高付加価値は両立し得ると主張している。 ※2013/11/01。 |
ストレス(Stress)とコーピング(Coping) | ◆「ストレス」(Stress)とは、心身の適応能力に課せられる要求(「ストレッサー」(Stressor)、「ストレス源」と云う)、及びその要求によって引き起こされる心身の緊張状態(「ストレス反応」と云う)を包括的に表す概念(「心理学辞典」(有斐閣)より)。 ・ストレスとは、元々は「圧力」「圧迫」等を意味する言葉。しかし、1930年代後半にハンス・セリエ氏(ハンガリー系カナダ人の生理学者、ストレス学説を唱えた)によって「外界のあらゆる要求によってもたらされる身体の非特異的反応」を表す概念として提唱された。 ・セリエは、「ストレスを外界からの要因に対する生体の適応メカニズムと考えれば、生体は適度なストレッサーが加わる事によって、心地良い緊張をもたらし、それが活動エネルギーになる」としている。そこから「ユーストレス」(Eustress、有益ストレス、建設的なストレス)・「ディストレス」(Distress、有害ストレス、非建設的なストレス)と云う考えが生まれた。 ①「ユーストレス」(Eustress、有益ストレス、建設的なストレス)…楽しい、愉快、気持ちがいい、と云った「わくわく」「どきどき」の様なプラスの感覚。このタイプのストレスは、厳しい目標に到達する場合のエネルギーや動機付け(Motivation、モチベーション)にもなる。しかし、この種のストレスも、扱いになれていないと心や身体、行動にマイナスのストレスと同じ様な反応を示す事がある。 ②「ディストレス」(Distress、有害ストレス、非建設的なストレス)…心配、緊張、葛藤、プレッシャー等で、「いらいらする」「くよくよする」「むかむかする」と云ったマイナスの感覚。一般には、ディストレスをストレスとしている場合が多い。 ③「オプティマル・ストレス」(Optimal Stress、最適なストレス)…2つのタイプのストレスの中間にある適度なレベルのストレス。この状態にある時に人は最も意欲的になり、注意力、分析力、記憶力が高くなり、爽快感を強く感じる。すると、心も身体もバランスよく青空の様に平静に保たれる。ストレスマネジメントの目的は、オプティマル・ストレスの状態を自ら作れる様にする事である。 ◆「コーピング」(Coping)とは、ストレス反応を低減する事を目的とした絶えず変化していく認知的、行動的努力のプロセス(「心理学辞典」(有斐閣)より)。 ・「ストレス・コーピング」「ストレス対処法」とも呼ばれ、学校や企業でのメンタルヘルス対策で注目されている。 ・ラザルスとフォルクマン(Lazarus & Folkman, 1984)は、コーピングを2つに分類。 ①「問題焦点型コーピング」(Problem-focused coping)…外部環境や自分自身の内部の問題を解決する為に、ストレス要因に働きかける。問題の所在の明確化、情報収集、解決策の考案や実行等。 ②「情動焦点型コーピング」(Emotion-focused coping)…情動的な苦痛を低減させる為に、ストレス要因がもたらす感情に働きかける。回避、静観、気晴らし等。 ・「問題焦点型コーピング」は、そもそも問題が解決可能なものである事が前提となっている為、解決が困難または不可能である問題に直面している時は、「情動焦点型コーピング」を選ぶ事になる。これらのコーピングは同時に或いは継続的に行なわれ、相互に促進的または抑制的に影響し合う事が多い。 ・「コーピング・ストラテジー」(Coping Strategy)や「コーピング・スキル」(Coping Skill)と云う言葉もある。 ※出典:日経ビジネス2013年10月28日号、他。 |
公と官、私と民 | ◆「公」は、歴史的には大きな「イエ」としての「おおやけ」(公)から来ていて、領主権を指す。 ◆「官」は、古代中国(隋・唐)をモデルにした集権型の権力機構を指し、明治時代からは国家に限定されて使われた。 ・「官」が国であり、市町村は「公」であり、「官公庁」と云う時は、国家と地方の両方を指し、公が下位、官が上位になる。 ※出典:武田 康弘(哲学者、ソクラテスの研究家、「白樺文学館」の初代館長)→現「白樺教育館」に衣替え(館長:佐野 力…日本オラクル㈱の初代社長、元代表取締役会長兼CEO)。 ◆「官」は、基本的に「公」の為、「民」は、基本的に「私」の為に存在しており、「民」による「公」の為の活動範囲は拡大しつつあるとは云え、副次的なものと位置付けられている。 ・しかし、「公・私」と「官・民」の概念軸を分離する事により、そうとは限らないと云う事が見えて来る。 ・古くは、トクヴィル(アレクシ・ド・トクヴィル:フランス人の政治思想家)がアメリカの市民社会について喝破した(注)様に、また、日本においても近世村落の自立的組織である「講」や「組」、更には江戸の町火消し等が公共的役割を担っていた様に、歴史的にも「民」が「公」の担い手として大きな役割を果たす時代や場所があった。 ・或いはむしろ、「公」の殆どが「官」によって担われていた近年の状況自体が、福祉国家化と云う特殊要因によって形成されて来たものと云えるかもしれない。 ◆「公・私」と「官・民」の概念軸を分離する事によって、先ず浮かび上がって来る事は、それぞれの概念軸における属性の対応関係(例えば、「公-官」或いは「私-民」と云った様な事)は、常に一定ではないと云う事である。 (注)『アメリカの民主政治』(全2巻、第1巻は1835年、第2巻は1840年)…アレクシス・ド・トクヴィルが1830年代のアメリカの強さ・弱さについてフランス語で書いた古典的著書。原著の題名の逐語訳は『アメリカの民主制について』だが、通常は『アメリカの民主政治』と訳されている。本書はアメリカの民主制についての古典的説明とみなされており、重要な参考文献としてずっと利用され続けている。 ※出典:佐藤 創一(内閣官房勤務)。 |
水ストレス | ◆「水ストレス」とは、水需給が逼迫している状態を云う。 ・水ストレスの程度を表す指標としては、「人口一人当たりの最大利用可能水資源量」が良く用いられる。 ・この指標では、農業、工業、エネルギー及び環境に要する水資源量は、年間一人当たり1,700立方メートルが最低基準とされていている。 「水ストレス下にある」状態…水資源量<1,700立方メートル 「水不足」の状態…水資源量<1,000立方メートル 「絶対的な水不足」の状態…水資源量<500立方メートル ・現在、世界の水需給の逼迫の状況にあり、43カ国の約7億人もの人々が、この水ストレスを感じる限界点以下の生活をしていると云われている。 ◆世界人口の増加と世界の取水量の推移。 ・国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の「世界人口白書2012」によれば、世界の総人口は推計で約70億5,200万人とされおり、このまま増加すると今世紀半ばの2050年には約91億人になると予測されている。人口増加のうち90%は発展途上国での増加と想定されている。 ・人口の増加は、即ち水の使用量の増加を意味し、現在の増加率では年間の水需要が約640億立方メートル増加する事になる。 ◆急増する水利用量。 ・国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の『World Water Resources at the Beginning of the 21st Century,2003』によると、1995年(平成7年)時点での世界の水使用量は、年間約3兆7,500億立方メートルとなっている。このうち、農業用・工業用が全体の90%近くを占めていて、特に農業用が約70%を占めている。 ・水の使用量は、1950年(昭和25年)から1995年(平成7年)の45年間で、約2.74倍となっていて、同期間の人口の伸び(約2.25%)よりも高い結果となっている。特に生活用水の使用量は6.76倍と急増している。 ・2025年(平成37年)の予測水使用量は1995年の1.37倍、生活用水については1.83倍になると報告されている(30年間の伸び率)。 ※出典:「世界の水資源問題」(国土交通省)。 |
承継(しょうけい)と継承(けいしょう) | ◆承継(しょうけい)。 ・前の代からのものを受け継ぐ事。 ◆承継取得(権利を取得する方法)。 ├①原始取得 └②承継取得 ├(a)一般承継(包括承継) └(b)特定承継 ①原始取得…権利を人から譲り受けるのではなく、いきなり自分のものになる場合。一番分かり易いのが、建築物の建築で、まさしく自分で建築物を建築し、いきなり自分のものになる。それだけではなく、「時効」と云うのも原始取得とされる。いきなり自分のものになる場合ですから、前主の元で付着していた権利等とは関係なく新たに権利を取得する事になる。つまり、更(さら)の権利を取得する。 ②承継取得…前者の権利をそのまま承継する事。人から財産等を譲り受ける事。文字通り人から財産を「承継」して取得する。前主の権利を「承継」する訳ですから、承継人(譲受人)は前主の元に付着していた権利も取得する事になる。 (a)一般承継(包括承継)…前主の全ての財産を包括的に譲り受ける場合。つまり、前主の有していた一切の権利・義務を承継する場合。個人(自然人)の場合は「相続」が典型例。法人の場合は「合併及び会社分割」がこの一般承継に該当。 (b)特定承継…特定の財産のみ譲り受ける場合。「売買・贈与」が典型例。 ●相続(そうぞく)。 ・家督・地位等を受け継ぐ事。跡目を継ぐ事。 ・法律で、人が死亡した場合に、その者と一定の親族関係にある者が財産上の権利・義務を承継する事。現行民法では財産相続だけを認め、共同相続を原則とする。 ●相承(そうじょう、そうしょう)。 ・弟子が師から、子が親から、学問・技芸・法等を次々に受け継ぐ事(師資相承、父子相承)。 ◆継承(けいしょう)。 ・制度や手法を受け継ぐ事。 ・前代の人の地位・身分・仕事・財産等を受け継ぐ事。 ①王位継承…国王の位の継承。 ②皇位継承…天皇の位の継承。 ③使徒継承…キリスト教における十二使徒の教えの継承(に関する概念)。 ④継承国…国際法上の条約等の権利及び義務の継承。 ※出典:日経ビジネス2013年10月21日号。 |
スネップ(SNEP)、ニート(NEET)、フリーター(Freeter) | ◆日本の就業事情…2011年推計値。 ・スネップ(SNEP、孤立無業者):162万人。 ・ニート(NEET、若年無業者):60万人。 ・フリーター(Freeter):176万人。 ◆スネップ(SNEP、孤立無業者)。 ・「スネップ」(SNEP:Solitary Non-Employed Persons、孤立無業者)とは、20歳以上59歳以下の未婚で無業者のうち(在学中を除く)、普段ずっと一人でいるか、一緒にいる人が家族以外にはいない人々を指す。 ・スネップは、家族と一緒にいる時間が普段ある「家族型孤立無業」と、ずっと一人でいる「一人型孤立無業」に分類される。 ・就業、就学、職業訓練の何れもしていない人である「ニート」の予備軍と云われている。 ◆ニート(NEET、若年無業者)。 ・「ニート」(NEET:Not in Education, Employment or Training、若年無業者)とは、就学、就労、職業訓練の何れも行っていない状態を指す。但し、この訳は日本におけるニートの定義・用法とは若干異なる。 ・日本政府の定義…日本における「ニート」(若年無業者)の算出方法は、厚生労働省『特定調査票集計』の中の「詳細集計」(総務省労働力調査)に基づいており、そのうち、15歳~34歳の非労働力人口の中から学生と専業主婦を除き、求職活動に至っていない者と定義している。尚、所謂「家事手伝い」は、現在の同省の定義ではニートに含まれていない。 ◆フリーター(Freeter)。 ・「フリーター」(Freeter)とは、日本で正社員・正職員以外の就労形態(契約社員・契約職員・派遣社員・アルバイト・パートタイマー等)で生計を立てている人を指す。 ・和製の造語で、「フリーランス(Freelance)・アルバイター(Arbeiter)」の略称。「フリー・アルバイター」(Free arbeiter)とも。 ・英語圏では「パーマネント・パートタイマー」(Permanent part-timer)等の語で表す事が出来るが、正社員と云う用語そのものがないので、明確に対応する用語は存在しない。 ・「フリーター」には、3つのタイプがある。 ①モラトリアム型 a)離学モラトリアム型 ・就職や将来に対する目標を持たず進学はしたが中退した者、就職活動をせずフリーターとなった者のタイプ。 b)離職モラトリアム型 ・職場での人間関係や仕事自体に嫌気が差し、辞めた後の見通しもはっきりしないままフリーターとなったタイプ。 ②やむを得ず型 a)正規雇用志向型 ・正規雇用を志向しつつフリーターとなったタイプ、特定の職業に参入機会を待っていたタイプ、新卒時に就職活動がうまくいかなかったケース、特定の職業へ参入する機会を持っているケース等社会的状況が影響する場合が多いタイプ。 b)期間限定型 ・学費稼ぎや次の入学時期や就職時期までと云った、期間限定の見通しを持ってフリーターとなったタイプ。海外へ行く為に費用を貯めているケース等が含まれるタイプ。 c)プライベートトラブル型 ・本人や家族の病気、事業の倒産、異性関係等のトラブルが契機となってフリーターとなったタイプ。 ③夢追求型 a)芸能志向型 ・バンドや演劇、俳優等、芸能関係を志向してフリーターとなったタイプ。 b)職人・フリーランス型 ・自分の技能・技術で身を立てる職業を志向してフリーターとなり、試行錯誤のプロセスを通して参入の機会を待っているタイプ。 ※出典:日経ビジネス2013年10月7日号。 |
アグリゲーター(Aggregator) | ◆「アグリゲート」(Aggregate)とは、集めるとか、総計いくらになる、と云う意味。 ◆「アグリゲーター」(Aggregator)とは、集める人(事業者)の事。 ・情報の収集、整理、配信を行なう業者や個人を云う。 ・最近の電力産業の世界では、ネガワット(Negative Watt、電力用語辞典を参照)を集める事業者を「アグリゲーター」と呼んでいる。 ◆「コンテンツ・アグリゲータ」(Contents Aggregator)とは、インターネット上の情報を収集、整理し、エンドユーザへと配信する業者や個人。 ・例えば、ショッピング、オークション、インターネットモール等と云った分野について、いくつかのサイトで情報を集め、同一商品、類似商品の価格を比較して消 費者に提供するサイト等がある。 ・映像等のコンテンツを保有する企業や個人から利用許諾を得て、自社の回線網等利用者に配信する事業者もコンテンツ・アグリゲータと云う。 ※出典:日経ビジネス2013年10月7日号。 |
アジア各国の名目GDPと人口(15ヵ国) |
──────────────────────────────── 国 名 名目GDP 人 口 面 積 一人当たりの 一人当たり (億ドル) (万人) (km2) 名目GDP(ドル) の面積(m2) ──────────────────────────────── 中国 82,270 135,400 9,600,000 6,076 7,090 日本 59,640 12,761 377,955 46,736 2,962 インド 18,248 122,317 3,287,263 1,492 2,687 韓国 11,559 5,001 100,000 23,113 2,000 インドネシア 8,782 24,447 1,890,000 3,592 7,731 台湾 4,740 2,332 36,000 20,326 1,544 タイ 3,656 6,438 514,000 5,679 7,984 マレーシア 3,035 2,946 330,000 10,302 11,202 シンガポール 2,765 541 710 51,109 131 フィリピン 2,504 9,580 299,404 2,614 3,125 ベトナム 1,381 9,039 329,241 1,528 3,642 ミャンマー 531 6,367 680,000 834 10,680 ブルネイ 166 40 5,765 41,500 14,413 カンボジア 142 1,525 181,000 931 11,869 ラオス 92 638 240,000 1,442 37,618 ──────────────────────────────── ※2013/09/30。 |
安全戦争(Safety War) | ◆ジェームズ・リーズン氏(James Reason、英マンチェスター大学の心理学教授)は、著書『組織事故』(The Human Contribution)の中で、安全への取り組みは、「最後の勝利なき長期のゲリラ戦である」と例えている。 ・安全への取り組みは、まさにゲリラ戦と類似した以下の特徴がある。 ①決して勝たない。 ②決して終わらない。 ③敵は潜伏していて発見が困難。 ④リターンマッチはない。 ⑤やっかいなのは手を抜くとやられる。 ※2013/06/05。 |
サーカディアン・リズム(Circadian rhythm) | ◆「サーカディアン・リズム」(Circadian rhythm、概日(がいにち)リズム)とは、動植物の運動や生理現象にみられる、約24時間を周期とする内因性のリズム。日周期の「生物時計」「体内時計」とも。 ・約24時間周期で変動する生理現象で、動物、植物、菌類、藻類等殆どの生物に存在している。 ・英名である"circadian rhythm"は、ラテン語の「約、概ね」を意味する"circa"と、「日」を意味する"dies"から名付けられた。つまり「概(おおむ)ね一日」の意味。 ・「時間生物学」…日、週、季節、年等の単位で経時的に変化する生物のリズムを研究する学問の事。 ・内在的な概日リズムは、1729年にジャン=ジャック・ドルトゥス・ドゥメラン(フランスの科学者)によって初めて科学論文として報告された。彼は植物(オジギソウ)の葉が、外界からの刺激がない状態でも約24時間周期のパターンで動き続ける事(就眠運動)に気付いた。 ※2013/06/05。 |
正常性バイアス(Normalcy bias)と多数派同調バイアス(Majority synching bias) | ◆「正常性バイアス」(Normalcy bias)とは、どの様な人間の心理にもある程度存在するとされる「認知バイアス」(Cognitive bias)の一種で、社会心理学、災害心理学等で使用されている心理学用語。「正常化の偏見」「正常への偏向」「日常性バイアス」「恒常性バイアス」とも。 ・「正常性バイアス」とは、多少の異常事態が起こっても、それを正常の範囲内として捉え、心を平静に保とうとする働きの事。この働きは、人間が日々の生活を送る中で生じる様々な変化や新しい出来事に、心が過剰に反応し、疲弊しない為に必要な働きである。 ・「正常化の偏見」とは、異常な事態に直面していながら、「大した事にはならないに違いない」「自分は大丈夫だろう」と思い込み、危険や脅威を軽視してしまう事。災害発生時に、避難や初動対応等の遅れの原因となる場合がある。 ・自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性の事で、目の前の物事が異常な状態を示していても、比較的大きな状態変化がない限りは正常であると見做してしまう事。日常生活における心理的なストレスを軽減する為、無意識に行われるとされる。 ・この他に、意思決定における性質として、「こじつけ解釈」(Story building strategy)がある。「きっと○○のせいだろう」と異常を発見しても、正常化する理由を創造する事を云う。 ※2013/06/05、2020/04/28。 ◆「多数派同調バイアス」(Majority synching bias)とは、どの様に行動してよ良いか迷った時に、周囲の人と同じ行動を取る事が安全と判断する心理傾向の事で、「認知バイアス」(Cognitive bias)の一種。「集団同調性バイアス」とも。 ・「多くの人がそう考えたり行動したりするのであれば、それが正しいのだろう」と判断すると云うものである。文化形成に必要な社会的行動を誘発する心の働きである。 ・その一方で、災害や事故の発生時や危機的な状況に遭った際に、周囲の人がその場を離れなかったり危険を回避する行動を取らなければ、それに同調してしまい、避難や初動対応の遅れの原因となる事がある。 ※2021/03/07。 ◆国土交通省 静岡河川事務所の資料から。 ・「正常性バイアス」(Normalcy bias)とは、異常(災害や事故等)が起きているのにも関わらず、「自分は大丈夫」「今回も大丈夫」等、無意識の内に事態を過小評価してしまう心理状態の事を云う。これは本来、人が普段、事故や災害等経験した事が無い場面に直面した時に、心が過剰に反応して疲れてしまわない為の心の働きである ・「多数派同調バイアス」(Majority synching bias)とは、周りの人たちの行動に自分の行動を合わせてしまう心理状態の事を云う。人は、集団生活をする社会的生物で、異常事態に直面すると、周りの人に行動を合わせようとする。周囲の行動を伺って、「自分が思い違いをしているかもしれない」「自分だけ変な行動を取りたくない」と無意識の内に考えてしまっている(国土交通省 静岡河川事務所の資料から)。 ※参考:静岡地域・志太榛原地域大規模氾濫減災協議会(国土交通省 静岡河川事務所、他) 学校防災教育分会 中学生用教材『「知る」ことでみずからの命を守る』。 |
リスキーシフト(Risky shift) | ◆「リスキーシフト」(Risky shift、危険な意志転向)とは、集団の成員の初期傾向に依って、集団の討議(集団的意思決定)が、より危険の高い様な決定や、若しくはより保守的な決定に傾斜していく事を云う。 ・「コーシャスシフト」(Cautious shift)と合わせて、「集団極性化現象」(Group polarization)と呼ばれる。 ・「リスキーシフト」(Risky shift)は、社会心理学の用語で、「集団思考」(Groupthink)として知られている現象の1つで、ストーナー(J.F.S.Storner)が1961年に報告した。 ◆「危険な意志転向」とは、集団の全員が、より保守的若しくはより自由主義的な立場に自分の見解を変更し、それによってそのケースでは、客観的には全く間違いとしか云い様がない集団の中での合意が形成されてしまうと云うものである。 ・個人であれば犯さないような間違いを集団の中では、次第に危険度(リスク)の高い方向に言動が傾斜していく事である。 ・幾つかの著名な戦争や集団による事件は、この現象による影響を受けた結果として起きた可能性がある。 ※2013/06/05。 |
忘却曲線 | ◆「忘却曲線」とは、記憶の中でも特に中期記憶(長期記憶)の忘却を表す曲線を云う。 ・特に、ヘルマン・エビングハウス(心理学者)によるものが有名で、自ら「子音・母音・子音」から成り立つ無意味な音節(rit, pek, tas, ...etc)を記憶し、その再生率を調べ、この曲線を導いた。 ・エビングハウスの名から、「(ヘルマン・)エビングハウスの忘却曲線」とも。 ◆「節約率」とは、一度記憶した内容を再び完全に記憶し直す迄に必要な時間(または回数)をどれ位節約出来たかを表す割合である。 式で表すと、 ・「節約率」=(節約された時間または回数)÷(最初に要した時間または回数) ・「節約された時間または回数」=(最初に要した時間または回数)-(覚え直すのに要した時間または回数) 20分後には、節約率が58%であった。 1時間後には、節約率が44%であった。 1日後には、節約率が26%であった。 1週間後には、節約率が23%であった。 1ヵ月後には、節約率が21%であった。 ※2013/06/05。 |
バーバルコミュニケーション(Verbal communication)とノンバーバルコミュニケーション(Non-verbal communication) | ◆コミュニケーションには、大きく分けると2通りある。 ①「バーバルコミュニケーション」(Verbal communication、言語的コミュニケーション)…言葉によるコミュニケーション。会話や文字、印刷物等の言語的なコミュニケーションの事。 ②「ノンバーバルコミュニケーション」(Non-verbal communication、非言語的コミュニケーション)…言葉を使用しないコミュニケーション。顔の表情や声の大きさ、視線、身振り手振り、ジェスチャー等によるコミュニケーションの事。 ◆アルバート・メラビアン博士(アメリカの心理学者)は、話し手が聞き手に与える影響がどの様な要素で形成されるか測定した。その結果、話し手の印象を決めるのは、「言葉以外の非言語的な要素で93%の印象が決まってしまう」と云う事が判明。 ①視覚情報(Visual)…見た目・身だしなみ・しぐさ・表情・視線→55% ②聴覚情報(Vocal)…声の質(高低)・速さ・大きさ・テンポ→38% ③言語情報(Verbal)…話す言葉そのものの意味→7%(実は、言語的な部分は1割にも満たない、7%しか相手に伝わらない) ※2013/06/05。 |
リーダー像の変遷 | ◆リーダー像の変遷は、時代の変化を映す。 ・1980年代以降は10年周期で交代。その注目経営者の顔触れの推移は、以下の通り。 ①創業者に学んだ1980年代(戦後の高度成長)…松下幸之助(パナソニック㈱の創業者)、本田宗一郎(ホンダ(本田技研工業㈱)の創業者)。 ②改革者の躍進した1990年代(バブル経済崩壊後)…丹羽宇一郎(伊藤忠商事㈱の前会長)、武田國男(武田薬品工業㈱の元会長)。 ③米国流育成を受けた経営者の2000年代…孫正義(ソフトバンク㈱の創業者・社長)、カルロス・ゴーン(日産自動車㈱の社長)。 ④将来のリーダーに求められる資質…調整力(他部署と事業を取り纏める)、打開力(難局を知恵と工夫で乗り切る)、理解力(国・地域の特徴を受け入れる)。 ※出典:日経ビジネス2013年8月26日号。 |
不気味の谷(The Uncanny Valley) | ◆不気味の谷(The Uncanny Valley)とは、ロボットや他の非人間的対象に対する人間の感情的反応に関するロボット工学上の概念。 ・人型ロボット等の様態があまりにも人間に近い時に、見る者に違和感や嫌悪感を抱かせるとされる現象。 ・森 政弘氏(ロボット工学者、東京工業大学の名誉教授)が1970年に提唱。 ・人間とロボットが生産的に共同作業を行う為には、人間がロボットに対して親近感を持ち得る事が不可欠だが、「人間に近い」ロボットは、人間にとって酷く「奇妙」に感じられ、親近感を持てない事から名付けられた。 ・外見と動作が「人間にきわめて近い」ロボットと「人間と全く同じ」ロボットによって引き起こされると予想される嫌悪感の差を「不気味の谷」と呼ぶ。 ※出典:日経ビジネス2013年8月12・19日合併号。 |
リービッヒの最小律(Liebig's Law of the Minimum) | ◆リービッヒ(Liebig)の最小律(Liebig's Law of the Minimum)とは、「植物の生長(生育)は、必要とされる無機養分のうち最も少ないものによって決まる」と云う法則。 ・植物の生育や収量は、必要とする無機養分の内で最も少量に存在するものによって支配されると云う法則。 ・植物の成長速度や収量は、必要とされる栄養素の内、与えられた量の最も少ないものにのみ影響されるとする説。 ・ユーストゥス・フォン・リービッヒ(ドイツの化学者)が提唱。 ※養分…植物には、窒素・リン酸・カリウムの3要素が必須。後に、養分以外に水・日光・大気等の条件が追加された。 ・現在では、それぞれの要素・要因が互いに補い合う場合があり、最小律は必ずしも定まるものではない、とされている。 ◆ドベネックの桶(Dobenecks's Bucket、リービッヒの最小律を分かり易く説明するもの)。 ・植物の成長を桶の中に張られる水に見立て、桶を作っている板を養分・要因と見立てる。 ・これならば、例え一枚の板のみがどれだけ長くとも、一番短い部分から水は溢れ出し、結局水嵩は一番短い板の高さ迄となる。 ※出典:日経ビジネス2013年8月5日号。 |
ARASL(アラスル) | ◆“ARASL”(アラスル)は、野村総合研究所が提唱する「O2O」(Online to Offline)マーケティングの購買(消費)モデル。 ・インターネット業界中心に使われるキーワード「O2O」(オーツーオー)は、「オンライン(インターネット)のサービスを利用して、消費者をオフラインの店舗へ送客する事」を意味する。 ・「共有」で消費の連鎖を生むサイクル…「Attention」(認知)→「Reach」(来店・送客)→「Action」(購買・利用)→「Share」(共有)→「Loyal」(再利用)。 ・「O2O」マーケティングの市場規模…2011年度=約22兆円→2017年度=50兆円と野村総合研究所が予測。 ※出典:日経ビジネス2013年7月29日号「旬のキーワード」。 |
ホークアイ(Hawk-Eye) | ◆「ホークアイ」(Hawk-Eye)は、球技スポーツの審判補助システム。 ・ホークアイ(Hawk-Eye)は、球技において、試合中にボールの位置や軌道を分析し、それらをコンピュータ・グラフィックスで再現する事により、審判が下す判定の補助を行うコンピュータ映像処理システム。また、ボールの位置や軌道の統計を作成し画面に表示する。クリケットの試合やテニスのウィンブルドン選手権等の国際大会で採用されており、他の球技にも応用可能とされる。 ・本システムの名称は「The Hawk-Eye Officiating System」である。このシステムでは、競技場に設置された複数のカメラが捉えた映像からボールの最も妥当な軌道を再構築し、コンピュータ・グラフィックスで瞬時に再現する。Hawk-Eyeは「鷹の目」を意味し、またHawk-Eyeの名称は開発者の名前であるポール・ホーキンズ(Dr. Paul Hawkins)が由来である。 ・ホークアイ(Hawk-Eye)は、脳手術及びミサイル追跡に元々使用されている技術を使用している。1999年にイギリスのRoke Manor Research社にて研究が開始され、ホーキンズ博士をリーダーとしてシステムの構想が生まれた。その後2001年9月にホーク・アイ・イノベーションズ社(Hawk-Eye Innovations Ltd)が別会社として設立された。2011年3月7日にはソニーがホーク・アイ・イノベーションズを買収している。 ※出典:日経ビジネス2013年7月29日号「世界鳥瞰」。 |
キャリア複線時代の人材育成 | ◆企業そのものが人を育てられない装置になって来ている? ・F:日本企業は、この10年~15年の間にリストラをやって、組織をシンプル(フラット)にした。それによってムダもなくなったが、失敗が許されない組織になってしまった。昔(高度成長時代)は、社員がムダや失敗を積み重ねながら成長出来た。だが、今の企業でそれは許されない。その結果、人を育てる機能が弱まっているのではないか? ・N:人材育成の原理とは、「出来るかどうか分からない人」に仕事を振って、適切なフィードバックを与える事。しかし、組織がムダや失敗を恐れるあまり、「出来る人」にばかり仕事を振る様になると、「出来るかどうか分からない人」が経験を積めなくなる。 ・F:しかも、その「出来るかどうか分からない人」は分厚い中間層を成している。「出来ない人」にチャンスが回ってこないのは止むを得ないのかもしれないけど、伸びしろのある中間層が成長し辛い構造になって来ている。更に、「出来る人」は、条件の良い他社に引き抜かれて移っていくかもしれない。 ・N:結果として、その組織に残るのは、下位層と、そこに近づいていく中間層と、マネジャーだけ、と云う状態になっていきかねない。所が、その事にマネジャー達も意外と気づいていない。遅くまで会社に残って、部下の代わりに仕事を全て引き受けて、益々疲弊している。この負のスパイラルをどう断ち切るかが、今の人材育成の課題である、と。 ※F:藤原 和博(教育改革実践家) ※N:中原 淳(東京大学大学総合教育研究センターの准教授) ※出典:日経ビジネス2013年7月1日号「経営新潮流」。 |
「宙瞰図」の視点 | ※2013/06/19。 |
1万時間の法則と10年ルール | ◆「1万時間の法則」は、何であれ、1万時間掛けて訓練すればマスター出来る。 ・1日6時間のトレーニングを365日続ければ、1年で約2,000時間、5年で1万時間に達する。それだけやれば、何でもほぼこなせる様になる。更にもう5年続けたら、しっかりとした技術やスキルとなって身に付く。 ※出典:藤原 和博(教育改革実践家)。 ◆「10年ルール」は、人が何かに熟達するには、大体10年、1万時間位掛かるとされている。 ・ビジネスパーソンは、22歳~60歳まで働くとしたら、職場にいる時間は、残業を除くと、平均6万8,400時間位で、何かに熟達する為には、少なくともその6分の1を使う必要がある。 ※出典:中原 淳(東京大学大学総合教育研究センターの准教授)。 ※出典:日経ビジネス2013年6月24日号「経営新潮流」。 |
俯瞰(ふかん)と鳥瞰(ちょうかん) | ◆「俯瞰」と「鳥瞰」は同義語で、日本語としてはどちらも同じ意味。 ◆「俯瞰」(Highangle)は、高い所から見下ろす事。全体を上から見る事。 ・「クォータービュー」(Quarter view)もしくは「ティルトビュー」(Tilt view)の訳語として使われている。 ※「クォータービュー」(Quarter view)…立体を平面に描写する方法の1つ。立体を縦・横・高さの三軸で区切り、縦軸と高さ軸のなす角と横軸と高さ軸のなす角の大きさが等しくなる二等角投影で形成される。 ※「ティルト」(Tilt)…英語で「傾ける」等の意。「チルト」とも読む。 ※「パン」(Pan)…カメラのチルトの事。映像の撮影技法の1つで、固定したカメラの向きを「振る」事。本来、左右に振る事だけを「パン」と呼び、上下に振る事は「ティルト」と呼ぶが、左右でも上下でも「パン」と呼ぶ事がある。「パンニング」(Panning)とも。語源は、「パノラマ」(Panorama)。 ◆「鳥瞰」は、鳥が空から見おろす様に、高い所から広い範囲を見下ろす事。また転じて、全体を大きく見渡す事(鳥瞰図)。 ・「バードビュー」(Bird view)の訳語として使われている。。 ※「バードビュー」(Bird view)…飛ぶ鳥が見る様に、上空から斜めの視線で地図等を描く技法。 ※「鳥瞰図」(Bird's eye view)…地図の技法及び図法の一種で、上空から斜めに見下ろした様な形式のものを云う。飛ぶ鳥の目から見た様に見える、と云うのが鳥瞰の語義。「俯瞰図」「パノラマ図」とも。 ※参考:反対の(下から上を仰ぎ見る)視点は「俯瞰」に対して「仰瞰」と云い、或いは「鳥瞰」に対して「虫瞰」(虫瞰図:Insect's eye view)と云う視点や表現法も提案されている。 ※2013/06/19。 |
ブラック企業(ブラック会社) | ◆「ブラック企業」(ブラック会社)とは、広義には入社を勧められない労働搾取企業を指す。英語圏では一般的にスウェットショップ(Sweatshop)と呼ばれている他、中国語圏では、「血汗工場」とも。 ・脱ブラックを円滑に進めるヒント…若者を萎縮させない「言葉の言い換え」15。 ─────────────────────── <NG> → <OK> ─────────────────────── ①「チャレンジ精神がない」→「地に足が着いた」 ②「決断力がない」 →「入念に考える」 ③「内向的」 →「熟慮するタイプ」 ④「消極的」 →「謙遜する性格」 ⑤「目立たない」 →「落ち着きがある」 ⑥「ひ弱」 →「感受性が高い」 ⑦「空気を読まない」 →「破天荒」 ⑧「態度が偉そう」 →「器が大きい」 ⑨「根気がない」 →「好奇心が旺盛」 ⑩「意見を聞かない」 →「こだわりがある」 ⑪「図々しい」 →「度胸がある」 ⑫「雑な性格」 →「おおらか」 ⑬「鈍重」 →「真面目」 ⑭「半人前」 →「将来が楽しみ」 ⑮「コラッ!」 →「どうした?」 ─────────────────────── ※出典:日経ビジネス2013年4月15日号。 |
ミスミの変化創造型組織 | ◆"Small is Beautiful"「スモール・イズ・ビューティフル」の組織原理→特性から組織の活性度を判定すると、ミスミは「変化創造型組織」。 ・下表は、これまで三枝 匡氏(ミスミの会長)が現場経験、20代から書きためたメモや切り抜き、学者の本からの借り物等を寄せ集めた表である。「硬直化した伝統的組織」とは、日本の古い会社の事で、「生き生きとした変化創造型組織」は、例えば、シリコンバレーの米国ベンチャー企業だと思って欲しい。伝統的組織はヒエラルキー型の組織で、集権されている。一方のベンチャー企業は、チーム制等の分権型組織が特徴である。社内の仕事のプロセスは、伝統的企業は機能別組織の分業ですから関係者が集まって相談しなければ進まない。一方、変化創造型組織では、個人が「多能工化」し、一気通貫で仕事をする傾向が強いのでシンプルである。 ───────────────────────────────────── 組織の特性 硬直化した伝統的組織 生き生きとした変化創造型組織 ───────────────────────────────────── ・組織構造 階層型(集権) 分散型(ホリスティック・チーム) ・仕事のプロセス 複雑 シンプル(一気通貫) ・個人の仕事範囲 狭い(分業) 広い(多能工化) ・組織の統制 管理(コントロール) 自律的(エンパワーメント) ・上司の役割 管理職 コーチ・リーダー ・社員の職業意識 雇われ(労使) プロフェッショナル ・満足させる相手 上司 顧客 ・評価対象 行動(努力) 結果追求(利益) ・報酬形態 月給(時間給) 成果報酬 ・賢いとされる行動 リスク回避 チャンス創造(高リスク) ・ほめられる行動 改善 変革 (マニュアル書き換え)(シナリオ書き換え) ・企業経営スタイル 維持延長(農耕) 戦略追求(狩猟・騎馬) ───────────────────────────────────── ※ミスミ…㈱ミスミグループ本社、機械加工製品の販売等を行う持株会社。代表取締役会長は三枝 匡(さえぐさ ただし、実業家)。製造業の生産ラインや開発部門で必要とされるFA(Factory Automation)、金型用の精密機械部品を「高品質・低コスト・短納期」で提供する事業で成長している。FA・金型用部品の専門商社ミスミが中核。 ※出典:日経ビジネス2013年4月15日号。 |
