※ 先達の言葉(名言・至言・格言・箴言(しんげん)・諺・アフォリズム(Aphorism))を集めてみました。それぞれ重みのある蘊蓄ばかりです。 ※
ことばの研究(NHK放送文化研究所) WEB歴史街道(PHP研究所) 名言大学(High Needs ハイニーズ)
《 ジャンプ 》 ⇒ 外国の作者 日本の作者 言 葉 熟 語 リーダー
○「人生というのは、誰かと比べる様なものではなく、自分で選ぶものだ」(韓流ドラマ「浪漫ドクター キム・サブ2」の第19話より)。
○「人は信頼された分だけ育ち、大事にされた分だけ成功し、認められた分だけ成長するものだ。自分が選んだ環境と考え方によって、まったく異なる結果を生み出す事が出来る」(韓流ドラマ「浪漫ドクター キム・サブ2」の第20話(最終話)より)。
○"It’s never too late to learn.":「学ぶのに遅すぎることはない」(池上彰ファンクラブニュースの最終便より)
外国の作者 | 言 葉 |
C・ニール・ストレイト (作家) |
・「全ての人は、自分の云う事に心から耳を傾けてくれる人を必要としている」 …人を動かすには、相手の「言い分」をじっくり聞く事である。 |
G・アラン・バーナード (アメリカのミッドパークの社長) |
・「優れたリーダーは、自分より優れた人材を常に近くに置いている。これこそがリーダーのリーダーたる所以である。自分より才能のある人材を雇い、登用する事を恐れてはならない。そう云う人材こそが、貴方を助け、組織を強化してくれるのだ」 …リーダーを育てる事は、組織の存続と云う意味でも死活問題である。 ※ミッドパーク…アメリカの農業用鉄鋼製品を中心とするメーカー。 |
W・T・パーカイザー (アメリカの宗教学名誉教授) |
・「信じるとは、それが真実だと思うだけではない。信じるとは、それが真実だと思い、それに従って行動する事だ」 ※W・T・パーカイザー…アメリカのポイント・ロマ大学の宗教学名誉教授。 |
W・アルトン・ジョーンズ (アメリカの石油会社の経営者) |
・「最も満足出来る結果を得るのは、必ずしも優秀で、一途な人間とは限らない。むしろ仲間の頭脳と才能を上手く組み合わせ、調整出来る人間である事が多い」 ※W・アルトン・ジョーンズ…アメリカの石油会社の経営者、テキサス州から東海岸までのパイプラインを完成させた。 |
アーテマス・ウォード (アメリカのユーモア作家) |
・「私は既に、二人の従兄弟(いとこ)を戦争に送った。次は妻の弟を犠牲にする番だ」[行動力] …何の努力もせず、お金の心配もなく、自分を犠牲にする必要のない場合に限り、何処にでも行き何でもすると云う人々が、この世には存在する。 ※アーテマス・ウォード…南北戦争時代のアメリカのユーモア作家。 |
アーネスト・ベッカー (文化人類学者) |
・人間性の基本的特質として「動物性」に注目し、人間は常に (1)「優越性を求め」勝つ側に付きたいと心から願い、 (2)「孤立を嫌い」つまり小グループが上手く機能すると生き生きし、 (3)「無力さを恐れて」少なくとも、自分は自分で左右したいと願う。 ※出典:『組織論Ⅱ』(著者:李 勝載)。 |
アーノルド・J・トインビー (イギリスの歴史家) |
・逆境に直面した人の反応には4種類ある。 ①過去に逃避する。 ②未来を夢想する。 ③自分の殻に閉じこもり、助けが来るのを待つ。 ④正面からぶつかり、危機を有益なものに変える。 ※アーノルド・J・トインビー…イギリスの歴史家、歴史学者。 |
アイザイア・バーリン (イギリスの哲学者) |
・著書『針鼠と狐』[『ハリネズミと狐-『戦争と平和』の歴史哲学』(岩波文庫、訳者:河合 秀和)]で世間には針鼠型の人間と狐型の人間がいる事を指摘している。 …これは古代ギリシャの寓話、「狐は沢山の事を知っているが、針鼠は唯一つ、肝心要の点を知っている」に基づいたものである。 ・狐は非常に賢い動物で、様々な策を考え、獲物を捕まえようとする。針鼠を捕まえる為に、巣の近くをうろうろしてチャンスをうかがう。巣から出てきた針鼠は狐の殺気を感じて、いつもの防御体勢をとる。つまり丸くなって狐の攻撃に備えるのである。この格好ではどこからも針が突き出しており、狐はいつもの様に襲い掛かる事が出来ない。狐はまた今日もダメだったと諦めて帰り乍らも、次の作戦を考えている。 …このシーンは日々形を変えて行われるが、狐が毎回周到に練った作戦で襲い掛かっても針鼠のとる防衛手段は「常に同じ」であり、「常に完璧」の防御手段である。 ・「狐型の人間」 …これを人間に当て嵌めると、狐型の人間はいくつもの目標を同時に追求し、複雑な世界を複雑なものとして理解しようとする。「力を分散させて幾つもの動きを起こしており」全体的な概念や統一のとれたビジョンを考えようとはしない。 ・「針鼠型の人間」 …これに対して針鼠型の人間は複雑な世界を一つの系統だった考え、基本原理、基本概念によって単純化し、これで全ての行動を纏め、全ての行動を決定している。世界がどれ程複雑であっても針鼠型の人間はあらゆる課題や難題を一つの単純な概念によって捉える。彼らにとって針鼠の概念に当て嵌らないものは注目するに値しない。 ※出典:日経ビジネス2012年11月26日号(参考)。 ※アイザイア・バーリン…イギリスの哲学者、オックスフォード大学の教授、ラトビア共和国(当時ロシア帝国の支配下だった)のリガ(首都)出身のユダヤ人。イザイア・バーリンとも。 |
アイザック・ニュートン (イングランドの自然哲学者) |
・「私が遠くを見る事が出来たのは、巨人達の肩に乗っていたからです」 …自分の功績は、先人の考えた理論があったからである。新しい考え方をする為には、古い考え方も学びリスペクト(respect)しなければならない。 ※リスペクト(respect)…尊敬する事。敬意を表す事。価値を認めて心服する事。 ・"If I have been able to see further, it was only because I stood on the shoulders of giants."(1676年2月15日、ロバート・フックへの手紙より) …科学における発見は一人の力によるものではなく、多くの先達の研究成果の積み重ねの上にまた一つ積み重ねたものである。 ※アイザック・ニュートン…イングランドの自然哲学者、数学者、神学者、ニュートン力学を確立した古典力学や近代物理学の祖。 |
アイゼンハワー (アメリカの第34代大統領) |
・「リーダーに相応しい最高の資質とは、一点の曇りもない品格である。それなしには、派閥であれ、フットボールチームであれ、軍隊であれ、会社であれ、真の成功は望めない。仲間から品性に欠ける奴だと思われたら、失敗は避けられないだろう。リーダーは、誰に対しても公正に教え、接しなければならない。それ故、品格と高い志が先ず必要になって来るのだ」 ※アイゼンハワー…アメリカの第34代大統領、アメリカの陸軍軍人、第二次世界大戦中のヨーロッパの連合軍最高司令官、ドワイト・デーヴィッド・アイゼンハワー。 |
アイルランドの諺 | ・「神様が扉(ドア)をお閉めになる時は、(神様は)必ずどこかの窓を開けておいてくださる」 …私達は例え、一つの事が不要、短所、不得意で、先には扉が閉じていると感じても、神様は必ず、別の扉を開かれて、私達の長所、得意分野、才能を生かす場所を与えてくださっている。 ・"When the lord closes a door, somewhere He opens a window." …「サウンド・オブ・ミュージック」(The Sound of Music)の名言(マリアの台詞)。 ※解説:マリアの快活さと優しさと家族愛、そして自然の美しさが、少年の心を捉えて放さなかった。幾多の困難を越えて、山越えをした時、その言葉の真の意味が全篇を貫いていた。ともすれば、何もかもが絶望に覆われて希望が見出せない時が人生にある。でも、そんな時こそ、周りを見てごらん。必ず、一条の光が射してあるはず!と漏らす。この短くも深いみ言葉を胸に秘めながら、これからを生きたいものだ。 |
アインシュタイン (ドイツ生まれの理論物理学者) |
・A=X+Y+Z:「成功」=「仕事」+「遊び」+「沈黙」 ・「必要なのは、知識よりも空想力だ」 ・"Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow. The important thing is not to stop questioning.":「過去から学び、今日の為に生き、未来に対して希望を持つ。大切な事は、何も疑問を持たない状態に陥らない事である」「昨日を糧に、明日に希望を持って、毎日を活き活きと過ごす。~」 ※アインシュタイン…ドイツ(ユダヤ系)生まれの理論物理学者、「特殊相対性理論」「一般相対性理論」等を提唱、20世紀最大の物理学者、「現代物理学の父」、光量子仮説に基づく光電効果の理論的解明によって1921年(当時の国籍はスイス)のノーベル物理学賞を受賞、アルベルト・アインシュタイン。 |
アダム・スミス (イギリスの経済学者) |
・「モノを交換し合う性質が人間の本能であって、その性質こそが職業が違う人の間でこれほど目立つ能力の違いを生み出している。この性質があるからこそ、各人の能力の違いが役立っている」 …多様性を人間の本質と捉えている。能力の差がある事こそが、交換するに値するモノを生み出す源泉である。 ・イングランド銀行を評して、「通常の銀行であるのみならず、国家を動かす一大エンジン」と述べている。 …イングランド銀行は、最初から中央銀行だった訳ではないが、国家と結び付く事により、「ポンドの番人」と云われる程の力を持つに到った。 ※出典:『国富論』(別名:『諸国民の富』、原題:『諸国民の富の性質と原因の研究』)、荒井 千暁(産業医)、日経ビジネス2010年1月25日号。 ※アダム・スミス…スコットランド生まれのイギリス(グレートブリテン王国)の経済学者、哲学者、「経済学の父」。 |
アブラハム・ヨシュア・ヘッシェル (ポーランド生まれの思想家) |
・「私は多くの知識を先生から学んだが、それよりも多くのものを同僚から学んだ。そして更に沢山のものを学生から学んだ」 ※アブラハム・ヨシュア・ヘッシェル…ユダヤ系の思想家、哲学者、ポーランドのワルシャワで代々ラビを輩出した家系に生まれ、1940年3月にアメリカ合衆国に亡命、ラビ・A・J・ヘシェル、Rabbi Abraham Joshua Heschel。 ※ラビ(Rabbi)…ユダヤ教に於いての宗教的指導者であり、学者でもある様な存在。 |
アメリカの諺 | ・"Where there is a will, there is a way."、"Where there's
a will, there's a way.":「意志のあるところに道はある」「意思あるところに道は開ける」 …意思さえしっかり持って取り組めば必ず方法が見つかり、ゴールに辿り着ける。 ※モハメッド・アリの自伝映画、「ALI」のサウンドトラックにR. Kellyの"Hold On"と云う曲があるが、その歌詞の中でこのフレーズが効果的に使われている。 ※類義語:"Anything is possible if you put your mind to it.":「精神一到何事か成らざらん」 ※類義語:"Nothing is impossible to a willing heart.":「意欲的な心を持つ人には不可能な事はない」 |
アラブの諺『ライオンと羊』より | ・"An army of sheep led by a lion would defeat an army of lions led
by a sheep.":「ライオン率いる羊の軍は、羊率いるライオンの軍に打ち勝つ」 ・"I am more afraid of an army of a hundred sheep led by a lion than an army of a hundred lions led by a sheep.":「ライオン率いる羊百匹の軍は、羊率いるライオン百頭の軍よりも恐ろしいものだ」 ※リーダーシップ論で、良く云われる『ライオンと羊』(Lion and Sheep)の話は、タレーラン(ナポレオンを打倒した、同時代の不倒翁の政治家)によって有名になった。 ※クラウゼビッツ(ドイツの軍略家、カール・フォン・クラウゼヴィッツ、生没:1780年~1831年)は、その名著『戦争論』の中で、「一頭のライオンが指揮する百頭の羊は、一頭の羊が指揮する百頭のライオンに勝つ」と云う名言を引用している。 |
アラブの古諺 | ・"It is the last straw that breaks the camel's back.":「例え、わら1本でも限度を越えたら、ラクダの背中を折る」 (注)日本の諺では、「堪忍袋の緒が切れる」と同じ。 ・顧客の満足度を量る数式:「100-1=0」 …たかが「1」されど「1」、「1」の持つ重みを意識する事。 (注)流通業の経験則…感動した1人の客は25人新しい客を連れて来る。逆に不満を持った1人の客はやはり25人の客を減らす。 |
アラン (フランスの哲学者) |
・「悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属する」 …厳しい局面では、誰しも悲観的な気持ちになる。だからこそ務めて楽観的に考え、困難を乗り越えていくことが必要であるという趣旨。 ・「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである。およそ成り行きにまかせる人間は、気分が滅入りがちなものだ」 …人は、落ち込んだり、暗くなったり、絶望と云った気分に襲われ易い生き物なのである。 ※出典『幸福論』(著者:アラン) ※アラン…フランスの哲学者、評論家、モラリスト、フランス帝国(フランス第二帝政)ノルマンディー・モルターニュ=オー=ペルシュ出身、本名:エミール=オーギュスト・シャルティエ。ペンネームのアランは、アラン・シャルティエ(フランス中世の詩人、作家)に由来する。 |
アラン・ケイ (アメリカのアップルの創設者) |
・「未来を予測する最良の方法は、それを発明する事である」 …1971年、パロアルト研究所の研究内容の将来予測を再三に亘って求めるゼロックス本社に対する回答。経営陣と開発陣の軋轢や見解の相違を端的に表している。 ・"The best way to predict the future is to invent it.":「未来を予測する最善の方法は、それを創造する事である」 ※アラン・ケイ…アメリカの計算機科学者、教育者、ジャズ演奏家、「パソコンの父」(パソコンの概念を構築しその到来を予言した人)、アップルの創設者の一人、1940年生まれ。 |
アラン・ラーキン (アメリカの時間管理論の生みの親) |
・「時間は人生そのものである。それは取り返しが出来ないし、置き換える事も出来ない」 ・「時間をムダに使う事は人生をムダにする事だ。時間をマスターする事は人生をマスターする事であり、それを最大限に活用する事になる」 ・「今の時間をどう使うのが一番良いだろう?と考える事と行動する事が一番大切な事である」 ※アラン・ラーキン…アメリカの時間管理論の生みの親、「時間管理の父」。 |
アラン・ロイ・マクギニス (モチベーション・スピーカー) |
・「この世に、自分以外の人間を助ける(他人の成功に手を貸す)事程、崇高な仕事はない」 …自分が手助けした人がどんどん大きくなって行く事程、素晴らしい事はない。 |
アリストテレス (古代ギリシャの哲学者) |
・「人間は生まれながらにしてソーシャル(Social)な生き物である」 …人と人の繋がりで生きて行くもの。 ・「批判とは、判断する気持ちの基準として示されるものだ」[コミュニケーション力] …「批判」とは、行為の美点と欠点とを公正に判断する事、美点と欠点に関する指摘である。 ※アリストテレス…古代ギリシアの哲学者、プラトンの弟子、「万学の祖」、アリストテレース。 |
アルバート・マレービアンの実験 (アメリカの心理学者) |
・心理学の「ノンバーバル・コミュニケーション」(Non-Verbal Communication、言葉以外の伝達)の実験から、人が他人から受け取る情報(感情や態度等)の割合は、次の様な結果となった。 …顔の表情=55%、声の質(高低)・大きさ・テンポ=38%、話す言葉の内容=7%。 ※アルバート・マレービアン…アメリカの心理学者、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の心理学名誉教授、アルバート・メラビアン。 |
アルフレッド・アーマンド・モンタパート (作家) |
・「大多数の人は障害に目を奪われ、目標を見出せる人は僅かだ。歴史を見れば、成功は後者のものであり、前者は忘却と云う名の褒賞を得るばかりである」 |
アルフレッド・テニスン (イギリスの詩人) |
・「古い秩序は時と共に新しいものに変化する。そして新しい秩序にその場を譲るのだ」(詩『アーサーの死』より) ※アルフレッド・テニスン…ヴィクトリア朝期(19世紀)のイギリスの詩人、初代テニスン男爵。 |
アンダーセン (アメリカのアーサー・アンダーセンの創立者) |
・「最高の人材を雇用し、最高の訓練を施し、最高のサービスを顧客に提供する」 …1913年の事務所開設以来、創立者のアンダーセンは、繰り返し、この言葉を云い続けていた。個人の能力を磨き、高める事で、最高のサービスが実現出来ると云う信念が脈々と生きていた。 ※アンダーセン…アーサー・アンダーセン(アメリカの大手会計事務所)の創立者。 |
アンディ・グローブ (アメリカのインテルの共同創業者・元会長) |
・「パラノイア(Paranoia)でなければ、ベンチャーは成功しない」 …ベンチャーが成功する為には、ある物事に執着し、常識外れの事でも平気でする挑戦心、偏執狂的な“狂”な程の思い入れ、徹底的なこだわりが大切であると云う事をパラノイアと云う言葉で表現した。 ※アンディ・グローブ…ハンガリー系アメリカ人の実業家、インテルの共同創業者・元会長、アンドルー・スティーヴン・グローヴ。 |
アンドレ・ジイド (フランスの作家) |
・「美しく死ぬのはさほど難しい事ではない。だが美しく歳をとる事は至難の業だ」 ※アンドレ・ジイド…フランスの作家、小説家、アンドレ・ポール・ギヨーム・ジッド。 |
アンブローズ・ビアス (アメリカの作家) |
・「金銭。それを手放す場合を別にすれば、いくら持っていても、何の利益ももたらさないと云う、結構なしろもの」 …お金は使う事によって、その価値を発揮するものである。 ※出典:『悪魔の辞典』(著者:アンブローズ・ビアス)。 ※アンブローズ・ビアス…アメリカの作家、ジャーナリスト、コラムニスト、A・ビアス。 |
イギリスの諺 | ・「人生の壮年期を迎えて得た友は生涯の宝になる」 ・「私は安い靴を買うほど裕福ではない」 …靴は安いものを履き潰しては買い換えるのではなく、良いものをこまめに手入れして長く使うのが本当のお洒落である。英国紳士のプライドを感じさせる、粋な一言である。だからこそ「お洒落は足元から」と云われる。 |
イスラエルの言葉 | ・"Friend brings friends."(フレンド・ブリングス・フレンズ):「友達が多くの友達を連れて来る」 …1人優秀な技術者を採用すれば、軍隊時代の人脈から優秀な友達を沢山連れて来て、強力なチームを作る事が出来る。軍隊での技術教育だけでなく、濃密な人間関係がイスラエルの強さに繋がっている。 ※出典:ラビブ・メラメド(米インテルの副社長、モバイル・ワイヤレス・グループ(MWG)で、米国等を含めて1,000人以上の技術者を率いている通信向けチップの開発責任者)、日経ビジネス2009年11月16日号。 |
イタリアの言葉 | ・「良い靴は履き主を良い場所へ連れて行ってくれる」(云い伝え) |
ヴィクトール・エミール・フランクル (オーストリアの精神医学者) |
・「Homo Patiens(苦悩する人間)の、価値の序列は、Homo faber(道具人)のそれより高い」 …苦悩する人間は、役につ立つ人間よりも高い所にいる。 ・「人は相当の苦悩にも耐える力を持っているが、意味の喪失には耐えられない」 …人は自分の人生に起こる出来事の意味を理解する事によって生きている。無論、一々の意味を常に考えている訳ではなく、意味を確信している故に理解が無意識化されている事もある。それが人にとっての生きる「力」になっている。だから、意味を確信出来ないと、人は絶望的になる。 ※ヴィクトール・エミール・フランクル…オーストリアの精神医学者、思想家、精神科医、心理学者、強制収容所に入れられた経験を持つ、V・E・フランクル。 |
ウィスタン・ヒュー・オーデン (イギリスの詩人) |
・"Leap before you look.":「見る前に跳べ」 …跳ぶ先を見て恐怖心の虜になり立ちすくんでいる人間。或いは先の先まで深読みして考え込んでしまう人間。そんな人間の背中を後ろからポンと押す時の台詞である。「見たら跳べないよ」と云う挑発の台詞でもある。 ※ウィスタン・ヒュー・オーデン…イギリス出身でアメリカに移住した詩人、20世紀最大の詩人の一人、W・H・オーデン。 |
ウィリアム・A・ウォード (アメリカの著述家) |
・激励された時の気持ちとして、「煽(おだ)てられれば、貴方を信じない。批判されれば、貴方を嫌いになる。無視されれば、貴方を許さない。勇気付けられれば、貴方の事を忘れない」 ・"The good teacher explains. The superior teacher demonstrates. The great teacher inspires."-William Arthur Ward:「良い教師は説明してくれ、優れた教師は実証してくれ、偉大な教師はインスピレーションを与えてくれる」 ・"If you can imagine it, you can achieve it; if you can dream it, you can become it."-William Arthur Ward:「想像出来れば、それを創る事が出来る。夢を見られれば、それに成る事が出来る」 …大切なのは、「イメージ」である。想像は創造に繋がり、夢は目標として生きる糧となる。 ※ウィリアム・A・ウォード…アメリカの著述家、学者、作家、牧師、教師、ウィリアム・アーサー・ウォード。 |
ウィリアム・E・ホール | ・「貴方は必ず成功する。もしそれを望み、そうしようとする意志を持ち、毎日毎日、その為に必要な努力を着実に積み重ねていくなら-」[計画力] |
ウィリアム・グラッドストーン (イギリスの政治家) |
・「賢い人間は、自分に向いていない仕事にはなるべく力を使わない。もっと賢い人間は、自分の得意分野を選んで、徹底的に最善を尽くす」 ※ウィリアム・グラッドストーン…ヴィクトリア朝期(19世紀)のイギリスの政治家、ウィリアム・ユーアート・グラッドストン。 |
ウィリアム・シェイクスピア (イギリスの劇作家) |
・「世の中には幸福も不幸もない。ただ考え方でどうにでもなるのだ」 ・"Happy, in that we are not over-happy;":「幸せ過ぎないのが唯一の幸せと云った所である」 (ハムレット 第二幕第二場 ギルデンスターンのセリフ) (中略) ・"There is nothing either good or bad,but thinking makes it so."(原文) (ハムレット 第二幕第二場 ハムレットのセリフ) …原文から分る様に、「幸福も不幸も」ではなく、「良いも悪いも」であるが。 ※ウィリアム・シェイクスピア…イギリスの劇作家、詩人、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物、ウィリアム・シェークスピア。 |
ウィリアム・ジェームズ (アメリカの心理学者) |
・「練習の為に、一日に少なくとも二つは“自分がやりたくない事”をやらなければならない」 ※ウィリアム・ジェームズ…アメリカの心理学者、哲学者、ウィリアム・ジェイムズ。 |
ウィリアム・ジェームズとカール・ランゲの説 | ・「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ」 ※カール・ランゲ…デンマーク、オランダの心理学者。 |
ウィリアム・ハーシー・デービス (『新約聖書』解釈の第一人者) |
《「品性」と「評判」》 ・評判は、「貴方のあるべき姿」であり、品性は、「あるがままの貴方」である。 ・評判は、写真である。品性は、顔である。 ・評判は、外側からやって来るが、品性は、内側から生まれて来る。 ・評判は、新しいグループの一員となる時にものを云い、品性は、立ち去る時に貴方に付いて来る。 ・評判は、一瞬で出来上がるが、品性は、一生を掛けて作り上げる。 ・評判は、一時間もあれば明らかになるが、品性は、一年経っても分からない。 ・評判は、キノコの様に生えて来るが、品性は、生涯続く。 ・評判によって、金持ちか、貧乏かが決まるが、品性によって、幸福か、不幸かが決まる ・評判は、貴方の墓石に刻まれる言葉だが、品性は、貴方が神の前にひれ伏す時、天使の口から出る言葉である。 ※出典:『求心力』(Becoming a Person of Influence)(著者:ジョン・C・マクスウェル、ジム・ドーナン、訳者:齋藤 孝)。 |
ウィリアム・バトラー・イェイツ (アイルランドの詩人) |
・「教育(Education)とは、バケツを満たす事(Filling a bucket)ではなく、火をつける事(Lighting a fire)である」 ※ウィリアム・バトラー・イェイツ…アイルランドの詩人、劇作家、W・B・イェイツ。 |
ウィリアム・ペン (アメリカの開拓者) |
・「理解出来ないからと云って、相手を蔑(さげす)んだり、敵視したりしてはならない」 ※ウィリアム・ペン…17世紀のアメリカの開拓者、フィラデルフィア市を建設しペンシルバニア州を整備した人物。 |
ウィルソン・ミズナー (アメリカの脚本家) |
・「良き聞き手は何処でも人気者で、いつの間にか色々な事を知っている」 …偉大な指導者と云われる人は、例外なく偉大な聞き手である。 ※ウィルソン・ミズナー…20世紀初頭のアメリカの脚本家、著述家、劇作家。 |
ウィンストン・チャーチル (イギリスの元首相) |
・「どんなに苦しくて不利な状況に追い込まれたとしても、絶対に屈服してはならない。絶望的な状況も前にしても、相手がどんなに強大であっても、絶対に屈服してはならない。絶対、絶対、絶対、絶対に屈服してはならな、絶対にだ」 …チャーチルは欠点だらけの人間だった。何回も挫折を味わい、辛酸を舐めた。政治的に孤立して世間から忘れられ、心に変調を来たした時期もあった。だが、チャーチルは決して諦めなかった。悲観に屈する事を自分に許さなかった。 ・"We make a living by what we get, we make a life by what we give.":「人は得るもので生計を立て、与えるもので人生を築く」 …英国では、慈善の精神に基づく公益的な活動が広く国民生活に浸透している。 ・「次の選挙を考えるのが政治屋。次の社会を考えるのがステーツマン」 ※ステーツマン…Statesman、政治家、特に優れた識見を持つ政治家。 ・「資源をもっと提供する事で、危機を無駄にする事無く、教訓を学ぶ事が出来る」 ・「民主主義は、最悪の政治形態である。これまで試みられて来たあらゆる政治形態を除けば、だが」 ※ウィンストン・チャーチル…第二次世界大戦時のイギリスの元首相、政治家、作家(1953年にノーベル文学賞を受賞)、「偉大な英国人」の一人。 |
ウォーレン・バフェット (アメリカの著名投資家) |
・「信用力は空気の様なものだ。自分の周りにある時は気付かない」 ※ウォーレン・バフェット…アメリカの著名投資家、世界第二の富豪、実業家、経営者、慈善家、「オマハの賢人」、バークシャー・ハサウェイ(世界最大の投資持株会社)のCEO。 |
ウォルト・ディズニー (アメリカのアニメーター) |
・世界には3種類の人間がいる。 ①最初は、「井戸に毒を入れる人」 …人のやる気をなくさせ、創造性に水を差し、出来もしない事ばかり云う人。 ②二番目は、「芝を刈る人」 …悪気はないのだが、自分の事しか頭にない。その為、自分の家の芝は綺麗に刈るが、人の家の芝刈りを手伝おうとはしない。 ③最後は、「人を育む人」 …彼らは積極的に人々の人生をより良いものにしようとする人だ。彼らは精神の高揚とひらめきを人々に与える。 ・夢をかなえる秘訣は、4つの「C」に集約される。それは、「Curiosity」(好奇心)「Confidence」(自信)「Courage」(勇気)、そして「Constancy」(継続)である。 ・"The special secret of making dreams come true can be summarized in four C's. They are Curiosity, Confidence, Courage, and Constancy." ※ウォルト・ディズニー(Walt Disney)…アメリカ合衆国・イリノイ州シカゴ生まれ(一族はアイルランドからの移民)のアニメーター、プロデューサー、映画監督、脚本家、声優、実業家、エンターテイナー。世界的に有名なアニメーションキャラクター「ミッキー・マウス」の生みの親。本名はウォルター・イライアス・ディズニー(Walter Elias Disney)。 |
ウォレン・ベニス (リーダーシップの権威)と バート・ナヌス (リーダーシップの専門家) |
・「リーダーのリーダーたる所以は、自分のスキルを展開、改善する力にある」 …人の能力を伸ばす手助けをしようと思うなら、先ず自分自身の能力を伸ばし、成長しなければならない。それが出来た時に初めて、メンターとして人の役に立てる。成長が止まっている人から「成長の仕方」は学べない。 ※ウォレン・ベニス…リーダーシップの権威、教育者、著作家、管理者、コンサルタント。 ※バート・ナヌス…リーダーシップの専門家、アメリカの南カリフオルニア大学の教授。 |
ウッドロー・ウィルソン (アメリカの第28代大統領) |
・「指導者の耳には国民の声が響かなければならない」 …聞く技術を磨けば、味方が増える。 ・「人間は夢によって成長する。偉大な人物は皆夢を持っている。大きな夢を持っていても、消えるに任せる人もいれば、育み、慈(いつく)しむ人もいる。夢の実現を心から望んでいる人の所には、必ず明るい光が差し込んで来る。例え辛くとも、夢を育てていこう」 …情熱は、夢を育み、慈しむ力の源である。 ※ウッドロー・ウィルソン…アメリカの第28代大統領、政治学者、トーマス・ウッドロウ・ウィルソン。 |
エウリピデス (ギリシャの劇詩人) |
・「人間の平等とか公平と云うものは、言葉としてあるだけで、実際には存在しない」 ※エウリピデス…ギリシャの劇詩人、古代アテナイの「三大悲劇詩人」の一人。 |
エーリヒ・フロム (ドイツ人の社会心理学の研究者) |
・「権威主義」 …組織において人事権、或いは「負の誘因」を有するトップ或いは大組織においては上位者が、下位者の「自由」を剥奪して、フロムの述べる「サド・マゾ的」関係におく事により、部下の「無関心圏」を拡大して専政へと向かう傾向であると述べる事が出来る。下位者も自ら「マゾ的」に、自由を放棄する事により、自主的な意思決定と云う重荷や、解雇・リストラ等の「負の誘因」から逃れ様とする。 ※出典:『組織論Ⅱ』(著者:李 勝載)。 ※エーリヒ・フロム…ユダヤ系ドイツ人の社会心理学、精神分析、哲学の研究者。 |
エズラ・ヴォーゲル (Ezra Feivel Vogel) (アメリカの社会学者) |
・大著『鄧 小平 現代中国の父』(『Deng Xiaoping and the Transformation of China』、2011年出版)で、第2次大戦後「雷の様な衝撃を日本の民衆に与えた外国の指導者が3人いた」と書いている。 …「彼らはたった一度の訪日で、各国に対する日本人のそれまでの見方を一変させた」と云う。 ①ロバート・ケネディ(ジョン・F・ケネディ(JFK)米大統領時代の司法長官) ②金 大中(韓国の元大統領) ③鄧 小平(中国の元主席) …中国で実権を握ると直ちに(1978年10月)来日し、滞在中、各界の指導者や一般市民、報道関係者等あらゆる階層の人々に会った。彼の行動、談話は逐一報道され、日中両国民は、平和な新たな時代が到来したことを実感した。彼は共同記者会見にも応じ、尖閣諸島の領有権についての質問に「この問題はわれわれの世代よりも賢い次の世代に解決を委(ゆだ)ねるべきだ」と答えた。 ※出典:日経ビジネス2013年12月9日号。 ※エズラ・ヴォーゲル…アメリカの社会学者、中国と日本を筆頭に東アジア関係の研究に従事、エズラ・F・ヴォーゲル、エズラ・ファイヴェル・ヴォーゲル(Ezra Feivel Vogel)、中国名:傳高儀(フーカオイー)、『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の著者(1979年出版、ベストセラー)。2000年にハーバード大学の社会学教授(名誉教授)を退職して以降、鄧 小平による中国の改革を研究を本格化。 |
エドガー・ワトソン・ハウ (アメリカの文筆家) |
・「次は自分の番だと分かっていれば、相手の話にも耳を貸そうと云う気になる」 …「人の話を聞いている程、暇じゃない」と云う態度の人が多過ぎる。 ※エドガー・ワトソン・ハウ…アメリカの文筆家、ジャーナリスト、作家、小説家。 |
エドマンド・バーグ (イギリスの思想家) |
・「寛大さは、あらゆるもの、あらゆる人に対して例外なく示されねばならない。もしそうでなければ、その寛大さには少しも価値がない」[コミュニケーション力] ※エドマンド・バーグ…18世紀のイギリスの思想家、政治家、哲学者。 |
エドワード・バンフィールド (アメリカの大学の教授) |
・「貧困とは、下級階層を主として未来への動機付けの欠如」 ※出典:『組織論Ⅱ』(著者:李 勝載)。 ※エドワード・バンフィールド…ハーバード大学の教授。 |
エルバート・ハバード (アメリカの教育家) |
・「もう問題はないと云う人は、試合放棄した人間だ」 …どんなに大きな成功を収めた人でも、常に次々と現れる困難に立ち向かっている。どんなに成功しても、チャレンジを続けている人に困難は付き物である。 ※エルバート・ハバード…アメリカの教育家、教育者、作家。 |
オーブリー・ダニエルズ (米ADIの創始者・会長) 一般社団法人 組織行動セーフティマネジメント協会 |
・「人間の行動は、確実に直ぐに起きる結果に大きな影響を受ける。それはポジティブな結果でも、ネガティブな結果でも同じである」 ・人間の行動に影響を与える結果は、タイプが「ポジティブ」(Positive、肯定的)か「ネガティブ」(Negative、否定的)か、タイミングが「即時」か「後」か、確率が「確実」か「不確実」かによって分類出来る。 (例1)中々禁煙出来ない人は、「たばこを吸うとすっきりし、気分転換になる」と云う、確実に直ぐに起きるポジティブな結果に影響を受けているからである。「たばこを吸い続けるとガンになるかも知れない」と云われても、その事象を直ぐに確実に起きるとは認識しないから、影響を受け難い。「ガンになるかも知れない」と云うネガティブな結果は、起きたとしても遠い先の事であり、しかも、必ず起きるとは限らない。 (例2)テーブルの上に美味しそうなチョコレートがあったとすると、食べると甘くて美味しいと云う結果が直ぐに手に入るので、つい食べてしまう。甘いモノを食べると太るかも知れないが、直ぐに太るわけではないし、必ず太るとも限らない。だからチョコレートを食べる行為を止める事が出来ない。 ※出典:日経ビジネス2012年4月2日号。 ※オーブリー・ダニエルズ…米ADI(Aubrey Daniels International)の創始者・会長、「行動科学」(Performance Management)を初めてビジネスに応用した世界的権威、「組織行動セーフティマネジメント」(BBS:Behavior based safety)の第一人者。 ※米ADI(Aubrey Daniels International)…「組織行動マネジメント」(OBM:Organizational Behavior Management)のコンサルティング会社。 |
オリバー・ウェンデル・ホームズ (アメリカの作家) |
・「話す事は自分の知識の範囲内での活動である。しかし聞く事は、新しい知識を得る為の活動である」[コミュニケーション力] ※オリバー・ウェンデル・ホームズ…アメリカの作家、詩人、医学者。 |
オリバー・ゴールドスミス (イギリスの劇作家) |
・「言葉ではなく、自分の生き方を示す事が、本当の説教である」[リーダーシップ] ※オリバー・ゴールドスミス…18世紀のイギリスの劇作家、詩人、小説家。 |
カーネギー (アメリカの鉄鋼王) |
・カーネギーには、人を理解しその人が何を大切にしているかが、分かる「不思議な力」が備わっていた。 …「相手が何を大切にしているか」に敏感になる事である。 ・「何でも自分一人でやろうとする人や、手柄を独り占めしようとする人は、偉大な指導者にはなれない」 …「生徒の準備が整えば、教師が現れる」と云われているが、逆もまた真なりである。 ・願望実現の6つの方法 ①自分が実現したいと思う願望を、明確にする事。 ②実現したいと望むものを得る代わりに、何を差し出すのか決める事。 ③願望を実現させる最終期限を決める事。 ④その為の詳細な計画を立てる事。 ⑤明確な願望、その為に支払う代償、最終期限、そして詳細な計画。それらを詳しく紙に書く事。 ⑥紙に書いたこの項目を、一日に二回、起床直後と就寝直前に大きな声で読む事。 ※カーネギー…アメリカの「鉄鋼王」、イギリス(スコットランド)生まれのアメリカの実業家、カーネギー鉄鋼会社(後にUSスチール)の創業者、慈善家、ナポレオン・ヒル博士(ナポレオン・ヒル・プログラムの創始者)にプログラム開発を発注した事でも有名、アンドリュー・カーネギー。 |
カール・マルクス (ドイツの哲学者) |
・「歴史は繰り返す。最初は悲劇、2度目は喜劇として」 ※カール・マルクス…ドイツの哲学者、思想家、20世紀において最も影響力があった思想家の一人、カール・ハインリヒ・マルクス。 |
・「歴史は繰り返す」 …過去に起こった事は、同じような経緯を辿って再びやって来るものだと云う事。 ※出典:クルティウス・ルフス(古代ローマの歴史家)の言葉「History repeats itself.」の訳語。 ・「歴史は繰り返す、最初は悲劇として、二度目は笑劇(茶番)として、過去の亡霊を呼び出し、その由緒ある衣装に身を包み、借りものの言葉を演じる」 ※出典:『ブリュメール18日』(著者:ルイ・ボナパルト…シャルル・マリ・ボナパルトの五男、ナポレオン・ボナパルト(革命期フランスの軍人、政治家)の弟)。 |
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カール・ベッカー (アメリカの宗教学者) |
・21世紀の世界が進む方向を、以下の様に指摘している。 ①自然支配から自然尊重 ②個人主義から相互依存 ③競争社会から協調社会 ④科学万能主義から“有機”全体の健康を考える …科学が発達すると、この世の事も、人間に関する事も、全てが科学によって解決される様な錯覚に陥る。しかし、一元的な考え方や思考には、やがて疑問が提出され、再考の余地が出て来る。 ※カール・ベッカー…アメリカの宗教学者、京都大学の教授。 |
カール・メニンガー (アメリカの精神科医) |
・「自分の話を聞いてくれる友達には引力があり、いつも近くにいたくなる」 …人間は例外なく、自分の話を聞いてくれる人に引き付けられる。 ※カール・メニンガー…アメリカの精神科医、心理学者。 |
カエサル (古代ローマの軍人) |
・「人間ならば誰でも現実の全てが見える訳けではない。多くの人は見たいと欲する現実しか見えない」 ・「一般の人は見たい現実しか見ない」 ※カエサル…シーザーの事、カサエルと誤記するケースが多い。 |
カルロス・ゴーン (日産自動車㈱の社長兼CEO) |
・「物事の成功のカギは、企画が5%で、残りの95%は実行である」 …95%のエネルギーを使わないといけない程、実行が難しい。そして、実行段階をフォローして行く重要なツールがコミュニケーションであり、これもやはり同様に難しい。 ※カルロス・ゴーン…ブラジル人の実業家、フランスのルノーの会長兼CEO、日産自動車㈱の社長兼CEO、カルロス・ゴーン・ビシャラ。 |
キケロ (古代ローマの政治家) |
・「汝は生きる為に食べるべきで、食べる為に生きるべきではない」 ※キケロ…紀元前1世紀・古代ローマの政治家、文筆家、哲学者、雄弁家、文人、マルクス・トゥッリウス・キケロ、英語読みではシセロ。執政官に選ばれ、カティリナの陰謀を暴露して「国父」の称号を得る。 →(参照)モリエール。 |
キルケゴール (デンマークの哲学者) |
・「絶望とは、人間の精神のみが掛かる『死に至る病』である」 ・「絶望とは、死に至る病である。自己の内なるこの病は、永遠に死ぬ事であり、死ぬべくして死ねない事である。それは死を死ぬ事である」 ・"Life can only be understood backwards, but it must be lived forwards.":「人生は後ろ向きにしか理解出来ないが、前を向いてしか生きられない」(~前向きにしか生きられない) …済んでしまった事を後から後悔しても取り返しがつかないので、事前に十分注意しなさいと云う教訓を意味する。 ※キルケゴール…デンマークの哲学者、宗教思想家、実存主義の創始者、セーレン・オービエ・キェルケゴール。 |
キング牧師 (アメリカの公民権運動の指導者) |
・「人間を測る究極的なものさしは、試練と批判にさらされた時にどう云う態度をとるかだ」 …様々な状況で相手がどんな言動をとるかを見ていけば、その人の性格的な欠点もあぶり出される。 ※キング牧師…アメリカ(アフリカ系アメリカ人)の公民権運動の指導者、活動家、プロテスタントバプティスト派の牧師、マーティン・ルーサー・キング牧師、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア。 |
クラウゼヴィッツ (プロイセン王国(現在のドイツ)の軍人) |
・「戦争とは、政治とは異なる手段による政治の継続である」 ※2023年1月11日(水)開催の「読売国際会議2022 1月フォーラムⅠ 【朝鮮半島危機と台湾有事-問われる抑止と対処】」において、防衛省防衛研究所防衛政策研究室長の高橋杉雄氏が紹介。 ・「戦争は、政治的手段とは異なる手段をもって継続される政治に他ならない」 ・「戦争は、政治におけるとは異なる手段をもってする政治の継続に他ならない」 ※出典:『戦争論』の第1篇第1章第24節(岩波文庫、訳者:篠田 英雄)…戦略論において『孫子』(中国の兵法書)と並んで有名な古典的名著。ナポレオン戦争以降の近代戦争を初めて体系的に研究したもので、士官学校の教科書やビジネスマンの愛読書となっている。 ・戦争は拡大された決闘に他ならない。 …理論上無限まで、暴力がエスカレートしていく。 ※クラウゼヴィッツ…ナポレオン戦争にプロイセン軍の将校として参加し、戦後は研究と著述に専念。死後の1832年に発表された『戦争論』で、戦略・戦闘・戦術の研究領域において重要な業績を示した。カール・フォン・クラウゼヴィッツ、生没:1780年7月1日~1831年11月16日。 |
クルト・レヴィン (アメリカの社会心理学者) |
・人の行動:“B=f(P×E)”で表す事が出来る。 B:Behavior(行動) f:Function(関数) P:Personality(個性・人格) E:Environment(環境) ※クルト・レヴィン…ユダヤ系ドイツ人のアメリカの社会心理学者、ゲシュタルト心理学(Gestalt Psychologie)を社会心理学に応用しトポロジー心理学(Topologie psychology)を提唱、クルト・レビン。 |
クレイトン・クリステンセン (アメリカの大学の教授) |
・「市場に破壊的イノベーションが登場した時、既存企業が取るべき選択肢の1つは、社内にイノベーションを起こす為の新規事業を立ち上げる、或いは破壊的イノベーションを取り組む」 ・「イノベーションのジレンマ」(Innovator's Dilemma) …優れた特色を持つ商品を売る巨大企業が、その特色を改良する事のみに目を奪われ、顧客の別の需要に目が届かず、その商品より劣るが新たな特色を持つ商品を売り出し始めた新興企業の前に力を失う理由を説明した企業経営の理論。 ※出典:『イノベーションのジレンマ-技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』(The Innovator's Dilemma:When New Technologies Cause Great Firms to Fail)。 ※クレイトン・クリステンセン…ハーバード大学の経営大学院(ハーバード・ビジネス・スクール)の教授、『イノベーションのジレンマ』の著者。 |
グレース・ホッパー (アメリカの海軍軍人、計算機科学者) |
・「もしそれが良い考えなら、思い切ってそれをしなさい。許可を貰うよりも、謝る方が簡単だから」 ・「講演の中でホッパーは、コンピュータ産業をいくつかの点で激しく非難した。プログラム言語でも、コンピュータの構造(アーキテクチャー)でも、データ構造でも、ネットワークでも、底には標準が欠けており、互換性がないためにハード、ソフトは打ち捨てられ、政府に年間数億ドルの出費を強いている。売り手のコンソーシアム、あるいは政府が標準を提供すべきで、たぶん、支配的な企業が提供をするべきではない、と彼女は言った」 …『コンピュータの英雄たち』(著者:ロバート・スレイター)からの引用。 ・「また彼女は、より大きなコンピュータはそれだけでより優れている、とする考えを非難した。たとえとして彼女はこう指摘した。農夫が、大きく重い石を動かさなくてはならなくなった。しかし彼の牛たちのどれ一頭として、単独ではその仕事ができるほど力強くない。この時、彼はより大きな牛を育てようとはしないだろう。彼は、牛をもう一頭加えるのである。同様に、大量のデータは、大きなマシンよりもマルチユーザーによって、よりよく扱えるのである。ホッパーは非常に多くの情報が処理されると、人々はその情報の質を吟味しないようになるという事実にも関心を寄せた」 …『コンピュータの英雄たち』(著者:ロバート・スレイター)からの引用。 ※グレース・ホッパー…アメリカの海軍軍人かつ計算機科学者、最終階級は准将、米海軍の伝説の女性准将。ハーバード マークⅠ(デジタル式コンピュータ)の最初のプログラマーの一人であり、プログラミング言語COBOL(COmmon Business Oriented Language、共通事務処理用言語)を開発。グレース・マレー・ホッパー (Grace Murray Hopper)、愛称はアメージング・グレース、COBOLの母。「バグ」(Bug、プログラムの不具合を指す用語)を初めて使った人物としても知られる。 …実際に1匹の昆虫(蛾)が計算機に入り込んで奇妙な誤動作が起きた為。 |
グレッグ・リズバーグ (アメリカの大学の医学部) |
・「みんな“肌が飢えて”いて、真剣に抱きしめて貰わないと健康にとって重要なものを失う事になる」[コミュニケーション力] …人は抱きしめられると血圧が下がったり、血中の酸素濃度が上がったりと、体にとって望ましい現象が起こる。 ※グレッグ・リズバーグ…アメリカ(シカゴ)のノースウェスタン大学の医学部。 |
ケインズ (イギリス生まれの経済学者) |
・「思想は、正しくても誤っていても、一般に考えられているよりもはるかに強力である。事実、世界を支配するのはそれ以外にない」 ※ケインズ…イギリス生まれの経済学者、ジャーナリスト、思想家、投資家、官僚、マクロ経済学を確立、ジョン・メイナード・ケインズ。 |
ゲーテ (ドイツの詩人) |
・「人は興味のある事しか聴いていない。そこで、本当に聴いて貰いたいと思ったら、それなりにこちらもへりくだったサービス精神と云うべきか、心の丈を伝える為の努力、誠意が必要。それが欠落していると、人間関係に歪みが出て来る」 ・「自分に出来る事、夢見られる事があれば、何でも始めよ。大胆に動けば才能も魔法も花開く」 ・「お金を失った人は、また稼げば良い。名誉を失った人は、一所懸命にやらなければ取り戻せない。勇気を失った人は、生まれてこなかった方が良かった人である」 ・「私の時間を短くするものは何か-活動! 私の時間を耐え難い程、長くするものは何か-怠惰!」 ・「誠実にあなたの時間を利用せよ! 何かを理解しようと思ったら遠くを探すな」 ・「1日の時間を有効に使いたかったら、どんな場合にも、朝目覚めたら直ぐに起きる事だ。寝床の中でぐずぐすしているのが一番良くない」 …有力経営者の朝が早いのには理由がある。脳が活性化した朝の大事な時間だからこそ、経営の舵取りを独りでじっくり考えるべきである。 ・「批判は有益のものだが、酷評された後の激励の言葉は、雨の後の太陽の様だ」 ・「相手を相手に相応しい様に接すれば、その人は堕落する。しかし相手を、実際にはそうではないが、理想的な人間として接すれば、その様な人間にする事が出来る」 ・「世の中には何一つ真面(まとも)な事を企てないが故に、過(あやま)つ事も全然ない人がいる」 …無難への安易な道を捨て、新しい何かを企てて過ちを犯すのがヒトでもある。 ※ゲーテ…ドイツの詩人、劇作家、小説家、科学者、哲学者、政治家、ゲーテの言葉には「時間」に触れたものが多い、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ。 |
ケン・ブランチャード (アメリカの経営コンサルタント) |
・4段階の問題解決法 ①問題を明らかにする。 ②問題解決の理論を構築する。 ③その理論を実行した時の結果を予測する。 ④全体を見ながら、使うべき方法を選ぶ。 ※ケン・ブランチャード…アメリカの経営コンサルタント、経営のエキスパート、行動心理学の大家、リーダーシップ、モチベーション、チェンジマネジメントの研究者、『1分間マネジャー』(The One Minute Manager、1982年)の共著者(スペンサー・ジョンソン)、ケネス・ブランチャード、ケネス・H・ブランチャード。 |
ゴーギャン (フランスの画家) |
・「芸術とは、剽窃(ひょうせつ)か、革命か、その何れかである」 ・「剽窃」(ひょうせつ) …他人の作品や論文・学説等を盗んで、自分のものとして発表する事。 ※ゴーギャン…フランスの画家、ポスト印象派の最も重要かつ独創的な画家の一人、ポール・ゴーギャン、ウジェーヌ・アンリ・ポール・ゴーギャン、ゴギャン、ゴーガン。 |
ゴーリキー (ロシアの作家) |
・「仕事が楽しみなら人生は極楽だ。仕事が義務なら人生は地獄だ」 …仕事を楽しいものにするには、仕事の面白さを知る事である。最初は義務だった仕事も、成功体験を重ねる事によって、その面白さが分かって来る。 ※ゴーリキー…ロシアの作家、社会主義レアリズムの手法の創始者、社会活動家、マクシム・ゴーリキー、本名:アレクセイ・マクシーモヴィチ・ペシコフ。 |
サミュエル・ウルマン (アメリカの実業家) |
・「青春とは、人生のある期間ではなく、心の持ち方を云う」 ・「青春とは、若き肉体の中にあるのではなく、若き精神の中にこそある」 ・「年を重ねただけで人は老いない。夢(理想)を失ったとき初めて老いる」 ・「年を重ねただけで人は老いない。理想を失うとき初めて老いる。歳月は皮膚にしわを増すが、熱情を失えば心はしぼむ」 …困難の時代に生きた著者・ウルマンは、80歳と云う人生の頂に立ち、来たるべき死を自覚しながらもなお、理想を追う事の大切さを歌い続けた。 ※出典:詩『青春』(YOUTH)、『青春とは、心の若さである』(著者:サミュエル・ウルマン、訳者:作山 宗久)。 |
・「草の一片さえも正しくしぼれば、香り高き美酒となり流れる」 …訳者・作山氏が、毎年の年賀状にウルマンの詩集の一節を掲げている。ウルマンの詩集は、年賀状を作る度に心の中で発酵を繰り返している。その詩集がつややかな皮袋に注ぎ込まれるのは嬉しいと云っている。 ※ダグラス・マッカーサー(連合国軍(GHQ)最高司令官)も座右の銘にしていた。 |
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※サミュエル・ウルマン…ユダヤ系ドイツ人のアメリカの実業家、詩人、教育者、80歳の記念に自費出版した『80歳の歳月の高見にて』(1920年)に収められた詩"YOUTH"(青春)は名高い。 | |
サミュエル・ジョンソン (イギリスの文学者) |
・「自信は偉大な仕事を成し遂げる為の第一の必要条件である」 …自信は、仕事、学業、人間関係等、人生のあらゆる場面で力を発揮する。 ※サミュエル・ジョンソン…18世紀のイギリス(イングランド)の文学者、「英語辞典」(1755年)の編集、シェイクスピアの研究で有名。 |
サミュエル・スマイルズ (イギリス生まれの作家) |
・「天は自ら助くる者を助く」 …他力本願でない自助努力の必要性を説いたもの。 ※サミュエル・スマイルズ…イギリス(スコットランド)生まれの作家、著述家、医者、『自助論』(1858年)の著者(日本訳は『西国立志編』(訳者:中村 正直)、1870年)。 |
・「国家とか国民は、自分達が輝かしい民族に属すると云う感情により力強く支えられるものである」 …祖国への誇りを持って初めて、先祖の築いた偉大なる文明を承継する事が出来、奥深い自信を持つ事が出来、堂々と生きる事が出来るのである。 ・「歴史を振り返ると、国家が苦境に立たされた時代こそ、最も実り多い時代だった。それを乗り越えて初めて、国家は更なる高みに到達するからである」 …苦境に立った時にこそ、覚醒と奮起が求められる。 ※出典:「Character」 by Samuel Smiles,1871。 ※出典:『日本人の誇り』(著者:藤原 正彦、『国家の品格』から6年)、2011/06/27(月)。 |
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サミュエル・ハンチントン (アメリカの政治学者) |
・「真に希望のない社会とは、革命の脅威にさらされた社会ではなく、革命を実行出来ない社会である」 ※サミュエル・ハンチントン…アメリカの政治学者、サミュエル・フィリップス・ハンティントン。 |
シーザー (古代ローマの軍人) |
・「来た、見た、勝った」 …ローマ帝国樹立に向けた版図(はんと)拡大の中で、シーザーがトルコ辺りまで遠征した際、戦地からローマに書き送った戦況報告の書き出しに出て来る言葉。ローマ進撃から2年後に発せられたもの。 ・「賽(さい)は投げられた」 …ここ(注:ルビコン川)を超えれば人間世界の悲惨(注:ローマ人同士の内乱)。超えなければ我が破滅。さあ進もう。神々の示現と卑劣な政敵が呼んでいる方へ。 (注)「賽」…博打で使うサイコロの語源。 (注)何れの言葉にも、向かうところ必ず勝つと云う常勝将軍の自信と勢いの様なものが満ち溢れている。勝つ人間、勝つ組織は必ず勝てる場所に立っている。即ち「戦う場所」が鍵である。 ※シーザー…古代ローマの軍人、政治家、不滅の英雄、ジュリアス・シーザー、ガイウス・ユリウス・カエサル。 ※"CAESAR"…英語読みのカナ表記:シーザー(CAE-SAR)、ラテン語読みのカナ表記:カエサル(CA-E-SA-R)。 |
シェイクスピア (イギリスの劇作家) |
・「自分に適した流れが生じた時は、素早くそれに乗らなくてはならない。さもないと、みすみす大きな可能性を逃してしまう」[決断力] ・「犬でも職権を与えられれば、人はこれに従う」(『リア王』より) …この世においては、尊敬や心服によって人を動かすより、権限や力や立場で人を動かしている事の方が多い。 ・「人はみな泣きながら生まれて来るのだ」(『リア王』より) …オギャアオギャアと云う、あの赤ん坊の元気な産声は、誕生の「嬉(よろこ)びの声」ではなく、「悲しみと不安の叫び声なのだ」と云うもの。 ※シェイクスピア…イギリス(イングランド)の劇作家、詩人、俳優、エリザベス朝演劇の代表的な英文学の作家、ウィリアム・シェイクスピア。 |
ジェームズ・C・コリンズ (アメリカの経営学者) |
◆ビジョナリー・カンパニーとは、「時代を超えて際立った存在であり続ける企業」。 …時の試練に耐え得る「基本理念」を持つ企業こそが、卓越した存在になる。 ※出典:『ビジョナリー・カンパニー』。 ◆企業衰退の五段階 …偉大な企業と云えども、経営の歯車が狂えば、いとも簡単に衰退の坂道を転がり落ちてしまう。 ①成功から生まれる傲慢。 ②規律なき拡大路線。 ③リスクと問題の否認。 ④一発逆転策の追求。 ⑤屈服と凡庸な企業への転落か消滅。 ※出典:『ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階』。 ◆衰退に抗うためのコリンズ五訓(不沈企業への五訓) ・衰退の落とし穴に嵌り込まない為に。企業経営者が肝に銘じておくべき鉄則。 …どんな企業も没落し得る。だが逆に、一度は没落の憂き目を見ても再び浮上する事は出来る。一歩一歩慎重に進めば衰退への落とし穴を避ける事も可能である。 ・重要なのは、決して変えないものと、思い切って変えていくものを明確に区別して併せ持つ事である。コア(中心核)となるものをがっちり守る頑固さと、変化を果敢に起こしていく柔軟さがある。換言すれば、「価値」と「実践の方法論」を切り離して個別に向き合う事に他ならない。日本的なるものの内、文化や歴史に根ざした価値(日本的価値観)の部分は決して変えない。しかし、実践の方法論については世界中からありとあらゆるもの学び、試し、取り入れる。 ①成功を疑い、成功を恐れよ。自らの成功を徹底的に疑って掛かる。 …成功とは、「知恵と努力」に「幸運と偶然」が加わってもたらされるものである。しかし、成功者は幸運と偶然と云う要素をついつい見落として、自分達の力だけで勝ち抜いたと錯覚しがちである。物事がトントン拍子で進んでいる時や凄まじいスピードで事業が拡大している時こそ、成功を疑い、成功を恐れ、成功を割り引いて考える謙虚さが必要である。「何をしたか」ではなく、「何故、そうなったのか」と云う質問を何度も何度も繰り返す。 ②一発逆転を狙うな。一発逆転型の経営者はいらない。 …問題は、衰退の危機に瀕している時に、一発逆転を狙った特効薬が効く事はないし、そもそもそんな特効薬は存在しないと云う事実である。左前になった企業が急ごしらえの救世主に救われる事も滅多にない。経営者にとっての最終試験は、自分自身を超える優秀な後継者を選ぶ事である。 ③残酷な現実を直視せよ。残酷で困難な現実から目を逸らさずに直視する。 …悪い情報を無視したり、小さく見せたり、捻じ曲げて解釈したりすると、衰退の勢いを更に加速させてしまう。そして、そんな厳しい時にこそ、幹部や社員と十分な対話を重ねていくべきである。例えば、米インテルには「Disagree and Commit」(徹底的な議論の後には一致団結して前進する)と云うルールがある。社内に、健全な激論が出来る雰囲気を絶対に残すべきである。それは経営トップの責任である。 ④答えはいつも「社内」にある。 …企業の競争力の基盤になるのは、試行錯誤の末に築かれた小さな成功の積み重ねだけである。社外に目を向けて未知の何かを探す前にやる事は山ほどある。答えはいつも社内にある。 ⑤絶対に屈服するな。 …絶対に諦めてはならない。屈服してはならない。理念を失ってはなない。 →ウィンストン・チャーチル(イギリスの元首相)の項目を参照。 ※出典:日経ビジネス2010年10月4日号。 |
ジェームズ・オッペンハイム (アメリカの詩人) |
・愚かな人間は、幸せを遠くまで探しに行く。しかし賢い人間は、それを足元で育て様とする。[コミュニケーション力] ※ジェームズ・オッペンハイム…アメリカの詩人、小説家、ジェイムズ・オッペンハイム。 |
ジェームス・ジョセフ・シルベスター (19世紀のイギリスの数学者) |