マーガレット・サッチャー | ◆サッチャー氏の政治・経済の功績。 ・2013年4月8日(月)、マーガレット・サッチャー元英首相が脳卒中の為、87歳で亡くなった。 ・英国初の女性首相として、1979年から11年間に亘り保守党政権を率いた。同氏の功績は、第2次大戦後の衰退著しい英国を再び世界の政治・経済の表舞台に復活させた事にある。 ・政治では、サッチャー氏は断固たる反共姿勢から旧ソビエト連邦の新聞に「鉄の女」と称され、自身もその呼び名を愛した。フォークランド紛争で勝利して国民からの支持を固め、アメリカ合衆国のロナルド・レーガン大統領と密接に連携して旧ソビエト連邦を崩壊に導いた。 ・経済では、「ゆりかごから墓場まで」と呼ばれた高福祉政策を転換し、「小さな政府」による「市場原理主義」へと舵を切った。これにより、「英国病」と揶揄されていた経済を蘇らせた。経済政策「サッチャリズム」は英国社会に劇的な変化をもたらし、その影響は今も続く。サッチャー氏は、炭鉱閉鎖に伴う労働争議に屈せず、労組の影響力を弱体化させた。電話やガス等の国営企業を次々と民営化し、「金融ビッグバン」で大規模な規制緩和を実施、世界から投資マネーをロンドンの金融街シティーに呼び込んだ。 ・市場原理に任せた外資の導入は、英国で活躍する企業は外資ばかりと云う、所謂「ウィンブルドン現象」を招いた。金融界は米系投資銀行に席巻され、これまでに英国の自動車ブランドの多くが独BMWやインドのタタ・モーターズ等外資に買収されて来た。しかし、企業が外資に買われようと、雇用を生み出す限りは英国民はその変化を受け入れて来た。事実、1990年代半ば以降、英国の失業率は独仏等欧州主要国の中で最も低い水準となり、国民は好景気を謳歌した。 ◆金融危機でサッチャリズムに批判。 ・2007年の英ノーザンロック銀行の破綻以降、サッチャリズムを原点とするこの国を支えてきた経済モデルへの反省がしきりに語られる様になった。例えば、英国の緩やかな金融規制が金融イノベーションを支えていると云われて来たが、その手法が金融危機で世界的な批判を浴び、それ以来当局は規制強化の方向に転じている。 ・経済を牽引して来た金融がかつての力を失った今、英国は金融危機以降3度目の景気後退に陥る「三番底」の瀬戸際にある。2004年に4%台まで低下した失業率は上昇、2012年末で7.7%と高水準。ウィンブルドン現象で空洞化した製造業が復活し、失われた雇用の受け皿となる事は期待出来そうにない。 ・皮肉にもサッチャー氏は、こうしたサッチャリズムの「功罪」のうち、「罪」の側面が注目される中で他界した。英大衆紙「デーリー・ミラー」の電子版は、「英国の半分は、サッチャー氏の死を祝っている」と書いた。 ◆"There is no alternative."(TINA:他に選択肢はない)。 ・今年3月、保守党のデービッド・キャメロン現首相は自らが進める財政緊縮策に関連して、"There is no alternative."(TINA:他に選択肢はない)と云う有名なサッチャー語録を安易に引用して失笑を買った。サッチャー氏が首相の座を去って23年。政権トップが未だにサッチャー氏の威光に頼っている様では、英国の復活はおぼつかない。 ※出典:日経ビジネス2013年4月15日号「世界鳥瞰」。 |
エステーのOGISM(A) | ◆エステー㈱は、全社を挙げて論理性を高める為に、社員一人ひとりのコミュニケーション能力を高める訓練として、職場の問題を説明して貰い、皆が質問する事で理解し合うと云うものを実施している。 ・その報告のルールとして、以下の6項目“OGISM(A)”について、1枚の表に纏めさせる様にしている。 ①何の為にやっている職場なのか(Objectives=目的) ②いつまでにどれだけやるのか(Goals=数値目標) ③どういう課題があるのか(Issues=課題) ④その課題を解決する為の戦略は何か(Strategies=戦略) ⑤解決出来たかどうかをどうやって判定するのか(Measures=判定基準) ⑥ではどう云うアクションを起こすのか(Action Plans & Programs=行動計画) ・グローバル企業では、かなり前から取り入れられているコミュニケーション手法の1つ。 ※出典:鈴木 喬(たかし、エステー㈱の会長)@日経ビジネス2013年4月8日号。 ◆新入社員として心掛ける事。 ・しっかりとルーティンワークをこなし、フォロワーに徹して会社について身をもって体感して欲しい。 ・社内でも社外でも、人に頭を下げて話を聞こう。 ・先輩との付き合いを大切にして、愛嬌があり、可愛がられる人間になろう。 ・顧客との人間関係を構築するには、その会社の社史を借りて克明に読んで質問する事から始めよう。 ・(私が新入社員なら経理部への配属を希望し、)企業会計について徹底的に勉強して、経営状態を示す数字を理解出来る様にしよう。 ・論理的に思考し、論理的に説明出来る様になろう ◆仕事をする上でのアドバイス。 ・挑発は仕掛けるもの、乗ってはいけない(価格競争を仕掛けられても、簡単に価格を下げない)。 ・価格ではなく、価値で勝負しよう。 ・経営とは戦争そのもの。 ・冷徹なるリアリズムを持たなければならない。 ・民主主義の実態は無責任経営。 ・変わらなければ生き残れない。 ・アイデア一発で市場は生まれ、市場はひっくり返るもの。 ・社長とは、チーフイノベーター。社長がそのアイデアにとことん思い入れを持って腹をくくらなければ、商品化する事は出来ない。 ※出典:『社長は少しバカがいい。乱世を生き抜くリーダーの鉄則』(著者:鈴木 喬(たかし)及び鈴木 喬(エステー㈱の会長)のインタビュー@日経ビジネス2013年4月8日号。 |
『酒壺の蛇』(大阪府の民話) | ◆『酒壺の蛇』(大阪府の民話)。 ・放映タイトル…相棒Eleven(season11)第19話 最終回2時間スペシャル「酒壺の蛇」。 ・放映日時…2013年3月20日(水) 8:00~10:09pm@テレビ朝日。 【民話の内容】 むかしむかし、比叡山(ひえいざん)できびしい修行していた坊さんがいました。 けれど、いくら修行を続けても大して偉くはなれない事がわかると、生まれ故郷の摂津の国(せっつのくに→大阪府)に帰ってきました。 そして坊さんはお嫁さんをもらって、幸せに暮らしていました。 この村では、毎年正月の修正会(しゅしょうえ→寺院で、正月元日から3日間あるいは7日間、国家の繁栄を祈る法会)には、必ずこの坊さんをたのんでおがんでもらうことにしていました。 さて、ある年の修正会の時、この坊さんは仏さまにお供えしたもちをたくさんもらいました。 しかし坊さんとお嫁さんはとてもけちだったので、そのもちを誰にもわけてあげようとはしません。 自分の子どもたちにさえ、食べさせないのです。 二人は少しずつもちを食べていましたが、そのうちにもちは固くなってしまいました。 このままでは、もちは食べられなくなってしまいます。 そこでお嫁さんは、こんな事を考えつきました。 (そうだわ。この固くなったもちで、お酒をつくろう。きっと、おいしいお酒が出来るにちがいないわ) そこでさっそく、坊さんに話すと、 「それは、なかなかの名案じゃ」 と、大賛成です。 二人はたくさんのもちを酒つぼに入れて、酒をつくることにしました。 やがて、月日がたちました。 「もうきっと、おいしいお酒が出来ているでしょう」 ある晩、お嫁さんはこっそりと酒つぼのふたを開けてみました。 すると何かが、中で動いているように見えました。 「何かしら?」 暗くてよく見えないので、お嫁さんは明かりをともしてつぼの中をてらしてみました。 「あっ!」 お嫁さんの顔は、とたんにまっ青になりました。 つぼの中ではたくさんのヘビがかま首をあげながら、もつれあっているではありませんか。 お嫁さんはつぼのふたをすると、逃げるように坊さんのところにかけていきました。 「あなた、大変です。もちの酒つぼに、ヘビが」 でも坊さんは、信じようとはしません。 「何を馬鹿な。そんな事が、あるものか」 「でも、本当に見たのです」 「わかったわかった。なら、わしが見てきてやろう」 坊さんはお嫁さんから明かりを受け取ると、酒つぼのところへいきました。 そしてふたを取ると、つぼの中をのぞきこみました。 「わっ!」 坊さんもびっくりして、お嫁さんのところにかえってきました。 「これはいかん。こうなれば、どこか遠くへつぼごと捨ててしまおう」 二人は酒つぼをかつぎ上げると、広い原っぱのまん中に捨ててしまいました。 その、あくる日の夕方の事です。 広い原っぱの一本道を、三人の男が通りかかりました。 「おい、あれは何だろう?」 酒つぼを見つけた一人の男が、原っぱのまん中を指さして言いました。 「さあ、何だろうな。行ってみよう」 三人は恐る恐る、酒つぼに近づきました。 そして一人の男が、つぼのふたをとって中をのぞきこみました。 「おい、酒だ、酒だ!」 「なに、本当か?」 他の二人も先を争うようにして、つぼをのぞきこみました。 「確かに酒だ。しかし一体、どうしたことじゃ?」 三人は思わず、顔を見合わせました。 すると一番はじめに酒つぼをのぞいた男が、ニヤリと笑って言いました。 「この酒を飲もうと思うが、どうだね?」 二人の男は、恐ろしそうに言いました。 「野原のまん中に、こんな酒つぼが捨ててあるというのは、どうもおかしい。なにかきっと、わけがあるにちがいない。危ないから、飲むのはよせ」 しかしこの男は大の酒好きだったので、 「なあに、酒が飲めるのなら、死んでもかまうものか」 と、腰につけた湯のみで酒をすくって、一気に飲み干しました。 「うん、うまい! これは、けっこうな酒だ」 そう言うと、もう一杯飲みました。 それを見ていた二人も酒好きですから、もう飲みたくてたまりません。 「仕方ない。わしらも、付き合ってやるか」 三人は次から次へと、酒を飲み始めました。 「おう、確かに良い酒だ」 「本当にな。酒屋に行っても、これほどの酒はないぞ」 「おい、こうなったら、何も急いで飲むことはない。家に持って帰って、ゆっくりと飲みなおそうではないか」 そう言って三人は、その大きな酒つぼをかついで家に帰りました。 さて、それから間もなく、 「三人の男が、野原に捨てた酒つぼを見つけたそうだ。そして毎日のように飲んだが、とても良い酒だったそうだ」 と、いう話しが、村中に伝わりました。 それを聞いた坊さんとお嫁さんは、 (あれはやっぱり、ヘビではなかったのだ。人にもやらず自分たちの物にしてしまったので、仏さまのばつをうけて、わたしたちの目にだけヘビに見えたのだ) と、反省して、それからはもらい物があると必ず人に分けてやるようになったのです。 おしまい |
うつ病(鬱病、欝病) | ◆うつ病(鬱病、欝病)とは、気分障害の一種であり、抑うつ気分や不安・焦燥(しょうそう)、精神活動の低下、食欲低下、不眠症等を特徴とする精神疾患。 ・「誰でも罹(かかる)る可能性がある病気である事が分かった」(梅原 勝彦…㈱エーワン精密の創業者、相談役。自身も「うつ病」になった経験を持つ)。 ・ウィンストン・チャーチル(イギリスの政治家、元首相)が、うつ病に罹っていた事も良く知られている。 ・「うつ病は精神的に弱い人が罹る病気」と云った思い込みは、単なる偏見。 ・誰しも健康な時は、「自分が罹る筈がない」と思うのが心の病で、実際には誰が罹ってもおかしくない、直ぐそこにある危機と同じ。 ※出典:日経ビジネス2013年4月1日号「特集 あなたを救う病院 3章」。 |
キャリア(Career) | ◆「キャリア」(Career)。 ・キャリアとは、一般に職歴や経歴を指す言葉。 ・キャリアを扱う心理学の分野では、働く事にまつわる様々な選択、活動、成長、人との関わり、価値観等を含む生涯を通じての過程を指す。即ち、自分のキャリアを考える事は、仕事のみならず、自分の人生そのものを考える事に等しい。 ◆「キャリア・デザイン」(Career design)。 ・自分と仕事の間に存在する価値や意味等から、将来を展望し構築していく事。 ◆「キャリア・アンカー」(Career anchor)。 ・自分がキャリアを形成していく上で譲る事の出来ない大切な価値観や欲求の事。 ・キャリア・アンカーは、就職活動をする段階で形成していくのが理想的ではあるものの、現実的には社会人になって実際の仕事を経験してから徐々に分かって来る事も多い。 (注)アンカー(anchor)とは、船舶を海上に留めておく為に使用する錨の事であり、波風の様ないかなる外部からの影響にも動じない重りと云える。 ◆「キャリア・サバイバル」(Career survival)。 ・仕事において周囲から自分自身へ求められる職務や役割の事。 ・キャリア・アンカーとしての「やりたい事、ありたい事」が、キャリア・サバイバルの「しなければならない事」との狭間でぶつかり合う。 ・自分自身のキャリア、即ち職業人生を振り返り、キャリア・アンカーやキャリア・サバイバルを知る事は、自律的にキャリアを形成し、その為の自発的な研鑚を促進する事に繋がる。 ※出典:吉村 靖司(神田東クリニックの副院長)@日経ビジネス2013年3月18日号。 ◆「キャリア・デザイン」の為の問い。 ①仕事上で楽しい、嬉しいと感じるのはどんな時か。 ②仕事上で得意だと思うのはどんな事か。 ③職業上で得たいと思うものは何か。 ④仕事上の関係者は誰がいて、その人にどんな事を期待されているか。 ⑤その期待を満たす為に必要な事は何か。 ⑥その期待を満たす上で困難な事は何か。 ⑦その為にどんな事をすれば有効だと思うか。 ⑧10年後のイメージは? ⑨その為に必要な5年後のイメージは? ⑩その為に必要な1年後のイメージは? ※参考:『キャリア・アンカー』(エドガー・H・シャイン著、白桃書房)、『ストレスマネジメント入門』(島悟・佐藤恵美著、日経文庫)。 |
楽天の成功のコンセプト | ◆楽天㈱(Rakuten, Inc.)の「成功のコンセプト」。 ・「ブランドコンセプトを実現する」と云う楽天の掲げる目標に揺るぎはない。「楽天の目標」への共感度を強め、実現度を高める為に「成功のコンセプト」がある。 ①常に改善、常に前進…人間には、2つのタイプしかいない。 ・“GET THINGS DONE”…様々な手段をこらして、何が何でも物事を達成する人間。 ・“BEST EFFORT BASIS”…現状に満足し、ここまでやったからと自分自身に言い訳する人間。 →一人一人が物事を達成する強い意思をもつ事が重要。 ②Professionalism(プロフェッショナリズム)の徹底…楽天は、プロ意識を持ったビジネス集団である。勝つ為に人の100倍考え、自己管理の下に成長していこうとする姿勢が必要。 ③仮説→実行→検証→仕組化…仕事を進める上では具体的なアクション・プランを立てる事が大切。 ④顧客満足の最大化…楽天はあくまでも「サービス会社」である。傲慢にならず、常に誇りを持って「顧客満足を高める」事を念頭に置く。 ⑤スピード!!スピード!!スピード!!…重要なのは他社が1年掛かる事を1ヶ月でやり遂げるスピード。勝負はこの2年~3年で分かれる。 ※出典:販売士資格更新講習会テキスト《2級販売士用》第2部『管理知識・技術』(発行:日本商工会議所・全国商工会連合会、発行日:2012年(平成24年)9月1日第8版2刷)P.22、2013/03/09(土)。 |
AIDMA(アイドマ)→AIDEES(アイデス) | ◆“AIDEES”(アイデス)は、最新のマーケティング理論。 ・消費者が商品やサービスを購買したり、利用したりする事で、ブランドが形成される過程をマーケティングの視点で捉えたもの。 ・片平 秀貴氏(経営学者、東京大学大学院経済学研究科の元教授)が提唱する新しいマーケティング理論。 ◆従来の“AIDMA”(アイドマ):Attention(注目)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(購入) ・従来型の考え方で、「購入」でプロセスが終わる。 ◆最新の“AIDEES”(アイデス):Attention(注目)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Experience(購入・体験)→Enthusiasm(顧客の心酔)→Share(推奨) ・「購入」でプロセスが終わるのではなく、売った事からプロセスが再び始まる。顧客の「心酔」が消費者からのクチコミ(口頭でのコミュニケーション)情報を発信する「推奨」となり、次の「注目」に結び付きを強くする循環性を持つ事が特徴。 ※出典:販売士資格更新講習会テキスト《2級・3級販売士共用》第1部『一般流通常識』(発行:日本商工会議所・全国商工会連合会、発行日:2012年(平成24年)9月1日第8版2刷)P.106、2013/03/09(土)。 |
新3K | ◆新“3K”とは、「管理職」・「高年齢」・「間接部門」の事。 ・今日、ミドル・マネジメント層の削減が課題となっている。 ◆昔の“3K”は、「きつい」(Kitsui)・「汚い」(Kitanai)・「危険」(Kiken)でした。 ・ブルーカラー(現業系、技能系)とされる職種について、その労働環境・作業内容から出て来た言葉。英語では「Dirty, Dangerous and Demeaning」から「3D」と略される。 ◆その他の“3K”に、「きつい」・「帰れない」・「給料が安い」もある。 ・ITサービス業界・コンピュータ業界等において、ブルーカラーの3Kをもじり作られた言葉。 ※出典:販売士資格更新講習会テキスト《2級販売士用》第2部『管理知識・技術』(発行:日本商工会議所・全国商工会連合会、発行日:2012年(平成24年)9月1日第8版2刷)P.6、2013/03/09(土)。 |
積水(せきすい) | ◆社名「積水化学工業㈱」の『積水』は、中国最古の兵法書である「孫子」(著者:孫武(そんぶ))の一節から引用した言葉。 ・「勝者の民を戦わしむるや、積水を千仞(せんじん)の谿(たに)に決するがごときは、形(かたち)なり」(孫子「軍形篇」より)。 【意味】勝利者の戦闘と云うものは、「満々とたたえられた水」(=積水)を深い谷底へ切って落とす様な、激しい勢いの得られる形の下に、一気に決められる。 【要旨】積水の社名の由来である、「孫子」の「勝者の戦は、『積水』を千仞(せんじん)の谿(たに)に決するがごときは、形(かたち)なり」と云う一節には、「勝利者の戦いには、満々とたたえた水を谷底に切って落とす勢いが必要だ」と云う意味に加えて、「勝つ戦いの為には、しっかりと水を積み上げる体制作りが大事だ」と云う意味が込められていると解釈している(2007年3月3日に創立60周年を迎え、3月2日に社内行事として「創立60周年祝賀式典」を開催した際の大久保尚武社長のスピーチより)。 ※出典:大久保 尚武氏(積水化学工業㈱の元社長・現相談役)の講演より、2013/02/13(水)。 |
知的交配 | ◆「知的交配」は、多くの革新(イノベーション)の種を生む。 ・企業体同士が高度な交配により、革新(イノベーション)を起こす動きが広がっている。 ・知的交配は、イノベーションの可能性を秘めた種を出来るだけ多く作り出す作業。 ・知的交配は、能動的に価値を出し合う事から始まり、その後互いに価値を認識し、交配が始まる。 ◆縦割り組織の弊害を改善する「コネクター」の存在。 ・企業内において、組織が肥大化すれば当然役割分担が始まり、組織が分断される。組織間の交流が途絶え、互いに何をしているのか把握出来なくなる。 ・ただ、組織内には時々枠を飛び越え、価値の交換を自然に出来る人がいる。 ◆「コネクター」の資質は、柔軟性と対話力。 ・柔軟性は、決して相手の意見を否定せず、議論にブレーキを掛けない資質。 ・対話力は、極めて高度なキャッチボールが出来る資質。議論を発展させ、ゴールに導く能力。 ・管理職の役割は、こうした場を作るファシリテーター(進行役)の役割を担うべきである。各メンバーが持っている価値を引き出す技術、掛け合わせる技術を持ち合わせ、知的交配を意図的に起こす技術をマスターする必要がある。 ※出典:羽根 拓也(㈱アクティブラーニングの社長)@日経ビジネス2013年3月4日号。 |
ビジネスで成功する5思考法 + ビジネスには、 ①俊敏性 Agility(アジリティ) ②革新性 Innovativeness(イノベーティブネス) ③先見性 Foreseeability(フォアスィーアビリティ) が必要。 |
◆ビジネスで成功した人達の名言を聞くと、ビジネスで成功した人には、共通する思考法が多くある。 ①シンプルに考える…物事を複雑に捉えるのではなく、シンプルに考える事。 ・バカな奴は単純な事を複雑に考える。普通の奴は複雑な事を複雑に考える。賢い奴は複雑な事を単純に考える。…稲盛 和夫(京セラ㈱・第二電電㈱(現・KDDI㈱)の創業者、日本航空㈱の取締役名誉会長) ・ビジネスは簡単だ。それを難しく考え様とする人は、何をやってもモノにならない。…ジャック・ウェルチ(ゼネラル・エレクトリックの会長兼CEO) ・僕の理想は、シンプルに、拘らず、考えない経営です。複雑に考えずに常に基本に返る。…堀江 貴文(㈱ライブドアの元社長) ②まずは走り出す…「失敗して当然。まずは走り出そう」。 ・どれだけ良いアイデアがあっても、実行しなければ成功もしないし、失敗もしない。それは時間のムダでしかないでしょう。…柳井 正(㈱ファーストリテイリングの社長) ・出来ない理由を上手に探すのではなく、取り敢えず走り出してみる。走りながら修正する。ここぞと思った時は、徹底してベストの結果を出す。…原田 泳幸 (マクドナルドホールディングス㈱のCEO) ・出来ない理由を並べ立てる人がいる。これでは新しい事業を達成する事は出来ない。…稲盛 和夫(京セラ㈱・第二電電㈱(現・KDDI㈱)の創業者、日本航空㈱の取締役名誉会長) ③失敗は必要…成功の裏には数多くの失敗がある。それを恐れない事。失敗は必ず成長の糧になる。 ・僕は成功の10倍は失敗している。…原田 泳幸 (マクドナルドホールディングス㈱のCEO) ・失敗は必要なのです。むしろ出来るだけ早く、失敗する方がいいでしょう。小さな失敗を積み重ねる事によって、成功が見えてきます。…柳井 正(㈱ファーストリテイリングの社長) ・上手くいかなくてもやった事は、全部将来の自分のプラスになります。…孫 正義 (ソフトバンク㈱の社長) ④1日1日の積み重ねを大切にする…1日1日を一生懸命に生きる。そして失敗をしたならば改善をし、それを次に生かしていく。 ・今この1秒の集積が1日となり、その1日の積み重ねが1週間、1ヵ月、1年となって、気がついたら、あれ程高く、手の届かない様に見えた山頂に立っていたと、云うのが私たちの人生のあり様なのです。…稲盛 和夫(京セラ㈱・第二電電㈱(現・KDDI㈱)の創業者、日本航空㈱の取締役名誉会長) ・商売はスポーツと同じ 。一枚一枚積み重ねてやっていくと云う事が一番大切なんではないかと思います。…柳井 正(㈱ファーストリテイリングの社長) ・世の中は天才ばかりではない。けれども、改善は誰にでも出来る。そして、日々改善を続けていけば、どんな巨大な目標だっていつかは達成出来る。つまり、改善は凡人を天才にする方法なのだ。…三木谷 浩史 (楽天㈱の社長) ⑤基本を大切にする…整理整頓1つとっても、乱雑な環境では、モノを探すだけでもタイムロスを引き起こす。 ・一流企業と三流企業との差は製品の差ではなく、“社員の品質”の差である。それは6S(整理・整頓・清潔・清掃・作法・躾)が如何に基本に忠実に出来ているか否かによるものと思う。…永守 重信 (日本電産㈱の社長) ・汚い水の中では良い魚は育たないのと同様に、汚い工場からは決して品質の良い製品は生まれない。同様に、雑然としたオフィスでは、スピーディーかつ効率的な事務処理は出来ない。…永守 重信 (日本電産㈱の社長) ・僕がいつも云っている事は基本に忠実になれと云う事です。基本に忠実なんて云うと嫌な顔をする人が多いかも知れません。何だそんな事かと。しかし、これは大事な事なのです。多くの人は基本に忠実にやらないで失敗するのです。…堀江 貴文(㈱ライブドアの元社長) ※2013/02/15。 |
責任(Responsibility) | ◆「責任」(Responsibility)には、2つの意味がある。 ①引き受けてなすべき任務…組織成功の為には、引き受けてなすべき任務と云う責任を持つ事が重要である。現場の一人ひとりが、どれだけ責任を感じているかが、組織の強さのパロメータになる。 ②失敗した時に負うべき責め、制裁…日本社会では、こちらに言及する場合が多い。 ◆組織力を向上させる為の必要条件には、以下の3つの基本がある。 ①良い目標を作る事。 ②事実を共有する事。 ③会社を『私物化する』(自分のものとして真剣に大事に考える)事。 ◆責任の裏側に思い起こさなければならないのは、「勇気」を持つ事である。 ①悪い目標に異を唱える勇気。 ②事実に直面する勇気。 ③心ない批判を受ける事があっても、自分の信じる所をはっきりと言葉にする勇気。 ※出典:日経ビジネス2013年1月28日号。 |
リスクトレードオフ(Risk trade-off) | ◆「リスクトレードオフ」(Risk trade-off)とは、あるリスク(要因)を減らそうとすると、別のリスク(要因)が発生したり増加したりする事。そして、異なる種類のリスクがある中で、リスク全体を如何に減らすかを考え、どの程度までならリスクを許容出来るのかを明らかにする事。 【具体例】 ・水道水の塩素処理(トリハロメタン類) vs 細菌感染 ・食品添加物(保存料) vs 食中毒 ・農薬(殺虫剤) vs 二次代謝物(ファイトアレキシン) ・農薬(消毒剤) vs カビ毒(アフラトキシン、フモンシン等) →そもそも、水や食糧の安定供給には必要不可欠。→「供給不足」と云う致命的なリスクを回避。 ※出典:中西 準子((独)産業技術総合研究所のフェロー、横浜国立大学の名誉教授)@日経ビジネス2013年1月14日号、他。 |
(1)領海(Territorial waters)と排他的経済水域(EEZ:Exclusive Economic Zone) 日本の領海等概念図 (海上保安庁、2007年9月28日) (2)外交(Diplomacy) (3)中華思想(Sinocentrism) (4)中国の階層区分と人口比 |
(1)「領海」(Territorial waters)と「排他的経済水域」(EEZ:Exclusive Economic Zone)。 ◆領海(Territorial waters)とは、領土沿岸部から12海里(約22km)と定められ、国家領域を構成するもので、その国の法律と主権が及ぶ。 ・日本の様に、海に囲まれた島国の場合は、領海こそが国境だと云える。 ・1982年の「海洋法に関する国際連合条約」(国連海洋法条約)によって定められた、沿岸国の基線(潮位が「略最低低潮面」(注)である時に表される海岸線)から最大12海里(約22.2km)までの水域。 (注)略最低低潮面(ほぼさいていていちょうめん、N.L.L.W.L:Nearly Lowest Low-water Level)とは、これより低くはならないと想定されるおよその潮位面である。厳密な定義があるが大まかに云って、大潮の中でもかなり干満の差が大きい時の、干潮の潮位面である。 ・領海は国家の主権が及ぶ範囲であるが、軍事・民間を問わず外国船の無害通航が認められている。また主権は領海の水面の上空や水面下の水中にも及ぶ。 ・同義語の「領水」と云う用語は、正式な用法ではないが、国家の司法権が及ぶ水域として使われる事があり、これには内水、接続水域、排他的経済水域や大陸棚等も含まれる。 ◆排他的経済水域(EEZ:Exclusive Economic Zone)とは、領土沿岸部から領海を含む200海里(約370km)の範囲で、沿岸国に鉱物資源や水産資源の開発と云った経済的な権利が及ぶ海域を指す。 ・国連海洋法条約に基づき、沿岸国が国内法で設定し、領海とは区別される。他国船にも航行の自由があり、沿岸国の同意があれば科学的目的の調査が実施出来る。 (2)外交(Diplomacy)。 ◆外交(Diplomacy)とは、交渉によって国益を得る行為である。 ・国家間の国際関係における交渉の事で、関連する様々な政治活動を指す。 ・この交渉が武力によれば「戦争」になり、そうでない場合は「外交交渉」となる。外交は戦争と同じく二国間でも多国間でも行われる。 (3)中華思想。 ◆中国人の根底には、「中華思想」があると云われる。 ◆中華思想とは、中国の中心部を支配した政府が世界の中心で、その文化・思想が最も価値あるものだと云う思想である。 ・中国政府を中心に、その真ん中が「中華」であり、その中華も中心に「天子」、それを取り巻く「内臣」、新たに帰属した者や忠誠心が薄い「外臣」とあり、その外に、中華を取り囲む様に「化外(けがい)の民」が存在する。その「化外」(注)は、「東夷、日本・朝鮮等の異民族」、「西戎、中国西部の遊牧民族」、「北狄、匈奴・鮮卑・契丹・蒙古等の遊牧民族」、「南蛮、東南アジア諸国の異民族」を指す。・中華思想は、中国が宇宙の中心であり、その文化・思想が神聖なものであると自負する考え方で、漢民族が古くから持ち続けた自民族中心主義の思想であり美称である。 (注)「化外」(けがい)とは、特に中世において、統治の中心から遠く離れ、支配の力が及ばない場所・地域を指す。しばしば未開、野蛮と云った意味合いを含む。 ・漢民族とは異なる周辺の辺境の異民族を文化程度の低い禽獣(きんじゅう)であるとして卑しむ事から、華夷(かい)思想とも云われる。また夏、華夏、中国とも同義である。 (4)中国の階層区分と人口比。 ◆中国には、以下の様な階層区分が存在する。 ①「一般人」…通常の仕事を持っている人、若しくは就職の意思がある人で、税金を払い、中国と云う国家を支えている。→約5億人 ①-1.政治的支配階級→約1億人 ・最上層部の中国共産党と地方政府の役人→約8,000万人。 ・人民解放軍と武装公安警察→約1,000万人。 ①-2.その下の都市生活者と企業家…約4億人。 ②「下層民衆」…「一般人」の下に位置し、農民等は二等公民とされ、農民には直接税が課せられていない。逆に云えば、間接税(中国では「増値税」と云う)以外の税金を払わない人々が該当する。農民以外にも政府の許可を得ずに労働に従事している人や、特に政治犯として収容され釈放された人、等→8億人。 ③「人でない層」…「下層民衆」の更に下層に位置する。→正確な数字が分からない。 ※出典:『2014年、中国は崩壊する』(著者:宇田川 敬介)、2013/01/11(金)。 |
孫文の王道統治 | ◆孫文は、「覇権」ではなく、「王道」や「徳」で統治する事を訴えた。 ・「日本は明治維新を迎えて欧米の近代文明を取り入れ、繁栄を遂げようとしている。その欧米文明と云うのは覇権の文明、力の文明です。しかし東洋には、人間の徳で治めていくと云う王道の文明があります。欧米文明を取り入れて覇権の道を歩くのか、それとも古来東洋に存在する王道の道を歩くのか。日本の将来は皆さんの選択にかかっています」…明治時代、辛亥革命で敗れた孫文が日本に来て、神戸で講演した時に日本国民に対して話した言葉。 ・日本は、その声に耳を貸さないで、一瀉千里(いっしゃせんり)に覇権の道を歩いて、1945年に敗戦を迎えて壊滅してしまった。 ◆「徳」とは、「仁」と「義」。 ・優しい思いやりの心がベースにあって、素晴らしい仕事をしながら相手を慈しみ、愛し、ビジネスを展開していく。 ◆「利他の心」⇔「利己の塊」。 ・自分が儲けようと思うなら、相手も利益を得られる様な思いやりの心。 ※孫文(そんぶん)…中国の政治家・革命家、初代中華民国臨時大総統、中国国民党総理。辛亥革命を起こし、「中国革命の父」、中華民国(台湾)では「国父」(国家の父)と呼ばれる。また、中華人民共和国でも「近代革命先行者」(近代革命の先人)として近年「国父」と呼ばれる。中国では「孫文」よりも「孫中山」の名称が一般的であり、「孫中山先生」と呼ばれている。 ※辛亥革命(しんがいかくめい) ・1911年(宣統3年)から1912年(民国元年)に掛けて、中国で発生した革命である。名称は、革命が勃発した1911年の干支である辛亥に因む。 ・清朝が打倒されて古代より続いた君主制が廃止され、共和制国家である中華民国が樹立された。勃発日の10月10日に因んで、「双十革命」「ダブル・テン」(Double Ten)とも。また、民国革命の中で辛亥革命は第一革命とされ、袁世凱に鎮圧された第二革命、更には護国戦争が第三革命として続く。 ・狭義では、1911年10月10日夜に発生した武昌起義から、1912年2月12日の宣統帝(溥儀)の退位までの期間を指す。 ・広義では、清朝末期からの一連の革命運動から中華民国成立までの、比較的長期間の政治的運動を示す。 ・辛亥革命の理念と成果は、袁世凱を中心とする北洋軍閥により撤回され、地権平等も実現しなかった。この革命はアジアで初の共和制国家を樹立し、古代より続いた君主政の伝統を終わらせ中国の歴史に画期をもたらした。辛亥革命により元号は改められ、民国紀元が採用された。 ※出典:稲盛 和夫@日経ビジネス2013年1月7日号「編集長インタビュー」。 ※参考:『言葉のチカラ -日本とアジア、戦前と現在』(著者:久野 潤@日本・中国・ASEAN経済文化研究会)。 |
ルイスの転換点(Lewisian Turning Point) | ◆「ルイスの転換点」(Lewisian Turning Point)とは、工業化の過程で、農業部門から供給されていた労働力が払底(ふってい)して、労働力不足に転じるターニングポイントの事。 ・アーサー・ルイス(イギリスの経済学者)によって提唱された概念。 ・ルイスの転換点以降は、雇用需給が締まる為、賃金率の上昇が起きる。労働力の不足(人手不足)状態となる為、経済成長のプロセスにおける重要な転換点となる。 ※出典:日経ビジネス2013年1月7日号「時事深層」。 |
杏仁(きょうにん、あんにん) | ◆「杏仁」は、「杏」(アンズ)の種子の中にある「仁」(さね)を取り出したものである。 ・「杏仁」は、漢方薬の薬味として使う時は「きょうにん」、菓子等に使う時は「あんにん」と発音。 ・苦みの強い苦杏仁(くきょうにん)と、甘みのある甜杏仁(てんきょうにん)があり、前者は薬用に、後者は杏仁豆腐(あんにんどうふ)等のお菓子の材料として用いられている。 ・「あんにん」と云う読み方は、南京や上海辺りのもので、明治以降に盛んになった支那料理(中国料理)で、大衆的になったものである。 ・杏仁は、三国時代(3世紀)頃に編纂された最も古い漢方薬書である『傷寒論』にあり、麻黄湯、大青竜湯等の重要な処方に配剤されている大切な薬味である。漢方では、麻黄と組んで用いられ、鎮咳剤・去痰剤として多く用いられている。 ・古くから「毒のある薬味」とされており、分量を慎重に決める様にと云われていた。現在では、アミグダリンが僅かに含まれている事が分っている。 |
パフォーマンス(Performance) | ◆パフォーマンス(Performance)を発揮する為の行動。 【不安への対処の「型」】 ①不安は欲望の裏返しと理解する。…不安は悪ではなく、その裏に欲求がある事を理解する。 (例)商談時の不安は、成功したい欲求があるからだと理解する。 ②欲求を認識する。…欲求の中から自己実現へ向う欲求を認識する。 (例)商談を回避しようとする安全・安定の欲求、商談を成功させたい自己実現の欲求を認める。 ③本来の欲求・目的に向かって行動する。…不安な感情は無理に削除しようとせず、不安を持ちつつも自己実現の欲求を見据えた行動により創造が生じる。 (例)商談中の不安、声の振るえがあっても、本来の欲求を意識して行動する。 ※①は森田療法、②マズローの欲求モデル、③は行動療法に基づく。 ※出典:高野 知樹(神田東クリニックの院長)@日経ビジネス2012年12月17日号。 |
GTD(Getting Things Done) | ◆“GTD”(Getting Things Done)とは、個人用のワークフローの管理手法。 ・デビッド・アレン(David Allen)が同名の書籍『仕事を成し遂げる技術-ストレスなく生産性を発揮する方法』(原題: "Getting Things Done"、2002年)の中で提唱したもの。ハッカー文化の1つで、ライフハック(LifeHack)の中でも代表的なもの。 ・「ナレッジワーカー(知識労働者や頭脳労働者)の仕事術」と呼ばれ、「次に何をやるか」と云う予定やスケジュールの管理、作業する上でのモチベーションを損なわない為の体制作り等が含まれる。心理的な負担を減らしながら個人の生産性を上げる事を主眼とし、簡単な5つのステップを実行する事によって成し遂げたい事を現実にするメソッド。 ◆“GTD”(Getting Things Done)のステップ。 ・以下の5つのステップで構成され、これを1週間等一区切り毎に繰り返す。 ①収集…頭の中にある「やらなければならない事」「気になっている事(問題)」を紙等に書き出す。作業中のメモ書き等も参照して、問題点を出して行く。 ②処理…書き出した内容を手順に添って分類し、リスト化する。 ③整理…リストを自身がスケジュール管理に使っているツール(PDAやシステム手帳等)に入れ込む。 ④見直し…自分の状況や状態でそれらが可能かどうか見直し、検討する。 ⑤実行…リストアップした「出来る事」を順次片付ける。 ※ハッカー文化…主にアメリカの学生やコンピュータ技術者を中心に引き継がれている、テクノ・サブカルチャー。 ※ハッカー (Hacker)…コンピュータや電気回路一般について常人より深い技術的知識を持ち、その知識を利用して技術的な課題に対して最小限の手間で最大の効果を生み出す人々の事。細かく分類すると、ギーク(Geek)、ウィザード(Wizard)、クラッカー (Cracker)等もある。 ※LifeHack(ライフハック)…情報処理業界を中心とした「仕事術」の事で、如何に作業を簡便かつ効率よく行うかを主眼としたテクニック群。この言葉は、2004年頃から使われ出したもので、米国のテクニカルライターであるダニー・オブライエンの考案による。 ※2012/11/27。 ※"Get things done."…何があろうとやり遂げる。 |
説得と納得 | ◆「説得」とは、政治技術の一形態。ある主体Aが合理的議論を通じて、他の主体Bの判断を変え、それによってBの行動に影響を与える事。 ・「説得」とは、こちらの考えを相手に理解させ様とする働き掛けである。 ・人は誰かに「説得」される事を無意識に拒む傾向がある。会話に占める「説得」の割合が多くなると、相手は意思決定をさせられたと云う“押しつけ感”が残る。「説得」だけでなく、「懇願」も、「不安を煽(あお)る」事も、また「誘導」も、全て自分本位の一方通行のコミュニケーションと云える。 ◆「納得」とは、他人の考えや行動等を十分に理解して得心(とくしん)する事(良く分かって承知する事)。 ・「納得」とは、「そりゃそうだよね」と腹にストンと落ちる様な感覚である。 ・こちらの考えを相手の腹に落として貰うイメージである。人を説得せよ、と云われると、テクニックや話術の力技に持って行くと云うイメージがあるが、人を納得させよ、と云われると相手を“自発的に動かす”イメージがある。 ◆「説得」の本質とは、“分からせる”事であり、「納得」のそれは、“分かる"事である。 ・「説得」の目線はあくまでも自分からの目線であり、「納得」と云うのは相手の立場に立った目線を持つ。 ※2012/10/22。 |
天保山(てんぽうざん) | ◆日本一低い山は、「天保山」(てんぽうざん)と云う山。 ・天保山は大阪市港区の天保山公園にある標高4.53mの築山。 ・江戸時代に土砂を積み上げて作られた人工的な山で、天保年間(1830年~1844年)に出来た当初は、標高は18m、麓の長さは約2kmと云うそれなりの山であったと云われている。1950年代以降の地盤沈下により、1993年に標高4.53mとなり、この年、地形図上から抹消されてしまった。しかし、地元からの熱い要望により1996年に復活した。 ・国土地理院発行の地形図に山名と共に掲載されていて、山頂には二等三角点がある。大阪市ホームページ内では「日本一低い山」と記載されている。また、「天保山山岳会」でも「日本一低い山」としていて、「登山証明書」(有料)も発行している。更に、「山岳救助隊」も存在すると云う。 ※2012/09/15。 |
ピグマリオン効果(Pygmalion effect)とゴーレム効果(Golem effect) | ◆「ピグマリオン効果」(Pygmalion effect)とは、教育心理学における心理的行動の1つで、教師の期待によって学習者の成績が向上する事である。 ・別名は、「教師期待効果」「ローゼンタール効果」等とも。尚、批判者は心理学用語でのバイアス(Bias)である実験者効果の一種とする。因みに、教師が期待しない事によって学習者の成績が下がる事は「ゴーレム効果」と呼ばれる。 ・「ピグマリオン効果」については、人間は期待された通りに成果を出す傾向がある事の現れとされ、1964年にアメリカ合衆国の教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって実験された。 ・「ピグマリオン」と云う名称は、ギリシャ神話を収録した古代ローマのオウィディウス『変身物語』("Metamorphosen"、訳に『転身物語』とも)の第10巻に登場するピュグマリオン王の恋焦がれた女性の彫像が、その願いに応えたアプロディテ神の力で人間化したと云う伝説に由来する。 ◆ピグマリオン効果の様に「期待」と「成績」に因果関係があるのであれば、その逆もまた成立すると考えられた現象を、「ゴーレム効果」(Golem effect)と云う。 ・人に対し悪い印象を持ち接する事により、その印象が良い印象を打ち消して悪い影響の方が勝ってしまい、悪い人と実際になってしまう事を指す。例えば、教師が生徒と接する際に、この生徒は成績の良くない生徒だと思いながら、この生徒に対して成績の上がる見込みがない期待度の低い状態で接すると、その期待通りに生徒の成績が下がる事がある。 ・「ゴーレム」と云う名称は、ユダヤの伝説にある意思のない泥人形の事であり、呪文で動き出すのだが、額の護符の文字を1字取り去ると土に戻ると云う話から引用されている。 ※2012/09/11。 |