・"Music is the mathematics of sense, mathematics is the music of reason.":「音楽は感覚の数学であり、数学は理性の音楽である」 …音楽の分野では、数学の知識が様々に使われている。古代ギリシャのピタゴラスから始まったと云われる西洋音階の歴史であるが、複数音が美しく響き合うと云う「純正律」、そして、クラシック音楽を発展させた「平均律」にも数学が使われている。 ※出典:『菊川 怜の数学生活のススメ』(For Beautiful Mathematics Life、著者:菊川 怜、Presented by Rei Kikukawa)。 |
ジェームズ・ダイソン (英ダイソン社創業者・チーフエンジニア) |
・モノ作りで富を築く2つの鉄則と哲学("It's my principle.":「それが私の原理原則だ」) ①「真似されない世界で唯一の製品を作る」 ②「自分で作った製品は自分で売る」→「製品を作り、売る会社を、完全に掌握する」 ③「最も重要なのは、新しいモノ、より良いモノを作り続けると云う哲学、それを失うと、会計士やビジネスマンに会社を乗っ取られる」 …この哲学が、有名なサイクロン掃除機の事業を成功させ、英誌によれば、15億ポンド(約2,000億円)もの富をダイソンにもたらした。彼はいかなる場面でも、決してこの哲学を曲げなかった。 ※出典:日経ビジネス2011年7月18日号。 |
ジェフリー・ガベリーノ (水泳の金メダリスト) |
・「競争とは、常に自分の出した記録と、やれば出せる筈の記録との戦いである」 …これから貴方が導こう、育て様と考えている人を見て、その人には何が出来るか、きちんと見極める事が大切である。 |
シェルダン・コップ (心理学者) |
・「全ての重要な戦いは自分自身との戦いである」 …人を導くには、その前提として自律出来た人間である。 ※シェルダン・コップ…心理学者、『自分を愛する生き方―どんな人生でも自己実現できる』の著者。 |
ジグ・ジグラー (全米№1のセールス・モティベーター) |
・「やらなければならない時にやるべき事をやっていれば、やりたい時にやりたい事が出来る日がやって来る」 ・「人間は与えられた時間を人生に捧げ、それに見合う報酬を受け取る」[計画力] …目的を達成する為に与えられた時間を有効に使わなければならない。 ・「人はよく時間がないと文句を云うが、本当の問題は計画性のなさなのだ。時間は貴方の敵にも味方にもなる。どちらになるかは、貴方の目標の立て方や、利用次第なのだ」[計画力] ・「人は目標を達成出来る様に設計され、成功する様に創造されている。人はその為の偉大な可能性を秘めている」 ※出典:『ジグ・シグラー(Zig Ziglar)に学ぶ5つの脳力! 30日基本講座』(30-Day Basic Lecture on Improving 5 Important Abilities)[発行所:㈱エス・エス・アイ、2006年11月11日:初版発行、2008年1月:入手]。 ※ジグ・シグラー(Zig Ziglar)…全米№1のセールス・モティベーター、アメリカのモティベーション・スピーチの第一人者、アメリカの自己啓発書の著者、1926年生まれ。 |
シャーロック・ホームズ (架空の名探偵) |
・「全ての不可能な事を除去した後に残った答えは、それが如何に有り得なさそうに見えても、結局は正しい答えである」(『白面の兵士』より) ・「不可能な事柄を消去していくと、よしんば如何に有り得そうになくても、残ったものこそが真実である、とそう仮定する所から推理は出発する」 ※シャーロック・ホームズ…小説家アーサー・コナン・ドイルが19世紀から20世紀に掛けて発表した推理小説『シャーロック・ホームズシリーズ』の主人公で架空の名探偵。 ※『白面の兵士』(はくめんのへいし、The Adventure of the Blanched Soldier)…『シャーロック・ホームズシリーズ』(シャーロック・ホームズの事件簿)の短編小説(ゴドフリー・エムズワーズ失踪事件)。「ストランド・マガジン」1926年11月号、「リバティ・マガジン」1926年10月26日号初出。 ※『「通貨」を知れば、世界が読める』(著者:浜 矩子)、2011/12/13(火)。 |
ジャック・ウェルチ (アメリカの実業家) |
・「大事なのは戦略・戦術ではなく、「誠実」である」(『わが経営』より) ・「業界地位が1位か2位でなければ、撤退か売却する」 …1981年~1984年で117事業を整理、分解、売却し、それに匹敵する数の事業をM&A(Mergers and Acquisitions、合併と買収)。 ・「世界でベスト3に入らない事業は継続しない」(1988年頃の言葉) ※ジャック・ウェルチ…アメリカの実業家、ゼネラル・エレクトリック(GE)の前会長兼CEO、「伝説の経営者」、ジョン・フランシス・“ジャック”・ウェルチ・ジュニア。 |
・「GEには強い事業しかいらない」 …1980年代、リストラに着手。8万人を削減し「ニュートロン(中性子爆弾)ジャック」と揶揄された。 ・危機を超える為の「4つの経営行動」 ①会社の整頓 …危機に照らして業務を整理する事。全世界でオペレーションの見直しを行う。外国勢と戦えるコスト構造になっているか確認が必要。かつて日産自動車のカルロス・ゴーン社長が行った施策。生き残りの為に最初にすべき術。 ②優秀な社員の総点検 …今は全ての社員に昇給をする時ではない。優秀な社員に働き易さを与えるのが大切。ライバルに引き抜かれない様に注意すべき。 ③過剰な程のコミュニケーション …兎に角繰り返し、社員に話し掛ける。今こそ経営者には説明責任が求められる。 ④買収 …景気後退期は競合に攻め入る時。相手が優良なら、直ぐに買収に動くべき。買収が無理でも、優秀な社員を引き抜く事は出来る。貴方がやらなければ、ライバルが実行すると肝に銘じるべき。 ※出典:日経ビジネス2008年11月17日号。 |
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ジャン・カルロ・メノッティ (アメリカのオペラ作曲家) |
・「地獄とは、成し遂げられる筈だったのに成し遂げられなかった事や、浪費された才能や、やっぱりあの時こうしておけば良かったと云う事を、まざまざと見せつけられる事だ」 …折角の才能が花開く事なく終ってしまう事程、悲惨な事はない。 ※ジャン・カルロ・メノッティ…イタリア生まれのアメリカのオペラ作曲家、脚本作家。 |
ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ (フランスの詩人) |
・「人間の魂に一度火が付けば、不可能は消えてなくなる」 ※ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ…17世紀のフランスの詩人、イソップ寓話を基にしたにした寓話詩(Fables、1668年)で有名(「北風と太陽」「金のタマゴを産むめんどり」等)。 |
ジャン・ポール・ゲティ (アメリカの石油王) |
・「知識と経験が豊富な管理職でも、人を上手く使って結果を出せなければ、管理職としての価値はない」 …仕事の責任を上手く分け与える力があれば、個人的な成功とチーム全体の成功が同時に手に入れられる。簡単に云えば、自分の資産・資源を“投資”のつもりで誰かに分け与える様なものである。 ※ジャン・ポール・ゲティ…アメリカの「石油王」、実業家、J・ポール・ゲティ。 |
シュバイツァー (フランスの神学者) |
・「成功したいなら、人生に退屈したり疲れていたりする場合ではない」 …常に学び、能力を伸ばす事を人生の目的としていれば、人生に「退屈し、疲れる」事はない。何時でもエネルギーに満ち溢れ、何をするにも、より良いやり方はないかと考える。 ※シュバイツァー…ドイツ生まれのフランスの神学者、哲学者、医者、オルガニスト、音楽学者、アルベルト・シュバイツァー、アルバート・シュバイツァー。 |
シュンペーター (オーストリア生まれの経済学者) |
・資本主義経済の本質は、「創造的破壊」である。 ・『経済発展の理論』(Theorie der wirtschaftlichen Entwicklung、1912年著)におけるイノベーション(Innovation)と経済発展について (1)経済の発展とは、「経済が自分自身の中から生み出す経済生活の循環の変化の事であり、外部からの衝撃によって動かされた経済の変化ではなく、『自分自身に委ねられた』経済に起こる変化とのみ解すべきである」と定義する。そして、「新結合」(=イノベーション、Innovation)が非連続的に現れる事が出来る時にのみ、発展が実現すると主張する。 (2)「新結合」の遂行とは、次の5つの場合である。『資本主義・社会主義・民主主義』(Capitalism, Socialism and Democracy、1942年著)では、「新結合」の遂行を「創造的破壊」と呼び、「この過程こそが、資本主義の本質的事実である」としている。 ①新しい財貨の生産:即ち消費者の間で未だ知られていない財貨、或いは新しい品質の財貨の生産。 ②新しい生産方法の導入:これは決して科学的な新しい発見に基づく必要はなく、商品の商業的取り扱いに関する新しい方法を含んでいる。 ③新しい販路・市場の開拓。 ④原料或いは半製品の新しい供給源の獲得。 ⑤新しい組織の実現:独占的地位の形成あるいは独占の打破。 ※出典:日経ビジネス2013年11月11日号。 企業家精神-シュンペーター『経済発展の理論』 やさしい経済学~名著と現代 シュンペーター「経済発展の理論」 シュンペーター『経済発展の理論』 ※シュンペーター…オーストリア生まれの経済学者、企業者の行う不断のイノベーション(革新)が経済を変動させると云う理論を構築、ヨーゼフ・シュンペーター、ヨーゼフ・アーロイス・シュンペーター、ケインズと並ぶ20世紀の大経済学者。 |
ジョー・サバ (講演家) |
・「スタート地点で一流である必要はないけれど、一流になる為にはスタートしなければならない」[行動力] …目標が何であれ、努力している人みんなに当てはまる言葉。人生の方向性を変えるのは簡単ではない。しかし、未来を選ぶのは、貴方自身である。 ※ジョー・サバ…講演家、ジグ・ジグラーの友人。 |
ジョージ・W・ブラウント | ・「何かなすべき事があると云うなら、無駄なおゃべり等止めて、今直ぐに行動すべきである。おしゃべりならば、貴方がそれをなし終えた後で、貴方の友人や貴方の敵が、貴方の代わりに十分してくれる」[行動力] |
ジョージ・クレーン (実業家) |
・「将来性のある仕事等ない。将来性の有無はその仕事をする人にある」 …人を伸ばしてやれば、その人の将来はより明るいものになる。 |
ジョージ・マシュー・アダムズ | ・「自信を持つ事は、貴方の人生で何よりも大切だ。収入よりも、家よりも、社会的地位よりも、他人が貴方の事をどう思っているかよりも」 …人間としての器量の大きさや問題に立ち向かう態度の方が、問題の大きさよりも大切である。 |
ジョージ・マロリー (イギリスの登山家) |
・"Because it is there.":「そこに山があるから登る」 …「何故、貴方はエベレストを目指すのか」と問われて答えた言葉。 ※ジョージ・マロリー…20世紀の初頭に活躍したイギリスの登山家。 |
ジョージ・ワシントン (アメリカの初代大統領) |
・「自分を誰よりも高く評価してくれる人に反論出来るだけの徳を備えた人物は少ない」 ※ジョージ・ワシントン…アメリカの初代大統領、政治家、「建国の父」。 |
ジョシュア・グリーン (アメリカの道徳哲学者) |
・「深遠な実用主義」(deep pragmatism) …価値観の違う集団が折り合いを付けていく為には、「共通通貨」を見つける必要がある。 ※ジョシュア・グリーン…アメリカの道徳哲学者、ハーバード大学の心理学科教授、『モラル・トライブズ』の著者。 |
ジョセフ・F・ニュートン | ・「人間が孤独なのは、橋ではなく壁を作ってしまうからだ」 …より堅固且つ永続的な関係を作る。つまり相手との間に“橋”を掛けるには、「共通の経験」を持つ事である。 |
ジョセフ・アディソン (イギリスのエッセイスト) |
・「自分の行動で名を挙げていない人が他人の業績を批判するのは、馬鹿げた事だ」[コミュニケーション力] …批判で大切なのは、「行動」そのものを批判し、行動した人の「人格」は批判しない事である。批判の対象は決して個人の「人格」ではないと云う事を相手に理解させ、同時に自分自身も十分に自覚しておく必要がある。解消すべきは「人格」でなく、「問題」である。 ※ジョセフ・アディソン…イギリス(イングランド)のエッセイスト、作家、詩人、随筆家、文筆家、政治家。 |
ジョセフ・コンラッド (イギリスの小説家) |
・「国を選ぶか、友を選ぶか」と云うギリギリの選択に迫られた時は、「迷わず友を選べ」と云った。 ※ジョゼフ・コンラッド…ポーランド生まれのイギリスの小説家、海洋文学で有名、ジョウゼフ・コンラッド。 |
ジョセフ・シュガーマン (全米№1のセールス・ライター) |
・「率直で、正直な行いこそが、より大きな成功への原動力になる。嘘をつくと、例えたわいのない嘘であっても、失敗に向かって突き進む事になる」 …どんな状況でも、品格ある行動をとる習慣が身に付けば、後は成長と才能の開花を待つばかりである。 ※ジョセフ・シュガーマン…全米№1のセールス・ライター、アメリカのマーケッター、アメリカのダイレクト・マーケティングの世界で大きな成功を収めた。 |
ジョン・C・マクスウェル (アメリカのリーダーシップ論の権威) |
◆リーダーシップとは、高い倫理観、誠実さを証明しながら発揮すべきものである。 ◆影響力と求心力のある人、人を動かす人になる為に必要な清廉な資質 ①言動に「一貫性」を持たせる。 ②「誠意あるコミュニケーション」に心を砕く。 ③「率直・誠実」である。 ④「謙虚」である。 ⑤人に「助けの手」を差し伸べる。 ⑥「約束」を守る。 ⑦「利他の心」を忘れない。 ◆人格を磨く為の方法(有事にあって迷わない「3つの習慣」) ①“原理原則”に従って決断を下せ。 …「明確且つ意識的な決断」を下せる様になる事が、人間性や品格を磨く第一歩である。 ②自分を“安売り”するな。 ③「やりたい事」より「やるべき事」をやれ。 ◆人が最も影響を受ける相手とは、「自分を最大限に評価してくれる人」である。 ◆「人の話を聞き、理解する」為のガイドライン ①感情と理性のバランスを取りながら聞く。 ②理解しようと思って聞く。 ③メッセージそのものと、その裏に隠されたメッセージの両方を聞く。 ④言葉の内容とそれに込められた気持ちを聞く。 ⑤目で聞く-理解が深まる筈。 ⑥話している本人だけでなく、第三者の利害関係を考えながら聞く。 ⑦言っている事を聞く。言っていない事を聞いてはいけない。 ⑧思いやりを持って、相手を受け入れる気持ちで聞く。 ⑨話し手が恐れ、苦しんでいる所は何処かを聞く。 ⑩「自分ならこう云う風に聞いて欲しい」と云う感じで聞く。 ◆人間関係は、「最大の資産」であると同時に、「最大の負債」でもある。 …大切なのは、例え何があっても、人に対する思いやりを忘れない事である。 ◆リーダーへの11の逆説的戒め ①人間は非論理的、非理性的、自己中心的なものだ-それでも人を思いやれ。 ②良い行いをしても、動機が不純だと云って責められる-それでも良い行ないをせよ。 ③成功すれば、上辺だけの友人と本当の敵が出来る-それでも成功せよ。 ④今日の善行は明日には忘れ去られる-それでも善行をせよ。 ⑤正直で、率直な人は傷つき易い-それでも正直で、率直であれ。 ⑥大きな事を考える大人物でも、つまらない事しか考えない取るに足りない人間に打ち負かされる事がある-それでも大きな事を考えよ。 ⑦人間は弱者に同情するが、強者について行こうとする-それでも弱者の為に戦え。 ⑧何年も掛けて築き上げたものが、一夜にして崩れ去る事がある-それでも築き続けよ。 ⑨助けを必要としている人を助け様とすると反発される事がある-それでも助けよ。 ⑩貴方の持てる最高のものを社会に提供すると、酷い目に遭わされる事がある-それでも貴方の持てる最高のものを社会に提供せよ。 ⑪もっと上があるならば、適当な所で満足してはいけない。 ◆メンター(Mentor:助言者、相談者、後見人)とは、ギリシャの詩人ホメロスの書いた叙事詩『オデュッセイア』に登場する老賢人「メントル」に由来する言葉。 (注)「メントル」…ギリシャ神話で、トロイ戦争に出陣するオデュッセウスが、我が子の教育を託した名教師の名。 ◆良きメンターは、「可能性」を「実現」へと導き、「ただの夢」を「必然の運命」に変えるチャンスを与える。 ◆優秀なメンターは、助言する相手の成長を促し、長所を伸ばそうとする。 ◆メンタリングの4つの方法 ①人を伸ばす。 ②壁にぶち当たった時の道案内になる。 ③絆を深める。 ④潜在能力を引き出す。 ◆メンターの役割とは、一時的に元気の出るカンフル剤を打つ事でも、その場しのぎのテクニックを教える事でもない。本当の意味で使える知識や経験を積み重ね、学習し、成長する力を磨かせる。能力が伸びれば、チャンスに恵まれた時、それを最大限に利用出来る。成長が成長を呼ぶ“幸運のスパイラル”が生まれる。 ◆メンタリングは、「する側」と「される側」が目的意識を共有し、100%の努力をしなければ、効果は上がらない。人との絆を築く事は、メンタリングの大切な役割の一つである。 ◆「成長のプロセス」:生い立ちや目標に関係なく、 ①生きる姿勢、態度 ②人間関係 ③リーダーシップ ④専門的スキル の4つ領域での進歩を目指す事である。 ◆人間は「夢」によって生かされている。 …現状に満足していない人や、やる気をなくしている人は、明確なヴィジョンを持っていない事が多い。夢を葬る事は自分自身を葬る事である。 ◆フィール-フェルト-ファウンド(Feel-Felt-Found) ・最初は、相手が感じている(フィール)事を感じ取り、「そんな感情を抱くのは最もだ」と認める。貴方自身も過去に同じ様に感じた(フェルト)経験があれば、その事を相手にも伝える。最後に、貴方が経験によって見つけた(ファウンド)、そうした感情への対処方法を伝える様にする。 …何時も相手との共通点を見つける様に心掛けていれば、どんな人とでも話が弾む上に、相手の素の姿を知る事が出来る。 ◆リーダーシップとは、将来その人が自発的に貴方と共に新しい事に挑み、偉業を成し遂げたいと考えられる様、今目の前にいる人を育てる事である。 ◆責任と権限を委譲する時の「7つの注意点」(権限委譲のプロセス) ①「能力」を正確に見極める。 …「必要な知識」を身に付けているか。「実践で役立つスキル」を身に付けているか。成功したいと云う「願望」があるか。 ②「何を期待しているか」を明確に伝え、“手本”を見せる。 ③成功への“パスポート”を渡す。 …心の底から相手の成功を期待する。「君ならやれる」と成功を予言する。相手の“いい所”を兎に角褒める。 ④問題を解決し、難問に挑む“チャンス”を与える。 ⑤公然と「後ろ盾」になる。 ⑥仕事の結果は“建設的に総括”させる。 ⑦大役を与え“自由に”行動させる。 ◆後進が次々と育つ「3つの行動指針」 ①リーダーとしての“資質”を磨き続ける。 ②手柄を“独り占め”するな。 ③「自分本位」ではなく「チーム本位」で行く。 ◆チーム貢献度を測る7つの質問 ①他のメンバーの価値を高めているか。 ②組織(チーム全体)の価値を高めているか。 ③自分の手柄に執着せずにいられるか。 ④チームには絶えず新しいメンバーが加わっているか。 ⑤「控え」のメンバーを出来るだけ使っているか。 ⑥メンバーの多くが何時も重要な意思決定に携わっているか。 ⑦スターを作る事よりも、チームの勝利を重視しているか。 ◆影響力のある人間が果たすべき最も重要な役割は、「リーダーを増やして行く事」である。 ◆人の育成のレベル(5段階) ①人が定着しない“不毛のレベル” …リーダーの約2割は、この最低レベルにいる。「混乱の段階」と呼ぶ。 ②かろうじて“生き残り”がいるレベル …組織に属する管理職のおよそ半数は、このレベルの努力しかしていない。 ③「部下と上司」関係で完結しているレベル …リーダーの約1割は、人を立派なリーダーになる様に育てる努力をする。 ④メンバーの志気、仕事への満足度も高いレベル …シナジー(相乗効果)を実現出来るリーダーは、およそ19%に過ぎず、非常に優秀なリーダーと考えられている。 ⑤リーダーがリーダーを生む“好スパイラル”のレベル ◆「人を動かす人」になるプロセス ①出会う人全てにとっての品格ある生き方のモデルとなる事。 ②周りの人を育て、彼らが自分の価値を感じられる様にする事。 ③人に対する信頼を示す事で、その人に自信を与える事。 ④人の言葉に耳を傾け、いい関係を築く事。 ⑤相手を理解し、夢の実現を手伝う事。 ⑥人を伸ばし、その人の潜在能力を開花させる事。 ⑦人生の難題にぶつかった人に進むべき道を示し、独り立ち出来る様にする事。 ⑧相手のレベルを高める為に、絆を築く事。 ⑨本来の力を発揮出来る様に、権限を与える事。 ⑩貴方の与えた影響が更に広がる様、次のリーダーを作り出す事。 ◆自分の能力を開花させるかどうかを「決める」のは、貴方である。自分の持っている力を生かすも殺すも、貴方次第である。人を動かす力は世界を変える。 ※出典:『求心力 人を動かす10の鉄則』(Becoming a Person of Influence)[著者:ジョン・C・マクスウェル、ジム・ドーナン、訳者:齋藤 孝、発行所:㈱三笠書房、2007年7月15日:第1刷発行、2007年12月18日(火):購入]。 ※マクスウェル(John C. Maxwell)…リーダーシップ論の権威、世界一のメンター、ジョン・C・マクスウェル、アメリカで「リーダーシップ論」の権威として、毎年25,000人以上の管理職を指導している「世界一のメンター」と讃えられている。 ※ドーナン(Jim Dornan)…航空工学のエンジニアを経て、グローバル・マーケティングの世界で活躍している。 ※齋藤 孝…1960年生まれ、明治大学の文学部教授、専攻は教育学・身体論・コミュニケーション技法。 |
ジョン・H・メルチンガー (マーケティングの専門家) |
・「聞いた事について、貴方ならではのコメントをする事。意味のあるコメントが出来る様になれば、話し手は貴方が聞いている事が分かり、更に多くの情報を提供してくれる事だろう」 |
ジョン・ウィクリフ (イギリスの宗教改革者) |
・"By hook or by crook.":「何とかかんとか、是が非でも」 …イギリスの人々は、「こうしたい」と云う夢を、この様に表現。「何か難しい事をやり遂げるのなら、どの様な手段であれ、やるんだ」と云う意味で、イギリス人の戦う態度を示す格言。 ・「何が何でもやり遂げたい」 …例えそれが単に憧れの国へ旅行する様な事だとしても、小さな夢を実現させる事で、次のステップは見えて来る。これは、仕事においても同じ事である。 ※ジョン・ウィクリフ…14世紀(1330年代)のイギリスの宗教改革者、イングランドの神学者、聖書の英訳で有名。 |
ジョン・ガードナー (アメリカの政治家) |
・「人間は意味を追究してやまない」(『士気』より) ※出典:『組織論Ⅱ』(著者:李 勝載)。 ※ジョン・ガードナー…アメリカの政治家、リーダーシップに関する多くの書籍を執筆、『士気』(Morale、1978年)の著者、ジョン・ウィリアム・ガードナー。 |
ジョン・コンドリー (アメリカのキャリアサクセスセミナーの社長兼CEO) |
・「幸福、富、成功は、目標設定の副産物であって、それ自体では目標になり得ない」 ※ジョン・コンドリー…アメリカのキャリアサクセスセミナー(効率的な経営チーム育成プログラムを提供する会社)の社長兼CEO。 |
ジョン・ノックス牧師 (スコットランドの牧師) |
・「相手の反感を買いながら、その人を変える事は出来ない」(400年前に云った言葉) …好意と思いやりが感じられない相手からの言葉を素直に受け取る人はいない。 ※ジョン・ノックス…スコットランドの牧師、スコットランドの宗教改革の指導者、長老派教会の創立者。 |
ジョン・ヒックス (英国の理論経済学者) |
・「商人と非商人の間で、摩擦がまぬかれないのはもとより、商人間の取引でさえ、紛争が発生する。そして契約が信用出来るものとなる為には、それを解決する手段が存在しなければならない。こうして法律的諸制度が必要とされる」(『経済史の理論』より) ※出典:『近代中国史』(著者:岡本 隆司)。 ※ジョン・ヒックス…英国の理論経済学者、現在のミクロ経済学・マクロ経済学の全域に貢献、「ヒックス卿」「英国最後の大経済学者」とも呼ばれる。ジョン・リチャード・ヒックス。 |
ジョン・フォスター・ダレス (アメリカの政治家) |
・「成功の程度を測る尺度は、どんなに難しい問題を解決したかではない。去年と同じ問題が今年もまた持ち上がっていないかどうかである」 ※ジョン・フォスター・ダレス…冷戦時代のアメリカの政治家、反共主義者、アイゼンハワー(アメリカの第34代大統領)の下で国務長官を務めた。 |
ジョン・フロリオ (イギリスの翻訳家) |
・「追従した事のない者に、命令は下せない」[リーダーシップ] …人間社会に指導者が必要とされるのは、当たり前の事である。しかし、指導者に従う人々も必要だと云う事は、案外忘れがちである。指導者になる為の一つの方法は、使われる身となって指導者を観察し、その長所を吸収する事である。 ※ジョン・フロリオ…イギリスの翻訳家、16世紀から17世紀に掛けてイギリスで翻訳等を手掛けたイタリア系の人物。 |
ジョン・ラスキン (イギリスの批評家) |
・「死すべき時を知らざる人は、生くべき時を知らず」 ※ジョン・ラスキン…19世紀のイギリスの批評家、評論家、美術評論家、詩人、文化経済学の創始者。 |
ジョン・ルーサー (アメリカ生まれの劇作家) |
・「持って生まれた才能、知性、高度な教育-どれも成功を確約するものではない。他の何かが必要だ。それは、人が何を望んでいるかを知る感受性と、それを快く与え様とする気持ちである」 …人々の性格に注目し、本来の姿を知る様心掛ける事。そうすれば、貴方の感受性と理解力の素晴らしさを認めて貰える。 ※ジョン・ルーサー…アメリカ生まれの劇作家、弁護士、小説家、短編小説『マダム・バタフライ』(1898年)の著者(オペラ『蝶々夫人』(1904年初演)の原作)、ジョン・ルーサー・ロング。 |
ジンギス・カン (モンゴル帝国の初代君主) |
・「知識は客観的で、倫理観は主観的なり」 …自分が正しいと思ったら「もう主観的に決めるぞ、皆がどう云おうとも構わない」。だけど、知識は客観的で衆知を集めると云う事。 ※ジンギス・カン…モンゴル帝国の初代君主、初代皇帝(大ハーン)、国家創建の英雄、チンギス・ハーン。 |
スコット・フィッツジェラルド (アメリカの作家) |
・「米国人の人生に第二幕はない」 ※スコット・フィッツジェラルド…アメリカの作家、小説家、失われた世代を代表する作家の一人、F・スコット・フィッツジェラルド、フランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド。 |
スタンダール (フランスの大作家) |
・「ゴールに到達するには、目標に向かって休まず撃ち続ける事が大切だ」[行動力] …持続性は、人生のあらゆる局面において成功の鍵となる。対象を限定する事で目標をより明確にし、緊張を緩める事なく努力をする-勝利の可能性は、その努力の中にある。そして、多少の障害や行き詰まりがあっても、それを克服する勇気と粘り強さを持つ事が大切である。 ※スタンダール…フランスの大作家、小説家、本名:マリ・アンリ・ベール、ペンネーム:スタンダール。 |
スタンリー・サイモン (アメリカのマサチューセッツ大学) |
・「抱きしめる事は、愛情を表現する以上の事をもたらしてくれる。実際、抱きしめ合うから人は健康でいられる様だ。肌は体で一番大きい感覚器官で、肌への刺激が少ないと痛みを感じ易くなる人が多い。その様な人が健康を回復し、維持するのは大変だろう」[コミュニケーション力] ※スタンリー・サイモン…アメリカのマサチューセッツ大学。 |
スティーブ・ジョブズ (アメリカのアップルの共同設立者) |
・「死にたいと思う者はいない。天国に行きたいと願う人々も、その為に死にたいとは思わない。それでも死は我々に等しく必ず訪れる」 ・「自分が間もなく死ぬと云う事を常に意識している事は、今や人生において大きな選択をする際に私を助けてくれる最も重要な道具だ」 …人はいつか死ぬのだと意識する事で頑張れると云う事。 ※スティーブ・ジョブズ…アメリカの企業家、アップルの共同設立者・CEO、スティーブン・ポール・ジョブズ、1955年2月24日~2011年10月5日(56歳で逝去)。 |
・"Stay Hungry. Stay Foolish." It was their farewell message as
they signed off. Stay Hungry. Stay Foolish. And I have always wished that
for myself. And now, as you graduate to begin anew, I wish that for you.
Stay Hungry. Stay Foolish.(原文) ・"Stay Hungry. Stay Foolish." 私自身いつもそうありたいと願っていますし、今日卒業する君達にも伝えたい、Stay Hungry. Stay Foolish.、と。(和文) ※"Stay Hungry. Stay Foolish.":「貧欲であれ、愚か(者)であれ」→「若さを失うな」「活力の源を失うな」。…『The Whole Earth Catalogue』と云う本からの引用。 ・「人生は短い。他人の言いなりになるな。常識にとらわれるな。周囲の雑音に惑わされるな」 ※出典:2005年6月にスタンフォード大学の卒業式で行った記念講演。 |
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・スティーブ・ジョブズが基本とする7つの法則 ①大好きな事をする。 <キャリア> ②宇宙に衝撃を与える。 <ビジョン> ③頭に活を入れる。 <考え方> ④製品を売るな。夢を売れ。 <顧客> ⑤1000もの事にノート云う <デザイン> ⑥めちゃくちゃ凄い体験を作る。 <体験> ⑦メッセージの名人になる。 <ストーリー> ※出典:『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション―人生・仕事・世界を変える7つの法則』(The Innovation Secrets of Steve Jobs、著者:カーマイン・ガロ、解説:外村 仁、翻訳:井口 耕二)、日経ビジネス2011年11月21日号。 |
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・"Sometimes when you innovate, you make mistakes. It is best to admit
them quickly, and get on with improving your other innovations.-Steve Jobs"(WSJ.com、2014/05/28) ・イノベートしていると間違える事もある。一番良いのはそれを速やかに理解し「改善」と共に次のイノベーションを進める事だ。-スティーブ・ジョブズ(ウォール・ストリート・ジャーナル、2014/05/28) ※出典:総務省「独創的な人向け特別枠(仮称)」、2014/06/09。 |
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スティーブン・ローチ (アメリカのエール大学のシニアフェロー) |
・「素晴らしいアイデアが生まれる必要条件は、友好と尊敬と論争」(信念) ・「社内の他のエコノミストの専門分野であろうと、異論があったらリポートを書け。但し、自分と相手、双方の主張とその根拠を併記すべし」(モルガン・スタンレー(投資銀行)のチーフエコノミスト時代のルール) …相手の意見に耳を傾けつつ、時には顧客の前で真っ向から議論を挑む。真剣な議論だからこそ、投資家からの信頼も厚くなった。 ※スティーブン・ローチ…アメリカのエール大学のシニアフェロー。 |
セネカの書簡 (古代ローマ時代の政治家) |
・「人に恩を与える事」と、「人から恩義を受ける事」を考えると、「人に大きな恩を与える事は、実に危険な事である」 …恩返しをしないで恩知らずと云われる事を恐れる余り、恩を受けた人は恩人がこの世にいなくなる事を望む様になるからである。 ※セネカ…古代ローマ時代(ローマ帝国ユリウス・クラウディウス朝期)の政治家、哲学者、思想家、詩人、劇作家、ストア派哲学者、第5代ローマ皇帝(暴君)ネロの師(家庭教師、ブレーン)、ルキウス・アンナエウス・セネカ。 |
セバスチャン・シャンフォール (フランスの思想家) |
・「金が金を生み出す様に、成功は成功をもたらす」 ・「どんなささやかでもいいから、兎に角成功してしまいなさい。一回の成功は、何百回の失敗を拭い去るものです」(一回の成功)。 …小さな成功は、失敗を拭い去るだけでなく、大きな成功を引き出すものである。 ※セバスチャン・シャンフォール…18世紀フランスの思想家、劇作家、警句家。 |
ソクラテス (古代ギリシアの哲学者) |
・「富める人がその富を自慢しているとしても、彼がその富を如何に使うかと云う事が分かるまでは、彼を褒めてはならない」 ・「産婆術」 …対話によって、相手の漠然とした不確実な知識を、正しく概念に誘導する事。 (注)そう云う行為や過程を、出産の時のお産婆さんの仕事に例えたもの。 ・「正しく哲学している人々は死ぬ事の練習をしているのだ」(対話篇『パイドン』より) …「死ぬ事の練習」(メレテー・タナトウ)は、昔は「死のまねび」等と訳されていた。「まねび」と云うのは「まなび」の古形で「まねる事」を云う。「哲学をする事」(フィロソフェイン)は死を「まね」て、死ぬ練習をする事だと云う意味。ソクラテスが語った死生観。 ・"Hunger is the best sauce.":「空腹は最高のソースである」 …お腹が減っている時は、何を食べても美味しいと云う事。空腹はどんなに不味い料理でも美味にしてしまう魔法のソース。 ・「食物の最上の調味料は飢えであり、飲み物のされは渇きである」 ※ソクラテス…古代ギリシアの哲学者、ソークラテース。 |
ソロモン王 (古代イスラエルの第3代の王) |
・「豊かな富よりも良い評判の方が望ましい」 …人間性や品性が磨かれているからこそ、「良い評判」も立つ。 ・力を合わせる事の大切さ(出典:『口語訳聖書』、1955年版) 二人は一人に勝る。 彼らはその苦労によって良い報いを得るからである。 即ち彼らが倒れる時には、その一人がその友を助け起す。 しかし一人であって、その倒れる時、これを助け起す者のない者は災いである。 また二人が一緒に寝れば暖かである。 一人だけで、どうして暖かになり得ようか。 人がもし、その一人を攻め撃ったなら、二人でそれに当るであろう。 三つ撚りの綱はたやすくは切れない。 …どんな人でも、近くにいて励まし、手を貸してくれる人が必要である。 ※ソロモン…古代イスラエル(イスラエル王国)の第3代の王、イスラエルの最盛期を築いた。 |
ソロン (古代アテナイの政治家) |
・「足るを知る者は真の富者にして、貪欲(どんよく)なる者は真の貧者なり」 ※ソロン…古代アテナイの政治家、改革者、「ギリシャ七賢人」の一人。 (注)アテナイ…ギリシャ共和国の首都アテネの古名、古代ギリシアの都市国家。 |
ダーウィン (イギリスの自然科学者) |
・「生き残るのは、最強の種でもなければ、最も賢い種でもない。“最も変化に適応する種”なのである」(進化論) ・「この世の中で生き残って行く種とは、今現在、最も強い種でもなければ最も賢い種でもない。生き残れる種とは、変化に対して最も敏感に反応する種だけである。「変化する能力」を持つ「種」のみが「適者生存」の自然秩序を生き抜く事が出来る」 …ルイス・ガースナー(IBM帝国を解体の危機から救った人)が、『種の起源』(ダーウィン、1859年に発表)の思想を社員に伝えた時の言葉。 ※ダーウィン…イギリスの自然科学者、地質学者、生物学者、種の形成理論を構築、『種の起源』(1859年)の著者、「ダーウィンの進化論」(進化論、自然選択説、性選択)、チャールズ・ロバート・ダーウィン。 ※関連語…ダーウィニズム、ダーウィニスト。 |
・ダーウィンの「進化論」の本質は、「適者生存」ではなく、本来、相互扶助、共感、協力等の思想から成り立つと指摘。市場もビジネスも想定以上に複雑で、それを理解するには、進化論を体系的に学ぶ事が助けとなると主張。 ※出典:『DARWIN'S CONJECTURE THE SEARCH FOR GENERAL PRINCIPLES OF SOCIAL AND ECONOMIC EVOLUTION』(著者:Geoffrey M. Hodgson[ジョフリー・ホジソン]、Thorbjorn Knudsen[トールビョルン・クヌードセン])。 |
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ダイ・バーノン (マジシャン) |
・ある時、弟子達が彼に、「どのテクニックを開発したと云う事で名前を記憶されたいですか?」と聞いた。 →そうすると彼は、「どれでもない。自分にとって、テクニックを発見するのは難しくなかった。だから、見つける事が難しくなかったマジシャンとして記憶して欲しい」と答えた。何故難しくないかと云うと、「ひたすら楽しかったから」。 ・また、もう晩年になっていた彼に弟子達が、「人生で後悔する事はないのですか?」と聞いた。 →「ある。4歳までトランプマジックをやらなかった事だ」と答えた。「3歳からマジックを始めた。0歳からの3年間が惜しい」と云う説(逸話)もある。 ※ダイ・バーノン…カナダ生まれのマジシャン(奇術)、トランプマジックの重要なテクニックを殆ど開発したと云われている人で、マジシャンの間では、「The Professor」(教授)と云うニックネームで呼ばれていた。そのテクニックの一つだけを取り上げても、トランプマジックの世界では、ノーベル賞級の画期的なものらしい。 |
ダニー・コックス (アメリカの元空軍パイロットで元セールスマン) |
・「重要なのは、周囲に伝染する程の湧き上がる様な熱意が貴方になければ、心に秘めた別の何かが伝染してしまう事だ」 ※ダニー・コックス…アメリカの元空軍パイロットで元セールスマン、『仕事力がダントツに伸びる7つの冴(さ)えた方法』の著者。 ※解説:アメリカの空軍パイロットとして幾多の危機を乗り越え、大手企業に転職後5年で副社長に出世した著者による、7つの黄金の成功ルール。 |
ダビッド・J・シュワルツ (アメリカの大学の教授) |
・「大人物と云われる人は、人の話を聞いてばかりいる。小人物と云われる人は、自分が話してばかりいる」 …相手との関係を強固で深いものにするには、兎に角一心に「話を聞く」事である。 ※出典:『大きく考えることの魔術-あなたには無限の可能性がある』。 ※ダビッド・J・シュワルツ…アメリカのジョージア州立大学の経営管理学部教授。 |
チャーチル (イギリスの元首相) |
・「成長は、全ての矛盾を覆い隠す」 …社会には様々な問題点(矛盾)があるが、経済全体が成長している間、こうした問題は顕在化しない。 ※チャーチル…イギリスの元首相、政治家、ウィンストン・チャーチル、サー・ウィンストン・レナード・スペンサー=チャーチル(複合姓、二重姓)。 |
チャールズ・アデア | ・「大いに期待すれば、より良い結果が得られる。科学、数学、読書、フットボール、バンド、どんなものにでも当てはまる」[コミュニケーション力] |
チャールズ・ディドリッヒ (アメリカのSynanonの設立者) |
・"Today is the first day of the rest of your life.":「今日と云う日は、残りの人生の最初の日である」 …正に人生をリセットする為の名言。 そして、この名言を信じれば、多くの事にチャレンジ出来る。 ※1960年代アメリカで流行した格言。映画「アメリカン・ビューティー」のセリフにも使われている。小説「終末のフール」(著者:伊坂 幸太郎)の、冒頭に引用されている。ドラマ「ゴールドウーマン」(制作:テレビ朝日、放送:2016年5月28日(土)、原作:芦崎 笙『スコールの夜』、発行所:㈱日本経済新聞出版社)のセリフにも使われている。 ※チャールズ・ディドリッヒ(Charles Dederich)…Synanon(シナノン、アメリカの薬物中毒患者救済機関・施設)の設立者。 |
チャップリン (イギリス生まれの喜劇俳優) |
・「99パーセントまでは努力、1パーセントが才能」 …この1パーセントが良ければ、上手くいく。どの様な世界でも、そこで一流のプロとして通用する様になるには、努力と共に才能が必要である。 ※チャップリン…イギリス(ロンドン)生まれの喜劇俳優、アメリカ映画初期の俳優、映画監督、脚本家、映画プロデューサー、「喜劇王」「世界の三大喜劇王」、チャールズ・チャップリン、本名:チャールズ・スペンサー・チャップリン・ジュニア。 |
デイヴィッド・クロケット (アメリカの軍人) |
・「自分が正しい事が分かれば、迷わず前進する」[決断力] ※デイヴィッド・クロケット…アメリカの軍人、政治家、テキサス独立に活躍、“アラモ砦の戦い”の英雄、デイビー・クロケット、一般にはデヴィー・クロケット。 |
デヴィッド・アンブローズ (小説家) |
・「勝とうと云う気持ちがあれば、半分成功したも同然である。もしそう云う気持ちがないのなら、半分失敗した様なものである」 …勝利は重要な動機付けの一つである。 ※デヴィッド・アンブローズ…小説家、トリッキーな作家。 |
デヴィッド・バーンズ (アメリカの医学博士) |
・「相手を納得させようと思うと、ついつい真っ先に自分のアイデアや思いを伝え様としてしまう。しかし、相手が求めているのは、自分の云う事に耳を傾け、意見を尊重し、理解して貰う事なのだ。自分が尊重されていると分かった瞬間、人の意見も理解してやろうと云う気持ちになる」 ※デヴィッド・バーンズ…アメリカの医学博士、ペンシルバニア大学の精神医学教授。 |
デール・カーネギー (Dale Carnegie) (アメリカの作家) |
・「二週間だけ、人の話に耳を傾ければ、二年間掛けて皆の気を引き、漸く得た友達よりも沢山の人と友達になれる」 …カーネギーは、驚く程、人間関係の機微に通じていた。 ・「深い思いやりから出る感謝の言葉を振りまきながら日々を過ごす。-これが、友を作り、人を動かす妙諦である」[リーダーシップ] ・「人を熱烈に動かそうと思ったら、相手の言い分を熱烈に聞きなさい」 …感動して人の話を聞く姿勢が、感動して話を聞いて貰えるリーダーを作り上げると云う事である。 ※出典:『ビジネス〈勝負脳〉 脳科学が教えるリーダーの法則』(著者:林 成之)。 ※デール・カーネギー…アメリカの作家、著述家、実業家、ビジネスセミナー講師、『人を動かす』(1936年、原題:How to Win Friends and Influence People)『道は開ける』(1948年、原題:How to Stop Worrying and Start Living)の著者、デール・ブレッケンリッジ・カーネギー(Dale Breckenridge Carnegie)。 |
・『人を動かす』(1936年、原題:How to Win Friends and Influence People) 1.第1部:人を動かす三原則 ①批判も非難もしない。苦情も言わない。 ②率直で、誠実な評価を与える。 ③強い欲求を起こさせる。 2.第2部:人に好かれる六原則 ①誠実な関心を寄せる。 ②笑顔で接する。 ③名前は、当人にとって、最も快い、最も大切な響きを持つ言葉であることを忘れない。 ④聞き手にまわる。 ⑤相手の関心を見抜いて話題にする。 ⑥重要感を与える-誠意を込めて。 3.第3部:人を説得する十二原則 ①議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける。 ②相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない。 ③自分の誤りをただちにこころよく認める。 ④おだやかに話す。 ⑤相手が即座に‘イエス’と答える問題を選ぶ。 ⑥相手にしゃべらせる。 ⑦相手に思いつかせる。 ⑧人の身になる。 ⑨相手の考えや希望に対して同情を持つ。 ⑩人の美しい心情に呼びかける。 ⑪演出を考える。 ⑫対抗意識を刺激する。 4.第4部:人を変える九原則 ①まずほめる。 ②遠まわしに注意を与える。 ③まず自分の誤りを話した後、相手に注意を与える。 ④命令をせず、意見を求める。 ⑤顔を立てる。 ⑥わずかなことでも、すべて、惜しみなく、心からほめる。 ⑦期待をかける。 ⑧激励して、能力に自信を持たせる。 ⑨喜んで協力させる。 5.付録:幸福な家庭を作る七原則 ①口やかましく言わない。 ②長所を認める。 ③あら探しをしない。 ④ほめる。 ⑤ささやかな心づくしを怠らない。 ⑥礼儀を守る。 ⑦正しい性の知識を持つ。 |
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デカルト (フランスの哲学者) |
・「要素還元主義」は、デカルトの云う『合理論』の精神に基づいて、「困難は分割せよ」の号令と共に歩んで来た。 (注)「要素還元主義」…複雑な現象もその要素にバラバラに分割し、各々の要素を解析する事で、後は結果を積み木の様に組み合わせれば全体像を理解出来ると信じられて来た。これは今でも殆どの科学の方法論の基礎になっている(近代科学)。 |
・"cogito, ergo sum"(コギト・エルゴ・スム):「我思う、ゆえに我あり」 …自我の発見で有名な言葉。この命題を哲学の第一原理に捉えて、明晰判明である事を真理の基準とする物心二元論の哲学を確立した事によって、デカルトは「近代哲学の祖」と云われる。 (注)自著「方法序説」の中で提唱した有名な命題。 ・原語はフランス語で、"Je pense, donc je suis." ・ラテン語訳で、"cogito, ergo sum"(コーギトー・エルゴー・スム、cogito - 私は思う、ergo - それ故に、sum - 私は在る)。 (注)ラテン語訳は、デカルトと親交のあったメルセンヌ神父によるもので、デカルト自身のテクストにはラテン語での記述は登場していない。 ・英語では "I think, therefore I am."。 |
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・自我とは平たく云えば、「私とは何か」を自分自身に問う意識で、「自己意識」と云っても良い。 ・自我と云うのは「自尊心」でもあり、「エゴ」でもあるから、自分を主張したい、守りたい、或いは否定されたくないと云う気持ちが強く起る。 ・他者と相互に承認しあわない一方的な自我はあり得ない。他者を排除した自我と云うものはあり得ない。 ・「人は一人では生きられない」(経済的、物理的、哲学的な意味において) …自我を保持して行く為には、やはり他者との繋がりが必要なのである。相互承認の中でしか、人は生きられない。相互承認によってしか、自我はあり得ない。 ※出典:『悩む力』(著者:姜 尚中、カン サンジュン)…政治学者、在日韓国人二世、通明は永野 鉄男。 |
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・「自分の城」を築こうとする者は必ず破滅する。 …自我と云うものは他者との関係の中でしか成立しないからである。即ち、人との繋がりの中かでしか、「私」と云うものはあり得ない。 ※出典:カール・ヤスパース…精神病理学者、哲学者、マックス・ウェーバー(社会学者)に私淑。 |
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・「科学は全て確実かく明白な知識である。単なる可能性としての知識は全て排除し、完全に知り、それに関して何ら疑いのないもののみ信ずるべきである。全ての知識は客観的次元、即ち、数、位置、動きと云った『一義的な』客観的性質に還元される。一方、主観的な側面、即ち、情動、感覚、直感と云った『二義的な』性質は突き詰めれば、非実在的として完全に抹消されなければならない」 ※出典:『組織論Ⅱ』(著者:李 勝載)。 |
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※デカルト…17世紀のフランスの哲学者、自然哲学者(自然学者)、数学者、「近代哲学の父」「近代哲学の祖」、ルネ・デカルト。 | |
デズモンド・モリス (イギリスの動物行動学者) |
・『マンウォッチング』(小学館ライブラリー)から、動作の信頼尺度として、人間の動作を信頼出来る順に並べると、次の様になる。 ①自律神経信号 ②下肢信号 ③体幹(胴体)信号 ④見分けられない手振り ⑤見分けられる手のジェスチャー ⑥表情 ⑦言語 ※デズモンド・モリス…イギリスの動物行動学者(動物学者)、動物行動学と人間行動学に関する啓蒙的な著作で有名。 |
トーマス・J・ワトソン・ジュニア (アメリカのIBMの2代目社長) |
・素早い意思決定こそ企業が成長・発展して行く必要条件だと考えていた。 ・「解決だ。素早い解決。正しくても、間違っていてもいいから、兎に角解決だ。もし間違っていれば、後で大打撃をこうむる事になるが、そうなったら、二度目は正しい解決策を講じればいい。何もせずに水の中に横たわっているだけなら、それ以上の危険もなく、楽でいいが、企業を動かして行く上では間違いなく致命的なやり方だ」 …意思決定をダラダラと引き延ばす事は、企業に限らず、人生にとっても致命的である。軌道修正が何時必要なのか、有効且つ単純な解決策は何かを知り、手遅れにならない内に実行する。 ※トーマス・J・ワトソン・ジュニア…アメリカのIBM(インターナショナル・ビジネス・マシーンズ)の2代目社長、IBMを世界企業に育て上げた、トーマス・ジョン・ワトソン・ジュニア。 |
トーマス・エジソン (アメリカの発明王) |
・「天才とは、1%の霊感(ないし閃き)と99%の努力」 ・「成功とは、99%の努力と1%の霊感」 ・「問題解決に必要なものは、95%の「汗(パースピレーション)」(データの蓄積)と5%の「インスピレーション」である」 …この霊感とも呼べる「閃き」(ひらめき:inspiration、インスピレーション)が一般に軽視される傾向もままある。99%までもの弛(たゆ)まぬ努力(原文では、「流汗」:perspiration、パースピレーション)も確かに必須なのではあるが、1%の閃き(ひらめき)を大切にし、これを生かす事が出来なければ天才ではなく、エジソンは自身を指して自然界のメッセージを受け取る受信機に例える程、閃き(ひらめき)を重視していた。つまり、エジソンが云いたかったのは、「1%の閃き(ひらめき)があれば、99パーセントの無駄な努力をしなくても良い」と云う事である。 ・「失敗ではない。上手くいかない方法を一万通り発見しただけだ」 ※類義語:「成功の99パーセントは、いままでの失敗の上に築かれる」(チャールズ・ケタリング(アメリカの発明家)) ※トーマス・エジソン…アメリカの「発明王」、発明家(生涯におよそ1,300もの発明)、起業家、トーマス・アルヴァ・エジソン。 |
トーマス・カーライル (イギリスの思想家) |
・「人生とは、永遠の間の一瞬のきらめきである。チャンスは二度と訪れない」 …人としての成長のないまま無為に過ごした一日は、自らの向上と他人の成長の為の失われた時間である。 ・「大きな事をなそうとすれば、先ず自分の針箱を整頓しろ」 …大きな仕事に取り掛かる時は、データの集計や書類作りと云った細かい仕事は、人任せにせず、必ず自分で纏めるべきである。 (注)竹中 平蔵氏の座右の銘の一つ。 ※トーマス・カーライル…イギリスの思想家、歴史家、評論家、「雄弁は銀なり、沈黙は金なり」の言葉で有名。 ※トーマス・カーライル…新渡戸 稲造(農学者、教育者)、夏目 漱石(小説家、評論家、英文学者)も影響を受けた人物。 |
トーマス・ホッブス (イギリス人の思想家) |
・「抑制の利かない欲求は、人生を貧しく、悲惨で、野卑で短いものにする」 ※トーマス・ホッブス…イギリス(イングランド)の哲学者、「近代政治学の祖」(近代政治思想を基礎付けた人物)、トマス・ホッブズ。 |
ドストエフスキー (ロシアの文豪) |
・「自由なまま放置された人間にとっては、一刻も早くひれ伏す相手を探し出す事が最大のたえざる苦しい心配の種なのだ」 …自由である事が、決して楽な事とではないと云う事。 ※ドストエフスキー…19世紀後半のロシアの文豪、小説家、思想家、実存主義の先駆者、フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー。 |
トマス・スターンズ・エリオット (イギリスの詩人) |
・「この世の害悪の半分は、自分を重要な人物だと思いたい人間が原因である-彼らは悪事を働こうとしている訳ではない-彼らは自分を実際よりも優れた人間だと思いたいが為に、果てしない葛藤に呑み込まれて行くのだ」 …自分に自信がない人は、目に見えない天井を作り、自らに課した限界を超える為の努力を放棄してしまう。 ※トマス・スターンズ・エリオット…イギリスの詩人、劇作家、文芸批評家、T・S・エリオット。 |
トム・ピーターズ (アメリカの経営コンサルタント)と ナンシー・オースティン |
・「従業員や顧客と経営者が接点を持たないから生産性が下がる」 …指導者と指導を受ける者との接点がなく、コミュニケーションが欠如していれば、組織の大きさ、性質に限らず、悪影響が出る。優れたリーダーは、自分から行動を起こすものである。 ※トム・ピーターズ…アメリカの経営コンサルタント、『エクセレント・カンパニー』の共著者(ロバート・ウォーターマン)、トーマス・J・ピーターズ。 |
トム・モナハン (アメリカのドミノ・ピザ・インクの創業者) |
・「やはり最も大切な事は“DO IT NOW!”(今直ぐやれ!)と云う事です。ヤル気になったらその瞬間が勝負。後に延ばしたら決心もぐらついて、折角のチャンスを逃してしまう。肝心な事は、先ず一歩を踏み出す事」 ※トム・モナハン…アメリカのドミノ・ピザ・インクの創業者。 |
トルストイ (帝政ロシアの小説家) |
・「無限に進化して行く文明の中で、人の死は無意味である。死が無意味である以上、生もまた無意味である」 …人が自然の摂理に即した暮らしをしている時は、有機的な輪廻の様なものの中で、生きる為に必要な事をほぼ学んで、人生に満足して死ぬ事が出来る。 しかし、絶え間ない発展の途上に生きている人は、その時にしか価値を持たない一時的なものしか学べず、決して満足する事なく死ぬ事になる。 だから、確たるものの得られない死は意味のないただの出来事であり、無意味な死しか与えない生もまた無意味である。 ※トルストイ…19世紀の帝政ロシアの小説家、平和主義者、『戦争と平和』(1865年~1869年)の著者、レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ。 |
ナサニエル・ブランデン (アメリカの心理学者) |
・「人の精神の発達と動機付けに関して、「自己評価」程、重要な要因はない」 …「自尊心」こそが、人の行動のカギを握る最も重要なものである。 ※ナサニエル・ブランデン…アメリカの心理学者、自尊心に詳しい精神科医。 |
ナポレオン・ヒル (アメリカの哲学者) |
・「ヴィジョンと夢を大切にしなさい。それらは貴方の魂の子供であり、最終目的地までの地図である」 …その人のヴィジョンと夢が分かれば、その人を的確に導ける筈である。 ・「人生の歩みは、自分自身の心から始まり、自分自身の心で終わるのです」 ※出典:TBSテレビ「ナポレオンの村」、2015年9月20日(日)放送。 |
◆自分自身が認めない限り、この世に不可能な事はない。 …貴方が望み通りの人生を送りたいと思うならば、何が起ころうとも先ず、自分自身を信じて、目の前の出来事を受け入れ、進んで行く。不可能だと思わず可能だと思えば、実際にあらゆる事は可能になって行く。 ◆成功とは、決して偶然の所産ではない。 …目標を掲げ、その達成の為に努力する意欲さえあれば、誰でも掴み取るチャンスは与えられる。強運とは、持って生まれたものではなく、誰にでも与えられているチャンスを確実にものに出来る脳力(「能力」ではない)だと云える。失敗した人々の多くは、人生の目標が不明瞭で、全ての成功は運の良さで決定すると信じている人達である。 ◆人は後から振り返ってみて、初めてチャンスに気付く。 …チャンスは姿を隠してやって来るが、これこそがチャンス特有のトリックである。チャンスはまた、不運とか上手くいかない出来事の陰に隠れてやって来る事もある。その為、多くの人々がこの機会を見逃してしまう。 ◆「創造的な思考の種を、潜在意識に植え付けよ」 …深層自己説得とは、自ら意識的に心に与える暗示の事。つまり、一種の自己催眠。人生は日々の思考によって影響を受けた潜在意識の働きによって、良くも悪くもなる。自らの考えや願いを積極的に潜在意識に教え込む事で、人生を思い描いた通りに導いて行く。深層自己説得を行なう時のポイントは、①繰り返し反芻(はんすう)する事。②既に実現した時のイメージを思い浮かべる事。 ◆「必要な条件を全て与えられながら、即座に決断を下す事の出来ない人は、如何なる決断も下す事は出来ない。逆に即座に決断を下す事の出来る人は、明確な目標をもって行動する事が出来るんだ」 …失敗の最大の原因は、決断力の欠如にある。決断は素早く、変更する場合は慎重に時間を掛けて行なう事。優柔不断は誰もが克服しなければならない大敵である。 ◆計画とは、あくまでも想定に基づく計画なのだから、上手くいかなかったら別の計画で勝負すれば良い。 …失敗とは、ただ単に貴方の立てた計画が、完全ではなかったと云う事。そこで次の計画を立て、もう一度スタートすれば良い。発明王エジソンは、白熱電球を完成させるまで、実に一万回も実験に失敗している。 ◆「自分の考えやプランに対する自信が欠如し、自分自身を過小評価する人は、成功とは無縁である」 …成功とは、自分の願望を知り、それを実現する決意をして「不可能」と云う言葉を受け入れない人間にのみ訪れる。目的意識が強ければ強い程、心のコントロールは容易になる。 ◆失敗の原因は、「一日延ばしの習慣」にある。 …成功者達は仕事でも何でもさっさと、しかも楽しそうに片付ける。何故なら、彼らには明確な目標意識があり、これからやる事は、その目的を達成する為の通過点である事を良く知っているからである。何かを始めるのに「最適」の時を待つと云うのは、どんなにまずい計画よりもこの習癖の方が失敗の原因になる。始めるのに「最適」の時と云うのは、その事について決断した時である。 ◆成功は、脳力や環境だけで決まるものではない。やらなければならない事に、あと1センチ、プラスアルファを付ける習慣があるかどうかで、決まって来る。 …自分が受け取る報酬以上の仕事をする習慣を持っている人は、遅かれ早かれ、実際の仕事以上の報酬を受け取る事になる。ここで云う報酬とは、一時的な収入だけを指しているのでない。将来に結び付く人脈だったり、継続した仕事だったり、最小限の仕事しかしない人達には手の届かない様な、チャンスだったりする。 ◆忍耐力とは、何もせずにじっと耐える力と云う意味ではなく、耐えながら積極的に行動すると云う事である。 …自分が置かれた環境や状況に屈し、受け入れると云うのではなく、自分の運命を切り拓いて行く力強さであると云える。 ◆忍耐力(心の力の一つ)を開発する方法 ①燃える様な熱意に支えられた明確な願望や、目標を持つ事。 ②明確な計画を立て、それを着実に実行して行く事。 ③周りの人達の否定的、或いは意気消沈させる様な意見に対して、きっぱりと拒絶する事。 ④貴方の目標と計画に賛同し、激励してくれる人を友人にする事。 ◆「黄金律」とは、他人に対して「もしも自分がその人だったらこうして貰いたい」と思う事を、率先して相手に対して行なう事である。 …相手の立場になって物事を考え、相手の目を通して世の中を見る。自分がして欲しいと思う事を人に求めるのではなく、先ずは自分の方から率先して他人にしてあげる事が、心の平安のみならず、自己実現をもたらす事になる。 ※出典:『ナポレオン・ヒル(Napoleon Hill)名言集 奇跡と幸運が転がり込んで来るお金と人生の法則』(The GOLDEN RULES of SUCCESS)[発行所:㈱エス・エス・アイ&ナポレオン・ヒル財団アジア/太平洋本部、2003年8月1日:初版発行、2006年2月1日:第10刷発行、2008年1月:入手]。 ※ナポレオン・ヒル(Napoleon Hill)…アメリカの哲学者、文学・人文学・哲学博士、「成功哲学の祖」、『思考は現実化する』の著者、アンドリュー・カーネギー(鉄鋼王、アメリカの実業家)の要請で成功の秘訣を体系化、ウッドロー・ウィルスン(アメリカの第28代大統領)の広報担当補佐官、フランクリン・ルーズベルト第32代アメリカ大統領の顧問官を努めた。 |