レジリエンス(Resilience) | ◆「レジリエンス」(Resilience)とは、「精神的回復力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」等とも訳される心理学用語である。 ・心理学、精神医学の分野では訳語を用いず、そのまま「レジリエンス」、または「レジリアンス」と表記して用いる事とが多い。「脆弱性」(Vulnerability)の反対の概念であり、自発的治癒力の意味である。 ・「レジリエンス」は、元々は「ストレス」(Stress)と共にに物理学の用語であった。「ストレス」は「外力による歪み」を意味し、「レジリエンス」はそれに対して「外力による歪みを跳ね返す力」として使われ始め、精神医学では、ボナノ(Bonanno,G.)が2004年に述べた「極度の不利な状況に直面しても、正常な平衡状態を維持する事が出来る能力」と云う定義が用いられる事が多い。 ※2012/09/11。 |
サービス(Service)とホスピタリティ(Hospitality) | ◆「ホスピタリティ」(Hospitality)とは、「思いやり」「心からのおもてなし」と云う意味。特にサービス業で良く使われている。 ・形や行動等で示す「マナー」(Manner)は、相手に不快感を与えない為の最低限のルールである。そこに「心」が加わると、「ホスピタリティ」になる。深い心地良さが加わる事で、信頼や信用、安心感が生まれる。 ◆「サービス」(Service)と「ホスピタリティ」(Hospitality)の違い。 ・「サービス」の語源は、ラテン語の"servus"(奴隷)である。それが、英語の"slane"(奴隷)、"servant"(召使い)と云う言葉から発展した。サービスは語源の通り、サービスを受ける立場が主であって、サービスを提供する方は従と云う事で、主従関係がはっきりしていると云える。 ・一方で、「ホスピタリティ」の語源は、ラテン語の"hospics"(客人等の保護)である。それが、英語の"hospital"(病院)、"hospice"(ホスピス)と色々な言葉に発展した。 ・これらは対価を求めているのではなく、おもてなし・喜びを与える事に重きをおいている点が大きくサービスと違う。「ホスピタリティ」において重視されるのは、人間性や信条、個性、感性等であり、報酬を求めての行動ではない。おもてなし・喜びを通じて、報酬は結果として付いて来ると云う考えである。 ◆「ホスピタリティ」(Hospitality)に繋がる3段階のサービス。 ①第1段階のサービス…当たり前であり、当然しなければいけないサービス。 ②第2段階のサービス…お客様の満足度を高めるサービス。「気くばり」が含まれた、良い印象を与えるサービス。カスタマー・サティスファクション(顧客満足)に繋がる。 ③第3段階のサービス…お客様がして欲しい事を真剣に考え、お客様が求めている要望を超えたサービス。自分の親友や家族に接する以上の気持ちを込めて、お客様に最善の試みを行う。単なるサービス提供ではなく、第3段階に繋がる様なサービスを提供する事が、お客様の満足に繋がり、売上げ・利益向上を達成する事が出来る。 ※2012/09/11。 |
エラー(Error) | ◆誤差…工学的エラー。 ・一般に期待される値に対するズレの大きさの事。測定値や推定値については、その真の値に対する差を指す。一般に精度を表す語として用いられており、定量的に物事を語る場合には忘れる事の出来ないものである。誤差は少ないほど望ましい。 ◆失策…野球のエラー。 ・野球やクリケット等において守備を行っている野手・投手が、ミス(Mistake、失敗)により、打者の打撃の時間を延ばしたり、アウトにする筈の打者・走者をアウトに出来なかったり、余分な進塁を許したりする事、またその回数を示す記録を云う。尚、暴投、捕逸、野手選択は失策に含まれない。 ◆ヒューマンエラー(Human error)…人為的ミス。 ・人為的過誤や失敗(ミス)の事。JIS Z8115:2000では、「意図しない結果を生じる人間の行為」と規定している。直接的には、設備・機械の操作や乗り物の操縦において、不本意な結果(事故や災害等)を生み出し得る行為や、不本意な結果を防ぐ事に失敗する事である。その場合、「人災」と呼ばれる事もある。安全工学や人間工学においては、事故原因となる作業員や操縦者の故意・過失を指している。 ※出典:2012/08/24(金)、宮地 由芽子(鉄道総合技術研究所 人間科学研究部 安全性解析研究室の室長、電気通信大学大学院情報システム学研究科の客員准教授) ◆「ヒューマンエラー」とは、人間の生まれながらに持つ諸特性と、人間を取り巻く広義の環境により決定された行動のうち、ある期待された範囲から逸脱したものである。強調して云えば、人間の本来持っている特性と、人間を取り巻く広義の環境がうまく合致していない為に、引き起こされるものである。更に、「ヒューマンエラー」は、原因ではなく結果である。 ※出典:河野 龍太郎(自治医科大学メディカルシミュレーションセンター長・医療安全学教授)、2013/06/05。 |
キュレーター(Curator)とキュレーション(Curation) | ◆「キュレーター」(curator)とは、欧米の博物館(美術館含む)、図書館、公文書館の様な資料蓄積型文化施設において、施設の収集する資料に関する鑑定や研究を行い、学術的専門知識をもって業務の管理監督を行う専門職、管理職を指す(Curate…展覧会を組織する事)。 ◆「キュレーション」(Curation)とは、インターネット上に存在する膨大な量の情報を「非常に大きな博物館」になぞらえ、それらの情報を取捨選択して整理し、有益な情報の集まりに再編集する事。 ・現在世の中には膨大な量の情報が溢れている。それら全てに目を通す事は不可能であり、より的確な情報を得る為には、それらの情報を選別し、纏める必要がある。その纏め行為の事を「キュレーション」と呼び、纏める人達の事を「キュレーター」と呼ぶ。 ・関連サイトのURLを纏めたリンク集もキュレーションの1つではあるが、代表的なキュレーションサイトには、Twitterのつぶやきを纏める「Togetter」や、検索サービス「NAVER」が開始した「NAVERまとめ」等がある。 ・リアル・キュレーション(Real Curation)…現実世界の出来事。 ※出典:日経ビジネス2012年8月6日・13日合併号。 |
政治の3段階 | ◆「政治」(政治の世界)には、「政局」、「政策」、「体制改革」の3段階がある。 ①政局…何党が政権を取り、誰が首相になるかの争い。→「誰が果実を配るか」の話。 ②政策…どんな規制をし、どの事業を実施し、どこに予算を付けるかの決定。→「どこにどれだけの果実を配るか」の話。 ③体制改革…国の統治構造と国政の目指す倫理をどうするかの問題。→果樹園の地形を変え、土壌を改良し、樹木を植え替え様と云うもの。 ※出典:日経ビジネス2012年7月30日号。 |
リーン・スタートアップ(Lean startup) | ◆「リーン・スタートアップ」(Lean startup)とは、新しい製品やサービスを開発する際に、作り手の思い込みによって顧客にとって価値のないものを作ってしまう事に伴う、時間・労力・資源・情熱の無駄をなくし、時代が求める製品・サービスを、より早く生み出し続ける為の方法論。 ・リーン・スタートアップの概念は、初期投資を低く抑え、最低限の機能を持った製品を作る。それを少数の顧客で試して反応を見る。継続かピボット(方向転換)かを決める。ピボットには複数のタイプがある。 ・リーン・スタートアップのポイントは、新たな事業を小さく始めて成功しそうかどうかを早期に見極め、芽がないと判断したら、直ぐに製品やサービスを改良したり、事業の内容を一新したりして、軌道修正を繰り返す事にある。 ・リーン・スタートアップは具体的には、「Ideas:アイデア→Build:構築する→Code:製品→Measure:計測する→Data:データ→Learn:学ぶ→Ideas:アイデア」のフィードバックループを通して、先ず要となる仮説に基づいて実用最小限の製品(MVP:Minimum Viable Product)を直ぐに作って、実際に顧客に使って貰った実験結果から、成長に繋がる価値を学ぶ(検証による学び)と云う工程を繰り返す。その中で、仮説に対して結果が違ったら、そのまま進むか、或いははピボット(方向転換)するかを選ぶ。その判断基準も、一時の成果ではなく、事業として継続出来るかどうかを見る。 ◆主なピボット(Pivot、方向転換)のタイプ。 ①ズームイン型…機能を絞って製品化する。 ②ズームアウト型…大きな製品の一機能に変える。 ③顧客ニーズ型…想定とは別のニーズに応える。 ④事業構造型…マスを狙うか限定市場を狙うか。 ⑤チャネル型…販売・流通チャネルを変更する。 ※リーン(Lean)…無駄がない。スタートアップ(Startup)…起業。 ※出典:『リーン・スタートアップ』"THE LEAN STARTUP"(著者:エリック・リース、Eric Ries…米国の企業家、発行:日経BP社)@日経ビジネス2012年7月23日号。 |
野菜の色素成分 | ◆野菜の色素成分の性能と効能を、色素別に①含まれる野菜②含まれる成分③期待される効能で表す。 ◆赤(レッド)。 ①トマト、ニンジン。 ②リコピン。 ③抗酸化性、免疫強化、動脈硬化予防、美白効果等。 ・ストレス、生活習慣により体内で過剰に発生する活性酸素は、様々な生活習慣病の要因の1つと考えられている。リコピンはこの過剰に発生した活性酸素を防ぐ効果を持つとされている。 ◆橙(オレンジ)。 ①トマト、ニンジン、ハクサイ、ピーマン。 ②シスリコピン。 ③抗酸化性、免疫強化、動脈硬化予防、美白効果等。 ・リコピンにはオールトランス体とシス体がある。桃~赤系のトマトに含まれるリコピンの殆どはオールトランス体。シス体のリコピンは「桃太郎ゴールド」「クックゴールド」等の橙黄色のトマトに含まれている。体内での効果は同じだが、シス体のリコピンはオールトランス体のリコピンよりも体内への吸収が良く(2.5倍以上)、体内での利用効率が高いと報告されている。 ②カロテン。 ③抗酸化性、目・気管・皮膚の粘膜の正常化、LDLコレステロール低下等。 ・カロテンは体内でビタミンAに変換する物質。ビタミンAの作用として視覚機能や視力に関与するとされている。一方で活性酸素を抑える抗酸化性も持っている。カロテンは、油脂分を含んだ食品と一緒にとると吸収されやすくなる。 ◆黄(イエロー)。 ①タマネギ。 ②ケルセチン。 ③抗酸化性、血小板凝集の抑制効果(所謂、血液サラサラ)、動脈硬化予防、投入病予防等。 ・タマネギに多く含まれるケルセチンは、フラボノイドの中でも特に強い抗酸化活性を示す為、活性酸素による酸化ストレスが関与する、ガン、動脈硬化、糖尿病等に効果があるとされている。 ◆紫(パープル)。 ①赤キャベツ、赤タマネギ、ナス。 ②アントシアニン。 ③動脈硬化予防、炎症抑制、肝機能障害の軽減作用、目の健康維持等。 ・ポリフェノールの一種であるアントシアニンは、ワインに含まれる機能成分として有名になった。フランスでは、高脂肪型の食生活にも拘らず、心臓の動脈硬化性疾患の死亡率が低い事から、赤ワインのポリフェノールに注目が集まった。ポリフェノールの中には活性酸素を抑える抗酸化性を持つものがあり、その代表がアントシアニン。アントシアニンには更に目の健康維持、肝機能障害軽減作用があるとされている。 ◆白(ホワイト)。 ①ブロッコリー、キャベツ、トマト。 ②スルフォラファン。 ③発ガン抑制酵素の誘導、ピロリ菌(胃炎や胃ガンの原因)の減少等。 ・ブロッコリー等に含まれるスルフォラファンは、発ガン抑制酵素として知られる第二相解毒酵素を誘導する成分。また最近では、胃潰瘍等の原因とされるピロリ菌の除菌効果が報告されている。 ②GABA(抑制性の神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸、gamma-aminobutyric acidの頭文字)。 ③精神安定作用、血圧低下作用等。 ※出典:タキイ種苗㈱@日経ビジネス2012年7月9日号。 |
ビル・ゲイツから学んだ10の事 | ◆ロアン・カン(日本マイクロソフト㈱)がビル・ゲイツから学んだ10の事。 ①体系立てて考える。…極めて複雑な問題も、シンプルな原則に分解する。 ②細部に目を向ける。…全体を貫く根本と、関連した細部を同時に見る。 ③明確に、そしてシンプルに伝える。…物事をシンプルに、そして明快でピントの合った状態(明瞭)に保つ。 ④時間をきちんと管理する。…どんな事にどれだけ時間を割り当てるべきか、直感的な判断力を持つ。 ⑤任せられる人に任せる。…一度信用を得た人に対しては、正しい判断や決断をしてくれるものとして暗黙の信頼を寄せる。 ⑥公平に判断する。…非情な、容赦ない判断力は、企業経営には絶対不可欠である(「すべての子らを平等に愛す」、「顧客こそ一番の審判員」)。 ⑦決然と判断するが、相手を傷つけない。…厳正さと公平な判断を保ち乍ら、相手の心情を傷つける事なく、その判断を明確に伝える。 ⑧大きな動向を予期する。…ビジネスモデルの転換を促し、新たな機会を作り出す様な、大きな変化を見越す事は非常に重要である。 ⑨頑固に粘り強く。…食らいついたら成功するまで離さないと云う頑固さは、マイクロソフト社の文化の一部である(「相手より一歩足を前に出し続ける者が、最後に笑う」)。 ⑩インスピレーションで人を導く。…人を鼓舞する力は、ビル・ゲイツの為に最高の仕事をしたいと云う気持ちを彼らに抱かせ、非常に高い目標を越えさせる事を可能にする。 ※出典:ロアン・カン(日本マイクロソフト㈱ インフォメーションワーカービジネス本部 業務執行役員 本部長、ハーバード大学で東アジア研究の学士号、スタンフォード大学でMBAを取得)@日経ビジネス2012年6月25日号。 |
革新の原動力は「模倣」 | ◆「学ぶ」の語源は、「まねぶ」であり、模倣は、「創造の母」とも云われる。 ・オーデッド・シェンカー氏(米オハイオ州立大学の教授)は、著書『Copycats』において、アップルを「アセンブリーイミテーションの達人」と評している。 …既存の技術を新しいコンビネーションで結び付けるのが上手な企業だと云う意味である。 ・ジョブズ氏は、ピカソの言葉を引用して「優れた芸術家はまねる。偉大な芸術家は盗む」とも語っている。 …この言葉は、模倣から独創性が生み出せる事を暗示している。実際、彼は意外な所からインスピレーションを得ていた。 ・シャトーブリアン(フランスの作家)も「独自な作家とは、誰をも模倣しない者ではなく、誰にも模倣出来ない者である」と云っている。 …ピカソもゴッホも模倣がうまい芸術家であった。彼らは模倣から始めて、やがて自分だけの独創性を生み出し、誰にも模倣出来ない画風を確立したのである。 ・因みに、英語には「エイプ」(ape)と「イミテート」(imitate)と云う2つの言葉がある。「エイプ」は「サルまねをする」と云う意味であり、物事の本質を理解しないまま、単に外形的なまねをする事である。これに対し、「イミテート」(模倣する)は、物事の本質を理解した上で行う知的な行為である。日本語の「手本にする」「かがみにする」に当たるのが、「イミテート」である。 ◆スティーブ・ジョブズ氏の言葉。 ・「素晴らしいアイデアを盗む事に、我々は恥を感じてはこなかった」 …1996年に放映された米テレビ局PBSのドキュメンタリー番組でコメント。 ・「優れた芸術家はまねる。偉大な芸術家は盗む」 …1994年の米誌Interviewの記事でコメント。 ◆研究者は、学術論文で独自性を打ち出そうとするが、それは既存の論文との対比によって出すしかない。そのパターンは、実は3つしかない。 ①1つ目は先行研究へのアンチテーゼ。 ②2つ目は、先行研究をベースとしつつ、違いを出す事。 ③3つ目は、幾つかの先行研究を組み合わせて新たな知見を提示する事である。何れのパターンにおいても模倣は欠かせない。アンチテーゼも「反転模倣」と云う一種の模倣である。 ◆イノベーションを目的とした模倣戦略のタイプ。 ①他業種や海外の企業と云った遠い世界のお手本を模倣する「正転模倣」と、 ②同業他社の悪しき慣行を反面教師としてイノベーションに結び付ける「反転模倣」の2つがある ※出典:『模倣の経営学』(著者:井上 達彦、発行:日経BP社)より。 ※出典:井上 達彦(早稲田大学商学学術院の教授、2012年4月から米ペンシルベニア大学経営大学院のシニアフェローを兼務)@日経ビジネス2012年6月18日号。 |
パーソナルスペース(Personal-space) cf.心理的距離 |
◆「パーソナルスペース」(Personal-space、人との心地良い距離感)とは、コミュニケーションを取る相手との物理的な距離の事を云い、相手との関係性や場面によって異なる。 ・故エドワード・ホール氏(米国の文化人類学者)は、パーソナルスペースを「密接距離」「個体距離」「社会距離」「公衆距離」の4つに分類している。 ①密接距離…家族や恋人等ごく親しい人の場合で、0cm~45cmまで。 ②個体距離…友人と個人的会話を交わす場合で、45cm~120cm程度(2人が手を伸ばせば相手に触れる位の距離)。 ③社会距離…知らない人との会話や商談をする場合等で、120cm~360cm程度(お互いの体に触れる事が出来ない距離)。 ④公衆距離…講演や公式的な面会をする場合等で、360cm~760cm。 ・一般的に、ビジネスにおけるパーソナルスペースは、半径1m程度と云われている。これは個体距離の範囲内で、やや社会距離寄りの位置に当たる。 ※出典:『かくれた次元』(著者:エドワード・ホール、発行:みすず書房)@日経ビジネス2012年6月11日号。 |
リーン・スタートアップ(Lean startup)とファスト・ワークス(Fast works) | ◆「リーン・スタートアップ」(Lean startup)とは、トヨタ自動車の「リーン生産方式」の概念を応用していて、価値を生み出す活動と無駄な活動とを分け、体系的に無駄を省いていくと云うもの。 ・起業や新製品・サービスの開発、新規事業の立ち上げ等の成功確率を高めるマネジメント手法で、先行きが不透明な時代にあって対処する手法である。 ・リーン・スタートアップは「構築~計測~学習」と云うフィードバックループで構成される。 ・検証が必要な仮説に対し、実用最小限の製品(MVP=Minimum Viable Product)を作って顧客に見せたり、使って貰ったりする。その影響力を計測し、顧客の望みを学ぶ。そのまま進むか、方向転換(ピボット)するかを判断する。こうする事で膨大な時間とお金とエネルギーを費やして、誰も欲しがらない製品を作ると云う無駄を避ける事が出来る。 ※出典:『リーン・スタートアップ』"THE LEAN STARTUP"(著者:エリック・リース、Eric Ries…米国の企業家、発行:日経BP社)@日経ビジネス2012年6月11日号。 ◆「ファスト・ワークス」(Fast works)は、著者エリック・リース氏がGE社に持ち込んだアプローチで、顧客の声を早い段階で取り込んで、市場が求める製品をいち早く提供していく方法論。 ・製品化を早めに行い、顧客にフィードバックを求め、即座に改良していく事を特徴とするアプローチ。 ・これは、シックスシグマ(Six sigma、GE社がジャック・ウェルチ氏の下で、不良品を無くし信頼性を高める為に用いたアプローチ)と同様の影響力を持つ様になると考えられている。 ※出典:日経ビジネス2014年7月7日号。 |
戦略ストーリー(骨法10カ条) | ◆優れた戦略ストーリーの原理原則として、「骨法10カ条」がある。 ・ストーリーを作るには、「法則」はないが「骨法」はある。 ・フレームワークを提供するのとは全く違う考え方。 ①エンディングから考える。 ②「普通の人々」の本性を直視する。 ③悲観主義で論理を詰める。 ④物事が起こる順序に拘る。 ⑤過去から未来を構想する。 ⑥失敗を避けようとしない。 ⑦「賢者の盲点」を衝(つ)く。 ⑧競合他社に対してオープンに構える。 ⑨抽象化で本質を掴む。 ⑩思わず人に話したくなる話をする。 ◆戦略の本質は、「アナリシス」(Analysis、分析、解析、分解)ではなく、「シンセシス」(Synthesis、綜合、総合、統合)である。 ・戦略を構想すると云う仕事は、特定の要素に対応した担当者の次元を超えている。商売全体をどう動かしていくかを考える経営者の仕事である。 ・実際、自社の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、市場参入の機会(Opportunities)、脅威(Threats)を把握して戦略立案に用いる「SWOT分析」の様なフレームワークを使い、テンプレートを埋めていると、戦略を作っている様な気分になるものである。けれども、それは「塗り絵」をやっている様なもので、本物の絵を描いているのとは違う。 ・戦略を構想する仕事は、要は経営者視点で商売全体を考えるセンスがあるかどうかである。戦略は、スキルではなくセンスで作るものである。担当者が“分析症候群”、“フレームワーク依存”、“テンプレート中毒”に陥りがちなのは、戦略作りをスキルだと誤解しているからである。だから定型的なスキルとしてのフレームワークや解法がどこかにある筈だと誤解し、それを手に入れようとする。しかし、そんなものは初めからどこにもない。 ・元々経営は、サイエンスよりアートに近いものである。こうやったら上手くいくと云う法則は定立しようがない。 ※出典:『ストーリーとしての競争戦略』(著者:楠木 建…一橋大学大学院国際企業戦略研究科の教授、発行:東洋経済新報社)@日経ビジネス2012年6月11日号。 |
金融業の本質 | ◆金融業の本質は、アマデオ・ジアニーニ氏の取った行動そのものである。 ・銀行の存在意義として、銀行は貸すのが仕事。 ◆1世紀前のバンク・オブ・アメリカの教訓。 ・意義があると判断した事業に挑戦。それが金融の役目。 ①顧客の為にリスクを負担。 ②資金需要を自ら育て上げる。 ③現場でリスク管理を実行。 ④顧客の信頼を得て成長。 ※アマデオ・ジアニーニ…バンク・オブ・アメリカの創設者。1906年4月に米西部のサンフランシスコで発生した大地震と火災の復興の際、震災から6日後に「以前より貸します」と云う看板を掲げて、銀行の営業を再開した。 ※出典:清水 啓典(経済学者、一橋大学の名誉教授、日本金融学会の元会長)@日経ビジネス2012年5月28日号。 |
信頼(Trust、4視点) | ◆企業の評判は、その会社の製品やサービスのユーザーである顧客が寄せる「信頼」(Trust)がベースとなって築かれている。 ◆「信頼」(Trust )を取り戻す4つの視点。 ・この信頼の度合い(Degree of Trust )を上下させる要素が4つある。 ・この4つの要素をバランス良く満たすと、企業の評判は高まって行く。 ・逆に云えば、4つの要素を満たせなくなると、評判は下がって行く。 ①「透明性」(Transparency)…単に情報公開の度合いだけではなく、公開した情報の分かり易さが問われる。 →情報の受け手が透明性が低いと受け止めるのは、「必要な情報を意図的に隠している」と感じられる場合である。 ②「専門能力」(Expertise)…主に企業が持っている技術に対する信頼の度合いを指す。 →企業の社員は、自社の業務内容を一番良く理解しており、問題が起きた場合もそれに対処出来て当然と見なされている。 ③「コミットメント」(Commitment)…問題への対処の仕方や責任の果たし方を表す。 →事故や不祥事と云った深刻な問題が生じた時、人々は企業のCEO(最高経営責任者)や会長と云ったリーダーが率先して指揮を執り、説明責任を果たしながら問題の解決を図って行く事を期待する。 ④「共感」(Sympathy)…被害者に共感して労わる気持ちである。 →お詫びの言葉を繰り返したり謝罪して回っても、形式ばっていて、心の底から発せられたものと受け止められないと批判を免れないし信頼を得られない。 ※出典:ダニエル・ディアマイアー(Daniel Diermeier、米ノースウエスタン大学経営大学院の教授、評判管理の専門家)@日経ビジネス2012年5月7日号。 |
社畜(しゃちく) | ◆社畜(しゃちく)とは、主に日本で、企業に飼い慣らされてしまい自分の意思と良心を放棄し奴隷(家畜)と化したサラリーマンの状態を揶揄したものである。 ・「会社+家畜」から来た造語で、会社人間、企業戦士等よりも、皮肉が強く込められている言葉である。 ※出典:日経ビジネス2012年4月30日号。 |
義務の英訳(3つ) | ◆「義務」と云う言葉を英語に直すと、3つある。 ①"Duty"(ダューティー)…経営幹部の役割や職務に付随する「任務・職務・務め」。 ②"Obligation"(オブリゲーション)…社長が果たすべき「道徳上の義務・義理」。かつての西洋貴族の「ノブレスオブリージュ」(高い身分に伴う義務)の概念に近い。 ③"Liability"(ライアビリティ)…「責任のある事、責任・義務」。 ※出典:日経ビジネス2012年4月23日号に加筆。 |
インド文化 | ◆インド文化の2つのポイント。 ①「空」(くう)の概念。 ・「空」は、釈迦の教えを源とする大乗仏教から生み出された画期的な概念。 ・紀元2世紀頃に、インド仏教の僧、龍樹(りゅうじゅ)が『中論』(ちゅうろん)等の著書の中で唱えたもの。 ・「空」とは、般若心経が唱える「色即是空」の「空」である。…「色」とは、あらゆるもの(現象)と理解して良いが、永遠のものではない。必ず形を変え、衆縁和合(しゅえんわごう)しながら「空」となる。従って、「空」と「色」とは異ならない。 ・「諸行無常」は、この「空」の概念から来たものである。 ・「空」の概念を簡単な数式で現すと、「+」=(有)、「-」=(無)、「0」=(空)。…これを体系化し正しく数式に現したのが、7世紀初頭に活躍したインドの数学者、ブラーマグプタで、著書『ブラーマ・スプタ・シッタ(ダ)ーンタ』(628年、表題は「宇宙の始まり」と云う意味)で、ゼロを対象とした演算規則を体系的に述べている。 ※龍樹(りゅうじゅ)…2世紀に生まれたインド仏教の僧で、「龍樹」はサンスクリット語の「ナーガールジュナ」の漢訳名。大乗仏教中観派の祖であり、日本では、八宗の祖師と称される。また真言宗では、真言八祖の一人であり、浄土真宗の七高僧の第一祖とされ「龍樹菩薩」、「龍樹大士」と尊称される。密教系の仏教では、「龍猛」(りゅうみょう)と呼ばれる事もある。 ※『中論』(ちゅうろん)…初期大乗仏教の僧、龍樹の著作。インド中観派、中国三論宗、更にチベット仏教の依用する重要な論書。 ②「ゼロ」(0)の発見。 ・「空」を分かり易く説明するとすれば、「ゼロ」(0)を使うと良い。 ・「梵我一如」(ぼんがいちにょ)…インドの哲学書『ウパニシャッド』に代表されるバラモンの根本思想(根本理念)で、「梵」(宇宙の源、サンスクリット語で「ブラフマン」…宇宙を支配する原理)と「我」(自己の事、サンスクリット語で「アートマン」…個人を支配する原理)は同一であると云うもの。また、これらが同一である事を知る事により、永遠の至福に到達しようとする思想。古代インドにおけるヴェーダの究極の悟りとされる。「不二一元論」とも。 ・ドイツの哲学者、アルトゥル・ショーペンハウアーは、この『ウパニシャッド』に大いに影響を受けた人物である。 ※『ウパニシャッド』…『ヴェーダ』と共に、紀元前5世紀~紀元前15世紀に掛けてインドの賢人らによって少しずつ書き加えられた約200もの書物の総称。 ※アルトゥル・ショーペンハウアー…ドイツの哲学者、主著は『意志と表象としての世界』。仏教精神そのものと云える思想と、インド哲学の精髄を明晰に語り尽くした思想家であり、その哲学は多くの哲学者、芸術家、作家に重要な影響を与え、生の哲学、実存主義の先駆と見る事も出来る。 ◆ヨーガ(yoga、ハタ・ヨーガ)。 ・ヨーガは、『ウパニシャッド』の哲理である「梵我一如」を、人類が実際にこの世の中で経験出来る唯一の方法・手段として作られたもの。 ・「ヨーガとは、心の働きを止滅する事である」(『解説ヨーガ・スートラ』(著者:佐保田 鶴治)。 ・ヨーガとは、煩悩や雑念を1つの対象物に繋ぎ止め、それらをあってもなきが如くの状態にする事に本義がある。この様にする事を「止滅する」と説いている。 ・最澄が開いた天台宗の枢要な教えの1つ「天台小止観」の中にある「繋縁止」(けえんし)の方法はヨーガで云う所の「止滅」と深い所で繋がっている。 ・千利休は、茶道作法習得の一環として、天台小止観の「繋縁止」の法を用いるべきだと指摘している(『利休百首』)。 ・「ハタ・ヨーガ」の「ハ」はサンスクリット語で「太陽」を、「タ」は「月」を意味する。そして、「ハタ」で「力」(「強さ」)と云う意味になる。アーサナ(体位、坐法)クリヤー/シャットカルマ(浄化法)、パンダ(制御)等を駆使して心身を健康に保ち、且つその増進を図る(『解説ヨーガ・スートラ』(著者:佐保田 鶴治)。佐保田氏は、「ハタ・ヨーガ」は究極的に「心身一如」を得る事にあると説いている。従って、「ハタ・ヨーガ」とは陰(月)と陽(太陽)の対となるものを統合するヨーガ流派とされる。 ◆般若心経のマントラ(真言)。 ・「マントラ」は、サンスクリットで、本来的には「文字」「言葉」を意味する。「真言」と漢訳され、大乗仏教、特に密教では仏に対する讃歌や祈りを象徴的に表現した短い言葉を指す。 ・「(前略)往こうよ 往こうよ 悟りの世界へ みんなで往こうよ(後略)」…「悟りの世界」とは、勿論「色即是空」の世界である。「色」(形)のあるものは、即ち「空」で、分かり易く云えば滅せず生ぜず(不生不滅)の世界、如来(法身)の世界である。故に、この世の形のあるものは、消えていく運命にある。誰しもやがて如来の世界で過ごし、また衆縁和合(しゅえんわごう)して再び蘇るのである。 ※如来(にょらい)…仏教で釈迦を指す名称(十号)の1つ。或いは、大乗仏教における諸仏の尊称。元になったサンスクリット語の「タターガタ」は、真如(タター)から来るもの、真如へと去っていくもの、と云う意味である。これが漢訳されて如去如来や如来如去となり、更に縮まって如来となった。音写である多陀阿伽陀(ただあがだ)も同じ意味である。 ※出典:『世界はインドで回っている』(著者:木下 勇作…作家、日本経済新聞社の元記者)2012/04/12(木)。 |
6重苦から8重苦へ | ◆「6重苦」とは、企業経営者らが諸外国と比べて日本の事業環境が不利な要素として挙げる6項目。 ・一般的には、以下の6項目を云う。 ①円高の加速(超円高時代) ②高い法人税率(実効税率≧約40%) ③貿易自由化の遅れ(FTA自由貿易協定への対応遅れ) ④厳しい労働規制(製造業の派遣禁止等) ⑤環境規制の強化(温室効果ガス抑制策への負担) ⑥電力不足と高額な電力料金(東日本大震災に伴う供給制約や値上げ) ・下記の2項目を加えて、「8重苦」とも。 ⑦世界経済の減速懸念(ユーロ圏、中国) ⑧政治の停滞(民主党政権は一枚岩か?) ※出典:日経ビジネス2012年3月12日号。 |
中国模式(もしき) | ◆「中国模式」(もしき)とは、中国独自の発展モデル、発展基準、発展方式を云う。中長期的目標を明確に定めるのが特徴。 ◆中国史における歴代王朝の崩壊の3ケース。 ①北方異民族の侵入…万里の長城は、これを恐れて建造したもの。 ②宦官(かんがん)等が跋扈(ばっこ)し、皇帝の後継を巡る宮廷内部のお家騒動によって自滅するケース。 ③生活苦に喘(あえ)ぐ農民や庶民の反乱…今の共産党政権が恐れているケース。→このケースを如何に抑えるかが共産党政権の生命線。 ◆世情:「上有政策、下有対策」。 ・お上に政策あれば、下々に対策がある。お上がどんな政策を出しても、下々はそれに対抗する対策を講じる、と云う意味。 ◆中国人の世界観:「天地人」。 ・世界は「天」と「地」と「人」=「我」(自分)から成っていると云う考え方。古代の中国人は、天は円形で地は方形(四角形)と考えていた。そして東西南北それぞれの地平線には、青龍、白虎、朱雀、玄武と云う四神が鎮座し、天空の下、四神に鎮(しずめ)られた方形の大地の上に、天を仰ぐ「我」が踏み立っているのが現世だと信じていた。 ◆新年挨拶:「新年快楽、恭喜発財」。 ・正月が明けただけでは目出度くなくて、「発財」(金儲け)が伴って初めて喜びとなる。 ※中国春節(旧正月の1月1日は春節)…中国の春節年を越す事を中国語では「過年」と云う。「新年快楽、恭喜発財」は、日本で云う「新年おめでとう」、「明けましておめでとう」等の言葉に相当する。 ◆「金銭樹、発財樹、招財樹、富貴樹、八方招財、金玉満堂」。 ・お祝いに花を贈る習慣があるが、贈答用の花に付ける名前。 ◆夫婦関係:「夫婦鳥は大難が来ると、互いに勝手に飛び立つ」。 ・中国人にとって、日々の生活は不信の連続。一般に中国人にとって、カネへの強烈な執着は、周囲の不信の裏返しでもある。 ◆信頼:「用人勿疑、疑人勿用」。 ・使う人は疑うなかれ、疑う人は使うなかれ。 ◆自己:「一個中国人是龍(ロン)、三個中国人是虫(チョン)」。 ・中国人は一人だと龍だが、三人集まると虫になる。日本語の「三人寄れば文殊の知恵」とは対極にある世界観。 ・自己の「発展的空間」(中国人が好きな言葉)が少ないと判断すると、直ぐに転職する。「石の上にも三年」等と云う日本の諺は、中国語には訳出不能。 ◆小康社会。 ・まともな生活が送れる社会。 ◆今の世界を動かしている3つのグループ。 ①金融大国…アメリカやイギリス等。→金融危機(2008年のリーマンショック)で大打撃。 ②輸出大国…中国、日本、韓国、ドイツ等。 ③資源大国…ロシア、中東、ブラジル等。 ◆諸葛孔明の句:「淡(澹)泊明志、寧静致遠」(たんぱくめいし、ねいせいちえん)。 ・心を淡泊にすれば志が明け、安寧(あんねい)にすれば遠方に致る。 ◆「先苦後楽」(せんくこうらく)。 ・先に努力(苦)すれば、後は楽(自由)になる、と云う意味(同義語:「先憂後楽」)。 ・若いうちの苦労は、必ずや将来の楽に繋がる。批判的、高圧的なな関係から協調的な関係になる。 ※『ウサギとカメ』の昔話もイソップの『アリとキリギリス』も、この大事な事を子どもが小さいうちに伝えようとしたもので、この事を分からせる事が教育の大きな目的の1つ。 ◆「求同存異」(Qiu Tong Chun Yi)。 ・共通点を求めるが相違点は残る、と云う意味。 ・胡錦濤主席がアメリカ公式訪問(2011年1月18日~21日)した際に、連発した言葉。「求同存異の旅」と呼んでも良い。 ・中米両国には異なった制度があり、異なった文化があり、異なった経済の発展段階がある。今我々に求められているのは、『求同存異』の精神である。 ※出典:『「中国模式」の衝撃』(著者:近藤 大介)2012/02/21(火)。 |
付加価値率 | ◆付加価値率=付加価値額÷売上。 ◆問題:「売上の割にGDPに貢献する度合いが高い産業」とは? ・日本の上場企業を売上の割には付加価値額の高い順に示す為に、産業区分別に付加価値率の高い順に並べて見ると、以下の通りとなる。 ①サービス(飲食や宿泊業、清掃業、コンサルティングサービス等) ②繊維・化学・鉄鋼 ③小売(百貨店、スーパー、専門店チェーン、通販等) ④食品製造 ⑤建設 ⑥エレクトロニクス ⑦自動車(部品を除いて完成車組み立ての大企業のみとする) ◆解答:付加価値率の高い産業が繁栄する事は、人件費等を増やして内需を拡大させ、結果としてGDPも上昇する。 ※GDP(Gross Domestic Product、国内総生産)…一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額の事である。 ※出典:『デフレの正体-経済は「人口の波」で動く』(著者:藻谷 浩介)2012/02/16(木)。 |
投資の評価額:簿価と時価 | ◆ファイナンスの投資プロジェクトの評価額は、会計上の「簿価」で決まる訳ではなく、過去の持ち出しとは一切無関係に、そのプロジェクトの持つ「時価」が評価額となる。 ・投資プロジェクトの評価額…誰かにその投資の肩代わりをして貰う際に払って貰える値段(価値)。 ・会計上の「簿価」…プロジェクトに幾ら実際に投資したかと云う過去の支払い額の累計。 ・「時価」…そのプロジェクトが将来に亘って生むであろう期待収益(正確には、その割引現在価値)の合計。 ◆「投資が腐る」…簿価>時価となる現象。時価が過去の投資を十分に回収出来ない状態。 ・投資の時価の減少は、その分だけ経済を縮小させる。投資がなければ経済は拡大しない(投資は成長の必要条件)と云うのは事実。しかし、投資さえあれば経済は拡大する(投資は成長の十分条件)と云うのは間違い。 ※出典:『デフレの正体-経済は「人口の波」で動く』(著者:藻谷 浩介)2012/02/16(木)。 |
PIGS(ピッグス、ピグズ)、PIIGS(ピーグス) | ◆“PIGS”(ピッグス、ピグズ)、“PIIGS”(ピーグス)は、世界金融危機において金融・財政部門の改善が自国の力のみでは達成出来ない可能性のあるヨーロッパの国を纏めて表現する為に、該当する国家群の英語の頭文字から造られた頭字語。 ・PIGSは、英語で「豚」を意味するが、この頭字語は2008年(平成20年)から侮蔑的な意味を込めてイギリス及び北アメリカの金融報道で使われる様になった。 ・PIGS(ピッグス、ピグズ)…当初はユーロ圏の南ヨーロッパ4ヵ国のポルトガル(Portugal)、イタリア(Italy)、ギリシャ(Greece)、スペイン(Spain)を指していた。 ・PIIGS(ピーグス)…PIGSに、アイルランド(Ireland)を加えて呼ばれる事もあった。 ・PIGS(ピッグス、ピグズ)…2009年(平成21年)末からは、PIIGSからイタリア(Italy)を除いた、ポルトガル、アイルランド、ギリシャ、スペインの組み合わせで呼ばれる場合が増えて来た。 ※『「通貨」を知れば、世界が読める』(著者:浜 矩子)2011/12/13(火)。 |
過去25年の主な大規模災害 | ◆過去25年の主な大規模災害は、災害数:30、うち地震:12。 《発生日》 《災害内容》 ─────────────────────────── 1988年07月06日(水) 北海油田パイパーアルファ爆発火災 1989年03月23日(木) エクソンバルディーズ号原油流出事故 1994年01月17日(月) ノースリッジ地震(M6.7) 1997年 鳥インフルエンザ 1999年09月21日(火) 台湾大地震(M7.6) 2001年09月11日(火) 米同時多発テロ 2002年 SARS(重症急性呼吸器症候群) 2002年10月12日(土) バリ島爆弾テロ 2002年11月13日(水) スペイン沖原油流出事故 2003年05月21日(水) アルジェリア地震(M6.7) 2003年08月14日(木) 北米大停電 2004年03月11日(木) スペイン列車爆破事件 2004年08月26日(木) ドイツ・タンカートラック事故 2004年12月26日(日) スマトラ沖地震(M9.1) 2005年07月07日(木) ロンドン同時爆破事件 2005年08月 ハリケーン・カトリーナ 2005年09月 ハリケーン・リタ 2005年10月01日(土) バリ島爆弾テロ 2005年10月08日(土) パキスタン地震(M7.6) 2006年07月11日(火) ムンバイ列車爆破事件 2007年08月15日(水) ペルー地震(M8.0) 2008年05月12日(月) 中国・四川大地震(M8.0) 2008年09月12日(金) メトロリンク列車衝突 2009年04月06日(月) イタリア・ラクイラ地震(M6.3) 2010年01月12日(火) ハイチ地震(M8.0) 2010年02月27日(土) チリ地震(M8.8) 2010年05月01日(土) テネシー洪水 2011年02月22日(火) カンタベリー地震(M6.1) 2011年03月11日(金) 東日本大震災(M9.0) 2011年07月 タイ洪水 ※出典:アクセンチュア@日経ビジネス2012年3月5日号。 |
数秘術(すうひじゅつ) | ◆「数秘術」(すうひじゅつ、Numerology)とは、西洋占星術や易学等と並ぶ占術の1つで、ピタゴラス式やカバラ等が有名である。「数秘学」とも。一般的な占術の方法は「命術」で、占う対象の生年月日(西暦)や姓名等から、固有の計算式に基づいて運勢傾向や先天的な宿命を占う方法である。 ・数秘術の創始者は、ピタゴラスと云われていて、「数秘術の父」として知られている。ピタゴラスは、数の秘密を解き明かす内に「物事の根源は数である」と云う考えに行き着いた。これは、計算式の中だけでなく、世の中全ての事が数によって成り立っていると云う考え方。数字1つひとつには秘められた意味があって、それであらゆる物事が解明出来ると考えた。 ・具体的な数字の意味…1:理性、2:女性、3:男性、4:正義や真理、5:結婚、6:恋愛と霊魂、7:幸福、8:本質と愛、9:理想と野心、10:神聖な数。2+3=5…女性+男性=結婚、2×3=6…女性×男性=恋愛、2+5=7…女性+結婚=幸福。 ※出典:『菊川 怜の数学生活のススメ』(For Beautiful Mathematics Life、著者:菊川 怜、Presented by Rei Kikukawa)2011/08/24(水)。 |
貴金属比(ききんぞくひ) | ◆「貴金属比」(ききんぞくひ、Metallic ratio)は、1:〔n+√(n×n+4)〕/2(nは自然数)で表される比率。 ・nの場合、第n貴金属比と云い、特に第1貴金属比 1:(1+√5)/2を「黄金比」、第2貴金属比 1:1+√2を「白銀比」、第3貴金属比 1:(3+√13)/2を「青銅比」と云う。 ◆「黄金比」(おうごんひ、Golden ratio)は、一般的に最も均整の取れた長方形を作った時の縦と横の比率。「中末比」(ちゅうまつひ)、「外中比」(がいちゅうひ)とも。古代ギリシャでは「神の比」とまで呼ばれていた。デザイン性や見た目の美しさを表現する比率で、安心感や調和を与えるとされている。 ・具体的には、1:(1+√5)/2≒1:1.618≒5:8。 ・エジプトのピラミッドや、ミロのヴィーナス、パルテノン神殿と云った、時代を超えて美しいと云われる建造物や芸術品等にも使用されている。また、鶏の卵、名刺、携帯音楽プレイヤー、パソコンのワイド型モニタ(UXGA:1200×1920)、テレフォンカードの縦横比。 ・初めて使ったのは、古代ギリシャ時代の彫刻家ペイディアスと云われている。黄金数の記号φは彼の頭文字であるが、使われ始めたのは20世紀である。芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチも発見したと云う記録が残っていて、モナリザ等の絵画でも使われている。 ・「黄金比」と云う言葉自体は、1835年に出版されたドイツの数学者マルティン・オーム(オームの法則で有名なゲオルク・ジーモン・オームの弟)の著書『初等純粋数学』に見られる事より、1830年頃から使われ始めたのではないかと考えられている。 ※関連…フィボナッチ数(Fibonacci number)は、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチ(ピサのレオナルド)に因んで名付けられた数である。 ◆白銀比(はくぎんひ、Silver ratio)と呼ばれる比には、以下の2つがある。 (a)1:1+√2の比。貴金属比の1つ(第2貴金属比)。 (b)1:√2の比。紙の寸法等に用いられる。 ・具体的には、1:√2≒1:1.414≒5:7。 ・紙の寸法(用紙サイズ)等に用いられたり、法隆寺(聖徳太子が建立した世界最古の木造建築物群)の五重塔や慈照寺の銀閣等の歴史的建造物にも見られる為、「大和比」(やまとひ)とも。建築現場や実務で使われる事から実用性の美を追求した比率で、日本では古くから美しい比とされている。 ・紙の寸法は、ISO 216規格で定められていて、短辺と長辺との比が1:√2の白銀比になっている。この様な紙は、短辺を合わせる様に折ると、元の紙と相似になる為、紙の大きさが分かり易い。面積を半分にしても、比率が維持されると云うのも白銀比の大きな特徴。 ※出典:『菊川 怜の数学生活のススメ』(For Beautiful Mathematics Life、著者:菊川 怜、Presented by Rei Kikukawa)2011/08/24(水)。 |
刺し身の法則 | ◆社会集団での「刺し身の法則」とは、「3、4、3→サシミ→刺し身」。 ・社会的集団行動を取る事で知られるミツバチやアリにおいて、集団の3割はせっせと働き、4割は普通に働き、残りの3割はあまり働かないものに分かれると云う。その集団からせっせと働く3割を除いても、或いは、あまり働かない3割を除いても、残った集団は自然にまた上記の3割、4割、3割に分かれると云う。 ・社会集団と云う観点で考えると、会社で働く人々にもこの法則が通じる。10人のスタッフがいるとすれば、3人はとても優秀な人、4人は優秀な人、3人は普通の人に分かれる。 ・これは、人の社会心理学の一面を捉えたもので、この法則は、他にも「営業で自分に気を向けてくれる人の比率」や「ある物事の好き嫌いの程度の比率」等で例えられる事もある。 ・「刺し身の法則」の意味する所は、組織の中には無駄な人材はいないと云う事である。 ・組織での人の存在価値は、絶対的なものだけで決まるのではなく、目標、構成、時期等に依存する、相対的なものによって変化するのである。 ※出典:吉村 靖司(神田東クリニックの副院長)@日経ビジネス2012年2月20日号。 |
知恵とお金 | ◆「人類の知恵の根っことお金とは、切っても切れない縁がある」(リチャード・シーフォード:英国のギリシャ古典学者、ギリシャ古典の研究者)。 ・古代ギリシャが哲学や科学、民主主義や文学に至るまで、現代文明の基礎を生む事が出来たのは、「ギリシャが世界史で初めて完璧な貨幣経済になったから」である。紀元前7世紀頃から「ドラクマ」と云う貨幣が流通し始めた。 ・お金と云うのは、貝殻や金属としての価値を遥かに越えた、抽象的価値として人々の間で流通した。貨幣経済に生きる事によって、ギリシャ人は、この世界には具体的なモノとは次元を異にする「イデア」とでも云うべき普遍性がある事を、日常的に知る事が出来た。全てお金が「イデア」である事が生み出している。 ・哲学や科学…現実の具象から、普遍的な抽象を取り出し法則化する。 ・民主主義…お金を使う時は、人間は身分を越えて平等になる。 ・文学…お金によって共同体的な束縛を失った個人が起こす悲劇や喜劇を描く。 ※出典:岩井 克人(東京大学の名誉教授)@日経ビジネス2012年1月16日号。 |
号令、命令、訓令 | ◆「号令」「命令」「訓令」は、何れも上司から部下への指示である事に違いはない。同じ様な言葉であるが、軍隊用語ではこれをはっきり区別している。 ・「命令」に不可欠の要素は、A:上司の意図と、B:部下の任務の明示。このどちらかを欠けば「命令」ではない。部下の任務だけを示したものは「号令」であり、上司の意図だけを示したものは「訓令」である。 ・ナポレオンの時代には、「号令」で部下を動かせるのは声の届く範囲、「命令」は馬に乗って走れる範囲、それ以上離れている部下は「訓令」でしか動かせないと云われていた。 ・仕事で云えば、A:の上司の意図が仕事の目的に当たり、B:の部下の任務が仕事の手段、手順、方法となる。部下に指示を出す場合、組織の大小、仕事の性質、部下の能力と性質等により、また、組織が置かれている状況(要求される時間的余裕、現場の広さ)により、「号令」「命令」「訓令」の3つを上手く使い分けなければ、部下は期待する結果を出してはくれない。 号 令 命 令 訓 令 A:上司の意図(仕事の目的) × ○ ○ B:部下の任務(仕事の方法) ○ ○ × |
焼酎の酒類 | ◆連続式蒸留焼酎。 ・一般に糖蜜等を原料とした発酵液を元に、「連続式蒸留器(機)」で蒸留して高純度エタノールを生成し、これに加水した焼酎。サワー等に使う種類の焼酎で、カロリーが高い。以前、「甲類焼酎」と呼ばれていた。 ◆単式蒸留焼酎。 ・米、麦、コメ等を原料とし、「単式蒸留器」で蒸留して造る、所謂本格焼酎で、カロリーが低い。以前、「乙類焼酎」と呼ばれていた。 ◆混和焼酎。 ・甲類と乙類を混和したもの。甲類と乙類のどちらが多いかで呼び名が異なる。乙類を50%以上95%未満混和したものを「乙甲混和焼酎」、乙類を5%以上50%未満混和したものを「甲乙混和焼酎」と呼ぶ。 ※連続式蒸留器(機)(パテントスチル)…アルコール発酵した酒の醪(もろみ)を連続的に蒸留する事で、不純物を除去しエタノールを精製する装置。 ※単式蒸留器(ポットスチル)…基本的に1回のみの蒸留の為、原料本来の風味や旨み成分が生きている事が特徴。 ※出典:日経ビジネス2011年12月19日号。 |
除夜祭(じょやさい)と除夜の鐘 | ◆大晦日の夕方から夜、多くの神社で「除夜祭」(じょやさい)が行われる。 ・昔は、日暮れを1日の始まりと捉えていた為、日暮れと共に年越しの行事が始められた。 ・1年を無事に過ごせた事を感謝すると共に、身にまとった穢(けが)れを祓(はら)い、新たな気持ちで新年を迎える為のものである。 ・元々は、神官が新年の幸運を祈って「年籠り」(としごもり)の祈祷を行い、社前で一晩中火を焚いて神様を迎え、人々は焚かれた火を授かって帰ったと云う。 ・元々「除夜祭」(じょやさい)には、大晦日の夜に心身を清める為に神社に籠もって新年を迎える「年籠り」(としごもり)の意味合いがあった。 ◆「除夜の鐘」は、大晦日までに107つ、新年に1つ鳴らされる(寺により異なる)。 ・「108」は、煩悩の数である。 ・人間には「眼・耳・鼻・舌・身・意」と云う感覚器官「六根」(ろっこん)があり、六根が感じるものには「好・平・悪」がある為、受け取った感覚は18通り。それぞれに「浄・染(汚い)」があり、36通り。更に「過去・現在・未来」と云う3つの時間帯が影響し合って人間を煩(わずら)わせる為、36×3で煩悩は108つとなる。 ※(感覚器官「六根」:眼・耳・鼻・舌・身・意)6×(六根が感じるもの:好・平・悪)3×(浄・染(汚い))2×(時間帯:過去・現在・未来)3=108。 ※「六根」…眼根(視覚)・耳根(聴覚)・鼻根(嗅覚)・舌根(味覚)・身根(触覚)・意根(意識)。 |
ビッグデータ(Big data) | ◆世界中で生成されるデータ量。 ・2年毎に倍増している。 ・2011年に生み出されるデータは、1.8ZB(ゼタバイト、zettabyte)に達する。→DVD換算で、約3,800億枚。 ◆ビッグデータ(Big data)。 ・PB(ペタバイト、petabyte)級の巨大なデータをコンピュータで分析して様々な分野に役立てるもの。 ※ゼタは、10垓(がい)=10の21乗。 ※ペタは、1000兆=10の15乗。 ※出典:米IDC(調査会社)@日経ビジネス2011年12月5日号。 |
無かった事の証明とあった事の証明 | ◆無かった事を証明する事は、今後共不可能なのである。 ・数学でも、「存在しない」事を証明するのは大変である。数学の如く完全に論理的に構築されている世界でも大変なのだから、歴史学では、「存在しない事」を証明するのは、それが何であっても先ず不可能なのである。どの分野でも似た様なものである。 ◆あった事を証明する事は、可能なのである。 ・一方、「存在する」事を云うには、疑う余地のない証拠をたった1つでも出せば、それで決着が付くのである。 ※出典:『日本人の誇り』(著者:藤原 正彦、『国家の品格』から6年)2011/06/27(月)。 |
攻撃の言葉 | ◆人間と云うものは、他人を攻撃する際に、自分が云われると最も痛い言葉を用いる、と云う心理的傾向がある。国も同じである。 ※出典:『日本人の誇り』(著者:藤原 正彦、『国家の品格』から6年)2011/06/27(月)。 |
侵攻(進攻)と侵略 | ◆軍事学において、「侵攻(進攻)」と「侵略」は、区別されている。 ◆「侵攻(進攻)」 ・目的を問わず、相手方勢力や相手方領域を攻撃する行動。この定義は、ほぼ明確と云って良い。 ◆「侵略」。 ・相手の主権や政治的独立を奪う目的で行われる侵攻の事。この定義は、不明確。 ・藤原 正彦氏の定義…「自衛の為でなく、軍事力により他国の民族自決権を侵害する事」。ここで大事なのは、「民族自決権を持つ国」とは何かが、時代と共に変遷する事である。即ち、「侵略」とは、時代と共に意味が変わるのである。 ※出典:『日本人の誇り』(著者:藤原 正彦、『国家の品格』から6年)2011/06/27(月)。 |
80后(バーリンホウ)と90后(ジュウリンホウ) | ◆「80后」(バーリンホウ)とは、1980年~1989年までに生まれた人々の事である。 ・「后」は日本語の「後」で、本来は「1980年以降」に生まれた人と云う意味だった。 ・しかし、「80后」と云う言葉に続き、1990年以降に生まれた者にも「90后」(ジュウリンホウ)と云う名称を付ける様になったので、「80后」は、本来の「1980年以降」と云う意味から、「1980年代」のみを指す様になった。 ・従って、「90后」は、1990年~1999年までに生まれた人を指す事になる。 ※この単語を最初に云い出したのは、80后作家である「恭 小兵」(1982年生まれ)。 ◆改革開放は、1978年12月から始まり、一人っ子政策もまた1978年から提唱され始めたが、両方共大雑把に云えば、概ね1980年から始まったと見做す事が出来る。 ・それ故、その社会変動の中で育った若者達は、それ以前の人達とは完全に異なるメンタリティを持つ「新人類」なのである。 ※出典:『ネット大国中国-言論をめぐる攻防』(著者:遠藤 誉)2011/06/27(月)。 |
四時説(しいじせつ) | ◆季節の「四時説」(しいじせつ)。 ・春…万物を生じさせる季節。種を蒔く。 ・夏…ものを成長させる季節。育てる。 ・秋…ものを収束させ、採り入れる季節。収穫する。 ・冬…ものを萎(しぼ)ませ、殺してしまう季節。保存する。 ◆一日の「四時説」(しいじせつ)。 ・朝…政治を執り行う。 ・昼…外出訪問する。 ・夕方…政令を整える。 ・夜…静かに我が身を安んずる。 ※出典:『春秋左氏伝』(しゅんじゅうさしでん)の「昭公(しょうこう)元年」。 ◆「四時(しいじ)行われて、百物(ひゃくぶつ)生ず」。 ・四つの季節があってこそ、時は巡り、万物は生死を繰り返す。どの季節が尊いと云う事はない。 ※出典:『論語』の「陽貨篇」(ようかへん)。 |
孝と老 | ◆「孝」と云う漢字は、「老」と云う漢字から派生したもの。 ・「孝」と云う漢字は、元々「亡くなった父」「老父」と云う意を表す。この字が「おいがしら」の字で、「老」と形が似ている事を連想すれば良い。「おいがしら」の下の部分は、腰が曲がってる事を表していると云う事から、この文字は、「かんがえる」と云う意味を表す様になった。 ※出典:『菜根譚(さいこんたん) 中国の処世訓』(著者:湯浅 邦弘)。 |
『大学』の「八条目」 | ◆『大学』(だいがく)の「八条目」(はちじょうもく)とは、修養の順番を記したもので、それぞれ前の項目が後の項目の前提となっている。 ①「格物」(かくぶつ)…物事の本質を突き詰める。 ②「致知」(ちち)…知識を深める。 ③「誠意」(せいい)…意識を誠一にする。 ④「正心」(せいしん)…心を正しくする。 ⑤「修身」(しゅうしん)…我が身を修める。=「磨礪」(まれい) ⑥「斉家」(せいか)…家を斉(ととの)える。 ⑦「治国」(ちこく)…国を治める。 ⑧「平天下」(へいてんか)…天下を平定する。 ※『大学』…儒教の経書の1つ。南宋以降、『中庸』『論語』『孟子』と合わせて四書とされた。元々は『礼記』の一篇であり、曾子に作られたとも、秦漢の儒家によって作られたとも云われる。 |
読書三余(どくしょさんよ) | ◆「読書三余」(どくしょさんよ)とは、読書をするのに好都合な3つの余暇。 ・一年の余りである冬、一日の余りである夜、そして季節の余りである雨の日の3つを云う。 ・中国三国時代、魏の董遇(とうぐう)が勉学する時間がないと嘆く弟子を諭した語。 ・「余」…ひま・余暇の意。 ※出典:『魏志』の「王粛伝」(おうしゅくでん)。 |
令(れい) | ◆「令」(れい)とは、命令の意味ではなく、「良い」と云う意味を表す。 ・令器(れいき)…立派な器。 ・令顔(れいがん)…美しい顔。 ・令聞(れいぶん)…良い評判。 ※出典:『菜根譚(さいこんたん) 中国の処世訓』(著者:湯浅 邦弘)。 |
独擅場(どくせんじょう)と独壇場(どくだんじよう) | ◆「独擅場」(どくせんじょう)。 ・その人ひとりだけで、思いの通りの振る舞いが出来る様な場面・分野。ひとり舞台。 ◆「独壇場」(どくだんじよう)。 ・「擅」を「壇」と書き誤って生じた語。 ・「擅」を「壇」と誤り、「ひとり舞台」の意から「独壇場」(どくだんじょう)」の語が生じた。 ※出典:『菜根譚(さいこんたん) 中国の処世訓』(著者:湯浅 邦弘)。 |
菜根(さいこん) | ◆「菜根」(さいこん)の意味。 ・「人、常に菜根を咬(か)み得(え)ば、即ち百時做(な)すべし」。 ・人は常に菜根(野菜の根)を良く咬んでいれば、あらゆる事は成し遂げられる。 …野菜の根は、堅くて筋が多いが、それを苦にせず良く咬めば、世の中の真の味を理解出来る、と云う意味。 ・「菜根」…粗末な食事、或いはそれを厭(いと)う事なく、清貧の暮らしを良しとする、と云う思いも込められている。 ※「菜根」…宋の汪信民(おうしんみん、汪革)の言葉にちなむ。後に、『小学』(著者:朱子…朱熹、中国南宋時代の儒学者)に引用されている。 ※出典:『菜根譚(さいこんたん) 中国の処世訓』(著者:湯浅 邦弘)。 |
トキ(朱鷺) | ◆「講談社学術文庫」のシンボルマークは、「トキ」(朱鷺)を図案化してもの。 ・トキは、その長い嘴(くちばし)で勤勉に水中の虫魚を漁るので、その連想から古代エジプトでは、勤勉努力の成果である知識・学問・文字・言葉・知恵・記録等の象徴とされていた。 ◆「講談社学術文庫」の刊行の言葉(野間 省一(講談社第4代社長)、1976年6月)。 ・~学術は少年の心を養い、成年の心を満たす。~ |
三拍子 | ◆これまでの三拍子→これからの三拍子。 ・これまで…内向き、下向き、後ろ向き。 ・これから…外向き、上向き、前向き。 ◆先進国の定義。 ・一人当たりのGDP(Gross Domestic Product、国内総生産)が1万ドル以上。 ◆“CHAIWAN”とは? ・台湾企業が日本から自動化機械や基幹部品を中国に持ち込んで生産する企業群。 ・中国(China)と台湾(Taiwan)を組み合わせた造語で、「双方の政府当局の旗振りによる中台間の産業協力」ないしは「提携・協力関係にある中国・台湾企業」を指す。 ※出典:『お金の流れが変わった! 新興国が動かす世界経済の新ルール』(著者:大前 研一)。 |
リソース・ベースト・ビュー(Resource-based View:RBV) | ◆「リソース・ベースト・ビュー」(Resource-based View:RBV)とは、企業戦略論を発展させたもので、ジェイ・バーニー教授(経営学者)が提唱した戦略論。 ・この理論は、「競争戦略論」では上手く説明出来ない「企業の強さ」を解明する為に生まれたもの。 ・この特徴は、持続的な競争優位の源泉を企業内部の経営資源に求める点にある。「希少且つ模倣にコストの掛かるケイパビリティー(能力、Capability)」を備えている事が、企業に持続的な競争優位をもたらしてくれると云う考え方を前提にしている。C・K・プラハラード氏の様に、「ケイパビリティー」(Capability)の代わりに「コア・コンピタンス」(Core competency)と云う言葉を用いる研究者もいる。 ◆「競争戦略論」は、マイケル・ポーター(米ハーバード大学の教授)が考案・提唱した戦略。 ・競争戦略の定石に、「3つの基本戦略」がある。何れも、「他者とは異なる活動を伴った、独自性のある価値あるポジションを創り出す」、即ち、競争優位を創り出す為の戦略で、①コストリーダーシップ戦略、②差異化戦略、③集中戦略の3つがある。 ①コストリーダーシップ戦略…コスト面で競争相手に対して優位に立つ事を目指す。 ②差異化戦略…競争相手のものとは異なる独自の商品やサービスによって顧客に付加価値を提供し、相手に対して優位に立とうとする。 ③集中戦略…特定の商品やサービス、特定の顧客層、特定の地域等限定された領域に経営資源を集中する。 ◆「VRIOフレームワーク」は、企業が「希少且つ模倣にコストの掛かるケイパビリティー(能力、Capability)」を有しているかどうかを分析する為に、ジェイ・バーニー教授(経営学者)が考案したもの。 ・「経済的な価値」(Value)、「希少性」(Rarity)、「模倣困難性」(Inimitability)、「組織」(Organization)の4つの観点から、企業の経営資源のパフォーマンス(Performance)を判定する。 ①経済的な価値(Value)…企業の経営資源が、事業機会を生かす事に寄与するのか、直面する脅威を打ち消す助けとなるのかと云う視点。 ②希少性(Rarity)…ある経営資源が他の多くの企業でも所有されている場合には、競争優位の獲得には繋がらない。一方で、希少性の高い経営資源を持っている企業は、その資源を梃子に競争に打ち勝つ事が容易になる。 ③模倣困難性(Inimitability)…他社に真似され易いかと云う視点。直ぐに真似されてしまう様な場合、短期的には競争優位を築けても、持続的な競争優位には繋がらない。 ④組織(Organization)…報酬体系や管理手法等経営上の各種仕組みを示している。 ※出典:日経ビジネス2011年8月1日号。 |
中国の三大悪女 | ◆中国の三大悪女。 ①漢代の呂后(りょこう)…呂雉(りょち)は、漢の高祖劉邦の皇后。恵帝の母。字は娥?(女偏+句)。謚は高后(高皇后)。夫・劉邦の死後、皇太后・太皇太后となり、呂后、呂太后とも。 ②唐代の則天武后(そくてんぶこう)…武則天(ぶそくてん)は、唐の高宗の皇后。中国史上唯一の女帝となり、武周朝を建てた。日本では則天武后(そくてんぶこう)と呼ばれる事が多いが、この名称は彼女が自らの遺言により、皇后の礼をもって埋葬された事実を重視した呼称である。一方最近の中国では、彼女が皇帝として即位した事実を重視して「武則天」と呼ぶ事が一般的になっている。 ③清代の西太后(せいたいこう)…西太后は、清の咸豊帝(かんぽうてい)妃。同治帝(どうちてい)の母。清末期の権力者。満州・旗人の葉赫那拉(エホナラ、イェヘ=ナラ)氏の出身。慈禧太后(じきたいこう)。老仏爺(ラオフオイエ)。 |
政治家(Statesman) 政治屋(Politician) 政治業者(Political wheeler dealer) |
◆「政治家」(Statesman)・「政治屋」(Politician)・「政治業者」(Political wheeler dealer)の違い。 ①政治家(Statesman)…政治指導者と呼び得る人。自国の繁栄と自国民の幸せの為に、最良の道を模索し実行し、又その努力をする人。 ②政治屋(Politician)…耳障りの良い言葉使いに長け、民衆の人気を得る事に力を注ぎ、立場を利用して政治よりもお金や権力等の利権を得る事に熱心と思われる政治家を蔑称してこの様に呼ぶ。 ③政治業者(Political Wheeler Dealer)…自己の利益のみにうつつを抜かす利己主義者の政治屋を特にこの様に呼ぶ。 ・この構成比率は、5:10:85。 ◆ある学者は、『私は「政治屋」と「政治家」は違うと思っています。政治家は“票につながる、有権者受けする事”よりも、“正しい事”を優先します。しかし政治屋はその逆です。また、政治家は人々をリードしますが、政治屋は有権者の最も悪い“本能”に追随し、それを利用します。政治家は寛容と協力を説きますが、政治屋は格差を利用し、自身の目的遂行のために民衆を扇動します。』と云っている。 |
『山月記』 | ◆『山月記』(著者:中島 敦)。 ・自らの嫉妬心や虚栄心から虎になってしまった男の赤裸々で凄まじい告白。 ・博学才穎(はくがくさいえい)だった李徴(りちょう)は、役人程度の身分に飽き足らず、名を残そうと詩人を志す。だが役人を辞めて取り組んだ為、たちまち生活が困窮した。一向に芽が出ない自分の才能に歯がゆくなった李徴は、止むなく地方官吏に復職する。処が、かつては李徴が歯牙にも掛けなかった連中は、今や彼よりずっと上の役職にいる。自分の方が能力があるのにと云う自負が強ければ強い程、能力とは別に良い役職に就いている男達が妬ましい。李徴はそれに耐え切れず発狂して、行方知れずとなってしまった。一年後、旧友の袁サンは李徴と山の中で邂逅(かいこう)する。そこで、袁サンは、卑小なる自尊心、裏を返せば嫉妬の為に虎に身を落とした(化身した)悲劇の男の身の上(話)を聞くのである。 |
シナリオ(Scenario) | ◆「シナリオ」(Scenario)の意味。 ・シナリオはあくまで想定に過ぎず、そのまま起きる事はない。作った計画に拘り過ぎれば組織は硬直してしまう。細かな決まり事より対応力を磨き続ける事が大事になる。 ※出典:副島 一也(ニュートン・コンサルティング㈱の社長、リスクマネジメントに詳しい)@日経ビジネス2011年5月30日号。 |
危険(Danger)とリスク(Risk) | ◆科学技術は、「リスク」を生み出すもの。 ・ニクラス・ルーマン(ドイツの社会学者)は、「危険」(Danger)の対語を「安全」(Safety)ではなく「リスク」(Risk) であると考えた。ここでの「危険」とは「天災」の類である。 ・一方、人間が関わる事で発生する危険が「リスク」となる。 ・「危険」と「リスク」は単に対立する訳ではない。 【具体例】 ・冷たい雨は、濡れれば病気になりかねない「危険」な存在で、降雨は人の力では変えられない天災である。しかし、傘の発明で、この天災としての雨は性格を変える。雨に濡れて風邪を引く事は、傘を持たずに家を出た人の責任となる「リスク」、つまり人災なのである。 ・この様に文明が、天災としての「危険」を「リスク」(人災)に変質させていくと考える点が、ルーマンの「リスク論」の特徴と云える。 ※出典:日経ビジネス2011年4月25日号。 |
◆テールリスク(Tail risk)。 ・発生する確率は低いが、起きれば甚大な影響を及ぼすリスク。 ・確率は低いが、発生すると非常に巨大な損失をもたらすリスク。 ※出典:日経ビジネス2012年12月3日号。 |
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体質改善 | ◆「体質改善」の意味。 ・「身体と心(意志)は連動している」と云う事を深く認識した。 ・本当の意味での「体質改善」とは、身体のみならず、考え方まで変え、意志と身体の兼ね合いを再構築する事を指すのだろう。 ※出典:『身体のいいなり』(著者:内澤 旬子)@日経ビジネス2011年4月25日号。 |
人生の選択 | ◆人生は、選択の連続である。 ・人生とは、岐路に立ち、複数あるルートの中から1つを選び取る事の連続である。楽なルートを選び、逃げてばかりいたら、幸福になるチャンスは減る。どの様な人生であっても、生き方を自分で決めていると自覚する事が、自由を手に入れる近道となる。 ※出典:『鋼鉄の叫び』(著者:鈴木 光司)@日経ビジネス2011年4月18日号。 |
トランス・サイエンス(Trans-science) | ◆「トランス・サイエンス」(Trans-science)とは、「科学によって問う事は出来るが、科学によって答える事は出来ない問題群からなる領域」の事。平易に云うと「想定外の領域」。 ◆原発利用は、「トランス・サイエンス」問題。 ・福島第一原子力発電所の事故は、人災とも云われている。 ・それは、技術者が十分な注意を怠ったと云う事ではなく、東京電力の全社的な方針によって、原発のリスクが軽視され、十分な対策を取らなかった結果の人災と云う事。 ・つまり、原発の場合には、事故になった際のリスクが大き過ぎる為、技術者が科学の面だけで判断出来る問題ではない。→「テール(尻尾)リスク」(Tail risk) |
ブルーラグーン(Blue lagoon) | ◆「ブルーラグーン」(Blue lagoon、「青い潟湖」の意)は、アイスランドにある温泉施設。 ・場所…アイスランドの南西部、首都レイキャヴィークの南西約40kmに位置する。 ・施設…自然に湧出する温泉ではなく、隣接するスヴァルスエインギ地熱発電所が汲み上げた地下熱水の排水を再利用した施設。 ・利用…1970年代後半に地熱発電の副産物として作られ、1987年から温泉浴場として一般公開される様になった。 ・泉温…排水は70℃以上あり、それを38℃前後に温度調節している。 ・大きさ…面積は約5,000㎡(競泳用50mプール4個分)を誇り、露天温泉としては世界最大。深さは場所によってまちまちで、最深部は1.4m程ある。 |
すべき思考(Should thinking) | ◆「すべき思考」(Should thinking)とは、誰でも持つ「○○するべきだ」と云う考え。 ・それはそれで悪くはないが、あまりに硬化すると、角が立ったり、重荷になったりする。 ・楽しそうに生きている人は、「○○すべきだ」と云う考えを持つと同時に、「××してもいいよね」と云う感覚を持ったりして、硬軟を併せ持つ様である。 ・「○○すべきだ」と云う考えは、頭が設定する理想的な考え。一方、心や身体は、必ずしもそれには応じない。と云うか、考えるものではない。 ・心や感情と云うものは自然な反応であり、身体は本能的なものに従っている。従って、「頭」と「心や身体」との間には、少なからずギャップが生じる。 ・問題がなさそうに生きている人でもそんなギャップは持つが、どこかで心や身体にも従っている様である。 ・基本的には頭で心や身体を律するものの、どこかで心や身体の云い分を聞いて、赦(ゆる)す部分を持っている。適度な“ゆるさ”を有している様である。 |
ニューノーマル(New normal) | ◆「ニューノーマル」(New normal)とは、「新しい正常」とか「新たな普通」と訳され、「予測出来ない変化が起こり続ける時代」を云う。 ・モハメド・A・エラリアン(Mohamed A. El-Erian、世界最大の債券運用会社であるピムコの最高経営責任者)が提唱したもので、世界経済はリーマン・ショックから立ち直った時に、危機前の姿に戻るのではなく、全く別のものになると云う事。 ・リーマン・ショック(Lehman Shock、2008年9月に米国リーマン・ブラザーズが破綻)後、世界はこれまでの常識が通じない時代に突入したと云われている。 ◆今までの常識と「ニューノーマル」。 ・円高より円安の方が日本経済にとっては良い。モノ作りの拠点は分散するより集中させた方が効率的。マンションやオフィスは高層階ほど人気がある。 ・アメリカ人はこれまで「消費こそ美徳」とばかりに次から次へと新商品を購入していたが、リーマン・ショック後は逆転して「節約こそ美徳」となっている。 ・国際経済の面においても、世界経済をリードしているのはアメリカであるとばかりに「ドル」の強さを誇示していたが、リーマン・ショック後はインドや中国といった新興国の経済がリードする様になっている。 ・アメリカ主導の経済は自由化と規制緩和による市場主導型であったが、リーマン・ショック後は経済に対する政府の関与も大きくなった。各国政府は失業対策、需要創出等で大きな財政出動を行う様になって来ている。 |
ブラックスワン理論(Black swan theory) | ◆「ブラックスワン理論」(Black swan theory)とは、従来からの経験や認識では予想出来ない現象を云う。 ・ナシーム・ニコラス・タレブ(Nassim Nicholas Taleb)氏(認識論学者で元ヘッジファンド運用者(達人)としての経験を持つエッセイスト)が、2006年に刊行した著書「ブラックスワン(The Black Swan)」で説明している理論。 ◆「ブラックスワン理論」誕生の背景。 ・「スワン」と云えば白い色をした「白鳥」を想像するのが普通である。しかし、「オーストラリアには黒い白鳥が多数生息している」と云う事実が知られる様になり、鳥類学者たちの間に大きな衝撃が走った。このエピソードを元に、ナシーム・ニコラス・タレブ氏が「確率論や従来からの認識(知識)・経験からでは予想(予測)出来ない極端な現象が発生し、その現象が人々に多大な影響を与える事」を総称して「ブラックスワン理論」と名付けた。 ・大恐慌の様な危機は計算上では数万年に一度しか起こり得ないと云う学者の説が一般的であるが、「実際には数十年おきに発生している。世の中の事象は人間が算出出来るほど単純ではないのだ」と云う論をタレブ氏は著書「Fooled by Randomness(邦題「まぐれ」)」の中で展開している。これはブラックスワン理論に則った主張である。 ・米国のヘッジファンド運用会社ユニバーサ(Universa Investments)は、同理論に基づいた投資戦略を持つファンドを運用しており、同社にはタレブ氏もアドバイザーとして参加している。 |
カチッサー理論 | ◆「カチッサー理論」とは、対人関係心理を表したもの。 ・ロバート・チャルディーニ博士が発表した「影響力の武器」(日本語版は1991年)で公表された学説。 ・カセットテープレコーダーのスイッチを「カチッ」と入れると、自動的にカセットテープから「サー」と云う音が流れ出す事に由来している。 ※出典:日経ビジネス2011年3月28日号。 |
グリア細胞(Glial cell) | ◆「グリア細胞」(Glial cell)とは、「神経膠細胞」(しんけいこうさいぼう)とも呼ばれ、神経系を構成する「神経細胞」(Neuron、ニューロン)ではない細胞の総称である。 ・神経細胞を囲んで、その役割をサポートする役目を果たしている。 ・神経の中でニューロンの隙間を埋め、それらニューロンの代謝を仲介すると共に支持組織としても働いている。 ・正常な脳において生理的な機能を営んでいる他、ある程度の再生能力があり、脳実質の障害に対する修復に際して重要な役割を果たしている。 ◆「グリア細胞」と「神経細胞」の関係。 ・神経細胞と共に脳を構成しているもう1つの細胞が「グリア細胞」である。ヒトのグリア細胞の数は、神経細胞の10倍もある。グリア細胞は、神経細胞を支えたり、栄養を供給したりして神経細胞の働きを助けている。最近、グリア細胞は神経成長因子や栄養因子等を分泌しており、神経細胞の維持更には再生にとって非常に重要である事が分かって来た。 ※出典:理化学研究所 脳科学総合研究センター(理研BSI) |
ゴマ(胡麻) | ◆ゴマ(胡麻)の成分と効用(働き)。 ・ゴマ(胡麻)の小さな一粒一粒には、ビタミン(vitamin)CやE、ベータカロチン(βcarotene)、ポリフェノール(polyphenol)等と同じ働き(抗酸化作用)をするゴマリグナン(goma-rigunan)と云う物質が含まれている。色が違っても成分はほぼ一緒。 ・具体的な働きは、肝臓機能を向上させたり、アルコールを分解する力があったり、悪玉コレステロール(cholesterol)を減らしたりと、体の中で大活躍している。 ・ゴマが栄養価が高い食品と云われるのは、大さじ一杯に約60キロカロリー(kCal)のパワーを秘めた高栄養・高タンパク質の健康食品だから。 ※出典:ごま蕎麦の秘密より(北前そば 高田屋)2011/02/28。 |
自律神経 | ◆ストレスに順応する仕組みとして、器官別に見た自律神経の働きがある。 ─────────────────────────────── 交感神経 器官名 副交感神経 (闘争或いは逃走の態勢) (休養と栄養補給の態勢) ─────────────────────────────── 増 加 心拍数 減 少 上 昇 血 圧 低 下 拡 張 気管支 収 縮 活動抑制 消化管運動 活動促進 減 少 消化液分泌 増 加 グリコーゲンの分解 肝 臓 グリコーゲンの合成 (血糖上昇) (血糖低下) 多 量 発 汗 少 量 ─────────────────────────────── ※出典:日経ビジネス2011年2月21日号。 |
生命体の生命維持 | ◆生命体にとって、生命維持の為に重要なものが2つある。 (1)食べる事…食事はエネルギー「補給」。 (2)睡眠…心身の「点検・補修」。その作業は主に自律神経系、内分泌系、免疫系の3つの系統によって行われている。 ①自律神経系…交感神経(緊張を高める)優位から副交感神経(緊張を鎮める)優位へと移行し、体と脳を休息させる。 ②内分泌系…睡眠中に様々なホルモンが大量に分泌され、体の疲労回復や傷んだ部分の修復を促す。 ③免疫系…免疫関連物質(サイトカイン等)が血中に増加し、ウイルスの増殖を抑制する。 ・睡眠が不十分な生活が続けば、心身が不健康な状態になり、生活習慣病(高血圧症、高脂血症等)の発症のリスクが高まる。また、脳の疲労回復も不完全になる為、メンタルヘルス(心の健康)へも悪影響を与える。 ※サイトカイン(cytokine)…免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質で、特定の細胞に情報伝達をするものを云う。多くの種類があるが特に免疫、炎症に関係したものが多い。また細胞の増殖、分化、細胞死、或いは創傷治癒等に関係するものがある。 ・睡眠キャンペーン ※出典:日経ビジネス2011年1月24日号。 |
酒を割る | ◆酒を割るのは、アルコール分が何度以上か? ・酒は、一般的にアルコール分が20度以上のものを割って飲む。チェイサーを添えるのも同じ事。 ・割る酒…焼酎、ウィスキー、テキーラ、ウォッカ、等。 ・割らない酒…ビール、日本酒、ワイン、シャンパン、等。 ※巷、2011/01/14。 |
CSR(Consumer Social Responsibility)→CSV(Creating Shared Value) | ◆“CSR”(Consumer Social Responsibility)→“CSV”(Creating Shared Value)への変革が必要。 ◆“CSR”(Consumer Social Responsibility)。 ・企業の社会的責任。従来のCSRは、企業の声価を高める為に取り組む事が多く、慈善事業や寄付で良いと云われていた。だが、CSRが戦略と分離していて意味がない。名声が高まるのは良いが、それを目的にする様では社会に大きなインパクトを齎せず、利益にもならない。 ◆“CSV”(Creating Shared Value)。 ・共有価値の創造。企業の利益に繋がり、社会にも新しい価値を生み出すには『共有価値の創出』が重要である。CSVは、資本主義の本質を変えながら利益生み出して行く企業活動である。CSRの発想からもっと先に進まなければならない。 ※出典:マイケル・E・ポーター(米ハーバード大学経営大学院の教授、米ハーバードビジネスレビュー誌の2011年1月・2月合併号に共著で発表した『Creating Shared Value』(共有価値の創出)で提唱した)@日経ビジネス2011年1月3日号。 |