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ナポレオン (フランスの軍人) |
・「抜群の統率力」を誇った理由 …「自分は大切にされ、共に戦っている」と部下に思わせるのが上手かった。 ※ナポレオン…革命期のフランスの軍人、政治家、フランス第一帝政のナポレオン1世、フランスを代表する英雄、ナポレオン・ボナパルト。 |
ニーチェ (ドイツの哲学者) |
・「夫婦とは、長い会話である」 ・「高く昇ろうと思うなら、自分の足を使う事だ。高い所は、他人によって運ばれてはならない。人の背中や頭に乗ってはならない」[決断力] ・「生きる為の理由を見出したものは、殆どいかなる方法にも耐える事が出来る」 ・"What doesn't kill you makes you stronger.":「あなたを殺さないものは、あなたを強くする」 …人は皆、死にたくなる程の経験をする事がある。多分、それは避けられない。そんな経験は「あなたを殺す位のもの」かも知れない。しかし、人は弱くて強いもので、何とか生き延びる。そして、それは「あなたを殺さなかった」つまり、死にたくなる位の経験だったけど、生き延びたと云う事である。「あなたを殺さないもの」、それは「あなたを強くする」と云う事になる。 ※ニーチェ…ドイツの哲学者、古典文献学者、アフォリズム(Aphorism)=箴言(しんげん)を得意とする思想家、フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ。 |
・「偶然は必然である」(一瞬と永遠の関係) ・ニーチェは、瞬間の事を「門」と表現する。門の前と後ろには、それぞれ永遠の長さをもって、「過去」と「未来」の道が続いている。過去と未来とががっちり手を結んでいる地点が、「現在」である。つまり、現在のこの瞬間こそ、全ての過去、そして未来が組み込まれている「必然」となる。 ・「たまたまそうなった」と云う「偶然」を、ニーチェは信じない。過去が現在の原因である様に、未来に何かが起こるには、今この瞬間が原因となる。その連鎖が永遠に続いて行く。だから、ニーチェにとって、生きる上での出来事で無関係な事は一切ない。生は全て「必然」となる。 ※出典:『座右のニーチェ 突破力が身につく本』(著者:齋藤 孝)。 |
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ニーバーの祈り (アメリカの神学者) |
・『ニーバーの祈り』、"The Serenity Prayer"、「平静の祈り」「静穏の祈り」 …マサチューセッツ州西部の山村の小さな教会で1943年の夏に説教したときの祈り。 【英語原文】 ・"O God, give us serenity to accept what cannot be changed, courage to change what should be changed, and wisdom to distinguish the one from the other." ※serenity(セレニティ)「冷静さ」、courage(カレイジ)「勇気」、wisdom(ウイズダム)「知恵」。 【日本語訳】(訳者:大木 英夫…ニーバーの弟子) ・「神よ 変える事の出来るものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。 変える事の出来ないものについては、それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。 そして、変える事の出来るものと、変える事の出来ないものとを識別する知恵を与えたまえ」 【影響を受けた人:細田 治】 ・変える勇気と変えない冷静さ、そして識別する知恵。人が生きる上で持ちたい力、それはビジネスの世界でも求められるものである。伝統と革新は相反するものでは無い。商いとは時代対応業。何より大切なのは、お客様の価値観を常に掴んでいく事である。 ※出典:細田 治(㈱榮太樓總本鋪の会長)、日経ビジネス2014年6月16日号。 ※ニーバー…アメリカの神学者(自由主義神学者)、倫理学者、政治や社会問題についてのコメンテーター、ラインホルド・ニーバー(Reinhold Niebuhr)、ラインホールド・ニーバー。 |
ニッコロ・マキャヴェッリ (イタリアの政治思想家) |
・「天国へ行く最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知する事である」 ・「本当であってもおかしくない嘘」と云うものがある。 ・「運命の神は女神なので、彼女を征服しようとすれば、打ちのめしたり、突き飛ばしたりする事が必要である」「運命の女神は破壊的な河川に例えられる。一旦怒り出すと抵抗する術(すべ)はないが、平穏な時に予め堤防や堰を築いて備えておく事は出来る」 …要するに、自分から働き掛けないと運命を利する事は出来ないと云う事。 ・「戦争はしようと思った時に始まる。しかし、終わって欲しいと思った時には終わらない」「戦争を始めるのはいつでもできるが、やめたい時には終わらない」…『政略論』(刊行:1531年)の一節。 ※ニッコロ・マキャヴェッリ…イタリアのルネサンス期の政治思想家、文筆家、高級官僚、現実主義的な政治理論を創始、『君主論』(刊行:1532年)の著者、日本語表記ではマキャヴェリ、マキャベリ、マキァヴェリ、マキァヴェッリ等様々な表記が見られる。 |
ニド・クベイン (アメリカの作家) |
・「風俗や習慣が違うと、メッセージを送ったり受け取ったりする時に、文化と云うフィルターが入る事を忘れてはならない。自分達には何の悪気もない言葉や仕草が、他の民族にとっては屈辱的な意味を持つかも知れないのだ」[コミュニケーション力] …自分とは異なる文化圏から来た人とコミュニケーションを取る時のアドバイス。開かれた心には、価値ある思想を常に受け入れる可能性がある。 ※ニド・クベイン…アメリカの作家(ベストセラー作家)、講演家、ビジネスコンサルタント、ジグ・ジグラーの友人。 |
ネナ・オニール (アメリカの作家) |
・「全ての危機には、再生のチャンスが秘められている」 …人生で出会うあらゆるトラブルは、成長の為の大きなチャンスでもある。 ※ネナ・オニール…アメリカの作家、社会学者、『オープンマリッジ』の著者、ジョージ・オニールは妻。 ・「オープンマリッジ」 …一般的に、夫婦間以外の性的な関係に対して、相互の合意の下に開かれている結婚の形。1973年にアメリカの社会学者オニール夫妻(ネナ・オニールとジョージ・オニール)によって、夫婦が所有欲、独占欲、嫉妬心に妨げられず、自由に愛人を作れる、社会的、性的に独立した個人を認め合う結婚のスタイルを提唱した本『オープンマリッジ』が書かれ出版された。この本は150万部以上売れ、文化に大きな影響を与えた。性の革命の時代70年代に多く試みられた。この愛人はサテライト(衛星)パートナーと云う。 |
ハーズ・バーク (アメリカの心理学教授) |
・「今日の従業員には「迷い」がある。彼らは、仕事に欺(あざむ)かれた様に感じている。人生の価値は、定まらない。批判的で冷笑的である。これら全ての中心にあるのは、「不安」である。強い文化の会社には、その不安を取り除いてくれる企業活動の枠組みと基準と価値体系がある」 ※出典:『組織論Ⅱ』(著者:李 勝載)。 ※ハーズ・バーク…アメリカのウェスタン・リザーブ大学の心理学教授。 |
・ハーツバーグの2要因理論 …モチベーション理論の一つに、ハーズバーグの動機付け要因・衛生要因論と云うものがある。 ①動機づけ要因:人々に満足を与える要因(Motivator) …達成、承認、仕事そのもの、責任、昇進、成長。 ②衛生要因:人々に不満を起こさせる要因(Hygiene Factor) …会社の政策と管理(同僚との関係)、監督(個人生活)、監督者との関係(部下との関係)、作業条件(身分)、給与(保障)。 |
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バーナード・ショー (イギリスの社会主義者) |
・「権威」 …「権威とは、公式組織における伝達(命令)の性格であって、それによって、組織の貢献者ないし『構成員』が、伝達を自己の貢献する行為を支配するものとして、即ち、組織に関してその人がなす事、或いはなすべからざる事を支配し、或いは決定するものとして、受容する」(バーナードの定義)。 ※バーナード・ショー…イギリス(アイルランド生まれ)の社会主義者、劇作家、劇評家、音楽評論家、イギリス近代演劇の確立者、ジョージ・バーナード・ショー。 ・「威厳」(孫子は、将軍に不可欠なものと認識) …「将とは、智恵と信頼と仁愛と勇気と威厳を云う」(孫子)。 ※孫子…孫武(中国の春秋時代の武将・軍事思想家、兵法書『孫子』の作者)の尊称。 ・「権威主義」 …この権威ないし、威厳が逆機能化し(曲解され)、或いは、フロムの述べる特殊な心理過程に入った時、「権威主義」が発生する。 ※フロム…ユダヤ系ドイツ人の社会心理学、精神分析・哲学の研究者、エーリヒ・フロム。 ・「ICバランス」 …「この誘因と貢献のバランスが非常に大切であろう。組織構成員は、組織から獲得する事の出来る誘因が、自分が組織に対しての貢献より大きいと主観的に感じている時のみ、強い貢献意欲が生ずるとされる。また、自分が主観的に観測した貢献度よりも、組織から主観的に受け取る事が出来る誘因が小さい場合は、彼は組織を去るか、見合うだけの貢献度に下げるだろう」 (注)「ICバランス」とは、I:誘因(Inducement)、C:貢献(Contribution)。 I≧Cの時のみ強い貢献意欲が生じる。 I<Cの場合、①組織を去るか②I=Cに見合うだけの水準に貢献を下げる。 ※出典:『組織論Ⅱ』(著者:李 勝載)。 ○"Life isn't about finding yourself. Life is about creating yourself.":「人生とは自分を見付ける事ではない。人生とは自分を創る事である」 |
ハーパー・リー (アメリカの作家) |
・「人間と云うものは、大体において、自分が見たいものを見、聞きたい事を聞くものだ」 …人とどの様な態度で接するかは、非常に重要である。 ※ハーパー・リー…アメリカの作家、小説家、『アラバマ物語』(1957年、1963年に映画化)の著者、ネル・ハーパー・リー。 |
ハーブ・コーエン (アメリカの交渉学の権威) |
・「上手に人の話を聞くには、言葉だけを聞いていたのでは十分とは云えない。話の内容を知り、理解する事が必要だ。要するに、意味は言葉にあるのではなく、それを発する人にあると云う事だ」 ※ハーブ・コーエン…アメリカの交渉学(心理交渉術)の権威、アメリカ(1938年、ニューヨーク)生まれ、大学や大学院、FBIアカデミー等で「交渉学」の講座を担当、『交渉ごとに強くなる法』の著者(訳者:川 勝久)。 |
パーマストン爵 (イギリスの元首相) |
・「国家には永遠の友も同盟国もない。あるのは永遠の国益だけだ」 ・「国家には恒久的な友好国も同盟国も存在しない。あるのは恒久的な国益のみである」 ・「永遠の同盟国も永遠の敵も存在しない。あるのは永久不変の国益だけであり、それを追求するのが我々の義務である」 ※出典:日経ビジネス2013年11月4日:「2013年に発覚した米NSAによる海外要人の盗聴問題(米諜報活動)について」…Gideon Rachman(@Financial Times, Ltd. 2013 Oct. 25)の投稿(号)。 ※パーマストン爵…イギリスの元首相(19世紀に2期務めた)、政治家、貴族、強硬外交で有名、ヘンリー・ジョン・テンプル(第3代パーマストン子爵)。 |
ハイデガー (ドイツの哲学者) |
・「未来が過去を決定し、現在を生成する」 …過去が今を決めるのではなく、未来と云うものを置く事によって、過去が意味付けされ、今が決まる。未来によって主導されてこそ、今と云う時が日々、生き生きと刻まれる。 ※ハイデガー…ドイツの哲学者、現象学の手法を用い存在論を展開、後の実存主義に影響、マルティン・ハイデッガー。 |
・「存在者の存在は、それ自体、一種の存在者<である>のではない」(『存在と時間』より) …存在は存在者を存在者たらしめるものであり、それ自体、一個の存在者ではないのだから、それを存在者の間に探し求めても見つかりっこない。ありとしあらゆるもの、<あるとされるあらゆるもの>をその様に<あるもの>たらしめているのが<ある>と云う事なのだから、それ自体は<あるもの>ではない。<存在>とか<ある>と云うのは一つの働きであり、その働きによって、ありとしあらゆるものが<あるもの>として見えて来る。 ・「現存在が存在する限りでのみ、存在は<ある>(エス・ギプト)」(『存在と時間』より) ・「現存在が存在を了解する時にのみ、存在はある」(『論理学の形而上学的基礎-ライプニッツから出発して』より) ・「存在は了解のうちにある」(『論理学の形而上学的基礎-ライプニッツから出発して』より) ※出典:『ハイデカー『存在と時間』の構築』(編著者:木田 元)。 |
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ハインリッヒ (アメリカの損害保険会社の社員) |
・ハインリッヒの法則、1対29対300の法則 …一つの大事故が発生したとすれば、その背後には29の小事故があり、更に事故には繋がらなかった300のニアミスが存在する」、労働災害や事故の確率を分析した結果、アメリカ人のハインリッヒ氏によって導き出されたもの。 ・1件の重大事故の背後には、かすり傷程度の事故が29件、事故には至らないが「ヒヤリ、ハッと」する事例が300件存在すると云うもの。 …労働災害に関する統計学上の法則。企業のリスク管理全般にも通じる。 (注)法則名は、この法則を導き出したハーバート・ウィリアム・ハインリッヒに由来する。彼がアメリカの損害保険会社にて技術・調査部の副部長をしていた1929年11月19日に出版された論文が法則の初出である。 ※ハインリッヒ…アメリカの損害保険会社の社員(技術・調査部の副部長)、ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒ。 |
パウロ・コエーリョ (ブラジル生まれの作家) |
・「本当に何かを望んだとき、宇宙のすべてが協力して、夢の実現を助けてくれる」(『アルケミスト-旅を愛した少年』(1988年)より) …私達が本当に何かをやりたいと思う時、周囲の人は協力を惜しまない。そして協力を得た時、私達の中には心境の変化が起きる。 (注)『エル・アルケミスタ』(O Alquimista)は、1988年に発表し世界中でベストセラーになる。英訳は、"The Alchemist"(錬金術師)。 ※パウロ・コエーリョ(Paulo Coelho)…ブラジル(リオデジャネイロ)生まれの作家、作詞家、小説家、詩人、ブラジル文学アカデミー会員、1947年リオデジャネイロ生まれ。 |
パスカル (フランスの数学者) |
・"Man is a thinking reed.":「人間は考える葦である」 ・「人間はひとくきの葦にすぎない。自然の中で最も弱いものである。だが、それは考える葦である」 ※出典:『パンセ』347の言葉(著者:ブレーズ・パスカル)。 (注)『パンセ』…フランス語で「瞑想録」の意味。 ※パスカル…フランスの数学者、物理学者、哲学者、思想家、宗教家、早熟の天才、ジャンセニスムを代表する著作家、『パンセ』(1670年)の「人間は考える葦である」の言葉で有名、ブレーズ・パスカル。 |
《人間の定義》 ・学問的には、霊長目ヒト科に属するホ乳類、ホモ・サピエンス(知恵ある人)。 ・アリストテレス(古代ギリシアの哲学者):人間は社会的動物である。 ・ラッセル(イギリス生まれの論理学者、数学者、哲学者):人間は半ば社会的、半ば孤独な存在だ。 ・ドストエフスキー(ロシアの小説家、思想家):人間は、どんな事にでも慣れる動物だ。 ・デカルト(フランス生まれの哲学者、自然哲学者、数学者):心をもった機械。 ・ホイジンガ(オランダの歴史家):ホモ・ルーデンス(遊ぶ人)。 ・その他:ホモ・ファベル(作る人)、生産する動物、道具を使う動物、裸のサル。 |
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パスツール (フランス生まれの生化学者) |
・"Chance favors the prepared minds.":「チャンスは、準備をされた心に降り立つ」 ・科学には国境はないが、科学者には祖国がある。 ※パスツール…フランス生まれの生化学者、細菌学者、「近代細菌学の開祖」、「科学には国境はないが、科学者には祖国がある」と云う言葉で有名、ルイ・パスツール、ルイ・パストゥール。 |
ハミルトン・メイビー | ・「対立を恐れてはいけない。凧(たこ)は風と共に昇るのではなく、風とぶつかりながら昇るのである」[決断力] |
ハリー・トルーマン (アメリカの第33代大統領) |
・座右の銘:"The buck stops here!":「最終責任は我にあり」「責任はここで止まる」「責任は私が取る」 …リーダーは逃げる事が出来ないと云う事。 ・「相手の立場を理解する程、殆どの人が全力で最善を尽くそうとしている事が分かる」 ※トルーマン…アメリカの第34代副大統領、第33代大統領、公民権革命を行った初めての大統領、ハリー・S・トルーマン。 |
バルト派の神学者 | ・「今出来る事をやる勇気。出来ない事を諦めるだけの冷静さと忍耐。それを識別する体力と知恵」 |
ハロルド・クシュナー (アメリカ生まれの著名なラビ) |
・「人間の魂は、名声や安楽、富、権力を求める事はない。そんなものは、手に入れたと思った端から次の問題をもたらすだけだ。人間の魂が求めているのは、生きる事の意味であり、意味のある人生の生き方が分かったと実感する事だ。それがあれば、この世はこれまでとは少し違ったものになるだろう」 …情熱は、才能を開花させる燃料である。 ※ハロルド・クシュナー…アメリカ(ニューヨーク)生まれの著名なラビ(ユダヤ教の聖職者、宗教的指導者)、作家、文筆家、聖書学博士、司牧(しぼく)、カウンセラー、ハロルド・サムエル、ハロルド・サムエル・クシュナー。 |
ハンナ・アーレント (ユダヤ人哲学者) |
・「悪は悪人が作り出すのではなく、思考停止の凡人が作る」 ※出典:著書『全体主義の起源』(The Origins of Totalitarianism、1951年)にある言葉。 ・アーレントはアメリカで終戦を迎え、そして、数百万人のユダヤ人を収容所に送ったアイヒマンの裁判の傍聴をした。そこで、アイヒマンが大悪人等ではなく職務に忠実な凡人役人である事を知り、その事を「悪の凡庸さ」と云う概念とした。 …第二次世界大戦後、逃亡していたナチス幹部のアイヒマンが捕まり、エルサレムで裁判に掛けられた。傍聴したアーレントは1963年、米ニューヨーク誌に「イエルサレムのアイヒマン-悪の陳腐さについての報告」と云う記事を書き、大論争を巻き起こした。アウシュビッツ収容所でユダヤ人の大量虐殺を指揮したアイヒマンをアーレントは「上からの命令を真面目に実行しただけの凡庸な男」と断じた。この解釈を多くのユダヤ人は「ナチス擁護」と受け止め、アーレントは裏切り者扱いされた。しかし人間は常に厳しく自分を律しないと、意外な程簡単に「思考停止の凡人」になってしまう。「上の命令だから」「みんながやっている事だから」。思考停止が国民全体に広がると全体主義になり国が滅びる。 ※ハンナ・アーレント…ドイツ出身のユダヤ人で、第二次世界大戦前にアメリカに亡命した哲学者、思想家。主に政治哲学の分野で活躍し、全体主義を生み出す大衆社会の分析で知られる。小惑星100027「Hannaharendt」は、彼女に敬意を表して命名された。 |
ピーター・F・ドラッガー (オーストリア生まれの社会生態学者) |
・「優れた者程、間違いは多い。それだけ新しい事を試みるからである。一度も間違いを犯した事のない者、大きな間違いをした事のない者をトップのレベルの地位に就かせてはならない。間違いをした事のない人間は凡庸(特別すぐれた能力や人を引きつける魅力のない様子)である。その上、如何にして間違いを発見し、如何にして素早くそれを正すか、その術(すべ)を知らない」 ・「企業の使命と目的を定義する時、出発点は一つしかない。顧客である。顧客を満足させる事が、企業の使命であり目的である。従って、我々の事業とは何かとの問いは、企業を外部、即ち顧客と市場の観点から見て、初めて答える事が出来る」 (注)20世紀は、GEのジャック・ウェルチ等の大企業経営者が社会を動かした。しかし、21世紀では、その役目はテクノロジストが担う。テクノロジストとは、金だけで動くのではなく、自身の専門性を全うする為に働く人である。 ・「いかなる企業と云えども、たとえそれがどの様に革新的であったとしても、成功裡に管理しない限り、生き残る事は出来ない。つまり企業家活動は、成功裡に動かされなければならないし、また、同じくイノベーションも成功裡に行わなければならないものなのだ」 …イノベーションの継続こそが競争力強化を実現し、そしてその競争力を事業として確実に執行して行く事が企業や組織の成長の条件である。 ・「部下が精力的且つ有能である為に、管理職が苦労する事はない」 ・「飛び抜けた才能を持った人は、人に教えるのが余り上手くない」 ・「コミュニケーションで一番重要なのは、言葉以外のメッセージを聞く事である」 …ボディランゲージも見逃さない事。顔の表情を観察し、目の動きに注目する事。 ・「意思決定の本質は、不確実性にある」 …不確実性は何故起きるかと云うと、絶えずイノベーションが起こるから。イノベーションのサイクルが非常に速くなった為、度々不確実性が訪れる。 ・"Build on strength.":「強みの上に築け」 ・「統制や命令による仕事では、喜びは得られない」 …個々人の力と責任に広い領域を与えると同時に、彼らの志や努力に共通の方向を与え、チームワークを打ち立て、個人的目標と共通の利益とを調和させる。 ※ピーター・F・ドラッガー…オーストリア生まれの社会生態学者、経営学者、社会学者、「現代経営学の父(祖)」、「マネジメント」(Management、経営)の発明者、ピーター・ドラッガー、P・F・ドラッガー。組織や企業経営に留まらず、個人の働き方やモチベーションに対しても強い関心を示していた。 |
・「企業が失敗するのは、間違った事をしたからでも、正しい事を上手く出来なかったからでもない。企業の事業環境を規定していたビジネスのルールが変わった事に気付かなかったからだ」 《シナリオプランニング》(Scenario Planning) ・シナリオプランニングは、「変化とは、様々な要素が相互に反応し合って起きるものである事。そして変化は機会とリスクの両方を作り出すものである事」と云う想定を基にしている。 ・シナリオプランニングを実施する事によって、企業の活動を制約している常識から離れて、物事の新たな見方を身に付けられる様になる。 ・シナリオプランニングを実施する上で、将来の変換の要因(ドライバー)として考慮しなければならない項目は、①グローバル化②人口動態③消費パターン④天然資源と環境⑤法規制と市民運動+「科学技術とイノベーション」+(破壊してしまうワイルドカード)。 ※出典:ポール・ラウディシナ…A.T.カーニー(経営コンサルティング会社)のCEO。 |
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・「西洋にもある儒教的な概念では、学びの目的は、自身を、新しく、それまでとは違う、より大きな仕事に向かわせる事だ。学ぶ者は、ある時期に来ると能力の停滞期に至り、そこに永遠に留まる事になる。日本人の概念は、禅的なアプローチとでも云えるものだ。学びの目的は自己修養。人は、現在の仕事を、より広がりがあり、より高い能力を求められ、より自身に多くを要求するものとして続けさせる」(トヨタとGMの品質を比較しての発言) ※出典:『ヒトデはクモよりなぜ強い』(The Starfish and The Spider)(著者:オリ・ブラフマン、ロッド・A・ベックストローム、訳者:糸井 恵)。 |
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・「知識労働者が最大限の成果を上げる能力を身に付ける方法」の指針(5つのポイント) ①時間をマネジメントする。 ②貢献に焦点を合わせる。 ③強みを生かす。 ④重要な事に集中する。 ⑤効果的な意思決定を行う。 ・「時間とは借りる、買う、雇う事によって増やせない特異な資源である」 …仕事を計画するのではなく「時間の使い方を計画する事」こそが重要。時間管理に万能薬はなく、速読術の体得や面会時間に制限を設ける等の小手先の工夫は、「全ていかさまであり、時間の無駄である」 ※出典:『プロフェッショナルの原点』(著者:P・F・ドラッガー、ジョセフ・A・マチャレロ)。 |
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・「業績に応じて報酬を。能力に応じて昇進を」 ※出典:『組織論Ⅱ』(著者:李 勝載)。 |
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●「企業の原点は顧客満足だ」(フィリップ・コトラーも同様の発言) | |
・日本が:現在直面している問題について:「現実における変化には、2つの特徴があります。前回とは決して同じにならない事。そして、机上で考える変化より先に現れる事、です。この事を理解しなければ、変化を危機と見誤ってしまうでしょう。日本に起こっている事は決して危機ではありません。-日本に起こっているのは変化なのです」 ※出典:『ドラッカー最後の言葉』(発行所:㈱講談社)。 …変化をチャンスと捉えると前向きの力が働く。しかし危機と捉えると、守りに入りポジティブな施策が打ち出しにくくなる。世界を熟知した経営思想家による日本への提言と受け止め、変化をチャンスと捉えて立ち向かって行きたいものである。 ※出典:販売士資格更新講習会テキスト《2級・3級販売士共用》第1部『一般流通常識』(発行:日本商工会議所・全国商工会連合会、発行日:2012年(平成24年)9月1日第8版2刷)P.9、2013/03/09(土)。 |
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・「今尚、普遍性を持った紛れもない『マネジメント科学』と呼べるものは、複式簿記とそこから派生した手法だけである」 ※出典:『簿記・会計先覚者の金言集・解説』(著者:坂本 孝司)、2014/09/08。 |
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・「経営者には、自らの組織をして社会に貢献させる上で3つの役割がある」 ①組織の使命を果たす。 ②仕事を通じて働く人達を生かす。 ③自らの組織が社会の問題に貢献する。 |
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ビスマルク (ドイツの政治家) |
・「過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる」 ・「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」 ・「政治とは妥協の産物であり、可能性の芸術である」 ※ビスマルク…プロイセン及びドイツの政治家(君主主義の保守的な政治家)、プロイセン王国の宰相、ドイツ帝国の初代宰相、ドイツ統一の立役者、優れた外交官、異名:「鉄血宰相」、オットー・フォン・ビスマルク、オットー・エドゥアルト・レオポルト・フォン・ビスマルク、オットー・エドゥアルト・レオポルト・フュルスト(侯爵)・フォン・ビスマルク=シェーンハウゼン。 |
【参考】 『政治の品位』(著者:内田 満…政治学者、発行所:㈱東信堂)…早稲田大学の名誉教授の最後の著書。 ・議会制民主主義での政治は「妥協の芸術」だとして、同書の中で次のように指摘している。 <妥協よりも「千万人といえども吾往かん」といった生き方の方が颯爽としていますし、大方の喝采を博するでしょう><妥協がとかくマイナス・イメージで受けとられているのは、いわゆるタシテ2で割る式の無原則的妥協を思い浮かべてしまうからでしょう。しかし、民主主義の手法として望まれるべき妥協は、与えられた条件の中で自分の信念、理想に出来る限り近づける努力を重ねた上でのギリギリの妥協です> <議会制デモクラシーは、議会での討論を重ねて対立する意見の妥協点を探り、決着をはかる政治の方式である> |
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◆「飴と鞭」(アメとムチ、ドイツ語:Zuckerbrot und Peitsche、英語:Carrot and Stick(人参と棒) ・為政者の国民懐柔策で、一方では弾圧法規を制定すると共に、一方では国民生活に役に立つ政策を実施する事で、鞭を前者に、飴を後者に例えた言葉。 ・ドイツ帝国の「鉄血宰相」ビスマルクによる政策を評価した言葉が定着したもの。 ・1880年代にビスマルクは、社会主義の温床が貧困にあるとして、疾病保険法・災害保険法・老齢疾患保険法に基づく世界最初の社会保険制度を創設し社会改良を行う事で階級融和を図った。しかし、社会主義者鎮圧法と同時に実施された為、「飴と鞭」の政策と云われた。これらの政策は、現在の世界の社会保障制度の先駆けとなった。慣用句として定着する様になり、「アメとムチ」の様にカタカナで表記される事も多い。 ・ビスマルクを批判する立場からこの言葉を使ったのは、フランツ・メーリンクで、彼は社会主義者である。また、アメには利益、ムチには暴力・強制と云った意味が込められている。 |
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ピタゴラス (古代ギリシアの数学者) |
・「己を制し得ぬ者は、自由人とは言えぬ」 ・「真に自由になりたい者は、自分のわがままを抑える事が出来なければ、それを獲得する資格はない」 ・「自らを制し得ないものは自由たり得ず」 …人間の心理に対して述べたもの。 ・「怒りは無謀をもって始まり、後悔をもって終わる」 …怒りの感情に心を支配されて、無謀な行為をし、後悔してその事を終える。 ※ピタゴラス…古代ギリシアの数学者、哲学者、「ピタゴラスの定理」等で有名、「サモスの賢人」「クロトンの哲学者」、古代ギリシアのイタリア植民地の生まれ、ピュタゴラス。 |
ヒポクラテスの誓い (The Oath of Hippocrates) (古代ギリシアの医者) 金沢医科大学の資料(原文:小川 鼎三訳) |
・医師の倫理・任務等について、ギリシア神への宣誓文。 …古代ギリシャの医師、ヒポクラテスが医の倫理を纏めたもので、現在でも医療のあるべき姿を示すものとして継承されている。 ・『ヒポクラテスの誓い』 …医神アポロン、アスクレピオス、ヒギエイア、バナケイア及び全ての男神と女神に誓う、私の能力と判断に従ってこの誓いと約束を守る事を。 この術を私に教えた人を我が親の如く敬い、我が財を分かって、その必要あるとき助ける。 その子孫を私自身の兄弟の如くみて、彼らが学ぶ事を欲すれば報酬なしにこの術を教える。そして書き物や講義その他あらゆる方法で、私の持つ医術の知識を我が息子、我が師の息子、また医の規則に基づき約束と誓いで結ばれている弟子どもに分かち与え、それ以外の誰にも与えない。 ①私は能力と判断の限り患者に利益すると思う養生法をとり、悪くて有害と知る方法を決してとらない。 ②頼まれても、死に導く様な薬を与えない。それを覚らせる事もしない。同様に婦人を流産に導く道具を与えない。 ③純粋と神聖をもって我が生涯を貫き、我が術を行う。 ④結石を切り出す事は神かけてしない。それを業とする者に任せる。 ⑤いかなる患家を訪れるときも、それはただ病者を利益するためであり、あらゆる勝手な戯れや堕落の行いを避ける。女と男、自由人と奴隷の違いを考慮しない。 ⑥医に関すると否とに関わらず、他人の生活についての秘密を守る。 ⑦この誓いを守り続ける限り、私は、いつも医術の実践を楽しみつつ生きて、全ての人から尊敬されるであろう。 もしもこの誓いを破るならば、その反対の運命を賜りたい。 ※ヒポクラテス…古代ギリシアの医者、古代ギリシアの医学の大成者、科学的な医学を発展させた「医学の父」「医聖」「疫学の祖」「人生は短く、技芸は長い」、医師の倫理性と客観性を重んじ、「ヒポクラテスの誓い」として現在まで受け継がれている。 ※小川 鼎三…医史学者、元・東京大学の医学部教授。 |
ビル・クロフォード (アメリカのセールス・マネジャー) |
・「なあジグ、このひもを“押す”のは至難の技だが、“引っ張る”のは簡単だ。人間関係もこれと同じさ。引っ張るのは簡単だが、押すのはとても難しい。これからマネジャーとして働く様になれば君にも分かると思うが、真のリーダーシップとは、部下にプレッシャーを掛けて何かをやらせる事じゃない。部下に対して自分が手本を示し、彼らの先頭に立って引っ張って行く事なんだ。もし君が本当のリーダーになれば、人々は喜んで君に付いて来るだろう」[リーダーシップ] ※ビル・クロフォード…アメリカのセールス・マネジャー、ジグ・ジグラーが慕う人物、この言葉はビルがジグに贈ったアドバイス。 |
ビル・ゲイツ (アメリカのマイクロソフトの創業者・会長) |
・「成功のカギは、目的を見失わない事だ」 …常に「目的は何か」を意識し、それを実現する為にはどうしたらいいのかと云う具体的な「目標」のプロセスに集中する習慣が大切である。そして一つの「目標」を達成したら、最終の「目的」に向け、更に次の具体的な「目標」を設定し、確実に達成していく事である。 ※出典:『ビジネス〈勝負脳〉 脳科学が教えるリーダーの法則』(著者:林 成之)。 ※ビル・ゲイツ…アメリカの実業家、マイクロソフトの共同創業者・会長、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の共同会長、ウィリアム・ヘンリー・ゲイツ三世。 |
ビル・マッカートニー (アメリカの元フットボール・コーチ) |
・「誰かを低く評価する事は神の創造物に疑問を差し挟む様なものだ」 …人の価値を知る事は、絆を築く為の第一歩であり、色々な利点もある。 ※ビル・マッカートニー…アメリカのコロラド州立大学の元フットボール・コーチ、監督、プロミスキーパーズ(国際的なキリスト教運動団体)の創設者。 |
フィリップ・B・クロスビー (アメリカの品質管理の第一人者) |
・「人間行動学の理論に、人間は無意識の内に自らの知的成長を妨害すると云う考え方がある。つまり、月並みなやり方や習慣に頼ろうとするのである。一人前の年齢になると、新しい事を学ぶのを止め、ぼんやりと過ごす様になる。野心的で、熱心に、昼夜分かたず働くかも知れないが、学ぶ事への情熱が減って行くのである」 …人は一生、自力で成長を続けていかなければならない。 ※フィリップ・B・クロスビー…アメリカの品質管理の第一人者(権威)、アメリカのフィリップ・クロスビー・アソシエーツ(PCA)の創立者、CMM(Capability Maturity Model、能力成熟度モデル)の原型を作った。 |
《「品質管理5原則」(クロスビー原則)》 ①品質とは、要求への適合であり、優良性ではない。 ②品質の為のシステムとは、予防であり、評価ではない。 ③業務基準とは、ゼロ欠陥であり、「ほぼ完璧」ではない。 ④品質を測定するのは、不適合の価格であり、指標ではない。 ⑤品質の目標とは、顧客の成功であり、顧客の満足ではない。 |
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フィリップ・コトラー (アメリカの経営学者) |
・「あらゆるものがブランドであり、あらゆる人がブランドである」 ・「未来を見通す為には、歴史を知らなければなりません」 ・「景気後退期に企業が実行すべきマーケティングの基本動作は4つあります」 ①顧客がどう変わりつつあるのかを注視する事。 ②自社の製品やサービスを再点検する事。 ③製品が顧客の手に届くまでの全プロセスを再点検する事。 ④販売促進の抜本的な改革をする事。 ・「現代のマーケティングは、どれだけ顧客の深層心理に迫れるかの勝負です。マーケティング部門は数字をいじり回しているだけでは存在価値がありません」・「皆がマイナス思考に陥っている時にこそ、違う視点から市場を見つめ、大胆に行動する事こそがマーケティングの真骨頂なのです」 ・「マーケティング3.0」では、消費者をマインドとハートと精神を持つ全人的存在として捉え、従来のマーケティングの武器だった「製品開発」や「差別化」ではなく、「世界をよりよい場所にする」為の社会的な「価値創造」こそが消費者を引き付ける重要な要素になると説く。 消費者がインターネットやソーシャルネットワークによって対話し、協働する世界では、もはや企業論理のマスマーケティングは通用しない。消費者は企業を機能的パフォーマンスから社会的パフォーマンスの観点から語り始めている。そうした傾向はツイッターやブログの風評や炎上事件を見れば明らかである。 ・「マーケティング3.0」とは、(1)協働マーケティング、(2)文化マーケティング、(3)スピリチュアルマーケティング(精神の充足の意味)の3つの要素の融合であると云う。創造性、文化、伝統、環境と云った分野で価値創造に参画出来る企業こそ、ソーシャルメディア時代の勝者となると教える。マイクロファイナンス、ソーシャルビジネス、BOP(Bottom of the Pyramid)市場、グリーン市場等未来の成長市場におけるケースも示されている。 |
・コトラーが提唱するマーケティング価値観の変遷 ①マーケティング1.0 製品中心のマーケティングの時代 …製品中心、製品を販売する事、製品開発、1対多数の取引。 ②マーケティング2.0 消費者指向のマーケティングの時代 …消費者志向、消費者を満足させ、繋ぎ留める事、差別化、1対1の関係。 ③マーケティング3.0 価値主導のマーケティングの時代 …価値主導、世界をより良い場所にする事、価値、多数対多数の協働。 ※出典:『コトラーのマーケティング3.0ソーシャルメディア時代の新法則』(著者:フィリップ・コトラー、ヘルマワン・カルタジャヤ、イワン・セティアワン、監訳者:恩藏 直人、訳者:藤井 清美、発行所:㈱朝日新聞出版)からの抜粋、日経ビジネス2012年12月24日・31日年末合併号:実践の奥義「経営の巨人の教えを生かす⑤-コトラー 経営の起点は「顧客」と確信」。 |
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●「企業の原点は顧客満足だ」(ピーター・F・ドラッガーも同様の発言) ※フィリップ・コトラー…アメリカの経営学者、マーケティング学者、現代マーケティングの第一人者と呼ばれる権威、「現代マーケティングの父」。主な著書に『コトラーのマーケティング講義』『コトラーのマーケティング・マネジメント』『コトラーのマーケティング・コンセプト』『マーケティング10の大罪』『コトラーの戦略的マーケティング』『市場戦略論』等。 |
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フェルディナン・フォッシュ (フランスの陸軍元帥) |
・「絶望的状況と云うものはない。あるのは、自分に絶望した男と女がいるだけだ」 …どんな人にも何かしら素晴らしい所があるものだ。ただ、今は未だそれが表に現われて来ていないだけなのかも知れない。 ※フェルディナン・フォッシュ…フランスの陸軍元帥、第一次世界大戦の英雄、連合国軍総司令官、イギリス陸軍元帥、ポーランド元帥。 |
フェルナン・ブローデル (Fernand Braudel) (フランスの歴史学者) |
・「国家の存亡は、中期的には人口動態や戦争の有無、更に長期では自然環境の変化と密接に関係する」(学説) …経済状態や地理的条件が世界史において果たす役割に注目し、20世紀の歴史学に大変革を起こした。 ・歴史的時間における重層性を発見し、文明社会の歴史を「長・中・短」の3つの波に分けて考える事、文明や社会の構造を全体として捉えるものを提唱した。 …ブローデルは、代表作『地中海』(原題『フェリペ2世時代の地中海と地中海時代』)で、歴史を「長波」・「中波」・「短波」の三層構造として把握する事を提唱した。 ①短波…表層にはまたたく間に過ぎ去る歴史、個人及び出来事史と云う「短波」がある。 ②中波…20年~30年単位の波。ゆっくりとリズムを刻む社会の歴史、即ち、一つの局面、人口動態、国家そして戦争等の「中波」がある。 ③長波…100年~1000年以上の数世代単位で動く波。最も深層において、不変の、或いは殆ど動く事のない自然や環境、構造、「長期持続」等の「長波」がある。特に最後の「長期持続」の相を重視する点で、従来の歴史学とは一線を画した。全ては緩慢な歴史、即ち「長期持続」の歴史の周りを回っていると把握したのである。 ※出典:フェルナン・ブローデル(Fernand Braudel)…フランスの歴史学者、アナール派。経済状態や地理的条件が世界史において果たす役割に注目し、20世紀の歴史学に大変革を起こした。 【参考】 ・世界を中央と辺境、先進国と新興国と云った構図で捉える(出口 治明(ライフネット生命保険㈱のCEO)氏の提案)。 ※出典:『近代世界システム』(著者:イマニュエル・ウォーラーステイン(Immanuel Wallerstein)…アメリカの社会学者、政治経済学と社会学を包括した世界システム論を提唱、確立した)。 ・メディアや教育を通じて個人が認識する「民族」や「国家」と云う、想像の「共同体意識」を取り払って裸で考える。 ※出典:『想像の共同体』(著者:ベネディクト・アンダーソン(Benedict Richard O'Gorman Anderson)…アメリカの政治学者、コーネル大学の政治学部名誉教授)。 ※出典:日経ビジネス2014年12月15日号。 |
プラトン (古代ギリシアの哲学者) |
・「理想の政治は哲人政治である」 ・哲人政治…プラトンの思索した、哲人王を統治者とする独裁政治体制の一種。 ※出典:『国家』…中期対話篇で主著の一つ、"The Republic"、副題は「正義について」、『国家篇』とも云われる。 ※プラトン…古代ギリシアの哲学者、ソクラテスの弟子、アリストテレスの師、プラトーン。 |
フランク・カーニー (ピザ・ハット(Pizza Hut)の創業者) |
・「自分で仕事を始め様とする人々に対しては、『失敗する事だ』とアドバイス」[行動力] …「ピザ・ハット」が大きな成功を収めた要因は、失敗から多くの事を学んだ為だと断言している。 ※フランク・カーニー…ピザ・ハット(Pizza Hut、本社:テキサス州ダラス郡アディソン)の創業者、ダン・カーニーの弟。 |
フランクリン・P・ジョーンズ (アメリカの経営者) |
・「核心を突いた批判は受け入れ難い。特にそれが身内や友達や知人から、いや、例え見ず知らずの人から発せられた時でも」[コミュニケーション力] ※フランクリン・P・ジョーンズ…アメリカの経営者、実業家。 |
フランクリン博士 (アメリカの大学の教授) |
・「メッセージを効果的に伝える事は、決して難しい事ではない。複雑な表現等不必要である。例えば色彩は、基本的には3種類しかなく、その3色、赤・青・黄を使ってミケランジェロはあれだけの業績を成し遂げた! また、僅か7種類の音階を駆使して、ショパンやベートーベンやヴィヴァルディは、あれ程の芸術を作り上げたのだ!」[コミュニケーション力] …コミュニケーションを図る時は、深い思考を巡らしつつも、表現は出来るだけ単純にする。平均的なアメリカ人が日常使っている単語は500に過ぎない。しかし、それを上手く組み合わせる事で、表現は何倍にも膨らむのである。 ※フランクリン博士…アメリカの大学の教授、ジグ・ジグラーの友人。 |
フランシス・ベーコン (イギリスの哲学者) |
・「若い時は一日は短く一年は長い。歳をとると一年は短く一日は長い」 …若い時は一日があっと云う間に過ぎ去るが、一年は長く、10年先の事等遠い未来の事の様な気がする。歳をとるとその逆になり、何もする事がなくて一日は長く感じるのに、一年は短いと云うのである。 ・「金は良い召使いでもあるが、悪い主人でもある」 …沢山の召使いを集め様として、自分が“奴隷”の様に使われる(働く)と云うのでは、本末転倒と云う事になってしまう。 ※フランシス・ベーコン…イングランド近世(ルネサンス期)のイギリスの哲学者、イギリス経験主義の哲学者、キリスト教神学者、法律家、科学的世界観の先駆者、「知は力なり」と云う言葉で有名。 |
フランスの諺 | ・「絶対にミスをしない人は、何もしない人だけである」 |
プルタルコス (ギリシャの哲学者) |
・「豊かの土地も開墾しなければ、雑草が生い茂るばかりである」 …「成功したい」と云う欲求がなければ、どんなスキルや知識や才能があっても、成功に導く事は出来ない。 ・「人の話を聞くのが巧みであれば、人の悪口からでも得る所がある」 ※プルタルコス…ギリシャの哲学者、帝政ローマ初期に活躍したギリシャ人伝記作家、著述家、『対比列伝』(英雄伝)の著者。 |
フレッド・スミス (リーダーシップのエキスパート) |
・「成功してもいいと云う許可を与えられるのは誰かと云えば、それだれの権威のある人である。それ以外の人は元気付ける位で、許可を与えられるのは親や上司、牧師の様な権威を持った人でなければならない」 …権限を与えるには、それ相応の「立場」が必要である。 ・「相手の「いいところ」は出来るだけ沢山褒める事にしている」 |
フロイト (オーストリアの精神分析学者) |
・「歯の痛い人は、恋する事が出来ない」 …歯が痛いと、それ以外の事に気持ちが向かないと云う意味。転じて、心に何かが引っかかっていると、人の言葉を素直に聞く事が出来ない。 ※フロイト…オーストリアの精神分析学者、神経病理学者、精神科医、精神力動論を展開、ジークムント・フロイト。 |
フローレンス・リタウアー | ・人間の性格は4つのタイプに分けている(2つの混合型もある)。 ①楽天的な人 …楽しい事が好き、外交的、付き合い重視、才気煥発、お気軽、人気者、芸術家肌、感情的、率直、楽天的。 ②悲観的な人 …完璧主義、内省的、仕事重視、芸術家肌、感情的、目標重視、几帳面、悲観的。 ③冷静な人 …平和主義、内省的、感情を表に出さない、強い意志、付き合い重視、悲観的、強い目的意識。 ④短気な人 …権力志向、強い意志、思い切りがいい、目標重視、几帳面、感情を表に出さない、外向的、率直、楽天的。 (注)内省(ないせい)…自分の行動の跡や精神のあり方等を深く見詰める事。 ※フローレンス・リタウアー…『パーソナル・プラス』の著者。 |
ヘーゲル (ドイツの哲学者) |
・「ミネルヴァ」の梟(フクロウ)は、黄昏(たそがれ)を待って初めて飛ぶ」(『法の哲学』より) …変化の激しい時代に、先を読む目をどう働かせて行くかが重要。文明や事象の転換期を的確に捉えて、真理を掴む。「きちんと考えていれば、誰でも掴む事が出来る」 (注)ローマ神話の女神「ミネルヴァ」…知性と技術を司り、その使いの梟(フクロウ)は英知の象徴。 ※ヘーゲル…ドイツの哲学者、ドイツ観念論の思想家、ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル。 ※ヘーゲル…『西洋哲学史』(著者:バートランド・ラッセル、1945年)において、最も理解が困難な哲学者と評されている。 |
ヘレン・ケラー (アメリカの教育家) |
・「高く舞い上がりたいと云う衝動を持った人間は、地面を這いずり回る事で満足する事はない」 …一度でも一つ上の階段を経験させると、その人の中に高く舞い上がりたいと云う欲求が生まれる。 ・「人生は刺激的だ。それも人の為に生きる時が一番刺激的だ」 …願望を実現するには、先ず自分を信じ、人の為に進んで身を捧げなければならない。 ※ヘレン・ケラー…アメリカの教育家、社会福祉事業家、ヘレン・アダムス・ケラー。 |
ベルトルト・ブレヒト (ドイツの劇作家) |
・「英雄のいない時代は不幸だが、英雄を必要とする時代はもっと不幸だ」 ・「英雄のいない時代が不幸なのではない。英雄を必要とする時代が不幸なのだ」 ・「英雄のいない国は不幸だが、英雄を必要とする国はもっと不幸だ」 ・「名言のない時代は不幸だが、名言を必要とする時代はもっと不幸だ」 ※出典:ベルトルト・ブレヒト…ドイツの劇作家、詩人、演出家、戯曲『ガリレオ・ガリレイの生涯』の作者。 |
ベンジャミン・ディズレイリ (イギリスの偉大な政治家) |
・「自分の思いを上回る成果を上げる事は不可能なのだから、思いはなるべく大きく持たなければならない」 …人間は、大胆な夢を持たない限り、大胆な成功を収める事は出来ない。 ※ベンジャミン・ディズレイリ…ヴィクトリア朝期(19世紀)のイギリスの偉大な政治家、イギリス首相(ユダヤ人ではディズレーリのみ)、小説家、初世ビーコンズフィールド伯ベンジャミン・ディズレーリ。 |
ベンジャミン・フランクリン (アメリカの政治家)が ジョン・ポール・ジョーンズ (アメリカの海軍軍人) に宛てた手紙 |
・「今後、貴官が部下や友人に対して過分の称賛を与えると同時に、貴官の責任とは云えない事についても過ちを認めるならば、遠からず貴官は偉大なる艦長となられるだろう」 …ジョーンズはその真意を汲み取り、アメリカの独立戦争の英雄になり、その後はロシア海軍の海軍少将の地位を得た。 ※ベンジャミン・フランクリン…アメリカの政治家、外交官、著述家、物理学者、気象学者、アメリカ独立に多大な貢献をした大人物、『フランクリン自伝』はアメリカのロング・ベストセラー。 ※ジョン・ポール・ジョーンズ…アメリカの海軍軍人、海軍司令官、イギリスのホレーショ・ネルソン、日本の東郷平八郎と共に、「世界三大提督」の一人に挙げられる。 |
ヘンリー・デイビィッド・ソロー (アメリカの作家) |
・「生命は野生と一致する。もっとも生き生きしているものとは、もっとも野生的なものである。まだ人間に服従していない為、その存在は人間に生気を取り戻させる」 ※出典:『ウォーキング』(Walking、訳者:大西 直樹)。 ※出典:『地球の上で歩く、食べる、眠る アウトドアのレッスン』(監修:北山 耕平、編著:梶原 光政)。 ※ヘンリー・デイビィッド・ソロー…19世紀のアメリカの作家、思想家、詩人、博物学者。アメリカにおける環境保護運動の先駆者であり、『森の生活』と云う歴史的な名著でヒッピーやナチュラリスト達に多大な影響を与えた。 |
ヘンリー・ドラモンド (経済学者) |
・「人生を振り返って見ると、心から生きがいを感じたのは、愛情に突き動かされて行動した時だ」 ※ヘンリー・ドラモンド…19世紀の経済学者。 |
ヘンリー・フォード (アメリカのフォード・モーターの創業者) |
・「最良の友とは、貴方の一番良い部分を引き出してくれる人の事である」 ・「世の中に成功の秘訣なるものがあるとすれば、それは良く他人の心の中に入り、他人の立場から物事を扱う事が出来る才能に他ならない」[コミュニケーション力] ※ヘンリー・フォード…アメリカ生まれの企業家、フォード・モーターの創業者、技術者、発明家。 |
ヘンリー・ミンツバーグ (カナダの経営思想家) |
・「戦略は与えられるものではない。庭に生い茂る様に生まれて来るものだ」 …研修に参加して来る幹部社員や幹部候補社員が、早く自社の生き残り戦略を掴みたいと思い、出来れば講師から手っ取り早く伝授して貰いたいと云う思いを出して来る人に対して、紹介する言葉。 ※ヘンリー・ミンツバーグ…カナダの異端の経営思想家、カナダのマギル大学経営大学院のクレゴーン記念教授、INSEAD(インシアード、ビジネススクール・大学院)の組織理論学教授、ピーター・F・ドラッガーと双璧をなす人物と云われている。 |
ポール・クルーグマン (アメリカの経済学者) |
・「庭師と植物学者は違う」 …良い庭を作るには、植物学の知識が必要である。植物の育成には、土壌に合う植物、日光や肥料の配分、等の植物学の基礎的な情報が必要である。だからと云って、優れた植物学者が優れた庭師とは云い切れない。庭師の仕事と植物学者は、似て非なるものである。 ※ポール・クルーグマン…アメリカの経済学者、コラムニスト(ニューヨーク・タイムズ)、プリンストン大学の教授、2008年にノーベル経済学賞を受賞。 |
ポール・ティリッチ (ドイツ生まれの哲学者) |
・「愛の本分は聞く事である」 |
ボッサード (アメリカの心理学者) |
・「男女間の物理的な距離が近い程、心理的な距離は狭まる」(法則) …一組の男女が結婚する確率は、婚約者同士の距離が遠くなる程、減少する。物理的な距離は、やはり心理的距離とは無縁ではない。 ※ボッサード…アメリカの心理学者。 |
マーク・トウェイン (アメリカの作家) |
・「貴方の大望を小さな枠に嵌(は)め様とする人は避ける事。人間が小さい人程、その傾向がある。しかし、偉大な人間は、貴方自身も偉大になれると云う気にさせてくれる」 …リーダーは、部下の才能を押しつぶしてはならない。部下の側から見て、リーダーを選ぶ際の教訓。 ※出典:『求心力』(Becoming a Person of Influence)(著者:ジョン・C・マクスウェル、ジム・ドーナン、訳者:齋藤 孝)。 ※マーク・トウェイン…アメリカ(ミズーリ州)の作家、小説家、本名:サミュエル・ラングホーン・クレメンズ。 |
マーク・ハード (米国オラクル社の共同社長) |
・「大きなビジネスを運営していく上では、成長と効率化は常に両方ともやらないといけない。重要なのは、最終的にビジネスで結果を出す事になる。投資しつつ合理化を進める。「どちらか」を選ぶと云う選択肢はない」 ※出典:日経ビジネス2012年4月23日号。 ※マーク・ハード…Mark Hurd、米国Oracleオラクル社の共同社長、米国Hewlett-Packard(HP)ヒューレット・パッカードの元CEO。 |
マーシャル・ゴールドスミス (エグゼクティブ・コーチングの第一人者) |
◆ゴールドスミス氏が纏めた経営幹部の悪癖(リーダーが抱える20の悪い癖) 1.極度の負けず嫌い。 2.何か一言価値を付け加え様とする。 3.善し悪しの判断を下す。 4.人を傷付ける破壊的コメントをする。 5.「いや」「しかし」「でも」で文章を始める。 6.自分が如何に賢いかを話す。 7.腹を立てている時に話す。 8.否定、もしくは「上手くいく訳ないよ。その理由はね」と云う。 9.情報を教えない。 10.きちんと他人を認めない。 11.他人の手柄を横取りする。 12.言い訳をする。 13.過去にしがみつく。 14.えこひいきをする。 15.すまなかったと言う気持ちを表さない。 16.人の話を聞かない。 17.感謝の気持ちを表さない。 18.八つ当たりをする。 19.責任回避する。 20.「私はこうなんだ」と言い過ぎる。 ※出典:『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』(著者:マーシャル・ゴールドスミス他、発行所:㈱日本経済新聞出版社)、日経ビジネス2013年8月5日号。 ※マーシャル・ゴールドスミス(Marshall Goldsmith)…エグゼクティブ・コーチングの第一人者、コーチングの神様。GEのジャック・ウェルチ会長、フォード・モーターのアラン・ムラーリCEO、世界銀行のジム・ヨン・キム総裁ら世界の数多くの企業トップにコーチングを実施した経験を持つ。 |
マーチ&サイモン | ・「謙虚利中」 …「謙虚さ」は中(真実)を磨いていく(利)と云う意味である。 ・完成された状態(密)に対して、「謙」とは、未だ完成までには何か至っていないと実感する「心」である。 ・マーチ&サイモンの主張に従って云えば、絶えず「不満足状況」を作って行くプロセスである。この「謙」、マーチ&サイモンでは「不満足」が生成され続ける限り、努力、探索は継続される。 ・また、自分が未だ「謙」なのに、相手がそれより完成されているのを実感する「心」が「敬」である。組織においては、誰もが自分を「謙」と実感し、まわりのメンバーを「敬」する事でより、「心的交流」のある市民性を持つ基礎となる。 ※出典:『組織論Ⅱ』(著者:李 勝載)。 ※マーチ&サイモン…『オーガニゼーションズ』の共著者、J.G.マーチ&H.A.サイモン、1958年。 |
マーティン・セリグマン (アメリカの心理学者) |
・「自己評価の高い人程、給料のいい仕事に就き、大きな成功を収めている」と云う事実を明らかにした。 ※マーティン・セリグマン…アメリカの心理学者、ペンシルバニア大学の心理学教授、米国心理学会(APA)の前会長、「ポジティブ心理学」研究の第一人者。 |
マイケル・ポーター (アメリカの経営学者) |
・経営戦略のフレームワーク「5 Forces」(ファイブ・フォース) ※複数形ですので「フォースィーズ」と読む筈ですが、日本語では「ファイブ・フォース」と云われている様である。 …①新規参入業者、②代替品(間接競合)、③供給業者、④買い手(顧客)、⑤競争業者(直接競合)の「五つの要因が結集して、業界の究極的な収益率-即ち、長期的な投資収益率を決める」(『競争の戦略』P.17)と云う理論である。 ・そして、「競争戦略の目標は、業界の競争要因から上手く身を守り、自社に有利な様にその要因を動かせる位置を業界内に見付ける事にある」と(同 P.18)と結論付けている。 …この様に、ある業界における自社の「位置」を上手く見付け、そこに位置する(ポジションする)事が成功のカギだと云う為、「ポジショニングセオリー、ポジショニング論」と呼ばれたりしている(マーケティングで云う「ポジショニング」とは全く違う意味)。 ・企業の存在基盤は、「社会との共通価値の創造(Creating Shared Value)」である。 …ここで云う「社会」は、株主だけではなく、顧客、取引先、従業員、地域社会等の企業を支える人や組織全ては指す。 ※マイケル・ポーター…アメリカの経営学者、学位は経済学博士(ハーバード大学、1973年)、ハーバード大学の経営大学院(ハーバード・ビジネス・スクール)の教授(MBA)、マイケル・E・ポーター。 |
マザー・テレサ (修道会「神の愛の宣教者会」の創立者) |
・「貴方が出来ない事を私がやり、私が出来ない事を貴方がやる。一緒にやれば、私達は偉業を成し遂げられる」 …チームの力を理解出来ない人は、十分な能力を発揮出来ない。 ※マザー・テレサ…カトリック教会の修道女、福者、修道会「神の愛の宣教者会」の創立者、本名:アグネス・ゴンジャ・ボヤジュ。 |
マックス・ウェーバー (ドイツの社会学者・経済学者) |