ミドルメディア(Middle media) | ◆「ミドルメディア」(Middle media)とは、マスメディア(Mass media)とパーソナル・メディア(Personal media)の間にある中間的な圏域を指す新しい用語。 ◆「ミドルメデア」(Middle media)は、「特定の企業や業界、特定の分野、特定の趣味の人達等、数千人から数十万人の規模の特定層に発信される情報」(佐々木 俊尚(ジャーナリスト)氏による定義)。 ※出典:『街場のメディア論』(著者:内田 樹(たつる))2010/11/25。 |
不正のトライアングル | ◆不正の原因分析は、「不正のトライアングル」で参考になる。 ・この3つの要素が揃うと、不正が発生し易くなる。 ①動機・プレッシャー…例えば、過大な営業ノルマや個人的な借金等の犯人を取り巻く状況。 ②機会…不正に甘い企業風土や相互牽制の不備により、容易に不正が犯す事の出来る状況。 ③姿勢・正当化…他人もしているとか、盗んだのではなく借用した等自分自身を納得させる事。 ※出典:日経ビジネス2010年11月8日号。 |
正しい判断を支える根拠 | ◆「正しい判断を支える根拠」として、「知識」に加え「直感」も判断を左右する。 ・判 断 ├知 識 | ├教 育 | | ├好奇心 | | └記 憶 | └経 験 | ├統合的影響 | └ショック └直 感 ├自 己(セルフ) | ├自 我(エゴ) | └影(シャドー) └価値観 ├倫 理 └品 位 ・直感…好奇心・勘・第六感・懸念・躊躇・疑念・不安・恐怖 低い ← 直感レベル(危険認識) → 高い ・個人のバランス…自分の限界を認識する事や自我(エゴ)、そして自己(セルフ)や、受け入れ難い自分自身の暗い側面である影(シャドー)と云う、より大きな全体像から成り立っている。 ※出典:日経ビジネス2010年11月1日号。 |
カエデ(楓)とモミジ(紅葉) | ◆「カエデ」(楓)と「モミジ」(紅葉)の違い。 ◆カエデ(楓)。 ・イロハカエデやイタヤカエデの様にカエデ科の植物を云う。 ◆モミジ(紅葉)。 ・秋に紅葉・黄葉する植物全体を云う。 ・モミジと云う言葉は古い言葉で、黄葉する事を「もみずる」から来た言葉。 ※出典:伊豆だより 2010.OCTOBER VOL.588。 |
了解と承知 | ◆「了解」と「承知」の違い。 ◆了解。 ・物事の内容や事情を理解して承認する事。物事の内容や事情が分かる(分かって納得する)。事情等を容認する事。一般的に、部下から上司への伺いに対して、上司から部下への返答として発する。「諒解」「領会」「領解」とも書く。 ◆承知。 ・情報に接して、内部の事情を知っている事。一般的に、上司から部下への指示に対して、部下から上司への返答として発する。 |
経とマネジ | ◆「経」と「マネジ」の違い。 ◆日本語の「経営」の「経」は、「お経」に由来し、「つなげる」と云う意味。 ◆英語の「マネジメント」(Management)の「マネジ」(Manage)とは、イタリア語に語源があり、「手綱さばき」と云う意味。 ※出典:貝塚 由久(ミネベア㈱の社長)@日経ビジネス2010年9月20日号。 |
足(脚)≒第2の心臓 | ◆足(脚)は、第2の心臓。 ・足は全体重を支える為に、28個もの小さな骨から出来ていて、複雑な組み合わさり方をしている。 ・第2の心臓と云われる理由は、足先に集まった血液を再び心臓に送り返す働きをしているから。 ・マメや靴ズレの原因は、「蒸れ」と「スレ」。 ・骨格(関節)を支えているのは、筋肉や靭帯。 ◆足には3つのアーチがあり、この3つのアーチのバランスが良い事が丈夫で健康な足の条件。 ・3つのアーチ…内側縦アーチ(親指と踵の間、土踏まず)、横アーチ(親指と小指の間)、外側縦アーチ(小指と踵の間)。 ※出典:『地球の上で歩く、食べる、眠る アウトドアのレッスン』(監修:北山 耕平、編著:梶原 光政)2010/08/20。 |
水分の摂り方 | ◆夏を上手に過ごす「水分」の摂り方(効果的な水分補給のポイント)。 ・こまめな水分補給として、200ml(湯飲み茶碗1杯程度)の水を、15分~20分おきに摂取するのが良い。一度にガブガブと沢山飲むと、胃に負担が掛かる。 ・体が吸収し易い水の温度は、6℃~13℃の冷えた水。特に暑さを感じる時は、しっかり冷やした水(6℃程度)を飲む方が、喉の渇きを抑え易く、胃の吸収も高まる。但し、アイスや氷等の冷たいものを摂り過ぎると、夏バテの原因になる。 ・良好なコンディションを維持するするには、糖分は3.5%前後が良い。所謂スポーツドリンクでも7%程度の糖分が入っているので、出来るだけ水に近いものを摂取する。糖分を摂り過ぎると血糖値が上がったり下がったりして、安定した状態を保ち辛くなる。 ※出典:平石 貴久(東京ミッドタウンメディカルセンター平石貴久特別外来の先生)、「健康のちからこぶ 2010年8月発行Vol.17」(㈱伊藤園 通信販売部)。 |
落語家の3めき | ◆落語家は、「3めき」を磨く事が大切。 ①ざわめき…好奇心。心がざわめく状態を保つ様に、色々な事に興味を持つ事。 ②きらめき…人間力。話術や技術は勿論必要であるが、人間としての魅力を持つ事。これを磨く方法の1つとして、読書や芸術鑑賞がある。 ③ひらめき…発想力。つまり第一感(直感力)を養う事。これを鍛えるには詰め将棋が良い。詰め将棋は、ゼロから考え直す勇気と忍耐力も鍛えられる。 ※出典:三遊亭 楽麻呂(落語家)@日経ビジネス2010年8月23日号。 |
没法子と有法子 | ◆「没法子」と「有法子」は、十河(そごう) 信二氏が満州鉄道の理事時代に、蒋介石やその幕僚から聞いた言葉。 ◆『中国人は、世界中から侮(あなど)られている。それは何かちょっと困難に直面すると、直ぐ「没法子」(メイファーズ)と云って諦めてしまうからだ。没法子とは、もうどうしようもないと云う意味である。中国人がどんな場合でも没法子ではなく「有法子」(ユウファーズ)と、何か必ず対策はあると云う言葉を自分達のモットーとする様になった時に中国は一流の国になるであろう』 ◆「有法子」は、葛西 敬之氏の座右の銘。その昔、中央鉄道学園(国分寺にあった国鉄の教育施設)には、十河総裁の自筆の書があった。 ・今の中国は飛ぶ鳥を落とす勢いで経済成長を続けており、正に蒋介石の云う「有法子」になっていると云っても過言ではない。 ※十河(そごう) 信二…日本の鉄道官僚、政治家、日本国有鉄道の第4代総裁、「新幹線の父」と呼ばれる。 ※出典:『明日のリーダーのために』(著者:葛西 敬之…東海旅客鉄道㈱の代表取締役会長)2010/06/22。 |
ネズミを捕るネコ | ◆ジョゼフ・フーシェの考え方。 ・「ネズミを捕り尽くしたネコはお払い箱になる。ネズミを捕らないネコもお払い箱になる。だから小さなネズミを捕って仕事をしている振りをして、大きなネズミは泳がせておく。政権が代わったら大きなネズミに売った恩を返して貰えば良い」(中曽根 康弘自民党総裁・総理大臣時代の後藤田 正春総務庁長官(警察出身の政治家)を評して)。 ※出典:『ジョゼフ・フーシェ伝』(著者:シュテファン・ツヴァイク…オーストリアの作家・歴史家)。 ※ジョゼフ・フーシェ…革命期フランスの政治家。警察の実権を握り続け、それによってフランス革命期のジャコバン党時代かナポレオンが失脚するまで、権力の座に座り続けたフランスの政治家。後世からは「過去において最も罪深く、将来においても最も危険な人物」と評された。 ※出典:『明日のリーダーのために』(著者:葛西 敬之…東海旅客鉄道㈱の代表取締役会長)2010/06/22。 |
コーヒーの健康効果 | ◆コーヒーの健康効果(2006年の米国の研究報告)。 ・コーヒーを飲まない人が糖尿病になるリスクを1とすると、1日1杯飲む人は0.87、2杯~3杯飲む人は0.58。…コーヒーを習慣的に飲むと、糖尿病になるリスクが半分近くまで下がる。 ・コーヒーは、動脈硬化やガン、肝臓病の予防にも役立つ。 ※出典:牧野 富太郎(「日本の植物学の父」、楽天主義でコーヒーが好きで94歳まで生きた)@日経ビジネス2010年7月5日号。 |
ライバル(Rival) | ◆「ライバル」(Rival)と云う言葉は、川(River)から生まれた。 ・語源は、ラテン語で「小川」を意味する"rivus"の派生語の"rivalis"で、「水利権を巡り、同じ川を挟んで対峙する」と云う意味。 …これが「同じ川(水源、水利権)を巡って争う人々」から「1つしかない物を求めて争う人々」の意味へと発展し、フランス語を経由して英語になった。 ・英語の「ライバル」(Rival)は、「常に対立し合っている宿敵」と云う意味。…それ故か、仮想敵や好敵手は身近にイメージしがち。 |
てんかん、パーキンソン病 | ◆てんかん、パーキンソン病に掛かった有名人。 ◆てんかん。 ・ドストエフスキー、ソクラテス、アリストテレス、ピタゴラス、シーザー、ナポレオン3世、ベートーベン、レオナルド・ダ・ヴィンチ、預言者ムハンマド(モハメッド)、パスカル、チャイコフスキー、ミケンランジェロ、バイロン、トルストイ、アガサ・クリスティー、エルトン・ジョン。 ※ある心理学者の言葉…「てんかん患者は脳の一部が異常をきたしている為に、それ以外の部分が異常な部分を補おうとして過剰に発達する」。 ◆パーキンソン病。 ・モハメド・アリ(ボクシングの元へビー級世界チャンピオン)、マイケル・J・フォックス(俳優)、ジャネット・リノ(アメリカの元司法長官)、ヨハネ・パウロ2世(前ローマ法王)、鄧 小平(中国の最高政治指導者)、アラファト議長(PLOパレスチナ解放機構)、岡本 太郎(画家、「芸術は爆発だ」)、ダリ(シュルレアリスムの画家)、アドルフ・ヒトラー(ナチスドイツの総統)。 ※出典:『知りたいサイエンス 薬は体に何をするか 「あの薬」が効くしくみ……』(編著者:矢沢サイエンスオフィス)2010/05/14。 |
結婚(男と女) | ◆「結婚は男から孤独を奪い、女に孤独を強いる」。 ・娘は元々親と共に親密な家庭環境を楽しんでいたんですから、結婚に至るまで実家でぬくぬくと家庭社会の中にいて孤独を感じる事は少なかったのに、ある日好きだと思った男と結婚生活に入ってみると、朝早く亭主が出て行ってから夜亭主が帰って来るまで、今だかつて経験した事のない長い孤独を味わう事になる。これは専業主婦モデルですが、今日でもまず過半のケースです。 ・一方で、男は実家にいて親のすねを齧(かじ)っているからと云って、別に親に阿(おもね)ていた訳ではないのですから、家にいても一日一言も会話をせずに過ごし、自室に籠(こも)り、また気が向けば外出して行き先も不明、と云う様な勝手気ままな孤独な生活をして来ていたんです。これが結婚と同時に会社と云う群れの生活が午後五時にチャイムを打つと、家庭に帰って、新妻との二人の生活、やがては子供との生活となります。つまりそこに孤独である時間はありません。随分大きな違いです。 ※出典:『会社は毎日つぶれている』(著者:西村 英俊)2010/02/15。 |
エンゲージメント(Engagement) | ◆「エンゲージメント」(Engagement)の米ヒューイット・アソシエイツの定義。 ・「会社の発展の為に自分の仕事にベストを尽くす気持ちと意思の表れ」…社員のやる気であり、社員や顧客の会社や商品への愛着心でもある。会社に対する様々な気持ちや意思を表現する言葉。 ※ヒューイット・アソシエイツ…創業65年を超え、ニューヨーク証券取引所に上場する世界最大の人事・組織コンサルティング会社である。世界33カ国に24,000の人員を擁し、2,300社以上の顧客に対しコンサルティングを行い、また340社で数百万人に及ぶ従業員の給与・年金・福利厚生等のアウトソーシングを行っている。 ※出典:日経ビジネス2010年3月1日号。 |
ティッピング・ポイント(Tipping point:TP) | ◆「ティッピング・ポイント」(Tipping point:TP)とは、新しいトレンドが劇的に普及し始める転換点。 ・あるアイデアや流行もしくは社会的行動が、敷居を越えて一気に流れ出し、野火の様に広がる劇的瞬間の事(マルコム・グラッドウェル、Malcolm Gladwellが定義)。 ・この言葉は、そもそも1970年代に普及した言い回しで、アメリカ北東部の比較的古い都市に住む白人の市外への脱出を指す言葉だった。ある特定の都市区域に住み着いたアフリカ系アメリカ人の数が一定数(ほぼ20%)に達すると、その地域に残っていた白人がほぼ一斉に町から出て行く。それを社会学者は町が傾く(Tip、ティップ)と称した。 ・ティッピング・ポイントとは、核物理学で云う臨界質量であり、閾値であり、或いは沸騰点の事である。 ◆マーケティング理論では、アーリーアダプターからアーリーマジョリティーへいく時点で、“ブレークスルー”(Breakthrough:不連続な拡大時期)が発生すると云われている。これを「ティッピング・ポイント」(Tipping point:小さな変化が大きな変化を生み出す点)とも。 ※出典:『急に売れ始めるにはワケがある』(著者:マルコム・グラッドウェル、Malcolm Gladwell、訳者:高橋 啓)2010/02/26、新社会システム総合研究所。 |
パソコンの文字配列 | ◆パソコンのキーボードの2段目配列は、「QWERTYUIOP・・」となっている。 QWERTYUIOP 54612 7 3 908 ↓ TYPEWRITER 1234567890 ・これは元々はタイプライターの配列と同じで、タイプライターのセールスマンが「TYPEWRITER」と打って見せた。勿論、打ち易い様に配列したと云われている。 |
海抜と標高 | ◆「海抜」と「標高」は、何れも高さを表す言葉。 ◆海抜…平均海面を0mとした高さ。陸地の高さや飛行高度を示す際に用いる。低い土地に対して海抜が使われる事が多い。 ◆標高…海面を0mとして測量した水準点を元に出される高さ。地理において高さは、標高と呼ばれる事が多い。海抜高度と云う言葉もある。 ※平均海面…日本では、東京湾平均海面(東京湾の平均海面、Tokyo Peil:T.P.)を0mとする。 ※日本水準原点…東京都千代田区永田町1-1-2(国会前庭北地区憲政記念館構内、かつて参謀本部陸地測量部が存在していた)の日本水準原点標庫と云う建物の中にあり、日本の高低測量の基準点である。1923年(大正12年)の関東大地震後の測量の結果、原点の高さは東京湾平均海面上24.4140m(測量法施行令第2条第2項)と改定され、この値が今でも使われている。 国土交通省 国土地理院 海上保安庁海洋情報部 |
働くと云う事 | ◆人間の「働く」と云う事。 ・法事で知り合った住職に対して、「障害者は施設にいれば楽なのに、わさわざ辛い思いをして工場まで通勤して、何故働こうと思うのか」と訊ねた。 ・住職は答えた。 「人間の幸せはモノやお金だけではない。究極の幸せは4つある。 ①人に愛される事。 ②人に褒められる事。 ③人の役に立つ事。 ④人から必要とされる事。 企業で働きたいと願うのは、社会で必要とされて、本当の幸せを求める人間の証しなのだ」 ※出典:大山 泰弘(日本理化学工業㈱の会長)@日経ビジネス2009年11月30日号。 |
出来ない理由 | ◆「出来ない」は禁句だが、出来ない理由(言い訳)は、5つあると云う。 ①今すぐには出来ない。 ②今のやり方では出来ない。 ③今の工数では出来ない。 ④今の資金では出来ない。 ⑤今の人では出来ない。 ・1つでも良いから課題をそれに当て嵌めて見る。そうすると不可能だと思えた事が可能になる。この世の中に不可能と云う事はない。必ず出来ると云う信念を持てば必ず出来る。 ※出典:小野 守男(㈱タムロンの社長)@日経ビジネス2009年11月23日号。 |
赤ちゃんの視覚 | ◆赤ちゃんの視覚は未完成で、大人と比べて視力が弱い。従って、明暗がはっきりしていないと良く見えない。 ・生まれたばかりの視力=0.02 ・生後6ヵ月の視力=0.2程度 ・6歳児の視力=大人と同じ位 ◆人類が誕生したのが25万年前として、文字の歴史は5千~6千年前までしか遡れない。この時間の短さ故、脳は文字を処理する事に十分に適用しきれていない。 ※出典:『センスのいい脳』(著者:山口 真美)2009/10/01。 |
タフな米国ビジネス | ◆交渉事について、ユダヤ人の実業家が教えてくれた事。 ①「どんなものでも必ず値切ってみる」と云う事。値切った所で「Nothing to Lose」、つまり失うものはないのだから、先ずは値切ってみるべきだと云う事。 ②「Not End of the World」、「それで世界が終わるわけじゃない」のだから、失敗したってくよくよするなと云う事。 ※出典:『松下幸之助は生きている』(著者:岩谷 英昭…経営コンサルタント、元・米国松下電器の会長CEO、松下電器グローバル戦略研究所の所長)2009/08/03。 |
和魂(わこん) | ◆「和魂」(わこん)とは、「和(なご)む魂」で、穏やかである様に働き掛ける神の霊」、つまり「荒魂」(あらみたま)に対する「和魂」(にきみたま)の事。 ・「和魂」の訓読みは「やまとだましい」ではなく、「にきたま」或いは「にきみたま」が本来で、漢文で書かれた『日本書紀』には、「和魂」に対して「にきみたま」と云う訓みの注釈が掲げられている。 ・従って「和魂漢才」は、本来「倭魂漢才」とすべきであったと思われる。 ・「和」=「日本」=「倭」(『魏志倭人伝』の「倭」=「ヤマト」) ◆和魂漢才(わこんかんさい)。 ・中国伝来の学問を学び取りながら、日本固有の精神を失わない事。 ・菅原道真の言葉と云う事になっているが、真偽は不明。 ・この言葉が登場するのは、「平安末から室町の初め」の時期に出来上がったと思われる、著者不明の『菅家遺誡』(かんけいかい)と云う菅原道真の遺訓を集めた(とされる)本。 ◆和魂洋才(わこんようさい)。 ・「日本人が日本人として生きて行く為の思想性はもう完備されている。必要なのは、西洋にある進んだ技術を取り入れるだけだ」と云う実務の思想。 ・明治時代に云われた言葉で、「和魂漢才」と云う言葉のもじり。 ※出典:『大不況には本を読む』(著者:橋本 治)2009/08/03。 |
無宗教 | ◆一般的な宗教の定義。 ・「神や仏と云った超越的な存在に対する信仰」と云われている。 ・但し、全ての宗教で超越的な存在が重要視されている訳ではない。 ・例えば、仏教の禅で重要なのは、座禅と云う修行であり、その中での悟りである。仏教を開いた釈迦の直接の教えも、悟りと云う事が中心にあって、仏を崇拝する事が説かれていた訳ではなかった。 ◆日本人は「無宗教」と云われる訳。 ・かつての日本には、「宗教」と云う言葉自体が存在しなかった。日本人は「宗教」と云う言葉を明治になって知った。宗教と云う言葉が存在しなければ、自分達を無宗教とは考えない。宗教と云う言葉が無ければ、「無宗教」と云う言葉もあり得ない。 ・但し、当時「宗教」と云う表現そのものは存在していた。それは、「宗教の教え」と云う意味であった。 ・現在、使っている「宗教」とは、1つの独立した信仰世界の意味(概念)であり、これを使い始めたのは、明治に入り、近代化が始まってからである。 ※出典:『無宗教こそ日本人の宗教である』(著者:島田 裕巳)2009/07/02。 |
y=f(x):科学的思考 | ◆y=f(x):因果関係を発見する「科学的思考」。 ・fの関数は、一種のブラックボックスであり、それがどう云う風な構造であるかには副次的な重要性しかない。 ・分子生物学者のルドルフ・シェーンハイマーはこれを「ペニー・ガム法」と名付けた。 ◆ペニー・ガム法。 ・自動販売機にペニー硬貨を投じるとガムが出て来る事を、「銅がガムに変化した」と推論する思考の事である。即ち、ガム=f(ペニー)の方程式が成立する。 ・陰謀史観は世界政治をこれに準じた「ペニー・ガム・メカニズム」と理解する事がある。 ※出典:『もう牛を食べても安心か』(著者:福岡 伸一)。 |
ユダヤ人 | ◆ユダヤ人。 ・日本語の既存の語彙には対応するものが存在しない概念である。そして、この概念を理解する為には、私達自身を骨がらみにしている民族誌的偏見を部分的に解除する事が必要である。 ◆ノーベル賞(1901年から始まるノーベル賞受賞者の統計)。 ・自然科学分野におけるユダヤ人の受賞者数が突出している(2005年までの統計)。 ①医学生理学賞の受賞者数=48名(全体182名の26.4%) ②物理学賞の受賞者数=44名(全体178名の24.7%) ③化学賞の受賞者数=26名(全体147名の17.7%) ・ユダヤ人の人口は、世界人口の0.2%を占めるに過ぎない。 ◆ユダヤ人が知性的な理由。 ①ユダヤ人の「例外的知性」なるものは、民族に固有の状況がユダヤ人に強いた思考習慣、つまり、歴史的に構築された特性である。…「政治的に正しい」唯一の回答である。 ②ユダヤ人の「例外的知性」なるものは、民族に固有の聖史的宿命ゆえに彼らが習得し、涵養せざるを得なかった特異な思考の仕方の効果である。ユダヤ人の「聖史的宿命」とは「諸国民」に先んじて、「諸国民」より以上に受難する事である(ユダヤ人は迫害された事を主体的に引き受けて来たと云う事実がある)。 ③例外的知性が遺伝性の疾患の様なものとしてユダヤ人達の内に器質的に内在している。…この反ユダヤ主義的回答は議論の対象にならない。 ※出典:『私家版・ユダヤ文化論』(著者:内田 樹(たつる)…この本で、第6回小林秀雄賞を受賞)2009/06/17。 |
脳幹活性法 | ◆12の脳神経核の種類と刺激の仕方(脳幹活性法)。 ・脳幹の神経は、自分で刺激出来る。 ───────────────────────────────────── 名 称 神経が司る主な働き 刺激の仕方 ───────────────────────────────────── ①嗅神経 嗅覚 周囲の匂いを意識的に嗅ぐ。 ②視神経 視覚 目を見開き、周囲を意識的に観察する。 ③動眼神経 眼筋運動 目を上下・左右、8の字に大きく速く動かす。 ④滑車神経 ③に同じ ③に同じ。 ⑤三叉神経 顔面の知覚・咀嚼力 顔全体を細かく叩く。つねって刺激する。 ⑥外転神経 ③に同じ ③に同じ。 ⑦顔面神経 顔面の運動 額にシワを寄せる、ぎゅっと目をつむる、 口を横に引いたり膨らませる。 表情豊かになる。 ⑧内耳神経 聴覚・平衡機能 かすかな音に耳を傾ける、片足立ちの練習。 ⑨舌咽神経 のどの運動・味覚 高音から低音まで「アー」と発声する。 ⑩迷走神経 ⑨に同じ ⑨に同じ。 ⑪副神経 首や肩の運動 首を左右にストレンチ、肩を上下に動かす。 ⑫舌下神経 舌の運動 舌を出して上下、左右、斜めに動かす。 ───────────────────────────────────── ※出典:江田 証(江田クリニックの院長)。 |
生命の4大定義 | ◆生命の4大定義。 ①生きる状態を維持する『セルフメンテナンス』…餌やエネルギー源を得続けるのがこれに当たる。 ②DNA(デオキシリボ核酸)の複製や生殖等自らの分身を作る『セルフコピー』。 ③外界と自分自身を区切る『コンパートメント』…細胞膜がこれに当たる。 ④『進化する力』…自らを維持して複製するだけでなく、進化を続ける事で生命は数十億年も生き続ける事が出来た。 +最近、使われ始めた言葉に『ハビタビリティー』(生存可能性、生命存続条件)がある。…生命は生命自身だけで成り立っているのではなく、生命を支える周囲の環境も生命に含まれると云う考え方。 ※出典:高井 研(独立行政法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC、ジャムステック) 海洋・極限環境生物圏研究領域のプログラムディレクター)。 |
言語学の世界:「リポートトーク」(Report-talk)と「ラポートトーク」(Rapport-talk) | ◆言語学の世界には、「リポートトーク」(Report-talk)と「ラポートトーク」(Rapport-talk)がある。 ・「リポートトーク」(Report-talk)…数字を挙げて定量的、論理的に話す話し方。ニュースキャスターが情報を伝える様な話し方。代表者:安倍 晋三元首相。 ・「ラポートトーク」(Rapport-talk)…心理的な繫がりを大事にする話し方。相手との触れ合い、気持ちの通じ合いを中心にした話し方。 代表者:小泉 純一郎元首相、東国原 英夫宮崎県知事。 ・人間の認知方法とそのプロセスは、数字やデータに基づいて論理的に結論を導き出してる訳ではない。意外に情緒的、直感的、観念的なものである。 ※出典:東 照二(米ユタ大学兼立命館大学の教授)。 ◆デボラ・タネンと云う言語学者が『人の発言には「リポートトーク」(Report-talk)と「ラポートトーク」(Rapport-talk)の2種類がある』と提唱している。 ・「リポートトーク」(Report、報告)…客観的な事実を伝える事に重きを置く情報中心の話し方で、聴衆の心を掴んで話さない様な印象深い言葉を殆どなく、あるのは自分もしくは製品が優秀で経験、実績があるかを繰り返し述べると云うもの。代表者:クリントン国務長官。 ・「ラポートトーク」(Rapport、共感)…聞き手との心理的な繫がりや共感関係を高め様とする情報中心の話し方で、的確で効果的な言葉の選択、繰り返し、発展、そしてそれを独特の抑揚、リズム、間の取り方で演出すると云うもので、上手い人はドラマ性、物語性をもった交響曲を聴いている感じを受ける。代表者:バラク・オバマ大統領(サーバントリーダーシップ…他者中心の、極めて精神的なリーダーシップ像)、アップルのスティーブ・ジョブズ。 |
危機=危険+機会 | ◆「危機」とは、危険な状態を云い表わす言葉。 ・「危」(危険)…危うい。個人にとって負傷・死を招くとか、災難・危害をもたらすとか、地域社会の人々にとって広義の人災が起こりそうな恐れがある事。 ・「機」(機会)…物事が起きるきっかけと云う前向きな意味がある。何かをするのに、ちょうどいい時。チャンス。 |
LQQTSFA(症状) | ◆“LQQTSFA”とは、症状を伝えるキーワード。 ・Medical Interview(病歴聴取を含む医師と患者とのコミュニケーション場面)で使用する方法論。 ・症状の特徴を捉える為の焦点を当てた質問の7項目。 L:Location、症状のある身体の部分、部位、位置 Q:Quality、症状の性状、性質 Q:Quantity、症状の程度、強度 T:Timing、発症時期、持続時間、頻度等 S:Setting、Sequence、どの様な状況で、経過 F:Factor、症状を軽快または増悪させる因子、憎悪/寛快因子、関連要素 A:Accompanying symptoms、Associated manifestations:随伴症状 |
医療と未病 | ◆日本の医療。 ・受け身の医療…これまでの、病気になってから治療すると云う医療。 ・予防医療…これからの、病気を未然に防ぐと云う医療。 ◆未病(いまだ病にあらず)。 ・「未病」とは「いまだ病にあらず」、つまり「はっきり病気だとは云えないけれど、全く健康かと云うとそうではない」と云う、病気に至る前の半健康状態を表現する言葉。 ・「未病」の考え方は、既に2300年前(漢の時代)の中国最古の医学書である『黄帝内経』(こうていだいけい)に登場している。 →「聖人不治既病、治未病」(名医は、既に病気になってから治療するのではなく、病気に至らない間に治療を行い、病気を起こさせない)…「未病を治療出来る医師こそが優れた医師である」と云う事。 ・西洋医学では「未病とは、自覚症状はないが、検査をすれば経度ながら異常値を示す状態」を云う。…具体的には、肥満や脂肪肝、高脂血症、高血圧、境界型糖尿病、高尿酸血症等の軽症なもの、それらを併せ持つメタボリックシンドローム、若しくはその予備軍も対象。 |
ジャガイモの力 | ◆ジャガイモの力。 ・痩せ地や過酷な環境でも育ち、最短50日で収穫でき、収穫量も小麦や米の2倍~3倍にもなる。 ・栄養のバランスも良い。茹でたジャガイモはトウモロコシよりも多くのタンパク質を含み、カルシウムは2倍、ビタミンCは果物に負けない程豊富である。ジャガイモのビタミンCはでんぷんに守られている為、加熱調理しても壊れにくい特徴を持っている。 ・ジャガイモは、コレシストキニンと云う満腹ホルモンを分泌させる為、満腹感を持続させる。しかもカロリーはパンの3分の1である。 |
諸行無常(3無常原則) | ◆「諸行無常」の3つの無常原則。 ①地上に永遠なるものはない。 ②形あるものは必ず壊れる。 ③人間は生きてそして死ぬ。 ・無常の3原則は、誰も否定出来ない客観的な事実である。 ・問題となるのは、その事実を受け入れる文明と、そうでない文明がある。老子の思想そして仏教文明は、これを受け入れて来た歴史がある。一方でユダヤ・キリスト教文明を持つ西洋社会は、これを絶対に受け入れなかった。 ※出典:山折 哲雄(宗教学者、国際日本文化研究センターの元所長)。 |
本能(3欲求) | ◆脳が本能的に持っている3つの欲求(先天的に持って生まれた3つの本能)。 ①「生きたい」(生存の欲求)→家族(家庭)の形成。 ②「知りたい」(知的欲求)→教育(学校)の形成。 ③「仲間になりたい」(集団への欲求)→社会(会社)の形成。 ・人間の脳は、3つの欲求をバランス良く満たす方向で自然に動いている。それが最も調和が取れて心地良い状態であり、能力が最も発揮出来る。 (注)後天的には、脳が成長していく過程で「構築本能」が形成される。例えば、自分を守りたいと云う「自己保存」の本能等+が形成され、その1つに「統一・一貫性」を守る本能がある。但し、そのマイナス面として「間違う仕組み」が存在する。 ◆人間が作り出した複雑な社会システムは、脳が本能的に持っているたった3つの欲求に集約されている。 ①「生きたい」+②「知りたい」と云う欲求から「科学」が形成された。 ②「知りたい」+③「仲間になりたい」と云う欲求から「文化」が形成された。 ③「仲間になりたい」+①「生きたい」と云う欲求から「宗教」「ビジネス」が形成された。 ※出典:『ビジネス〈勝負脳〉 脳科学が教えるリーダーの法則』(著者:林 成之)2009/02/13。 |
勝負脳 | ◆「勝負脳」(造語)。 ・人間の脳本来の求めに応じて思考、行動出来る知能を意味する。 ◆「勝負脳」を構成する能力。 ①表現知能…言語能力、音感能力、運動能力、計算能力、理論的能力、空間認知能力(空間認知中枢の機能)。 ②思考知能…表現知能を考えて活かす能力。 ③性格知能…表現知能と思考知能の両者を繋げる、人間性、人となりの能力。 ・「勝負脳」は、上記の3つの知能を一本化させて、人間の持つ才能や能力を最高に発揮する脳(知能)を意味する。 ※出典:『ビジネス〈勝負脳〉 脳科学が教えるリーダーの法則』(著者:林 成之)2009/02/13。 |
脳にいい食べ物 | ◆脳にいい食べ物。 ・脳は大量のエネルギーを消費する。バランスの取れた食事は脳の活動を支える為に大変重要である。 ①「まごたちはやさしい」(「マゴハヤサシイ」の変形) ②「マゴハヤサシイ」…吉村 裕之(医学博士)が提唱した言葉。 ・「ま」…豆類。大豆や大豆製品である豆腐、納豆、油揚げ等が該当。豆は畑の肉と言われる良質のタンパク質。 ・「ご」…ごま。色々なものにスリゴマ等をかけて食べる。ゴマにはタンパク質や植物脂肪の他に抗酸化物質であるビタミンEやセサミノール等と云った特殊成分も含まれている。 ・「た」…卵。 ・「ち」…チーズ等の乳製品や牛乳。 ・「は(わ)」…わかめ等の海藻類。昆布、ひじき、のり、テングサ等がお勧め。海草類はミネラルも豊富で腸内細菌を整える効果も抜群。 ・「や」…野菜。野菜を食べる事で食物繊維、ベータカロチン、ビタミン、ミネラルの補充が出来る。 ・「さ」…魚や肉。小魚や青みの魚は特にお薦め。 ・「し」…しいたけ等のキノコ(茸)類。ビタミンDが豊富なのが特徴。 ・「い」…いも類。サツマイモ、サトイモ、ヤマイモ、ジネンジョ等がお薦め。 ※出典:『ビジネス〈勝負脳〉 脳科学が教えるリーダーの法則』(著者:林 成之)2009/02/13。 |
人間の性格 | ◆人間の性格。 ・ドーパミンの分泌が活発な人は、前向きで明るい性格である。 ・癒し系のセロトニンや活力を生み出すアドレナリン、更にこれらの神経伝達を強めるアセチールコリンと云った様々な神経ホルモンがどの様な割合で働くかによって、変わって来る。 ・人間が考える仕組みは、前向き思考の明るい性格によって最も強く機能する様になっている。明るい性格を鍛えると「ドーパミンA10神経群」も鍛えられ、才能が伸びていく。 ・更に、人間を伸ばす為に大切な事は「興味を持つ」「好きになる」「感動する」「自分で決める」「間をおいて繰り返し考える」と云う事である。 ※出典:『ビジネス〈勝負脳〉 脳科学が教えるリーダーの法則』(著者:林 成之)2009/02/13。 |
脳の疲労と対策 | ◆脳の疲労と対策(疲労回復や疲労予防)。 ・脳も体と同じ様に疲労する。疲労した脳の中には活性酸素が増えている。活性酸素は細胞を錆付かせるので、脳の働きが悪くなって、やる気や思考の減退を引き起こす。この活性酸素を除去する為に有効なのが、テアニン(緑茶に多く含まれている。その中でも棒茶(茶の茎の部分を使った茎茶の事)に多く含んでいる)と云う物質である。 ・外部から体内に摂取された殆どの物質は、脳に入る手前の所でシャットアウトされてしまうが、テアニンは脳内に入る事が可能である。 ※出典:『ビジネス〈勝負脳〉 脳科学が教えるリーダーの法則』(著者:林 成之)2009/02/13。 |
交感神経と副交感神経 | ◆「交感神経」と「副交感神経」の役割。 ・脳は緊張すると交感神経が高まる。 ・副交感神経が高まると、脳はリラックスする。 ・脳の緊張を解すには副交感神経を高めれば良い。 ・副交感神経を刺激するには、息を出来るだけ長く吐き出すのが簡単な方法で、この時に、お腹の筋肉を締める様にするとより効果がある。 ※出典:『ビジネス〈勝負脳〉 脳科学が教えるリーダーの法則』(著者:林 成之)2009/02/13。 |
管理と計測 | ◆「管理可能なものは、計測可能でなければならない」。 ◆"What is manageable shoud be mesureable." (2009/03/06) |
酒は百薬の長 | ◆「酒は百薬の長」と云われる所以。 ・酒を飲むと、笑い上戸と泣き上戸になる人がいる。 ・笑い上戸…「はっ、はっ」と笑う。→8×8=64。 ・泣き上戸…「しく、しく」と泣く。→4×9=36。 ・64+36=100、だから「百薬」、ホント? ※出典:落語家 三遊亭 楽春、立川 志らべ(2009/02/20)。 ※三遊亭 楽春の師匠は、三遊亭 円楽。 ※立川 志らべの師匠は、立川 志らく、立川談志。 |
ユーモア(Humor) | ◆「ユーモア」(Humor)は、「ヒューマン」(Human)から転じた言葉。 ・ユーモアは、人そのものから発せられるもの。 ※出典:落語家 三遊亭 楽春、立川 志らべ(2009/02/20)。 |
幸せと不幸せ | ◆「幸せ」(しあわせ)と「不幸せ」(ふしあわせ)の違い。 ◆幸せ(しあわせ)。 ・仕合わせ・しわ合わせ、掌(てのひら)のしわを合わせる。→感謝する。 ◆不幸せ(ふしあわせ)。 ・節(ふし)合わせ、手のこぶしを合わせる。→喧嘩する。 ※出典:落語家 三遊亭 楽春、立川 志らべ(2009/02/20)。 |
手締め | ◆手締め(一本締め、三本締め)。 ・最初に、「よぉー」「いぉー」と発声するが、元々は「祝おう」と云う言葉。 ※出典:落語家 三遊亭 楽春、立川 志らべ(2009/02/20)。 |
サケ(酒) | ◆「サケ」(酒)の語源。 ・サ…清らかと云う意味の接頭語。「斎庭(さにわ)」、清浄の意。 ・ケ…「香」と同源。「御食(みけ)」「御饌」、食べ物の意。 ・サケ…合せて「斎食(さけ)」となり、清らかな食べ物の意。 ◆「サ」の意味。 ・サナエ(早苗)、サオトメ(早乙女)、サヤマ(斎山)等、「サ」を接頭語とする類似例が幾つかあるが、その場合の「サ」は、清浄な事、無垢な事の意。 ◆「サクラ」(桜)は、山遊び、花見(宴)の花を指す。 ・「サ」と「クラ」の複合語。 ・「クラ」…大事なものを置いたり乗せたりする装置。そこは、カミ(神)が宿る特別な場所。 ◆「酒屋を殺すに刃物はいらぬ 柚子の1つもあればよい」。 ◆「酒に明徳の誉れあり しかも百薬の銘に献ず」。 ※出典:『酒の日本文化』(著者:神崎 宣武)2009/01/14。 |
恵方(えほう) | ◆「恵方」(えほう)とは、その年の年神の「歳徳神(としとくじん)」の位置する方角で、この方角は今年1年間、何事につけても「吉」となる方角と云われる。 ・2009年の恵方は「東北東」、丙(ひのえ)の方位。 ・恵方はその年の十干により4つの方位を巡行する。 甲己…甲の方位(東微北) 2004 2009 乙庚…庚の方位(西微南) 2005 2010 丙辛…丙の方位(南微東) 2006 2011 丁壬…壬の方位(北微西) 2007 2012 戊癸…丙の方位 2008 2013 ◆歳徳神(としとくじん)。 ・方位神の1つで、その年の福徳を司る吉神である。年徳、歳神、正月さま、等とも。 ◆恵方巻き。 ・節分(2月3日)の夜に、その年の恵方に恵方の方角を向いて、無言で巻き寿司を丸かぶりすれば幸せになると云われている。 |
細菌(Bacteria)とウイルス(Virus) | ◆「細菌」と「ウイルス」の違いは、構造と大きさ。 ◆細菌(Bacteria、バクテリア)。 ・生物であり、細胞を持っているので、細胞分裂を繰り返して増殖する。大きさは、1㎛~5㎛マイクロメートル(マイクロは100万分の1)で、顕微鏡で見る事が出来る。 ◆ウイルス(Virus)。 ・生物ではなく、たんぱく質の固まりである。その為自ら増殖する事は出来ず、人の細胞等他の生命体に寄生して増殖していく。大きさは、細菌よりずっと小さく、50㎚~100㎚ナノメートル(ナノは10億分の1)程度で、電子顕微鏡でやっと見える。 |
◆「細菌」と「ウイルス」の共通点は、表面が「たんぱく質」で出来ている事。 ◆細菌(Bacteria、バクテリア)。 ・細胞そのもので自己増殖も出来、光学顕微鏡や肉眼で見られる。表面の細胞膜がたんぱく質で出来ている。死滅とは、酸化物質が付着すると細胞膜が破壊される為、細胞は形を維持出来なくなって死ぬ事を云う。 ◆ウイルス(Virus)。 ・電子顕微鏡でしか見えない程小さい。自己増殖は出来ず、生物の細胞に入り込んで増殖や破壊を繰り返す。表面には突起状のたんぱく質があり、これがヒトの細胞に入り込むと感染する。無力化とは、酸化物質は突起物を破壊するので、ウイルスは細胞に入り込む事が出来なくなる事を云う。 |
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輿論(ヨロン)と世論(セロン) | ◆一般的に、「世論調査」によるデータが国民の声であるかの様に受けとめている。 ◆輿論(ヨロン)。 ・人々が考えて回答したものを集約した公的意見。 ◆世論(セロン)。 ・世間・世の中の雰囲気やムードの様なもの。 ※出典:『輿論(ヨロン)と世論(セロン)-日本的民意の系譜学-』(著者:佐藤 卓己)。 |
イノベーション(Innovation) | ◆「イノベーション」(Innovation)の語源。 ・ラテン語の"innovare"(新たにする)と云う言葉で、これは"in"(内部へ)と"novare"(変化させる)と云う言葉から成り立っている。 ※出典:『カリスマが消えた夏 成長戦略を導く七つイノベーション・シート』(著者:IBMビジネスコンサルティングサービス㈱)。 |
ソフトウェア | ◆ソフトウェアのコード数。 ・エアバスA380で使用されるソフトウェアのコードは、10億行以上。 ・一般的な自動車に含まれるソフトウェアのコードは、2010年までに1億行を超過予想。 ・Windows XPのソースコードは、4000万行。 ※出典:『カリスマが消えた夏 成長戦略を導く七つイノベーション・シート』(著者:IBMビジネスコンサルティングサービス㈱)。 |
地図と海図 | ◆「地図」と「海図」の違い。 ◆地図(Map、マップ)。 ・どちらかと云えば、最初に目的地があり、そこへどの様にして行くのかを検討する為に使用。 ◆海図(Chart、チャート)。 ・広い海の上で、自分達が今何処にいるのかを確認する為に使用。 ※出典:『カリスマが消えた夏 成長戦略を導く七つイノベーション・シート』(著者:IBMビジネスコンサルティングサービス㈱)。 |