・「官僚制」 …国家・大企業を統括する為には明確な諸規則、企業では事務分掌規定からなる「官僚制」が不可欠である。明確な諸規則に則る限り、官吏は上下関係に依る「権力の可視性」に左右される事なく客観自由に活動する事が可能であり、専門家の育成が可能となる。 ・「官僚化」・「官僚主義」 …「官僚制」を曲解し、逆機能化し、或いは「官僚制」が必要でもない部分にも「偽官僚制」を導入する事により、「自己防御」或いは、官僚としての卓越・威信の欲求を満たす為の手段として用いられる事である。 ※出典:『官僚制』(著者:マックス・ウェーバー)。 ※出典:『組織論Ⅱ』(著者:李 勝載)。 ・「その国の政府は、その国に生きる人の鏡である」 …国の元首やリーダーを見れば、国民の考え方や判断基準が分かる(解釈)。 ※マックス・ウェーバー…ドイツの社会学者・経済学者、アルフレッド・ヴェーバー(社会学者・経済学者)の兄、マックス・ヴェーバー、カール・エミール・マクスィミリアン・ヴェーバー。 |
マックス・デプリー (アメリカのハーマン・ミラーの元CEO) |
・「リーダーが最初にすべき事は、現実を明らかにする事だ。最後にすべき事は「有難う」と云う事だ。その間でリーダーは義務を負う召使いとならなければならない。それが巧みなリーダーへの道だ」[リーダーシップ] ※マックス・デプリー…アメリカのハーマン・ミラー(家具メーカー)の元CEO、『リーダーシップの真髄』の著者(米国経営者のバイブルとまで云われた)。 |
マルクス (ドイツの経済学者) |
・「人間は自分の歴史をつくる。けれども歴史をつくっている事を知らない」(有名な定式) ※マルクス…ドイツ(ユダヤ人)の経済学者、哲学者、ジャーナリスト、革命家、思想家、マルクス経済学・科学的社会主義(マルクス主義)の創始者、『資本論』(全3部:1867年、1885年、1894年)の著者、カール・ハインリヒ・マルクス。 |
マルセル・プルースト (フランスの哲学者) |
・「本当の発見の旅とは、新しい土地を探す事ではなく、新しい目で見る事だ」 ※マルセル・プルースト…フランスの哲学者、文学者、知識人、作家、エッセイスト、批評家、美食家、『失われた時を求めて』(1913年~1927年)の著者。 |
マルティン・ブーバー (Martin Buber) (オーストリアの哲学者) |
・「もし、その人が創(はじ)める事さえ忘れなければ、いつまでも老いる事はない」 …やった事がない事(新しい事)に挑戦していこうする気持ちを持ち続ける事が大切。 ※日野原 重明(聖路加国際病院 理事長)が好きな言葉。 ・「新しく始めると云う事を忘れてしまわないならば、老年と云うのは一つの素晴らしい事柄である」 ※出典:『ブーバーに学ぶ』(著者:斉藤 啓一)…「他者」と本当にわかり合うための30章の30番目の《最晩年の活動と死》で紹介。日野原 重明(聖路加国際病院 理事長)の推薦書。 ※マルティン・ブーバー…オーストリアの哲学者、オーストリア出身のユダヤ系宗教哲学者、社会学研究者、ブーバーの思想は、「対話の哲学」でユダヤ教の教義を哲学的に洗練したもの。ユダヤ人でありながらもイスラエルとアラブの和解の為に生涯を捧げ、両民族から等しく尊敬された、偉大なる「平和の哲学者」。 |
マルティン・ルター (ドイツの神学者) |
・「希望は強い勇気であり、新たな意志である」 …プラス思考、明るい未来志向を持つ。「一寸先は闇」ではなく、「一寸先は光」の気持ちを持つ。 ・「死は人生の終わりではない。人生の完成である」「死は人生の終末ではない。生涯の完成である」 ※マルティン・ルター…ドイツ(神聖ローマ帝国)の神学者、宗教家、牧師、説教家、宗教改革者、ルーテル教会の創始者。 |
ミース・ヴァン・デル・ローエ (世界の三大建築家) |
・「神は細部に宿る」 …本当の事は現場、ディテールに隠されている。 |
ミルトン・フリードマン (Milton Friedman) (アメリカのマクロ経済学者) |
・「インフレとは、生産の増加よりも急速な貨幣量の増加によってのみ生じ得ると云う意味で、いつ、いかなる場合でも貨幣的現象である」 ・デフレについても、論理的には、この逆の形で同じ事が云える。 ※ミルトン・フリードマン…アメリカのマクロ経済学者、ノーベル経済学賞受賞、マネタリズムを主唱して裁量的なケインズ的総需要管理政策を批判。 |
メアリー・ケイ・アッシュ (アメリカのメアリー・ケイ・コスメティックスの創設者) |
・「目に見えないけれど、皆首から札を下げていて、そこには『私の存在意義を認めて』と書いてあるんです。人と仕事をする時は、このメッセージを絶対に忘れてはなりません」 ※メアリー・ケイ・アッシュ…アメリカのメアリー・ケイ・コスメティックス(大手化粧品会社)の創設者・元会長。 |
メチニコフ (ロシアの生理学者) |
・「生物は大概生殖をすると同時に悦んで死に就く、それ故に人間もある一定の年齢まで生きたら、その後はいつでも悦んで死に就く時代があるに違いない。故に我々はもっともっと人間の老衰と云う事を考えてみなければならない」 ※出典:『新版 禅とは何か』(著者:鈴木 大拙)。 ※メチニコフ…ロシアの生理学者、微生物学者、動物学者、免疫学者(免疫系の先駆的な研究者)、1907年にヨーグルトを「不老長寿の妙薬」として発表、イリヤ・イリイチ・メチニコフ。 |
モリエール (フランスの喜劇作家) |
・「人は生きる為に食べるべきであって、食べる為に生きるのではない」 ※モリエール…17世紀フランスの喜劇作家、俳優、古典主義の3大作家の1人、本名:ジャン=バティスト・ポクラン。 →(参照)キケロ。 |
モンテーニュ (フランスの哲学者) |
・「人生の価値は長さではなく、その使い方で決まる。長生きをしても、空しい人もいる」 …人の能力を伸ばすと云う事は、その人に与えられた時間を最大限に活用し、人生をより素晴らしいものにしてあげる事である。 ※モンテーニュ…ルネサンス期(16世紀)のフランスの哲学者、思想家、モラリスト、懐疑論者、人文主義者、『エセー(随想録)』の著者、ミシェル・エケム・ド・モンテーニュ。 |
モンテスキュー (フランスの哲学者) |
・「節制の精神」 …貴族がなんら高貴を装う事なく、人民と交わり、人民と同じ服装をし、人民をして貴族の全ての快楽に参加させるならば、人民はその微力なる事を忘れてしまう。 →この事は組織のリーダーとしては、最も大切な資源の一つである。 ※モンテスキュー…啓蒙期のフランスの哲学者、政治思想家、シャルル・ド・モンテスキュー、肩書きも含めた正式な呼称は「ラ・ブレードとモンテスキューの男爵シャルル・ルイ・ド・スゴンダ」。 |
ユダヤの格言 | ・「人間の目は、白い部分と黒い部分からなっている。それなのに、どうして黒い部分から見るのだろう」 …世界は暗い部分から見た方が良いからだ。人間が明るい面から見て、あまり楽観的にならぬよう戒めているのだ・・・と。 |
ライオンズ・シェア (Lions Share) |
・「動物の群れには必ず雄のボスがいる。群れの中で一番強くて賢い一頭が群れを率いるリーダーとして君臨する」 (注)ライオンのボスは、普段は雌ライオンに狩りをさせ、獲物を捕らえると真っ先に良い所を飽食する。これが、「ライオンズ・シェア」(Lions Share)の語源である。 |
ラルフ・ウォルド・エマーソン (アメリカの思想家) |
・「人は皆誰かのヒーローであり、ひらめきの源である。その人にとって、貴方の言葉は計り知れない価値を持つ」 ・「全ての人間は、その人の最高の瞬間によって評価される資格がある」 ・「信じれば、相手は誠実に応えてくれる。優れた人間と認めれば、優れた資質を示してくれるだろう」 ・「私が出会った全ての人はある意味では私より優れており、何かしら学ぶべき点があった」 …どんな相手からも学ぶべき事はあると思っていれば、コミュニケーションを取るのは難しい事ではない。 ・「心から人を助け様とする事は、自分自身をも救う事になる。これは、この世に生における最も美しい報酬の一つである」 ・「人は皆、その人の最高の瞬間を基準にして評価される権利がある」 …その人の「最高の状態」を「正当に評価」した上で、どの程度まで任せるかを決める事。 |
・『人生成功のレシピ』と云う詩の中で、「次の4つの中のひとつでもやっている人は幸せ」と云っている。 ①ひとりでもいいから、健康な子どもをこの世に残す。 ②小さくてもいいから、きれいな花壇を残す。 ③誰かひとりでもいいから、「あなたがいる事によって、私の人生はとても生きやすいものになった」と思ってくれる人がいる。 ④どんな些細な事でもいいから、世の中を良くする事に貢献している。 ・「愚かな人間は“幸運”を信じ、賢明な人間は“原因と結果”を信じる」[計画力] |
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※ラルフ・ウォルド・エマーソン…アメリカの思想家、哲学者、作家、詩人、エッセイスト、牧師、ラルフ・ワルド・エマーソン。 | |
ラルフ・ネーダー (アメリカの消費者運動家) |
・「リーダーの役割は、より多くのリーダーと、より多くの追随者を作り出す事」である。 ※ラルフ・ネーダー…アメリカの消費者運動家、社会運動家、弁護士。 |
ランドルフ・ネッセ (アメリカの社会心理学者) |
・「希望は努力が報われると感じる時に生じ、努力が報われないと感じれば絶望が生じる」 …希望(hope)と云う感情は、努力が報われると云う見通しがある時に生じる。 ※ランドルフ・ネッセ…アメリカの社会心理学者、ミシガン大学の精神科医。 |
リー・クアンユー (シンガポールの政治家) |
・「今を知り未来を予測するには、過去を良く知り、その国の人々の歴史を肌で感じる必要がある」 ※リー・クアンユー…シンガポールの政治家、初代首相、中国語:李光耀(りこうよう)、1923年9月16日~2015年3月23日(満91歳没)。シンガポールの政治家、初代首相。首相退任後、上級相、内閣顧問を歴任した。 |
リチャード・アール博士 (カナダのストレス・マネジメントの権威) |
・「ストレスは生化学的に不可欠の反応で、呼吸・消化機能と同じもの。人間はむろん企業にとってもエネルギー源であり、賢く管理すればプラス効果が出る。だが不味いと殺される」 |
リチャード・エクスリー (作家) |
・「真の友人とは、貴方の心の奥底の声に耳を傾け、理解してくれる人の事である。貴方が苦労している時には支えとなり、貴方が過ちを犯した時は愛情のこもったやさしさで、過ちを正してくれる。そして失敗しても責めたりしない。真の友人は、貴方の人間としての成長を促し、可能性を最大限に引き出してくれる。しかも、貴方の成功を自分の事の様に喜んでくれる」(友情について) |
リチャード・ニクソン (アメリカの第37代大統領) |
・大統領辞任当時の気持ち…「私は生涯で初めて、肉体的にぼろぼろになり、感情も涸(か)れ果て、精神も燃え尽きていた。この時だけは、これまで耐えて来た他の危機の場合と違って、生きる理由も、戦って守るべき大義も見出す事が出来なかった。人は自分自身以外のものの為に生きる理由を持たなければ、初めは精神的に、次いで感情的に、更に肉体的に死ぬ」 ・「成功に満足してはならないし、失敗に落胆してもならない。失敗は悲しいものだが、最大の悲しみは、挑戦して失敗する事ではなく、全く挑戦しない事である」 ・本の最後の結び…「リスクと冒険とは、人生に妙味と意義とを加えるが、それらはまた敗北や失敗と云う深い悲しみをもたらす事がある。人生はローラーコースターの様なものだ。上がる時は宙に舞い上がった様な気分になるが、下がる時は息も付けない。もしリスクを冒さなかったら、快適で悩みのない穏やかな--但し退屈な--人生を送る事が出来よう。リスク無しには敗北もないだろうが、その代わりに勝利もないだろう」「成功に満足してはならないし、失敗に落胆してもならない。失敗は悲しいものだが、最大の悲しみは、挑戦して失敗する事ではなく、全く挑戦しない事である」「何よりも忘れてはならないのは、破滅をもたらさない敗北である限り、敗北は人間を強くすると云う事だ」。 ※出典:『ニクソン わが生涯の戦い』(著者:リチャード・ニクソン、訳者:福島 正光、発行所:㈱文芸春秋[出版元品切れ])、日経ビジネス2013年7月29日号。 ※リチャード・ニクソン…アメリカの第36代副大統領、第37代大統領、軍人、共和党議員、リチャード・ミルハウス・ニクソン。 |
リットン卿 (イギリスの政治家) |
・「一番騙し易い人間は、即ち自分自身である」 …自分を甘やかす時、人間は最も弱い処を庇うもので、それが己を騙す事に繋がるものだ。 ・「およそ事業をするのに必要なのは、する力ではなく、それをやり遂げると云う決心である」[行動力] ※リットン卿…イギリスの政治家、小説家、劇作家、男爵、戯曲『リシュリュー』の「ペンは剣よりも強し」の言葉で有名、エドワード・ブルワー・リットン、エドワード・ジョージ・ブルワー・リット。 |
リンカーン (アメリカの第16代大統領) |
・「殆どの人は逆境に耐えられる。しかし、その人の品性、高潔さを試すには権力を与えてみる事だ」 ・「人とじっくり話し合う前に、三分の一の時間を自分自身と、自分がこれから云おうとしている事について考え、残りの三分の二は相手と、相手が云おうとしている事について考えていた」 …ベストバランスは「話す」:35%、「聞く」:65%。 ・「性格を木とすれば、評判はその影である。木を見れば本当の姿が分かるが、影を見ただけでは、それが何なのか、想像するしかない」 …その人の性格や品性を見極めるには、評判だけに頼ってはいけない。 ・コミュニケーションの巧みさでは定評があったが、その秘訣は真摯な話し方にあった。 …コミュニケーションを通して絆を築くには、心からの声で語り掛け、自分を偽らない事である。 ・リーダーの立場にある人達に権限を与えるのが巧みであった。 ・「私は常にベストを尽くし、前進する。正しいと信じた事を実行していれば、何を云われてもくじけない。しかし、もし間違った事を行っているのであれば、例え10人の天使がそれを正しいと云ってくれても、それは悪い事である」[決断力] …人間は全てが、折に触れ世間の非難に直面している。非難のない人生とは、何もしようとしない人生と同じ事である。 ※リンカーン…アメリカの第16代大統領(初の共和党所属大統領)、アメリカ史上の優れた指導者、オネスト・エイブ(Honest Abe)、「レール・スプリッター」(the Rail Splitter)、「偉大な解放者」(the Great Emancipator)、「奴隷解放の父」、コミュニケーションの達人、エイブラハム・リンカーン。 |
リンドン・ジョンソン (アメリカの第36代大統領) |
・「一人でしゃべりまくっている間は、何も学べない」 …テキサス州から初めて上院議員に選出された時に、オフィスの壁に掲げた標語。 ※リンドン・ジョンソン…アメリカの第37代副大統領、第36代大統領、リンドン・ベインズ・ジョンソン。 |
ル・コルビュジエ (スイス生まれの建築家、近代建築の始祖) |
・「家は、生活の宝石箱でなくてはならない」 …換言すれば、生活が宝だから、家が輝くとも云える。つまり、そこでの美しい楽しい味わい深い一家の家族や仲間との暮らしが宝と感じられる事こそが家の定義である。その宝を日々に発見していく場が家ですから、その家の雰囲気や風格、家風と云っても良いかも知れないが、それが暮らしを彩っていくのである(出典:㈱カグヤ)。 ・「数学は、人間が宇宙を理解するためにうちたてた堂々たる創造物である」 ・「平面は、基礎である。平面なしには、意図や表現の偉大さもなく、律動も立体も脈絡もない」 ※ル・コルビュジエ…スイスで生まれ、フランスで主に活躍した建築家、「近代建築の始祖」、本名:シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリ(Charles-Edouard Jeanneret-Gris)。フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエと共に「近代建築の三大巨匠」として位置付けられる(ヴァルター・グロピウスを加えて四大巨匠と見做す事もある)。 |
ルイス・ガースナー (アメリカの経営者) |
・「危機は良き友、時間はライバル」 ・「最初の100日が組織の1000日後を決める」(細谷 英二:りそなホールディングス会長) ※出典:日経ビジネス2012年9月3日号。 ・「敏速に動け。急ぎ過ぎて間違えるのは、遅過ぎて間違えるよりいい」 ・「重要な問題に取り組む場合には、よく現場に近い人達を呼んで会議を開いた。 現場の人間こそ私の知りたい事実や情報を持っている」 ・「成功の秘訣を書けると思った時、成功への道は閉ざされる」 ・「成功企業の条件は変化し続けて行く事です。過去の成功体験に溺れ、凋落した企業は幾らでもあります。IBMもそうでした。失敗の種は成功時に蒔かれているのです」 ※ルイス・ガースナー…アメリカン・エキスプレス会長兼最高経営責任者(CEO)、RJRナビスコ会長兼最高経営責任者(CEO)、IBM会長兼最高経営責任者(CEO)[IBM復活の立役者]、カーライル・グループ会長を歴任したアメリカを代表する経営者。 |
ルイ・パスツール (フランスの生化学者) |
・「偶然は準備していた者に微笑む」「チャンスは準備出来ている人に微笑む」 …何もしないで偶然に幸福が訪れる事がない事を云っている。自分を救うのは偶然ではなく、努力あるのみ、努力は偶然を引き寄せる。どんなに素晴らしい幸運でも、受け取る側にその到来をきちんと見抜く力がなければ意味はない。さもないと幸運はただ知らぬ間に通り過ぎて行くだけである。 ※ルイ・パスツール…フランスの生化学者、細菌学者。「科学には国境はないが、科学者には祖国がある」と云う言葉でも知られる。ロベルト・コッホと共に、「近代細菌学の開祖」とされる。 |
ルードウィヒ・グットマン (パラリンピックの提唱者) |
・「失ったものを数えるな。残されたものを最大限生かせ」 ※出典:日経ビジネス2010年6月7日号。 |
ルネ・サンド (ベルギーの医学者) |
・「国民の参与なくして、国民の健康は作られない」 ※ルネ・サンド…ベルギーの医学者、1928年に国際社会福祉協議会を設立。 |
ルロイ・アイムズ | ・「リーダーとは、他の人より色々なものが見え、他の人よりも遠くまで見え、他の人よりも先に見える事だ」 …人を導く事は、大海を共に旅する事である。 ※出典:『自分にしかなれないリーダーになれ』(Be the Leader You Were Meant to Be)。 |
レイモンド・チャンドラー (アメリカ生まれの作家) |
・"If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle,
I wouldn't deserve to be alive.":「タフでなければ、生きていけない。優しくなければ、生きている資格がない」 ※レイモンド・チャンドラー…アメリカ(シカゴ)生まれの作家、20世紀で最も有名なハードボイルド作家、レイモンド・ソーントン・チャンドラー。 |
ロイ・ディズニー | ・「自分にとって何が大切かが分かっていれば、決定を下すのは難しい事ではない」 …相手が貴方と同じ様な価値観を持っていれば、意思決定するにしても、同じ様な結論を導き出す。 ※ロイ・ディズニー…ウォルト・ディズニーの兄、「ウォルトが夢を作り、ロイが金を作った」。 |
ロストフッツェフ | ・「愚民化」 …漸次時的水準低下を伴なう、下層階級による上層階級の漸次的吸収。 ※出典:『組織論Ⅱ』(著者:李 勝載)。 |
ロバート・L・モンゴメリー | ・「人のアイデアをないがしろにするのは、人の足を踏むのと同じ位失礼な事」 …自分が話している時に、口を挟まれると嫌な気がするものである。 ※ロバート・L・モンゴメリー…『上手な聞き方』の著者。 |
ロバート・オーベン (アメリカ大統領のスピーチライター) |
・「世の中には二種類の人間しかいない。それは、現実主義者と夢想家だ。現実主義者は、自分がどこへ向かっているか分かっているが、夢想家にしてみれば、そんなものは既に経験済みである」 …これから伸ばそうとする相手より先に、貴方の心の目に映る彼らの未来の姿を見定め、彼らのやる気が起きる様に、“自分の未来像”を見せて勇気付けてやる。 |
ロバート・グロス (アメリカのロッキードの前社長) |
・「我々が作っているのは、自動車でも、航空機でも、冷蔵庫でも、ラジオでも、靴紐でもない。我々は人間を作っている。そして、その人間が製品を作るのだ」(管理職に語った言葉) ※ロバート・グロス…アメリカのロッキードの前社長。 |
ロバート・トリフィン (ベルギーの経済学者) |
・「流動性ジレンマ」(トリフィンのジレンマ) …基軸通貨は希少価値があると同時に流動性が十分でなければならない。かくして、希少性と流動性を同時に満足させる事は極めて難しい。基軸通貨に課せられた「呪い」とも云われる。 ・特定の国の通貨を基軸通貨とする国際通貨制度の下では、基軸通貨の供給と信用の維持を同時に達成出来ないと云う矛盾(1960年に『金とドルの危機』の中で指摘)。 …ブレトンウッズ体制(金ドル本位制)の下で、基軸通貨国である米国が、国際貿易の拡大に応じて、国際流動性を供給する為にドルを供給し続けると、米国の国際収支は赤字となり、ドルの信認は低下する。米国がドルの価値を維持する為に国際収支を改善する政策を取ると、国際流動性が不足し、世界経済の成長を阻害してしまう。 ※ロバート・トリフィン…ベルギー生まれのイェールの経済学者、ブレトン・ウッズ会議でのケインズ理論に関連する国際金融政策で有名になった。 |
ロバート・フロスト (アメリカの詩人) |
・「森の中で道が二つに分岐した。そこで、私はより人が通らない道を行く事にした。そして、それが今の私を可能にしたのである」(詩の一節) …2つに分かれている道のうち、人があまり通っていない道を選んで行く事で、将来の大きな違いに結び付いて行く。人が選ばない道に真理がある。 ※ロバート・フロスト…アメリカの詩人、哲学者、ピューリッツァー賞を4度受賞、ロバート・リー・フロスト。 |
ロバート・メトカーフ (アメリカの3COMの創設者) |
・「メトカーフの法則」 …ネットワークの価値は、利用者数の2乗に比例すると云う、1995年に提唱した理論。 ・ネットワーク(特にコンピュータ・ネットワーク)の価値もしくはパワーは、そのネットワークに接続された全てのノード(コンピュータ等のネットワーク端末)数のほぼ2乗に比例して増加すると云う論理。 ※ロバート・メトカーフ…アメリカのコンピュータ技術者、パロアルト研究所所属中にイーサネットを発明、3COMの創設者、「メトカーフの法則」の提唱者。 |
ロバート・ルイス・スティーブンソン (イギリスの作家) |
・「どれだけ収穫があったかではなく、幾つ種を蒔いたかでその日の成果を測る」 ※ロバート・ルイス・スティーブンソン…イギリス(スコットランド生まれ)の作家、小説家、冒険小説作家、児童文学作家、詩人、エッセイスト、弁護士、『宝島』(1883年)『ジキル博士とハイド氏』(1886年)の著者、ロバート・ルイス・スティーヴンソン。 |
ロビン・ダンバー (イギリスの人類学者) |
・「ダンバー数」の定式化(Dunbar's number) …人間にとって、「それぞれと安定した関係を維持出来る個体数の認知的上限」は、平均約150人(100人~230人)である。 ・「人間がお互い同士良く理解し合ったグループを形成するとするには、グループの人数は150人を超えてはいけない」 ※ロビン・ダンバー…イギリスの人類学者、進化生物学者、専門は霊長類の行動、ロビン・イアン・マクドナルド・ダンバー(Robin Ian MacDonald Dunbar)。 ※単行本:『友達の数は何人?-ダンバー数とつながりの進化心理学』(著者:ロビン・ダンバー、訳者:藤井 留美)、2012/10/28。 |
ローレンス・J・ピーター (カナダの教育学者) |
・「ピーターの法則」(Peter Principle) …階層社会においては、有能な人間も能力の限界まで出世して、無能な管理職になる。無能な人間はその地位に留まり続ける。よって、全ての階層は無能な人間で埋め尽くされると云う組織構成員の労働に関する社会学の法則。 ①能力主義の階層社会に於いて、人間は能力の極限まで出世する。すると有能な平(ひら)構成員も無能な中間管理職になる。 ②時が経つに連れて人間は悉(ことごと)く出世していく。無能な平構成員はそのまま平構成員の地位に落ち着き、有能な平構成員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。その結果、各階層は無能な人間で埋め尽くされる。 ③その組織の仕事は、未だ出世の余地のある、無能レベルに達していない人間によって遂行される。 ※出典:1969年、ローレンス・J・ピーター(Laurence J. Peter、カナダの教育学者、南カリフォルニア大学の教授、階層社会学者)により、レイモンド・ハル(Raymond Hull)との共著"The Peter Principle"の中で提唱された。日本では1969年、『ピーターの法則 創造的無能のすすめ』(著者:ローレンス・J・ピーター/レイモンド・ハル、訳者:田中 融二)が㈱ダイヤモンド社より出版された(2003年再版の新訳は、渡辺 伸也)。 ※出典:『仕事で成長したい5%の日本人へ』(著者:今北 純一)。 |
『イソップ物語』のロバ(驢馬)とセミ(蝉)の話 | ・セミの声に聞き惚れたロバは、「何を食べたら、そんなに元気な声を出す事が出来るんだい?」と、セミに聞いた。セミの答えは「露だよ」と云うものでした。そこで、ロバはそれ以降、露ばかりを食べる事にした。しかし、その結果は、セミの様に元気のいい声が出ないばかりか、衰弱して死んでしまった。 …「それぞれに、与えられている資質や条件が違っているので、真似をしても、それで上手くいく訳ではない」と云う教訓であり、ビジネスでも、起業も同じ。 |
『後漢書』の「楊震伝」 『十八史略』の「東漢、孝安皇帝」 |
・「天知る、地知る、我知る、人知る」 …誰も知らないと思っていても、天と地と自分自身と、貴方も知っている。悪事は、いつかは必ず露見するものであると云う事。 ※解説:楊震(ようしん)(中国の後漢時代の政治家)に地方役人(王密)が賄賂を差し出した時、それを断って云った言葉。 ・「天知る、地知る、子知る、我知る」を「四知」(しち)と云う。 …二人の間で内緒にしておけば、誰にも分からないと思うのは間違い。天や地から神様は見ているし、貴方の良心(こころ)も知っている。悪事はいずれ世間の知れるところとなるから、やってはいけませんと云う事。 ※出典:『組織論Ⅱ』(著者:李 勝載)。 ・「天知る、地知る、我知る、その子知る」 …『組織論Ⅱ』(著者:李 勝載)では、この様に記述されてる。 |
『史記』の「李将軍列伝」 (司馬遷によって編纂された中国の歴史書) |
・「久しく尊名(そんめい)を受くるは不祥なり」 …「栄誉が長く続くのは禍(わざわい)のもとである」と云う意味。 |
・「桃李不言下自成蹊(とうり・ふげん・せいけい)」(『史記』の成句「李廣の伝」より) ・「桃李(とうり)言(ものい)わざれども、下(した)自(おのず)から蹊(こみち)を成(な)す」 …桃(もも)や李(すもも)は物を言わないが、美しい花や実がある為、人が集まり、そこに道が出来る。転じて、徳のある事をしていれば、自然と人は集まって来ると云う意味。 ※司馬遷…中国の大歴史家。 ※李廣…彼は口下手で朴訥な人でしたが、何事にも寛大で、自分の喉が渇いていても他の人達が水を飲むまでは水に近づかず、他の人たちが満腹になるまでは食事をとらなかったと云う。彼が亡くなった時、近親者だけでなく見知らぬ人までが悲しんだのは、故人の誠実な人柄に多くの人々が敬愛の念を抱いていたからである。 (注)「成蹊学園」の名前の由来となった。 |
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『書経』の「旅敖」 | ・「九仭(きゅうじん)の功を一簣(いっき)に虧く(欠く)」 …殆ど成功しかけた所で失敗する例え。多年の労苦が一つの過失の為に無に帰す事。1つの事件で木っ端微塵になる事。 ・古典『書経』には、「山を為す九仭、功を一簣に虧く」と述べられている。 ※解説:高い築山をつくるのにも、最後の一簣(=畚(もっこ)一杯)の土を欠けば山は出来ない事から、成功を目前にした長い間の苦労も最後のちょっとした事で失敗に終わる例え。 【参考】 『平成19年2月1日発行 高照山 第230号』。 |
『孫子』 (中国の戦略の書、中国最古の兵書、孫武の作とされる兵法書) |
・「彼を知り己を知れば百戦殆(あやう)からず」 …ビジネスでも、相手を知るだけでは成功しない。自分を良く知る事を忘れてはならない。 |
・「百戦百勝は善の善なる者に非(あら)ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは善なる者なり」(「謀攻篇」より) ・「戦争の原則として、敵国を傷付けずにそのままで降伏させるのが上策で、敵国を討ち破って屈伏させるのはそれに劣る」 …戦って勝ったとしても、味方にもそれなりの犠牲者が出たり、損害を受ける。戦わないで勝つ事が最善である。その方法は、兵戈(へいか)を交えず、外交による。 |
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『論語』 (孔子と彼の高弟の言行、孔子の言行を弟子や孫弟子達が記録したもの) |
・「寡(すくな)きを患(うれ)えずして均(ひと)しからざるを患(うれ)う」 …富が少ない事より配分が不公平な事の方が心配だ。上に立つ者は、人々の富を多くするより、先ず、富の不平等をなくす事だ。 →職場における人事や評価にも、片寄りがあると、リーダーへの求心力が失われてしまう。 |
・「吾道以一貫之、吾が道は一を以て之を貫く」 …自分の信念を貫く、よそ見をする事なくムダを切り捨てて生きよ。 |
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・「学びて思わざれば、即ち罔(くら)し」 …学ぶだけで、考えなければ何も分からない。 ・「学びて思わざれば、即ち罔(くら)し、思いて学ばざれば即ち殆(あやう)し」 …「学び・思う・行う」と云う事のバランスが取れる事によって、立派な人間として世の中に役に立つ事が出来る。 ・「巧言令色鮮なし仁」(こうげんれいしょくすくなしじん、『論語』の「学而篇」) …口が上手く、利口そうな振る舞いをする者は人徳が少なく、あまり信用が出来ない。 ・「口舌(こうぜつ)の徒」 …言葉は達者であるが、実行力の伴わない人を軽蔑して云う言葉。 ・「人の為に謀(はか)りて忠」「朋友と交わるに信」 ※出典:『明日のリーダーのために』(著者:葛西 敬之)、2010/06/22。 ※葛西 敬之…東海旅客鉄道㈱の代表取締役会長。 |
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・「十五にして学に志す」 …十五になって学に志すと云う事は、物を尋ねる、物を質(ただ)す等と云う研究心、即ち一つの知的自覚が出来たと云う事になった。今まで無条件で受け入れたものを、今度はその受け入れたものを、何の為にそう云う事になるのであるか、果たして受け入れるだけの理屈があるかと云う事を考える。 ※出典:『新版 禅とは何か』(著者:鈴木 大拙)。 |
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・「道之以政 斉之以刑 人免而無恥、道之以徳 斉之以礼 有恥且格」 …人を導くに政治を行い 人を従わせるのに刑罰を使う そうすると人は法律から逃れる事を覚えて恥を知らない人になる。人を導くのに道徳を以ってし 人を行動させるには礼儀を教える そうすれば人は恥を知って、自然と善い社会が整う。 ・「導之以政 斉之以刑 民免而無恥、導之以徳 斉之以礼 有恥且格」 (これを導くに政を以ってし、これを斉える(ととのえる)に刑を以ってすれば、民免れて恥なし。これを導くに徳を以ってし、これを斉えるに礼を以ってすれば、恥有りて且つ格し(かつただし)) …人民を導くのに法制をもってし、人民を統治するのに刑罰をもってすれば、人民は法律の網をくぐり抜けて恥じる事がない。人民を導くのに道徳をもってし、人民を統治するのに礼節をもってすれば、人民は(徳と礼節を失う悪事に対する)恥を知りその身を正す様になる。 |
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・「吾十有五にして学に志す」 …孔子が一生を回顧して、その人間形成の過程を述べたもの。 【原文・白文】 ・子曰、 「吾十有五而志于学。 三十而立。 四十而不惑。 五十而知天命。 六十而耳順。 七十而従心所欲、不踰矩」。 【原文読み・書き下し文】 ・子曰、 「吾十有五にして学に志す。 三十にして立つ。 四十にして惑はず。 五十にして天命を知る。 六十にして耳順(したが)ふ。 七十にして心の欲する所に従へども、矩(のり)を踰(こ)えず」。 【口語訳】 ・子曰く、 「私は十五歳の時、学問に志を立てた。 三十歳になって、その基礎が出来て自立出来る様になった。 四十歳になると、心に迷う事がなくなった。 五十歳になって、天が自分に与えた使命が自覚出来た。 六十歳になると、人の言う事が何でも素直に理解出来る様になった。 七十歳になると、自分のしたいと思う事をそのままやっても、人の道を踏み外す事がなくなった」と。 【説明】 ・「志学」(しがく) …学問に志す事。15歳の異称。 ・「而立」(じりつ) …30歳の異称。 ・「不惑」(ふわく) …惑わない事。物の考え方等に迷いのない事。40歳の異称。 ・「知命」(ちめい) …天命を知る事。50歳の異称。 ・「耳順」(じじゅん) …修養が益々進み、聞く所、理に適えば何らの障害なく理解しうる意。60歳の異称。 ・「従心」(じゅうしん) …70歳の異称。 ※出典:『論語』の「為政(いせい)第二」。 |
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・「子の曰く、これを知る者は、これを好む者に如かず。これを好む者は、これを楽しむ者に如かず」 …その事について知識があっても、その事を好きな人には及ぶまい。もっと云うならば、その事を好きであっても、その事を楽しんでいる人には及ばない。 ※渋沢 栄一(明治から大正に掛けて活躍した実業家、「日本資本主義の父」)が好んだ言葉。 【原文・白文】(漢文) ・「子曰、知之者不如好之者、好之者不如樂之者」 【原文読み・書き下し文】 ・「子曰わく、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」 【口語訳】(現代語訳) ・孔子がおっしゃいました、 「よく知る人も好む人には勝てない、好む人も楽しむ人には勝てない」 【英訳文】 ・Confucius said, "To like is better than to know. To enjoy is better than to like." ※出典:雍也第六の二十。 |
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孔子 (こうし) (中国の思想家、儒家の始祖) |
・「治国三要」(ちこくさんよう) …国を治めるのに必要な「食」(=食料)、「武」(=武器)、「信」(=信用)の3要素を説いたもの。孔子は、この内、最初になくなっても良いものは武器、次は食料、最後に残さなければならないのは信用だと云った。「信なくして国立たず」と云う訳である。 |
・「之(これ)を知る者は之(これ)を好む者に如かず。之(これ)を好む者は之(これ)を楽しむ者に如かず」 …知っているだけの人より、好きになった人の方が優れている。好きになった人より、それを楽しんでいる人の方がもっと優れている。どんなに苦しい時でも楽しんでやれる人に勝る者はない。 …勉強して知識を持っている者はそれを好きで学んでいる者には敵(かな)わない、好きで学んでいる者は楽しんで学んでいる者には敵わない。孔子と云えども、勉強と云う段階を経て好きだと思う様になり、好きだと思う段階を経て最後に楽しむ事が出来る様になったと云う事を物語っている。 ※出典:『明日のリーダーのために』(著者:葛西 敬之)、2010/06/22。 ※葛西 敬之…東海旅客鉄道㈱の代表取締役会長。 |
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・「朋あり、遠方より来る。亦、楽しからずや」(『論語』より) ・「過ちを知り改めれば、これより善い事はない」(『春秋左氏伝』(しゅんじゅうさしでん)より) (注)『春秋左氏伝』…孔子の編纂と伝えられる歴史書『春秋』の代表的な注釈書の1つで、通称『左伝』。作者は、魯の左丘明(さきゅうめい)であると云われている。 |
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・「朝聞道、夕死可矣」(朝に道を聞けば、夕べに死すとも可なり) …(最も一般的な解釈)朱子の「道は、事物當然の理。苟(いやし)くも之を聞くを得ば、則ち生きるに順い死するに安し、復た遺恨無し」。即ち、朱子はこの文章を孔子の求道に対する情熱の吐露として解釈し、「孔子は真理を命よりも大切だと考えたのだ」と見ていた。 (注)ここでの「道」とは、『組織論』に出る「慧眼見真(えげんけんしん)」、つまり「慧眼で見ると真理は見極められる」と云う時の「真理」と同じ概念。 ※朱子(しゅし)…中国の宋時代の儒学者。 ・「子曰、朝聞道、夕死可矣」(朝(あした)に道を聞かば、夕(ゆうべ)に死すとも可なり) …朝に道を聞く事が出来れば、その日の夕方に死んでも後悔しない。真理を求める尊さを云う。 (注)「道」…道理、真理。 ※出典:『論語』の「里仁(りじん)第四」。 ※出典:『組織論Ⅱ』(著者:李 勝載)。 |
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・「子曰、以約失之者鮮矣」(子曰く、約を以(もっ)て之を失ふ者は鮮(すくな)し) …孔子云う、慎ましやかに行き過ぎのない様にして、失敗する者は少ないものだ。 |
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・「凡人心険於山川、難於知天」 …凡そ人の心は山川(山河)より険しく、天を知るよりも難しい。 |
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蔡倫 (さいりん) (Cai Lun) (中国の製紙技術の大成者) |
・製紙法を改良し、実用的な紙の製造普及に多大な貢献をした人物として知られている。 ※蔡倫(さいりん)(Cai Lun)…製紙技術の大成者、中国の後漢中期代の宦官、字(あざな)は敬仲、桂陽(湖南省)の人、生没年不明。 ・明帝の末に出仕し和帝の時に尚方令に任ぜられて帝室の技術部門を担当した。この時、彼は樹皮や麻頭(あさ)、敝布(ぼろ)、漁網(ぎょもう)等を用いて紙を作り、105年(元興元年)に献上し、「蔡侯紙」と呼ばれ広く用いられたと云う。 |
荘子 (そうし) (中国の周時代の思想家) |
・「君子の交わりは淡(あわ)きこと水のごとし」 …大事な人と長く人脈を保ちたいなら、常に一歩引いた目を忘れてはならない。 ※荘子…中国の周時代の思想家、老子の後を継いで、その説を発展させた。 |
太宗 (たいそう) (古代中国・唐の第2代皇帝) |
・「古(いにしえ)を以て鏡と為せば、以て興替(こうたい)を知る可(べ)し」 …未来を知る王道は、古来から歴史を知る事である。過去の歴史を鏡として、現状を写してみれば、世の中の荒廃の原因を知る事が出来る。 ※出典:『貞観政要』(じょうがんせいよう)…唐代に呉兢(ごきょう)が編纂したとされる太宗の言行録。題名の「貞観」は太宗の在位の年号で、「政要」は「政治の要諦」を云う。原文は、「太宗、嘗て侍臣に謂ひて曰く、夫れ銅を以て鏡と為せば、以て衣冠を正す可し。古を以て鏡と為せば、以て興替を知る可し。人を以て鏡と為せば、以て得失を明かにす可し。朕常に此の三鏡を保ち、以て己が過を防ぐ。今、魏徴徂逝し、遂に一鏡を亡へり、と」。 ※太宗…古代中国・唐の第2代皇帝。高祖・李淵(こうそ・りえん、唐の初代皇帝)の次男で、唐の中国統一の最大の功労者。中国史上最高の名君の一人で、その治世は「貞観の治」と呼ばれ、後世の手本とされた。 |
鄧 小平 (とう しょうへい) (Deng Xiaoping) (中国の政治家、主席) |
・「踏み石を探りながら川を渡る」 …1970年代後半に中国を市場経済に転換する改革を進める際、政策は「踏み石を探りながら川を渡る」様に実施するのが望ましいとし、以来、中国指導部は実験的に政策を実施しつつ、少しずつ進んでいく斬進主義を重視すると云う統治の指導原理によって大きな成果を収めて来た。 ・「韜光養晦(とうこうようかい)、有所作為」(鄧 小平が35年前に採用した「戦略的忍耐」) …能力を隠して力を蓄え、(その力に合わせて)少しばかりの事をする(なすべき事を行なう)。(同義語:「能ある鷹は爪を隠す」) →力を振りかざす前に、国内の経済発展に集中しよう、と云う意味(抑制的外交姿勢、伝統的外国政策)。つまり、能力的に相手に敵(かな)わないうちは、おとなしくしていろ、と云うもの。 ・「堅持韜光養晦、積極有所作為」(中国共産党の2009年以降の戦略転換) …能力を隠して力を蓄える事は堅持するが、抑制的外交姿勢を積極的外交展開へと切り替える(積極的外交展開)。 ※鄧 小平(とう しょうへい)(Deng Xiaoping)(ダン・シャオピン)…中華人民共和国の政治家、初代国家中央軍事委員会主席、第3代中国人民政治協商会議主席、国務院常務副総理。中華人民共和国を建国した毛沢東の死後、その後継者である華国鋒から実権を奪い、事実上の中華人民共和国の最高指導者となる。毛沢東が発動した文化大革命によって疲弊した中華人民共和国の再建に取り組み、「改革開放」政策を推進して社会主義経済の下に市場経済の導入を図る等、同国の現代化建設の礎を築いた。 |
孟子 (もうし) (中国の儒家、大思想家、孔子の弟子) |
・「千万人といえども吾往かん」 …千万人の反対者の中にも必ず自分と同じ考え方、生き方をする人々がいる。 ・「潮時」は考えるものではなく、感じるもの。まず自分から行動を起こしていくしかない。 《世間に流布している誤った思想》 ①"言皮"辞(ひじ)…偏った議論をする事。 ②淫辞(いんじ)…欲の赴くままにでたらめの議論をする事。 ③邪辞(じゃじ)…胸に一物を持ってよこしまな(邪な)議論をする事。 ④遁辞(とんじ)…責任回避の逃げ口上の事。 |
・「孟子曰、人有不爲也、而後可以有爲」(孟子(まうし)曰く、人爲(な)さざる有り、而(しか)る後(のち)以(もっ)て爲(な)す有る可(べ)し、と) …孟子が云うに、「人たる者は、不義等は決してなさないと云う確固たる本領があって、しかる後、始めてなすべき務め、義はどこまでもちゃんとなすと云う事も出来るのである」と。 ・「覇をもって制する覇王は、強大な国を要するのに対し、徳でもって天下を治める真の帝王は領土を必要としない。周の文公がそうであった」 …帝国主義、現在の本部官僚の膨張への批判。官庁、大企業にあってガバナンスの低い役員、部長程、多くの部下を有する事を望むのである。指導者としての優劣は、支配する人員で決まるものではない。 ※文公(ぶんこう)…中国の春秋時代の晋の君主。春秋五覇の代表格とされる。 ・「恥の人における関係は非常に大きい」 …この恥じる心を得れば聖賢となり、この心を失えば禽獣(きんじゅう)となるからである。この恥じる心を起こす事こそ禍(わざわい)を改める機会である。 ※出典:『組織論Ⅱ』(著者:李 勝載)。 |
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・「志は気の帥(すい)なり」 …目標を持てば、気力は溢れて来る。 【原文・白文】 ・「志気之帥也」:「志は気の帥(すい)なり。気は体の充(じゅう)なり」 …志が気を支配していて、気は体中に満ちているもの。意志をしっかり持っていれば、気力が満ちて来ると云う意味。 |
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・「至誠通天」(しせいつうてん)、「至誠天に通ず」(訓読み)。 …誠を尽くせば、願いは天に通じる。至誠(まごころ)を尽くして、天下を感動させないものはない。至誠とは極めて純粋な真心の事を云い、誠の心を尽くして行動すれば、いつかは必ず天に通じ認められると云う意味。 ・「至誠(しせい)にして動かざる者は、未だ之れに有らざるなり」 …こちらがこの上もない誠の心を尽くしても、感動しなかったと云う人には未だあった試しがない。誠を尽くせば、人は必ず心動かされると云う事。誠の心で接すれば、動かなかった人は今まで誰もいない。誠の心で接すれば、必ず人を動かす事が出来る。究極の「おもとなし」にも通じる言葉とも。 ※出典:『孟子』の「離婁(りろう)上十二章」。 ※吉田 松陰(明治維新の精神的指導者)の座右の銘。 …松陰は、「誠とは、その智と行とが、意志を用いなくても自然に誠そのものであると云う事であり、誠を思うとは、その智と行とが誠でありたいと思う事である」と記している。 ※二宮 尊徳(江戸時代後期の農政改革者)や山岡 鉄舟(剣・禅・書の達人)も引用。 |
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耶律 楚材 (やりつ そざい) (モンゴル帝国の官僚) |
・「一利を興すは一害を除くに如かず。一事を生(ふ)やすは一事を省ずるに如かず」 ※出典:『元史-耶律楚材伝』の「常曰、興一利不如除一害、生一事不如省一事」。 ※『元史』…中国の元王朝について書かれた歴史書(正史)。二十四史の一つ。 ①「一利を興すは一害を除くに如かず」(いちりをおこすはいちがいをのぞくにしかず) …害になる事を1つ止める事は、利益になる事を1つ始めるより良いと云う意味。利益になる事をやり始めるより、弊害を一つ除去する事の方が重要である。新規に事を興すより、不要なものを減らすのが政治の大切な点だと云う事。 ②「一事を生(ふ)やすは一事を省くに如かず」(いちじをふやすはいちじをはぶくにしかず) …功名心に流行って新しい事を始め様とするより、足元の問題を1つでも解決し、減らす方が素晴らしい効果を上げられると云う意味。耶律楚材(やりつそざい)は、補佐役の心構えとして、こう云ったとされる。 ※出典:松本 晃(カルビー㈱の会長兼CEO)、日経ビジネス2013年9月9日号。 ※耶律 楚材(やりつ そざい)…初期のモンゴル帝国に仕えた官僚。モンゴル帝国を興したチンギス・ハン(チンギス・カン)の宰相(中国語担当の書記官)。字は、晋卿。禅に深く帰依し、湛然居士と号した。モンゴル名は、ウルツサハリ(「髭の長い人」の意)。 |
李 勝載 (り しょうさい) (新韓総合研究所所長、Lee Seung Jae) |
・「一体化」(「忠誠心」)の逆機能的効果 …人間は人生の生きがいなしでは生きて行けない。だから、その意味を与えてくれる体制の為には自己犠牲をもいとわない。しかし、人間は自分の運命を決めるのは自分だと云う感覚、人より傑出する能力を持ちたいと云う独立心も合わせ持っていると云う、「自己矛盾」が内包されている。 ※出典:『組織論Ⅱ』(著者:李 勝載)。 |
老子 (ろうし) (中国の哲学者) |
・老子は、大別すると4つの生き方を勧めている。 ①無欲に生きなさい(個人の生き方)。 ②謙虚に生きなさい(個人の生き方)。 ③不争(浄)の徳をもって生きなさい(他社との関係性の中での生き方)。 ④貢献の徳をもって生きなさい(他社との関係性の中での生き方)。 …これを実践すれば、無為、つまり作為のない自然な境地に至る事が出来ると云う。水が流れる様な、ゆったりと大らかな生き方が出来る。 ・老子の教えにおいて最も重要な言葉は「道」(Dao) …「この宇宙を、とうとうとくまなく流れ続けている、命の巨大な運動体、宇宙大河。それが「道」(Dao)の実相さ」。「道」とつながって生きるとは、摂理に従って、理にかなった自然の生き方をする事。 ・自分を知る者を真の賢者と云い、自分に勝つ者を真の強者と云う。 …自分の欲望、物欲から知識欲や名誉欲に至るまで欲望に歯止めを掛けるのは難しい。 ※出典:『自由訳 老子』(著者:新井 満)。 ※老子…中国の春秋戦国時代の伝説的哲学者、道教の創始者、「道徳経」の著者。 |
魯迅 (ろじん) (中国の思想家) |
・「地上本没有路 走的人多了 也便成了路」 …元々、地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるである。転じて、自らが先導役となり、後に多くの共鳴者が続けば良い。 ※魯迅…中国の思想家、小説家、翻訳家、本名:周 樹人、ペンネームの「魯」は母親の姓だと云う。代表作は『阿Q正伝』、『狂人日記』等。 |
禅語五選(禅の言葉) ※日本の禅宗(3宗派) |
●禅語五選(禅の言葉) (1)「雪後始知松柏操」 【読み】「雪後(せつご)始めて知る松柏(しょうはく)の操(みさお)」 【意味】雪が降った後で、初めて松や柏といった常緑樹の素晴らしさが見えてくる。 【解説】茶掛け(茶席に用いられる書画の掛軸)に良く使われる言葉。冬になっても、常緑樹は葉を落とす事無く、生き生きとした緑を保つ。自己がしっかりと確立している人は、どの様な厳しい時期になっても自分らしく存在し続ける事が出来る。如何なる時でも、しっかりと自分の緑(自己)を保ちましょうと云う事。 ※出典:『圜悟語録』(えんごごろく)四…圜悟克勤禅師(中国の宋時代の禅僧)の言葉。 (2)「須是大死一番却活始得」 【読み】「須是(すべか)らく大死(だいし)一番、却(かえ)って活(かっ)して[却(かえ)って活(い)きて]始めて得(よ)し」 【意味】一回全てを投げ出してしまった時、そこで初めて起き上がる力が出てくる。 【解説】禅的なポジティブ思考を表している。自分自身の拘りや捉われを捨てて一度死にきると、また自ら生き返って前に進もうとする気持ちが生まれてくる。変化の厳しい時代には、従来の考え方をリセットしてみる事で精神的な安定がもたらされ、希望が見えてくるのかも知れない。 ※出典:『碧巌録』(へきがんろく)第四十一則…中国の仏教書であり禅宗の語録。別名:「仏果圜悟禅師碧巌録」「碧巌集」。 (3)「柔軟心」 【読み】「柔軟心(にゅうなんしん)」 【意味】環境の変化に対し、柔軟に適応していく。 【解説】丸い器に水を入れたら水は丸くなるが、四角い器だと四角になる。柔軟心をもって自分自身を省みて、前向きな何かを促していく事が出来たら、きっと未来は変わっていくのではないか。 (4)「行雲流水」 【読み】「行雲(こううん)流水(りゅうすい)」 【意味】行く雲や流れる水の様に、自由に自然に生きる。 【解説】禅の修行僧の事を「雲水」(うんすい)と呼ぶが、この「行雲流水」が元になっている。勝手気ままに漂流する事とは違い、雲としての自分、水としての自分を無理なく、偽り無く表現する。自由であるからこそ、他の人の自由を妨げない。そうする事により、同じ志を持つ人々との調和が生まれる。周囲と調和しながら進んでいく事の大切さも表している。 ※出典:『蘇軾』(そしょく)の「与謝民師推官書」(しゃみんしすいかんに与うるの書)。 (5)「一陽来復」 【読み】「一陽来復(いちようらいふく)」 【意味】一年で、夜が最も長いのは冬至だが、この冬至を暗さの極まりでは無く、明るさが戻り始める佳き日とする。 【解説】禅では、この逆転のプラス思考を好んで頻繁に用いる。辛くて厳しい状況であっても、見方を変えて逆に自分を支える縁(よすが)にしましょうと云う事。 ※出典:『易経』(えききょう)の「復」(ふく)…古代中国の書物で、東洋思想の根幹をなす哲学書。 ※選定(2021/01/12(火)):石井 清純(いしい きよずみ)…1958年生れ、駒澤大学の仏教学部教授(1989年4月~)、アメリカのスタンフォード大学の客員研究員(2000年)、同第31代学長(2009年4月~2013年3月)、同禅研究所所長(2014年4月~現在)、専門:禅思想研究、通称:せいじゅん先生。 |
中国の高僧が詠んだ詩 |
・「風吹不動天辺月」(風吹けど動ぜず、天辺(てんぺん)の月) …例え風が吹こうが、天辺の月は動じない。不断の努力を続ける為の志。 (注)総理官邸(小泉 純一郎 元総理)に掛かっていた掛け軸の言葉。総理就任後、鎌倉円覚寺の管長から寄贈された額に書かれていた禅の言葉。小泉内閣メールマガジン、第75号(2002/12/19)より。 ・「風吹不動天辺月 雪壓難摧澗底松」 (風吹けども動ぜず、天辺の月 雪壓(お)せども摧(くだ)け難し、澗底(かんてい)の松) …風が吹くと地上の草木はすぐにざわざわと揺れ騒ぐ。天空の雲も風に煽られ形を変えて流れ去る。だが天上の月だけはどんな風が吹こうと動ずる事なく、何処吹く風とばかり無心にして輝く。また、雪が降り積もれば、多くの草木はしおれたり、おしつぶされてしまうが、谷あいの厳しい環境の中で生え育った松は、大雪にもびくともせず緑あざやかにして、また無心に松声を吟じている。 この様に人も、どんな誘惑や扇動にも惑わされず、また、どんな艱難困苦に会おうとも、決して負ける事のない強い信念や意思をもって、堪え忍ぶ事の大事さを示す言葉である。 ※出典:『普燈録』(ふとうろく、『嘉泰普燈録』(かたいふとうろく)…禅宗史伝の書)。 |
中国の言葉 | ・「天の半分は女性が支える」 …女性は国の資産であり、女性人材を真剣に活用しないと、実にもったいない。女性が積極的に経済活動や政治活動に参加し、あらゆる分野で持てる力を発揮出来る社会を作って行く事。そんな幸せな社会を作る事が、皆の幸せに繋がっている。 ・「屋根は晴れた日に作る」 …屋根は晴れた日にきちん作っておくべきで、災難と云う雨が降りかかって来てからでは遅い。 |
作者不詳 | ・「激励は魂にとっての酸素」である。 ・「論争や対立の半数は見解や意見の相違ではなく、理解不足から生まれる」(ある弁護士) …人に対する理解の欠如は、不必要なトラブルの原因になる。 ・「発見を妨げるのは無知ではなく、知っていると思い込む事である」 ・「人を豊かにする事が出来ない人は、豊かな人生を送る事が出来ない」 ・「究極のリーダーとは、他の人々が皆自分の知識と能力を追い越すまで指導する人」である。 ・諺:「行動は言葉よりも雄弁だ」[コミュニケーション力] ・「普通」の人をどう扱うかで、「大物」かどうかを見分ける事が出来る。[リーダーシップ] ・「習慣は第二の天性」 …与えられた事を一所懸命やっただけの人は、一人になると、何をどうやったら良いのか分らなくなってしまう。自律の習慣を付けておく事が必要。 ・「善く游(およ)ぐ者は溺れ、善く騎(の)る者は堕(お)つ」「山師は山で果て、川師は川で果てる」 …こう云う事の最大の原因は、慣れによる驕りである。 ・「日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり」 …誰もが成功を目指すが、成功は終点ではない。成功は、その地点からの再出発である。 ・「努力する者は希望を語り、怠る者は不満を語る」 ・"You may leave your footprint, you may take your memory.":「残して良いのは足跡のみ、持ち帰って良いのは思い出のみ」 ※出典:アメリカの国立公園。 ・"Tough time will not last long, tough management will last forever.":「厳しい時は長く続かない、その時に得た強いマネジメントは永遠の力となる」 ※出典:日経ビジネス2012年6月25日号。 |
日本の作者 | 言 葉 |
芥川 龍之介 (あくたがわ りゅうのすけ) (小説家、作家) |
・「人は自分の性格に見合った事件にしか遭遇しない」 |
石川 邦子 (いしかわ くにこ) (ナチュラルウィル㈲の社長) |
・「ダメな上司は耳で聞く」 ①耳で聞く …相手の話を音として聞く。意識は自分の側を向いている。 ②口で訊く …自分の価値観で云う事を考える。意識は自分と相手の両方。 ③心で聴く …相手の話を集中して聴く。意識は完全に相手にある。 |
石川 啄木 (いしかわ たくぼく) (歌人、詩人) |
・「いのちなき 砂の悲しさよ さらさらと 握れば指の あいだより落つ」(歌) …心の通わない会話、人心を失った企業は崩壊する。 |
石田 梅岩 (いしだ ばいがん) (江戸時代中期の思想家) |
・石門心学(せきもんしんがく)…石田梅岩(1685年(貞享2年)~1744年(延享元年)、60歳没)を開祖とする倫理学の一派で、平民の為の平易で実践的な道徳教の事で、単に、心学とも云う。 …様々な宗教・思想の真理を材料にして、身近な例を使って分かり易く忠孝信義を説いたもの。当初は都市部を中心に広まり、江戸時代後期にかけて農村部や武士を含めて全国的に普及した。明治期に衰退したが、現代でも企業道徳の一環として学ばれている。 ・自分に授かった職分について「天命に殉じる武士の忠節をもって事に当たるべし」 …天地正大の気の鼓吹をもってせられたと云う事で、1.天理を信じ 2.天意を悟り 3.天命を拝す、と云う根本的な精神の改革を迫るものが、全ての教説の根底にあったと云う事を改めて感得せざるを得ないものがある。 ※出典:『石田梅岩のことば』…石田梅岩の日々の生き方の基本と慎みの精神を説いた60篇を収録。発行日:平成19年11月6日初版、編者:寺田一清、発行所:㈱登龍館、発売所:㈱明徳出版社、定価:650円(本体619円+税)、購入日:2008/12/16(火)、ISBN978-4-89619-496-8。 ※石田 梅岩…江戸時代中期の思想家、倫理学者、石門心学の開祖、小栗了雲の門下。江戸時代の中期、元禄享保の時代に、京都で呉服屋に勤めつつ、道を求め、43歳で番頭を退き、45歳より、町中で講席をひらき、町人や商人に人の道を説く。生涯独身。石門心学の祖として尊敬され、今日に至る。 |
五木 寛之 (いつき ひろゆき) (小説家、評論家) |
◆「悲哀」(ひあい)の感情 ・「メランコリー」と云うと、感傷的になる。もっと底深く、重い感じ。 ・「サウダーデ」(ポルトガル語) …「郷愁」「旅愁」「哀愁」等と云ってもぴったり来ない。寧ろ「暗愁」と云う言葉に共通のものを感じる。 ・「孤愁」(こしゅう) …夏目 漱石が漢詩の中で使った言葉。 ◆人間は4つの段階を経て変化(成長)する。 ①「おどろく」時代 …子供から少年時代にかけては、「おどろく」事で成長する。 ②「よろこぶ」時代 ③「かなしむ」時代 ④「ありがとう」の時代 ◆輪廻転生(りんねてんせい、りんねてんしょう) ・仏教国ブータンの人々が固く信じている考え。 ・転生輪廻(てんしょうりんね)とも云う。 ・死んであの世に還った霊魂(魂)が、この世に何度も生まれ変わって来る事を云う。 ・仏教等東洋思想において顕著だが、古代のエジプトやギリシャ等世界の各地に見られる。 ◆仏教の「愛」の教え ・「愛から生まれるもの、それは執着である」 …執着や欲望は、煩悩として人の心を苦しめる。独占欲も生まれて来る、嫉妬心も生まれて来る。それは人間的と云えば人間的なのであるが、その苦しみから人間は抜け出さなくてはならない。穏やかで、透明で、永続的で、覚悟の定まった人間関係と云うものを、仏教の考え方は暗示している。 ◆朋友(ほうゆう、ハンヤオ) ・『易経』(えききょう)と云う古い文書にも出て来る言葉。 ・中国人は長い歴史の中で、繰り返し繰り返し国家や体制の崩壊と時代の転変を体験して来た事で、中国の人々は政治体制よりも、友人の方が信頼出来ると考えて来た様である。 ・「老朋友」(ラオパンヤオ) …年老いた友人の事ではなく、長い歳月をかけて築き上げて来た信頼関係を表す云い方。 ◆布施(ふせ) ・仏教では、人に何かを施したり、与えたりする事を「布施」と云う。 ・今では、お寺やお坊さんに金品を差し上げる事として使われているが、本来は「布施行」と云う行(ぎょう)の一つである。 ・貧しい人や困っている人達に施しをするのも「布施」であるが、行として考えると、それは自分の為にする行為であって、相手から感謝を受ける事を期待するのは間違いだと云う事に気付く。 ・「布施」と云う機会が与えられたら、それによって自分が幸せになるので、寧ろ、こちらの方が合掌し、「ありがとう」と云わなくてはならない。 ◆「励まし」と「慰め」は、仏教では「慈悲」(じひ)と云う。 ・「慈」と「悲」は、古いインドの言葉では、「マイトリー」とそして「カルナ」と云う。 ・「マイトリー」は、友情とか、ヒューマニズム、フレンドシップ等と訳される事も多い言葉であるが、前向き、近代的で、とても分かり易い、頑張れと云う励ましでもある。 ・「悲」(コンパッション、Compassion)と云うのは、相手の痛みを自分の痛みの様に感じる、共感、共苦と云う意味合いが含まれている。人は共感、共苦した時に、相手の苦しみを思う様に取り去ってやる事の出来ない己の無力を感じ、思わずため息を漏らすが、それが「悲」と云う感情である。 ・「慈父」(じふ) …非常に頼もしい、堂々とした明るい愛情の事。深い愛情を持って子供の成長を見守る父。 ・「慈母」(じぼ) …母親が注いでくれる、思いやりに満ちた、何とも云えない愛情の事。深い愛情を持って子供を育てる母。 ・「慈」の愛 …励まし。人々を立ち直らせ、勇気付け、元気付ける愛。そして、高い所へ、共に歩いて行こうと云う、呼び掛けの愛。 ・「悲」の愛 …慰め。何も云わずに、相手の痛みを感じ様とする愛。ただ自然に湧き上がって来る感情が、相手にじんわりと伝わって行くと云う、無言の愛。 ◆「鬱」(うつ)とは、生命力に溢れ、強いエネルギーを内に宿した状態を云う。 ①「鬱」の第一義 …草木の茂る様、物事の盛んなる様。「鬱」はエネルギーが強く、生命力に溢れている状態を表す文字。 ・草や樹木が勢い良く生い茂り、深い森を作っている様子を、「鬱蒼(うっそう)と生い茂った樹林」等と表現する。 ・ノーベル賞級の大作家等に対しては、「鬱然(うつぜん)たる大家」等とも云う(オーラを感じさせる文豪)。 ・大きな志を心に秘めた若者の事を「鬱勃」(うつぼつ)たる野心を抱いた青年」等とも(抑え切れない情熱の事)。 ②「鬱」の第二義 …気が塞ぐ様。 ・「鬱」とは、生命力が溢れていながら、それが屈している状態であり、「鬱」を感じる人は、実は自分の命はエネルギーで溢れているのだ、と考えれば良い。 ◆「鬱」と云われる気分の中には、大事な2つの感覚が存在している。 ・ときに「憂」であり、「愁」である場合が少なくない。 ①「憂」(ゆう) …憂(うれ)える。「憂鬱」(ゆううつ)、「憂国」等の言葉がある。それでいいのか、と、自分に向けて、または社会に向けて発する生命力が「憂」である。「憂」は熱を感じさせる。 ②「愁」(しゅう) …どこか静かな、クールな物思い。人生を透明な眼差しで見つめる時に浮かんで来る、一種の無常感の様な感覚。「愁」はひんやりとした感覚。 ◆生老病死(しょうろうびょうし) ・仏教では、「生きる事は苦である」、即ち、この世は四苦に満ちている、と教えた。 ◆「ブラック」と云う表現 ・ブラック・メール…脅迫。 ・ブラック・フラッグ…海賊の旗、死刑の印。 ・ブラック・マーケット…闇市、非合法な取引。 ・ブラック・リスト…要注意人物のリスト。 ・ブラック…邪悪、ホワイト…聖なるイメージ。 ◆水毒(東洋医学) ・漢方医学において、人体に水分が溜まり、排出されない事によって起こるとされる諸々の症状の事。 ・冷え・めまい・頭痛・アトピー・鼻炎・喘息・疲労感・頭重感・浮腫み等は水毒による症状である事がある。 ・水分の摂取量が多いにも拘わらず1日の排尿量が極端に多かったり少なかったり、食間にお腹の辺りを軽く叩いてチャプチャプと水の音が聞こえるならば水毒が疑われる。 ・原因として水分の摂り過ぎや運動不足で水分が排出されない事が挙げられる。特に日本の気候では大気中の湿度が高い為、体内の水分が排出されにくい環境であると云われている。 ※出典:『人間の関係』(Human Relations)…著者:五木 寛之、発行所:㈱ポプラ社、2007年11月10日:第1刷発行、2008年2月23日:第6刷発行、2008年4月10日(木):購入。 ※五木 寛之…1932年(昭和7年)生まれの小説家、評論家。 |
稲畑 汀子 (いなはた ていこ) (俳人) |
・「なお燃ゆる 命をつくして 冬紅葉」(俳句) …最後の瞬間まで紅葉は赤く輝く。人間の最後の瞬間まで鮮やかでありたい。 |
稲盛 和夫 (いなもり かずお) (京セラ㈱の創業者・名誉会長) 稲盛和夫OFFICIAL SITE 盛和塾 |
・人生の方程式(仕事の数式):「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」 …人生や仕事の結果と云うものは、「考え方」「熱意」「能力」と云う3つの要素の掛け算で決まって来ると云うシンプルな方程式。 ・数値化出来るとすれば、「熱意」と「能力」は、「0点」~「100点」まで、「考え方」は「-100点」~「+100点」まである。 ・何よりも大切な「考え方」とは、人が生きる姿勢であり、「哲学」「思想」「理念」「信念」、或いは人間の「志」「良心」「心掛け」と云っても良い。価値観とも同じ。 ・良い考え方とは、前向き、建設的、協調性がある、明るい、肯定的、善意に満ちている、思いやりがある、優しい、真面目、正直、努力家、利己的でなく、強欲ではない。足る事を知り、感謝の心を持っている。 ・悪い考え方とは、後ろ向き、否定的、協調性がない、暗い、悪意に満ちている、意地が悪い、他人を陥れようとする、不真面目、嘘つき、傲慢、怠け者、利己的、強欲。不平不満ばかりを云い、人を恨み、人を妬む。 ・人生や仕事の結果と云うものは、その人が持っている心の様相、考え方の通りになる。 ・「リーダーは自信を持って、決然とした態度で行動しなければ、言葉や指示を徹底させる事は出来ません」 ・「リーダーは自信を持って、揺るぎない態度で、信じる所を周知徹底させなければなりません」 ・「但し、自説を構成するものは、その人の持っている哲学なのですから、その哲学に普遍性と正当性がなければ、とんでもないリーダーシップとなってしまいます」 |
・過去の不況時に云った言葉 ①確かに大変な時期だけれど、悲観的になるのはやめよう。 ②一致団結しよう。不況になると、社内にいろいろな不協和音が生じてきます。だから、景気が良い時ではなく不況の時にこそ団結しようと。 ③皆で創意工夫して少しでも経費を減らす努力をしよう。それが生き残るための絶対条件だと。 ④全員が営業マンと云う気持ちで注文を取ろう。今までの得意先ばかりでなく、行った事のないお客様のところへも扉をたたきに行く。 不況の時こそ、こうした創意工夫を重ねる事が次の発展のきっかけになります。 ※出典:日経ビジネス2008年11月10日号。 |
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◆アメーバ経営 ・経営哲学を確立して、部門別損益管理を徹底する概念。会社を経営して行く中で、自らの経営哲学を実現して行く為に創り出した経営手法の事。 ・「確固たる経営哲学と精緻な部門別採算管理をベースとした経営手法である。~(中略)~企業を長期的に発展させる為には、正しい「経営哲学」を確立し、それを全社員と共有する事、また、組織の末端に至るまでの経営実態を正確且つタイムリーに把握する「管理会計制度」が必要であると感じていた。その為、技術開発や製品開発、また営業活動等に力を注ぐ一方、これらの確立に心血を注いで来た」 ※出典:著書『アメーバ経営』の前書きに述べられている言葉。 ◆アメーバ経営のメリット ①採算に対する意識が向上する。 ②社員の経営への参加意識が高まる。 ③末端の業績まで把握する事が可能になる。 ④社内の問題を察知して素早く対策を打てる。 ⑤アメーバのリーダーが経営者マインドを磨ける。 ※出典:日経ビジネス2010年2月22日号。 |
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◆“稲盛流”哲学を支える禅的思考 ・「企業経営には、権謀術数が不可欠だと感じている人が多いかも知れないが、そう云うものは一切必要ない。今日一日を一生懸命に生きさえすれば、未来は開けて来る。また、正々堂々と人間として正しいやり方を貫けば運命は開けて来ると考えている」(『人生と経営』から) ◆“稲盛流”の構成要素(稲盛哲学の構造) ①谷口雅春の前向きな心の持ち方 ・『生命の實相』(著者:谷口 雅春)に記されていた「幸不幸はその人の心の投影である」と云う考え方。自己啓発書に見られる“ポジティブシンキング”を連想させるもの。 ※谷口 雅春(たにぐち まさはる)…新宗教系教団「生長の家」創始者(初代総裁、「生長の家」では「教祖」「開祖」と云う名称は用いられない)、稲盛和夫氏の師僧。 ②学者や知識人の影響による宇宙観 ・「企業発展の4つの法則」にも説かれた稲盛氏の宇宙観。 ・「宇宙には万物を進化、発展させる摂理があり、それにかなった考え方や生き方をすれば、人生も仕事も上手くいく」と云うもの。 ・創造主「サムシング・グレート」の存在を説いた村上和雄氏の影響が大きいのではないか、と推測される。 ※「サムシング・グレート」…『生命の暗号』(著者:村上 和雄、発行所:㈱サンマーク出版)の中で使われている言葉で、「偉大なる何者か」「大自然の大いなる力」と云う意味。精神世界系では、目には見えなく、科学的にも証明出来ないけれど、偉大なる大きな力の存在と考えられ、この世界を作り出した創造主と表す人もいる。 ※村上 和雄(むらかみ かずお)…日本の分子生物学者、筑波大学の名誉教授、農学博士(京都大学、1963年)。1983年に、高血圧を引き起こす原因となる酵素「ヒト・レニン」の遺伝子解読に初めて成功。パスツール研究所やハーバード大学を抑えての快挙であった為、一躍注目を集める。 ③西片擔雪老師の禅による魂磨き ・稲盛和夫氏は、人の一生のテーマを「魂を磨く事」とし、人生を3期に分けて20歳までを「社会に出る準備期間」、20歳から60歳までを「社会の為に働く期間」、60歳からの20年を「死ぬ為の準備期間」と位置付けている。 ※西片 擔雪 老師(にしかた たんせつ ろうし)…臨済宗妙心寺派第31代管長。 ※「円相の経営を」…2012年(平成24年)12月14日(金)に西片擔雪老大師が経営に関して語られた言葉。 ※「円相の経営」…相対(あいたい)するのではなく、相手と自分は実は繋がっている。○(まる)の経営。相手は相手、自分は自分ではない。無とは、自分を捨てる事。捨て切るとは、成り切る事である。相手の立場に成り切る事である。相手に成り切る事で、むしろ自分も人も経営も生きてくる。 ④西郷隆盛的な薩摩精神(土台を支える部分) ・土台を支えるのは質実剛健、清廉潔白を重んじる薩摩藩の精神。稲盛和夫氏は鹿児島市生まれ、大学卒業までの22年間を郷里で過ごしている。 ◆“稲盛流”の要諦(集約したもの) ①「経営十二カ条」 一、事業の目的、意義を明確にする。 二、具体的な目標を立てる。 三、強烈な願望を心に抱く。 四、誰にも負けない努力をする。 五、売り上げを最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える。 六、値決めは経営。 七、経営は強い意志で決まる。 八、燃える闘魂。 九、勇気をもって事に当たる。 十、常に創造的な仕事をする。 十一、思いやりの心で誠実に。 十二、常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で。 ②「リーダーの役割十カ条」 一、事業の目的・意義を明確にし、部下に指し示す事。 二、具体的な目標を掲げ、部下を巻き込みながら計画を立てる。 三、強烈な願望を心に抱き続ける。 四、誰にも負けない努力をする。 五、強い意志を持つ。 六、立派な人格を持つ。 七、どんな困難に遭遇しても、決して諦めない。 八、部下に愛情を持って接する。 |
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・「六つの精進」とは、人生や仕事において、重要となる実践項目を纏め上げたもの。そして、「六つの精進」を毎日連綿と実践し続けていけば、やがて素晴らしい人生が開けていくと考えるもの。 ①誰にも負けない努力をする。 ②謙虚にして驕らず。 ③反省のある毎日を送る。 ④生きている事に感謝する。 ⑤善行、利他行を積む。 ⑥感性的な悩みをしない。 ※出典:日経ビジネス2018年1月8日号。 |
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井上 礼之 (いのうえ のりゆき) (ダイキン工業㈱の会長兼CEO) |
・組織運営で腐心しているのは、「求心力と遠心力のバランス」。 海外法人に対しては、現地の事は出来るだけ現地に任せたいけれども、経営理念を理解した人材がいなければ、暴走してしまう。これはグローバル展開すを進める日本企業に共通する課題。如何に求心力を維持しながら、海外展開を進めていくか。 ・このテーマでトヨタ自動車で講演をした。考え抜いて辿り着いたキーワード。 ①「外国人に任せても(権限を与えても)、迎合はしない」 …経営者の思想と云うものを世界に展開して、それに賛同する人に権限を与え、現地にある程度任せながら、各国の事情を理解した本社が指揮を執る(求心力と遠心力のバランス)。 ②「現場主義とフラットな組織運営」 …権限委譲する一方で、コミュニケーシン出来る環境を整えておく。権限委譲も一律ではいけない(放置してはいけない)。 ③「一流の実行力と二流の戦略」 …重要なのがスピードとダイナミズム(力強さ)。責任者は方向(戦略)を打ち出したら、直ぐに実行する。先ず実行に移して、肌で感じながら、戦略を変えていく。 ※井上 礼之(のりゆき)…ダイキン工業㈱の会長兼CEO、人事畑を歩んで来て「人基軸」(従業員の「キャリアパス」の明確化と成果主義の整備)の経営理念を提唱し実践している。 ※ダイキン工業㈱…合資会社大阪金属工業所→大阪金属工業㈱、利益の7割を海外で稼ぎ、従業員も外国人が4分の3を占めるグローバル企業。 |
井上 ひさし (いのうえ ひさし) (作家) |
・「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」 ※出典:劇団「こまつ座」の雑誌「the座」の14号・1989年9月版(「井上ひさし伝」…著者:桐原 良光(きりはら よしみつ)、出版社:㈱白水社)。 ※井上 ひさし…小説家、劇作家、放送作家。文化功労者、日本芸術院会員。1983年に劇団「こまつ座」を結成、翌1984年から“演劇を愛する人、広くは人間と文化を考える人に楽しんでいただきたい”と雑誌「the座」(ざざ)を創刊。 |
猪瀬 直樹 (いのせ なおき) (作家) |
・「決断を下さず先延ばしを続けていれば、誰に対しても良い人物でいる事が出来る。しかし、それは極めて利己的な行動である」 …問題を先送りにしていれぱ、差し当たっては波風が立たない。誰からも文句が出ない。その様な方法で、身の保全を図るばかりのリーダーは、結局、みんなが時代に取り残されてしまう。 |
井深 大 (いぶか まさる) (ソニー㈱の創業者) |
・「ソニーにしか出来ない事を、ソニーがやらなくなったら、ソニーではなくなる」 …ソニーの「設立趣意書」を中心に一貫した理念を持ち、斬新な製品を開発して市場を席巻する。 |
・「仕事が良く出来る人を報いるのは、もっと仕事を与える事だ。給料なんてのは、生活出来るレベルでいいんだ」 …出きる人に沢山仕事を与えると、益々世の中に貢献してくれる。神様が貴方に与えてくれた能力は目一杯使えばいい。でも、たまたま与えられた能力なのであって、それで貴方が贅沢したりお金を沢山貰ったりするのはおかしい。こんな考え方が根底にあった様である ※出典:郡山 史郎(ソニーPCLの元会長、CEAFOM(シーフォーム)の社長)が明かした逸話。 ※井深 大(まさる)…電子技術者、実業家、盛田 昭夫と共にソニー㈱の創業者。 |
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今北 純一 (いまきた じゅんいち) (CVAのマネージングディレクター) |
・人の成長には「MVP」が必要。 ①M:Mission、ミッション=挑戦すべき目標。 ②V:Vision、ビジョン=目標に至る具体的な道筋。 ③P:Passion、パッション=目標や夢に向かって燃やす情熱。 ・「成長願望」と「上昇志向」の違い。 ①成長願望 …自分自身が基軸になる。他人と比べる必要はなく、自分が納得し充実感を持てれば良い。何か始める時に遅過ぎると云う事もない。 ②上昇志向 …ランキング意識に基づくもので、他者との比較で考えがちである。これはいつか必ず挫折にぶつかる。 ・「人間は、自分の才能の10分の1も知らずに死んでしまう動物」(ノーベル賞を受賞した科学者の言葉) …兎に角、諦めずに続ける事が大切。成長するもしないも、全ては自分次第である。志があれば、必ず自分なりのMVPが見つかる筈である。 ・「基本的に、人間の人生と云うのは未完で終わる」 …一つのテーマなり目的を達成したら、次なる目標やテーマなりが出て来る。それを乗り越えれば、また別なテーマが出て来るでしょう。こうして、未完のものを抱え込んだままで、人間は死んで行く。 ※出典:『仕事で成長したい5%の日本人へ』(著者:今北 純一)。 ※今北 純一…CVAの日本関連プロジェクト統括マネージング・ディレクターとして欧州と日本を拠点に、政府系機関や日本と欧米の有力企業のトップ・マネジメントに対するコンサルティングを行っている。パリ在住。 ※CVA…Corporate Value Associates、コーポレート・バリュー・アソシエイツ、欧州系のコンサルティング会社、フランス企業。 |
上杉 鷹山 (うえすぎ ようざん) (米沢藩の九代藩主) |
・「為(な)せば成る 為(な)さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為(な)さぬなりけり」 …やれば出来るし、やらなければ出来ない。「出来ない」のは、まず「やらない」から出来ないなのだ。行動しなければ、何も始まらない。困難な事業であっても、熱意をもってあたれば必ず成し得る。頑張れば出来るんだと云うポジティブな気持ちで立ち向かっていけば、何事も成就出来るものである。 ・「働き一両、考え五両、見切り千両、無欲万両」「働き一両、考え五両、知恵借り拾両、骨知り五十両、閃き百両、人知り三百両、歴史に学ぶ五百両、見切り千両、無欲万両」 …ただ云われた事だけこなして仕事をしても一両の価値しか生まない。頭を使えば五両、つまり五倍の価値を生む。知恵を借り、コツを知り、閃きや人脈形成や歴史を知る事で価値を上げていく事が出来る。損が出る時にスパッと見切れる決断力も大きな価値があるが、最終的に一番大きな価値となるのは、無欲に、人の為になる事をする事である。 ※上杉 鷹山(うえすぎ ようざん)…上杉 治憲(うえすぎ はるのり)、出羽国米沢藩の九代藩主、江戸時代中期の大名。諱(いみな)は、初め勝興(かつおき)、後に治憲であるが、藩主隠居後の号である鷹山の方が著名。 |
仰木 彬 (おおぎ あきら) (オリックス・バファローズの初代監督) |
・「信汗不乱」(しんかんふらん) …一生懸命流した汗を信じれば心は乱れず、やがて道は開ける。流した汗は裏切らない、必ず光明が指す。汗をかかないで楽に成長する事はあり得ない。 |
大久保 幸夫 (おおくぼ ゆきお) (リクルートワークス研究所の所長) |
・周囲を見回して見ると、色々なタイプ(考え方、スタイル)の人がいる。 ①走る前に考える人 ②走りながら考える人 ③走ってしまってから考える人 ④いつも何も考えない人 …いつも、どこでも、一つの考え方、一つのスタイルでは、常に変化する現実に対応出来ない。あらゆる事は、ケース・バイ・ケースであり、バランスの問題である。 |
大平 喜信 (おおひら よしのぶ) (㈱雪国まいたけの社長) |
・「上手くいかない時には、絶対に他人のせいにしない」 ・「他人が悪いと思えば、嫁は眠れるが、朝起きても何も事態は好転しない。いつも自分が悪いと思えば、夜も眠らず努力する」 …何度も絶望に遭ったが故、経営者として1つの教訓を得た。そして、絶望的な状況から抜け出す為に、常にこの様に考えた。 |
大前 研一 (おおまえ けんいち) (㈱大前・アンド・アソシエーツの代表) |
・人間が変わる方法として、次の3つが挙げられる。 ①時間配分を変える。 ②住む場所を変える。 ③付き合う人を変える。 …その上で、この3つの要素でしか人間は変わらない。最も無意味なのは、「決意を新たにする」事だ。かつて決意して何が変わっただろうか。 |
大村 はま (おおむら 濱) (国語学者、教育家) |
◆「子供のコップは小さいから…」 …子供がコップを持って、自分の身体を養う物を飲むとします。教師はそのコップに栄養のあるいい飲み物を入れるんですが、入れると教師は満足して、もっともっと入れ様とするんです。でもそれは、子供が飲み終えて、もっと欲しいと思った頃に入れるのがこつ。飲んでいない所へ入れても、こぼすだけです。 (中略)子供が飲み終えていなければ、こぼすだけです。 私は折に触れて、「子供のコップは小さいから」と思う事がありました。飲んだ所を見計らって、それから次のものを入れ様としておりました。中々飲まない人もいるし、早く飲む人もいます。 ◆「子供ほど、マンネリが嫌いな人はありません」 …「二度云うと風邪を引く」と云う諺もありますが、二度目と云うのは、どんな事であっても魅力が少ない様です。(中略) 変化があると、子供は生き生きして来ます。新鮮と云うか、眠っていない状態になります。 ◆「力は使い切った時に伸びるものです」 …持っている力と云うのは、使い切った時に伸びるものの様です。大してない力でも、ありったけ使うと、また何処かから湧いて来るのです。 誰かが哀れに思って、与えてくれるのではないかと思うほどです。 ですから、少ししか使わないと、力は伸びない、生まれて来ない様です。 ◆「“一生懸命”は当たり前です」 …子供達が発表の時に、(中略)皆さんに聞いて貰う発表の準備をする、それは一生懸命やるのは当たり前でしょう。(中略) 「一生懸命」と云うのは、聞いていた人が発表者に云って上げる言葉です。余り上手で無かった時に、「一生懸命さに打たれた」「一生懸命努力した跡が読み取れた」等と云って励ます言葉なんです。 ◆「人に聞き返されてはいませんか」 …自分が何か云った後で、「え?」「なに?」と聞き返される事はないでしょうか。或いは、自分が話した事が人に取り違えられて、「違う違う、そうじゃなくて」と、もう一度説明する事はないでしょうか。 私は、それが、自分の話が分かり易いものだったか、はっきり意図を伝えていたか、を振り返る一つの目安だと思っています。 (中略)話す力を磨こうとするするのでしたら、「聞き手が悪い」等と云ってはいけません。聞き返されたら、自分の話し方が未だ十分ではない証拠だと思って、工夫を重ねたいものです。 ◆「このクギの穴は残っているんだ」 …アメリカの有名な大統領ワシントンの少年の頃のエピソードです。サクラの木を切った話で分かる様に、ワシントンは相当ないたずら坊主だった様です。 困ったお父さんは、ワシントンを呼んで、「これからお前が悪い事をしたら、このキッチンの柱にクギを一本打ち込む。その代わり、いい事をしたら、一本抜く」と云いました。こうすれば、悪戯(いたずら)が減ると思ったのでしょう。しかし、中々悪戯は止まず、柱はクギだらけになりました。 やがてワシントンも考える様になって、優しい心を見せたり、人を助けたりする様になります。その度にお父さんは黙ってクギを抜きました。減ったり増えたりが続いて、ある日、とうとうクギは一本もなくなりました。 お父さんはワシントンを呼んで、柱を撫でさせ、「お前は本当にいい子になった。ご覧、クギはもう一本もない」。ワシントンもニコニコしました。 「だけどね」とお父さん。「クギは一本もなくなったけれど、このクギの穴は残っているんだ。神様でなければ、この穴を元通りにする事は出来ないんだよ」 ワシントンはそれから一生涯、抜けばいいのではない、クギを打ち込んではならないと云う考えを心に持っていたと云います。 ※出典:『灯し続けることば』(著者:大村 はま)、2010/01/27。 |
大山 健太郎 (おおやま けんたろう) (アイリスオオヤマ㈱の社長) |
◆変化対応に不可欠な「新事業の極意」 ①自社の強みを生かす。 …経験や知識が全くなない中での新規参入は失敗の元。自社の強みが何処にあるのか。それを最大限に生かせる新事業は何かを考える。 ②将来性がある。 …「今売れているから参入する」ではもう遅い。新しい生活スタイルを創造し、世の中の生活行動を変えるだけの将来性があるかを常に意識する。 ③収益性の高い業界。 …売上高だけ見ていては、赤字に陥り易い。高い付加価値があれば、顧客は付いて来る。顧客への付加価値提供を継続し、高い収益を得る。 ④競合に比べて優位性がある。 …自ら需要を創造しても、必ず競合の参入がある。競合が商品を出す時には、常に新しい付加価値を顧客に示せる様、新商品の開発を続ける。 ※出典:日経ビジネス2013年2月4日号。 ◆再生の為の4カ条 ・再生で大事なのは、従業員のやる気をそがず、且つ自主的に再建を任せて自信を付けさせる事である。 ・「人材」「商材」「売り場」「会社」の再生が、現在のアイリスの原動力である。 ①リストラはしない。 …リストラで決算上の数字は一時的にプラスになるが、残された人の士気を下げては本格的な再生に向けて踏み出せなくなる。 ②相手の課題を克服出来る策を示す。 …自分達にだけうまみがある様な提案では理解されない。相手の課題に対する解決策を持っている事を示して信頼関係を作る。 ③本人に変革を促す。 …解決策は提示するものの、手取り足取り指示してはいけない。自ら変革する為に行動させ、結果を残す事で自信を付けて貰う。 ④「仕組み化」する。 …再生が成功したら、他のケーススタディーにも応用出来る様に仕組み化する。結果的に、色々な事業や企業、人の再生に応用が可能となり、新たな事業の幅も広がる。 ※出典:日経ビジネス2013年2月11日号。 |
岡藤 正広 (おかふじ まさひろ) (伊藤忠商事㈱の社長) |
・プロの商売人としての心構え(迷ったらここに立ち返れ) ①先ずは目先の仕事に邁進せよ。 …その積み重ねが大志へと導く。 ②仕事に手を抜くな。 …自分1人位と思った瞬間、組織は崩壊する。 ③競争条件は変えられない。 …文句を云う前に、結果で語れ。 ④商売の損は仕方ない。 …決して人の信用を損なうな。 ⑤クレームは吉。 …自分が必要とされている証しと思え。 ⑥商売は浪速節(浪花節)。 …時に勘定より人情を大事にせよ。 ⑦仕事を心から楽しめ。人生、仕事ほど面白いものはない。 ※出典:日経ビジネス2011年10月24日号。 |
荻野 博司 (おぎの ひろし) (日本ベンチャー起業支援協会) |
・「パッション、ポリシー、パーシステンスの3Pが起業家には必要です」 ①パッション(Passion) …情熱。物事が上手くいくかいかないかは、その人に強い情熱があるかないかによって決まる。情熱がその人を内側から動かし、人をして感動させ、協力させる。 ②ポリシー(Policy) …基本的には、その人の行動基準とも云うべきものであるが、「起業するに当たって、その目的を達成させる為の具体的な方策」であり、深慮や知謀がどこまであるかと云う事でもある。 ③パーシステンス(Persistence) …持続力。成功に至る為には、当初の目標に固執して、頑張り続ける事が必要である。 |
越智 直正 (おち なおまさ) (タビオ㈱の会長) |
・越智会長は、「創業の理念」を以下の様に定めた。 「凡そ商品は 造って喜び 売って喜び 買って喜ぶようにすべし 造って喜び 売って喜び 買って喜ばざるは 道に叶わず」 ※出典:日経ビジネス2014年9月1日号。 ※タビオ㈱(Tabio Corporation)…「靴下屋」、大阪府大阪市浪速区に本社を置く、靴下の企画・製造・販売を主業とする企業。 |
加護野 忠男 (かごの ただお) (神戸大学の経営学部教授) |
・21世紀の企業は、4つのFと1つのVで表わせる。 ①ファスト(Fast) …如何に速くアクションに移れるか。 ②フレキシビリティ(Flexibility) …柔軟性、伸縮自在性。 ③フォーカス(Focus) …最近、お客様の価値と云う観点からフォーカスを持っている企業が元気。 ④フレンドリー(Friendly) …ごく普通の考えで、自分がして欲しい事を自らする。 ⑤バリュー(Value) …お客様に価値を提供する。 …これまで「企業30年説」が唱えられていたが、最近は「企業10年説」(極端なのは、企業1年説)等と云われている。4F1Vは、そう云う時代の要求でもある。 |
葛西 敬之 (かさい よしゆき) (東海旅客鉄道㈱の代表取締役会長) |
・日本国有鉄道(国鉄)の分割民営化(国鉄再建監理委員会の最終答申)は、不屈の意志がなければ辿り着けなかった。しかし好運に恵まれなければ全ては無に帰したでしょう。幸運の第一は「人の縁」であり、更なるひとつは「時の運」でした。 ※出典:『明日のリーダーのために』(著者:葛西 敬之)の119ページ、2010/06/22。 ※葛西 敬之…東海旅客鉄道㈱の代表取締役会長。 |
梶川 隆 (かじかわ たかし) (ヤマハ発動機㈱の社長) |
・「右手にロジック、左手に仮説、胸に信念、心は浪花節、そして、執念の粘り腰」 …ビジネスの現状に即した行動の指針を、分かり易い表現で示したもの。 |
金井 壽宏 (かない としひろ) (神戸大学大学院の教授) |
・「したたかなフォロワー(追従者)であった人程、人の上に立った時には上手くリーダーシップを発揮している」 …その様な人は、立場が変わっても、人々の心理や自尊心に敏感に反応すると云うスタンスを保ち続けている。 |
川野 トモ (かわの とも) (㈱ヤオコー(㈲八百幸商店)の創業者) |
・「行き詰まりを打破するには自分が変わるしかない」 ・「『築城100年落城1日』、現場を離れれば明日はない」 ・「感動のある商売こそ、商いの極意」 ・「値下げより誠実さがお客様の心を捉える」 ・「腹が立ったら、逆に心の中で『ありがとう』」 ・「仕事に対する欲が、お客様を呼ぶ力を高める」 ・「お客様の『まあまあ』は『まだまだ』の意味」 ・「へたでみっともなくても、毎日やり続ければ能力になる」 ※出典:『日本一強いスーパー ヤオコーを創るために母がくれた50の言葉』(著者:川野 幸夫)、日経ビジネス2013年7月1日号。 |
川淵 三郎 (かわぶち さぶろう) (日本サッカー協会のキャプテン) |
・「リーダーを育てようと思うのは間違っている。背中を見せて育てたつもりでも、何を学ぶかは本人の感受性次第。リーダーの資質を持っている人は、自分で勝手に成長して行くものだ」 |
木瀬 輝雄 (きせ てるお) (TOTO㈱の相談役) |
・「何故仕事をするのか。未来、社長、お客様の目で、目的を3回問い詰めよ」 …仕事の目的には、そのまた目的がある。3回問い詰めていくと、真の目的が見えて来る。常に自分で目的を考えていないと、全てが“やらされ仕事”になって行く。 ・「何の為に仕事をするのかを常に考えて欲しい。その時は、3つの見方で見て欲しい」(「経営塾」を通して) ①「未来から見る」 …10年後は自分はどうなっていたいのか。現在から未来を見るのではなく、未来から今を見る。逆算で考える。 ②「2ランク上の立場から見る」 …例えば部長ならば、自分が社長だったらと考える事で、日常の仕事が違って見える。 ③「お客様の立場で見る」 …どんなに迷う様な決断も、お客様の立場から考えれば間違える事はまずない。 |
清野 由美 (きよの ゆみ) (ジャーナリスト) |
・「『出来る訳がない』と思えば、脳はその優秀なメカニズムを動員して、「出来ない」理由を考え始めます」 ・「『出来る』と確信すれば、脳はそれを実現する為に最大限のアウトプットを行おうとします」 |
久多良木 健 (くたらぎ けん) (㈱ソニー・コンピュータエンタテイメントの社長) |
・「60点の人と80点の人が組むと、平均点の70点になるのではなく、低い方に引っ張られて60点になると云うのが、一般的な“協力の法則”である」 |
黒田 如水 (くろだ じょすい) (通称は黒田 官兵衛) |
・『水五訓』(人生訓) 一、自ら活動して他を動かしむるは水なり。 一、常に己れの進路を求めて止(や)まざるは水なり。 一、障害に遭いて激しく其勢(その勢い)を百倍しうるは水なり。 一、自ら潔くして他の汚れを洗い、清濁併せいるる量あるは水なり。 一、洋々として大洋を充たし、発しては蒸気となり雲となり雨となり、雪と変じ霰(あられ)と化し、凝しては玲瓏(れいろう)たる鏡となり、而(しか)も其性(その性)を失わざるは水なり。 ※『水五訓』…『如水五訓』とも云う。また、文章も文字や表現、語順等も微妙に異なるものが存在する。 ※出典:黒田 如水…戦国武将、大分中津城主(黒田 孝高(よしたか)の時に築城)、黒田 如水は出家後の号、通称は黒田 官兵衛。 |
小林 恵智 (こばやし けいち) (CDIヒューマンロジック研究所の所長) |
・「最強組織が勝つ為の組織だとすれば、最適組織は負けない為の組織である」 ①最強組織は、新規事業の立ち上げ等の短期限定的な目標を達成する為の組織だ。構成員は全て同質のタイプで編成する。 ②最適組織は、同質だけでなく、互いに補完の関係にあるタイプも少し加えて編成する。 |
小林 秀雄 (こばやし ひでお) (近代批評の創始者・確立者、「人生の教師」) |
・「雲が雨を作り雨が雲を作る様に、環境は人を作り人は環境を作る」 ・「骨折り損のくたぶれ(くたびれ)儲けと云う事がある。これは骨さえ折れば、悪くしたってくたぶれ位は儲かると云う意味である」 ・「俺が生きる為に必要なものはもう俺自身ではない、欲しいものはただ俺が俺自身を見失わない様に俺に話し掛けてくれる人間と、俺の為に多少は生きてくれる人間だ」 ・「誤解されない人間等、毒にも薬にもならない。そう云う人は、何か人間の条件に於いて、欠けているものがある人だ」 ・「人間は考える葦だ(パスカル)と云う言葉は、あまり有名になり過ぎた。気の利いた洒落だと思ったからである。(中略)パスカルは、人間は恰(あたか)も脆弱な葦が考える様に考えねばならぬと云ったのである」 ・「天才とは、努力し得る才だと云うゲエテの有名な言葉は、殆ど理解されていない。努力は凡才でもするからである」 ・「眼高手低と云う言葉がある。それは、頭で理解し、口で批評するのは容易だが、実際に物を作るのは困難だと云った程の意味だ、と誰でも承知しているが、…」 ・批評文としてよく書かれているものは、皆他人への賛辞であって、他人への悪口で文を成したものはない事に、はっきりと気附く。(中略)批評とは、人を褒める特殊の技術だと云えそうだ。人を貶(けな)すのは批評家の持つ一技術ですらなく、批評精神に全く反する精神的態度である、云えそうだ。 ・ベルグソンは若い頃にこう云う事を云っています。「問題を出すと云う事が一番大事な事だ。上手く出す。問題を上手く出せば、即ちそれが答えだ」と。 ※出典:『人生の鍛錬 小林秀雄の言葉』(編者:㈱新潮社)、2009/08/20。 |
・「人間はオギャアと生まれたその時から、一歩一歩、死へ向かって歩いて行く旅人の様なものだ」 …私達は限られた時間を生きている。しかし、その事を常に意識している様では、現実社会に生きて行く事は難しい。私達は日々、その事を意識しない様に意識して生きている。頭の中から追い払って、プラス思考を大事に暮らしている。 |
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小松 真一 (こまつ しんいち) (醸造技術者) |
・「小利口者は大局を見誤る」 …ただ技術の一断面を見ると日本が優れていると思う事があるが、総体的に見ればアメリカの方が優れている。太平洋戦争等の日本軍の戦況把握能力が、これを表している。 ※出典:『日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条』(著者:山本 七平)。 ※小松 真一…醸造技術者。『虜人日記』の著者、1911年~1973年、1944年比島に軍属としてブタノール生産のために派遣される、敗戦と共に1946年まで捕虜生活。 (注)『虜人日記』…1974年私家版『虜人(りょじん)日記』出版、1975年筑摩書房より『虜人日記』出版、これにより同年の毎日出版文化賞受賞。 |
近藤 悦康 (こんどう よしやす) (アチーブメント㈱の採用コンサルタント) |
・ディスカッションを通じて見極める能力 ①仮説構築力 …「もし~ならば」と云う仮説を立てる力。 ②体系化力 …物事を起承転結の流れで整理する力。 ③逆算力 …設定した目的やゴールから逆算してプロセスを設計する力(Back Casting)。 |
西郷 隆盛 (さいごう たかもり) (西郷南州翁、薩摩藩士) |
・「人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己れを尽し人を咎(とが)めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし」 …「天」とは、磨き清められた心によって、「人として何が正しいか」を判断する、普遍の存在。利己心ではなく、より大きな存在の為に生きると云う志を意味している。 |
齋藤 孝 (さいとう たかし) (教育学者、明治大学の文学部教授) |
・哄笑(こうしょう)する事は、私にとっての「突破力」だ。 …失意や迷いの底から、ふと湧き上がった「哄笑」こそが、突破の武器になる。きつい時こそ、軽やかに踊り、笑う。 ・「哄笑」(こうしょう) …大口をあけて笑う事。大声を出して笑う事。 ※出典:『ツァラトゥストラ』(著者:ニーチェ)。 |
三枝 匡 (さえぐさ ただし) (実業家、㈱ミスミグループ本社の会長) |
・経営スキルの向上とは、云い換えれば自分なりの「経営フレームワーク」を増やしていく事。フレームワーク(Framework)とは、物事の構造や本質を理解し、分かり易く説明する為の道具。その道具を沢山身に付けた人こそ、リーダー能力の高い人である。 ・優れた経営者は、混沌(カオス、Chaos)を単純化する能力に長けている。 ※出典:日経ビジネス2013年4月1日号。 |
堺屋 太一 (さかいや たいち) (作家) |
・「運のよさと云うのは実力の一部でね。運のいいだけの様な人物に見えても、実はその運を掴む為には、色々と日頃の修練をしているものです」 ※堺屋 太一(さかいや たいち)…作家、評論家、経済企画庁長官(第55代~第57代)、本名:池口 小太郎(いけぐち こたろう)。 |
坂根 正弘 (さかね まさひろ) (実業家、コマツ(㈱小松製作所)の会長) |
・ダントツ経営の真髄は、「ないと困る」会社を目指す事である。 ・企業価値は、信頼度の総和である。強みを磨き「ダントツ」にする。 ①ダントツ商品 …犠牲にする項目を作るが際立った特徴を持つ。平均点主義からの脱却。 ②ダントツサービス …顧客の困った点を解消。ダントツ商品を活用するハードとソフトの融合。 ③ダントツ経営 …顧客にとって「ないと困る」存在になる。リーダーが方向性を明示。 ※出典:日経ビジネス2012年6月4日号。 |
・経営に一番大切なのは、マーケットの見える化。 ・コマツはモノ作りの基本として「五ゲン主義」を掲げている(見る事が出発点)。 ・ファクトを見える化する事は、モノ作りの現場だけでなく、経営にも応用出来る。 ①問題が起きている「現場」に出て、 ②「現物」を具体的に調べて、 ③データで「現実」を直視し、 ④物事を「原点」に立ち返り、 ⑤問題点を「顕在化」し共有。 ※出典:日経ビジネス2012年6月11日号。 |
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坂巻 久 (さかまき ひさし) (キヤノン電子㈱の社長) |
・ピーター・F・ドラッカーから学んだ5つの教えを経営改革に生かして来た。以降の言葉は、『経営の適格者』等の複数のドラッカー本より引用。 ①自らの強みを知る。 …これからは、誰もが自らをマネジメントしなければならない。自らを最も貢献出来る場所に置き、成長していかなければならない」「誰でも、自らの強みについては良く分かっている。だが、大抵は間違っている。分っているのは、せいぜい弱みである。それさえ間違っている事が多い。しかし何事かを成し遂げるのは、強みによってである。弱みによって何かを行う事は出来ない。出来ない事によって何かを行う事等、到底出来ない。 ②時間を管理する。 …私の観察によれば、成果を上げる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。何に時間が取られているかを明らかにする事からスタートする。次に、時間を管理すべく、自分の時間を奪おうとする非生産的な要素を退ける」「成果を上げる者は、時間が制約要因である事を知っている。あらゆるプロセスにおいて、成果の限界を規定するものは、最も欠乏した資源である。それが時間である。 ③最も重要な事に集中せよ。 …成果を上げる為の秘訣を1つだけ挙げるならば、それは集中である。成果を上げる人は、最も重要な事から始め、しかも、一度に1つの事しかしない」「いかなる成果も上げられない人の方が良く働いている。成果の上がらない人は、第1に、1つの仕事に必要な時間を過小評価する。第2に、彼らは急ごうとする、第3に、彼らは同時に幾つかの事をする。 ④イノベーションの原理と方法。 (1)第1に、イノベーションを行う為には、機会(次の7つ)を分析する事から始めなければならない。 …予期せぬ事、ギャップ、ニーズ、構造の変化、人口の変化、認識の変化、新知識の獲得。 (2)第2に、イノベーションとは、理論的な分析であると共に、知覚的な認識である。 (3)第3に、イノベーションに成功するには、焦点を絞り単純なものにしなければならない。 (4)第4に、イノベーションに成功する為には、小さくスタートしなければならない。大掛かりであってはならない。具体的な事だけに絞らなければならない。 ⑤チェンジリーダーにとっての3つのタブー。 (1)第1のタブーは、現実と辻褄が合わないイノベーションを手掛ける事。 …その様なイノベーションが実を結ぶ事は稀である。単にその新奇さ故に、魅力的に見える事が少なくない。しかし、それらの多くは、例え失敗しなくとも、莫大な資金と時間を要する。 (2)第2のタブーは、真のイノベーションと単なる新奇さを混同する事である。 …イノベーションは価値を生む。新奇さは面白いだけである。所が、組織の多くが、毎日同じ事を行い、毎日同じモノを創る事に飽きたと云うだけで、新奇なモノに取り組む。 (3)第3のタブーは、行動と動作を混同する事である。 …製品、サービス、プロセスが成果を生まなくなり、その廃棄が必要になると、あらゆる組織が組織改革に走る。勿論、組織改革が必要な事は多い。ただそれは、何を如何に行うかと云う問題に取り組んだ後に行う事である。組織改革だけでは、単なる動作だけであって、意味ある行動の代わりとならない。 ※出典:酒巻 久…1999年3月~:キヤノン電子㈱の社長、2011年2月:『ドラッカーの教えどおり、経営してきました』(発行所:㈱朝日新聞出版)を出版、日経ビジネス2012年11月19日号:実践の奥義「経営の巨人の教えを生かす①-ドラッカー バイブルとして熟読し応用」。 |
・『経営の適格者』(著者:ピーター・F・ドラッカー)に学んだドラッカーの教えを経営に活かす具体的方法。 …キヤノン電子㈱を利益率10%超の高収益企業に変えた著者が、実際の経営や仕事にドラッカー思想を取り入れた手法を紹介。 ①ムダをなくす。 不況で利益を出すのが厳しくなっていると愚痴をこぼす経営者がいるが、利益を出すのは簡単である。「ムダ」をなくせば良い。一般的に売上高に占めるムダの割合は、利益率20%超の会社で7%程度、利益率1%程度の会社で20%~30%になると云う。 【ドラッカーの教え】 ・古いものの計画的な廃棄こそ、新しいものを強力に進める唯一の方法である。 【著者が行った事】 ・ムダをなくすために仕事の全工程の洗い直しと再構築を行った。全ての仕事について、全くしなかったら何が起こるかを試した。例えば、ある工場の管理部門の仕事を2週間にわたり止めた。結果、どこからもクレームがなかったので、部を解散させた。 ②社員の意識を変える。 仕組みを効率化しても、社員の意識がムダを抱えたままでは、利益の出る組織にはならない。 【ドラッカーの教え】 ・全社員が「目的」を共有し、「具体的な目標」に向け、ベクトルを1つにする事。 【著者が行った事】 ・会社としての目的を「世界のトップレベルの高収益企業になろう」とし、その目標として「時間、生産スペース、水・ガス・電気の使用量、不良品、人・物の移動距離、CO2排出量等を全てこれまでの半分に減らそう」と云う事を掲げた。結果として、導入4年目に目標は達成し、その2年後には利益率が13%弱まで伸びた。共通の目的と具体的な目標を社員に浸透させる事で、結果や効果が見えてくると社員の働く意欲も高まった。 ③社員のやる気を高める。 【ドラッカーの教え】 ・社員にも家族があり、市民としての生活があるため、企業は顧客と同様、社員の事も大切にしないといけない。 【著者が行った事】 ・次年度の利益率の目標を決める時、達成可能な数字より少し抑え、目標を上回った場合は、その分を社員に還元している。そうして社員のやる気を高めている。 ④部下の能力を最大限に引き出す。 【ドラッカーの教え】 ・社員のあるべき姿として、会社のために自分はどんな貢献ができるかを考えなさいとしている。 【著者が行った事】 ・上司は部下の可能性を引き出す事が大切。部下に「質問する」事をしている。経費の全てを半分にしようと言った時は、その達成方法を社員に考えさせた。 ⑤規律を求める。 【ドラッカーの教え】 ・働く者は、誰にも見えない場所でも手を抜いてはならないとしている。 【著者が行った事】 ・キヤノン電子の駐車場では、植栽を排ガスから守るために前向き駐車が義務づけられている。決まりを3回破った場合には解雇する規則があり、実際に辞めてもらった社員がいる。 ※出典:『ドラッカーの教えどおり、経営してきました』(著者:酒巻 久)。 |
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坂村 真民 (さかむら しんみん) (仏教詩人) |
・「念ずれば花ひらく」 ・「念ずれば 花ひらく 苦しいとき 母がいつも口にしていた このことばを わたしもいつのころからか となえるようになった そうしてそのたび わたしの花がふしぎと ひとつひとつ ひらいていった」 …何事も一生懸命(一所懸命)に祈る様に努力をすれば、自ずから道は開ける、夢や目標が叶うと云う意味。 ・「念」と云う文字は、「今」と「心」と云う文字を組み合わせたもの。今そこにある事に心を集中させる、目の前にある事を一生懸命やる(実践する)と云う事。 ※出典:『詩集 念ずれば花ひらく』(著者:坂村 真民)、日経ビジネス2013年7月1日号。 |
作田 久男 (さくた ひさお) (オムロン㈱の社長兼CEO) |
・「7対3」の理論(経営哲学) …リスクが7割でも、成功の可能性が3割あれば挑戦せよ。 ・会社には3つの品質がある。 ①経営品質(経営者の品質) …経営成績をどれだけ上げられるか。経営に携わる者、全員が責任を負う。会社は公器、社会的存在と云う伝統的考えがあるが、その為には事業構造を適正にし、継続的に利益を上げ、会社を存続させねばならない。 ②行動品質(社員の品質) …不祥事を起こさない(不祥事に規模の大小はない)。顧客や社会に信頼され尊敬される存在でなければ持続的成長は難しい。 ③リーダーシップ品質(トップの品質) …自分に嘘をつかず、経営出来ているかと云う事。自分に嘘をつかずとは、正しいと思う事を妥協せず、実行に移す事。 →社長とは、この会社3品質の統治者、実行者であり、責任者。 |
佐藤 安太 (さとう やすた) (㈱タカラの創業者) |
・「7育3V法」 …哲学的な思想とタカラの経営で培ったマネジメントのノウハウを合体して編み出した教育手法。 ・経営の要素を機能に分け、それぞれの現状を把握した上で、「目標」(Vision)を設定していた。それを実現する「行動計画」(Venture)を作成し、1年後の「到達目標」(Victory)を掲げる。こうする事で、機能別組織が目指すべき方向を明確に示したり、それぞれの計画の進捗状況を把握したりしていた。 ・この仕組みを人生の経営に応用しようと考え、企業経営の機能の代わりに、人生の構成要素として「7つの育」を考案した。 ①「徳育」:モラルを守る。 ②「家育」:家庭を円満にする。 ③「知育」:知識や能力を習得する。 ④「体育」:心身の健康を維持する。 ⑤「美育」:美的感性を養う。 ⑥「遊育」:人生を楽しむ能力を培(つちか)う。 ⑦「財育」:経済力を身に付ける。 ・7つの「育」毎に目標(Vision)や行動計画(Venture)、1年後の到達目標(Victory)をそれぞれ設定し、行動計画の進捗状況を把握しながら、人生の目標達成を目指す。 ・「7育5心3V法」 …セルフコーチング自己実現法。自分の手と知恵で、楽しく生きがいのある人生を切り開く為に考えられた、自助努力による生き方の手法。 ※出典:佐藤 安太(さとう やすた、㈱タカラの創業者、NPO法人ライフマネジメントセンターの理事長、工学博士)、日経ビジネス2010年8月9日・16日合併号。 |
佐藤 琢磨 (さとう たくま) (レーシングドライバー) |
・"No attack, no chance !":「アタックしなければ、チャンスはない」 …欲望がある限り、不安は消えない。不安が消えるのを待つのではなく、欲望に気付き、不安を持ったまま欲望に向って突入する。 ※出典:日経ビジネス2011年7月25日号。 |
澤田 浩 (さわだ ひろし) (日清製粉㈱の会長) |
・人生で大切な要素として「運・勘・努力」がある。運30%、勘40%、努力30%と云う説があるそうですが、経験から云うと運の比重はもっと高い。少なくとも40%はあるでしょう。運と云うのは、誰と巡り合えるか、つまり縁と言い換える事も出来る。 ・導いてくれる師との縁が自分の限界を知る契機になる。また、思わぬ試練も天命と覚悟する。 ※出典:日経ビジネス2018年4月30日号「有訓無訓」。 |
渋沢 栄一 (しぶさわ えいいち) (明治から大正に掛けて活躍した実業家、「日本資本主義の父」) |
・「得意の時代と失意の時代がある。凡そ人の災いは、得意の時に兆すものである。得意の時は誰しも調子に乗る傾向があるが、禍害はこの欠陥に食い入る。されば人の世を処するには、この点に注意し、得意の時だからとて気を緩めず、失意の時だからとて落胆せず、常操(じょうそう)をもって道理を踏み通す様に心掛ける事が肝要である」 |
・「右手に算盤(そろばん)、左に論語」 …儒教精神と実業の合一を活動の目標に置いたもの。 |
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・「真性の利殖は仁義道徳に基づかなければ、決して永続するものではない」 …「真正の利殖は仁義道徳に基づかなければ、決して永続するものでないと私は考える。かく言えば、とかく利殖を薄うして人欲を去るとか、普通外に立つと云うような考えに、悪くすると走るのである。その思いやりを強く、世の中の得を思う事は宜しいが、おのれ自身の利欲によって働くは俗である。仁義道徳に欠けると、世の中の仕事と云うものは、段々衰微してしまうのである」 ※出典:著書『論語と算盤』の「第三節 真正の利殖」(121ページ)より。 ※渋沢 栄一(しぶさわ えいいち)…明治から大正に掛けて活躍した実業家で、明治政府で大蔵省官吏を務めた後、実業界に転じ「日本資本主義の父」「近代資本主義の父」と仰がれた。近代建築の象徴「赤レンガ」ゆかりの人物。 |
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・「財産や名声は、いいことをやったカスにすぎない」 …会社を経営すると云う事は、他人を幸せにする事だ(出典:塚越 寛…伊那食品工業㈱の会長、NB20170320) |
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下村 湖人 (しもむら こじん) (作家) |
・「学ぶとは、古聖人の道を祖述(そじゅつ)し、且つ実行する事であると云うのが『論語』(著者:孔子)を貫く教えである」 ・「論語読みの論語知らず」と云うのは、『論語』を単に言葉として学ぶ者の事である。 ※出典:『論語物語』(著者:下村 湖人(こじん))。 ※下村 湖人(しもむら こじん)…作家、社会教育家、本名:虎太郎、処女作は、『凡人道』(昭和9年刊)。 ※『凡人道』…凡下(ぼんげ)の庶民が、真心を込めて日常生活を営む事を進めたもので、それはそのまま『論語』の心でもある。 ※小金井市文化財センター…下村湖人が青年団講習所の所長として講習生と語らい、小説『次郎物語』の構想を練った浴恩館を改修して資料館としたもの。 |
宿澤 広朗 (しゅくざわ ひろあき) (ラグビー日本の代表監督) |
・「努力は運を支配する。勝つ事のみ善である」(宿澤氏の座右の銘) ・「リーダーは選ぶものではなく、育てるもの。戦略は大胆に、戦術は緻密に」 ・「『私はサラリーマンが嫌だ』と云う人は多い。その理由は疲れる割に自分の存在感が薄い事だろう。サラリーマンの醍醐味は『組織の長として自分の思う様に組織を動かせる』事に尽きる。それを経験せずにサラリーマンを論ずる事は出来ない。何でストレスがあるかと云うと、負けてしまうから、仕事が上手くいかないからである。で、勝つ為には、相当緻密に考えて、情報を集めて、戦略を伝達して実行させる必要が出てくる」 ※宿澤 広朗(しゅくざわ ひろあき)…元ラグビー選手、選手引退後三井住友銀行の取締役執行役員(コーポレートアドバイザリー本部長)、銀行幹部の仕事をしながらラグビー日本の代表監督として指揮。 |
親鸞 (しんらん) (鎌倉時代初期の僧侶、浄土真宗の開祖(宗祖)、「親鸞聖人」) |
・「たとひ法然上人(ほうねんしょうにん)にすかされまゐらせて、念仏して地獄におちたりとも、さらに後悔すべからず候(そうろう)」 …私の信心は、法然上人の仰る事を、ただ素直に信じているだけです。他に格別な理由は何一つありません。師の言葉を信じる以上は、例えその教えが嘘っぱちで、騙されて地獄へ落ちたとしても、決して後悔したりはしないぞ、と覚悟しているのです。 ※法然…親鸞が生涯の師と仰いだ宗教家、平安時代末期から鎌倉時代初期の僧侶、浄土宗の元祖、「円光大師」、真宗七高僧の第七祖。 |
鈴木 喬 (すずき たかし) (エステー㈱の会長) |
・「働き一両、考え五両、見切り千両」 …真面目にコツコツやっても一両、秀才でも五両に過ぎないが、見切りには、遥かに上回る価値がある。余計な仕事は減らし、余った時間とエネルギーで勘や度胸を養った方が良い。リーダーには判断力、決断力、行動力のバランスが求められる。 |
鈴木 大拙 (すずき だいせつ) (仏教学者) |
・「全体知」(全体的な知識)と云う考え方を示した。 ※対義語:専門知(専門的な知識)。 ・「自分で自分を見る事が出来たならば余程悪い事もなくなり、清くなる。そう云う風に知性と云うものが進むと、それは自分で自分を殺すと云う事になる。これまでは、自分を助ける為に出て来た所の知の働きと云うものが、今度は自分を殺してしまうと云う事になる」 《同様の言葉》 ・孔子:「日に三度反省すると云った弟子に対して、それは二度で沢山である」 …あまり考え過ぎると云うと、尚及ばざるが如しと云う事になってしまう。 ・シェークスピア:「曇りのない心が、反省で先が見えぬ様になると云う様な事がある」 ・中国の言葉:「断じて行えば、鬼神も之を避くと云う事がある」 …初めて物を決めた時に、その通りに動けば、それが突き抜けると云うのである。 ※鈴木 大拙(だいせつ)…仏教学者、本名:貞太郎(ていたろう)、大拙は居士号。禅についての著作を英語で著し、日本の禅文化を海外に広く知らしめた仏教学者(文学博士)。 |
関本 忠弘 (せきもと ただひろ) (日本電気㈱の元社長) |
・「成果=素質×努力×やる気×ツキ」 …素質を量る物差しは1つで、「その仕事が楽しいと思えるか?」である。 (注)素質=個性・持ち味、努力=熱意・継続的な意欲、やる気=集中的な意欲、努力とやる気は殆ど同意語、ツキ=運命・運勢。 ・「人が本来持っている素質に磨きをかければ、必ず能力は発揮される」 (注)「ネオヘキサゴン」(neo-hexagon:新しい6角形) …政界、官界、財界、学界、報道界、労働界。この6つの界が密接な関係を持って国を良くしていくと云う思想を持つ。そして、それをやるには経営者にも人間の幅が必要。 |
千 利休 (せん の りきゅう) (茶人、商人) |
・「人の行く裏に道あり花の山」 …花見の時期、山の大通りには人だかりが出来る。しかし、主道から少しそれると、人ごみに邪魔されずゆっくりと美しい桜を楽しめる。付和雷同するのではなく独自の道を歩みなさい、と云う意味。 ・「人の行く裏に道あり花の山 いずれを行くも散らぬ間に行け」 …綺麗な花を求めて山に行くのなら、人の行かない裏道を行け(直訳)。 ※株式投資や相場の世界で最も有名な格言。 |
平 重盛 (たいら の しげもり) (平安時代末期の武将・公卿) |
・「忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず」 …主君に忠節を尽くせば親には不孝となり、親に孝行すれば主君には不忠となる 。とかく、忠と孝を両立するのは難しいものである。主君に忠義を尽くそうとすれば親に逆らう事となり孝行出来ず、親に孝行しようとすれば主君に背く事になり不忠となる。大切な二つのものの板挟みになって進退極まった状態の例え。 ※出典:国史書『日本外史』(著者:頼 山陽(らい さんよう)、江戸時代後期)…平重盛が、父の清盛と朝廷(後白河院=後白河天皇=後白河法皇、平安時代末期の第77代天皇)との間で苦悩した時の言葉。 ※平 重盛…平安時代末期の武将・公卿、平清盛の嫡男。最終的には左近衛大将、正二位内大臣にまで出世。 |
高橋 温 (たかはし あつし) (住友信託銀行㈱の社長) |
・「見切り千両」 …ビジネスも予想していた様に進展しなかったら、いち早く撤退する。 ・変化のスピードが速ければ速い程、変数が多くて、予想が困難になる。 ・組織も個人も、撤退するスピード力に救われる事は多い。 |
高浜 虚子 (たかはま きょし) (俳人・小説家) |
・「深は新なり」 …一つの事を深く掘り下げる事で、新しい発明や発見が見えて来る。一つの事を追求し、経験を重ねて深く掘り下げる先に新しいものが見えて来る。 ※高浜 虚子…明治・昭和期の俳人・小説家、本名:高濱 清。 ※東レのイノベーションの基本は「極限追求」にある。初代の研究所長であった星野氏は、「深は新なり=極限追求」と考えたが、これが東レの研究開発の伝統となっている。 |
高村 光太郎 (たかむら こうたろう) (芸術家、詩人) |
・「僕の前に道はない、僕の後ろに道は出来る」(詩『道程』より) |
武田 耕一 (たけだ こういち) (ソニー㈱の元人事部長) |
・一般的に、成果を継続的に生み出す強い組織(チーム)の特徴は、以下の5つに集約する事が出来る。 ①リーダーが自分自身のマネジメントスタイルの強みと弱みを十分認識している。 ②リーダーがメンバーの特質を知悉(ちしつ)し、その活用法を分かっている。 ③メンバーが相互にその才能・特質を理解し、認める事が出来る雰囲気がある。 ④チームの目標をメンバー全員が共有出来ている。 ⑤成果を生み出す為に、チームが一体感の持てるチームカラーを持っている。 |
武田 信玄 (たけだ しんげん) (戦国時代の武将、甲斐の守護大名) |