改革と変革 | ◆「改革」と「変革」の違い。 ◆改革(Re-engineering、リエンジニアリング)。 ・過去から学んだ事を生かして段階的に良い方向に進む事。 ・従来とは非連続な抜本的なパフォーマンス向上を狙うもの。「やり方」を変える。 ◆変革(Transformation、トランスフォーメーション)。 ・過去と決別して、業態を変え新しい価値を生み出す事。 ・事業や業態そのものが実態として変わるもの。「やる事」を変える。 ・肝心なのは、「改革」と「変革」は次元が違う話だと正しく認識する事で、改革の否定ではない。作業の標準化や効率化と云った改革がきちんと出来ない企業に、変革を求めても無茶な話である。 ・変革を成功させる為には、社員の市場価値を高める仕組み、新たな試みの際に必要なスキルを誘致する仕組みが求められる。 ※出典:『カリスマが消えた夏 成長戦略を導く七つイノベーション・シート』(著者:IBMビジネスコンサルティングサービス㈱)。 |
原始仏教(小乗仏教) | ◆「原始仏教」(大乗でなく小乗仏教)は、釈迦の説いた仏教。 ◆四諦(したい):苦、集、滅、道。 ・釈迦が悟りに至る道筋を説明する為に、現実の様相とそれを解決する方法論を纏めた苦集滅道(くじゅうめつどう)の4つを云う。四聖諦(ししょうたい)とも。 ①苦諦…人が生きると云う事は、苦であると云う真理。 ②集諦…その苦の原因は、人間の執着にあると云う真理。 ③滅諦…この苦を滅した境地が悟りであると云う真理。 ④道諦…その悟りに到達する方法が仏道であると云う真理。 前二者は流転の因果を示し、後二者は悟りの因果を示す。 ◆十二因縁:無明(むみょう)、行(ぎょう)、識(しき)、名色(みょうしき)、六処(ろくしょ)、触(そく)、受(じゅ)、愛(あい)、取(しゅ)、有(う)、生(しょう)、老死(ろうし)。 ・苦しみの原因は無明より始まり、老死で終わるされる、それぞれが順序として相互に関連する12の因果の理法を云う。 ※出典:『新版 禅とは何か』(著者:鈴木 大拙)。 |
人間の意識 | ◆人間の意識には、「充実感」と「不満」が存在する。 ◆創始者意識(充実感)。 ・時代を創造した人達の様な「何が何でも生き抜いてやる」と云った前向きな気持ち。 ◆末流意識(不満)。 ・「頑張っても何も変わらなさ」的に、どこか虚無的になりがちな気持ち。 ※出典:『悩む力』(著者:姜 尚中、カン サンジュン)。 |
情報通と知性 | ◆本来的には、「物知り」「情報通」である事と、「知性」とは別物である。 ・"know"と"think"は違う。"information"と"intelligence"は同じではない。 ・人間の知性と云うのは、本来、学識、教養と云った要素に加えて、協調性や道徳観と云った要素を併せ持った総合的なものを指す。 ※出典:『悩む力』(著者:姜 尚中、カン サンジュン)。 ◆「悪魔は年寄だ。だから年寄にならないと悪魔の言葉はわかりませんよ」。 ※出典:『ファウスト』(ドイツの文人ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの代表作とされる長編の戯曲)に出て来る言葉。 ◆広義の人間の知性は、「真」「善」「美」の3つと関わっている。 ※出典:「全人格的な知性」のイメージ(18世紀のイマヌエル・カント)。 |
愚か | ◆訳も分からないまま時代に流されるのは嫌である、さりとて、それに逆らって旧時代に拘り続けるのはもっと「愚か」である。 ※出典:『夢十夜』「第七夜」の、船に乗って運ばれて行く男の話(著者:夏目 漱石)。 |
青春 | ◆「青春」とは、無垢なまでに物事の意味を問う事。 ・それが自分にとって役に立つものであろうとなかろうと、社会にとって益のあるものであろうとなかろうと、「知りたい」と云う、自分の内側から湧いて来る渇望の様なものに素直に従う事ではないかと思う。 ※出典:『悩む力』(著者:姜 尚中、カン サンジュン)。 |
人生 | ◆「人生」とは、自分がどうすべきなのか選択せざるを得ない瞬間の集積であり、それを乗り越えていく為には、何かを信じて答えをを見つけなければならない。 ・生身の人間ですから、どうしていいか分からなくて、たじろぐ事もあるでしょう。 ※出典:『悩む力』(著者:姜 尚中、カン サンジュン)。 |
働く事 | ◆夏目漱石は、「働く」事は人間性のうちのある部分しか使わないものだと認め乍らも、「人は働かねばならない」と考えていた。 ・「労働は神聖である」等と全然考えない現代の人も、やはり「働いてこそ一人前である」と云う。 ◆社会と云うのは、基本的には見知らぬ者同士が集まっている集合体であり、だから、そこで生きる為には、他者から何らの形で仲間として承認(アテンション、承認の眼差し)される必要がある。 ・働く事を「社会に出る」と云い、働いている人の事を「社会人」と云い、「一人前になる」とはそう云う意味である。 ・人間を「働く人間」として育成するものは何なのかと云う事を考えると、「教育」に行き当たる。 ※出典:『悩む力』(著者:姜 尚中、カン サンジュン)。 |
愛(パフォーマンス) | ◆「愛」は、相互のパフォーマンスの所産である。 ・愛と云うのは、ある個人とある個人の間に展開される「絶えざるパフォーマンスの所産」の謂(いい)なのであって、どちらかが何かの働き掛けをし、相手がそれに応え様とする限り、その時その時で愛は成立している。その意欲がある限り、愛は続いている。 ※出典:『悩む力』(著者:姜 尚中、カン サンジュン)。 |
幸福論:幸福と仕合わせ | ◆幸福論の「幸福」と「仕合わせ」の違い。 ・日本人と欧米人とでは、「幸福」について考えている内容や意味が少し異なる。 ◆欧米人の考え方。 ・元々キリスト教が背景にあり、「幸福」とは、「至福」「浄福」と云う意味で、神様が「嘉(よみ)する(善しと認める)状態」の事を云う。そう云う状態になりたいと願うのが、欧米人の「幸福」であり、「幸福論」である。 ◆日本人の考え方。 ・「幸福」と云う言葉は"Happiness"の翻訳語。日本では、「仕合わせ(幸せ)」と云う言葉があったが、それは「巡り合わせ」とか「天運」と云う意味である。従い、「あまり悪い目に遭わずにすむ様な、良い巡り合わせ」を願う気持ちを指す。また、「どうぞご無事で」と云う挨拶がある様に、「あまり悪い事がない様に」と願う気持ちを指す。 ※出典:『哲学は人生の役に立つのか』(著書:木田 元)。 |
技術と科学 | ◆人間が「技術」を産み出したのではなく、「技術」が人間を人間にした。そして、その「技術」が自己を貫徹する為に、その手先として「科学」を産み出した。決して「科学」が「技術」を産んだ訳ではない。 ・「技術」にはそれ独自の論理があり、それに従って自己展開していく。どこまでも自己を分化させ、自分の持つ全ての可能性を現実化しようとする。 ・「技術」の論理は、人間とは異質なもの、人間にとっては不気味なものだと考えて、畏敬の念を持ち乍ら、決して油断しない方が良い。 ※出典:『哲学は人生の役に立つのか』(著書:木田 元)。 |
プラトン(PLATO) | ◆「プラトン」(PLATO)と云うのは、「広い」と云う意味の形容詞。 ・「プラトン」は、少年時代にレスリングに出たと云われており、肩幅が広いので、体操の先生が付けた仇名だった。 ・本名は「アリストクレース」であるが、「ひろし」と云う仇名で歴史に残った事になる。 (注)プラトン…古代ギリシアの哲学者。ソクラテスの弟子でアリストテレスの師。 ※出典:『哲学は人生の役に立つのか』(著書:木田 元)。 |
愛(3種類) | ◆ギリシアには、「エロス」「アガペー」「フィリア」と云う、3種類の愛がある。 ①エロス…男女の愛でも、同性愛でも、相手を自分のものにしようとする様な愛。未だ自分のものなっていないものを何とか手に入れ様と、何処までも追い求めて行く愛。 ②アガペー…『新約聖書』で云われている様なキリスト教的な愛。自分の全てを与える愛。 ③フィリア…友情を含む様な、もっとぼんやりした意味の愛。エロスとアガペーの中間的な愛。 ※出典:『哲学は人生の役に立つのか』(著書:木田 元)。 |
本物の成長 | ◆本物の成長は、「真の技術革新」(Innovation)からしか産まれない。 ・18世紀末以降、人類は蒸気機関、鉄道、電気、自動車、飛行機、コンピュータ、携帯電話等、たゆまぬ「技術革新」によって、「産業革命」を起こし、生活を一変させて来た。しかし、ここの所「産業革命」(Industrial Revolution)を起こす様な「真の技術革新」が産まれていない。 ※出典:『強欲資本主義ウォール街の自爆』(著書:神谷 秀樹)。 |
規律 | ◆「規律」の意味。 ・その行為自体の善悪が問題なのではない。 ・ある特定の条件にある特定の人間が、ある行為をして善いか悪いかはすでに決っていて、好む好まないを問わずその人間をしてこの決定に服せしめる力が規律である。 ・そして全ての規律には、これを作る人間と守る人間があり、規律を守るべき人間がその是非を論ずる事は許されないのである。 ※出典:『自由と規律 -イギリスの学校生活-』(著者:池田 潔、2008年4月15日第96刷発行)。 |
“B to B”(Back to basic) | ◆“B to B”(Back to basic)の意味。 ・基本を疎かにせず、事を極めた人が、結局は大局をものにする。 |
パラフレーズ(Paraphrase) | ◆「パラフレーズ」(Paraphrase)とは、物事を記憶し出力する上で役立つトレーニングの事。 ・直訳すると、「言い換え」(主語と述語を入れ替える)。 ・元々は、論文の盗用を避ける為のレッスンだった。 ◆言葉そのものを分解していく「記号学」の作業。 ・「AからBが出来た」→「Bになる前はAだった」 ・「AはBをした」→「BはAによりなされた」 |
批判(3種類) | ◆「批判」は、3種類に集約。 ①「コントラリアン型」批判…コントラリアン(Contrarian)とは、人とは何時も反対の意見を云う人の事。投資の世界では「逆張り」と云う、市場のトレンドとは逆方向に相場を張る人の事を指す。 ②「永遠の心理型」批判…「長期的な視野に立て」「相手の立場になって考えろ」と云った「その通りです」と云わざるを得ない、「永遠の真理」ばかりを云うタイプ。 ③「ラベルを貼る型」批判…「決め付け」の激しいタイプ。誰かや何かに何らかのレッテルを貼って、相手を問答無用にしてしまうやり方。 ※出典:『竹中式マトリクス勉強法』(著者:竹中 平蔵)。 |
風が吹けば桶屋が儲かる(After wind's blowing, basinsmiths get money) | ◆「風が吹けば桶屋が儲かる」(After wind's blowing, basinsmiths get money)と云う言葉の由来。 ・江戸時代の浮世草子『世間学者気質(かたぎ)』巻三(無跡散人著、1768年(明和5年))が初出である。 ◆連想のあらまし。 ①大風が吹くと、埃が立つ。 ②土埃が目に入って、失明する人(盲人)が増える。 ③盲人は三味線を買う。三味線が売れる(当時、盲人は三味線弾きになる事が多かった) ④三味線の材料である猫の皮の需要が高まり、猫が殺される。 ⑤猫が減ると、鼠が増える。 ⑥鼠は、桶をか齧る。 ⑦桶の需要が増え、桶屋が儲かる。 |
ステージ理論(Stage theory) | ◆ノーランの「ステージ理論」(Stage theory)とは、リチャード・L・ノーラン博士(米ハーバード大学の元教授、米ノーラン・ノートン社の会長)が提唱する情報システムの発展段階説の事。 ・「企業が利用する情報システムは、様々な段階を経て発展していく」として発展段階を幾つかのステージに分け,各ステージの特徴を明らかにした上で、ある企業が現在どのステージにいるかの決定基準を示している。 ・企業は現在どのステージにあるか客観的に把握出来ると同時に、次のステージに発展する為には何をするべきか、事前に知る事が出来る。 ◆企業が情報技術を導入・活用していく際には、発展段階があると云う理論で、次の様なステージを通って発展していく。 ①創始期…データ処理を中心に、事務の効率化、コスト削減を目指す。 ②波及期…効率化に成功し、利用範囲が広がる。 ③統制期…範囲が広がり、ドキュメントの整備等統制が必要になってくる。 ④統合期…新しい情報技術の導入や、経営志向が強まる。 ⑤データ管理期…全社的な視点でのデータの利用等、再構築が始まる。 ⑥成熟期…データ資源を活用して、戦略的にシステムを利用する。 |
ストラテジー(Strategy) | ◆「ストラテジー」(Strategy、戦略)。 ・古代ギリシア時代、主に軍事面で使われ、「予期しなかった困難に遭遇してもそれを解決していく才能」と云う意味も含まれている。 ※出典:塩野 七生…作家、『ローマ人の物語』の著者。 |
キャリア・アンカー(Career anchor) | ◆「キャリア・アンカー」(Career anchor)とは、職種や役職に関係なく、自分がキャリアを選択する時に最も大切にする価値観の事。 ・ある人物が自らのキャリアを選択する際に最も大切な(どうしても犠牲にしたくない)価値観や欲求の事、また、周囲が変化しても自己の内面で不動なものの事。 ◆主なキャリア・アンカーとして、8項目を挙げている。 ①管理能力…組織の中で責任ある役割を担う事(を望む事)。 ②技術的・機能的能力…自分の専門性や技術が高まる事(を望む事)。 ③安全性…安定的に1つの組織に属する事(を望む事)。 ④創造性…クリエイティブに新しい事を生み出す事(を望む事)。 ⑤自律と独立…自分で独立する事(を望む事)。 ⑥奉仕・社会貢献 ⑦純粋な挑戦 ⑧ワーク・ライフ・バランス ※出典:エドガー・H・シャイン(米国の組織心理学者)によって提唱された概念。 |
北京五輪(オリンピック) 2010年上海世博会 (EXPO 2010 SHANGHAI CHINA) 2010/08/04(水) |
◆2008年の災難と北京五輪(オリンピック開催日:2008年8月8日開催日)との関係。 ・数十年来の大雪…1月25日→1+2+5=8。 ・チベット騒乱…3月14日→3+1+4=8。 ・四川大地震…5月12日→5+1+2=8、5月12日は、8月8日の88日前。 ・蛇足:発生月…1月+3月+5月+8月=17月→1+7=8。 ◆2008年の災難と「福娃」(北京五輪のマスコット)とのリンク。 ・赤…火をイメージ→中国国外での聖火リレーの妨害行為(4月)。 ・橙…チベットカモシカ→チベット騒乱(3月14日)。 ・黒…パンダ、パンダの産地は四川省→四川大地震(5月12日)。 ・緑…凧をイメージ、凧は列車脱線衝突事故(5月の連休前)か起きた地域の特産物。 ・青…水をイメージ→記録的な大雨大洪水(6月)。 ※「福娃」…FUWA、フーワー、北京五輪のマスコット、5人(5色)のキャラクター。 ※出典:『新しい中国人 ネットで団結する若者たち』(著者:山谷 剛史)。 |
◆「福娃」(北京五輪のマスコット)の色と名前。 ①青…福娃貝貝、Beibei(ベイベイ) ②黒…福娃晶晶、Jingjing(ジンジン) ③赤…福娃歓歓、Huanhuan(フアンフアン) ④橙…福娃迎迎、Huanhuan(インイン) ⑤緑…福娃女尼女尼 Nini(ニーニー) →5人の名前を合わせると、"Bei jing huan ying ni"(北京歓迎イ尓)=「北京へようこそ」となる。 |
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インプット・メソッド(Input method) | ◆日本語の「インプット・メソッド」(Input method)。 ・ローマ字入力、かな入力…発音を入力して文字を入力する方法。 ◆中国語の「インプット・メソッド」(Input method)。 ①ピンイン…発音から入力する方法。 ②筆劃(ひっかく)…キーボードに割り当てられた「はらい」や「はね」等のボタンを書き順で入力する方法。 ③五筆…キーボードに割り当てられた「木」「水」「門」「广」等の部首を入力する事で漢字を作成し入力する方法。 ・「ピンイン」と「筆劃」は、携帯電話の入力にも採用されている。 ※出典:『新しい中国人 ネットで団結する若者たち』(著者:山谷 剛史)。 |
新植民地主義(Neocolonialism) | ◆「新植民地主義」(Neocolonialism、ネオコロニアリズム)。 ・武力を用いずに、「資源持ち出し・市場化」が出来れば、合法的な植民地支配が可能になる。 ※出典:『アフリカ・レポート』(著者:松本 仁一)。 |
1日2ドルの生活者 | ◆世界銀行によれば、1日2ドル以下の収入で暮らす人は、世界に26億人存在する(7万円/年~8万円/年)。 |
お座敷の盆栽 | ◆「お座敷の“盆栽”」とは、座布団に根を張っていると云う意味。 ・遊びの愉しみをしない様子。 ※出典:『器に非(あら)ず』(著者:清水 一行)。 |
けんどん | ◆「けんどん」。 ・江戸の中期に蕎麦屋が現れる前は、蕎麦は「けんどん」と云う方法で売られていた。 ◆「けんどん蕎麦」。 ・盛り切り一杯の、掛け値なく、給仕もしないと云う安く、手軽に食べられる蕎麦の事。 ◆「けんどん屋」。 ・江戸中期までにおける麺類店の異称であるとされるが、「けんどん」と云う言葉は、元々漢字で「倹飩」もしくは「慳貪」と云う文字を当て、前者は上下と左右に溝があって、ふたや戸のはめはずしが可能な「けんどん箱」を意味し、後者では、無愛想な事やケチな事を意味した。 |
ガラパゴス(Galápagos)化 | ◆「ガラパゴス(Galápagos)化」とは、日本市場だけが世界市場から孤立し、独自の生態系を持った閉鎖的な島の様になりつつあると云う意味。 ・技術やサービス等が日本市場で独自の進化を遂げて、世界標準から掛け離れてしまうと云う現象が起こっている。この様な現象は、生物の世界で云うガラパゴス諸島における現象に例えられて「ガラパゴス化」と云われている。 ・対象は、パーソナルコンピュタ、携帯電話、デジタルテレビ放送、コンピュータゲーム、ICT産業、IT・ソフトウェア産業、金融システム、等々。 (注)ガラパゴス諸島…外界と隔離された中で独自の生態系とルールが形成され、それに適応すべく生物は他の場所では見られない様な形質を獲得していった。 (注)世界のエレクトロニクス産業の潮流…標準化、低価格化、デジタル化、コモディティ化、水平分業、グローバル化、BRICs市場の急拡大。 (注)新興国…BRICs、BRICS、BRIICS、VISTA、MEDUSA。 |
大暴落の教訓 | ◆大暴落の教訓。 ・「金融上の判断と政治上の配慮は逆方向に働く。長期的にみれば経済を救う措置であっても、現在の安寧(あんねい)と秩序を乱すものであれば、決して高く評価されはしない。例え、将来に禍根を残すとしても、今は何もしないでおこう、となる」(『大暴落1929』(著者:ジョン・K・ガルブレイス)の結びの文) ・過去に安住し、今の繁栄にしがみ付くと、将来必要な布石も怠りがちになる。既成概念に捉われ、みすみす活路を見逃す。日本も世界も、政治も企業経営も個人の生き方も「陥りがちな過去の成功体験のワナ」から抜け出す事が肝心である。過去を見定め、固定観念を拭い去る「心眼」が試される。 ※出典:佐藤 吉哉(日経ビジネスの編集長)。 |
問題解決 | ◆問題解決のパターン。 ①対応型、②解決型、③回避型、④追求型、⑤回答型。 ◆問題解決の技。 ①型、②道具、③思考様式、④試合運び。 ◆型に関しては、「空・雨・傘」の思考パターンが基本となる。 ・「空」…事実に基づく状況把握。 ・「雨」…その状況に対する自分なりの解釈。 ・「傘」…その解釈から導き出される行動。 →どんな場面でも「空・雨・傘」のセットで問題解決に望むべきである。 ※出典:『問題解決の全体観』(著者:中川 邦夫)。 |
内部統制 | ◆「内部統制」は、本場の米国でも内部統制は不祥事を減らすのに有効ではあるが、根絶する特効薬ではないと明確に認識されている。 ※出典:諸石 光煕(住友化学㈱の元専務、弁護士)。 |
人体の骨 | ◆人体は、206本の骨で支えられている。 ・その主成分はカルシウムで、体内の99%のカルシウムは骨と歯に集まっていて、子供の頃からの積極補給が成人になってからモノを云うらしい。 |
ドバイ(Dubai) | ◆「ドバイ(Dubai)は、一番キレイなインドの街」。 ・ヨーロッパのジョーク。ドバイにおける人口の大多数はインド人であり、その数は人口1600万人中100万人である。 ◆シェイク・ラーシッド(人物)。 ・近代ドバイの祖、現在のドバイ発展の立役者であり、「建国の父」とも。1990年に血液癌の為に、享年78歳で逝去。 ◆「国中が大きな免税店」。 ・ドバイの観光パンフレット等に掲載されている言葉。消費税もないので免税店を設置する必要もなく、いつどこで買っても免税価格と云う事。 (注)ドバイ(Dubai)…アラブ首長国連邦(UAE)を構成する首長国の1つ。また、ドバイ首長国の首都としてアラビア半島のペルシア湾の沿岸に位置する都市。 ※出典:『ドバイにはなぜお金持ちが集まるのか』(著者:福田 一郎)。 |
存在論(Ontology) | ◆「存在論」(Ontology、オントロジー)とは、マルティン・ハイデッガー(ドイツの哲学者)等が論じた哲学の一部門の事。 ・そこにあるもの(現実存在)と、そこにある事の意味(本質存在)の違いを突き詰めた。 |
米国生まれの格言 | ◆「ベルトの穴が1つ増えると寿命が縮まる」。 ・ベルトの穴が足りなくなる程太ってくると、命にまで危険が及ぶと云う戒め…米国では肥満は本人だけの問題ではなく、「自己管理が出来ない者は社会生活も失格」と云う烙印を押され、解雇や転職の条件になる事もある様である。 |
諸々 | ・武…「戈(ほこ)を止める」から出来た文字。 ・丼(どん・どんぶり)…「つっけんどん」から出来た言葉。料理を出したら終わり。 ・鳳凰…「鳳」は大鳥のオス、「凰」はそのメスの意。 ・宿痾(しゅくあ)…長く治らない病気。 |
10の生活習慣 | ◆脳も体も健康で長生き出来るかどうかは、10の生活習慣で決まる。 ①週に2回~3回以上、1回30分以上運動をする。 ②食生活のバランスに気を付け、食べ過ぎない。 ・動物実験では、食事制限をする事で寿命が延びる事が報告されている。 ・空腹の時に出る消化管ホルモンである「グレリン」が出ると、脳に作用して、脳の働きが良くなると云う報告もされている。 ③ストレスを上手く受け流す。 ・「長寿の秘訣」は、「物事に拘らない」、「マイペース・自由気まま」。 ④人とのコミュニケーションのある生活。 ⑤好奇心を持って、新たな事に挑戦する。 ⑥学習習慣を続ければ、記憶力は保たれる。 ⑦目標を持つ。 ⑧自分に報酬を与える。 ⑨本を読む習慣を維持する。 ⑩意識的に段取りをする。 ※出典:『いつまでも「老いない脳」をつくる10の生活習慣』(著者:石浦 章一)。 |
細胞プログラム説 | ◆レオナルド・ヘイフリック博士によって公表された「細胞プログラム説」とは、人間が老化すると云う事については、1つには、細胞の寿命から予め寿命が設定されていると云う考え方。 ・人間の細胞は、一生の間で分裂する回数は、ほぼ60回程度が限度である。つまり、細胞の寿命が個体である人間の寿命を決めていると云う訳で、そこから想定される人間の寿命は、せいぜい120歳程度と云う事になる。 ・つまり、老化すると云う事は、その個体を構成している細胞が老化している為ではないかと云う事が分かって来た。 ※出典:『いつまでも「老いない脳」をつくる10の生活習慣』(著者:石浦 章一)。 |
脳細胞 | ◆脳細胞は、40歳以後減っていく。 ・脳も体の一部で、体が老化すれば当然老化すると考えられる。 ・体の方は、20歳を過ぎれば、年を取るに連れて機能は衰えていく。その中で最も衰えにくいのが脳で、40歳以後老化が始まる。 ・脳細胞は40歳を過ぎると、10年で5%ずつ減っていく。 ・心臓の細胞や脳細胞は生まれた時から、ほぼ増える事はない。 ・脳細胞の数は約1000億個で、その数は、10年間で約50億個も減っていく。1日約136万個、1年で約5億個ずつ減っていく。 ・もし、脳細胞の数と脳力が比例していたとして、40歳で100%の力を発揮していたとしたら、50歳で95%、60歳で90%、70歳で85%、80歳で81%、90歳で77%の力しか発揮出来なくなる事になる。 ※出典:『いつまでも「老いない脳」をつくる10の生活習慣』(著者:石浦 章一)。 |
タバコの喫煙 | ◆タバコの喫煙は、ボケの進行を遅らせる薬? ・タバコを吸う人の方がボケにくいと云う説があるが、それは「アセチルコリン」(アルツハイマー病患者の脳では、これが減少している)に関係している為である。 ・タバコのニコチンがアセチルコリンの代役を果たして、アセチルコリン受容体に結び付く。タバコを吸うと頭がすっきりすると云われるのは、それによって一瞬集中力が高まるからである。 ・しかし、タバコを常習していると、本来出るべきアセチルコリンの分泌が悪くなり、当然頭の働きが悪くなっていくと云う事になる。 ・しかも、ニコチンはドーパミン神経にも働き掛けてドーパミン放出を誘発する事になるので、タバコを吸うと快楽を感じて、益々止められなくなる事になる。 ※出典:『いつまでも「老いない脳」をつくる10の生活習慣』(著者:石浦 章一)。 |
人間 | ◆人間は、「未完成の生物」と云われている。 |
政治(Government) | ◆「政治」(Government)の語源は、"Govern"は、ラテン語の"gubernare"、ギリシャ語の"kybernan"に由来する。意味は、「船の操縦」。 ・「船」が国を指すとすれば、操縦するのは、後に英語で「政治」と云う意味になった事を考えると、一般的には政治家が操縦すると考えるのが普通である。 |
0.8と云う数字 | ◆我々の体の生理は、「0.8」と云う数字と縁が深い。 ・心臓の鼓動は、約0.8秒に1回打っている(75回/分)。 ・日本料理の吸い物を、最も美味しいと感じる塩分濃度は、0.8%である。 |
ニュージーランド(New zealand:NZ) | ◆ニュージーランド(New zealand:NZ)は、マオリ語で「長く白い雲のたなびく国」と呼ばれている。 |
水道水と水ビジネス | ◆日本の水道水の値段。 ・1トン(1,000,000グラム)=200円、500ミリリットル=0.1円。 ・どこの蛇口をひねっても安全な水が安く、常時飲めるのは日本ぐらいである。 ◆水ビジネスの規模。 ・東レの推定によれば、2005年=60兆円、2025年(推定)=111兆円(自動車産業の3分の1)。 ・水ビジネスの投資家は、水を「ブルーゴールド」と呼んでいる。それ程、価値を増しつつある。 |
生業(なりわい) | ◆「生業」(なりわい)とは、「生活の為の仕事」と云う意味。 ・語源は、「五穀が実る様に務めるわざ(技、業)」。 ・一朝一夕に「五穀が実る様に務める」事は出来ない。地を耕し、種を蒔き、雑草を刈り、収穫の為にじっくり働く覚悟が必要である。より実り多くする為に日々努力して技術を高め、時には天候の様にコントロール出来ない問題とも付き合わなくてはいけない。 ・「生業」とは、簡単に止める事の出来ない、正に一生物の仕事の事である。 |
二つの能力:流動性知能と結晶性能力 | ◆二つの能力の「流動性知能」と「結晶性能力」の違い。 ◆流動性知能。 ・その場の状況に臨機応変に対応する能力。10代後半がピークで、その後は下がる一方。 ◆結晶性能力。 ・積み重ねた経験や知識を活用していく能力。70代になっても伸びる人がいる。 |
三つの年齢 | ◆人間は、三つの年齢を持っている。 ①戸籍年齢…実際の年齢。 ②機能年齢…身体機能等健康状態によって変わる年齢。生活習慣で変える事が出来る。 ・①と②は、山田 博氏(京都府立医科大学の名誉教授)が提唱した年齢に関する考え方。例えば、65歳の場合、機能年齢は人によって57歳~73歳までが出るそうである。 ③精神年齢…気持ちや考え方で変わる年齢。 ・「老い」を成熟、安定と捉え、そして「第二の青春」でもある。 ※出典:『生涯青春!』(著者:近藤 裕)。 |
工夫(くふう) | ◆「工夫」(くふう)と云う言葉は、「人夫工手間」(にんぷくでま)から来ている(『大言海』より)。 ・ここで云う「人夫」とは、職人の意で、創意工夫は職人の専売特許。 ※出典:『匠の国 日本』(著者:北 康利)。 |
人生の四季 | ◆古代中国では、人生を四つに区分し四季に例えて表現。 ・幼少期からを、「玄冬」(げんとう)、「青春」、「朱夏」(しゅか)、「白秋」の順で言い表した。 ・それぞれを象徴する動物は、「玄武」(げんぶ)(亀)、「青龍」(せいりゅう)、「朱雀」(すざく)、「白虎」(びゃっこ)。 ・「白秋」の「白」は、捉われない気持ちの表現。人生の後半は、冬枯れた時期ではない。それは実りの秋、人生の収穫を楽しみ真の自由を愛でる秋なのである。収穫期の後半生こそ、新たな事に挑戦する。 |
医療事情 | ◆「医師はみなヤブ医師である。なぜなら、いくら医師が努力しても必ず失敗して、人間はいずれ死ぬから」。 ・人間は必ず死ぬ。これは如何に医療が進歩した今でも、抽斎の時代と変わらない。生老病死が人生において不可避のものである事を、常に意識すべきである。死は欲望を空しくし、個人の諍(いさか)いに終止符を打つ。死に対する覚悟は、人を成熟させる。 …アルフォンス・デーケン氏(イエズス会司祭、哲学者、上智大学の名誉教授、『死生観・死の準備教育』を提唱)が講演の冒頭で、いつも使う言葉。 ◆低侵襲手術(ていしんしゅうしゅじゅつ、Minimum invasive surgery)。 ・身体への「侵襲」(注)が少ない手術の事で、腹腔鏡手術を推進する為のキャッチコピーとして使われている。これが「安全な医療」かと云うとそうではない。 (注)侵襲は、「病気」や「怪我」だけでなく、「手術」や「医療処置」の様な「生体を傷付ける事」全てを指す。何故なら、病態であれその治療であれ、侵襲に対する生体の反応は同じであり、それを知らずして(侵襲を以て)人を治療する事は出来ないからである。 ◆無謬(むびゅう、理論や判断にまちがいがない事)。 ・病院は、医療に過誤はあってはならず、はなから過誤等ないものとして対応する傾向があった。 ◆危険嫌忌的(Risk-averse)。 ・危険を出来るだけ遠ざけ(かり)たいと思う事。 ◆"To err is human. to forgive divine."=「過(あやま)つは人の常、許すは神の技」。 ・"To err is human"(米国、刊行:1999年)=『人は誰でも間違える』(日本、刊行:2000年)。 ◆民法第709条(不法行為による損害賠償)。 ・「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」 。 ◆刑法第38条1項(故意)。 ・「罪を犯す意思がない行為は、罰しない。但し、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない」…刑法は原則として過失を罪としない。「業務上過失致死傷」は、例外規定の1つであり、米国には同様の罪はないと云う。 ◆刑法211条1項(業務上過失致死傷等) 。 ・「業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする」。 ・証明の論理で見れば、「業務上過失致死傷」と民事上の「不法行為」には本質的な差はない。 ◆罪刑法定主義(ドイツ系の刑法の原則)。 ・罪は予め法律で定められていないといけない、決められた罪に対して、相応の罰も決められていないといけない、と云うもの。 ・「業務上過失致死傷」は、ここから遠く離れた規定で、実に広い範囲まで罪になる。 ◆アリストテレス(古代ギリシアの哲学者)の「正義」についての命題の後半部分。 ・「等しきは等しく、不等なるものは不等に扱われるべし」…日本人の最も不得意な部分である。 ◆「環境問題をどう考えるか」(『サングラハ』)、『痴呆の哲学-ぼけるのが怖い人のために』(著者:大井 玄…東京大学国際保健学の元教授)。 ・「論理は、ある個人、或いは集団の生存確率を最大化する戦略指針に由来する。生存の為の努力が世代を超えて薫習(くんじゅう)される事で、論理が形成されます。当然、地理的条件によって理論には違いが出て来ます」。 ・「アメリカにおける競争は、徹底した個人同士の競争です。村と村、或いは会社対会社の競争ではありません」。 ・「アメリカ社会を動かしている基本機序は、社会階層の上方へ移ろうと志向する者による厳しい競争」であり、個人の能力が全てである。 ◆『貧困と飢餓』(著者:アマルティア・セン…インドの経済学者)。 ・「飢餓は、人口に比べて食糧生産が足りないから起こるのではなく、食料を手に入れる為の「権原」の悪化から生じます」。 ・「権原」(けんげん)とは、「ある財の集まりを手に入れ、若しくは自由に用いる事の出来る能力・資格」を意味する。 ◆パブリッシュ・オア・ペリッシュ(Publish or Perish)。 ・研究者として働いている医師の世界には、常に論文を出版し続けていなければ、職を失うと云う意味の言葉がある。 ◆サボタージュ(Sabotage)。 ・元々、労働争議における破壊活動を意味したが、日本語では破壊活動と云う意味は消失し、労働争議での怠業と云う意味になった。 ・「サボる」…単に怠けるだけと云う意味でも使われている。 ◆『大衆の反逆』(著者:オルテガ・イ・ガセット…スペインの哲学者、刊行:1930年)。 ・当時ヨーロッパで、大衆が完全な社会的権力の座に登ったと指摘している。この大衆の心理的特徴は、自分の生の欲望を制限なく膨らませる事と、欲望を満たしてくれる制度や努力の蓄積に一切恩義を感じない事である。 ※出典:『医療の限界』(著者:小松 秀樹)。 |
アラブ・中東情報 | ◆石油の埋蔵量。 ・中東には、世界の石油と天然ガスの半分が眠っていて、その量は1兆2000億バレル。仮に1バレル当たりの価格を100ドル、1ドルを110円(1バレル=11,000円)とすれば、全体の価値は、約1京3000兆円(13,000,000,000,000,000円)。 (注)バレル(バーレル、barrel)は、ヤード・ポンド法における体積を表す単位である。語源は「樽」であり、樽の容積に由来するものである。国際的に、原油や各種の石油製品の計量はバレルで行われる。石油用のバレルは、42米液量ガロンであり、メートル法の単位に換算すると、正確に158.987 294 928リットル(約160リットル弱)となる。 ・サウジアラビアの地下には、世界全体の4分の1、量にして2500億バレルの石油が眠っている。石油が発見されてから70年しか経っていない。更に70年近く堀り続ける事が可能。 ・日本の年間石油消費量は、約20億バレル。 ◆アラブ人の名前。 ・通常、個人名(ファーストネーム)の次にミドル・ネームとして父親と祖父の名前を並べ、それぞれの名前の前に息子を意味する「ビン」(娘の場合は「ビント」)を付け、最後に一族の名前、ファミリー・ネームを付けるのが普通である。一族の名前の冒頭に付けられる「アル」は、英語の定冠詞「ザ」(The)と同じ「○○家」と云う意味がある。 ・サウジアラビアのサウド家のアルワリード王子の正式な名前は、『HRHアルワリード・ビン・タラール・ビン・アブドルアジズ・アル・サウド』…HRHは、ヒズ・ロイヤル・ハイネス(His Royal Highness)の頭文字を取った尊称であり、日本語の「殿下」に相当する。従って、彼は『サウド家のアブドルアジズの息子タラールの息子であるアルワリード殿下』と云う事になる。 ◆第二次オイル・ブーム(第二次オイル・ショック、1979年)後の1バレル当たり石油価格。 ・2000年初めまで:20ドル台、2004年:40ドル台、2006年:60ドル台、2008年:100ドル台。 ◆オイル・マネー(Oil money)、オイル・ダラー(Oil dollar、石油貿易が殆どドル決済されている事から、こう呼ばれる)。 ・通常、産油国の石油輸出額から輸入額を差し引いた資金、または国際収支上の経常黒字額を指す。但し、何れも和製英語であり、正式な英語名はペトロダラー(Petrodollars)。 …この言葉は、1973年の第一次オイル・ショックの時代、イブラヒム・オワイス(米ジョージタウン大学の教授)が最初に提唱したものであり、英語の「石油」(ペトロリウム、Petroleum)と「ドル」(Dollar)の合成語。 ◆石油や天然ガスは、なくならないのか? ・可採埋蔵量(R)…現在の技術で採掘する事が出来る資源の量 ・生産量(P)…その年の採掘量 ・可採年数(R/P)…現在の生産を、あと何年続ける事が出来るかと云う事を意味している。 ・地球全体の可採年数(R/P)…石油は41年、天然ガスは63年。 ・生産技術の面では、半世紀前には埋蔵量の2割程度しか回収出来なかったのが、現在では回収率が3割~4割に上がっている。従って、採掘出来る石油の量(可採埋蔵量)が2倍になる。結果として、可採年数(R/P)は、50年前も現在も変わらないと云う訳である。 ・中東産油国の可採年数(R/P)…サウジアラビアは67年、UAEは90年、クウェイトは100年以上。 ・天然ガスの可採年数(R/P)…サウジアラビアは96年、UAE及びカタルは100年以上。 ◆ムハンマド(Muhammad、ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ、マホメットとも。6世紀末マッカの名門ハシミテ家に生まれ、没年は632年)。 ・40歳になる頃、唯一神アッラーから度々啓示を受け、自らを「預言者」と称し、神の言葉を「コーラン」に書き残した。 ・ムハンマドは、その後布教活動を続け、マッカでの迫害を逃れて622年に信者と共にマディナに移るが、これは「ヒジュラ」(聖遷)と呼ばれ、この年がイスラム暦元年である ・ムハンマドは、アッラーの預言者としてコーランを残すと共に、日常の細々とした約束事について語っているが、彼の高弟がそれらの言葉を纏めたものが「ハディース」(言行録)であり、コーランとハディースがイスラム教徒の生活全般に対する規範となっている。 ・「預言者」とは、神から言葉を預かってそれを一般大衆に伝えると云う意味であり、未来を予知する「予言」とは異なる。 ◆三つの「み」。 ・カネのない庶民は、金持ちをとかく羨(うらや)ましがり、金持ちの財布の中身を知りたがる。そして中身を知ると、妬(ねた)み、嫉(そね)み、僻(ひが)みと云う三つの「み」となって、金持ちを容赦なく叩こうとする。 ※出典:『アラブの大富豪』(著者:前田 高行)。 |
BOP(Bottom of the pyramid) | ◆“BOP”(Bottom of the pyramid)とは、所得ピラミッドの底辺の層こそ最も高い成長余地を持つと云うマーケティング理論の事。 |
クルマ作り:トヨタとスバル | ◆トヨタとスバル(富士重工業)のクルマ作りの違い。 ◆トヨタのクルマ作り。 ・目標を完遂するクルマ作り。予め決めた日程やコストを厳格に守って新車開発を進める。発売時期や価格設定等、顧客の都合を優先する。 ◆スバル(富士重工業)のクルマ作り。 ・理想を追うクルマ作り。“究極の一品”を作る為に試行錯誤を続ける結果、工程の延期や予算の超過が頻繁に起きていた。 ※出典:富士重工業 常務・技術本部長 馬渕 晃のコメント(富士重工業は2008年4月、事実上のトヨタグループ入り)。 |
イスラム金融とシャリーア | ◆「イスラム金融」とは、イスラム法「シャリーア」を順守する金融全般を指す。 ・「合意は拘束する」と云うローマ法を淵源とする契約であっても、シャリーアに違反するものは無効になる。 ・イスラム金融の特徴 ①金銭の使用に対して利息(リバー)を課す事を禁止。 ②イスラム教徒にとって禁忌となる豚肉や武器等の特定の禁制品(ハラーム)の使用や取引の禁止。 ③契約中の不確実性(ガラール)の排除。 ④投機行為(マイシール)の禁止。 ・イスラム教徒は、何らかの行動を起こす場合に、その行為が、シャリーアが認める行為(ハラール)か、それとも認められないもの(ハラーム)かを、常に意識して行動している。 ◆「シャリーア」とは、イスラム教の戒律の事。 ・「人として従うべき道」と云う行動規範である事から、シャリーアはイスラム法と呼ばれる。 ・シャリーアの研究者シャリーア・スカラーはイスラム法学者と呼ばれる。 ・シャリーアの法源は、イスラム教の聖典コーラン、預言者ムハンマドの言動を記録したハディース、7世紀当時の共同体の慣行スンナである。 ・シャリーアの規範性は、世俗の法規の上位に位置する最高規範である。 |