・「風林火山:疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」 …疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなこと林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し(戦場のスピード感)。 (注)「疾い」…スピード感を表すのにピッタリした言葉。「早い」でもなく「速い」でもない。 ・「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」は、武田軍団の旗印(軍旗)で、一般には「孫子の旗」と呼ばれるもの。 ・「風林火山」は、兵書である『孫子』の「争篇第七」に示されている「故に其の疾きこと風の如く、其の徐かなこと林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如く」の文中から取り出したもの。 …軍勢のあり方を説いたもので、風と火は軍勢の「動態」、林と山は軍勢の「静態」を表したもの。 →「風林火山」には、もう一節が続く。 ・「知り難きこと陰陽の如く、動くこと雷霆(らいてい)の如し」 …闇の様に敵に悟られる事なく、しかも動き出したなら雷が震う如く激しくあれ。 |
・「戦に勝つと云う事は、五分を上とし、七分を中心とし、十分を下とする」 …五分だと今後の励みが生じ、七分だと怠り心が生まれ、十分の勝ちは驕(おご)りが生じるからである。その根底にある考え方は、「負けない様にする」と云う事である。 |
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太宰 治 (だざい おさむ) (小説家) |
・「家庭の幸福は文学の敵」 …抽象的な思考に、家族や家庭生活は邪魔になる。 |
種田 山頭火 (たねだ さんとうか) (俳人) |
・「分け入っても分け入っても青い山」(代表句) |
田村 哲夫 (たむら てつお) (教育者) |
・「自調自考」(何でも自分で調べて自分で考える) …自分で調べ、自分で考えると云う意味の渋谷教育学園の教育目標である。 ・「調」は、外から取り入れた力で自分を育てる事であり、「考」は、今持つ力を出し切って内から自分を育てる事である。そして、どちらの主体も「自」だと云う事、究極的に自分を育てるのは自分だと云う事である。 …人生で最も多感な時期にこれを繰り返すと皆、自ずと自我に目覚め、自らの方向を見付けて行く。それが正に個性を尊重した教育だと自負している。 ・自調自考教育の一環として、道徳の時間に特別授業「校長講話」を設け、直接生徒に対して自立と依存について語り掛けている。中一から高三まで順に、「人間関係」「自我のめざめ」「新たな出発」「自己の社会化」「自由とは」「自分探しの旅立ち」と云うテーマを設けている(参考:2007年版シラバス)。 ※出典:日経ビジネス2012年11月26日号。 ※田村 哲夫…日本の教育者、学校法人渋谷教育学園の理事長、同学園幕張中・高校校長、同学園渋谷中・高校校長。 |
寺山 修司 (てらやま しゅうじ) (詩人、他・・・) |
・「身(み)捨(す)つるほどの祖国はありや」 …国に対する絶望や懐疑は、誰にでもある筈と云うもの。 ※寺山 修司…日本の詩人、歌人、俳人、等々。言葉の錬金術師の異名を持つ。 |
道元 (どうげん) (禅宗・曹洞宗の開祖) |
・「身心(しんじん)脱落(だつらく)」 …一切のしがらみから脱し、身心が解き放たれた自由闊達な境地。道元禅師は「悟り」ではなく「身心脱落」と云う言葉を使っているが、曹洞宗の悟りとは、最終的な完成態ではなく、「私はこれで行く」と云う、自らの歩みへの確信にあると考えられる。 ・「修証(しゅうしょう)一等(いっとう)」 …修行は悟りの手段でなく、修行と悟りは不可分で一体のものである事。 ・「只管(しかん)打坐(たざ)」 …ただ坐禅しなさい、と云う教え。特に曹洞宗で重視される。 ・「他の中の己」 …道元の言う「他己」であり、他の存在として現れた己を意味する。 ・「法もし身心に充足すれば、ひとかたは足らずとおぼゆるなり」 …仏法が体に溢れていたら、目先の目標に到達してもそれでは満足しない。どこか足りないと考える、と。精神的に“ハングリー”な状態が続き、結果として、更に上を目指して“愚直”に努力する、曹洞宗の修行観(『正法(しょうほう)眼蔵(げんぞう)』の「現成(げんじょう)公案(こうあん)」巻より)。 ・「不立(ふりゅう)文字(もんじ)」 …悟りは、言葉で表現したり、理解したり出来る様なものではないと云う考え方。 ・「教外(きょうげ)別伝(べつでん)」 …悟りは、釈迦の言葉が書かれた経典ではなく、心から心へ伝えるものである事。禅宗では、悟りは師匠から弟子へと直接伝えられるものである。 ・「作仏(=悟り)を求めざる行仏(=修行)なり」(『正法眼蔵』より) …行仏、つまり一生懸命に努力する過程にこそ価値があると云う考え。 ・「真理を悟るには、志をしっかり持つべし」(『正法眼蔵随聞記』より) ・「玉は琢磨によりて器となる」(『正法眼蔵随聞記』より) …傷のない完璧な人間等、どこにもいない。むしろ傷ついた経験こそが人としての輝きを増すと云う意味。 ・「人は必ず死ぬもの」「今修行しなければいつ修行するのか」(『正法眼蔵随聞記』より) ・「発心正しからざれば、万行空しく施す」(『学道用心集』より) …出発点が間違っていたら、全ての行いが無意味になると云う意味。 ※出典:日経ビジネス2013年12月16日号。 ※道元(どうげん)…道元禅師、鎌倉時代初期の禅僧、日本における禅宗・曹洞宗の開祖。晩年に希玄と云う異称も用いた。諡号(おくりごう、しごう、戒名の事:仏性伝東国師、承陽大師。比叡山で学んだ後、禅に転宗し、中国・宋に渡って曹洞宗の天童如浄の教えを日本に伝えた。帰国後、京都の深草に興聖寺を開き、1244年には越前に大仏寺(後の永平寺)を建立。悟りを得るには、ただ坐禅するしかないと云う「只管打坐」(しかんたざ)を説いた。 |
童門 冬二 (どうもん ふゆじ) (歴史作家) |
・「改革に必要なものは、公助、互助、自助と云う三つの助けだ」 …改革と云うのは、永久運動の様なものである。公助はお上の助け、互助は近隣コミュニティの助け合い、自助は他人に頼らず自分で責任を取ると云う事である。 |
徳川 光圀 (とくがわ みつくに) (江戸時代の常陸国水戸藩第2代藩主、水戸黄門) |
・「見ればただなんの苦もなき水鳥の足にひまなきわが思いかな」(短歌) …外からは何もしていない様に見えても、その陰には、目に見えない努力がある。 ・「運も実力のうち」 |
土光 敏夫 (どこう としお) (実業家、財界人) |
・語録1:「モノとカネは有限、ヒトの力は無限」 ・語録2:「若者は『重荷主義』で鍛えよ」 ・語録3:「日々これ新たなり(1日1日に全力投球) ※土光 敏夫…実業家、「航空機エンジンの父」、財界人(「財界首相」も務めた)、石川島重工業(現在の石川島播磨重工業)の元社長、東京芝浦電気(現在の東芝)の元社長、第4代経済団体連合会(経団連)会長。 |
「豊田綱領」 (トヨタグループ憲章) |
一、上下一致、至誠業務に服し、産業報国(國)の実(實)を挙(擧)ぐべし 一、研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし 一、華美を戒め、質実(實)剛健たるべし 一、温情友愛の精神を発(發)揮し、家庭的美風を作興すべし 一、神仏(佛)を尊崇し、報恩感謝の生活を為(爲)すべし 《意味》 ・全員が業務に誠実に取り組み、国や社会への貢献を実績として残せよ。 ・研究と創造の精神を忘れず、時代の先頭に立て。 ・贅沢を戒め、質実剛健であれ。 ・周りの人に対して友愛の精神を持ち、家庭的なチームワークを築け。 ・神仏を大切にし、生活の中で感謝の心を大切にせよ。 (注)「豊田綱領」…トヨタグループの創始者の豊田佐吉の考え方を纏めたもので、「トヨタ基本理念」の基礎となっている。草創期の豊田利三郎、豊田喜一郎らが豊田佐吉の遺訓として纏めたトヨタグループ憲章であり、佐吉の六周忌にあたる1935年(昭和10年)10月30日に制定された。以来、社訓として従業員の精神的支柱の役割を果たし、今日では「トヨタ基本理念」にその精神が受け継がれている。 |
中島 孝志 (なかじま たかし) (会社経営者、経営コンサルタント) |
・仕事の数式:「成果=天運×地運×人運」 (天運=与えられた条件=天から与えられた素質・環境・条件、地運=日々の働き、人運=出会い運) ・営業マン必須の数式:「99% ∞=0、101% ∞=∞」 ・「99% ∞=0」 …「もういいや」「まっ、いいや。この辺にしとこうか。明日もあるし。先は長いよ」と、ある程度の所で止めてしまう。 →99%×99%×99%×99%×……×99%=0 ・「101% ∞=∞」 …「もうちょっと」「いまが限界か? いや、もう少しだけ頑張ってみよう」「もう終わり? いや、あとちょっとだけ踏ん張ってみよう」を繰り返す。 →101%×101%×101%×101%×……×101%=∞(無限大) ※中島孝志のキーマンネットワーク |
中村 勘三郎 (なかむら かんざぶろう) (歌舞伎役者、18代目勘三郎) |
・「稽古でしっかり基本の『型』が出来た者が、個性を出す為に破るのが『型破り』」 …「型破り」と云うイメージが先行しがちであるが、どの世界も基本の「型」は、その後の発展の土台となると云う事の様である。 ※十八代目 中村 勘三郎(かんざぶろう)…1955年(昭和30年)5月30日~2012年(平成24年)12月5日)、歌舞伎役者、俳優、本名:波野 哲明(なみの のりあき)、屋号は「中村屋」、子役時代から46年間名乗った前名は、五代目 中村 勘九郎(かんくろう)。 |
中村 天風 (なかむら てんぷう) (思想家) |
・「怒らず、恐れず、悲しまず」「怒らず、恐れず、悲しまず、正直、親切、愉快に生きよ」 ※中村 天風(てんぷう)…明治~昭和の思想家、日本初のヨーガ行者。「天風会」(公益財団法人)を創始し、心身統一法を広めた。 ※武藤 信一(㈱三越伊勢丹ホールディングスの会長、2010年1月6日(水)死去)…武藤家の墓石に彫られている言葉。 |
永守 重信 (ながもり しげのぶ) (日本電産㈱の会長兼社長) |
・“永守流”価値創造経営:「経営は、価値創造の輪を作る事」 …価値創造の連鎖で強い競争力を築き上げる。 ①財務価値 …先ず利益を上げる。コスト構造を徹底的に作り替える。 ②人材価値 …利益概念を変える中で、社員の意識と能力を高める。 ③顧客価値(顧客にとっての価値) …利益を上げ、その力で新市場開拓、新製品・新機能開発を徹底する。 ④市場価値 …③迄で企業の評価を上げ、株価上昇。M&A(合併・買収)にも繋げ、更に企業を拡大へ。 ・自社の3大精神 ①情熱・熱意・執念。 ②直ぐやる、必ずやる、出来るまでやる。 ③知的ハードワーキング。 ※出典:日経ビジネス2012年1月9日号。 |
・企業を悪くする6つのキーワード。 …今、業績が良いと思ってそれが続くと考えると、たちまち足をすくわれる。苦しい時(経験)があっても良くなる(回復)と、これら(悪化)に陥り易い。だが、一度苦難を経験していると、その記憶が残り強みにもなる。 ①マンネリ ②おごり ③怠慢 ④妥協 ⑤あきらめ ⑥油断 ※出典:日経ビジネス2015年6月22日号:賢人の警鐘(加筆)。 |
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・経営理論に通じる永守経営:日本電産の競争力の源泉となった3つの手法 ①永守3大経営手法:「井戸掘り」「家計簿」「千切り」を経営の基本に。 (1)「井戸掘り」経営…世界中殆どの場所は掘れば水が出るのと同様に、改善等のアイデアも社員から掘り続ける事が大事。 (2)「家計簿」経営…収入に合わせて経費を変動させる主婦の様な柔軟性を持ち続ける事。 (3)「千切り」経営…困難な問題でも、千切りの様に小さく分解してみれば、解決の糸口が見つかると云う事。 ②徹底したコスト削減から社員の意識を変える。 …業績の悪化した企業の特徴は、ムダに無頓着な事。利益は、顧客、社員それぞれに報いる最も重要なものと云う意識が弱い。だから社員に徹底したコスト削減を訴える。経営学では「喚起ベース理論」と云い、関心を特定のものに向かせる事で、成果を高める事が出来るとされる。 ③常に上を目指す意識を社内に徹底。 …社員にあらゆる場面で一歩上を目指す様に意識付ける。常に上の水準を目指す努力を繰り返させる。ゴールがある程度具体的で困難である程、従業員の士気を高める事は、「ゴール設定理論」として確立している。 ※出典:日経ビジネス2016年4月18日号。 |
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・「圧勝の三条件」…常に、スピード良く動き、技術とコストで勝つ意識を持てと云う事。 ①市場には一番に参入する。 ②技術優位性で勝つ。 ③低コストである。 ・「三大精神」…創業以来掲げて来た行動原理。 ①情熱・熱意・執念。 ②知的ハードワーキング。 ③すぐやる、必ずやる、出来るまでやる。 ※出典:日経ビジネス2016年5月23日号。 |
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・夢を抱き、実現する為に必要な4つの事柄。 ①計画(性)。 …私は、高校生の時から起業しようと思っていた。その為に、2000万円(当時、今の2億円位)貯めたら独立するつもりだった。 ②緻密さ。 …計画しても、上手く出来なくてずるずる先延ばしする様な事では駄目だ。私は、自分で立てた計画を実行する為に綿密なスケジュールを立てていた。 ③徹底して学ぶ。 …学ぶ機会、場所は何処にでもある。起きている事をぼやっと見過ごしては駄目。その裏に何があるか、どうしてそうなるのかをいつも考え続ける事だ。分からなければ、更に学ぶ。その繰り返しだ。 ④思い。 …日本電産を操業して間もない頃、出張先のアメリカで体調を崩して病院に運ばれた時、「具合はどうか」と医師に聞かれて「良くない」と答えた。すると、私がベンチャー企業の経営者だと知ったその医師は、「ベンチャー企業の経営者が、そんな弱気では駄目だ。ファイン(Fine、大丈夫)と答えなさい」と云った。ベンチャー企業の経営者としてビジネスを成功させるには、態度も言葉も性格も消極的では駄目。 ※出典:日経ビジネス2016年9月5日号。 |
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・永守イズム(永守思想)…①3大精神、②3大経営、③圧勝の3条件、④3Q6S=3Q(良い会社、良い社員、良い製品)+6S(整理、整頓、清掃、清潔、躾、作法)。 ・3大経営手法…①井戸掘り経営、②家計簿経営、③千切り経営。 ・大不況を乗り切る指針…①高い目線、②低い固定費、③戦う気概。 ※出典:日経ビジネス2016年10月24日号。 |
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成毛 眞 (なるけ まこと) (日本マイクロソフト㈱の元社長、インスパイア(投資コンサルティング会社)の社長) |
・「教育は「百年の計」である」 …先ずは、もっと活字を読む習慣を付ける事。 |
西村 英俊 (にしむら ひでとし) (日商岩井㈱の元社長、双日㈱の元共同CEO) |
・順法性、人間性の3つのレベル ①レベル0 …法を守れないレベル。自分の心で感じる気持ちは「恥」。「非合法」、"Illegal"(イリーガル)。 ②レベル1 …何とか人間らしい人間として認められる最低のレベル。心では当たり前の事なので、感じる言葉はない。「合法」、"Legal"(リーガル)。 ③レベル2 …他人に迷惑を掛けないと云うレベル。人間社会の道理にあって生きる価値のある生き方、社会の作法。心の感じ方は「人の道に外れない」「人に愧(は)じない」。「道理」、"Moral"(モラル)。 ④レベル3 …持っていて欲しい順法(人間が人間性を持って定めた暗黙のルール)のレベル。人間の心として全く指弾を感じる事なく、疑問の余地なく生きる事が出来る順法。つまり、自分自身の心に従って何の迷いもなく従える正道、自らの「心に愧じる事のない」と云うレベル。「倫理」、"Ethical"(エシカル)。 ※出典:『会社は毎日つぶれてる』(著者:西村 英俊)、2010/02/15。 |
二宮 尊徳(金次郎) (にのみや そんとく、きんじろう) (江戸時代後期の農政改革者) |
・「すべての商売は売りて喜び、買いて喜ぶようにすべし」 ・「三方よし」:「売り手よし、買い手、世間よし」 …商売の基本を示す法則。売り手、買い手、世の中の3つが、同時に反映する様に営むのが商売だと云う考え方。近江商人は、この様な哲学(基本的な経営理念)によって繁栄した。 ※二宮 尊徳…江戸時代後期の農政改革者、思想家、実務家、通称は金次郎、但し「金治郎」の表記が正しい。「尊徳」は正確には「たかのり」と訓む。 |
・「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である」 (注)書籍によっては、「罪悪」を「犯罪」と表記するものもある。 …この道徳は、コンプライアンス(企業倫理・法令順守)に置き換える事が出来る。 ・「企業不祥事は、「道徳(コンプライアンス)なき経済」が原因で起こる。だから、企業不祥事をなくすにはコンプライアンスが不可欠である」 ※出典:『なぜ 企業不祥事は、なくならないのか』(著者:國廣 正、五味 裕子)。 |
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・「遠きをはかる者(謀る者)は富み、近くをはかる者(謀る者)は貧す」 …将来の事を考える者は、100年後の為に松や杉の苗を植える。まして春に植えて、秋に実る物は当然である、だから富んでいるのだ。 一方、目先の事だけを考える者は、春に植えて秋に実る物でさえをも、なお遠い将来の事だとして植えない。ただ目の前の利益に迷って、蒔かないで収穫し、植えないで刈り取る事だけに眼をつける。それ故貧窮するのだ。蒔かないで収穫し、植えないで刈り取る物は、目の前に利益がある様だけれども、一度取った時は、二度と刈る事が出来ない。 蒔いて収穫し、植えて刈り取る者は年々歳々尽きる事がない。これを無尽蔵と云うのだ。観音経に「福聚海無量」(※)と云うのも、また同じ事なのだ」 ※「福聚海無量」…「一切の功徳を具して 慈眼をもって衆生を視る 福聚(ふくじゅ)の海無量なり 是の故に頂礼すべし」 |
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・「人、生まれて学ばざれば、生まれざると同じ。 学んで道を知らざれば、学ばざると同じ。 知って行うこと能(あた)はざれば、知らざると同じ。 故に、人たるもの、必ず学ばざるべからず。 学をなすもの、必ず道を知らざるべからず。 道を知るもの、必ず行はざるべからず」 …学ぶ目的は道を知る事であり、それを実行して初めて、人として生まれた価値があると云う意味。 ※出典①:二宮 尊徳の遺訓。 …この世に生まれても学問をしなければ空虚で、生まれた甲斐がない。また、学問をしてもその道を明らかにしなければ無学と同じである。道を知ってもそれを実践しなければ、知らないのと同じである。要は、道を明らかにしつつ、その道に従って実践する事である。人生における学問は、学窓における学問とは異なり、知る事は行動する事だと伝えている。 ※出典②:『慎思録』(著者:貝原 益軒…江戸時代の儒学者、本草学者)。 |
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丹羽 宇一郎 (にわ ういちろう) (伊藤忠商事㈱の社長) |
・「判断と決断は違う」 ①事の善悪を理解し、計算が出来る事が判断である。 ②決断には、倫理観や人生観、宗教観と云った自分そのものを賭ける所があり、責任と実行が伴うものである。決断は頭の中だけで終わるものではありません。その人だから出来た決断と云うものがあり、それが、その人の評価に繋がるものである。 |
・「判断と決断は違う」 …どんな事についても、判断は誰にも出来る。しかし、A氏がした決断をB氏も出来ると云う訳ではない。 ①判断 …「善悪を理解し、計算」する能力。 ②決断 …「責任と実行が伴う」能力。 ※出典:松村 友視(作家)。 |
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野口 雨情 (のぐち うじょう) (詩人) 野口雨情記念館 |
・「童謡は、童心より流れて 童心をうたう自然詩である」 ・「民謡は、民族生活の情緒をつたふ 唯一の郷土詩であり、土の自然詩である」 ・「詩とは、言葉の音楽である」 ※野口 雨情…詩人、童謡・民謡作詞家、本名:野口 英吉。北原白秋、西條八十と共に、童謡界の三大詩人と謳われた。 |
野中 郁次郎 (のなか いくじろう) (経営学者) |
・これまでの世界を支配していた経営の考え方 …「経営はサイエンスである」と云う発想に基づく、アメリカ流の経営戦略だった。経営に関わる全ての要素を定量化し、分析する事で得られる形式知をベースにした経営アプローチ。 ・これからの経営の考え方 …「しなやかな経営」、いかなる環境の変化に対しても復元力を持つ、しなやかで筋肉質な経営が求められる。経営の前提であるべき「人間の主体的な意志」が常に戦略に反映される経営である。しなやかな経営は、「フロシネス」(Prudishness、賢慮)を備えたリーダーシップの下で初めて、その実践が可能となる。 ・フロシネス(Prudishness、賢慮) …価値・倫理の配慮分別を持って、その都度、最適な判断・行為が出来る高質な暗黙知の事。「実践的な知恵」と云っても良い。 ・自社が目指していく善と社会の善(Common Good、コモン・グッド)と云う「共通善」が明確に位置付けられていれば、社員が何万人いる企業でも、一人ひとりが生み出す知の方向性がブレる事がない。社内の知を集め、積み上げて理想の実現に近づく経営が出来る。 …故・松下 幸之助はこれを「衆知経営」と呼んだ。 ※野中 郁次郎…経営学者、一橋大学大学院の国際企業戦略研究科の名誉教授、カリフォルニア大学バークレー校の経営大学院ゼロックス知識学の特別名誉教授、知識経営論(ナレッジマネジメント、暗黙知、形式知、SECI(セキ)モデル)の生みの親。 (注)「SECI(セキ)モデル」…組織において知識が創造されるには次の4つの知識変換プロセスがある、とする北陸科学技術大学院大学の野中郁次郎教授のモデル概念。Socialization(共同化)→Externalization(表出化)→Combination(連結化)→Internalization(内面化)。 |
萩生 徂徠 (はぎお そらい) (江戸時代中期の儒学者) |
・「人材には必ず瑕瑾(かきん)あり、瑕瑾なきは人材となすに足らず」 …役に立つ人間には必ず欠点がある。欠点のない者は役に立つ人間とは云えない。欠点の多い人間にこそ希望がある。 ・「瑕」 …玉のきず・欠点の意。 ・「瑾」 …玉の光・光の輝くさまの意。 ※出典:『自分を奮い立たせるこの名文句』(著者:大島 正裕)。 |
林 升教 (はやし ますのり) (ハヤシプレシジョン㈱の社長) |
・「運は我が掌中に有り」(社訓) …チャンスは誰にもやって来る。ただ、その好機を生かす事が出来るのは、運を掴み取ろうと努力した者だけである。 ※ハヤシプレシジョン㈱…精密部品の開発・製造会社。 |
半藤 一利 (はんどう かずとし) (作家、昭和史研究家) |
・「人間の眼は、歴史を学ぶことで、はじめて開くものである」 ・「戦争は、国家を豹変させる、歴史を学ぶ意味はそこにある」 ・太平洋戦争(大東亜戦争、第二次世界大戦)下で発せられた14の「名言」 ①「一に平和を守らんがためである」(山本 五十六…海軍軍人、最終階級は元帥海軍大将。第26・27代連合艦隊司令長官。「百年兵を養うは、ただ平和を護る為である」…軍隊の存在意義) ②「バスに乗り遅れるな」(大流行のスローガン。日独伊三国同盟) ③「理想のために国を滅ぼしてはならない」(若槻 禮次郎…大蔵官僚、政治家。第25・28代内閣総理大臣) ④「大日本は神国なり」(北畠 親房…鎌倉時代後期から南北朝時代の公卿、歴史家。建武の元勲の一人。著書の『神皇正統記』(歴史書)で名高い) ⑤「アジアは一つ」(岡倉 天心…明治の思想家、文人。日本美術運動の指導者。本名は岡倉 覚三。英文著作『The Ideals of the East(東洋の理想)』(刊行:1904年)の冒頭は、「アジアは一なり(Asia is one)」から始まる) ⑥「タコの遺骨はいつ還る」(流行歌「湖畔の宿」の替え歌。「昨日生まれたタコの子が 弾に当たって名誉の戦死 タコの遺骨はいつ帰る 骨がないから帰れない」…替え歌の3番) ⑦「敗因は驕慢(きょうまん)の一語に尽きる」(草鹿 龍之介…海軍軍人、最終階級は海軍中将。剣道家、一刀正伝無刀流第4代宗家) ⑧「欲しがりません勝つまでは」(国民学校五年生の女子。国民精神総動員) ⑨「太平洋の防波堤となるのである」(栗林 忠道…陸軍軍人、最終階級は陸軍大将。硫黄島の戦いの小笠原方面陸海軍最高指揮官。アメリカ軍が「アメリカ人が戦争で直面した最も手ごわい敵の一人であった」と評価) ⑩「武士道というは死ぬ事と見付けたり」(山本 常朝…江戸時代の武士、佐賀藩士。『葉隠』(はがくれ)の口述者) ⑪「特攻作戦中止、帰投せよ」(伊藤 整一…海軍軍人、最終階級は海軍大将。戦艦大和を中心とする第二艦隊司令長官) ⑫「沖縄県民斯く戦へり」(大田 實…海軍軍人、最終階級は海軍中将。「沖縄県民斯(か)ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜(たまわ)ランコトヲ」) ⑬「(一人でも多く生き残らねばならない。)しかし、捕虜にはなるな」(西平 英夫…沖縄師範学校教授、ひめゆり学徒隊長。後に山口大学の教授。ひめゆり平和祈念資料館) ⑭「予の判断は外れたり」(河辺 虎四郎…陸軍軍人、最終階級は陸軍中将) ※出典:『戦争というもの』(発行所:㈱PHP研究所(WEB歴史街道)、発売日:2021年5月13日)。 ※半藤 一利のプロフィール ・職業:ジャーナリスト、作家、戦史研究家、昭和史研究家。 ・生没:1930年5月21日@東京府東京市~2021年1月12日(90歳没)@東京都世田谷区。 ・経歴:東京大学卒業後、文藝春秋に入社。「週刊文春」「文藝春秋」の編集長、専務取締役などを経て、作家となる。 ・受賞歴:1993(平成5)年、『漱石先生ぞな、もし』(文春文庫 )で新田次郎文学賞を受賞。1998(平成10)年、『ノモンハンの夏』(文春文庫)で山本七平賞を受賞。2006(平成18)年、『昭和史 1926-1945』(平凡社)『昭和史 戦後篇 1945-1989』(平凡社)で毎日出版文化賞特別賞を受賞。 ・著書:『日本のいちばん長い日 決定版』(文春文庫)『ソ連が満洲に侵攻した夏』(文春文庫)『聖断 昭和天皇と鈴木貫太郎』(PHP文庫)『聯合艦隊司令長官 山本五十六』(文春文庫)『ソ連が満洲に侵攻した夏』(文春文庫)『清張さんと司馬さん』(文春文庫)『隅田川の向う側 私の昭和史』(ちくま文庫)『あの戦争と日本人』(文春文庫)『日露戦争史』(平凡社ライブラリー)など多数。 ・配偶者:半藤 末利子(はんどう まりこ、1935年~)…随筆家。旧姓は松岡(まつおか)。夏目 漱石(1867年2月9日~1916年12月9日、小説家)の長女・筆子(1899年5月31日~1989年7月7日、作家)と作家・松岡 譲(1891年9月28日~1969年7月22日、小説家)の間に四女として誕生。 |
久恒 啓一 (ひさつね けいいち) (宮城大学の教授) |
・"Slow and steady wins the race.":「ゆっくり確実がレースに勝つ」 …凡才を自覚している人は、己の才能や能力を客観的に眺め、位置付ける事が出来ている人でもある。そう云う人は、前向きに、着実に前進を重ねる事で、自分が望む未来の実現を考える。 |
福沢 諭吉 (ふくざわ ゆきち) (思想家、慶應義塾の創設者) |
・「一個人の独立なくして、一国の独立はない」 …国が一人前として独立するには、先ず一人ひとりが自立している事が条件である。自立していない者同士が集まるのは、ただの「群れ」でしかない。 ・「一身にして二生を経る」 …自分と云う一人の人間の中で、二つの人生を生きてみたい。 ※福沢 諭吉…武士(中津藩士のち旗本)、蘭学者、著述家、啓蒙思想家、教育者、慶應義塾の創設者、明治の「六大教育家」の一人、『学問のすゝめ』の著者(冒頭の「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」の言葉で有名)。 |
・「日本には政府はあるが、国民はない」 …明治維新は民族の独立を守る事を目指したが、それは国民意識、民族意識が一般の人々に定着していたと云う結果から導かれたものではないと云う有様を指している。 ※出典:『文明論之概略』(著者:福沢 諭吉、著年:1875年)。 |
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福間 年勝 (ふくま としかつ) (三井物産㈱の元副社長) |
・「本当に市場経済が好きかと聞かれれば、好きとは云い切れない。しかし、市場経済に代わる選択肢が他にあるかと問われれば、これを超える経済システムはないと答えざるを得ない。(日本は)好むと好まざるとに拘わらず、市場経済の世界で生きていくしか道はないのだと、私は思う」 ※出典:『リスクに挑む』のあとがき(著者:福間 年勝、2002年バジリコ刊)。 ※福間 年勝…1937年広島県生まれ、1998年三井物産㈱の副社長、2002年~日本銀行審議委員を務めた財務マン、IFRS導入の立役者、2009年12月11日死去、享年72歳。 |
藤井 寛 (ふじい かん) (㈱帝国ホテルの会長、元・第一銀行(現・みずほ銀行)の出身) |
・一人ひとりの人間の力を伸ばす事が企業の成長の根源であり、職務を通じて自己実現していけば、組織の総合力が強くなる。 ・心に灯して欲しい3つの「ひ」 ①「一隅の灯」 …天台宗の開祖・伝教大師最澄の言葉で、自分自身のいる場所(家庭や職場)で黙々と努力して、例え小さな灯であっても世間の一隅を明るく照らす者こそ国の宝であるとの教え。 ②「石中の火」 …火打ち石は打たなければ火が出ない。結果を出すためには先ず行動を起こせと云う意味。 ③「燎原(りょうげん)の火」 …激しく野原を焼いて燃え広がる火は、全員がしっかりとスクラムを組んで進む姿を象徴するもの。 ・「100-1=0」 …帝国ホテルのサービスの教訓としている算式。100-1は99ではなくて0。100年以上かけて築き上げて来たブランド価値も、たった10秒で失われてしまう事がある。「どんな大きな組織も一人ひとりの人間の力で支えられている」。 |
藤沢 武夫 (ふじさわ たけお) (実業家、ホンダ(本田技研工業㈱)の元副社長、最高顧問) |
・「たいまつは自分で持て」 …人から教わったり、本で読んだ知識ではなく、自分の味わった苦しみから生まれた実感である。どんなに苦しくても、たいまつは自分の手で持って進まなければいけない。これが、私の根本思想であり、また、ホンダのモットーともなった。 ※出典:『経営に終わりはない』(著者:藤沢 武夫)。 ※藤沢 武夫…本田宗一郎の参謀として本田神話のシナリオを書き、本田宗一郎と共にホンダ(本田技研工業㈱)を世界的な大企業に育て上げた。「技術の本田、経営の藤沢」と評されている。「万物流転」の法則から逃れ、未来永劫に輝き続ける企業をいかに作るかが藤沢経営学のテーマだった。 |
藤沢 秀行 (ふじさわ ひでゆき) (棋士) |
・「碁は人間が打つものだ。だから、人間を鍛えないと強くなれない」(箴言) …名人、十段、碁聖等のタイトルを取った人の教え。次は人間を鍛えるしかない。自分自身と戦うしかない。 |
藤巻 幸夫 (ふじまき ゆきお) (福助㈱の社長) |
・「面倒くさいと思った瞬間に、幸運は逃げてしまう」 …幸運やチャンスは、面倒くさがり屋を、しばしば敬遠するものである(『人を動かす「言葉力」』(著者:秋庭 道博)より)。 ・「今の日本には、場数を踏もうとする人間が少なくなったと思うな。そもそも、どこかに行って人と会うと云うのは疲れるし、面倒臭い事なんです。でも、面倒臭いと思った瞬間に、幸運は逃げてしまう」 …幸運やチャンスは、面倒臭がり屋を、しばしば敬遠するものである。 ※藤巻 幸夫…1960年1月、東京都生まれ。上智大学経済学部卒業後、伊勢丹に入社。「カリスマバイヤー」と呼ばれた。 |
古河 市兵衛 (ふるかわ いちべい) (古河機会金属㈱(旧古河鉱業㈱)の創業者) |
・「運鈍根(うんどんこん)の教え」 …実直且つ根気を持って物事をやり抜く事の大切さを説いたもの。「運」とは幸運、「鈍」とは愚直、「根」とは根気(熱気)と云う意味。 ・「運根鈍」(うんこんどん)とも云う。 …成功する為には、幸運と根気と、鈍いと思われる位の粘り強さの3つが必要であると云う事。 ※出典:日経ビジネス2010年8月30日号。 ※古河 市兵衛…明治の実業家で「鉱山王」と呼ばれた。足尾銅山買収→古河鉱業設立(足尾銅山鉱毒事件)→古河財閥形成→古河電工(古河電気工業㈱)設立→古河グループ形成。 |
古川 聡 (ふるかわ さとし) (宇宙飛行士) |
・「駄目だと思えば可能性はゼロ。目標を強く持ち続ければ可能性はある」 ※古川 聡…宇宙飛行士、医師(東京大学で医学博士号を取得)。連続宇宙滞在期間167日間は、日本人最長記録。 |
古森 重隆 (こもり しげたか) (富士フイルムホールディングス㈱の会長・CEO) |
・九州(長崎県)で育った子供の頃、両親から繰り返し教わった事。 ①曲がった事をするな。 ②卑怯なまねはするな。 ③正直であれ。 ④弱い者いじめをするな ⑤人様に迷惑をかけるな。 ⑥負けて泣くな。 ⑦姿勢を正しくせよ、等。 →結果として、今までの人生で、それを守り「オープン(開かれた)、フェア(公正)、クリア(透明)」に戦って生きて来た。 ※出典:日経ビジネス2017年9月25日号。 |
・企業の社会的役割とは、社会に役立つ商品・サービスを創り、適正な利潤を上げ、その利潤を元手に社会に更に役立つ未来の商品やサービスを開発する為の投資を行い乍ら、存続し続ける事であると思う。 ・企業は、己の為のみならず、大義に従い、社会の為に尽くす存在でもあるべきである。社会に対して価値が提供出来ず、役割が果たせない企業はその寿命を終える。 ・企業経営者は、自社が創り出す価値が絶えず追求し続けなければならない。また、そうした価値を提供出来る会社を存続させなければならない責任を背負っている。 ・企業とは様々な人材、技術や資金等を備え、極めて合目的かつ能率的な組織である。企業がこれらのリソースを有機的に組み合わせ、社会へ何らかの価値を提供し続ける事が、企業が存続し続ける事の意味であり、持続可能な社会に不可欠な企業の役割である。 ※出典:日経ビジネス2017年11月27日号「賢人の警鐘」。 |
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堀場 雅夫 (ほりば まさお) (㈱堀場製作所の創業者、最高顧問) |
・「未来は予想するものではなく、創造するものなんです」 …会社だって、「自分の会社はこうなる」と予想してビジネスに挑む訳じゃない。「自分の会社をこうしたい」と云って創り上げていくものの筈です。 ・「夢は活力の根源です」 …今は厳しくても夢を持てば元気が出る。復興(2011年3月11日(金)発生の東日本大震災の復興)に向けた各種支援は大事ですが、どうすれば希望の火を灯し続けられるかを考えていかねばなりません。 ※出典:日経ビジネス2011年4月11日号。 |
堀 紘一 (ほり こういち) (㈱ドリーム・インキュベータの代表取締役) |
・「卒業後の10年間、どれだけ天狗にならずに超一流のものに触れて、それに近づこうと自分なりの工夫が出来るかどうか。その可否が40代、50代で明暗を分ける」 …学歴ではなく、卒業後の学習歴が重要。伸びる人は、学校を卒業してから、学校にいた時より勉強している。 |
本田 宗一郎 (ほんだ そういちろう) (ホンダ(本田技研工業㈱)の創業者) |
・「得てに帆を上げて」 …自分の得意分野を伸ばせ、自分の武器を活かせと云う意味。 ・「信用とは、人に好かれる事、約束を守る事、人に儲けさせてやる事である」 …約束を必ず守る方法は、出来ない約束をしない事である。 ・「技術が売りものになる訳ではない」 …実は技術はどうでも良いのであって、大切なのはその根幹に流れている思想である。 ・「個性の入らない技術は価値の低い乏しいものである」 ・「わが社に新しさがあるとすれば、時間を超えて常に新しい理論を尊重するからである」 ・「わが社においては、完成品は勿論、部品に至るまで120%の良品を目指して努力している」 ・「人の行動は、その人の全人格を表す」 ・「カネの尻にオイラがついて行くんじゃない。オイラの尻にカネがついてくるんだ」 …経理の数字を見ようともしない(『器に非(あら)ず』(著者:清水 一行)より)。 ・「成功は99%の失敗が土台になる」 ※本田 宗一郎の大番頭は、藤沢 武夫(凄腕の商売人)。 |
・「チャレンジして失敗する事を恐れるよりも、何もしない事を恐れろ」 …欲望がある限り、不安は消えない。不安が消えるのを待つのではなく、欲望に気付き、不安を持ったまま欲望に向って突入する。 ※出典:日経ビジネス2011年7月25日号。 ・「不常識を非真面目にやれ」 …単に滅茶苦茶な非常識や不真面目はいけない。但し、目の前の常識や伝統的な手法に捉われる事なく、新しくて面白いクルマを作れと云う意味。 ※出典:日経ビジネス2013年11月18日号。 |
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松下 幸之助 (まつした こうのすけ) (松下電器産業㈱(現パナソニック㈱)の創業者、経営の神様) PHP総合研究所 松下政経塾 |
・「好況よし、不況またよし」「不況の時こそ会社発展の千載一遇の好機である。商売は考え方一つ、やり方一つでどうにでもなるものだ」 ・「例え命令がなくとも、以心伝心、命ずる人の意を汲んで、それぞれの人が適時適確に進んで事を運んでゆく-こう云う柔軟な姿の中にこそ、限りない発展性が生まれて来る」(「命を下す」、『道を開く』より)、他方では、「命じられた事だけをやるのでは進歩も発展もない」とも。 ・「産業人の使命は貧乏の克服である。その為には、物資の生産に次ぐ生産をもって、富を増大しなければならない」「産業人の使命も、水道の水の如く、物資を無尽蔵たらしめ、無代に等しい価格で提供する事である。それによって、人生に幸福をもたらし、この世に楽土(ユートピア)を建設する事が出来るのである。松下電器の真使命もまたその点にある」(1932年(昭和7年)5月5日、松下電器の第一回創業記念式典で、全店員(社員)に向けて語った言葉) ・「どんな仕事でも、それが世の中に必要なればこそ成り立つ」、だから、「自分の仕事は、自分がやっている自分の仕事だと思うのはとんでもない事で、本当は世の中にやらせて貰っている世の中の仕事なのである。ここに仕事の意義がある」 …景気が好況であれ、不況であれ、企業は社会の中で生産活動を「させて戴いている」に過ぎないと云う立場である。 ・「経営のコツここなりと気付いた価値は百万両」(1934年(昭和9年)、年頭の挨拶で社員に「お年玉」として贈った言葉) …どんな小さな仕事でも、それを一つの経営として捉えれば工夫や改良、発見も革新もある筈で、社員一人ひとりが経営意識を持って仕事を進められる様になれば、富を得るのはたやすいと云う事。 ・「分からない事は聞く事である。知らない事は尋ねる事である。例え分かっていると思う事でも、もう一度、人に聴いてみる事である。『見ること博(ひろ)ければ迷わず。聴くこと聡(さと)ければ惑わず』と云う古言がある。相手がどんな人であろうと、こちらに謙虚な気持ちがあるならば、思わぬ知恵が与えられる」(『道を開く』のある「一人の知恵」と云う一文の中にある言葉) ・「万物が繋がっている社会で、ある特定のものだけが栄える事は、一時的にはあるかも知れないが、決して長続きはしない。全てが共に栄える、共存共栄すると云う事でなければ真の発展、繁栄は有り得ない」 ・「売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永久の客を作る」 ・「憂事に直面しても、これを恐れてはならない」「寧ろ新しくものを考え出す転機ではないか」 ・「無理に売るな。客の好むものを売るな。客の為になるものを売れ」 …買ってくれるお客様の為を考えてモノを作れば、自ずと利益が出て来る。 ・「先ず汗を出せ。汗の中から知恵を出せ、それが出来ない者は去れ。生きた知恵は、汗の中から出るもんや」 …額に汗せず、他人の金を運用して儲ける事を厳しく戒めていた。 ・「うろたえては、かえって針路を誤る。そして、沈めなくてもよい船でも、沈めてしまう結果になりかねない。(中略)嵐の時程、協力が尊ばれる時はない」 …嵐の中にある船を、企業に例えた言葉。 ・「雨が降れば傘をさす」 …晴れもあれば雨もあるのが当たり前なのだから、油断せず、なすべき用意をして、いつでも当たり前の事を当たり前にしなさい。つまり、人として「素直」な気持ちで問題に当たれば、自ずと答えは出て来ると云う事。 ※出典:『松下幸之助は生きている』(著者:岩谷 英昭)、2009/08/03。 ※岩谷 英昭…経営コンサルタント、元・米国松下電器の会長・CEO、松下電器グローバル戦略研究所の所長。 |
・「成功するまで続けず、途中であきらめてしまえば、それは失敗である」 ・「商品を決定する時の尺度は、消費者が何を欲しているかと云う所にある。僕は常にそこから出発する」 ・「優れた技術と云えども、それだけでは商売にはならない。どんなに技術が優れていても、それを生かすかどうかは経営の問題である」 ※松下幸之助の大番頭は、高橋 荒太郎(元・朝日乾電池の若き幹部)。 |
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・仕事の数式:「知恵=知識×熱意+体験&経験」 …例えば知識10、熱意0(ゼロ)の場合、答えは足し算なら10だけど、掛け算なら0(ゼロ)に(知識=能力、熱意=努力)。 ・「商売とは、知恵でするもんやな」 ・「知識×熱意。それに体験、経験を足してもまだ足りんのや。+経営者(リーダー)は怖さを知って一人前やな」(畏怖の念) ・「企業は本業を通じて社会貢献をする。利益とは、社会に貢献した事の証しである。多くの利益を与えられたと云う事は、その利益を使って、更なる社会貢献をせよとの世の声だ」(日本的経営の利益感) ・「我々(松下電器)がこう云った事が良いと発表すると、それ以上に良い事を考えようと云うのが世間の常である」 …1956年に五ヵ年計画を発表した時に、五ヵ年計画を総括して語った言葉。「松下電器が五ヵ年計画を発表した事が一つの刺激になって、他の諸会社でも、長期計画によって企業の発展を図る所が増え、これが日本経済全体の発展に一つの大きなプラスになったと思う」に続いて語った言葉。 |
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・「青春とは、心の若さである。信念と希望にあふれ勇気にみちて日に新たな活動をつづけるかぎり青春は永遠にその人のものである」 ※出典:『青春』(著者:サムエル・ウルマン)と云う詩を改作したもの。 |
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・「百年先の青写真を持っていなきゃいかん。誰も作らないなら、諸君が作らなくては」 …若い世代が将来に夢や希望を抱き、企業や政党等の組織の一員として、ある時は育まれ、ある時は自らが牽引役となり、信頼に足る存在としてたくましく成長して行く。企業の永続性や国家の大計も、それを実現するのは確かな個人の集積である。 ※出典:85歳で「政経塾」を開いた際に語り掛けた言葉。 |
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・「衆知経営は松下の経営理念である」 …自分は衆知を集めながら経営をやって来た。衆知経営をやって来たおかげで、松下電器は成功したのだ。衆知と云うのは、"沢山の人達の知恵"と云う意味。 ・衆知経営のメリット ①部下に自分で考えさせる ②部下のやる気を出させる ③部下に慕われる ④情報が集まる ・衆知経営において大事な事 …この衆知を集めると云う時(部下にものを尋ねる時)に考えておかなければならない事は、自分の考えを全く持たずに部下にものを尋ねてはいけないと云う事です。部下にものを尋ねる時に最初に準備しなければならない事は何か。それは云うまでもなく、自分の答えです。自分の結論です。やはり、自分で考えたものを持った上で、二番めに部下に尋ねる事が大事です。 ※出典:㈱イズミヤ総研 未来企業研究会 第14回講演会「大競争時代の生き方の極意(Part14)」のあらまし。 |
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・「道徳は実利に結びつく」 …お互いの徳性が高まれば、単に人間関係が良くなるばかりではなく、日常活動も社会活動もスムーズに運び、物も能率的に生産され物的にも豊かな生活がもたらされる。まさに、道徳は実利に結びつくのである。 ※出典:PHP、1966年2月。 |
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・「静かに春を待つ桜は、一瞬の休みもなく力を蓄えている」 ・「悪い時が過ぎれば、良い時は必ず来る。おしなべて、事を成す人は、必ず時の来るを待つ。焦らず慌てず、静かに時の来るを待つ。時を待つ心は、春を待つ桜の姿といえよう。だが何もせずに待つ事は僥倖(ぎょうこう)を待つに等しい。静かに春を待つ桜は、一瞬の休みもなく力を蓄えている。蓄えられた力がなければ、時が来ても成就しないであろう」 …何の努力もせずに「宝くじに当たらないかな~」と夢想している様ではダメだと云う事。 ※出典:日経ビジネス2012年7月30日号。 ・「私はこの年になっても、会社で大きな影響力を持っています。影響力を持つ人間は毎日、私利私欲を抑える為に葛藤しないといけない。私利私欲が表に出て来ると、会社は潰れます」 ※出典:日経ビジネス2012年8月6日・13日合併号。 ・「50%の改革の方が、5%や10%の改善より容易な事がある」 ※出典:日経ビジネス2017年6月5日号。 |
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松平 定信 (まつだいら さだのぶ) (寛政の改革の立役者) |
・「楽しきと思うが楽しき基(もとい)なり」 …無理にでも明るい顔で、楽しそうに振る舞ってみる。 |
松本 清 (まつもと きよし) (㈱マツモトキヨシの創業者) |
・「法螺(ほら)に税金は掛からない」 ・「最初に器を作り、埋める努力をしろ」 …人々が驚く大言壮語をぶち上げて注目を集めておき、後で実現する様に施策を考えると云う事。 ※松本 清…実業家、ドラッグストアチェーン日本最大手の㈱マツモトキヨシの創業者、地方政治家(東葛飾郡小金町議会議員(当時)、千葉県議会議員、松戸市市長を歴任)。 |
三浦 善司 (みうら ぜんじ) (㈱リコーの社長) |
・"Trust and salf-verify." …貴方に任せていますから、自分で自分を評価して下さい。 →この言葉をきちんと理解してくれる方に仕事を任せて来た。後継者もこの基準で指名して来た。 ※出典:日経ビジネス2013年5月13日号。 |
三木 清 (みき きよし) (京都学派を代表する哲学者) |
・「人生においては何事も偶然である。しかしまた人生においては何事も必然である。もし一切が必然であるなら、運命と云うのもまた考えられないであろう。偶然のものが必然の、必然のものが偶然の意味を持っているが故に、人生は運命なのである」 …人生と云うのは、その内の7割~8割が偶然で決まるものかも知れない。しかし、残された2割~3割には努力の余地がある。そこで、渾身(こんしん)の努力をする事に意味があり、偶然も必然も運命に昇華する。 ※出典:佃 孝之(ロイヤルホテルの会長)が『人生論ノート』(著者:三木 清)より。 ※三木 清…京都学派を代表する哲学者、西田 幾多郎門下の哲学者。 |
村瀬 治男 (むらせ はるお) (キャノン販売㈱の社長) |
・「結論なき組織はメンバーが如何に優秀であっても動く事は出来ない」 ・「多少の独断と偏見があっても早く結論を出す」事が、リーダーの役割であり義務でもある。 |
盛田 昭夫 (もりた あきお) (ソニー㈱の創業者) |
・「大事なのは、『知恵』と『スピード』の2点である」 …決断・実行を早くしなければ、物事は前に進んでいかない。リーダーには素早い決断力、実行力が必要である。 ※出典:『ビジネス〈勝負脳〉 脳科学が教えるリーダーの法則』(著者:林 成之)。 ・「とにかく思いきってやってみよう。間違ったらまた変えればいい」 …アイデアの良い人は世の中に沢山いるが、良いと思ったアイデアを実行する勇気のある人は少ない。我々は、それをがむしゃらにやるだけである。人は誰でも種々様々な能力を持っているものなのに、どんなに優れた能力があるかを知らずにいる場合が多い。 ・「(会社を)辞めたいと云う人が出て来たら、その場でありがとうと云って、クビにしてしまえ」 …「よそからスカウトが来ている。給料を上げてくれたら残る」と云った交渉を許さなかった。 ※出典:郡山 史郎(ソニーPCLの元会長、CEAFOM(シーフォーム)の社長)が明かした逸話。 ※盛田 昭夫…技術者、実業家、井深 大(まさる)と共にソニー㈱の創業者。 |
守屋 洋 (もりや ひろし) (中国の文学者) |
・中国の古典から日本の先人が学んだ事。 ①修己治人 …己を修め人を治める事。上に立つ者はどうあるべきか、リーダーの心得である。 ②経世済民 …国や組織を纏めて行くにはどうすれば上手くいくのか。政治や経営についての心得である。 ③応対辞令 …人と会って話をする時の受け答えであり、外交交渉等交渉事の心得である。 ・これを会得する為の推薦書は、以下の3冊。 ①『論語』 …一番基本的な古典。信頼される社会人、説得力のあるリーダーには何が必要かを学ぶ事が出来る。 ②『孫子』 …戦の駆け引き、戦略、戦術のエッセンスを纏めた本。リーダーは駆け引きの基本を知っておくべきで、駆け引きには2つある。一つは、仕事を成し遂げる為の駆け引きである。もう一つは、人を騙したり、陥れたりする為の駆け引きである。 ③『韓非子』 …人間の見方には昔から性善説と性悪説がある。日本の社会は基本的には性善説でやって来た。ただ、一歩国の外に出るとそうではなさそうである。人間と云うのは信用ならん生き物だと云う前提に立って、リーダーとはどうあるべきか、それを説いているのがこの本である。中国の戦国時代の法家である韓非の著書。 ・大事なのは、知識を少しずつ実行に移して行く事である。単なる知識は駄目。自分の体験の上に立って納得して行く事が必要である。苦労をバネにして自分を磨いて行くと云う逞(たくま)しさを持たないと、これから時代、世界の中でやって行けない。 ※出典:日経ビジネス2010年8月23日号。 |
柳生 十兵衛 (やぎゅう じゅうべい) (江戸初期の剣客) |
・「皮を斬らせて肉を斬る、肉を斬らせて骨を斬る」 (皮を斬らせておいて肉を斬る。肉を斬らせておいて相手の骨を斬る) …危険を冒さずに、目標は達成出来ない。これが新陰流の極意である。これは、どんな事にでも共通である。自らを安全な場所の置いて、目標を達成する事は困難である。何かを成し遂げようとするならば、自分も捨て身の覚悟で臨む事が必須である。それでいて、自分が倒れてしまわない冷静さと緻密さを持たなければならない。 ・「皮を切らせて肉を切り、肉を切らせて骨を切る」 …我が身にも傷は受けるが、相手にはより大きな損害を与える。「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の、捨て身の覚悟を云う。 ※同意語:「肉を切らせて骨を断つ」 ※柳生 十兵衛…江戸初期の剣客、名は三厳(みつよし)、柳生 宗矩の長男であったが家督は継がなかった。隻眼(せきがん)・独眼(どくがん)であったと云う。 |
柳生 但馬守 宗矩 (やぎゅう たじまのかみ むねのり (徳川家の指南役) |
・柳生家の家訓:「小才は、縁に出会いて縁に気付かず。中才は、縁に気付いて縁を生かさず(生かせず)。大才は、袖擦り合う(振り合う)縁をも生かす」 ・「小才は、縁に出会って縁に気付かず。中才は、縁に気付いて縁を生かせず。大才は、袖触れ合うた縁をも生かす」 …小才(才能の無い人間、バカ)は、チャンスに気付かない。中才(普通の人)は、チャンスに気付いているが飛び付かないか活かせない。大才(才能のある人間、努力する人)は、袖が触れる程の些細なチャンスも見逃さず最大限に活かす。大物になる人物は、チャンスに敏感であると云う意味。 ※柳生 但馬守 宗矩…柳生 十兵衛 三厳(やぎゅう じゅうべえ みつよし)の父、徳川家・徳川秀忠の兵法(剣術)指南役)。 |
安岡 正篤 (やすおか まさひろ) (陽明学者、東洋思想家) |
・「学問には、知識の学問と智慧の学問がある」 ・知識の学問とは、機械的知識の事を云う。 ・智慧の学問とは、経験を積み、思索反省を重ね人徳を練る中から湧き出して来たもので、体験の中からにじみ出て来たもっとも直観的な人格的学問の事を云う。 ※安岡 正篤…陽明学者、東洋思想家、国家主義者、戦後昭和の歴代総理の指南役、昭和最大の黒幕(昭和史の黒幕)と評される。 |
・訳書『為政三部書』…1938年(昭和13年)、日本の前途を憂慮していた安岡正篤が、「政・官・財」の指導者に警鐘を鳴らす為、『三事忠告』を訳註して、『為政三部書』と改題して、出版したもの。 ※原書『三事忠告』…中国の古典籍の一つで、著者は、張養浩(中国元朝の名臣、元時代に官僚として活躍した儒教家)。民衆を指導していく立場にある政治家・役人が持つべき信念・道徳が書かれた政治指南書。内容は『廟堂忠告』、『風憲忠告』、『牧民忠告』から成っており、それぞれ、内閣大臣、法務警察関係者、地方行政担当者に宛てる忠告と云うう形で説かれている。張が自らの体験を基に、宰相、警察官、地方の長官に対して守るべき心得を示したもの。自分を常に律する事の大切さや、優秀な人材を積極的に登用する事、人々の生活の安定を第一に考える事、公正を期す事、常に出処進退を明らかにする事等、今でも心に響く言葉が綴られている。 ※出典:丹羽 宇一郎(伊藤忠商事㈱の前会長)、日経ビジネス2015年11月23日号:賢人の警鐘。 |
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・「六中観」(ろくちゅうかん@『百朝集』)は、安岡正篤の座右の銘。 ・『忙中有閑 苦中有楽 死中有活 壺中有天 意中有人 腹中有書』 【説明】(初めの三つは『新憂樂志』の説明、後の三つは『百朝集』の註) 一、忙中閑有り。 …ただの閑は退屈でしかない。真の閑は忙中である。ただの忙は価値がない。文字通り心を亡うばかりである。忙中閑あって始めて生きる。 二、苦中楽有り。 …苦をただ苦しむのは動物的である。いかなる苦にも楽がある。病臥して熱の落ちた時、寝あいた夜半に枕頭のスタンドをひねって、心静かに書を読んだ楽は忘られない。貧といえども苦しいばかりではない。貧は貧なりに楽もある。古人に「貧楽」という語があり、「窮奢」という語もある。 三、死中活有り。 …窮すれば通ずということがある。死地に入って意外に活路が開けるものである。うろたえるからいけない。それのみならず、そもそも永生は死すればこそである。全身全霊をうちこんでこそ何ものかを永遠に残すこと、すなわち永生が実現するのである。のらくらとわけのわからぬ五十年七十年を送って何の生ぞや。 四、壷中天有り。 …世俗生活の中に在って、それに限定されず、独自の世界即ち別天地をいう。後漢書方術伝・費長房の故事に出ず。 五、意中人有り。 …意中の人というと、恋人の意に慣用するが、ここでは常に心の中に人物を持つ意。或いは私淑する偉人を、或いは共に隠棲出来る伴侶を、又、要路に推薦し得る人材をここというようにあらゆる場合の人材の用意。 六、腹中書有り。 …目にとめたとか、頭の中の滓(かす)ような知識ではなく、腹の中に納まっておる哲学のことである。 最後に、「私は平生窃(ひそ)かに此の観をなして、如何なる場合も決して絶望したり、仕事に負けたり、屈託したり、精神的空虚に陥らないように心がけている。」と結んでいる。 |
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山崎 光夫 (やまざき みつお) (作家) |
・人心収攬術(じんしんしゅうらんじゅつ) …人の上に立つ人は、説得力を身に付ける必要がある。勿論、その説得力は、ステレオタイプのものではなく、TPOに応じて、千変万化するものでなくてはならない。日頃から、人間の器を大きくする事に努める事が必要。 |
山田 方谷 (やまだほうこく) (陽明学者) |
・「総じて善く天下の事を制する者は、事の外に立ちて、事の内に屈せず」 …物事に取り組む時は、細かい事に気を取られず、大きく構えてやれ。大所高所に立って物事を見よ、目先の事に惑わされてはいけない。数字の増減ばかりに気を取られ、目先の利益を追うと、物事の本質を見失う。 ・「総じて善く天下の事を制するのは、事の外に立って、事の内に屈しないものだ。しかるに、当今の当事者は、ことごとく事の内に屈している」 …主君と家臣が共に、目先の問題に捉われる(事の内に立つ)事なく、大局的、客観的な見地から物事を見通し(事の外に立つ)、風紀・道徳の向上、綱紀粛正、教育向上に努めれば、良い政治が行われ、財政状況も良くなる。 ・「義を明らかにして、利を計らず。利は義の和」 …利益を得る事を目的とせず「善をもって、人としてどう生きるか、民の幸福の為に藩をどうすべきか」を目的にすべきである。「そうすれば、おのずと利益がついて来る」とも。「義」とは、今の云い方をすれば、「何の為に改革するのか、将来のビジョン」を指す。 ※出典:『理財論』(著者:山田 方谷)。 ※山田 方谷…幕末期の儒家、陽明学者。備中聖人と称された、幕末に破綻寸前だった備中松山藩の財政を立て直した人物。 |
山本 五十六 (やまもと いそろく) (大日本帝国の海軍軍人、太平洋戦争の時の連合艦隊司令長官) |
・「やってみせて 言って聞かせて やらせて見て ほめてやらねば 人は動かず」 …「やってみせて…」は上杉鷹山の「してみせて 言って聞かせて させてみる」から影響を受けているとされる。 ・「苦しい事もあるだろう 言い度い事もあるだろう 不満な事もあるだろう 腹の立つ事もあるだろう 泣き度い事もあるだろう これらをじっとこらえてゆくのが 男の修行である」 |
・「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」 …後輩や部下の出来が悪いのは、後輩や部下が“無能”なのではなく、先輩や上司のリードの仕方に問題がある事が多い。「教える事」は「教わる事」である。この事に気付かされる事で、人は大きく成長する。 |
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吉川 英治 (よしかわ えいじ) (小説家) |
・「波騒(なみざい)は世の常である。波にまかせて、泳ぎ上手に、雑魚(ざこ)は歌い雑魚は踊る。けれど、誰か知ろう、百尺下の水の心を。水の深さを」 …うわべだけを見ないで、底流をも見る。すると初めて、真実や本質を知る事が出来る。 ※出典:『宮本武蔵』(著者:吉川 英治)の一番最後の言葉。 |
吉川 幸次郎 (よしかわ こうじろう) (中国の文学者) |
・「経営の経の字はタテ糸だ」 …布を織る時、タテ糸は動かずにずっと通っている。「営」の字の方は、さしずめヨコ糸。タテ糸がまっすぐに通っていて、はじめてヨコ糸は自由自在に動く。一本の太い筋が通っていて、しかも状況に応じて自在に動ける。 ※出典:『経営に終わりはない』(著者:藤沢 武夫)。 |
吉川 廣和 (よしかわ ひろかず) (DOWAホールディングス㈱の相談役) |
・『ビジョナリーカンパニー④自分の意志で偉大になる』を読んで得られた気付き。 ①本の主題は、「我らが生きるこの地球において、不確実な時代は永遠に続き、混沌とした状況が日常化し、かつ変化が加速して起こってくる」「企業はもちろん、我々の生活も常に不安定の状況下であり続ける」「いかなるリーダーもいかなる優秀な人も、先見は不可能であり常に失敗を犯す」「しかし、その失敗から何を学び、次に備えていかなる準備をし続けるか、で偉大なる企業・人生が達成できる」 ②リーマンショックを予想して備えのできた人はいない。日本における20年前のバブル崩壊も予想できず、大多数の企業や個人が大きな損失を抱えた。今日のデフレ長期化も予測できなかった。資源価格の暴騰も、原子力発電所の破綻や電力危機も予測の外だった。大手電機メーカーも今日の苦境を予測しきれなかったのだろう。 ③今後も同じ。予測は不可能だ。確かな事は、予測不能、不確実な時代が永遠に続くと云う事である。リーダーに求められる絶対的な資質だ。 ④では、会社や個人はどうするのか? 少なくとも「今順調に推移している、変化はそう急にやってこない、今から何の心配を」と、今のいすにどっしり座っている事ではない。では、我々はどうしたらいいのか? ⑤「学ぶ事を軽視し、自己の浅はかさを隠して虚勢を張り、“形式と常識”に依存して、一方、権力に追従・強権利用」等は、いずれも破綻の道でしかない。「足元を謙虚に見直し続け、内向き同質グループを抜け出し、異質人材・社会を受け入れ、保身・権力によらず、公平でオープンな会社や人生を目指す」しか救われない事を示している。 ※出典:吉川 廣和(2011年6月~DOWAホールディングス㈱の相談役)、日経ビジネス2012年11月26日号:実践の奥義「経営の巨人の教えを生かす②-ジム・コリンズ 経営の普遍的な法則を学ぶ」。 |
吉田 兼好 (よしだ けんこう) (随筆家、歌人) |
・「すこしの事にも先達(せんだつ)はあらまほしき事なり」(『徒然草』より) …自分をリードしてくれる人の存在を高く評価している。 |
吉田 松陰 (よしだ しょういん) (明治維新の精神的指導者) |
・「志を立てて、以って万事の源をなす」 …何事も志がなければならない。志を立てる事が全ての源になる。 ・「志のためならば、命をかける」「体は私なり、心は公なり」 …松陰は生涯を通し、志高き実行の人であった。 ・「松柳の例え」 …柳と云う木は確かに成長が速い。しかし、強い風が吹けば、直ぐに折れてしまう。一方、松は成長が遅くて、中々大きくならない。しかし、冬でも枯れずに、岩肌にも根を張って、しっかりと成長していく。「柳ではなく、松になれ」との教え。目先の出世や金儲けに汲々とせず、自らの志をやり遂げる気概を持つ事の大切さを表している。 ・「君は功を成せ、われは大事を成す」 |
吉田 忠雄 (よしだ ただお) (YKKの創業者) |
・「野戦の一刀流」 …実践を伴わない「道場の達人」よりも、野戦を経験した者の方が複雑な現実に臨機応変に対応出来ると云う考え方。実践、つまりOJT(On the Job Training、職場内訓練)で修羅場を経験した方が鍛えられると云う考え方。徹底的な現場主義による人材育成と云える。人は「野戦の一刀流」で大きな力を身に付ける。 ・「善の巡環」(YKK精神) …他人の利益を図らずして自らの繁栄はないと云う考え方。 ・「失敗しても失敗しても、成功しろ」 …YKKの社風を表している。 |
蓮如 (れんにょ) (中世の宗教家、室町時代の浄土真宗の僧侶、親鸞の直系) |
・「額に王法(おうぼう)、心に仏法(ぶっぽう)」 …頭を下げろと云われれば、下げれば良い。年貢を納めろと命じられれば、納めるしかない。念仏を止めよと云われれば、口を閉ざして心の中で念仏を唱える事だ、と、当時の農民や庶民に語った。 |
言 葉 | 説 明 |
人生訓 (徳川 家康) |
一、人の一生は重荷を負いて遠き道を行くが如し急ぐべからず。 一、不自由を常と思えば不足なし。 一、心に望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。 一、堪忍は無事長久の基。 一、怒りは敵と思え。 一、勝つことばかり知りて敗くることを知らされば害その身に至る。 一、おのれを責めて人を責むるな。 一、及ばざるは過ぎたるよりまされり。 …慶長八年正月十五日。 |
心 訓 (福沢 諭吉) |
一、世の中で一番楽しく立派な事は、一生涯貫く仕事を持つと云う事です。 一、世の中で一番みじめな事は、人間として教養のない事です。 一、世の中で一番さびしい事は、する仕事のない事です。 一、世の中で一番みにくい事は、他人の生活をうらやむ事です。 一、世の中で一番尊い事は、人の為に奉仕し決して恩にきせない事です。 一、世の中で一番美しい事は、すべての物に愛情を持つ事です。 一、世の中で一番悲しい事は、うそをつく事です。 (注)真偽について ①慶應義塾関係の公式ホームページに「福沢心訓は、福沢先生の言葉ではない」と書いてある。 ②『福沢諭吉全集』第二十巻の附録に、「福沢心訓七則は偽作である」と発表している。 ※出典:『慶應義塾豆百科 98福澤心訓』。 |
宝在心(ほうざいしん) (上杉 謙信 家訓十六ヶ条) |
一、心に物なき時は、心廣[広]く體[体]泰(やすらか)なり。 一、心に我儘(わがまま)なき時は、愛敬(あいきょう)失は[わ]ず。 一、心に慾[欲]なき時は、義理を行ふ[う]。 一、心に私(わたくし)なき時は、疑ふ[う]ことなし。 一、心に驕(おご)りなき時は、人を敬(うやまう)ふ[う]。 一、心に誤りなき時は、人を畏(おそ)れず。 一、心に邪見(じゃけん)なき時は、人を育つる。 一、心に貪(むさぼ)りなき時は、人に諂(へつら)ふ[う]ことなし。 一、心に怒りなき時は、言葉和(やわ)らかなり。 一、心に堪忍(かんにん)ある時は、事を調(ととの)ふ[う]。 一、心に曇りなき時は、心静かなり。 一、心に勇みある時は、悔やむことなし。 一、心賤(いや)しからざる時は、願い好まず。 一、心に孝行ある時は、忠節厚し。 一、心に自慢なき時は、人の善を知り。 一、心に迷いなき時は、人を咎(とが)めず。 …宝(幸せ)は外にあるのではなく、心の中にある。 |
報徳訓 (二宮 尊徳) |
父母の根元は天地の令命に在り。 身体の根元は父母の生育に在り。 子孫の相続は夫婦の丹精に在り。 父母の富貴は祖先の勤功に在り。 吾身の富貴は父母の積善に在り。 子孫の富貴は自己の勤労に在り。 身命の長養は衣食住の三に在り。 衣食住の三は田畑山林に在り。 田畑山林は人民の勤耕に在り。 今年の衣食は昨年の産業に在り。 来年の衣食は今年の艱難に在り。 年々歳々報徳を忘るべからず。 ※二宮尊徳は自らの力で学び、そして気付きを得ながら報徳思想と呼ばれる偉大なる精神を残した。この尊徳翁の精神は永遠に変わる事のない真理を貫き、何時の時代においても、人づくり、国づくりの土台となる精神である。その精神(報徳の道)を分かり易く表現しているものが「報徳訓」である。 |
多胡家 家訓 (多胡 辰敬) |
・『多胡家家訓』は、前半部と後半部からなる。 ・家訓は、武道よりも算用(数理)術に重点を置いている。 (1)前半部(6,230文字):前半部は聖徳太子の17ヵ条憲法の体裁を取り、1から17までの家訓が並べられている。 ①学文(手習い・学文):530文字★②弓:80文字③算用:2,300文字★④馬(乗馬):370文字⑤医師(くすし):340文字⑥連歌:210文字⑦包丁(料理):730文字★⑧舞(乱舞):610文字★⑨蹴鞠(けまり):80文字⑩躾(しつけ):60文字⑪細工:160文字⑫花:80文字⑬兵法(ひょうほう):60文字⑭相撲:90文字⑮盤上の遊(囲碁・将棋):90文字⑯鷹(鷹狩り):90文字⑰容儀:350文字 ※特に「命は軽く、名は重く」の一節は有名である。 (2)後半部(約11,000文字):前半部と違い、「主人と家内の従者(家臣)のあり方」「人の使い方」「付き合い方」「算用の大切さ」「人の躾け方」「勝負事」等を順不同で思いつくまま論じている。 ※出典:『<人使い>の極意 乱世を生き抜いた知将の至言』(著者:小松 哲史)。 ※多胡 辰敬(たこ ときたか)…戦国時代の武将、尼子晴久の家臣。 |
戒石銘(かいせきめい) (「旧二本松藩戒石銘碑」の碑文) |
・旧二本松藩の城址(福島県二本松市)にある「戒石銘碑」(国指定史跡)で、二本松藩の第五代藩主(丹羽家七代)・丹羽高寛(たかひろ)公が、藩儒学者の岩井田昨非(いわいださくひ)の進言により、藩士の戒めとする為に、長さ8m、幅5mの大きな自然石(花崗石)に刻ませたもの(4句16字)。 【碑文】 ・『爾 俸 爾 禄 民 膏 民 脂 下 民 易 虐 上 天 難 欺 寛延 己 巳之年 春三月』 【読み方】 ・「爾(なんじ)の俸(ほう) 爾(なんじ)の禄(ろく)は 民(たみ)の膏(こう) 民(たみ)の脂(し)なり 下民(かみん)は虐(しいた)げ易(やす)きも 上天(じょうてん)は欺(あざむ)き難(がた)し 寛延 己 巳之年 春三月(かんえん つちのと みのとし はるさんがつ)」(寛延2年(1749年)3月) 【意味】 ・お前がお上から戴く俸禄(給料)は、 人民の汗と脂の結晶である。 下々の民は虐げ易いけれども、 神を欺く事は出来ない。 【解釈】 ・お前(武士)の給料は、人民があぶらして働いた賜物より得ているのである。お前は人民に感謝し、いたわらねばならない。その気持ちを忘れて弱い人民達を虐げたりすると、神は常にお前を見ており、きっと天罰が下る。 ※出典:『戒論辞』…中国・五代時代、後蜀の君主・孟昶(もうちょう)が965年(乾徳3年、日本年号の康保2年)に記したもの(24句96字)。 ※出典:丹羽 宇一郎(伊藤忠商事㈱の前会長)、日経ビジネス2015年11月23日号:賢人の警鐘。 |
人生八変化 | ①自分を変える。 ②自分を変えれば相手も変わる。 ③相手が変われば心も変わる。 ④心が変われば言葉が変わる。 ⑤言葉が変われば態度が変わる。 ⑥態度が変われば習慣が変わる。 ⑦習慣が変わればみんなが変わる。 ⑧みんなが変われば人生が変わる。 (自分→相手→心→言葉→態度→習慣→みんな→人生) ※出典:『一流のリーダー学』(著者:大西 啓義)。 |
日常五心 | 一、「ありがとう」という感謝の心 一、「すみません」という反省の心 一、「おかげさま」という謙虚な心 一、「私がします」という奉仕の心 一、「はい」という素直な心 |
PTA主義 | ・P:Point …何が重要であるか、それを見定める重点主義を指す。 ・T:Time …時間の観念である。時機を逸するならば、折角の名案も、そして苦労も無になる事があろう。 ・A:Action …勿論、実行である。目的や計画の実現である。お互いに分かっていながら、やらない事が多過ぎはしないか。 ※出典:『道標』(寄稿:布川 角左衛門(日本出版学会の会長)、実務教育研究所、1975年)。 |
SERVICE(サービス) | ・働く心はサービスの心(あるサービス産業会社のサービス精神) ・S:Smiling …笑顔は全ての基本。微笑を忘れずに対応しましょう。 ・E:Enrichment …豊かな将来を築く為に努力しましょう。 ・R:Refinement …上品かつ洗練された態度で接しましょう。 ・V:Vivid …常にきびきびと、はつらつとした気持ちで仕事をしましょう。 ・I:Improvement …仕事に対する改善の目を持ちましょう。 ・C:Commitment …約束した事は必ず守りましょう。 ・E:Earnest …自分の仕事には情熱を持って取組みましょう。 ※出典:『つどい』(JMA日本能率協会、1986年)。 《単語の意味》 ・Smiling:微笑する、ほほえむ ・Enrichment:富ませる事、豊富にする事 ・Refinement:洗練、上品、高尚、優雅 ・Vivid:はつらつとした、躍動的な、きびきびした ・Improvement:改良、改善、進歩、上達 ・Commitment:約束、公約 ・Earnest:まじめな、真剣な、熱心な |
失敗を成功に導く8つの重要なポイント | ①失敗の定義を変える。 ②成功の定義を変える。 ③成功から学ぶ。 ④失敗を成功の足掛かりと考える。 ⑤失敗の中にチャンスを見出す。 ⑥他人からの批判や厳しい意見を、ありがたいアドバイスを受け止める。 ⑦自分の周囲に目を向ける。 ⑧最後まであきらめない。 …ビジネスでの成功、有意義な人生を送る為に必須の指針。 |
ネガティブ思考を発生させない為の危機回避策(一連の流れ) | ①目的(ビジョン) ②組織と社員にとっての利点(インセンティブ) ③能力向上(スキル)の機会 ④変化の行く先(アクションプラン) ⑤実行の為の資源(リソース) |
威あって猛からず (いあってたけからず) |
・威厳はあるが威張っていない。 ・威厳はあるけれども、決して荒々しくない事。 …孔子の人格を弟子が評した言葉で、人格者に必要な人柄・態度について云う言葉。 ※出典:『論語』の「述而(じゅつじ)第七」。 |
欹器は満つるを以て覆る (いきはみつるをもってくつがえる) |
・原文:「欹器以満覆」。 ・欹器(いき、ききとも読む?)とは、水を入れる器の事で、水が空っぽの時は傾き、半分程入れると真っ直ぐ立ち、満杯にすると引っ繰り返ると云う。 ・別名:「宥坐(座)の器」(ゆうざのき)。 ・「宥坐(座)の器」(ゆうざのき)…座右において戒めとする器と云う意味で、「虚なれば即ち傾き、中なれば即ち正しく、満つれば即ち覆る」器である。つまり、空の時は傾き、程良く水を入れると正しく水平を保ち、水を一杯入れると引っ繰り返る。孔子(紀元前551年~紀元前479年)は魯の桓公の廟に参詣した時、宥座の器を見て、弟子達に「満ちて覆(くつがえ)らない者はいない」と教訓した(参照:『荀子』の「宥座扁」)。この宥座の器は、人生における全ての事において、無理をする事や満ち足りる事を戒め、中庸の徳、謙譲の徳の大切な事を教えている。 ※出典:『菜根譚』(さいこんたん)…中国の古典。 |
一念岩をも通す (いちねんいわをもとおす) 一念巌(いわお)をも徹(とお)す |
・強い信念を持って物事に当たれば、どんな事でも成し遂げる事が出来る。 ・人はその心や信念のあり方によって、如何様にも成し遂げられる事を示す。 ・「一念」…人が生ずるその時、その瞬間の心の事。 ※類義語:石に立つ矢。 ※出典:『史記』の「李将軍列伝」…前漢の将軍であった李広(りこう)が、石を虎と見間違えて矢を射た時、鏃(やじり)が見えなくなる程深く石に突き刺さったと云う故事から。 |
驕る平家は久しからず (おごるへいけはひさしからず) |
・地位や財力を鼻にかけ傲慢な振る舞いをする者は、長く栄える事なく滅びると云う事。 ・富や名誉を得たからと云って、それを驕ってしまい努力を怠ると、その栄華は久しくは続かない。 ※類義語:驕る平家に二代なし、驕る平家は内より崩る、奢(おご)るものは末世の厄介、満つれば則ち虧く。 ※英語:"Pride will have a fall." ※出典:『平家物語』の「驕れる人も久しからず」…「祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらは(わ)す。驕れる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ」。 |
隗より始めよ (かいよりはじめよ) |
・賢者を集めようとするならば、まず劣った者を優遇する事から始めよ。 ・隗(かい)…自分を劣った者、と考える。 ※出典:中国の故事。 |
禍福は糾える縄の如し (かふくはあざなえるなわのごとし) |
・人生における災いと幸せとは、撚り合わせた縄の様に表裏一体のもので、入れ替わりながらやって来るもの。 |
眼光紙背に徹す (がんこうしはいにてっす) |
・書を読んで,文面の奥にある深い意味まで見抜く。 ・書物に書いてある事を、表面だけでなく真意まで理解する事の例え。 ・目の光が紙の裏側まで見通す程、読解力が鋭いと云う事。 ・何度も繰り返し読むと云う意味ではない。 ・「眼光」…物をじっと見る時の目の光の事。 ・「徹する」…貫いて奥深く達する事。 ※類義語:行間を読む。 |
棺を蓋いて事定まる (かんをおおいてことさだまる) |
・人間の真価は、死んでから決まる。 【原文・白文】 ・「丈夫蓋棺事定」「丈夫蓋レ棺事方定」 【原文読み・書き下し文】 ・「丈夫(じょうふ)は、棺(かん)を蓋(おお)いて、事方(はじ)めて定まる」 ※出典:『晋書』の「劉毅伝」。 |
奇貨居くべし (きかおくべし) |
・韓(戦国七雄の一つ)に呂不韋(りょふい)と云う豪商がいた。彼は、邯鄲(かんたん、趙(ちょう)の首都)に出かけた時、子楚(しそ、秦から人質として趙に来ていた公子、当時は異人と云う名前)と知り合った。 ・子楚は、安国君(秦の昭襄王の太子)の庶子の一人でした。秦は、趙に度々攻め込んでいた為、趙は子楚を丁重に扱わず、その為子楚の生活は困窮していた。 ・呂不韋は、その様子を見て気の毒だと思いながら、『奇貨(きか)居(お)くべし』(これはすばらしい掘り出しものだ、大事にして手元に置いておかなければ)と呟いた(紀元前262年)。 ・当時、秦の太子(安国君)の正室(華陽夫人)には子供がなく、その為世継ぎは決まっていなかった。子楚は、太子の十数人~二十数人の子の内の一人でしたが、世継ぎになるには不利な立場でした。 ・しかし、呂不韋は方法によっては、子楚を世継ぎにする事は可能だと考え、それが成功した場合に自らが得るであろう利益を思って、『奇貨居くべし』と云ったのである。 ・その後、呂不韋は、贈り物等で華陽夫人に取り入り、子楚の評価を上げる為の運動をし、遂に彼を世継ぎにする事に成功した。 ・しかも、妊娠していた自分の愛妾(小梠(しょうりょ):小環(舞の名手)の遺児)を子楚に嫁がせ、生まれた子が秦王の政(後の始皇帝、13歳で即位)となった(真偽の程は不明)。 ・尤(もっと)も、最後に呂不韋(『呂氏春秋』を編纂)は、その政(始皇帝)に自殺に追いやられてしまう。昔の妾、今は太后と呼ばれる、秦王政の母との密通が発覚して失脚・誅殺される事を恐れ、更に、叛乱を起こす事を警戒した秦王政からの手紙を受け取り、自らの行く末を知り酖毒を飲んで自殺した。 ※戦国七雄(せんごくしちゆう)…中国の戦国時代に有力だった七国(秦・楚・斉・燕・趙・魏・韓)、或いはその七人の王を指す言葉。「戦国の七雄」とも。 ※子楚(しそ)…名は異人(いじん)、安国君の側室・夏姫(かき)との庶子(非嫡出子)、後の荘襄王(そうじょうおう、秦の第30代王)、35歳で急逝。 ※安国君(あんこくくん)…名は柱(ちゅう)、昭襄王の太子(次男)、後の孝文王(こうぶんおう、秦の第29代王)、在位3日間・52歳で逝去。 ※昭襄王(しょうじょうおう)…秦の第28代王、在位55年・長寿74歳で逝去。 ※出典:『史記』の「呂不韋列伝」(りょふいれつでん)。 【原文・白文】 ・「子楚、秦諸庶孽孫、質於諸侯。車乘進用不饒、居處困、不得意。呂不韋賈邯鄲、見而憐之曰、此奇貨可居」 【原文読み・書き下し文】 ・「 【解説】 ・子楚…後の荘襄王。諸庶孽孫…多くの妾腹の子どもの一人、孽は庶子、孫は昭王の孫。質…人質。車乗…乗り物。進用…日常生活に必要な金銭。邯鄲…趙の都。賈…商用で出かける事。奇貨…珍しい品物。 ※出典:「Web漢文大系」。 |
義を見てせざるは勇無きなり (ぎをみてせざるはゆうなきなり) |
・人として行うべき正義と知りながらそれをしないことは、勇気が無いのと同じ事である。 ・人としてなすべき事と知りながら、それを実行しないのは勇気が無いからである。 ・「義」…儒教の五常(義・仁・礼・智・信)の一つで、筋道の通った正しい行いの事。 ・「義を見る」…正義だと分かると云う意。 ※対義:触らぬ神に祟りなし(さわらぬかみにたたりなし)。 ※出典:『論語』の「為政(いせい)第二」。 【注釈】 ・孔子の言葉で、「其の鬼に非ずして之を祭るは諂うなり。義を見て為さざるは勇無きなり」 …自分の祖先ではない霊を祭るのは諂う事である。人としてなすべきものだと知りながら、それをしない事は勇気が無いからである。 |
窮すれば即ち変ず(じ)、変ずれば即ち通ず (きゅうすればすなわちへんず(じ)、へんずればすなわちつうず) |
・原文:「窮即変、変即通」。 ・行き詰まってどうにもならなくなると、何かが変わらざるえなくなる。そして何かが変われば、自ずと道は通じる。 ・事態がどん詰まりの状態にまで進むと、そこで必ず情勢の変化が起こり、変化が起こると、そこからまた新しい展開が始まる。 ・転じて、とことん(粘り強く)考え抜けば、対処の方法が見えて、事がなせる。 ・『易経』によると、これが人間世界を貫く不変の法則と云われている。 ※出典:『易経』(えききょう)…儒学の代表的な5つの経典「五経」のひとつとして知られる古代中国の書物(古代中国の哲学と宇宙観を著したもの)。著者は、「伏羲」(ふっき・ふくぎ…古代中国神話に登場する神・帝王)とされている。 |
狡兔死して走狗烹らる (こうとししてそうくにらる) |
・兔狩りに使われた猟犬も、兔を捕らえてしまうと用無しとして煮て食われると云う意味から、必要があるときは重用されるが、用がなくなると惜しげもなく捨てられてしまう事の例え。 ・敵国が滅びた後は、軍功のあった忠臣(軍事に尽くした功臣)も不要(邪魔者扱い)とされて殺されてしまう意味で用いられた。 ・「狡兎」…すばしっこい兔。 ・「走狗」…良く走る優れた猟犬。狩猟の際、鳥や獣を追い立てるのに使われる犬。 ※類義語:飛鳥尽きて良弓蔵る、敵国破れて謀臣亡ぶ。 ※出典:『史記』の「越世家」「越王勾践世家」。 |
虚空裏に楔を打つ (こくうりにくさびをうつ) |
・原文:「虚空裏釘楔」。 ・禅では、「一見、ムダに思える様な事が、実は大切である。後々、役に立って来る」と教えている。 ・云えば、空気の裏側に楔(釘)を打つと云うもので、全く、無意味に思える。理屈だけで議論をすれば、それは、そうかもしれない。しかし、そう云ったムダに思う様な事こそ「疎かに思ってはいけない」と云う教えである。 ・つまりは、「無駄な事だと思っても真剣に取り組む」事の大切さを表現する言葉でもある。 ・修行僧は、掃除、食事、入浴、トイレ掃除、等を行うが、その全てが、修行である。その一見ムダと思う様な行動が、大きな成長をもたらせてくれる。 ※出典:「臨済録」。 |
才子才に倒れる (さいしさいにたおれる) |
・才能に優れた人は、自分の才能を過信しすぎて、かえって失敗するものだと云う事。 ・才子は、自分の才知を過信するあまり、かえって失敗しがちである。 ・「才子才に溺れる」とも云う。 ・「才子」…優れた才能を持つ人の事。 ※類義語:泳ぎ上手は川で死ぬ、河童の川流れ、川立ちは川で果てる、才子才に躓く、才知は身の仇、策士策に溺れる、山師山で果てる、山立ちは山で果てる、善く泳ぐ者は溺れ善く騎る者は堕つ。 |
山川草木悉皆成仏 (さんせんそうもくしっかいじょうぶつ) |
・森羅万象あらゆるものに仏は宿る。仏と云う本質は皆同じで、それが姿形を変えて個々の人間になっている。 ※出典:仏教の教え。 |
鹿を追う(逐う)者は山を見ず (しかをおうものはやまをみず) |
・目先の利益を追っている者は、それ以外の事が見えなくなり、道理を忘れてしまう事の例え。 ・一つの事に夢中になって、他の事に余裕がなくなる事。 ・鹿を捕えようとしている者は、獲物にばかり気を取られて、山全体の事が目に入らなくなってしまう事から。 ※類義語:鹿を逐う猟師は山を見ず。 ※類義語:木を数えて林を忘れる、木を見て森を見ず、金を攫む者は人を見ず、木っ端を拾うて材木を流す、小鳥を捕らえて大鳥を逃がす、獣を逐う者は目に太山を見ず、小利大損、雀脅して鶴を失う。 ※対義語:鹿を逐う者は兎を顧みず。 ※出典:『淮南子』(えなんじ)の「説林訓」の「獣を逐う者は、目に太山を見ず」。 |
鹿を指して馬となす (しかをさしてうまとなす) |
・理屈に合わない事を、権力によって無理に押し通す事の例え。 ・自分の権勢を良い事に,矛盾した事を押し通す。また,人を愚弄する。 ・人を威圧して、間違いを押し通す事の例え。また、人を騙して陥れる事の例え。 ※類義語:馬を牛と言う、柄の無い所に柄をすげる、鷺を烏と云いくるめる、白を黒と云う、這っても黒豆、雪を墨。 ※出典:『史記』の「史記秦始皇本紀」の故事に基づく。秦の始皇帝が死んだ後、悪臣の趙高(ちょうこう)が自分の権勢を試そうと二世皇帝に鹿を献上し、それを馬だと云って押し通してみた。しかし皆が趙高を恐れていたので、反対を唱えた者はおらず、「鹿です」と云った者は処刑された。「鹿を馬」「馬を鹿」とも。 |
疾風に勁草を知る (しっぷうにけいそうをしる) |
・原文:「疾風知勁草」。 ・激しい風が吹いて初めて強い草が見分けられる。転じて、苦難や事変に遭遇して初めてその人の節操の堅さや意志の強さ等が分かる。 ・試練や逆境に直面して、初めて意志や節操の固さが分かると云う意味。 ※類義語:盤根錯節(ばんこんさくせつ)に遭いて利器を知る。"In a calm sea every man is a pilot."(静かな海では誰でも舵手だ)。 ※出典:『後漢書-王覇伝』の「光武謂覇曰、潁川従我者皆逝、而子独留努力、疾風知勁草」。 ※後漢書…中国の後漢王朝時代の盛衰を記録した歴史書。 ・「厳霜貞木」~と続き、「真の部下かどうかは苦境が来ないと分からない」と云う帝王学に続く。 |
小賢は山陰に屯し、大賢は市井に屯す (しょうけんはさんいんにたむろし、たいけんはしせいにたむろす) |
・本当の賢者は、山にこもって書物を読みふけるのではなく、庶民の生活の中に入り込んで、彼らの生の声を聞くと云う意味。 ※出典:中国の教え。 |
人間到る処青山あり (じんかんいたるところせいざんあり) |
・原文:「人間到処有青山」。 ・人は何処で死んでも青山(墳墓の地)とする所はある。故郷を出て、大いに活躍すべきである、との意。 ・世の中は広いので、死んで骨を埋める場所位は何処にでもあるから、大望を成し遂げる為なら何処にでも行って、大いに活躍するべきである、と云う事。 ・人には何処にだって骨を埋める地がある。故郷ばかりが死に場所ではないのだから、志を持って郷里を出て、大いに活躍すべきである、と云う事。 ・「人間」…人の住む世界、世の中と云う意味。 ・「青山」…人が死んで骨を埋める土地、墓地、墳墓の地、死に場所。 ※出典:釋月性(しゃくげっしょう、江戸時代末期の僧)の漢詩『將東遊題壁』(将に東遊せんとして壁に題す、まさにとうゆうせんとしてへきにだいす)。 |
人間万事塞翁が馬 (じんかんばんじさいおうがうま) |
◆人間(じんかん)万事塞翁が馬 ・この世はままならず、人生は、幸不幸の連続である。 ・「人間」(じんかん)…日本で云う人間(にんげん)の事ではなく、世間(せけん)と云う意味。 ・「塞翁」…城塞に住んでいる「翁」(おきな)=老人と云う意味。 ・「塞翁失馬」…中国で使用される熟語。 ※出典:『淮南子』(えなんじ)の「人間訓」(著者:劉安…中国前漢(西漢)時代の皇族(淮南王)、学者)。 ◆「亡羊補牢」(ぼうようほろう) ・「羊を亡(う)しないて牢(ろう)を補う」と読む。 ・失敗した後で、慌てて改善する例え。後の祭り。また、失敗した後で、直ぐに手当てをすれば、災いや過ちを大きくしないで済む例え。 ・羊が逃げてしまってからその囲いを修繕する意から。 ※出典:『戦国策』の「楚策」(そさく)。 ◆「失馬亡羊」(しつばぼうよう) ・禍福や得失が転変すると云う意味でも使われる。 |
栴檀は双葉より芳し (せんだんはふたばよりかんばし) |
・大成する人は、子供の時から並はずれている。 |
大山鳴動して鼠一匹 (たいざんめいどうしてねずみいっぴき) |
・大騒ぎした割には、実際には結果が小さい事。 ・事前の騒ぎばかりが大きくて、実際の結果が小さい事。 ・大きい山が音を響かせて揺れ動くので、大噴火でも起こるのかと思っていると、小さな鼠が一匹出て来ただけだったと云う意味から。 ・ホラティウス(古代ローマの詩人)の言葉から出た西洋の諺。 ・原文は、ラテン語で、"Parturiunt montes, nascitur ridiculus mus."(山々が産気づいて滑稽な鼠(ハツカネズミ)が一匹産まれる)。 ・「大山」…「泰山」「太山」とも書く。 ※類義語:大山鳴動鼠一匹、大山鳴動して一鼠(いっそ)出ず、蛇が出そうで蚊も出ぬ。 ※英語:"The mountains have brought forth a mouse."(山々が一匹の鼠を動かした) ※2016/11/25(金)の小池百合子東京都知事の定例記者会見の質問で出た言葉。 |
月を指せば指を認む (つきをさせばゆびをみとむ) |
・月を示そうと指さしても、肝心の月を見ないで指を見る。 ・道理を説明しても、文字や言語に捉われて、本旨を理解しない事の例え。 ・道理を説き聞かせるのに、本旨を理解しないで、文字や言葉の端々にばかり拘る事を云う。 ・慧能(えのう、范陽(現在の河北省涿州市)の盧氏出身で、中国禅宗(南宗)の第六祖)と云う禅僧が、無尽蔵と云う尼僧に、「賢者が月を指差しても、愚者はその指しか見ようとしない」と論した事から。 ※出典:「楞厳(りょうごん)経」…仏教の格言。 |
生兵法は大怪我のもと (なまびょうほうはおおけがのもと) |
・生半可な知識や技術に頼って物事を行うと、かえって大失敗をする事の例え。 ※類義語:生兵法は大疵(おおきず)のもと。 ※類義語:生悟り堀に落ちる、生兵法は知らぬに劣る、生物知り地獄へ落ちる。 ※英語:"A little learning is a dangerous thing."、"A little knowledge is a dangerous thing." |
ニワトリを殺すな (にわとりをころすな) |
・「傷ついたニワトリを殺すな」と云うのが正確な表現。 ・ニワトリと云う動物は実は残酷な生き物らしく、群れの中の一羽が怪我をして血を流したりすると、皆で寄ってたかってその傷の所を突いて殺してしまうと云う習性がある。だから、傷ついたニワトリがいる時は、そいつを隔離しなければ駄目だと云う。 ・この様な、「ニワトリ会議」を開いてはいけないと云う戒めの言葉。それはつまり、傷ついたニワトリと云うのは失敗した人と云う意味で、その人を責めて潰してしまう様な会議をしてはいけないと云う事。 ※出典:『ニワトリを殺すな』(著者:ケビン・D.ワン、監修:高橋裕二、ホンダの本田宗一郎氏がモデルの話)。 |
偏心を捨て兼聴せよ (へんしんをすてけんちょうせよ) |
・一人の意見を聞いて、それで満足してしまわず、反対の立場に立つ人にも意見をきちんと聞くと云う事。 ・「偏心」…一人の云う事だけを信用すると云う事。偏った人の意見だけを聞く事。 ・「兼聴」…多くの人の率直な意見に耳を傾ける事。多くの人から色々な意見を聞く事。 ※出典:太宗(たいそう、唐の第2代皇帝、高祖・李淵(こうそ・りえん)の次男・李世民(りせいみん))の帝王学『貞観政要』(じょうがんせいよう)…元々は、高祖・李淵(こうそ・りえん、唐の初代皇帝、太宗の父)の長男・李建成(りけんせい、太宗の兄)の家臣だった魏徴(ぎちょう)に対して、太宗が名君(良い皇帝)と暗君(悪い皇帝)の分かれ道を聞いた際、その答えとして魏徴が用いた言葉と云われている。 |
棒ほど願って針ほど叶う (ぼうほどねがってはりほどかなう) |
・人の望みや願いが、中々達せられないと云う例え。 ・望みは大きくても、実際はほんの僅かしか叶わないものだと云う事。 ・世の中は願い通りにはいかないものだと云う事と、願いが叶うのは僅かだから望みは大きく持つべきだと云う二つの教訓が含まれている。 ※類義語:富士の山ほど願って蟻塚ほど叶う、富士の山ほど願って擂り鉢(すりばち)ほど叶う。 |
凡人は小欲なり、聖人は大欲なり (ぼんじんはしょうよくなり、せいじんはたいよくなり) |
・世間の人(世人)は聖人は無欲と思っているが、実は一番の大欲なのだ。賢人がこれに次ぎ、君子がそれに次ぐ。凡人は一番の小欲だ。 ・では、大欲とは何かと云うと、万民の衣食住を満足させ、幸福をもたらそうとする欲である。これ程、大きな(正大)な欲が他にあるだろうか。 ※出典:『二宮翁夜話』の草稿(著者:二宮 尊徳・金次郎)。 |
身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ (みをすててこそうかぶせもあれ) |
・自分の命を犠牲にする覚悟があってこそ、初めて窮地を脱して物事を成就する事が出来る。 ・一身を犠牲にする覚悟で当たってこそ、窮地を脱し、物事を成就する事が出来る。 ・捨て身の覚悟で取り組めば、危機を脱し活路を見出せると云う事。 ・溺れかけた時は、もがけばもがく程深みにはまるものであり、捨て身になって流れに身を任せれば、やがて浅瀬に立つ事が出来ると云う意味から。 ※類義語:皮を切らせて肉を切り肉を切らせて骨を切る、死中に活を求める、肉を切らせて骨を断つ。 ※英語:"He that fears death lives not."(死を恐れては生きられない)、"Fortune favours the bold."(幸運の女神は勇者を助ける) |
綸言汗の如し (りんげんあせのごとし) |
・出た汗が体内に戻らない様に、皇帝の言葉も一旦口から出たら取り消す事が出来ないと云う意味の諺。 ・出た汗が体内に戻らない様に、君主の言葉は一度発せられたら、取り消す事が出来ないと云う事。 ・皇帝が一旦発した言葉(綸言)は取り消したり訂正する事が出来ないと云う中国歴史上の格言。 ・「綸言」…天子の言葉。 ※類義語:天子に戯言(ぎげん)無し。 ※「綸言」の出典:『礼記』(らいき、著者:孔子)の「緇衣篇」(いしへん)。原文は、「王言如絲 其出如綸」「王言如綸 其出如?(糸偏+孛)」「王の言(こと)は糸の如くなれば、其(そ)の出(い)づるや綸(りん)(組み糸)の如し」…王のちょっとした言葉(絲=細い糸)が重い意味(綸=太い糸)を持つとの教訓。 ※「汗の如し」(如汗)の出典:『漢書』の「劉向伝」、原文は、「言号令如汗 汗出而不反者也」。 |
発想の極意は「三上」「三中」に有り | ・「三上」…馬上、厠(そく)上[トイレ]、枕(ちん)上。 ・「三中」…散歩中、湯(風呂)の中、乗車中(電車、飛行機)。 |
三里四方のものを食えば、疲れ知らず | ・生まれ育った土地で出来たものを食べていれば、一番体に合ったものが取れ、病気にもなりにくいと云う程の意味。 |
尺蠖之屈 以求信也 | ・「尺蠖之屈(せきかくのくっするは)、以求信也(もってのびんことをもとむるなり)」 ・尺蠖の屈めるは信びんがため(しゃっかく(せっかく、せきかく)のかがめるはのびんがため)。 ・尺取り虫が縮むのは、次に大きく伸びる為であり、大きく成長するには、一時的には身を小さくして力を貯めなければならない。 ・将来の大きな成功の為には、一時の不遇は我慢しなくてはならない。また、人の後ろに下がって待つ事も必要である。 ※出典:『易経』(えききょう)の「繋辞下伝」(けいじげでん)…「尺蠖之屈、以求信也、龍蛇之蟄、以存身也」。 |
種瓜得瓜 種豆得豆 | ・蒔かぬ種は生えぬ(まきかぬたねははえぬ)。 ・植えたものしか、収穫出来ない。因果を云う。 ※類義語:因果応報。 ※出典:中国の諺。 |
初生之犢不畏虎 | ・生まれたばかりの子牛は何も知らないから、虎だって恐れない。 ※出典:中国の諺。 |
God is in the details. (神は細部に宿る) The devil's in the details. The devil is in the detail. (悪魔は細部に宿る) |
・物事は完璧になされなければならない、細部は重要である、と云う意味。 ・素晴らしい芸術作品や良い仕事は細かい所をきちんと仕上げており、拘ったディテールこそが作品の本質を決定する。何事も細部まで心を込めて行わなければならない、と云う意味。 ※出典:発祥については不明確で、一説にはギュスターヴ・フローベール(フランスの作家)の言とされる。これを有名にしたのが、ミース・ファン・デル・ローエ(ドイツの建築家)とアビー・ヴァールブルク(ドイツの美術史家)、エルンスト・ゴンブリッチ(イギリスのオーストリア系ユダヤ人)だとされている。 ・「神は細部に宿る」から派生した言葉で、あらゆる細部に落とし穴が潜む、と云う意味で用いられる。 (2018/06/12(火)) |
スマート・トーク・トラップ (smart talk trap:能弁の罠) |
・他者の話に批判的に振舞ったり、批判した方が格好良く見える、と云う心理的な罠。 …いつも何に対しても「いいんじゃないの」と賛同してしまうのは軽く見られてしまう。 |
チェンジ・マネジメント(マインド) | ①変化に気付く。 ②変化を理解する。 ③変化を受け入れる。 |
2S、3S、5S、6S | ①整理、②整頓、③清掃、④清潔、⑤躾、⑥習慣or作法。 |
20-80の原則 80-20の原則 |
・社会現象と云うものは、多数の手段要素を投入して一定の成果の産出を図る場合、されらの手段要素がそれぞれ同率の貢献をなすものではなく、ごく一握りの要素が成果の大きな部分に貢献し、残り多数の要素が残りの小さな部分を生み出すに過ぎない場合が多いと云う仮説。 (ABC分析、パレート分析) |
三現主義 | ・現場・現物・現実(現場百見、現場百回)。 |
三面等価の原則 | ・職務を明確にする為には、各職務の「責任・権限・義務」の三者が等しくなければならない。 |
三実 | ・忠実、堅実、誠実。 ①忠実…主人・上司等の言いつけ通りにまじめに務めを果たす様子。 ②堅実…行動の仕方や考え方が安全第一を心がけ、失敗したり危険な目にあったりする事が感じられない様子。手堅い様子。 ③誠実…言動にうそ・偽りやごまかしがなく、常に自分の良心の命ずるままに行動する様子。 |
三つの壁 | ①権限の壁、②組織の壁、③情報の壁。 ※出典:『複雑系の知』(著者:田坂 広志)。 |
三つの「き」:「気」「機」「器」 | ①「気」…自然の流れや心の動きを表す。調子に乗って一気に物事をやろうとすると必ず失敗する。 ②「機」…機を見て行動しなければ、成るものも成らない。 ③「器」…人のアドバイスや誠意を受け入れる器量の大きさが大切(磨く必要あり)。器量が足りないうちに、それ以上の事をやろうとすれば失敗する。 ※出典:西村 大治郎(千吉㈱(老舗の呉服商)の会長)。 |
4kとK | ①金(かね)、②快楽、③肩書き、④権力と「心」。 |
五げん主義 | ・三現主義+原理・原則。 |
熟 語 | 読み方 | 説 明 |
登鸛鵲楼 | ・「鸛鵲楼(かんじゃくろう)に登る」(訓読み)。 ・「白日依山尽 黄河入海流 欲窮千里目 更上一層楼」 ・「白日(はくじつ) 山(やま)に依(よ)りて尽(つ)き黄河(こうが) 海(うみ)に入(い)りて流(なが)る千里(せんり)の目(め)を窮(きわ)めんと欲(ほっ)しさらに上(のぼ)る 一層(いっそう)の楼(ろう)」 …鸛鵲楼(かんじゃくろう)は、大変に高い建物。そこへ登れば、遠くの山への日の入り、黄河が遥かかなたの海へ流れて行く様子も見える。しかし、もっと遠くまでの眺望と、更に上を目指す。 ※出典:『登鸛鵲楼』(著者:王 之渙、中国の詩人)。 |
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上善如水 | ・「上善(じょうぜん)は水の如し」(訓読み)。 ・水の様に生きる事が、理想的な生き方と云う意味。 ・水は器(相手)によって形を変え、水は万物に恩恵を与えておきながら高い所から低い所へ流れ、一滴の雫が岩をも通す。 ・水は、「柔軟性」「謙虚さ」「秘めたるエネルギー」を持っており、人間としてもこの様な要素を身に付けたいと常々思っている人は多い。 ※出典:老子の言葉。 |
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・「上善は水の如し。水は善(よ)く万物を利して而(しか)も争わず、衆人(しゅうじん)の悪(にく)む処に居(お)る[所に処(お)る]。故に道に幾(ちか)し」(訓読み)。 ・最上の善は水の様である。水は万物に恩恵をもたらすのみで決して争う事はしない。自ら皆が嫌がる様な(暗く、じめじめした)処に居る。それこそ、水が道(世界の正しい在り方)に近い理由がある。 …最高の善は水の様なものである。水は万物を潤し生かしているが、功名は争わない。普通の人が嫌がる低い処にいつもいる。だから水は人倫の道に近いと云える。 ※出典:『老子』(著者:老子、別名:『老子道徳経』、中国の古書)の第8章。 |
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以人為本 | ・「人(ひと)を以って(もって)本(もと)となす」(訓読み)。 ・人を以って基本とする、即ち人間本位。 ※出典:「以人為本」と云う表現は、約2500年前の春秋戦国時代の斎国宰相であった管仲(かんちゅう)が云った言葉「夫覇王之所始也、以人為本」(人をもとにしたからこそ、はじめて王になる事が出来た)が最初であるとされている。 (注)文化的主体性には、孔子・孟子をはじめ中国の伝統的な思想や文化、学術の全てが含まれている。 |
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杖莫如信 | ・「杖(よ)るは信(しん)に如(し)くは莫(な)し」(訓読み)。 ・頼りにするものは信義しか無い。 ・頼るべきものは、信義に勝るものは無い。 ・頼りとするものとしては、信義に勝るものは無い。 ※英語:"It is said that one can rely on faith." ※出典:『春秋左伝』=『春秋左氏伝』の襄公(じょうこう)8年の章。 ※出典:『村山談話』に引用された言葉…1995年(平成7年)8月15日発表。 ※村山 富市(むらやま とみいち)…第81代内閣総理大臣。 |
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阿鼻叫喚 | あびきょうかん | ・災害時等、悲惨な状況に陥り、人々が泣き叫ぶ様。 ・悲惨な状態に陥り、泣き叫んで救いを求める様子の例え。 ・「阿鼻」…サンスクリット語「avici」の音写「阿鼻旨」の略で、「無間」(引っ切り無しである事の意)と漢訳する。「阿鼻地獄」や「無間地獄」と呼ばれ、八大地獄の中の第8の地獄で最下位に位置する。 ・「叫喚」…サンスクリット語「raurava」の漢訳で、「叫ぶ、喚(わめ)く」「叫び声」を意味する。「叫喚地獄」と呼ばれ、八大地獄の中の第4の地獄。 ※類義語:焦熱地獄(しょうねつじごく)、八万地獄(はちまんじごく)、八万奈落(はちまんならく)、無限奈落(むげんならく)。 ※出典:『法華経』(ほけきょう)。 ※出典:『永遠の0(ゼロ)』(著者:百田 尚樹)。 |
唯々諾々 | いいだくだく | ・自分の意見を少しも主張せずに、他人の言いなりになって盲従する様。 ・事の良し悪しに関わらず、ただ人の意見に従って言いなりになる事。 ・「唯々」…「はい、はい」と云う返事。 ・「諾々」…直ぐさま承知する事。 ※出典:『韓非子』(著者:韓非)の「八姦編」…姦臣(かんしん)が如何にして君主の心を掴み、自身の目的を遂げるのかを八通りに描いたもので、その二つ目にみえる。 |
意気軒昂 | いきけんこう | ・意気込んで、奮い立つ様。 ・元気や勢力が盛んな様で、威勢の良い様子。 ・「意気」…溢れ出る元気。 ・「軒昂」…高く上がる意。 ※類義語:意気衝天(いきしょうてん)、意気揚揚(いきようよう)。 |
一期一会 | いちごいちえ | ・人との出会いや物事を行う機会は、生涯で一度きりであり二度と同じ機会は訪れない。だから、一度きりの機会を大切にせよ、と云う意味で用いられる諺。 ・元々は、千利休が茶道の心得を説いた言葉として知られ、茶道における「一期一会」は、茶席に臨むに当たり、同じ機会は二度と無いと云う事を肝に銘じて誠心誠意を尽くすべし、と云う心得を説いた言葉。 ・千利休の弟子が「山上宗二記」と云う書物の中で利休の言葉として伝えているが、記された千利休の言葉は、「一期一会」と云う四字熟語の形では無い。後年、江戸幕府の大老の井伊直弼が「一期一会」の形に整えた、と伝えられる。 ※類義語:千載一隅(せんざいいちぐう)、後生一生(ごしょういっしょう)。 ※出典:『山上宗二記』(著者:山上 宗二(やまのうえ そうじ、千利休の弟子、堺の豪商(町衆)、茶人)…記された千利休の言葉は、「一期に一度の会の様に、亭主を敬(うやま)い畏(かしこ)まるべし」。 ※出典:『茶湯一会集』(著者:井伊 直弼(いい なおすけ、江戸幕府の大老)…茶の湯思想の集大成となる著作で、「一期一会」「独座観念」等の語を用い、茶の湯における交友は一生に一度の会と思って心を尽くし、客の帰った後も炉前にひとり坐して観念する、と云う茶会での主客の交わりのあり方を説いている。 |
一念通天 | いちねんつうてん | ・「一念天に通ず」(訓読み)。 ・物事を成し遂げようと一心になれば、それが天に通じて、必ず成功する。 ・どんな事でも、一心に念じ努力し続ければ、必ず天に通じて、成し遂げられる。 ・強い信念をもって、たゆまず努力を続けていけば、必ず成し遂げられる。 ・「一念」…一途に思いを込める事。決意。 ※類似語:至誠通天(しせいつうてん)、精神一到(せいしんいっとう)、射石飲羽(しゃせきいんう)。 ※出典:『周易参同契』(しゅうえきさんどうけい)。 |
一陽来復 | いちようらいふく | ・冬が終わって、春が来る事。新年が来る事。 ・悪い事が続いた後に、幸運に向かう事。幸運が開ける事。 ・易(えき)で、陰暦10月に陰が極まって、11月の冬至に陽が初めて生じる事から。 ・陰暦十月は坤(こん)の卦(か)に当たり、十一月は復(ふく)の卦(か)に当たり、陰ばかりの中に陽が戻って来た事になる。「復」は陰暦十一月、冬至の事。 ※出典:『易経』(えききょう)の「復」(ふく)。 |
一騎当千 | いっきとうせん | ・並外れて強い人。 ・非常に優れた才能や技術の持ち主。 ・一騎で千人の敵に対抗出来る程強い事を表した言葉。 ※類義語:一人当千(いちにんとうぜん)…仏典(仏教典籍の略称で、仏教の聖典の総称)に出て来る。 ※出典:語が生まれたのは室町時代頃からで、中世末頃までは「いっきとうぜん」と発音するのが一般的であった。 ※出典:『永遠の0(ゼロ)』(著者:百田 尚樹)。 |
一殺多生 | いっせつたしょう いっさつたしょう |
・多くの人を生かす為に、害をなす一人を殺す事。 ・一人を殺す事によって、多くの人を生かす事。 ・転じて、大きな利益に繋がるのなら、小さな害を成すのも止むを得ないと云う事。 ・有害なもの一つを殺す事により、多くを生かそうとする思想(仏教用語)。 →危険思想に繋がりかねないので、現代では疑問視される。 ※出典:日本の右翼の政治思想の一つ。戦前の右翼団体「血盟団」の指導者である井上日召が唱えた理念。 |
一視同仁 同仁一視 |
いっしどうじん どうじんいっし |
・差別する事なく、全ての人を平等に慈しむ事。 ・出身や身分や敵味方に関わらず、どんな人であっても平等に接する事。 ・誰にも差別をせず全ての人を平等に見て、同じ様に思いやりをもって待遇する事。 ・「一視」…同じ様に見る事。 ・「仁」…思いやり、慈しみの心の意。 ※類義語:怨親平等(おんしんびょうどう)、兼愛無私(けんあいむし)、一視之仁(いっしのじん)、公平無私(こうへいむし)。 ※対義語:依怙贔屓(えこひいき)。 ※出典:『原人』(げんじん)(著者:韓愈(かんゆ))…「聖人は一視にして同仁、近きに篤くして遠きを挙ぐるなり」(聖人と云う者は身近にいる者に手厚くし、遠くの者にもその心を及ぼしていく)とあるのに基づく。 |
一瀉千里 | いっしゃせんり | ・少しも休まずに、滞る事なく行われる形容。 ・急流を小舟がすごい勢いで下る意。 ・物事の進み方が非常に速い事。 ・弁舌や文章が淀みなくすらすらと進む事。 ・「瀉」…水が流れる事で、一旦流れ出した川の水が、たちまち千里もの距離を流れ下る事から来た語。 ※類義語:一気呵成(いっきかせい)、一網打尽(いちもうだじん)、一瀉百里(いっしゃひゃくり)。 |
一笑一若 一恕一老 | いっしょういちじゃく いちどいちろう | ・人間は一回笑う度に一歳若返り、一回怒る度に一歳年を取る。 ・人間、怒りは禁物。長生きをしようと思ったら、笑う事が一番。 ※類義語:笑いは人の薬、笑う顔は打たれぬ、笑う顔に矢立たず、笑顔の家には貨宝集まる、笑って損した者はなし、笑う門には福来たる、Laugh and grow fat(笑って太れ)。 ※出典:中国の古い言葉。斎藤 茂太(精神科医)も好んだ言葉。 |
一知半解 | いっちはんかい | ・物事の理解の仕方が中途半端な事、なまかじりの知識。 ・少ししか知っておらず、十分には理解していない事。 ・一つの知識しかない上に、半分しか理解していない事から。 ※類義語:半可通、半知半解、半解半知、言者不智、一を知りて二を知らず、其の一を知りて其の二を知らず、十を聞いて一を知る、目から耳へ抜ける。 ※対義語:一を推して万、一を以て万を知る、一を聞いて十を知る、目から鼻へ抜ける。 ※出典:『滄浪詩話』(そうろうしわ)…厳羽(げん う、中国の南宋時代の詩人)が「語りにも透徹(とうてつ)の悟りと一知半解の悟りがある様に、文学にも一流と二流がある」と説いたのに基づく。仏教では、「半解」を「はんげ」と読む。 |
一張一弛 | いっちょういっし | ・人間は、緊張状態とリラックス状態を上手くバランスさせて生きていくのが良いと云う教え。 ・厳しいだけでなく、時には緩めて楽しませる事も大切であると云う教え。 ※出典:『礼記』(らいき、著者:孔子)…中国の周から漢の時代に儒学者が纏めたもの。 |
・人間からストレスを完全に取り去ったらダメになる。 …適度のストレスがあった方が良い。 ※出典:ハンス・セリエ(ストレス学説)。 |
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一燈照隅 万燈照国 | いっとうしょうぐう ばんとうしょうこう(しょうこく) | ・一つの灯火だけでは隅しか照らせないが、その灯火が万という数になると国中を照らす事が出来る。 ・転じて、一人一人が自分の役割を懸命に果たす事が、組織全体にとって最も貴重であると云う意味。 ・一人ひとりが自分の身近の一隅を照らす。それだけでは小さいあかりかもしれないが、その一隅を照らす人が増えていき、万の燈(あかり)となれば、国全体を照らす事が出来る。 ・能(よ)く一隅(いちぐう)を照らす者にして始めて、能く照衆・照国する事も出来るのである。微力を諦めてはならぬ、冷に耐え、苦に耐え、煩に耐え、また閑にも耐えて、激せず、躁(さわ)がず、競わず、随(したがわ)ず自強してゆこう(安岡 正篤)。 ※出典1:『安岡正篤人と思想』(著者:安岡 正篤)。 …レファレンス協同データベース@国立国会図書館 →『安岡正篤人と思想』に、安岡自身の作による言葉とある。弘法大師(空海)の言葉は発見できなかったが、伝教大師(最澄)の「山家学生式」(『日本思想大系 4 最澄』所収)に、「照于一隅 此則国宝」という言葉があり(ただし「照于」を「照千」とする説あり)。また、『人物を修める 東洋思想十講』(著者:安岡 正篤)p59に、「私は多年『一燈照隅』(伝教大師が弟子たちに与えた教訓)ということを提唱してまいりました。」という記述が見られることから、安岡は伝教大師から影響を受けたものと思われる。 ※出典2:「照于(照千)一隅 此則国宝」(一隅を照らす、此れすなわち国宝なり)(最澄の言葉)。 →最澄(弘法大師。日本の天台宗の開祖として知られる平安時代の僧。俗名は「三津首広野」(みつのおびとひろの))の言葉に「一隅を照らす、此れすなわち国宝なり」(最澄は、組織の片隅で自分の役割を一生懸命に果たしている人こそ、実は組織の宝である、と説いている)がある。安岡 正篤(戦後昭和の歴代総理の指南役)が設立した全国師友協会のスローガンとして、「一燈照隅 万燈照国」という言葉が昭和時代、日本に広まった。最初に自分が一つの灯火を掲げて一隅を照らす。そうした誠心誠意の歩みを続けると、いつか必ず共鳴する人が現れてくる。一灯は二灯となり三灯となり、いつしか万灯となって国を照らすようになる。そのためにはまず自分から始めなければいけない。 ※出典3:『止観輔行』(著者:荊渓 湛然(けいけい たんねん)…妙楽大師、中国・唐代の天台宗の僧侶、天台宗の第6祖)、『史記』の「田敬仲完世家」。 →安岡 正篤が最澄の「照于一隅」を基に作られた言葉だが、最澄が書いたのは元々は「照千一隅此則国宝」であったらしく、更にこの言葉の出典が『止観輔行』(著者:荊渓 湛然)であり、更ににそれは『史記』の「田敬仲完世家」に遡る |
以卵投石 | いらんとうせき | ・卵を石に投げても石は傷つかない。 ・卵を石に投げ付ける様な無駄な事をする。 ・無駄で勝負にならず、損害ばかりで益のない事。 ・身の程知らずで自滅する。 ※出典:中国の言葉。 |
因往推来 | いんおうすいらい | ・過去の出来事に基づいて、未来の事を推測する事。 ※出典:揚子法言。 ※類義語: ・観往知来(かんおうちらい) …過去の事を観察して、将来の事を推測する事(『列子』の「説符」)。 ・彰往察来(しょうおうさつらい) …過去の出来事を明らかにした上で、未来の状況を予測する事(『易経』の「繋辞」)。 |
因循姑息 | いんじゅんこそく | ・古い習慣ややり方に捉われて改めようとせず、その場凌(しの)ぎに終始する様。 ・古い習慣に従って改めず、また、一時凌(しの)ぎに間に合わせのやり方をする事。また、消極的で愚図愚図迷っている様子。 ・「因循」…「因より循従う」意から、しきたりに捉われて改めようとしない事。古くからの習慣・方法を守っているだけで、積極的に改めようとしない様子。愚図愚図していて、決断がつかない様子。 ・「姑息」…「暫(しばら)く息をつく」意から、一時の間に合わせの事。根本的に対策を講じるのではなく、一時的にその場が過ぎれば良いとする様子。その場凌(しの)ぎ。 ・「姑」…ちょっとの意。 ・「息」…やむ・それで良いの意。 ※類義語:萎靡因循(いびいんじゅん)、因循苟且(いんじゅんこうしょ)。 ※対義語:熟慮断行(じゅくりょだんこう)、直情径行(ちょくじょうけいこう)。 |
右顧左眄 左顧右眄 |
うこさべん さこうべん |
・世間の評判や思惑等を気にして、意見・態度を決めかねる事。 ・右を見たり左を見たりして、躊躇(ためら)い迷う事。 ・まわりの情勢や周囲の思惑・意見を気にして、中々決断出来ないでいる事。 ・人の意見ばかり気に掛ける事。 ・「顧」…顧(かえり)みる。気に掛けて振り返る、気になって見る意。 ・「眄」…横目または流し目で見る。気に掛けて流し目でちらりと見る事。 ※類義語:右顧左顧(うこさこ)、左右傾側(さゆうけいそく)、首鼠両端(しゅそりょうたん)、遅疑逡巡(ちぎしゅんじゅん)、左見右見(とみこうみ)、二股膏薬(ふたまたこうやく)。 ※対義語:知者不惑(ちしゃふわく)。 |
海千山千 | うみせんやません | ・長く生き、世間の表も裏も知り尽くした人は、したたかなずる賢さを持っている。 ・あらゆる経験を積み、社会の表裏に通じていて、悪がしこい事(人)。 ※出典:「海に千年、山に千年住み着いた蛇は龍になる」と云う中国の古い言い伝えに由来する。 |
雲外蒼天 | うんがいそうてん | ・雲の外には、青空が広がっている。 ・困難を努力して乗り越えた先には、明るい未来がある。 ・辛い事や試練等を努力して乗り越えれば、明るく素晴らしい世界が待っている。 |
雲散霧消 雲消霧散 |
うんさんむしょう うんしょうむさん |
・心を占めていた悩み・疑問・期待感等が跡形もなく消えてなくなる事。 ・雲心の中に溜まっていた蟠(わだかま)りや悩みが消えて、さっぱりした気持ちになる意味にも使う。 ・雲や霧が消え去る様に、物事が跡形もなく消えてしまう事。 ※類義語:雲散鳥没(うんさんちょうぼつ)、雲消雨散(うんしょううさん)、煙消霧散(えんしょうむさん)、海市蜃楼(かいししんろう)、蜃楼海市(しんろうかいし)、無影無踪(むえいむそう)。 ※対義語:雲合霧集(うんごうむしゅう)。 |
益者三友 損者三友 | えきしゃさんゆう そんしゃさんゆう | ・交際して自分の為になる友人には三種類あり、交際して自分が損をする友人も三種類ある。前者は正直な友、誠実な友、博識な友であり、後者は不正直な友、不誠実な友、口先のうまい友である。 ・有益な友とは、素直で正直である人、誠実な人、見聞が広い人。 ・有害な友とは、人に媚び諂(へつら)う人、人当りは良いが誠実でない人、口先ばかりの人。 ・友人は慎重に選ぶべきだ、との意味が込められている。 ・「益者」…自分にとって有益な友人の事。 ・「損者」…自分にとって害のある友人の事。 ※出典:『論語』の「季氏(きし)第十六」…「直(ただし)きを友とし、諒(まこと)を友とし、多聞(たもん)を友とするは、益なり。便辟(べんへき)を友とし、善柔(ぜんじゅう)を友とし、便佞(べんねい)を友とするは、損なり」。 ・直(ただし)…正直な人。 ・諒(まこと)…誠実な人。 ・多聞(たもん)…博識(博学)な人。 ・便辟(べんへき)…人に媚び諂(へつら)う人。何事も都合良く避けてしまう人。 ・善柔(ぜんじゅう)…意志が軟弱な人。表面は柔和で、内心は誠意の無い人。 ・便佞(べんねい)…お世辞上手な人。口先は巧みだが、心に誠実さのない人。 |
応対辞令 (中国古典の3テーマの一つ) |
おうたいじれい | ・社会生活の様々な場における人間関係にどう対処するか、と云う対処の仕方の事で、立ち居振る舞い、言葉遣い、お辞儀、挨拶、笑顔、更にはお祝いやお見舞いの仕方まで、現実の生活で必要な知恵の数々を云う。 ・社会生活のあらゆる場での人間関係への対処の仕方をめぐる問題であり、説得や交渉、或いは部下の使い方等、人間関係の全てを含んでいる。 ・所謂、人間関係論を云い、中国の古典の軸は、「応対辞令」の学である。 ・部下の使い方と云う事では、「戦国策」に「士は己を知る者の為に死す」と云う言葉があり、立派な人物と云うのは、自分を理解してくれる人物の為に命を投げ出すと云っている。先ず相手を理解し、その気持ちや長所を大切にしてやる事、それが部下のやる気を引き出す事に繋がる。 ・「戦国策」の「策」とは、策略の意味である。勿論、誠意や誠実が基本であるが、世間にはそれだけでは対応出来ない相手がいるので、駆け引きや戦略戦術が必要になる。 ・戦略戦術を学ぶなら「孫子」であり、その魅力は、展開されている戦略戦術論が人間への深い洞察で裏打ちされている事である。 ・「孫子」の兵法の大原則の一つに、「勝算なきは戦うなかれ」と云うものがある。また「孫子」には「迂(う)を以て直(ちょく)となす」と云う計謀がある。「迂」は遠回りする事、「直」は直線の直で、攻める時は短兵急に攻めたてるばかりでなく、遠回りする事が結果的に良いと云っている。 |
温柔善美 | おんじゅうぜんび | ・優しくて、美しい様。 ・「温柔」…穏やかで優しい事。温かで柔らかな感じがする事。 ・「善美」…物事が良く、しかも美しい事。立派で美しい事。 |
厭離穢土 欣求浄土 | おんりえど ごんぐじょうど | ・浄土教の用語で、浄土教思想の基本的特質を表している。 ・現実の世の中は、穢(けが)れた世界であるからこの世界を厭(いと)い離れ、次生において清浄な仏の国土に生まれる事を願い求める事。 ・阿弥陀如来の極楽世界は清浄な国土であるから、そこへの往生を切望すると云う思いが込められている。 ・戦国時代に、徳川家康の馬印に用いられた事で知られる。 ※出典:語源は、寛和元年(985年)に出された源信(平安時代中期の天台宗の僧)の仏教書『往生要集』冒頭の章名に由来する。源信は、『往生要集』大文第一を厭離穢土、第二を欣求浄土とし、この思想を浄土信仰の基本とした。 |
鎧袖一触 | がいしゅういっしょく | ・敵を全く問題にしない事の形容で、簡単に相手を負かしてしまう事。 ・鎧(よろい)の袖(そで)がちょっと触れただけで、敵を打ち負かす事から来ている。 ・「鎧袖」…鎧(よろい)の袖(そで)。 ・「一触」…ほんの少し触れる事。 ※出典:『日本外史』。 ※出典:『永遠の0(ゼロ)』(著者:百田 尚樹)。 |
臥薪嘗胆 | がしんしょうたん | ・復讐の為に耐え忍ぶ事。 ・成功する為に苦労に耐える事。 ・「嘗胆」…苦い肝を嘗(な)める事により、屈辱を忘れない様にすると云う事。 ・「臥薪」…文字通り薪の上で寝る辛さを味わう程の修練を積み、復讐するまで又は成功するまで努力する事。 ※出典:中国の故事成語。紀元前6世紀~紀元前5世紀の呉と越の国家間の戦争に由来する。 |