カンブリア爆発 | ◆「カンブリア紀」に、生命の爆発的進化が起きた。 ・5億4000万年前から始まる「カンブリア紀」に、生命は突如として爆発的な進化を起こしたとされている。この時、短い時間の間に現在に繋がる生物種の祖先の殆どが一度に出現した。生命進化のビッグバン、または生命進化史上最大のミステリーと表現される事もある。 ・宇宙の年齢は、約140億年。 ・地球上には、「カンブリア紀」周辺の地層が1キロメートルにも及ぶ程の厚さで連続して観察出来る場所が幾つかある(中国やカナダ)。 ・生物は、「カンブリア紀」の前の時代に徐々に進化を積み重ねていった。また、その進化には環境の変化(主には寒冷化や他要因による大絶滅)が大きく関与していた。これには、古生代以降の標準的な大進化のパターンと同様の図式が当て嵌まるのではないかと思える証拠が出て来た。 (注)「カンブリア紀」(Cambrian)は地質時代、古生代前期における区分の1つで、「カンブリア」と云う名前は、この時代の岩石が出土し研究された最初の地であるウェールズの古名が由来である。 ※出典:『カンブリア爆発の謎(チェンジャンモンスターが残した進化の足跡)』(著者:宇佐見 義之)。 |
唾液 | ◆唾液の分泌量は、1.5リットル/日で、99.5%が水。 |
涙(Tear) | ◆「涙」(Tear)には大きく分けて、2つの種類がある。 (1)「刺激・反射性分泌の涙」 ①エモーショナルティア(Emotional tear)…泣いた時に出る涙、感情の動きで溢れ出て来るもの。 ②リフレクショナルティア(Reflectional tear)…目にゴミや煙等の異物が入った時に、それを洗い流す為に反射的に分泌されるもの。 (2)「基礎分泌の涙」 ・目の表面に常に微量に供給され蓄えられている涙で、目の表面を乾燥から守ったり、酸素や栄養素を運んだりするもの。 ◆涙の量。 ・普段、目を覆っている涙の量…凡そ7マイクロリットル位。 ・1日に分泌される涙の量…約1ミリリットル程度。 ・1年の量…365ミリリットル。 (注)1マイクロリットル(μl)=1/100万リットル、1ミリリットル(ml)=1/1000リットル、1センチリットル(cl)[ヨーロッパ]=1/100リットル、1デシリットル(dl)[日本]=1/10リットル。 (注)1リットル=10デシリットル(dl)=100センチリットル(cl)=1000ミリリット(ml)=100万マイクロリットル(μl)。 ※出典:『涙のチカラ(涙は7マイクロリットルの海)』(著者:坪田 一男)。 |
悪源太(あくげんた) | ◆「悪源太」(あくげんた)とは、平安時代の人名で、「強い源太」と云う意味。 ・そう云う意味での「悪」と云うものを、人間はスパイスとしてほんの少し持ち合わせていないと、つまらない。人生の陰影を身に付けていないと味気がない。 |
目利きと物識り | ◆「物識り」(知識がある事)と「目利き」とは、意味が違う。 ◆目利き…モノの何たるかが分からなくとも、いいモノを目にし手に取った時に五感にピンと響く。 ◆物識り…先ず知識が先に立つから、モノに接した時に五感が共鳴しない。 ・「目利き儲からず」と云う格言もある。 ・「捨て目をきかせる」…見るともなく、見ていると云う意味。自然体でいながら常に周囲に注意を払う。 ※出典:『ニセモノはなぜ、人を騙すのか?』(著者:中島 誠之助)。 |
学ぶと真似る | ◆日本語の「学ぶ」と「真似る」の語源は同じである。 ・「学ぶ」の語源は、「真似(まね)ぶ」、即ち「真似る」事。語学も「真似る」のが上達の秘訣。 ・「写経」は、お経(釈迦が説いた教えを書き留めたもの)を書き写す行為で、元々は経典を広める為に行われたが、後に功徳のある行為とされ、供養や祈願の為に行われる様になった。 ・供養になるのは経文を書き写す(真似る)事で、経文に書かれてある内容が自然と分かる(学ぶ)様になる。 |
ジニ係数(Gini coefficient、Gini's coefficient) | ◆「ジニ係数」(Gini coefficient、Gini's coefficient)とは、所得格差を表す指標。 ・主に社会における所得分配の不平等さを測る指標。 ・ローレンツ曲線を元に、1936年、イタリアの統計学者コッラド・ジニによって考案された。 ・所得分配の不平等さ以外にも富の偏在性やエネルギー消費における不平等さ等に応用される。 |
アイヒマン実験(Eichmann Test) | ◆アイヒマン実験(Eichmann Test)。 ・スタンリー・ミルグラム(Stanley Milgram、米イェール大学の心理学者)によって、1963年にアメリカの社会心理学会誌『Journal of Abnormal and Social Psychology』に投稿された、権威者の指示に従う人間の心理状況を実験したものである。 ◆ミルグラム実験(Milgram Test)。 ・閉鎖的な環境下における、権威者の指示に従う人間の心理状況を実験したものである。俗称として、「アイヒマン実験」(Eichmann Test)、「権威への服従」実験とも呼ばれ、また、この実験の結果示された現象を「ミルグラム効果」とも呼ぶ。 ・実験結果は、周到な設定の下、ごく普通の市民のうち何と6割に達する被験者が、過酷な拷問の執行者になった。 |
御御御付け(おみおつけ) | ◆「御御御付け」(おみおつけ)は、味噌汁の丁寧な云い方。 ・その昔、栄養があって美味しい吸い物と云う事から「御」の字を3つも付けて大事にした。 |
ニッポン(日本株)売り | ◆「ニッポン(日本株)売り」とは、日本株価の下落の事。 ・ジャパン・バッシング(Japan bashing)…日本叩き。 ↓ ・ジャパン・パッシング(Japan passing)…日本素通り。 ↓ ・ジャパン・ナッシング(Japan nothing)…日本無視、2007年7月9日(月)の日経平均株価=1万8,261円(高値)が2008年3月17日(月)の日経平均株価=1万1,787円(安値)となり、約30%も下落し、これを評した言葉。 |
報酬(3種類) | ◆報酬は、3種類ある。 ①金銭報酬。 ②地位報酬。 ③意味報酬…社員各々によって異なる精神的充足や周囲からの評判、自己成長の機会と云った「働く意味」を効果的に与える施策。「やる気」や「満足感」と云ったモチベーション(動機付け)を云う。 →「モチベーションエンジニアリング」(Morivation Engineering)に繋がる。 ◆社員にとっての「意味報酬」の魅力。 ①組織が達成したい目的、つまり企業理念への魅力。 ②個人が担う業務を通じて得られる達成感や新たな発見への魅力。 ③価値観を共有出来る仲間や尊敬出来る上司等人材への魅力。 ④その組織ならではのスタータスや名誉、生き方を支援する仕組みと云った「特別な権益」への魅力。 ※出典:『モチベーションエンジニアリング経営』(著者:小笹 芳央、勝呂 彰…リンクアンドモチベーションを起業)。 |
敬語 | ◆2007年、国の文化審議会が発表した「敬語の指針」。 ・従来の分類…尊敬語、謙譲語、丁寧語。 ・新たな分類…尊敬語、謙譲語Ⅰ、謙譲語Ⅱ(丁重語)、丁寧語、美化語。 |
ライスカレーとカレーライス | ◆日本人が「カレー」を初めて知ったのは、1872年(明治5年)である。 ・1872年(明治5年)に出版された仮名垣魯文の『西洋料理通』に、カレーの作り方が紹介された。 ・1877年(明治10年)、東京の凮月堂(ふうげつどう)では「ライスカレー」(ご飯の上にカレーをかけたもの)を洋食のメニューに取り入れた。 ・昭和に入って、東京の中村屋がライスとカレーを別の器に分けた高級カレー「純印度式カリーライス」を80銭で売り出した。これが「カレーライス」と呼ばれる様になった始まり。 ・阪急百貨店の食堂の「カレーライス」は、20銭で売り出され1日2万5000食も売れた。 ◆カレーが黄色いのは、ターメリックと云うスパイスが使われているから。 ・これはウコン(ショウガ科単子葉植物)を乾燥させて粉末にしたもので、クルクミンと云う黄色の色素が沢山含まれている。このクルクミンはガン予防の働きを持つ。 ・カレーを良く食べるインドでは、黄色は人々を害悪から守る「聖なる色」とされている。 |
紅葉(もみじ)おろし | ◆「紅葉(もみじ)おろし」は、2種類ある。 ①すりおろした人参を混ぜた大根おろし。 ②大根と赤唐辛子を一緒におろしたもの。 |
地球の位置と生物種数 | ◆地球の位置。 ・銀河系…直径約10万光年で、その中には2000億個の惑星が含まれている。 ・太陽系…銀河系の中心から2.8万光年の辺境に位置するごくありふれた星にすぎない。 ・地球…今から46億年前、太陽系に原始地球が誕生し、その約10億年後に初めて“いのちの芽”が原始地球に現れた。それから更に約30億年後、様々な生き物が創出された。 ◆生物種数。 ・現在、きちんとした学名を与えられている全生物種数は150万、そのうち脊椎動物の種数は4万5000種、節足動物の代表格である昆虫の種数は95万種。 ・「巨大脳」…ヒトの脳の様に1000億個ものニューロンで構成されている大きな脳の事。 ・「微小脳」…昆虫の脳の様に100万個にも達しない少数のニューロンで構成されている小さな脳の事。その差は10万倍。 ・人間は成人すると脳細胞が10万個/日ずつ死滅すると云うが、全ての脳が死滅るには百万日(2740年)も掛かる。人間が生きている間に脳がなくなる事はあり得ない。 ※出典:『宇宙は地球でありふれている』(著者:不明)。 |
ウルトラマンと東京タワー | ◆ウルトラマンと東京タワーの大きさ。 ・ウルトラマン…身長:40m、体重:3万5000トン、875トン/m。 ・東京タワー…高さ:333m、重さ:約4000トン、12トン/m。 →その差は何と73倍、あり得ない。 |
秋波(しゅうは) |
◆「秋波」(しゅうは)とは、「色目(いろめ)、流し目」の意の漢語的表現。ウインク。
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日本的美意識 | ◆日本文化(江戸文化)にある「日本的美意識」。 ・ワビ(侘)…(茶道・俳句が理想の境地として求める)質素で落ち着いた趣き。 ・サビ(寂)…古びたものに感じられる、落ち着いた趣き。芭蕉俳諧の根本精神とされる。 ・イキ(粋)…(着ている物の格好や仕草が)気がきいて見える様子。副次的には、遊びなれている事や花柳界の事情に通じている事をも表わす。同義語は「すい」(粋)。 ・スイ(粋)…世間の裏面や人情の機微に通じていて、物分かりの良い様子。花柳界で遊んだ経験が豊富で、その方面の事情に明るい様子。対義語は「やぼ」(野暮)〕 ・モエ(萌え)…ジャパンクール(格好良い、かっこいい)の先導役となったマンガやアニメに特徴的な感覚。 (注)[同義語(類義語)=Synonym=シノニム]⇔[反対語(対義語)=Antonym=アントニム] |
労働:牢働と朗働 | ◆労働には、「牢働」と「朗働」と云う考え方がある。 ◆牢働。 ・自らの意思と無関係に隷属的に働かされる。 ◆朗働。 ・自発的な意思で朗らかに働く。 ※出典:『自分のために働け』(著者:高橋 祐二…ホンダ㈱ 人事・労務・教育部門の元社員)。 |
漬物 | ◆「漬物」は、発酵食品で、奈良時代に発達した「草醤」(くさびしお)から生まれている。 ・「草醤」は、瓜(うり)、茄子(なす)、青菜、大根、桃、杏(あんず)等の野菜や果実を塩と酒粕、または麹を加えて漬け込み、発酵させたもの。ヨーグルトと云えば、乳酸菌等の善玉菌が有名だが、発酵食品の1つである「漬物」も乳酸菌が豊富で、日本人にとってはヨーグルトの様なものである。 ・「漬物」等の発酵食品に含まれる善玉菌が腸内細菌叢(そう)を整え、日本人の腸と健康を守っている。人体最大の免疫器官は腸で、免疫の大きな役割を担っているリンパ球の6割は腸にある。その腸の働きを左右しているのが腸内細菌である。 ・昔は、「漬物」を食べるだけでなく、糠(ぬか)をお湯に溶いて飲んでいた。これは現代の乳酸菌飲料の様なものである。 |
陶磁器:陶器と磁器 | ◆陶磁器。 ・土を練り固め焼いて作ったものの総称。セラミックの一種で、土地によるが瀬戸物(せともの)や唐津物(からつもの)等とも呼ばれる。焼き方や用途や生産地等から数多く分類される。分類:土器(どき)、炻器(せっき)、陶器(とうき)、磁器(じき)。 ◆陶器。 ・粘土類を焼いて作られる器のうち、素地(きじ)に吸水性があり釉(うわぐすり)を施した光沢のある物を指す。陶磁器の一般を指す場合がある。 ◆磁器。 ・白色でガラス質の堅い焼き物。高温で焼成されて吸水性がなく、叩いた時に金属音を発する陶磁器を一般に指す。しかし西洋等では陶器と区別されない事が多く、両者の間には必ずしも厳密な境界が存在するわけではない。素地が白くて透光性があり、機械的強さが高いと云う特徴がある。有田焼・九谷(くたに)焼等が上等とされる。 |
ウィキ(Wiki) | ◆「ウィキ」(Wiki)とは、ハワイの現地語で、「素早い」を意味する言葉が語源。 ・「ウィキ」は、ウェブユーザーが簡単に、そしてあっという間にサイトの内容を編集出来る技術。 ◆「ウィキ」(Wiki)の補足説明。 ・ニューペディア(Nupedia、ヌーペディア)…2000年に、ジミー・ウェールズが立ち上げた無料のオンライン百科事典。発足当時の編集長は、ラリー・サンガー。 ・ウィキペディア(Wikipedia)…ラリー・サンガーがウィキの存在を知り、ジミー・ウェールズに対して、ウィキ技術をニューペディアに応用する事を提案し出来上がった。 ・ジミー・ウェールズ…ウィキペディアの創始者、元オプション取引のトレーダー、後にインターネットの企業家、慈善事業家としても成功。 ※出典:『ヒトデはクモよりなぜ強い』(The Starfish and The Spider)(著者:オリ・ブラフマン、ロッド・A・ベックストローム、訳者:糸井 恵)。 |
カリスマ(Charisma) | ◆「カリスマ」(Charisma)とは、元々ギリシャ語で「神からの特別な恩寵(おんちょう、神や君主の恵み)」と云う意味であったが、それ位特別な能力を持っている人の事を云う。 ・人の心を一瞬にして奪い、その人間的魅力で後々まで絶大な影響力を持つ様な人を、一般に「カリスマ」と呼んでいる。 ※出典:『求心力 人を動かす10の鉄則』(著者:ジョン・C・マクスウェル、ジム・ドーナン)。 |
聞く事 | ◆通常、人間は1分間に180語を話す事が出来るが、聞くとなると、1分間に300語~500語は聞き取る事が出来る。 ◆ある研究者によると、人は平均的な一日の大半を「聞く事」に費やしている。 ・9%は書く事に、16%は読む事に、30%は話す事に、45%は聞く事に費やされる。 『求心力 人を動かす10の鉄則』(著者:ジョン・C・マクスウェル、ジム・ドーナン)。 |
神無月(かんなづき)と神有月(かみありづき) | ◆日本全国の神社の数は、8万~10万と云われている。中でも、伊勢神宮と出雲大社は、別格とされている。 ◆「神無月」(かんなづき)。 ・毎年10月になると、全国の神々が出雲大社に集まる為、各地に神がいなくなる。 ◆「神有月」(かみありづき)。 ・逆に、出雲地方には沢山の神々が集まる為。 ※出典:『日本人のしきたり』(著者:飯倉 晴武)。 |
ケ(褻)とハレ(晴れ) | ◆「ケ」(褻)と「ハレ」(晴れ)の違い。 ◆ケ(褻)。 ・普段通りの日常生活を送る日。 ・「ケ」の生活が順調に行かなくなる事を「気枯れ」(ケガレ)になるとし、特に死や病気等はケガレと考えて来た。神話期からケガレを忌み嫌い、神に近づくのに相応しい体になる為に禊(みそ)ぎをし、身のケガレを取り除いて清め、お祓(はら)いをしたりした。 ◆ハレ(晴れ)。 ・神社の祭礼やお寺の法会(ほうえ)、正月や節句、お盆等の年中行事、冠婚葬祭を行う日。 ・ハレの日に着ると云う意味で「晴れ着」、その他に「晴れ姿」「晴れ舞台」等の言葉もある。 ※出典:『日本人のしきたり』(著者:飯倉 晴武)。 |
初日の出と御来光 | ◆「初日の出」と「御来光」の違い。 ◆初日の出。 ・その年の最初(元日)に登って来る太陽(日の出)の事。 ・かつて、初日の出と共に「年神様」(としがみさま)[正月様、歳徳神(としとくじん)]が現れると信じられていた事から、拝み、一年の幸運を祈る風習がある。 ◆御来光(ごらいこう)。 ・初日の出を拝む場所として、高い山頂で迎える太陽(日の出)の事。 ・山頂近くの雲に映った自分の影が、まるで光の輪を背にした仏の像の様に見えた為で、仏の「御来迎」(ごらいごう)との語呂合わせで、呼ばれる様になったと云われている。 ※出典:『日本人のしきたり』(著者:飯倉 晴武)。 |
門松(かどまつ) | ◆正月になると、玄関や門前に「門松」(かどまつ)を左右一対で並べるが、玄関に向かって左側の門松を「雄松」(おまつ)、右側を「雌松」(めまつ)と呼ぶ。 ・松が使われるのは、松は古くから「神」が宿る木と考えられていた為。 ※出典:『日本人のしきたり』(著者:飯倉 晴武)。 |
招き猫 | ◆猫(招き猫)が商売繁盛に結び付くのには、諸説(伝説のルーツ)がある。 ・中国の唐から猫が渡来した際に、「猫 面を洗って耳を過ぎれば 即ち客到(いた)る」との言葉も一緒に伝来したと云われている。 ・一般的に、右手を上げている猫は「金運」を、左手を上げている猫は「お客」を呼び込むと云われている。 ※出典:『日本人のしきたり』(著者:飯倉 晴武)。 |
手締め | ◆手締めは、元々は争い事で揉めた同士が和解する際に、お互いに物騒な刃物等を持っていない事を示す為に、指を開いてから拍手した事に始まると云う説がある。 ・大相撲で、土俵に上がった力士が拍手(かしわで、柏手)してから両手を左右に広げるのも、同じ様な意味がある。 ・手締めの打ち方には、三本締めと一本締めがあるが、一本締めは三本締めを省略した形式的な手締めである。 ※出典:『日本人のしきたり』(著者:飯倉 晴武)。 |
鬼門(きもん) | ◆「鬼門」(きもん)とは、「苦手、敬遠する」と云う意味。 ・元々、中国から伝来したもので、北東の度朔(どさく)と云う山に大きな桃の木があって、そこに万鬼(全ての死者の亡霊)が集まる事から「鬼門」と呼ぶ様になった。日本の鬼門の様な方角禁忌は含んでいなかった。 ・日本に伝来すると、平安時代中頃から陰陽道(おんみようどう)によって、鬼門は、鬼が行き来すると云われる「北東の隅」を指して、方角禁忌の考えが加わった。家等を建てる際にも、この方角に、玄関、便所、風呂場等を造る事を忌み嫌う。 ・表鬼門…鬼門に当たる北東の方角。 ・裏鬼門…反対の南西の方角。 (注)陰陽道(おんみようどう)…方位の吉凶を占ったり、邪気を祓ったりする、陰陽(いんよう)五行説による占卜(せんぼく、「占い」の意の漢語的表現)の体系的な(説明)方法)。 ※出典:『日本人のしきたり』(著者:飯倉 晴武)。 |
おせち料理 | ◆お正月の「おせち料理」は、宮中の「お節供」(せちく)が語源と云われている。 ・五節句に、神様に捧げた神饌(しんせん)の総称。この行事が江戸時代後期に庶民へと広まり、やがて、正月の神饌だけが「おせち料理」と呼ばれる様になった。 ◆「おせち料理」は、「めでたい事を重ねる」と云う願いから、重箱に詰めるのが習わしである。正式には4段重ねが基本で、上から一の重、二の重、三の重、四(与)の重と呼ぶ。 ・一の重…口取り(かまぼこ(蒲鉾)、きんとん(金団)、伊達巻、等) ・二の重…焼物(ブリ(鰤)の照り焼き、イカ(烏賊)の松風焼き、等) ・三の重…煮物(レンコン(蓮根)、サトイモ(里芋)、高野豆腐、等) ・四(与)の重…酢の物(紅白なます(膾)、酢レンコン(蓮根)、等)。 ※出典:『日本人のしきたり』(著者:飯倉 晴武)。 |
にぎり寿司(鮨) | ◆にぎり寿司(鮨)を一貫、二貫と数える理由。 ・諸説(巻き寿司の単位の「一貫」がにぎり寿司にも使われる様になったと云う説、昔の寿司の値段が一個一貫だつたと云う説)があるが、江戸時代の金銭単位の「貫」に由来していると云う説が有力。 ・江戸時代中頃まで、寿司と云えば大阪風の「押し寿司」が一般的。その「押し寿司」は、「銭さし一貫」(穴あき銭を銭さしに通して纏めた百文で、その重さは約130g)とほぼ同じ重さだったので、「一貫寿司」と呼ばれていた。これを両国の「与平衛ずし」が小分けして出したのが現在の寿司の原型。 ・現在の寿司1つの重さは、ほぼ20g。また、当時は寿司二つで一貫としていたが、現在は寿司1つを一貫と数える。 ※出典:『日本人 数のしきたり』(著者:飯倉 晴武)。 |
五穀豊饒(豊穣) | ◆五穀とは、五種の主要の穀物の事。 ・古代中国では、 『周礼』…麻・黍(きび)・稷(きび、高粱こうりゃん)・麦・豆。 『孟子』…稲・黍(きび)・稷(きび、高粱こうりゃん)・麦・菽(まめ、豆)。 『楚辞』…稲・稷(きび、高粱こうりゃん)・麦・豆・麻。 『黄帝内経素問』…粳米(うるちまい)・小豆(あずき)・麦・大豆・黄黍(もちきび) ・日本では、 『古事記』…稲・麦・粟・大豆・小豆。 『日本書紀』…稲・麦・粟・稗(ひえ)・豆。 ・現代では、米・麦・粟・豆・黍(もしくは、稷)を指す事が多い(五穀米)。 ※出典:『日本人 数のしきたり』(著者:飯倉 晴武)。 |
床の間の天井 | ◆「床の間の天井」とは、「ある事は知っていても見た事がない」と云う意味。 |
人々の分類:ヲ族とニ族 |
◆世界の人々の分類は、大きく「ヲ」族と「ニ」族に分けられる。 ◆「ヲ」族。 ・相手“を”自分に合わせる。欧米諸国や中国等の殆どの国の人々。 ・自分達の基準、文化を相手に押し付ける。相手に対して優位に立ち、自分達のフレームに相手を組み込む。自分達のフレームが重要で、アイデンティティとも云える。 ◆「ニ」族。 ・相手“に”自分を合わせる。日本人。 ・自分を相手のフレームに合わせる事を常としている。自らのフレームを持たないし、フレームに固執しない。どんな民族、集団ともぶつかる事もない。「ニ」族にもフレームの様なものはあるが、非常にフレキシブルで相手のフレームに直ぐ合わせる事が出来る。 ※出典:『「技術者力」を鍛える』(著者:水島 温夫)。 |
レバレッジ・シンキング(Leverage thinking) | ◆「レバレッジ」(Leverage)とは、梃子の力、(目的達成の為の)効力, 影響力の事。 ◆「レバレッジ・シンキング」(Leverage thinking)の基本となる考え方 ・[労力・時間1]に対し[1の成果]を上げるのではなく、[労力・時間1]に対し[無限大の成果]を上げる事にある。 …その為には、「労力」「時間」「知識」「人脈」と云う4つの分野に自己投資し、パーソナルキャピタル(Personal Capital、自己資産)を構築し、それにレバレッジを掛け、"Doing more with less"(少ない労力と時間で大きな成果を獲得する事。DMWL)を実現する。 DMWL=(パーソナルキャピタル=労力+時間+知識+人脈)×レバレッジ。 また、マインドも大切な要素で、「成果=パーソナルキャピタル×マインド」と表す事が出来る。 ※出典:『レバレッジ・シンキング』(著者:本田 直之)。 |
2008年型組織論:ヒトデ型組織とクモ型組織 | ◆2008年型組織論には、「ヒトデ型組織」と「クモ型組織」が存在。 ◆ヒトデ型組織。 ・強力なリーダーがいない代わりに現場に意思決定を任せる組織。 ・21世紀の勝者は、身体のどの部分を切り落としても再生出来るヒトデ型組織。 ・大部分の日本企業は、米国や欧州の同業者よりもヒトデ的。例えば、トヨタは「組織内協力」のパイオニア。…理由は、日本文化では「出る杭は打たれる」と云う様に、飛び抜けた優秀さより助け合いや平等の考え方が強調されている点と、エドワード・デミング博士によるTQM(総合品質管理)運動の影響と云える。 ◆クモ型組織。 ・中央集権的組織。 ・日本の伝統文化には、天皇を頂点としたヒエラルキーがある(クモ型)。一方、非常にチームワークの強い文化を併せ持っている(ヒトデ型)。 ◆ヒトデ型組織⇔クモ型組織。 ナップスター⇔MGM、ソニー等 スカイプ ⇔AT&T等 アパッチ ⇔マイクロソフト アパッチ族 ⇔スペイン軍 アルカイダ ⇔アメリカ ※出典:ベックストローム氏らが2004年5月、米スタンフォード大学ビジネススクールで「分権的革命」と云うタイトルでアイデアを発表。『ヒトデはクモよりなぜ強い』(著者:ロッド・A・ベックストローム(Rod A. Beckstrom)…企業家)。 |
ブレイクアウト・ストラテジー(Breakout strategy) | ◆企業がトップカンパニーを目指して実行する戦略的な原則と習慣を「ブレイクアウト・ストラテジー」(Breakout strategy)と呼ぶ。 ・企業が成功を収めるには、優秀な戦略と、ライバルと一線を画そうと云う決意が不可欠。 ◆ブレイクアウト・ストラテジーには、市場におけるポジションや事業領域の幅等に応じて4種類ある。 ①強襲型…無名企業がトップに躍進する。 (例)シスコシステムズ、ダイソン ②巻き返し型…低迷していた企業が再躍進する。 (例)ハーレーダビッドソン、バーバリー ③拡張型…地方から地理的に市場を拡大する。 (例)スターバックス、トヨタ自動車 ④変身型…徹底した変革により躍進する。 (例)IBM、アップル ◆ブレイクアウト・ストラテジーの実行段階(戦略は異なるが、ブレイクアウト・ストラテジーに必要な方法は共通する)。 ①競争優位性のある企業ビジョンの追求。 ②自社の価値提供の明確な定義。 ③ビジョンや価値提供と密接に関連したビジネスモデルの構築。 ④確実な投資計画の構築と実行。 ⑤全ステークホルダーを巻き込んだ戦略実行。 ※出典:『ブレイクアウト・ストラテジー』(著者:シドニー・フィンケルシュタイン、チャールズ・ハーベイ、トマス・ロートン、監訳者:橋口 寛、訳者:矢沢 聖子)。 |
駄菓子の「駄」 | ◆江戸時代に高級な「上菓子」と区別する為に、名付けられたと云う説が有力。 ・駄菓子は、安価に買える事から、「一文菓子」「一銭菓子」等とも呼ばれて来た。 ・「付け足し」や「蛇足」と云う意味で「駄菓子」となったのでは(「駄菓子屋の夢博物館」(大分県豊後高田市)の小宮裕宣館長)、との事。 |
リンゴ(林檎) | ◆欧州には、「リンゴが赤くなると、医者が青くなる」と云う諺がある程、健康に良い果物。 ・リンゴの品種は、世界で2,000種超。日本には、奈良時代に中国から伝来したとされているが、本格的な栽培が始まったのは明治以降である。 ・ペクチン(栄養素、水溶性の植物繊維、皮に多く含む)…血液中のコレステロール値を下げる作用があり、動脈硬化の予防に有効。ビフィズス菌等の善玉菌を増やし、老廃物や発ガン物質の排泄を促す。腸内の水分を吸収してゼリー状になる為、下痢や便秘の解消にも良い。 ・アントシアニン(皮の赤い色は、ポリフェノールのアントシアニン)…有害な活性酸素を除去する抗酸化力に優れており、免疫力を高める。抗ガン作用も期待出来る。皮ごと食べるのが良い。 ・リノール酸(皮のツヤ)…害なし。 ・ブドウ糖(主成分の糖質)…疲労回復を促し、集中力も高める。 ・カリウム…体内の余分な塩分を排出し、高血圧を予防する。食べ合わせには、糖質の働きを助けるビタミンB1に富んだカシューナッツや落花生等が良い。 |
慧眼と慧敏 | ◆「慧眼」(けいがん)。 ・物事の本質を見抜く、鋭い洞察力。 ◆「慧敏」(けいびん)。 ・状況を良く見極めて、不意の出来事に対し、適切に対応する事(応変力)。 (注)同義語:俊敏、機敏。 |
スパム(Spam) | ◆大量、反復的に送信される広告メールを、「スパムメール」(Spam Mail)と云う。 ・アメリカの食肉加工メーカーの商品名で、この商品名をイギリスのTVコメディ番組の主人公が何度も連呼した事に由来している。 |
高砂人形 | ◆「高砂人形」は、結納の儀において、夫婦和合の象徴として贈られるもの。 ・高砂人形の「老夫婦」は夫側が熊手を、妻側が箒を手を持っている。 …何故、熊手と箒かと云うと、「お前百まで(掃くまで)、わしゃ九十九まで(熊手)」から来ている。妻には自分より長生きして欲しいと云う思いから出たもの。 ※出典:『「いい人生で終わる」ために大切なこと』(著者:斎藤 茂太)。 |
健康な心 | ◆健康な心。 ①くよくよしない事。 ②他人をうらやまない事。 ③自分を卑下しない事。 ④小さな事にこだわらない事。 ⑤足るを知る事(知足)。 ※出典:『「いい人生で終わる」ために大切なこと』(著者:斎藤 茂太)。 |
ありがとう | ◆「ありがとう」は、漢字で「有難う」と書く。 ・古語では「有難し」と云って、「めったにない」事を意味する言葉だった。 ※出典:『「いい人生で終わる」ために大切なこと』(著者:斎藤 茂太)。 |
死の瞬間 | ◆死にゆく人の心理(癌患者の心理状態)として、5段階のプロセスがある。 ①否認…私が病気である筈がない、と自分の病気を受け入れない。 ②怒り…何故私だけがそんな目に合わなければならないのか、と考える。 ③取引…今度はもっと立派に生きるから、もう少し長く生きていたい。 ④抑うつ…自分が死んだ後に残された家族の事を不憫に思ったり、経済的負担等種々の不安が重なって鬱(うつ)状態に陥っていく。 ⑤受容…自分がこうして死ぬのも運命かもしれない。 ・常に底に流れているのは、「自分は絶対に死なない」と云う願望である。 ※出典:『死の瞬間』(著者:エリザベス・キューブラー・ロス博士)。 |
生命とDNA | ◆「生命」とは、「自己複製」を行うシステムである。 ・DNAが、二重ラセン構造(互いに逆方向に結び付いた二本のリボン)からなっていると云うモデル。…1953年4月25日、ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリック(英ケンブリッジ大学)によって、科学専門誌『ネイチャー』(NATURE)に論文が掲載された。 ・自己複製システムは、新たな生命が誕生する時、或いは細胞が分裂する時、情報が伝達される仕組みの根幹をなしている。 ・ラセン状に絡み合った二本のDNA鎖は互いに他を相補的に複製しあう事によって、自らのコピーを生み出す。こうして極めて安定した形で情報がDNA分子の内部に保存される。これが生命の永続性を担保している。 ・脳細胞は発生時に形成されると一生の間、僅かな例外を除き、分裂も増殖もしないとされている。つまりここにはDNAの自己複製の機会はない。 ・DNA:Deoxyribo Nucleic Acid、デオキシリボ核酸、自己複製分子、遺伝子の本体と考えられる高分子化合物。 ◆「DNA=遺伝子」だと世界で最初に気付いた人は、オズワルド・セオドア・エイブリー(アメリカ・ロックフェラー医学研究所の所員)。 ・DNAにはその配列の中に、生命の形質を転換させる程の情報が書き込まれている。 ・DNAの構成単位は、化学用語でヌクレオチドと呼ぶA、C、G、Tとその連なり(文字列)である(A:アデニン、C:シトシン、G:グアニン、T:チミン)。 ・DNAが細胞から細胞へ、或いは親から子へ遺伝情報を運ぶ物質的本体である。 ◆“DNA”とタンパク質の対応関係。 [高分子] [構成単位] [種類] [機能] 核酸(DNA) ヌクレオチド 4種 遺伝情報の担い手 タンパク質 アミノ酸 20種 生命活動の担い手 ◆シャルガフの法則。 ・「動物、植物、微生物、どの様な起源のDNAであっても、或いはどの様なDNAの一部分であっても、その構成を分析して見ると、四つの文字のうち、AとT、CとGの含有量は等しい。」…アーウィン・シャルガフ(米コロンビア大学生化学研究室の研究者)。 ◆身体構成成分の動的な状態(ルドルフ・シェーンハイマー)。 ・「生物が生きている限り、栄養学的要求とは無関係に、生体高分子も低分子代謝物質も共に変化して止まない。生命とは代謝の持続的変化であり、この変化こそが生命の真の姿である。」 ・「秩序は守られる為に、絶え間なく壊されなければならない。」 ◆生命は、受精卵が成立したその瞬間から行進が開始される。 それは時間軸に沿って流れる、後戻りの出来ない一方向のプロセスである。 ※出典:『生物と無生物のあいだ』(著者:福岡 伸一)。 |
ウイルス(Virus) | ◆「ウイルス」(Virus)は、生物ではなく限りなく物質に近い存在だが、生物と無生物の間にある生命体である。 ・ウイルスは、鉱物に似た物質(無生物?)。…栄養を摂取する事がない。呼吸もしない。二酸化炭素を出す事も老廃物を排泄する事もない。つまり、一切の代謝を行っていない。 ・ウイルスは、単なる物質から一線を画している(生物?)。…自らを増やせると云う自己複製能力を持つ。但し、単独では何も出来ない。細胞に寄生する事によってのみ複製する。 ※出典:『生物と無生物のあいだ』(著者:福岡 伸一)。 |
エントロピー(Entropy) | ◆「エントロピー」(Entropy)とは、乱雑さ(ランダムさ)を表す尺度。 ・エントロピー増大の法則…全ての物理学的プロセスは、物質の拡散が均一なランダム状態に達する様に、エントロピー最大の方向に動き、そこに達して終わる。 ◆負のエントロピー(シュレーディンガー)。 ・生命が、エントロピー増大の法則に抗して、秩序を構築出来る方法の1つとして提示した概念。 負のエントロピーとは、「秩序」そのもの(ランダムさの逆)。 ・生きている生命は絶えずエントロピーを増大させつつある。つまり、死の状態を意味するエントロピー最大と云う危険な状態に近づいていく傾向がある。生物が生き続けていく為の唯一の方法は、周囲の環境から負のエントロピー(秩序)を取り入れる事である。即ち、生物は常に負のエントロピーを「食べる」事によって生きている。 ※出典:『生物と無生物のあいだ』(著者:福岡 伸一)。 |
細胞生物学(Cell biology) | ◆「細胞生物学」(Cell biology)とは、一言で云えば「トポロジー」(Topology)の科学の事。 ・トポロジーとは、一言で云えば「物事を立体的に考えるセンス」と云う事。 ※出典:『生物と無生物のあいだ』(著者:福岡 伸一)。 |
ヨク(欲)とトク(徳) | ◆「ヨク」(欲)と「トク」(徳)は、増殖を止めない。 |
気象業務法 | ◆3つの「象」とは、「気象」・「水象」・「地象」の事。 ・気象…大気の情報 ・水象…川や海の情報 ・地象…地面や地中の情報 |
小論文と作文 | ◆「小論文」と「作文」の違い。 ◆「小論文」。 ・社会的な問題を客観的に「論じる」(物事の是非をただす)もの。イエス・ノーを答えるもの。 ◆「作文」。 ・出来事や体験を主観的に書くもの。イエス・ノーを答えるものでない。 ※出典:『発信力 頭のいい人のサバイバル術』(著者:樋口 裕一)。 |
情報と知識 | ◆「情報」と「知識」の違い。 ◆「情報」。 ・交換し合う事を前提としている。情報は他者に与えなければ意味がない。時には売り物になる知識の事。他者に向かって発信する事が必要。 ◆「知識」。 ・交換される事を前提としていない。個人の中に蓄積して、教養になったり、物事の判断材料になったり、人格や価値観を決定したりする。外から見える必要はない。 ※出典:『発信力 頭のいい人のサバイバル術』(著者:樋口 裕一)。 |
観光 | ◆「観光」とは、「優れたものを心を込めて見る」と云う意味。 ※出典:中国の2000年前の古典。 |
そうめん(素麺) | ◆「そうめん」(素麺)を表す言葉には、「麦縄」(むぎなわ)、「索餅」(さくへい)、「索麺」(さくめん)があった。 ・奈良時代に遣隋使が中国から伝えたもので、三輪素麺の産地・奈良県桜井市にある日本最古の大神(おおみわ)神社が発祥の地とされている。 ・素麺は、直径1.3ミリ未満で、10グラム当たり80本が標準。 |
創造のプロセス | ◆創造のプロセス。 ①インプットする。…関係する材料を集め、頭脳に吸収して、感覚的にそれを掴む。 ②熟考する。…意味を考え様としたり、法則の様なものを発見しようとしたりする。意識的に考えるのではなく、自分の頭脳に無意識的に考えさせる。 ③ユリイカ("Eureka":ギリシャ語、「分かった、これだ」の意)…どうして今までそんな事に気が付かなかったのかと思える程、突然目の前に回答が現れる。重要なのは、その答えが正しいと云うだけでなく、非常に優雅で美しい事だと云う。「アルキメデスの原理」を発見した時に発せられた言葉。 ④実行する。…思い付いた事が本当に正しいかどうかを確認する。単に人を魅了する、現実に当てはまらない妄想の様なものでない事を確認する。 ※出典:アンリ・ポアンカレ(フランスの数学者、万能学者)。 |
『寒山拾得』(かんざんじっとく) | ◆『寒山拾得』(かんざんじっとく)は、「寒山」(かんざん)と「拾得」(じっとく)と云う二人の僧の事で、禅画の画題としても、つとに知られる。 ・寒山は経巻を開き、拾得が箒を持つ構図の絵。伝 顔輝(でん がんき、南宋末・元初の画家)の絵からは想像も出来ないが、寒山は文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の化身、拾得は普賢菩薩(ふげんぼさつ)の化身とされる。その想像も出来ない容貌の菩薩の話を、鴎外が短編として書いたもの。 ◆原色茶道大辞典(淡交社)の解説。 ・画題や銘等に使われる事がある人物名。寒山と拾得は中国・唐時代の伝説的な僧で、生歿年不詳、豊干に師事したと伝えられる。筆と巻紙を持っているのが寒山で、巌窟に住んで詩を書いた。いつも箒を持っているのが拾得で、寺の掃除や賄をした。豊干禅師が拾ってきたのでそう命名したと云う。拾得は寒山の分身とされ、二人は飄逸な姿で自由奔放、奇行が多かったとされるが、終生無垢な童心を失わず、俗世を厭い天台山国清寺に住んだとされる。その詩は「三隠詩集(寒山詩)」に収載。宋時代以降、禅僧に好まれ、画題として数多く採り上げられてきた。日本では、寒山は文殊菩薩の、拾得は普賢菩薩の化身とされてきた。 |
時間 | ◆「時間」とは、生きると云う事そのものである。そして人の命は、心を住みかにしている。 ・時間をはかるにはカレンダーや時計があるが、はかってみた所で余り意味はない。と云うのは、その時間にどんな事があったかによって、僅か1時間でも永遠の長さに感じられる事もあれば、ほんの一瞬と思える事もあるから。 ※出典:『モモ』(著者:ミヒャエル・エンデ、訳者:大島 かおり)。 |
人民 | ◆「人民の、人民による、人民の為の政治」。 ・これは、アメリカ合衆国のエイブラハム・リンカーン大統領(第16代)の名演説(ゲティスバーグ演説の一節)と知られているが、実は「戦死者」に向けられたものであった。自らの大統領就任が引き起こした南北戦争への鎮魂歌。 ・原語の"government of the people, by the people, for the people"は「人民から構成する、人民による、人民の為の行政」と云う意味。 |
『般若心経』(はんにゃしんぎょう) | ◆『般若心経』(はんにゃしんぎょう)とは、「般若波羅蜜多心経」の所説を本文262文字に要約したもの。諸法は皆空である事を説く。 ■般若 ●般若心経では、 ・知恵・清浄の意の梵(ボン)語の音訳…サンスクリット語で「プラジュニャー」、パーリ語で「パンニャー」と云うが、この「パンニャー」が音写されて「般若」(はんにゃ)になった。 ・仏教で、迷いを離れ、事物の真相を見抜く本当の知恵…理知によらないもう1つの体験的な「知」の事。 ●般若面では、 ・恐ろしい顔つきをした、女の鬼…女性の嫉妬の究極を表したお面。お面を得意とした彫り師が「般若坊」と云う名前であった為、「般若の面」と呼ばれた。 ●般若湯(とう)…僧の社会で、酒の隠語。 ■概念 ●プレマック(発達心理学者) ・「概念」と云うのは、ヒトに特徴的な現象…「生まれた」、と云う認識も「滅した」と云う認識もありのままの実相ではなく、実は脳内に現象した大雑把な「概念」に過ぎない。 ・「生得的な準備のある概念」…ヒトは生まれつき、幾つかの概念を潜在的に持っている。 ●アインシュタイン(理論物理学者) ・「宇宙の総エネルギー量は常に一定」…増えた、減ったと云うものも、大局的に見れば概念であり、宇宙レベルの総エネルギー量は変わらない。 ■識…「意」が「法」と出逢って「意識」を生み出す。 ●六根…眼、耳、鼻、舌、身、意。 ●六境…色、声、香、味、蝕、法。 ・十二処(仏教学)…六根+六境。 ・十八界…[六根と六境が出逢って結果として生まれるもの=眼識、耳識、鼻識、舌識、身識、意識]+十二処。 ●ニールス・ボーア(量子力学の創始者の一人) ・原子、亜原子と云うモノは、固有の特性を何も持っていない。 ■四苦八苦 ●四苦…仏教で、生(シヨウ)・老・病・死の四つの苦痛。 ●八苦…上記の四苦+下記の四苦。 ・愛別離苦(あいべつりく)…愛する人と別れる苦しみ。 ・怨憎会苦(おんぞうえく)…憎らしい人にも会わなくてはならない苦しみ。 ・求不得苦(ぐふとくく)…求めるものが手に入らない苦しみ。 ・五取蘊苦(ごしゅうんく)…人間を構成する体も心も、自然に活動する事自体が「私」を苦しめる事。古くは、五蘊盛苦(ごうんじょうく)。 (注)五陰盛苦(ごおんじょうく)…五行を構成する要素に執着する苦しみ。 (注)五行…仏教で、人間を成り立たせていると考えた五種類のもの。色(=肉身)・受(=感覚)・想(=想像)・行(=心の作用)・識(=意識)。 (注)四苦(4×9=36)+八苦(8×9=72)=煩悩108、と云う説もある。 ■因果律…原因と結果との間には、一定の関係があると云う法則。 ●デヴィッド・ヒューム(イギリス経験論の流れに属する18世紀の思想家) ・「道徳の原理論」、「人生論」等で有名。因果律が決して現象を生起させる原理なのではなく、私達がそれを解釈する上での強固な思考習慣に過ぎないと明言。形而上学的偏見の1つとしてそれを排除し、改めて自然や人生を観察する事を主張。ソースティン・ヴェブレン(アメリカの社会学者)も、基本的にこの考えを支持。 ・形而上(けいじじょう)…はっきりした形がなく、感覚の働きによってはその存在を知る事が出来ないもの。精神的なもの。⇔形而下 ・形而上学…物事の根本原理を研究する学問(メタフィジックの訳語)。 ■慈悲…「慈」は衆生(シユジヨウ)に楽を与える意、「悲」はその苦を取り除く意。仏・菩薩(ボサツ)が衆生を慈(いつく)しむ心。哀れみ。 ●グスタフ・フェヒナー(19世紀の半ば、独ライプツィヒ大学物理学科・哲学科の教授、医学博士) ・「植物の精神生活」の研究…植物のあらゆる活動の究極の目的は、「個体ではなく、全体の最大の快」だと結論。これは、仏教の云う「慈悲」の定義と云っても良い。 ※出典:『現代語訳 般若心経』(著者:玄侑 宗久)…川島 隆明(大新東㈱の会長)の推薦書。 |
まさか(真逆) | ◆人生には、「まさか」(真逆)と云う坂がある。 ・災害に見舞われる等、本人に責任はないのに、不幸な経験をしてしまう様な事が起こる。 ・「真逆」と書く事もある。 |
はなむけ(贐、餞) | ◆「はなむけ」(贐、餞)とは、「馬の鼻向け」の意。 ・別れの時に贈る言葉や品物を指す「はなむけ」(餞)は、旅立つ人の馬の鼻を目的地の方へ向けてあげた事から。 |
『武経七書』 | ◆『武経七書』とは、軍師がマスターしておかなければならない兵法書。 ・孫子「孫子」(そんし)、「呉子」(ごし)、「尉繚子」(うつりょうし)、「六韜」(りくとう)、「三略」(さんりゃく)、「司馬法」(しばほう)、「李衛公問対」(りえいこうもんたい)[「李氏公問答」(りしこうもんどう)]。 |
三献 | ◆「三献」(三つの献立)とは、「打鮑」(うちあわび)、「勝栗」(かちぐり)、「喜昆布」(よろこんぶ)の事。 ・語呂合わせの縁起担ぎで、「打って、勝って、喜ぶ」と云う意味。 ・この三品を口にして酒を飲む事が、「三三九度」のめでたい杯と云う事。 |
すけ:助と介 | ◆「すけ」には、「助」と「介」の漢字がある。 ◆「助」。 ・「力」と「且(重ねる、と云う意味)」とで出来上がっている。「力を重ねる」と云う意味。そこから「たすける」となり、「すけ」は手伝い等の意味を持つ様になった。 ◆「介」。 ・「人」と「八」とで出来上がっている。「人が間に入る」から「仲立ちをする」「たすける」と云う意味を示す。「介」は、地方の次官と云う官位を示している文字でもある。「守」(かみ)の次位を云う官位である。また、「介」は、鎧そのものの意味持つ。そこで鎧を着ける事を「介冑」(かいちゅう)と云う。 ※出典:『山本勘助とは何者か』(著者:江宮 隆之)。 |
労働感と報酬感 | ◆田坂 広志(シンクタンク・ソフィアバンク代表)による。 ・日本人の労働感の根底には、「働くとは、傍(はた)を楽(らく)にする事」と云うものがある。 ・欧米的な考え方…働く事を「苦役」と考える。 ・日本人の独特な報酬感は、(1)給料や年収、(2)役職や地位の他に、(3)目に見えない「4つの報酬」を重視している。 ◆目に見えない「4つの報酬」。 ①働き甲斐のある仕事…「仕事の報酬は仕事」と云う考え方。 ②職業人としての能力…腕を磨く事そのものに喜びを感じる。「求道、これ道なり」と云う名言通り。 ③人間としての成長…腕を磨くと云う事は、即ち己を磨く事。「人間成長」が報酬。 ④良き仲間との出会い…縁と云う思想。 ・これらが、働く事の喜び、つまり報酬であると云うもの。 |
説得と納得 | ◆「説得」と「納得」の違い。 ◆説得。 ・相手が受動的かつ消極的に「止むを得ない」と云って事を収めるイメージ。自分の意志や主張を十分に話し(伝え)て相手に納得させる事。 ◆納得。 ・相手が自発的かつ積極的に「分かった」と云って結論を受け入れるイメージ。他人の言行をよく理解し、尤(もっと)もだと認める事。 ※出典:『プロの論理力!』(著者:荒井 裕樹)。 |
経営の型:将棋型と囲碁型 | ◆経営の型には、「将棋型」と「囲碁型」が存在。 ◆将棋型。 ・直線的に理詰めで考え、樹形図を描く様に戦略を組み立てる。帰納法的。 ◆囲碁型。 ・大きな世界観から面を押さえ、そこに細部の戦略を吹き込む。演繹法的。 |
ハンバーグステーキ(Hamburg Steak) | ◆「ハンバーグステーキ」(Hamburg Steak)とは、元はハンブルグ(Hamburg)のステーキ(Steak)の事。 ・ハンバーグの起源は、ドイツのハンブルク(港町)で労働者向けの食事として流行っていたタルタルステーキを焼き固め、ソースをかけて味付けした料理からだと云われている。 |
いちご(苺) | ◆いちご(苺)は、小型の草本なので果樹ではなく、野菜に分類されている。 ・いちご(苺)は、丈が低いバラ科の多年草。 ・食べている赤くて甘みのある太った部分は果実ではなく、本当の果実は表面にある黒いつぶつぶで、つぶつぶ1つひとつが全ていちごの果実。 |
スモール・ワールド(Small world) | ◆「スモール・ワールド」(Small world)とは、まさに「世界は狭い」と云う意味。 ・「初対面の人と話していると、実は共通の友人で繋がっていた、と云う事は良くある」…『渋滞学』(著者:西成 活裕)より。 ・ワッツ(アメリカの物理学者)は、実際にどれだけの人間を介して全く知らない2人が繋がっているのかを電子メールを使って実験した。 →その結果、たった6人と云う結果が出た。 |
カカオ(Cacao) | ◆「カカオ」(Cacao)は、ギリシャ語で「テオブロマカカオ」(神の食べ物)と呼ばれている。 ・原産地の中南米やその後広まった欧州では、王侯貴族が好んで食していた。 ・日本に初めてチョコレートが伝わったのは、江戸時代後期。当時は「薬」として用いられていた。 ◆「カカオ」(Cacao)には、「ポリフェノール」と「テオブロミン」が含まれている。 ・ポリフェノール…老化の原因となる活性酸素を除去する「抗酸化作用」に優れている。それにより動脈硬化や脳卒中を防ぎ、更にガンを予防する効果も期待出来る。含有量は、赤ワインよりも多い。 ・テオブロミン…自律神経系を調整して心身をリラックスさせる効果がある。また、利尿作用を促進して血圧の上昇を抑制したり、毛細血管を拡張して血行を良くし、冷え性を改善する効果も期待出来る。 |
世界三大悪妻 | ◆ソクラテス、モーツァルト、トルストイの妻達は、「悪妻」だと呼ばれる事がある。 ・三人とも偉大な人物であるだけに、その妻の欠点が、殊更にクローズアップされて語り継がれた結果か? (注)ソクラテス(古代ギリシアの哲学者)の悪妻の名前は、「クサンティッペ」と云う。 ◆日本では、源頼朝の正室・北条政子、徳川家康の正室・築山殿、夏目漱石の夫人・鏡子等も「悪妻」と云われた人物である。 |
元服 | ◆「元服」とは、成人を祝う奈良時代からの慣習で、子供が成長して初めて大人の着物を着ると云う意味。 ・「元」…首・頭、「服」…着用する意。 |
瞥見(べっけん)視力 | ◆「瞥見(べっけん)視力」とは、潜水艦の潜望鏡を海面に出して360度を見渡し、素早く周囲の状況を把握する能力の事。 |
砂時計 | ◆市販の砂時計は、実験と経験と勘で作られている。 ・砂は、粉粒体(Granular:液体と固体の性質が共存するもの、所謂「つぶつぶ」、顆粒)で、大変厄介な対象。 ・意外な事だが、砂時計で1分を正確に測るのに必要な砂の量や容器の形を理論的に計算する事すら出来ていない(物理学)。中身が水ならば、流体力学で正確にその落ちる時間を計算出来る。 |
フェロモン(Pheromone) | ◆「フェロモン」(Pheromone)と命名した意味。 ・Pherein…行動を誘引する化学物質で、ギリシャ語で「運ぶ」と云う意味。 ・Hormon…ギリシャ語で「興奮させる」と云う意味。 ◆フェロモンの種類。 ・沢山の種類があるが、代表的なものは「道しるべフェロモン」「警報フェロモン」「性フェロモン」…今から50年以上も前に、ドイツのノーベル化学賞受賞者のブテナントがカイコガの研究で見出し、その他の昆虫でも続々と発見された物質。 |
そば(蕎麦)とうどん(饂飩) | ◆「そば」と「うどん」の食文化。 ◆「そば」(蕎麦)は、閑中食。 ・作り置きはしない食べ物。そばを作るには手間暇が掛かる。つまり、打って、裁って、茹でるのに時間が掛かる。 ・「年越しそば」…昔の大晦日は忙しくなかった。大掃除は12月の中旬には終え、松飾りは29日までには済ます(直前の一夜飾り等は、縁起が悪いと云う)。だから、大晦日は暇でしょうがない。そこで、一家の主が「暇だからそばでも打って家族に食わせてやろうじゃないか」と始めた男の料理。 ・「そば」の作り方の極意…「引(挽)きたて」「打ちたて」「茹でたて」の「三たて」。作るのに時間が掛かる。だから、その間に酒を飲む。 ◆「うどん」(饂飩)は、忙中食。 ・忙しい時に直ぐに食べられるものとして利用される。 |
年越しそば(蕎麦) | ◆鎌倉時代、中国から博多に来ていた貿易商の謝国明が、年の瀬に貧しい人達に、「蕎麦掻き餅」(そばがきもち)を振舞った所、運が向いたのを切っ掛けに始まったのが、「年越しそば(蕎麦)」の由来の様である。 ・細くて長い蕎麦は、寿命や身長が伸びる、金箔を延ばす台を蕎麦粉で拭うと良く延びるので金運が良くなる、蕎麦は新陳代謝を良くし体内を清浄にする等の理由で、大晦日に食べて新年を迎えるとも云われている。 ・「そばは金を集める」…金銀細工職人が、仕事場に飛び散った金粉を、「そば」を練って作った団子で集め、その団子を焼いて金粉を取り出した事から云われた。 ・年越しそばの薬味に刻みネギが添えられるのは、ネギの語源が「ねぐ」から来ていて「祈る」と云う意味がある事から、更に長寿や金運を祈願するとも云われている。 ※出典:『日本人のしきたり』(著者:飯倉 晴武)。 ・蕎麦の発祥地は、中国・雲南省とされ、日本でも奈良時代には栽培されていた様である。当初は、粟、稗(ひえ)、黍(きび)等に混ぜて雑炊にして食されていた。 |
夫婦の対話 | ◆夫婦の対話(西洋の諺)。 ・結婚前は、男がしゃべって女が聞く。 ・結婚すると、今度は女がしゃべって男が聞く。 ・そして5年も経つと、両方が大きな声で喧嘩して、隣の人が聞いている。 (注)「寸鉄人を刺す」諺…思わず、人の心に強い印象を植えつける言葉。 |
健康 | ◆「健康」のWHO世界保健機関の定義。 ・「健康とは、完全な肉体的、精神的および社会的福祉の状態であり、単に疾病または病弱の存在しない事ではない」 |
思考 | ◆「思考」の認知心理学上の定義。 ・「思考とは、知識を用いて推論を行う事」…まず過去の経験や知識の中で使えそうなものを引っ張り出して、脳の中であれこれシミュレートを行う。但し、普通はそのプロセスにおいて、問題を解く為の知識を自分がどの程度有しているか、また推論が偏っていないかと云うモニターや評価を行うと考えられている。この評価の為の活動が「メタ認知」である。 |
定年(停年) | ◆「定年」は、「現役定限年齢」の略語。元の用字は「停年」。 ・退官・退職する決まりになっている一定の年齢。 ・明治時代に旧陸海軍で設けられた制度で、海軍工廠の職員に対し、50歳を定年としたのが最初だそうである。その後、定年制は役所や会社(大企業から中小企業)へと導入されていき、今では60歳定年が一般的である。 ・2007年は、団塊の世代700万人が定年を迎えると云われている。 |
米の表現 | ◆米(米、rice、ライス、めし、ご飯)の表現。 ・ライス…洋風の飲食店で客に出す為に皿(西洋皿)に盛られた、米を炊いたもの。ライスは「米」ではなく、炊かれた「飯」である。 ・めし(飯)…米を炊いたもので、茶碗や丼に盛られたもの。 ・ご飯…米を炊いたもので、どんな器に盛られていても良く、盛り付けや食事の場面を問いません。 ・ご飯(御飯)=炊いた米、boiled[cooked] rice ・おまんま(御飯)=「めし・ごはん」の口頭語的表現。 ※出典:沖 裕子(日本語学者、信州大学の教授)。 |
AIDMA(アイドマ)→AISAS(アイサス) | ◆消費行動プロセスとは、消費者が購入に至るまでの心理過程。 ◆従来 AIDMA(アイドマ):Attention(注意・注目)→Interest(興味・関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(購買行動)…4マス媒体の時代の消費行動プロセス、ローランド・ホール(アメリカの経済学者)による造語。 ◆現在 AISAS(アイサス):Attention(注意・注目)→Interest(興味・関心)→Search(検索)→Action(購買行動)→Share(情報共有)…ネット時代の消費行動プロセス、石鍋 仁美(日本経済新聞社)。 ・インターネットが普及した今の消費行動…購買活動がぐるぐる回る様になるので、売る側としては売りっ放しではなく、リピーターにさせられるかどうかか重要なポイントになる。 |
仮説(≒理論)と科学 | ◆フランシス・ベーコン(哲学者、1561年~1626年)。 ・実験と理論の関係について、「実験は、理論の種みたいなものを見つける為に行われる。」(帰納法的考え方) ◆ピエール・デュエム(1861年~1916年)。 ・「データが仮説を覆す訳ではない。データが理論を変えると云う事はない。」、「理論(≒仮説)を倒す事が出来るのは、理論(≒仮説)だけである。」(演繹的考え方)、仮説と云うのは1つの枠組みで、その枠組みから外れたデータはデータとして機能しない訳である。 ◆カール・ポパー(科学哲学者、1902年~1994年)。 ・『科学的発見の理論』の中で、「科学は、常に反証出来るものである。」と定義(反証可能性:反証が出来るかどうかと云う事)。決定的な証明等と云う事は、永遠に出来ない。 ◆竹内 薫(科学作家、1960年~)。 ・歴史は、あくまでも仮説の集まりであり、真実ではない。科学とは、一番新しい仮説の集まりに過ぎない。科学はあくまでも文化であり、それ故に永遠の真理にはなり得ない。 ・話が通じないのは、自分の仮説が相手に通じていないと云う事。相手の仮説を自分が理解していないと云う事もある。 ※出典:『99.9%は仮説』(著者:竹内 薫)。 |
建築生物学(Baubiologie) | ◆「建築生物学」(Baubiologie、バウビオロギー)とは、、ドイツを中心に起こった新しい学問の事。 ・「建築(バウ、Bau)+生命(ビオ、bio)+学問(ロゴス、logos)を語源とし、居住空間を人間の皮膚の延長として捉え、人間本性と気候風土を科学し、環境と健康に配慮した建築、人間味あふれた建築文化の創造を目指す。」(日本バウビオロギー研究会) ・人間の皮膚を第1と考え、体を包む衣類を第2の皮膚とするならば、住まいは第3の皮膚に位置づけられる。 ・その快適性を保証するには、静けさ:35デシベル以内、湿度:40%~60%、室温:16℃~20℃の範囲が望ましい。 |
ご苦労様とお疲れ様 | ◆「ご苦労様」と「お疲れ様」の違い。 ◆会社で仕事を終えた時等に、「ご苦労様でした」「お疲れ様でした」と云う挨拶は、「上司には失礼な感じがするのですが」と云う考え方もある。いずれも労(ねぎら)いの言葉だ。「労(ねぎら)う」と云うのは、「同等以下の人の苦労・尽力等を慰め、感謝する」事。 ・新明解国語辞典は最新の第6版で、「お疲れ様」は「同輩以下に」、「ご苦労様」は「目下の者に」用いる、としている。 ◆一方、ビジネス本等では「ご苦労様は失礼だが、お疲れ様なら問題はない」といった説明もみられる。国立国語研究所の意識調査(1998年)でも、「お疲れ様でした」の方は9割近くの人が「気にならない」と答えたと云う。 ・文化庁国語課は「身分制の時代でもないので、毎日顔を合わせる上司等人間関係が親密なら、どちらも目上の人に使ってもいいのでは」と話している。 ※出典:朝日新聞「ことば談話室」(2005年5月29日)。 |
枝豆と大豆 | ◆「枝豆」と「大豆」の違い。 ・枝豆は、成長期の大豆の事で、大豆が未成熟なうちに枝ごと切り取った実の事。枝ごと切り取る事に由来している。 ・昔は田んぼの畦等によく栽培されていた為、「畦豆」とも。 ・農産物の分類上では、大豆は「豆類」に、枝豆は「野菜」に属する。 |
「胡」から始まるもの | ◆「胡」から始まるものは、「シルクロード」から伝わったもの。 ・胡瓜(きゅうり)、胡桃(くるみ)、胡椒(こしょう)、胡麻(ごま)…「胡」とは、漢民族にとって、異文化を持つ北方民族。秦(しん)=チン=China。 |
にがり(苦汁) | ◆「にがり」(苦汁)は、西洋では「マザー・リカー」(Mother Liquor、母なる液)と呼ばれる程、にがりの中には健康を守る大切なミネラルが含まれている。 ・赤ちゃんを守っている羊水も、これとほぼ同じと云われている。 ・人間の体内の水分に近いバランスの取れたミネラルが60種類以上そのままの液体として含まれていると云われている。 ※出典:笹川流れの手作り海水塩…㈲日本海企画(小林 久)。 |
イキ(粋)とヤボ(野夫) | ◆「イキ」とか「ヤボ」と云う云い方は、江戸時代の遊里(ゆうり、「遊郭」の意の漢語的表現)の俗語。 ◆「イキ」。 ・この「ヤブ」に対応する言葉を「粋」(すい)と云った。粋を「イキ」と読み、「意気」の字を当てたり、「通」(つう)とか「アダ」とも。時には、「イキ」は「異気」でもあり、アブノーマルな事やそんな風俗を指したりもした。一般的な意味は、いつもさっぱりして、洗練された、いやみのない、泥臭さのない事を云う。 ◆「ヤボ」。 ・三都(京・大坂・江戸)の遊里で、風俗・動作・嗜好・心情等の面で、洗練された美への好みに合わない人を「野夫」(やぶ)と呼んだのが始まり。「野夫」とは、藪医者と同じ様に、藪から出て来た田舎者と云う意味。因みに、「野暮」は借字。 |
丁稚(でっち)どん | ◆「どん」とは、「殿」の事。 ・「丁稚どん」とは、つまり雇い人であるが、江戸時代には敬語の「殿」を付けて呼んでいた。 ・「どん」は、召使・目下の者等の名前の下に添える語。 |
村八分(むらはちぶ) | ◆「分」(ぶ)とは、区分の意味で、「村八分」は、弊風(へいふう、よくない習慣・風俗⇔美風)の最たるもので、絶交の事。 ・江戸時代農村の公認の付き合いは、誕生・成人・結婚・病気・葬式・火事・水害・旅立・普請(ふしん)・法事と10箇条あった。「村八分」は、この内の8つを「分」にする事。 ・残りの2つは、葬式と火事で、どんな理由があろうと、相互に手伝い助け合う。 ・広義では、その組織の中で仲間はずれにする意にも用いられる。 |
ケンチン汁 | ◆「ケンチン汁」は、「建長寺汁」と云うのが語源で、栄養のバランスのとれた野菜中心の完全食。 ・建長寺は、鎌倉五山の第一位、臨済宗の禅寺。 ・サトイモ・ゴボウ・ニンジン等を豆腐と一緒に油でいためたもの。 ・けんちん=巻繊、「ちん」は「繊」の唐音。 |
カビ(黴) | ◆日本語の「カビ」(黴)は、元来萌え出ずるもの、生えて来るもの、芽等の意味があり、その動詞形の「カビス」が「醸」(かもす)になった。 ・「カビ」は、温度0度~50度までの間で生える菌類で、その最適温は20度~35度、湿度70%である。 ・この条件こそが日本の風土であり、「日本文化はカビの文化だ」と云われる所以である。 |
餅(持飯) | ◆「餅」は元来、「持飯」(もちいい)の事。 ・固めて表面に皮膜を作り、空気と遮断した為に、長く保存出来る様になった。 |
寿司(すえめし) | ◆「寿司」の語源は、「すえめし」=腐ったご飯から来ている。 ・腐ったご飯を食べる訳ではなく、飯が腐って糖化(=酸化)していく作用を利用して、魚肉・貝、古くは鳥獣肉等を保存する方法として考えられた。 |
のし(熨斗) | ◆「のし」(熨斗)とは、元々「熨斗アワビ」の略で、「熨斗」(のし)とは、「火熨斗」(ひのし)の事。 ・火熨斗とは、炭火の熱で布地を伸ばしたりした昔のアイロンで、かつては、アワビの肉を薄く切り、火熨斗で伸ばしたものを「熨斗アワビ」と呼んでいた。 ◆元々正式には、「ノシアワビ」を紙で包んで酒に添えたが、その形は次第に形式化され、紙の方が大きく「アワビ」は小さくなって、とうとう印刷になり、しまいにはただ文字で「のし」と書くだけになった。 ・「ノシアワビ」は、酒に伴う肴(さかな)の代表として珍重され、ここから一般的な贈答品に「のし」を付ける習慣が起こった。 ・その中身が商品券であれ石鹸であれ、みな酒と同じ意味を持っているので、「のし」の二文字が付いている限り、贈物を返す事は非礼とされる。 |
七面倒くさい | ◆「七面倒くさい」とは、現代でもややこしい事であるが、元々は便所の臭い(匂い)からだった。 ・密通に使われた延命院七面堂が「七面倒臭い」の由来。 ・江戸時代の谷中(西日暮里)の延命院住職の日当(日道とも)が、参詣の多数の婦人と密通する為に、寺の境内の一隅に建つ七面堂の下から便所に向かって秘密の通路を作り、そこから更に密室に通じる様にしてあった。その結果、七面堂まで便所の臭気が通うと云う事が起きた。 ・江戸時代の坊主すなわち僧侶は、殆どの宗旨で妻帯が許されず、独身を強いられていた。 |
恐竜の絶滅 | ◆生物学では、「環境変化に一番脆い(もろい)存在はエリート」と云われている。 ・ジュラ紀に繁栄を誇った恐竜が絶滅した理由は、環境変化にあった。 ①恐竜が絶滅した原因は、今から6,500万年前の白亜紀末、メキシコに巨大な隕石が墜落した事と云われているが、実はそれ以前の200万年間に亘って、地球の酸素濃度の上昇によって、徐々に衰退していた。 ②恐竜の肺は、鳥と同じで息を吸いながら吐く事が出来る(哺乳類は、吸って吐いてを繰り返す)。ジュラ紀の地球は酸素濃度が10%と低かったが、恐竜の肺は十分な酸素を体内に送り込んで敏捷に動く事が出来た、まさに酸素濃度が低い地球でのエリートであった。 ③ところがジュラ紀にシダ植物が繁殖した結果、白亜紀の頃の地球の酸素濃度が20%にまで上昇した。その結果、性能の悪い肺を持つ他の生物が、恐竜と同じ様に敏捷に動ける様になった。 ④生態系の頂点に立つ巨大恐竜は、数の増えた他の生物からの攻撃(特に危ないのは卵から幼生の時期の数年間)でやられて、徐々に数を減らしていった。 ◆企業や事業の再生も同様の事が起こってるのではないか?! ・再生シナリオとしては、新しい環境での競争に勝てるパワフルなビジネスモデルを設計し、再生は再スタートではなく、従来の強みを継承した上で、更に進化出来るシナリオがあってこそ、変化した環境下でV字回復が出来るのではないか(百年コンサルティング㈱代表取締役 鈴木 貴博)。 |
虹の色 | ◆日本の虹は7色、英語圏の虹は6色(藍色が無い)。 ・日本…7色:赤、橙、黄、緑、青、藍、菫(紫) ・イギリス…6色:赤、橙、黄、緑、青、菫 ・アメリカ…6色:赤、橙、黄、緑、青、菫 ・ドイツ…5色:赤、黄、緑、青、菫 ・フランス…7色:赤、橙、黄、緑、青、藍、菫(紫) ・ソ連…4色:橙、黄、緑、青 ・その他…5色:赤、橙、黄、緑、青 ・その他…6色:赤、橙、黄、緑、青、菫(紫) ・その他…7色:赤、橙、黄、緑、青、藍、菫(紫) |
色の個性 | ◆色の個性。 ・赤…攻撃的・火・勇気・愛国心・怒り・血・危険 ・青…清い・朗らか・冷静・内気・悲哀(ひあい)・失望 ・黄…親切・陽気・不快・日光 ・緑…平和・新鮮・若さ・繁栄 ・橙…元気、騒がしい・実り ・紫…威厳・孤独・勝利・権威・熱情・追憶・悔悛(かいしゅん) ・白…優美・上品・冷たい・純潔・無邪気・貞節(ていせつ)・希望 ・黒…厳粛・深遠・神秘・悲しみ・夜・死・邪悪 ※出典:『非言語コミュニケーション』(著者:マジョリー・F・ヴァーガス、訳者:石丸 正、発行:新潮選書)。 |
心理的距離 cf.パーソナルスペース(Personal-space) |
◆心理的距離は、4分類。 ①密接距離(内側・外側)…0㎝~45㎝、極めて親しい者同士の距離。夫婦や恋人の距離。触れようと思えば、相手に触れられる距離。 ②個体距離(内側・外側)…45㎝~120㎝、相手に触れるのに、どちらか一方が片手を伸ばせばいい距離から、双方が手を伸ばして届く距離の間。友人同士の距離。 ③社会距離(内側・外側)…120㎝~360㎝、仕事上の付き合いの距離。形式的・儀礼的なやり取りをする距離。 ④公衆距離(内側・外側)…360㎝以上、殆ど無関係と云う距離。個人的な関係はない。 ※出典:「八つの距離帯」と云う考え方(エドワード・ホール…アメリカの文化人類学者)。 |
コネッサンス(Connaissance) | ◆「コネッサンス」(Connaissance)とは、「知識、認識、知覚、知人、面識、交際」を意味するフランス語。 |
社会人基礎力 | ◆社会人基礎力に関する研究会「中間とりまとめ」報告書の公表。 ・経済産業省 経済産業政策局 産業人材参事官室から、2006年2月8日(水)に公表された。 ◆「社会人基礎力」の能力要素(分類・能力要素・内容を下記に記載)。 1.前に踏み出す力(アクション) ・一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力(実社会の仕事において、答えは1つに決まっておらず、試行錯誤しながら、失敗を恐れず、自ら、一歩前に踏み出す行動が求められる。失敗しても、他者と協力しながら、粘り強く取り組む事が求められる) ①主体性…物事に進んで取り組む力 (例)指示を待つのではなく、自らやるべき事を見つけて積極的に取り組む。 ②働きかけ力…他人に働きかけ巻き込む力 (例)「やろうじゃないか」と呼びかけ、目的に向かって周囲の人々を動かしていく。 ③実行力…目的を設定し確実に行動する力 (例)言われた事をやるだけでなく自ら目標を設定し、失敗を恐れず行動に移し、粘り強く取り組む。 2.考え抜く力(シンキング) ・疑問を持ち、考え抜く力(物事を改善していく為には、常に問題意識を持ち課題を発見する事が求められる。その上で、その課題を解決する為の方法やプロセスについて、十分に納得いくまで考え抜く事が必要である) ①課題発見力…現状を分析し目的や課題を明らかにする力 (例)目標に向かって、自ら「ここに問題があり、解決が必要だ」と提案する。 ②計画力…課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力 (例)課題の解決に向けた複数のプロセスを明確にし、「その中で最善のものは何か」を検討し、それに向けた準備をする。 ③創造力…新しい価値を生み出す力 (例)既存の発想にとらわれず、課題に対して新しい解決方法を考える。 3.チームで働く力(チームワーク) ・多様な人と共に、目標に向けて協力する力(職場や地域社会等では、仕事の専門化や細分化が進展しており、個人として、また組織としての付加価値を創り出す為には、多様な人との協働が求められる。自分の意見を的確に伝え、意見や立場の異なるメンバーも尊重した上で、目標に向け共に協力する事が必要である)。 ①発信力…自分の意見をわかりやすく伝える力 (例)自分の意見をわかりやすく整理した上で、相手に理解してもらうように的確に伝える。 ②傾聴力…相手の意見を丁寧に聴く力 (例)相手の話しやすい環境をつくり、適切なタイミングで質問する等相手の意見を引き出す。 ③柔軟性…意見の違いや立場の違いを理解する力 (例)自分のルールややり方に固執するのではなく、相手の意見や立場を尊重し理解する。 ④情況把握力…自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力 (例)チームで仕事をするとき、自分がどのような役割を果たすべきかを理解する。 ⑤規律性…社会のルールや人との約束を守る力 (例)状況に応じて、社会のルールに則って自らの発言や行動を適切に律する。 ⑥ストレスコントロール力…ストレスの発生源に対応する力 (例)ストレスを感じる事があっても、成長の機会だとポジティブに捉えて肩の力を抜いて対応する。 |
あすなろ(翌檜) | ◆「あすなろ」の木は、「翌檜」の木と書く。明日の檜である。 ・「あすなろ」の木は、檜科の常緑樹木、日本特産の木。 ・「あすなろ」は檜に似ているが、用材としては檜に劣る為、明日は檜になろうとひたすら努力したいと云う伝説から、「あすなろ」と云う名が付いたと云われる。 ・ある面では、勢いは強く、檜になろう、檜になろうと頑張ると云う永遠の成長を目指す未完成の意味も込められているのであろう。 |
CHANGEとCHANCE | ◆“CHANGE”を“CHANCE”に変える。 ◆「長寿企業」とは、まさに「変化」を「脅威」(Threat)ではなく、「機会」(Opportunity)にしていける会社である。 ・「変化」を英語で書くと"CHANGE"だが、5つ目の"G"を"C"に換えると"CHANCE"、即ち「機会」となる。 ・「危機伝承経営」…危機を「創造」し続けるトヨタは、この言葉を社訓にして守り続けている。 |
阿吽の呼吸、仁王像 | ◆「阿吽の呼吸」とは、互いの呼吸がピッタリ合う事。 ・「阿吽」(あうん)は、「仏像」と関係があるらしい。 ◆「仁王像」の「仁」は「二」を表す。即ち、仁王は二つの仏像。阿形と吽形を指す。そして、阿形は口を開け、吽形は口を閉じている。この対の仁王像が置いてある門を「仁王門」と云う。寺院では山門の守護神として祀られる。 ・サンスクリット語(Sanskrit:古代インドの文章語、梵(ボン)語)で、「阿」は口を開けて最初に発音する字音で、「吽」は口を閉じて発する最後の字音。つまり、「阿」は息を吐き、「吽」は息を吸い、二つの物事の始まりと終わりを表す形で仁王像や狛犬に用いられて来たと云う。 |
水と体の関係 | ◆「水」と「体」の関係。 ◆水は、体内をくまなく循環して生命活動そのものを維持する働きをしている。 ・体の60%は水で出来ている。…その多くは血液等の体液。細胞は、水・タンパク質・核酸・糖質・細胞膜から構成されている。 ・美しい肌は水の質で決まる。…表皮の新しい細胞は、内側から作られ14日間かけて生まれ変る。 ・生きる為には食べ物よりも水。1日水を飲まないと体の2.5%の水分が失われる。水が1滴もないと3日と生きられない。 ・飲んだ水は1分以内に脳と生殖器に届く。…水を飲む→30秒で血液へ→1分で脳・生殖器(卵巣と子宮)→10分で皮膚組織へ→20分で心臓・肝臓・腎臓へ届く。 ・女性は男性よりも乾いている。…成人女性は体重の55%、成人男性は60%が水分。5%の差は、筋肉よりも水分量の少ない脂質が多い為。子供は70%、赤ちゃんは80%。 ・2.5リットルの水が1日で消費される。…何もしなくても尿や排便で1.5リットル、汗で蒸発する分が0.5リットル、吐く息から0.5リットルと計2.5リットルの水を排出している。 ◆地球上の水の約97%~97.5%は海水であり、淡水は約2.5%~3%しかない。これには氷山の氷等も含まれている。従って、人間が生活に利用出来る水は、全体の0.01%しかない。 ◆世界で26億人が汚染された水源から水を取っている(国連報告)。 ◆「Embedded water」(埋め込まれた水)と云う考え方…製品を作る為に必要な水の量(英国の非政府組織ウオーターワイズ調べ)。 ・牛肉を1kg(1g)作る…10万リットル(100リットル)の水が要る ・コンピュータ・チップを1個作る…75リットルの水が要る。 ・フルーツジュースを1リットル作る…780リットルの水が要る。 ・車を1台作る…6000リットルの水が要る。車の部品生産に使われる水を含めば、水の消費量は15万リットル。 |
うるう秒 (閏秒、Leap second) 原子時と「うるう秒」 |
◆情報通信研究機構 日本標準時グループ うるう秒の対応。 ・「うるう秒」の調整は、地球の回転の観測を行う国際機関である「国際地球回転・基準系事業」(IERS:International Earth Rotation and Reference Systems Service、所在地:パリ)が決定しており、これを受けて世界で一斉に「うるう秒」の調整が行われている。日本では、総務省及び情報通信研究機構(NICT:National Institute of Information and Communications Technology)が法令に基づき標準時の通報に係る事務を行っており、IERSの決定に基づきNICTにおいて日本標準時に「うるう秒」の挿入を実施している。 ◆「うるう秒」の実施日。 ・第26回…2015年7月1日(水)の8時59分59秒と9時00分00秒の間に、「8時59分60秒」を挿入。 ・第25回…2012年7月1日(日)の8時59分59秒と9時00分00秒の間に、「8時59分60秒」を挿入。 ・第24回…2008年12月31日(水)の23時59分59秒と2009年1月1日(木)の0時00分00秒の間に、「23時59分60秒」を挿入。 ・第23回…2006年1月1日(日)の8時59分59秒と9時00分00秒の間に、「8時59分60秒」を挿入。 ◆「うるう秒」の必要性。 ・かつて、時刻を決める為には、地球の公転・自転に基づく天文時が使われていたが、現在では、原子の振動を利用した原子時計を元に決められる様になり、非常に高精度なものとなっている。この為、逆に天文時に基づく時刻との間でずれが生じる様になった。 ・そこで、原子時計に基づく時刻を天文時と0.9秒以上ずれない様に調整を行った時刻を世界の標準時として使う事にしている。 ・「うるう秒」の調整は、地球の公転・自転に基づく時刻とのずれが0.9秒に近づいた場合に行われるものである。 ◆「こよみのページ」。 ・勿論、「うるう年」・「うるう月」・「うるう日」もある。 |
操舵号令 | ◆操舵号令の「面舵」、「取舵」、「宜候」の読み方と意味。 ・面舵(おもかじ)…発声「おもーかーじ」、英語"starboard"、右側に操舵する事。 ・取舵(とりかじ)…発声「とーりかーじ」、英語"port"、左側に操舵する事。 ・宜候(ようそろ)…発声「よーそろー」、英語"steady"、直進する事、「そのままでよろしい」と云う事。 ・船首(船のへさき)…「ね」、右舷…「う」、左舷…「とり」と云い、船のへさきを右舷側に向ける様に舵を取る事を「うかじ」、これが訛って「うむかじ」から「おもかじ」になったと云われている。 |
干支(えと)、12支 | ◆干支(えと)、12支は、方位や時刻を示す用語としても使用されている。 ・方位…北を「ね」、南を「うま」、「子午線」等。 ・時刻…例えば、「草木も眠る丑三つどき」等。 子(ね) … 0時 丑(うし) … 1時 寅(とら) … 2時 卯(う) … 3時 辰(たつ) … 4時 巳(み) … 5時 午(うま) … 6時 未(ひつじ)… 7時 申(さる) … 8時 酉(とり) … 9時 戌(いぬ) …10時 亥(い) …12時 |
Yes, I can. Yes, I can | ◆"Yes, I can. Yes, I can."と云いつつ、煙を吐き吐き坂を上る「小さな機関車」(米国の絵本)。 ・自分を信じて努力すれば願いはかなう、と云う単純なだけに強い信条を教える、いかにも米国的なお話。 |
大根(ダイコン) | ◆大根(ダイコン)は、アブラナ科の根菜、農林水産省の統計では、国内の野菜の作付面積、収穫量及び出荷量共に第1位。米国を始めとする海外でも、日本語の「ダイコン」で認知されている。 ・原産…ロシア南部のカフカス地方。古代エジプト時代には既に栽培され、ピラミッド建設に従事した労働者達に与えられたと云う記録が残る。 ・日本への渡来…8世紀に編纂された『古事記』や『日本書紀』に「おほね」として登場している。 ◆「大根役者」…演技の下手な役者を指して云う言葉。 ・その理由…大根をいくら食べても食中りしない(役者として中らない、当らない)と云う意味だと云う説がある。 ・成分…カタラーゼ(活性酸素を分解除去)や、オキシターゼ(発ガン物質を分解)等100種類以上の酵素が含まれている。 ・効能…消化促進や整腸作用、整肌効果(葉のカロテン、根のビタミンC)。大根おろしは、大根の下の方を使うと良い。辛み成分のイソチオシアネートが多く含まれ、酵素の活性率も高い。焼き魚+大根おろし…魚の脂や有害物質から体を守る。餅+大根おろし…アミラーゼ(ジアスターゼ)による胃もたれや胸焼け防止。 |
西瓜(スイカ) | ◆西瓜(スイカ)は、ウリ科の1年生果菜、農林水産省の分類では「果物」ではなく「野菜」。 ・原産…アフリカ中部で、エジプトで発見された4000年前の壁画にも描かれている。 ・日本への渡来…天正年間(1573年~1592年)とも、寛永年間(1624年~1644年)とも云われており、定かではない。 ・「西瓜」の語源…中国の西城から来た瓜。 ・成分…約90%は水分、残りの約10%は果糖・ブドウ糖・ショ糖等の糖類。カリウム(ミネラルの一種)と、シトルリン(アミノ酸の一種)も含まれている。 ・効能…利尿作用、高血圧や膀胱炎、腎炎等の予防。シトルリンには抗酸化作用(抗酸化活性はトマトの1.7倍)。 |
食物の性と味 | ◆中国最古の薬学書『神農本草経』によると、食物には必ず「性」と「味」が記されている。 ◆「性」…「寒・涼・温・熱」と云う食物の性質。 ・寒…体を冷やす。 ・涼…寒ほどではないが、やや冷やす。 ・温…体を温める。 ・熱…やや体を温める。 ◆「味」…酸味、苦味、甘味、辛味、塩辛い味。 |
味の偽り | ◆味の偽り! お試し下さい。 ・プリン+醤油=ウニの味。 ・アボガド+わさび醤油=マグロの味。 ・マグロの赤身+マヨネーズ=マグロのトロの味。 |
シュー・クリーム(Chou Cream) | ◆「シュー・クリーム」(Chou Cream)は、仏英合体語。 ・シュー…フランス語の"Chou"で、「キャベツ」を意味する言葉。あの形がキャベツに似ているなんて!ちょっと信じ難いですが。 ・クリーム…当然、英語の"Cream"。 ・英語では、Cream Puff クリーム・パフェとなる。 |
ビビンバ(Bibimbap) | ◆「ビビンバ」(Bibimbap)は、韓国の「混ぜご飯」の事。 ・ビビン…混ぜる事。 ・バ…ご飯。 ・ビビンバ…混ぜご飯。 |
三色ねじり棒 | ◆床屋さんのシンボルマークと云えば、「三色ねじり棒」の三色サインポール(例のくるくる回っているあれです)。では、3色の意味は? ・赤…動脈。 ・青…静脈。 ・白…包帯。 →その昔、床屋さんはお医者さんだった? |