隔靴掻痒 隔靴掻癢 |
かっかそうよう | ・「靴を隔てて痒(かゆ)きを掻(か)く」(訓読み)。 ・靴を隔てて痒(かゆ)い所をかく様に、思う様にならなくて非常にもどかしい事。 ・「隔靴掻痒の感」(Frustrating)…核心に触れないで、歯痒(はがゆ)い事。 ・「掻」…かく、ひっかく。 ・「痒」…かゆい。「癢」とも書く。 ※類義語:隔靴爬痒(かっかはよう)、隔靴之掻(かっかのそう)、掉棒打星(とうぼうだせい)。 ※対義語:麻姑掻痒(まこそうよう)。 ※出典:『景徳伝灯録』(けいとくでんとうろく)。 |
確固不抜 確乎不抜 |
かっこふばつ | ・意志がしっかりしていて、動揺しない様。 ・「確固」「確乎」…しっかりとしている様。 ・「不抜」…固くて抜けない事。動かせない事。 ※類義語:確乎不動(かっこふどう)、意志堅固(いしけんご)、鉄心石腸(てっしんせきちょう)、鉄腸強胆(てっちょうごうたん)、不昧不落(ふまいふらく)、不落不昧(ふらくふまい)。 ※出典:『易経』(えききょう)。 |
画竜点睛 画龍点睛 |
がりょうてんせい | ・最後に大切な部分を付け加えて、物事を完全に仕上げる事。 ・物事の眼目、中心となる大切な所。 ・完璧なものにする為の最後の仕上げ。 ※解説:中国の南北朝の時代、南朝の梁の張僧ヨウ(ちょうそうよう)と云う画家が、梁の武帝に命ぜられて、都の金陵にある安楽寺の壁に四頭の竜の絵を描いた。最後に竜の目に瞳(睛・ひとみ)を書き入れたら、たちまち雷鳴が鳴り響き、壁が割れて竜が現われ、雲に乗って天へ飛び去った。 ※出典:故事『歴代名画記』(れきだいめいがき)。 |
感恩戴徳 | かんおんたいとく | ・心から有り難く思って感謝感激する様。恩に着て敬愛の念を持つ事。 ・他人から受けた恩や徳に対して深い感謝の念を抱くと云う考え方。 ・「感恩」…恩を感じる。 ・「戴徳」…徳を戴く。 ※類義語:報恩謝徳(ほうおんしゃとく)、報本反始(ほうほんはんし)。 ※出典:言葉の起源は、中国の古典思想や儒教の教えに由来する。 |
艱苦奮闘 | かんくふんとう | ・悩み苦しみながらも力の限り努力する事。 ・艱難辛苦(かんなんしんく)に耐え、刻苦勉励(こっくべんれい)し、奮闘する事。 ・頑張って困難を乗り越える事。 ※類義語:四苦八苦。 |
眼高手低 | がんこうしゅてい | ・批評は優れているが、創作は劣っている。 ・理想は高いが、実力が伴わない。 ・理念に実行が伴わない事。 ・例えば、評論家の創作力が貧弱である事、等。 |
干天の慈雨 | かんてんのじう | ・日照り続きの時に、降る恵みの雨。 ・待ち望んでいた物事の実現。 ・困っている時に、差し伸べられる救いの手に例える。 |
頑迷固陋 頑冥固陋 |
がんめいころう | ・頑固で物事の正しい判断が出来ない。 ・考え方が柔軟でなく道理に暗い事。 ・「頑迷」…頑(かたく)なで、理非を弁(わきま)えない事。「頑冥」とも書く。 ・「固陋」…見聞が狭く、古い事にとらわれる事。 ※類義語:頑冥不霊(がんめいふれい)、固陋頑迷(ころうがんめい)、頑執妄排(がんしゅうもうはい)、頑冥不霊(がんめいふれい)、頑陋至愚(がんろうしぐ)、刻舟求剣(こくしゅうきゅうけん)、冥頑不霊(めいがんふれい)。 |
閑話休題 | かんわきゅうだい | ・無駄話や前置きを打ち切って、話の本題に入る事。 ・本筋からそれている話を元に戻す時に使う言葉。 ・「それはさておき~」と同意。 ・「閑話」…無駄話。 ・「休題」…話を止める事。 ※出典:『水滸伝』(すいこでん)。 |
気宇壮大 | きうそうだい | ・心構えや発想等が並外れて、大きく立派な事。 ・心意気、度量や発想等がとても大きく、立派である様。 ・心が広くて寛大な人の事や、目標や構想のスケールがとても大きい事。 ・「気宇」…宇宙の様に広がる気持ちの大きさ。物事に対する心の持ち方、心構え等、心の広さ、度量。 ・「壮大」…立派で大きい。物事の規模が非常に大きくて、立派な様子。 ※類似語:気宇広大(きうこうだい)、気宇軒昂(きうけんこう)、気宇雄豪(きうゆうごう)、気炎万丈(きえんばんじょう)、幕天席地(ばくてんせきち)、抜山蓋世(ばつざんがいせい)。 |
気魄一閃 | きはくいっせん | ・愚直に真っ直ぐ、力強く立ち向かってゆく精神力の事。 ・「気魄」…力強く立ち向かってゆく精神力。「気迫」とも書く。何ものにも屈せず立ち向かっていく強い精神力。気概。 ・「一閃」…ぴかりと光る事。さっとひらめく事。 |
脚下照顧 照顧脚下 |
きゃっかしょうこ しょうこきゃっか |
・自分の足元をよくよく見よという意。 ・足元に気をつけよの意で、身近な事に気を付けるべき事を云う。 ・他に向かって悟りを追求せず、まず自分の本性を良く見つめよと云う戒めの語から。 ・転じて、他に向かって理屈を云う前に、まず自分の足元を見て自分の事を良く反省すべき事。 ・「脚下」…足元の意。転じて、本来の自分、自分自身。 ・「照顧」…反省し良く考える。よくよく見る意。振り返って良く考える。 ※出典:禅宗の言葉。 |
教学半 | きょうがくはん | ・「教うるは学びの半(なか)ばなり」(訓読み)。 ・人に教えると云う事は、半ば自分自身の学びにもなる。 ・教えると云う行為は、自分自身が学んでいる過程に過ぎない。 ※出典:『礼記』(らいき、著者:孔子)…中国の周から漢の時代に儒学者が纏めたもの。 ・私たちは学んで初めてその足らない事を知り、教えて初めて到らない事を知るものである。そこで自ら振り返り、努めるのだ。 ※出典:『書経』…儒教の「四書五経」の一つ。 |
行住坐臥 行住座臥 |
ぎょうじゅうざが | ・日常の立ち居振る舞い、起居動作。 ・「行」…行く(歩く)事。 ・「住」…止まる事。留まる事。 ・「坐」…座る事。「座」とも書く。 ・「臥」…臥せる(寝る)事。横になる事。 ・この4つが一切の行動の基本になる為、仏教ではこれを「四威儀」(しいぎ)と呼んで、特に規律を定めた。 ※類義語:常住坐臥(じょうじゅうざが)、行屎走尿(こうしそうにょう)。 ※出典:『心地観経』(しんじかんぎょう)。 |
拱手傍観 拱手旁観 |
きょうしゅぼうかん | ・傍(そば)で眺めているだけで何もしない様。 ・手を拱(こまね)いて何もせず、ただ傍(そば)で見ている事。 ・「拱手」…両手を胸の前で組み合わせてお辞儀する中国の古式の敬礼の一つで、これが転じて手を組んで何もしない事を云う。 ・「拱」…「こう」とも読む。 ・「傍」…「旁」とも書く。 ※類義語:袖手傍観(しゅうしゅぼうかん)、座食逸飽(ざしょくいっぽう)、酔生夢死(すいせいむし)、走尸行肉(そうしこうにく)、隔岸観火(かくがんかんか)。 |
虚往実帰 | きょおうじっき | ・「虚にして往(ゆ)き、実(じつ)にして帰る」(訓読み)。 ・学徳のない弟子が、師から多くの教えを授けられる事。 ・先生や師匠等から、無形の感化や徳化を十分に受ける例え。 ・行く時は何も分からずに空っぽの心で行って、帰る時には充実して、十分に満足している意から。 ・「虚往」…空っぽの頭で師の元へ出かける事。 ・「実帰」…充実して帰る、また、十分に満足して帰る事。 ※出典:『荘子』…王駘(おうたい)の門下に学ぶ者は、空っぽの頭で訪ねて行っても、十分に得る所があって帰って来ると云う事から出た言葉。 |
曲学阿世 阿世曲学 |
きょくがくあせい あせいきょくがく |
・学問の真理に背いて時代の好みに阿(おもね)り、世間に気に入られる様な説を唱える事。 ・真理を曲げて、世間や時勢に迎合する言動をする事。 ・「曲学」…真理を曲げた正道に寄らない学問。 ・「阿世」…世に阿(おもね)る意。 ・「阿」…諂(へつら)い阿(おもね)る意。 ※出典:『史記』の「儒林伝」(じゅりんでん)。 |
虚心坦懐 | きょしんたんかい | ・心にわだかまりを持たず、素直でさっぱりした気持ち。 ・無心で平静な心境。 ・偏見がなく、心を開いている事。 ・「虚心」…無心で心にわだかまりがない事。 ・「坦懐」…平でさっぱりしていておおらかな事。 ※類義語:明鏡止水(めいきょうしすい)。 |
毀誉褒貶 | きよほうへん | ・褒(ほ)めたり貶(けな)したりする事。 ・ほめる事とそしる事。 ・人を褒めたり悪口を云ったりする事。 ・「誉」「褒」…ほめる事。 ・「毀」「貶」…そしる事。それぞれ同じ意味の語を2つ重ねて強調している。 ※類義語:雲翻雨覆(うんぽんうふく)、翻雲覆雨(ほんうんふくう)。 |
襟懐闊達 | きんかいかったつ | ・「襟懐」…心の中。胸のうち。 ・「闊達」…度量が広く、小事に拘らない様。 |
金科玉条 | きんかぎょくじょう | ・一番大切にして守っているきまり。 ・重要な法律・規則。拠るべき貴重な法律の意味。 ・視野が狭く、自由な思考が出来ない人の言行を、軽く揶揄する意。 |
金城湯池 | きんじょうとうち | ・守りが非常に固く、攻めるのが難しい城。 ・非常に守りが堅い例え。 ・他から侵略されない極めて堅固な備え。 ・「金城」…金で築いた堅固な城。防衛の堅固な城壁。 ・「湯池」…熱湯を滾(たぎ)らせた堀、熱湯の沸きたぎる濠。 ※類義語:金城鉄壁(きんじょうてっぺき)、堅塞固塁(けんさいこるい)、厳塞要徼(げんさいようきょう)、堅城鉄壁(けんじょうてっぺき)、堅牢堅固(けんろうけんご)、金剛不壊(こんごうふえ)、湯池鉄城(とうちてつじょう)、難攻不落(なんこうふらく)、南山不落(なんざんふらく)、要害堅固(ようがいけんご)。 ※出典:『漢書』(かんじょ)の「蒯通伝」(かいとうでん)。 |
愚公移山 | ぐこういざん | ・「愚公、山を移す」(訓読み) ・何事も根気よく努力を続ければ、最後には成功する事の例え。 ・どんなに困難な事であっても粘り強く努力し続ければ、やがては成就する事。 ・昔、中国に愚公と云う老人がいて、二つの山の北側に住んでいたが、家の出入りに不便なので山を移そうとした。そんな事は無理だと嘲笑する者もいたが、孫やその子の代までかかってもやり遂げると云い、山を崩しては土を運び続けた。天帝(神様)は愚公のひたむきな心に感じ、その山を他の場所に移したと云う説話(故事)から。 ・毛沢東(中国共産党の創立党員、中華人民共和国の初代国家主席)が、1945年6月の演説の中で引用した為、有名になった言葉。 …二つの山を日本と中国国民党政権(孫文が結党、現・台湾)に、愚公を中国共産党に例え、どんなに敵が強力に見えても、我々が山を崩し続ければ、天帝にあたる中国人民は我々を支持してくれるのだと訴えた。 ※類義語:点滴穿石(てんてきせんせき)。 ※出典:『列子』(れっし)の「湯問」(とうもん)…中国の戦国時代の典籍。 …太行山・王屋山が、現在の位置にあるのは、愚公と云う老人が自宅近くのこの山を邪魔に思い、家族総出で山を崩し始めたからだと云うのである。愚公の行為を見ていた智叟(ちそう)と云う人物が、「山を人力で崩せる筈が無い」と批判すると、愚公は「山は増えないから、人間は子々孫々この事業を続ければ、いつかは山を移動出来る」と自信満々に答えた。それを聞いた天帝(神様)が姱娥氏の二人の子に山を背負わせ、これを動かした。 |
君子豹変す | くんしひょうへんす | ・巷では、ころころと態度を変える。 ・君子のはずなのに、以前の信念を改めて、日和見的に意見を変えると云う様に、悪い意味で使われがちな言葉。 ・本来の意味は、豹(ひょう)の毛が季節に合わせて抜け替わり、その斑文が鮮やかになる事から、「君子は時代の変化に合わせて、自分を素早く的確に変えていける」、そこから「君子はたとえ過ちを犯しても、素早く善に立ち戻れる」等の意味も生まれた。 ・「小人(しょうじん)は面(おもて)を革(あらた)む」 …一方、君子でない者、小人も“変われる”が、それは「表面的なもの」に留まると云う。 ※出典:『易経』(えききょう)。 【参考】 ・「大人」…自分の中に孚(ふ、まこと)を持っていて、それで改革する。 ・「君子」…自分の中に孚(ふ、まこと)があるので、大人に協力する。 ・「小人」…周囲の雰囲気や状況に自分を対応させるだけで、それを自分の意志と思っている。善にも悪にも転ぶ。 |
君側の奸 | くんそくのかん | ・君主の側で君主を思うままに動かして操り、悪政を行わせる様な奸臣(悪い家臣・部下)の意味。 ・「君側」…君辺(くんぺん)、主君の側と云う意味。 |
軽挙妄動 | けいきょもうどう | ・深く考えずに、軽々しく行動する事。 ・是非の分別もなく、軽率に行動する事。 ・「軽挙」…軽率な行動の事。 ・「妄動」…分別のない行動の事。「盲動」は誤り。 ※類義語:軽慮浅謀、短慮軽率、軽佻粗暴、付和雷同。 ※対義語:隠忍自重、熟慮断行、思慮分別、泰然自若。 |
経世済民 (中国古典の3テーマの一つ) |
けいせいさいみん | ・「世を経(おさ)め民を済(すく)う」(訓読み)。 ・世の中を良く治めて、人々を苦しみから救う事。また、その様な立派な政治。 ・「経世」…世の中を治める事。 ・「済民」…民衆を救う事。 ・「経済」…「経世済民」の略語。略したのは日本の造語であり、中国に逆輸入されたと云う。"Economy"とは異なり、政治・統治・行政一般を意味する。 ・「孫子」の兵法のもう一つの大原則は、「戦わずして勝つ」事。つまり、外交交渉では、日本人は、その能力が殆ど無いに等しいと云われている。漢民族は、3000年の昔から主義としてやって来た。また、イギリス人も、18世紀から19世紀に掛けての世界戦略の中で、そのノウハウを蓄えて来た。 ・ビジネスの世界では、性悪説流の対応も必要で、それを説いているのが『韓非子』。人間を動かしている動機は、愛情でもなければ思いやりでもない、義理でもないし人情でもない、ただ一つ「利益」であると云う考え方が『韓非子』の全巻を貫く認識である。 ※類義語:「経国済民」(けいこくさいみん)、「救世済民」(きゅうせいさいみん)、「修身済家」(しゅうしんさいけ)。 ※出典:中国の古典に登場する語。 |
軽佻浮薄 | けいちょうふはく | ・軽はずみで、行動がしっかりしていない事。 ・考えが浅く、上すべりで移り気な感じ。 ・「軽佻」…落ち着きがなく、調子にのって行動する事。 ・「浮薄」…浅はかで、軽はずみな事。 ※類義語:軽佻浮華(けいちょうふか)。 |
敬天愛人 | けいてんあいじん | ・「天を敬(うやま)い、人を愛する」(訓読み)。 …私心と己の欲を抑え、謙虚な心で、人のために尽くす。 ・「天を敬(うやま)う」 …自然の道理、人間として正しい道、すなわち天道をもって善しとせよ。 ・「人を愛する」 …己の欲や私心をなくし、“利他”の心をもって生きるべしと云う、万世共通の教え、不変の理(ことわり)。 ※出典:西郷 隆盛(明治の偉人、雅号は、南洲)が好んで書いた四字成句。南洲が艱難辛苦の末に辿り着いた思想を表した言葉。 |
・「天」…釈迦や孔子やキリスト等の神様、自然の摂理、真の知恵と徳の世界。・西郷隆盛は、行動哲学の1つとして儒教、キリスト教の影響を受けて、この「天」と云う大きな世界と向き合う事を常としていた。 ・西郷隆盛が最も嫌ったのは、陰謀や詐術であり、作略は「煩(わずら)い、きっと生じ、事必ず敗れるもの」だから、どんな小さな事でも「事大小と無く、正道を踏み至誠を推し、一事の詐謀用うる可(べ)からず」と説いている。 ※出典:『南洲翁遺訓』(なんしゅうおういくん)…西郷隆盛の遺訓集、西郷隆盛の知恵の書として、庄内藩の藩士達が纏めた書物。遺訓は41条、追加の2条、その他の問答と補遺から成る。「西郷南洲翁遺訓」「西郷南洲遺訓」「大西郷遺訓」等とも。 |
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・「常に公明正大 謙虚な心で 仕事にあたり 天を敬い 人を愛し 仕事を愛し 会社を愛し 国を愛する心」を意味する。 ※京セラの社是、稲盛 和夫(京セラ㈱の創業者・名誉会長)の「フィロソフィ」のルーツと云える言葉。 |
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乾坤一擲 一擲乾坤 |
けんこんいってき いってきけんこん |
・運命を賭けて、大勝負(大博打)をする事。 ・運命を賭けて、伸るか反るかの大勝負をする事。 ・「乾坤」…天と地。 ・「一擲」…サイコロを投げて、天(奇数)が出るか、地(偶数)が出るかを賭ける事の意。 ※類義語:一六勝負(いちろくしょうぶ)、梟盧一擲(きょうろいってき)。 |
剣禅一如 | けんぜんいちにょ | ・剣道の究極の境地は、禅の無念無想の境地と同じであると云う事。 ・剣は生死の間に於て修行し、大死一番の境地に大活するものであり、禅は静思黙考の裡に大悟するものである。 ・何れも生死を超越する所に、窮極においては剣禅全く相共通する一脈がある事を教えている。 ・「一如」…絶対的に同一である真実の姿、と云う意味の仏教用語。 ・「一」…絶対唯一。 ・「如」…真如・如同の意で、一異の差別なく平等である事。 ※類義語:剣禅一致(けんぜんいっち)。 ※出典:沢庵 宗彭(たくあん そうほう)の「不動智神妙録」にある語。 ※思想の源流:沢庵 宗彭(沢庵和尚、臨済宗)、柳生 宗厳(石舟斎、柳生新陰流)、山岡 鉄舟(剣・禅・書の達人)。 【参考】 『永遠の0(ゼロ)』(著者:百田 尚樹)。 |
捲土重来(を期する) | けんどちょうらい(をきする) けんどじゅうらい(をきする) |
・一度戦いに敗れた者が、再び勢いを盛り返して、相手方に攻め込む事。 ・一度敗れたり失敗したりした者が、再び勢いを盛り返して巻き返す事の例え。 ・「捲土」…土煙が巻き上がる事で、勢いの激しい事の例え。「巻」とも書く。 ・「重来」…一度去った者が再びやって来る事。一度静まった土煙が再び巻き上がると云う意から。「重」は「じゅう」とも読む。 ・元は一度敗れた軍が再び勢いを盛り返して攻めて来る事を云った言葉。 ※対義語:一蹶不振(いっけつふしん)。 ※出典:『杜牧』(とぼく)の「烏江亭」(うこうてい)に題(だい)す」(詩)…「羞(はじ)を包み恥を忍ぶは是(これ)男児。江東の子弟、才俊多し。捲土重来、未だ知る可(べ)からず」による。. |
堅忍不抜 | けんにんふばつ | ・意志が堅く、辛い事でもじっと耐え忍んで心を動かさない事。 ・辛く苦しい事があっても我慢して、ひたすら意志を貫く事。 ・「堅忍」…意志が堅く、我慢強い事。 ・「不抜」…堅くて抜けない事。転じて、意志が固く決して揺るがない事。 ※類義語:確乎不抜(かっこふばつ)、志操堅固(しそうけんご)、鉄心石腸(てっしんせきちょう)、鉄腸石心(てっちょうせきしん)、不抜之志(ふばつのこころざし)。 ※出典:『鼂錯論』(ちょうそろん)(著者:蘇軾(そしょく))。 |
眼横鼻直 | げんのうびちょく | ・眼は横に、鼻は縦に、曲がったものは曲がった様に、真っ直ぐなものは真っ直ぐに見える。 ・当たり前の事を当たり前に行う。当たり前の事が当たり前に見える。 …それがとんでもなく難しい事。 ※出典:道元禅師の言葉。 |
権謀術数 | けんぼうじゅっすう | ・人を欺(あざむ)く為の謀(はかりごと)、企(たくら)み。様々な計略。 ・主に社会や組織等の集団において物事を利己的な方向へ導き、自身の地位や評価を高める為に取られる手段や技法、及びそれが用いられる様を表す総称。 ・会話上のテクニックや気遣い等の小さなもののみならず、時に賄賂や恐喝、暗殺等の直接的な手段も含む。 ・「権謀」…「権変(臨機応変)の策謀」の略で、その場に応じた策略、謀略の事。 ・「術数」…謀(はかりごと)、企(たくら)みの意。 ・「権」は権力、「謀」は謀略、「術」は技法、「数」は計算を意味するとされる。 ※類義語:権謀術策(けんぼうじゅっさく)。 ※出典:『大学章句序』(だいがくしょうくじょ)(著者:朱熹(しゅき))。 |
光陰如箭 | こういんじょぜん | ・「光陰矢の如し」(訓読み) ・年月や月日が経つのが早い事。 ・長い時間が矢の様に通り過ぎてしまうと云う意。 ・「光陰」…太陽と月の事から、月日や歳月の時間の事。 ・「箭」…矢の事。 ・「矢の如し」…飛ぶ矢の様に早い事。 ※類義語:烏兎怱怱(うとそうそう)、光陰流水(こういんりゅうすい)、歳月不待(さいげつふたい)、兎走烏飛(とそううひ)、露往霜来(ろおうそうらい)、日月如梭。 ※出典:『禅門諸祖師偈頌』(ぜんもんしょそしげじゅ)…五老峰の子昇と如祐が集録し、三山開元寺の道永が増補。 |
傲岸不遜 倣岸不遜 |
ごうがんふそん | ・自分を偉い人間だと見て、めったに人に頭を下げない。 ・思い上って、相手を見下した態度を取る事(様子)。 ・「傲岸」…驕(おご)り高ぶる様。「倣岸」とも書く。 ・「不遜」…思い上がって謙(へりくだ)らない事。同じ意味の語を並べて強調したもの。 ※類義語:倣岸不屈(ごうがんふくつ)、倣岸無礼(ごうがんぶれい)、傲慢不羈(ごうまんふき)、傲慢不遜(ごうまんふそん)、高慢無礼(こうまんぶれい)、傲慢無礼(ごうまんぶれい)、傲慢磊落(ごうまんらいらく)、尊大不遜(そんだいふそん)、無礼傲慢(ぶれいごうまん)。 ※対義語:温厚篤実(おんこうとくじつ)、平身低頭(へいしんていとう)、平伏叩頭(へいふくこうとう)。 |
厚顔無恥 無恥厚顔 |
こうがんむち むちこうがん |
・厚かましく、恥知らずな様。 ・他人の迷惑等構わずに、自分の都合や思惑だけで行動する事。 ・「厚顔」…厚かましい事。図々しい様。面の皮が厚い事。 ・「無恥」…恥を恥と思わない事。恥知らずな人の事を「無恥な人」等と云う。 ※類義語:寡廉鮮恥(かれんせんち)。 ※出典:『文選』(もんぜん)(著者:孔稚珪(こうちけい))の「北山移文」(ほくざんいぶん)。 |
傲岸無類 | ごうがんむるい | ・他に比べるものが無い程、傲慢に威張っている事。 ・「傲岸」…驕(おご)り高ぶって、威張っている事。謙(へりくだ)る所のない事。傲岸不遜(ごうがんふそん)。 ・「無類」…類(たぐい)がない事。比べるものが無い程に優れている事。無比。無双。 |
巧言令色(鮮し仁) | こうげんれいしょく(すくなしじん) | ・口先だけで上手い事を云ったり、上辺だけ愛想良く取り繕ったりして、人に媚び諂う(こびへつらう)様。 ・巧みな言葉を用い、表情を取り繕って人に気に入られ様とする者には、人を思いやる心が欠けていると云う意味。 ・「巧言」…相手が気に入る様に巧みに飾られた言葉。心にも無い口先だけのお世辞。 ・「令」…良い意。 ・「令色」…愛想良く取り繕った顔色。人の機嫌を取る様な顔色をする事。媚び諂う(こびへつらう)様な顔色の事。 ・「仁」…思いやりの心。 ・「鮮し仁」…思いやりの心が足りない。 【原文・白文】 「子曰、巧言令色、鮮矣仁」 【原文読み・書き下し文】 「子曰く、巧言令色、鮮(すく)なし仁」 【現代語訳】 ・先生(孔子)は仰いました。「人に気に入られる様に、口先で上手い事だけ云って中身が伴わない人間には、思いやりの心が無いものです。」と。 ※対義語:剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、質実剛健(しつじつごうけん)。 ※出典:『論語』の「学而(がくじ)第一」(3番目)。 |
行不由径 | こうふゆけい | ・「行くに径(こみち)に由(よ)らず」(訓読み)。 ・小道の近道をせず、回り道でも大道を歩め、と云う意味。 ・道を行くのに小道や裏道を通らず、堂々と表通りの大道を行く事。 ・行いの公明正大な例え。事を行うのに、その場しのぎの手段を講じたり、浅い考えの策を用いたりせず、正々堂々と真正面から取り組む事。 ・「径」…小道、近道、抜け道の意。 ※出典:『論語』の「雍也(ようや)第六」…歩くには近道を通らず、公務でない限り、長官の部屋を訪れないと云う人物・澹台滅明(たんだいめつめい)を、孔子の弟子・子游(しゆう)が評価した事による。 ※出典:八城 政基(やしろ まさもと)…元新生銀行取締役会長。 |
豪放磊落 | ごうほうらいらく | ・度量が大きく快活で、些細(ささい)な事に拘らない事。 ・度量が広く大胆で(気持ちが大らかで)、小さな事に拘らない様。 ・「豪放」も「磊落」もほぼ同じ意味。 ※対義語:小心翼翼(しょうしんよくよく)。 ※出典:『文選』(もんぜん)(著者:孔稚珪(こうちけい))の「北山移文」(ほくざんいぶん)。 |
孤影悄然 孤影蕭然 |
こえいしょうぜん | ・一人ぼっちで、寂しそうな様子。 ・しょんぼりして、元気がない様。 ・「孤影」…寂しそうに見えるただ1人の姿の意。 ・「悄然」…元気のない様、憂える様の意。「蕭然」とも書く。 |
刻石流水 | こくせきりゅうすい | ・受けた恩は石に刻み、懸けた情は水に流せ。懸けた情は水に流し、受けた恩は石に刻め。 ・人から受けた恩は心の石に刻み込み、人に施した事は水に流すと云う事。 ・人から受けた恩は、その人に返すのみならず、より多くの人に施す事。そして自分が施した事は、その瞬間に忘れる事。 ※出典:『懸情流水 受恩刻石』…仏教経典。 ・「情を懸けしは、水に流し、恩を受けしは、石に刻むべし」 …人から受けた恩は、その人に返すのみならず、より多くの人に施す事。そして自分が施した事は、その瞬間に忘れる事。 (2019/08/11(日)) |
古色蒼然 | こしょくそうぜん | ・ひどく古びた様、いかにも古めかしい様。 ・長い年月を経て、見るからに古めかしく趣のある様。 ・「古色」…年を経た物の古びた色合い。古風な趣。 ・「蒼然」…古びた色あせて見える様。 ※類義語:古色古香(こしょくここう)。 |
五体投地 | ごたいとうち | ・五体、即ち両手・両膝・額を地面に投げ伏して、仏や高僧等を礼拝する事。 ・仏教において最も丁寧な礼拝方法の一つとされ、対象への絶対的な帰依を表す。 ※類義語:挙体投地(きょたいとうち)、五輪投地(ごりんとうち)。 |
刻苦勉励 | こっくべんれい | ・只管(ひたすら)努力を重ね、苦労して勉学や仕事に励む事。 ・「刻苦」…身を刻む様に力を尽くし、心を労する事。 ・「勉励」…努め、励む事。 ※類義語:刻苦精励(こっくせいれい)、刻苦精進(こっくしょうじん)、彫心鏤骨(ちょうしんるこつ)、粉骨砕身(ふんこつさいしん)、粒粒辛苦(りゅうりゅうしんく)。 |
財散人聚 | ざいさんじんじゅ | ・富を分散させれば、人が集まる。 ※対義語:財聚人散(ざんじゅじんさん)。 ※関連語:人散財散(じんさんざいさん)、人聚財聚(じんじゅざんじゅ)。 ※出典:中国の古くからの言い回し。 |
三思後行 | さんしこうこう | ・「三たび思いて後に行う」(訓読み)。 ・物事を行う時、熟慮した後、初めて実行する事。 ・元は、余りに慎重になり過ぎると断行出来ず、また、別の迷いを生ずるのを戒める言葉であったが、今では一般に軽はずみな行いを戒める語として用いられる。 ・古代中国の春秋時代、魯国の家老の季文子(きぶんし)は、極めて慎重な性格で、三度考えた上で、初めて行動する人であったが、孔子はこれを聞いて、「二度考えればそれで十分ではないか」と云った故事が由来。 ・「思」…思い考える、熟慮する意。 ※類義語:千思万考(せんしばんこう)、熟思黙想(じゅくしもくそう)。 ※出典:『論語』の「公冶長」(こうやちょう)。 |
自家撞着 | じかどうちゃく | ・同じ人の言動や文章等が前後で矛盾している事。 ・自分で自分の言行に反する事。 ・「自家」…自分、自分自身の事。 ・「撞着」…突き当たる事。矛盾する事。辻褄が合わない事。「とうちゃく」「どうじゃく」とも読む。「着」は「著」とも書く。 ※出典:『禅林類聚』(ぜんりんるいじゅう)の「看経門」(かんきんもん)。 ※類義語:自己撞着(じこどうちゃく)、自己矛盾(じこむじゅん)、矛盾撞着(むじゅんどうちゃく)。 |
只管打座 只管打坐 祇管打坐 |
しかんたざ | ・余念を交えず、ただ只管(ひたすら)に座禅する事。 ・自分の精神を集中させる。 ・「只管」…ただひたすら。ただ一筋に一つの事に専念する事。 ・「打座」…座る事。仏教で、座禅する事。 ・「只管打坐」「祇管打坐」とも書く。 ※類義語:一心精進(いっしんしょうじん)、帰命頂礼(きみょうちょうらい)、精進勇猛(しょうじんゆうもう)、大死一番(だいしいちばん)、勇猛精進(ゆうもうしょうじん)。 ※出典:『正法眼蔵随聞記』(しょうぼうげんぞうずいもんき)。 |
直心是道場 | じきしんこれどうじょう | ・素直な心を持っていれば、色々なものが見えて来るものである。 ・素直な心と云うグラウンドが、あらゆる成長や前進の原点になる。 ※出典:『維摩経』(ゆいまきょう)…別名:『不可思議解脱経』(ふかしぎげだつきょう)、大乗仏教経典の一つ。 |
※ラテン語:「ポル・ボノ・ピュブリコ」 ※英語:"for good public"(自分以外の誰かの為に役立ちたいと云う思い) ※出典:川島 隆明(大新東㈱の会長)。 |
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爾今生涯 | じこんしょうがい | ・この節目からが本当の人生。人間どこで区切っても、そこが出発点と云う事。 ・人間は、自分が始めようと思った時から、何時でもやり直せる。 ・時間と云う区切りに捉われず、未来を自ら切り開く勇気を持つ事。 |
実践躬行 躬行実践 |
じっせんきゅうこう きゅうこうじっせん |
・理論や信条等を自ら進んで行為に表していく事。 ・身をもって実際に行う事。口先だけではいけない、先ず行動せよの意。 ・「躬」…自ら、自分での意。 ・「躬行」…自ら行う事。 ・「実践」…実地にやってみる事。 ※類義語:率先躬行(そっせんきゅうこう)、率先垂範(そっせんすいはん)、率先励行(そっせんれいこう)。 |
櫛風沐雨 沐雨櫛風 |
しっぷうもくう もくうしっぷう |
・「風に櫛(くしけず)り雨に沐(かみあら)う」(訓読み)。 ・風で髪をすき、雨で身体を洗うの意。 ・風雨にさらされながら苦労する事。また、世の中の様々な辛苦にさらされる事の例え。 ・「櫛風」…風で髪をとかす事。風を櫛の代わりに髪をとく事。 ・「沐雨」…雨で身体を洗う事。 ※類義語:櫛風浴雨(しっぷうよくう)、風鬟雨鬢(ふうかんうびん)、風櫛雨沐(ふうしつうもく)。 ※出典:『荘子』の「天下篇」(雑篇)、『晋書』(しんじょ)の「文帝紀」。 ※『仇討三態』その二(作者:菊池寛)…「三十年間の櫛風沐雨で、銅(あかがね)のように焼け爛(ただ)れた幸太郎の双頬(そうきょう)を、大粒の涙が、ほろりほろりと流れた。」(青空文庫) |
修己治人 (中国古典の3テーマの一つ) |
しゅうこちじん | ・「己(おのれ)を修(おさ)めて人(ひと)を治(おさ)む」(訓読み)。 ・自分を修養して徳を積み、世を治めていく事。 ・自分の修養に励んで徳を積み、その徳で人々を感化して、世を正しく治める事を云い、儒教の根本思想。 ・能力と人格の徳の両面に亘って自分を磨く事で、それによって初めて「人を治む」、つまり人の上に立つ資格が得られる。能力があると思っていても徳がなければ人の上には立てない。云わばリーダーの条件を云う。 ・あらゆる中国古典がその方法論を説いているが、中でも『論語』『孟子』がその代表格。 ・『論語』では、孔子が期待される人間像として最も重視していたのが「仁」であり、仁とは一言で云えば、自分に対しても他人に対しても誠実な生き方をするウォームハートを表す。 ・その徳の中で「勇」は、情勢が不利と見極めたら、潔く撤退する事が本当の「勇」であり、中国流では前進するのと同じくらい撤退を常に考えている。 ※出典:『大学章句序』(だいがくしょうくじょ)(著者:朱熹(しゅき)…中国の南宋時代の儒学者)。 ※『孟子』:「天下の本は国、国の本は家、家の本は一身にある」。 ※『大学』:「心正しくして身は修まり、身が修まれば家が治まり、国が治まり、そして天下は平らかになる」。 |
秋霜烈日 | しゅうそうれつじつ | ・秋の冷たい霜や、夏の強い日差しの様な気候の厳しさの事。 ・刑罰・権威・志操・節操・意志等が極めて厳しく、また、厳かである事の例え。 ・秋の冷たい霜と、真夏の太陽(烈(はげ)しい日)は、どちらも草木を枯らす程厳しい事から。 ・検察官の記章の通称。また、そのデザイン。太陽の四方を菊の白い花弁と金色の葉が取り巻くもので、これを烈日と霜に見立てる。 ※類義語:志操堅固(しそうけんご)。 |
守破離 | しゅ・は・り | ・習い事は、まず模範をことごとく模倣し(守)、不必要と思うところを捨て(破)、独自の物を作る(離)と云ったプロセスを踏むべきである。 ・「守」…茶道や武道(剣道等)の修行の過程を云い、師匠に付き修行を重ね、技量を研鑚し極める。 ・「破」…稽古に励み、師匠の域より育つ。 ・「離」…自分自身の技量を見定め、自身の新たな修行に励む。 ※出典:『利休百首』(著者:千 利休)の最終歌…「規矩作法守りつくして破るとも離るヽとても本を忘るな」。 |
蓴羹鱸膾 | じゅんこうろかい | ・故郷を懐かしく、思い慕う情の事。 ・「蓴」…「じゅん」、「ぬなわ」(沼縄)と読む。 ・「羹」…「けん」・「かん」、「あつもの」と読む。熱物、吸い物、中国料理で熱い汁物。 ・「蓴羹」…蓴菜(じゅんさい)の吸い物。 ・「鱸」…「すずき」と読む。魚の「すずき」の事。 ・「膾」…「なます」と読む。「なます料理」の事。 ・「鱸膾」…鱸(すずき)の膾(なます)の意。 ※出典:『晋書』(しんじょ)の「張翰伝」(ちょうかんでん)…中国・晋の張翰(ちょうかん)が、故郷の料理である蓴菜の吸い物と鱸の膾の美味しさに引かれる余り、官を辞して帰郷した故事から。 ・「採蓴」(さいじゅん)…「じゅんさい」を採る事。 ・「蓴生う」(ぬなわおう)…春になって、「じゅんさい」の新しい芽が生える事。 ・「軽羹」(かるかん)…鹿児島県をはじめとする九州特産の和菓子。 |
・「羹(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)を吹(ふ)く」(訓読み)。 ・失敗に懲りた余り、用心深くなり過ぎる事の例え。 ・一度仕出かした失敗に懲りて、必要以上の用心をする事。 ・熱い吸い物(スープ)を飲んで火傷(やけど)してしまった人が、その失敗に懲りて、冷たい膾(なます)や韲物(あえもの)の様な冷たい料理を食べる時にも、必要もないのにフーフーと吹いて冷ます様にしてから食べると云う意味。 ※英語:"A burnt child dreads the fire."(火傷した子供はひどく火を恐れる) ※出典:『楚辞』(そじ)…中国・楚の屈原(くつげん、詩人)が作った詩の中の言葉。 |
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春風駘蕩 | しゅんぷうたいとう | ・春風がのどかに吹く様。 ・物事に動じないで余裕のある様。ゆったりとのんびりしている様。 ・何事もなく平穏な事や、人の態度や性格がのんびりしていて温和な事。 ・「春風」…春の穏やかな風。 ・「駘蕩」…のんびりと落ち着いている様子。 ※類義語:春日遅遅(しゅんじつちち)。 |
上虚下実 | じょうきょかじつ | ・上半身の力が抜けていて、下半身が充実している事。 ・気の持ち方・気の状態の事で、上半身から気を抜いて、臍下丹田に気を満たした状態を云う。 …この状態が一番安定している。いざと云う時に直ぐ動き出せる姿勢の気のあり方。 ・「虚」…余分な力が抜けていて、緩んでいる事。 ・「実」…力がそこに集まっていて、張りがある事。 ※類義語:虚心実腹(きょしんじつふく)。 ・虚心の「心」…心窩部、所謂「みぞおち」の辺りの事。 ・実腹の「腹」…下腹部、所謂「臍下丹田」の位置。 |
縄鋸木断 水滴石穿 | じょうきょぼくだん すいてきせきせん | ・縄も鋸(のこぎり)の様に木を断つ事が出来、水滴も石を穿(うが)つ事が出来る。道を学ぶ者は、この様に努力を続ける心掛けが必要である。 …縄の摩擦でも時間を掛ければ木を切る事が出来る。僅かな水滴でも同じ所に落ち続ければ石に穴を開ける。 【原文・白文】 ・「繩鋸木断、水滴石穿。学道者須加力索。水到渠成、瓜熟蔕落。得道者一任天機」 【原文読み・書き下し文】 ・「繩鋸(じょうきょ)に木(き)断(た)ち、水滴(すいてき)石(いし)を穿(うが)つ。道(みち)を学(まな)ぶ者(もの)、須(すべか)らく力索(りきさく)を加(くわ)う。水到(すいち)に渠(みぞ)成(な)り、瓜熟(きゅうじゅく)蔕(へた)を落(おと)つ。道(みち)を得(う)る者(もの)、一(ひとえ)に天機(てんき)に任(まか)す」 …井戸の“つるべ”は長年に亘り木枠を擦っていると木が切られた様になり、水滴も長年同じ所に落ちれば石にも穴を開ける。道を究め様と学ぶ者は、皆その様に努力をしなければならない。水が流れて来れば溝が出来、瓜が熟せば蔕まで落ちる。悟りを開こうとする者は、ひたすら大自然の在り方に任せるのが良い。つまり、大自然の原則が「継続」なのだから、自然に任せると云う事は「継続は悟りの命」と云っている。換言すれば、達人とは、特別な事が出来る人ではなく、ひたすら、大自然の法則に従い、大自然の原理原則に任せて生きている人であると云える。 ※出典:『菜根譚』(さいこんたん)の「後集109項」…『鶴林玉露』(かくりんぎょくろ、著者:羅大経(らたいけい)…南宋時代)を引用したもの。 ※類義語:雨垂れ石を穿つ、点滴石を穿つ(点滴穿石)…出典:『漢書』の「枚乗伝」(ばいじょうでん)。 |
常在戦場 | じょうざいせんじょう | ・直訳すると、常に戦場にある心を持って事にあたれ、と云う意味。 ・戦場にいる心構えで事に当たれ、戦場にいる心構えや気持ちで物事に当たれ、と云う武士の心得を例えた言葉。 ・常日頃から自分の身が戦場にある様に、緊張を持って気を緩めず物事に取り組め、と云う意味。 ※類義語:いざは常、常はいざなり。 ※出典:越後国長岡藩(現在の新潟県長岡市)の藩主・牧野氏の家風(家訓)。長岡藩祖で初代藩主・牧野忠成は徳川十七将の武将。 ・長岡藩の軍事総督・河井継之助(上席家老)や、連合艦隊司令長官の山本五十六、等が自身の心得として「常在戦場」を使った事から、「常に気を緩めず事に当たる事が大切である」と云う意味で広く使われる様になった。 ・長岡藩の文武総督・小林虎三郎の「米百俵の精神」(百俵の米も、食えばたちまちなくなるが、教育にあてれば明日の一万、百万俵となる)も、根っこはこの「常在戦場」の精神から来ている。 (2019/05/22(水)) |
初発心時 便成正覚 | しょほっしんじ べんじょうしょうがく | ・「初発心の時(初め心を発する時)、便(すなわ)ち正覚(正しいさとり)を成す」(訓読み)。 ・初めてさとりを求めようと云う心を発したその時、すでに仏のさとりが完成されている。 ・初めて物事をやろうとした時が、即ち正しい覚(さと)りの気持ちに等しくなる。 ※パングラデシュ マハムニ村 山本 成尊(じょうそん)(36歳)、2014/08/15 TV。 ・「発心」…「発菩提心」(ほつぼだいしん)の略で、仏道を修行して悟りの彼岸へ渡りたいと云う願心を持つ事。 ・「初発心」…決心したその時の事。 ・「正覚」…悟りに到達する事。 ※出典:『華厳経』(お経)の「梵行品」…「初発心の時、便ち正覚を成ず。所有の慧身、他に由って悟らず。清浄妙法身、湛然にして一切に応ず」。 |
松老雲閑 | しょうろううんかん | ・「松老い雲閑(しず)かなり」(訓読み)。 ・「松老雲閑 曠然自適」(しょうろううんかん こうねんじてき)…松老い雲閑かにして、曠然として自適す。何にも縛られる事も無い自然の中で暮らす、老僧の日々の営みを表している言葉。 ・「曠然」…広くて何も無い様。広々として、蟠(わだかま)りの無い事(『新版 禅学大辞典』より)。 ・「曠然」…広々とした様で、大自然の大らかな中に佇みて気宇(きう)広き心境。 ・「自適」…自らの心の赴くまま、のんびりゆったりとした心境。 ・「松老雲閒 曠然自適」(しょうろううんかん こうねんじてき)…「老いた松の如く、閒(ひそ)かに流れる雲の如き心境で、大らかに心に任せて悠々と生きる事。無爲閑道人の妙境界」(柴山全慶編『禅林句集』より)。老いたる松は、些細な事にはジタバタせず堂々と根を張る立ち姿は、悟りきった様に見えるではないか。そうして流るる雲の様に風に任せ、自然に任せ悠々と心閑かにいる。 ※出典:『臨済録』序。臨済義玄禅師が自らの禅法を後継者へ伝え終えて隠居し、その時の心境を述べた言葉。 |
仁者不憂 勇者不懼 | じんしゃふゆう ゆうしゃふく | ・「仁者(じんしゃ)は憂(うれ)えず、勇者は懼(おそ)れず」(訓読み)。 …徳の高い者は心配せず、勇敢な者は恐れない。 ※出展:『論語』の「子罕(しかん)篇第九」と「憲問(けんもん)篇」。 ※出展:テレビ東京 「コッソンビ 二花院の秘密」の第14話(2025/04/23(水)放送)。 ・『子曰、知者不惑、仁者不憂、勇者不懼』 ・「子曰(しい)わく、知者は惑(まど)えず、仁者(じんしゃ)は憂(うれ)えず、勇者は懼(おそ)れず」(訓読み)。 …知者は、道理が明らかだから迷わない。仁者は、道理に従い私欲が無いから心配する事が無い。勇者は、志気が盛んで決断出来るから尻込みしない。 ・「知者」(ちしゃ)…正しい知識や見識を持つ人。 ・「惑わず」(まどわず)…判断に迷わない。 ・「仁者」(じんしゃ)…正しい行いを心掛けている人。 ・「憂えず」(うれえず)…心配になる事は無い。 ・「勇者」(ようしゃ)…勇敢な信念や明確な正しい目標を持つ人。 ・「懼れず」(おそれず)…恐れない。 |
針小棒大 | しんしょうぼうだい | ・針程の小さなものについて棒の様に大きく云う。 ・物事を大げさに云う事。 ・小さい事柄を大げさに誇張して云い立てる事。 |
身土不二 | しんどふじ | ・人間は環境の力で生まれたものであり、生まれたからにはその近くの環境の中に、必ずこれを養う食物が恵まれているし、病気になった場合も、その身近な所に、必ずこれを治す薬が備わっていると云う考え方。 ※出典:漢方のバックボーンを成している自然法則の理念。 |
人品骨柄 | じんぴんこつがら | ・人柄や品格、人の性質や考え方、振る舞い等。 ・見た目で、人は判断される場合がある。見た目や言動、立ち居振る舞いが大事である事が分かる言葉。 ・「人品」…人柄、品性、人格の意。人は横から見た人の象形。品は口+口+口の会意文字。口は器物の象形。とりどりの個性を持つ品の意。 ・「骨柄」…骨組や人相等から感じられる人柄、人品、風采の意。「こつがら」が「ことがら」と訛って「事柄」になったと云う。骨は咼の口のない文字(ほねの象形)+月(肉)の会意文字。肉体の核となっている骨の意。柄は木+丙の形声文字。音符の丙は、張り出すの意。道具の張り出した所、取っ手・えの意。がら、なり、体格の意もある。 ※類義語:品格、品性、人柄、器、品、性。 |
深謀遠慮 | しんぼうえんりょ | ・将来の事まで良く考え、計画を立てる事。また、その様な謀(はかりごと)。 ・深く考えを巡らし、後々の遠い先の事まで見通した周到綿密な計画を立てる事。また、その計画。 ・「深謀」…奥深い見通しを持った謀(はかりごと)・考え。 ・「遠慮」…ここは将来について考え巡らす、遠く先の事を慮(おもんぱか)る、よくよく考える意。 ※類義語:遠謀深慮(えんぼうしんりょ)、深慮遠謀(しんりょえんぼう)。 ※出典:『文選』(もんぜん)(著者:賈誼(かぎ))の「過秦論」(かしんろん)。 ・賈誼(かぎ)…中国の前漢時代の学者、政治家。 ・過秦論(かしんろん)…秦の国が法律だけで統治した為、二代で滅亡した事を批判する考え方。 |
随所作主 立処皆真 | ずいしょさくしゅ りっしょかいしん | ・「随所(ずいしょ)に主と作(な)れば、立つ処(ところ)皆(みな)真なり」(訓読み)。 …いつ、どんな所に置かれても、常に主体性を失わず、自分自身の本分を尽くして事に臨めば、自分の立っている世界が全て真実のものとして開かれてゆく、との意。 ・「随所作主」 …自分らしくいられれば、どんな変化にも対応出来る。禅は、主体的に生きる事の大切さを説いている。 ※出典:臨済義玄禅師(中国の禅の巨匠)の言葉。 ※臨済 義玄(りんざい ぎげん)…中国唐時代の禅僧で臨済宗の開祖、諡号(おくりごう、しごう、戒名の事):慧照(けいしょう)禅師。 |
青雲之志 | せいうんのこころざし | ・徳を磨いて、立派な人物になろうとする心。 ・功名を立て、立身出世をしようとする心。 ・「青雲」…雲の上の青い空を意味し、高位・高官、立身出世の事を云う。 ※類義語:凌雲(りょううん)之志、鴻鵠(こうこく)之志、風雲(ふううん)之志。 ※出典:『滕王閣序』(とうおうかくのじょ)(著者:王勃(おうぼつの)…中国の初唐時代の詩人)の「窮しては且に益堅ならんとして、青雲の志を落とさず」(貧乏していてもその志は益々高く、高位高官を得たいと云う志を失わない様にするの意味)に基づく。 |
臍下丹田 | せいかたんでん | ・臍(へそ)のすぐ下辺りの所。 ・漢方医学では、ここに意識を集中して力を集めれば、健康を保ち勇気が湧いて来ると云う。 ・「臍下」…臍(へそ)の下。 ・「丹田」…臍(へそ)の下辺りの意。また、ここを「下丹田」とも。 ※出典:『黄庭経』(こうていきょう)。 |
晴耕雨読 | せいこううどく | ・晴れた日には田畑を耕し、雨の日には家で読書する事。 ・世間の煩わしさを離れて自由気ままに暮らす事で、悠々自適として自然のままに生きる様を云う。 ・晴れた日は外で活動し、雨ならば内にて活動する人間本来の姿を示す。 ・体を使って汗を流せる喜びと、頭を使える楽しみは、人間にとって理想とした生活である。 |
生殺与奪 殺生与奪 |
せいさつよだつ せっしょうよだつ |
・相手を生かすも殺すも、物を与える事も奪う事も自分の思いままである事。 ・他のものを自由自在に支配する事の例え。 ・絶対的な権力を握っている意で、「生殺与奪の権利」と云う形で用いる事が多い。 ※類義語:活殺自在(かっさつじざい)。 ※生殺与奪の権利…ある特定の人物に対する社会学的に「生かす」か「殺す」権利を掌握している人物が行使する影響力の事。 ※出典:『荀子』(じゅんし)の「王制」(おうせい)。 |
生々流転 | せいせいるてん | ・全ての物は絶えず変化していると云う事。 ・万物は永遠に生死の間を巡り(生死を繰り返し)、絶えず変化し移り変わってゆく事。 ・『生々流転』は、大気中の水蒸気から出来た1粒の水滴が川をなし海へ注ぎ、やがて龍となり天へ昇ると云う水の一生を、40メートルにもおよぶ大変長い画面に水墨で描いた「横山 大観」(55歳)の作品。 |
碩学泰斗 | せきがくたいと | ・「碩学」…修めた学問の広く深い事。また、その人。 ・「泰斗」…「泰山(たいざん)北斗(ほくと)」の略で、その道で最も権威のある人。大家、第一人者。 ・「泰山北斗」(たいざんほくと)…その道で大家として仰ぎ尊ばれる人。また、学問・芸術等ある分野の権威・第一人者の例え。 |
切磋琢磨 切瑳琢磨 |
せっさたくま | ・学問や人徳をより一層磨き上げる事。 ・学問をし、徳を修める為に、努力に努力を重ねる事。 ・友人同士が互いに励まし合い競争し合って、共に向上する事。 ・同じ志を持つ者同士が、互いに競い向上し合う事。 ・「切」…獣の骨や角等を切り刻む事。骨の加工。 ・「磋」…玉や角を磨く。象牙の加工。「瑳」とも書く。 ・「琢」…玉や石をのみで削って形を整える。玉の加工。 ・「磨」…石をすり磨く意。石の加工。 【原文・白文】 ・「如切 如磋 如琢 如磨」 【原文読み・書き下し文】 「切するが如く、磋するが如く、琢するが如く、磨するが如し」 ・骨は切り、象牙は磋(と)ぎ、玉は琢(う)ち、石は磨く、といった精細な加工を施す事。 …学問や修養によって自分を磨き上げる事。学問や修練によって自らを向上させる事。 ・「切するが如く磋するが如しとは学ぶを云ふなり、琢するが如く磨するが如しとは自ら修むるなり」 …学ぶだけでは表面的であり、それを自らに修めてこそ人の修養が成る事を説く。 ・「切磋」(せっさ)…象牙等を切り出し削る事。 ・「琢磨」(たくま)…玉や石を打ち叩き磨く事。 ・「切琢」(せったく)…整形する事。 ・「磋磨」(さま)…仕上げの磨きの事。 ※出典:『詩経』の「衛風・淇奥」(えいふう・きいく)。 |
切歯扼腕 | せっしやくわん | ・歯軋(はぎし)りをし、腕を握りしめて悔しがる事。 ・激しく怒ったり、悔しがったりする事。 ・これ以上、事態は黙過出来ない等と、或いは憤慨し或いは慨嘆して、無力な立場にあるもどかしさを訴える事。 ・「切歯」…歯をくいしばる、歯軋(はぎし)りをする意。 ・「扼腕」…腕を握りしめる意。 ※類義語:切歯腐心(せっしふしん)、残念無念(ざんねんむねん)。 ※出典:『史記』の「張儀伝」(ちょうぎでん)。 |
先義後利 | せんぎこうり | ・「義を先にして利を後にす」(訓読み)。 ・道義を優先させ、利益を後回しにする事。 ・「義」…人として当然あるべき道の意。 ・「利」…利益の事。 ※出典:『栄辱編』(著者:荀子(じゅんし)…中国の儒学の祖の一人)の「先義而後利者栄」(義を先にして利を後にする者は栄える)。 ※引用:大丸創業者の下村彦右衛門が事業の根本理念として掲げた言葉。 |
潜時有意 | せんじゆうい | ・スランプに入ったら、まず悪ければ悪いなりに安定させ、その後の回復をはかる様にする。そして、スランプの間に学ぶ。 ・生命掛けでやるつもりになり、それを実行する小さな勇気を持ちうるなら、未来に光明はある。何故なら、生命掛けの勇気を持って行えば、人は胆力を養う事に成功し、ハラが座っていれば、見えないものも見えて来るから。 ※出典:『大空のサムライ・完結編』(著者:坂井 三郎、高城 肇)。 |
禅譲放伐 | ぜんじょうほうばつ | ・古代中国の王朝交代の思想で、二つの形式・方法の事。 ①「禅譲」(ぜんじょう) ・前王朝から譲りを受けて、平和的に新王朝が成立する事。 ・君主が天命を受けたとされる有徳者に、平和的に政権を譲り渡す事。 ・天子がその位を、国家指導者として徳のある人物に譲る事。 ・(例)尭(ぎょう)・舜(しゅん)・禹(う)の交代。 ・太古には理想の禅譲が行われていたが、後には帝位を奪い取る際に、形ばかり禅譲の形を取る事も行われた。 ②「放伐」(ほうばつ) ・前王朝を武力で倒して、実力で王朝交替を実現する事。 ・悪逆で帝位に相応しくない暴君を、有徳の人物が討伐して位を奪う事。 ・徳のない天子を、武力をもって放逐する事。 ・(例)夏(か)・殷(いん)・周(しゅう)の交代。 ※出典『孟子』の「梁恵王(りょうけいおう)下」。 |
先憂後楽 | せんゆうこうらく | ・人に先だって憂い、人より後で楽しむ。 ・常に民に先立って国の事を心配し、民が楽しんだ後に自分が楽しむ事。 ・優れた為政者は、心配事については世の人が未だ気付かない内からそれを心に留めて色々処置をし、楽しみは世の人の楽しむのを見届けた後に楽しむ(政治家の心掛けを表した語)。 ・国家の安危(あんき)については人より先に心配し、楽しむのは人より遅れて楽しむ事。 ・志士や仁者等、立派な人の国家に対する心掛けを述べた語。 ・「憂」…心配する事。 ※類義語:先難後獲(せんなんこうかく)。 ※英語:"hardship now, pleasure later." ※出典:『岳陽楼記』(がくようろうき、著者:笵仲淹(はんちゅうえん))の「先(二)天下之憂(一)而憂、後(二)天下之楽(一)而楽」(天下の憂いに先んじて憂い、天下の楽しみに後(おく)れて楽しむ)。 ※出典:『宋史(そうし)-范仲淹伝・論』の「然先憂後楽之志、海内固已信(下)其有(二)弘毅之器(一)、足(上レ)任(二)斯責(一)」。 |
造反有理 | ぞうはんゆうり | ・体制に逆らうには道理があると云う事。 ・「造反」…謀反の事。多く体制に追いつめられて、起こす反乱を云う。 ・毛沢東が革命戦争中に用いた言葉。 ・後に文化大革命の時に、紅衛兵がスローガンの一つとして用いた。 |
啐啄同機 啐啄同時 |
そったくどうき さいたくどうき そったくどうじ |
・卵が孵化する時は、卵の中の雛が殻を自分の嘴(くちばし)で破ろうとし、また親鳥も外からその殻を破ろうとする、そのタイミングがピタッと一致するからこそ、雛鳥はこの世に生を受けて外の世界に出る事が出来る。 ・この親鳥が殻を突っつくタイミングは、早過ぎると雛は未熟児となり生きてはいけず、遅過ぎると雛は力尽きて死んでしまう。まさに同期を取らないと生まれないのである。 ・「啐」…雛が孵化しようとして、中から卵の殻を突く事。 ・「啄」…親鳥が外から殻を突っつく事。 ・「啐啄」…何かをするのに絶妙なタイミングを指す表現。 ※出典:禅において、悟りを開こうとしている弟子に、師匠が上手く教示を与えて悟りの境地に導く事を指す表現…禅の言葉。 |
泰山北斗 太山北斗 |
たいざんほくと | ・泰山と北斗星の事。どちらも仰ぎ見る存在の意。 ・転じて、その道の大家として最も高く尊ばれる人。権威・第一人者。 ・略して、「泰斗」(たいと)と云う。 ・「泰山」…中国五岳の一つで、山東省中部にある名山。「泰」は「太」とも書く。 ・「北斗」…北斗星、北斗七星。 ※類義語:天下無双(てんかむそう)、天下無敵(てんかむてき)、斗南一人(となんのいちにん)。 ※出典:『新唐書』(しんとうじょ)の「韓愈伝」(かんゆでん)の賛。 |
泰然自若 | たいぜんじじゃく | ・落ち着いていて、どんな事にも動じない様。 ・ゆったりと落ち着いて、平常と変わらない様。 ・「泰」…大らかでゆったりとしている意。 ・「然」…肯定・承認の意。 ・「泰然」…落ち着いて物事に動じない様。悠然としていて動じない事。 ・「自」…自ずから・自然にと云う意。 ・「若」…従う、~の如しの意。 ・「自若」…何に対しても慌てず、驚かず、落ち着いている様。自らに従うならば、他に惑う事はない。よって、「自若」は常に落ち着きを失わず、平常と少しも変わらない様。 ※類義語:神色自若(しんしょくじじゃく)[出典:『晋書』(しんじょ)の「王戎伝」(おうじゅうでん)]、意気自如(いきじじょ)、神色泰然(しんしょくたいぜん)、余裕綽綽(よゆうしゃくしゃく)。 ※対義語:周章狼狽(しゅうしょうろうばい)、右往左往(うおうさおう)。 |
耽溺 | たんでき | ・一つの事に夢中になって、他を顧みない事。 ・多く不健全な遊びにおぼれる事を云う。例えば、「酒色に―する」、等。 ・耽溺と云う事…没入、没頭、執着、夢中、熱中、専心、深入り、やみつき、熱狂的な(阪神ファン)、(読書)中毒。 ・(女・博打等に)耽溺する…(~に)ふける、おぼれる、のめり込む、どっぷりつかる、(~に)うつつを抜かす、(~に)血道を上げる、憑(つ)かれる、陶酔する。 ・(趣味・道楽等に)耽溺する…(~に)熱中する、(~に)打ち込む、われを忘れる、(~の魅力に)とらえられる、(~への)傾斜を深める、(~する事に)こだわる、凝(こ)る、(~に)火がつく。 ※出典:岩野泡鳴の小説(1909年(明治42年)発表)…初期自然主義文学の代表作で、主人公の作家田村義雄の愛欲に溺れる生活を描く。 ※出典:日経ビジネス2012年4月23日号。 |
知行合一 | ちこうごういつ ちぎょうごういつ |
・知識と行為は一体であり、学び得た知識は、実際の行動を伴わなければならない。 ・知って良いと思った事は、行動に移す。行動しなければ、知らない事と一緒。知ったら、行動する事が大切。 ・王陽明(おうようめい、中国・明代の儒学者、思想家、高級官僚、武将)が興した学問である「陽明学」(儒教の一派で、孟子の性善説の系譜)の命題の一つ。 ・知(知る事)と行(行う事)は、同じ心の良知(人間に先天的に備わっている善悪是非の判断能力)から発する作用であり、分離不可能であるとする考え。 ・王陽明は、朱熹(しゅき、中国・南宋の儒学者)の学問である「朱子学」(儒教の新しい体系、程朱学(程朱理学)・程朱学派)が、万物の理を極めてから実践に向かう「知先行後」(人間の知(認識)と行(行為・実践)とでは行の方が重要であるが、順序から云えば知が先で行が後であるとする考えで、「先知後行」とも)である事を批判して主張。 ・知行合一は「知は行の始なり、行は知の成るなり」(知る事は行為の始めであり、行為は知る事の完成である)、「行動を伴わない知識は、未完成である」とも云い表される。 ※出典:『論語』の「為政(いせい)第二」…「先ず其の言を行い、而して後にこれに従う」。 |
知悉 | ちしつ | ・知り尽くす事。・詳しく知る事。 ・ある物事について、細かい点まで知り尽くす事。 ・「悉」…訓読みは、“すべて・残らず”と云う意味の「悉く」(ことごとく)。「ことごと」とは、「事事」の意から。 ※出典:日経ビジネス2012年4月23日号。 |
稚夢鬼迫人才仏心 稚夢鬼迫人戈佛心 |
ちむきはくじんさいぶっしん | ・子供の様な夢を持ち、鬼の気迫で物事を進め、人の才能で器用に纏め、最後は仏の心で不満も飲み込む。 ・「稚夢」…子供も様な夢。 ・「鬼迫」…鬼の様な気迫。 ・「人才」…実現の為の技術。 ・「仏心」…感謝の心。 ※出典:堺屋 太一(さかいや たいち)…作家、評論家、経済企画庁長官(第55代~第57代)、本名:池口 小太郎(いけぐち こたろう)。 |
着眼大局 着手小局 | ちゃくがんたいきょく ちゃくしゅしょうきょく | ・戦略・構想を練る時は、先を見据えて広い視野の下で事を決し、いざ実行に移す時は足元を固めて地道に取り組む事が大事だ、とする囲碁の至言。 ・事を成そうとする人は、いつも大きな目標を持ち、その目標に向かって計画を決めて実行して生きて行く事が大切である。 ※類義語:木を見て、かつ森を見る。 ※出典:荀子(じゅんし)の言葉…中国の戦国時代末の趙(ちょう、戦国七雄の一つに数えられる国)の思想家、儒家。孟子の性善説に対し性悪説を説き、後に『荀子』20巻32篇に纏められた。名言に「青は藍より出でて藍より青し」(弟子が師匠の学識や技量を越える事の例え)がある。 【参考】 ・「私は、正確に誤る(間違う)よりは、漠然と正しくありたい」(ケインズ…イギリスの経済学者) ・「大事は軽く、小事は重く考えよ」(山本 常朝…佐賀錦島藩士) |
忠恕 | ちゅうじょ | ・真心からの思いやり。 ・自分の良心に忠実である事と、他人に対する思いやりが深い事。「君の―僕に其姓名を告げざるも」(織田訳・花柳春話) ・孔子の唱えた、人間の最も本能的で基本的な徳。 ・「忠」…人間が自然に持っている真心。 ・「恕」…人間が自然に持っている思いやりの心。 ※両備グループの経営理念。小嶋 光信(両備グループの代表、両備ホールディングス㈱の会長兼CEO) ※出典:日経ビジネス2013年5月20日号。 |
跳梁跋扈 | ちょうりょうばっこ | ・悪人等が権勢を欲しいままにして、我儘(わがまま)にのさばる事。 ・「跳梁」…跳ね回る事。 ・「跋扈」…わがもの顔に振る舞う事。勝手気ままに振る舞う事。 ・「跋」…踏む、踏みにじる、踏み越える。 ・「扈」…枠や籠を意味し、ここでは魚を採る竹製の梁(やな)の事。 ※類義語:横行闊歩(おうこうかっぽ)、飛揚跋扈(ひようばっこ)。 ※出典:『後漢書』の「梁冀伝」…中国後漢の梁冀(りょうき)を「跋扈将軍」と呼んだ事からと云われ、日本でも平安時代からみられる。梁冀(りょうき)は生来から、鳶肩豺目(えんけんさいもく、鳶肩…鋭い豺の様な目)の容貌を持ち、周りを威圧し傲慢な態度を示した。吃音(きつおん、どもり)の為にその言葉ははっきりせず、学問に疎く少々の文書と計算に長じていた。また、若い頃から皇室の外戚として、酒を好み、挽満・弾棋・格五・六博・蹴鞠・意銭等の遊戯に巧みだった。更に、臂鷹(鷹狩り)・競犬・競馬・闘鶏を好む等、様々に遊びに長じており、大好きだったと記されている。 ※出典:『永遠の0(ゼロ)』(著者:百田 尚樹)。 |
直情径行 | ちょくじょうけいこう | ・情のおもむくままに、行動する事。 ・後先を考えずに、感情のおもむくままに(直ちに)行動する。 ・自分の思うままに行動して、相手の立場を思いやらない事。 ・礼儀知らず。 ※類義語:猪突猛進(ちょとつもうしん)。 ※出典:『礼記』(らいき、著者:孔子)…中国の周から漢の時代に儒学者が纏めたもの。 |
沈魚落雁 閉月羞花 | ちんぎょらくがん へいげつしゅうか | ・この上なく美しい事。美人を形容する言葉。 ・あまりの美しさに、魚は沈み隠れ、雁は列を乱して落ち、月は雲間に隠れてしまい、花も恥らって萎んでしまうと云う意。 ・但し、出典の文の本来の意味は、人間が美しいと思う美女でも、動物達はこれを見て逃げ隠れすると云う事で、人間の評価が人間だけにしか通用しない事を云っている。 ●「沈魚落雁」(ちんぎょらくがん) 「落雁沈魚」(らくがんちんぎょ) ・魚や鳥も恥じて隠れる程の美貌を持った、容姿の美しい女性を形容する語。 ●「閉月羞花」(へいげつしゅうか) 「羞花閉月」(しゅうかへいげつ) ・美しい容姿に対して月も恥じらい、花も閉じてしまう意。容姿の美しい女性を形容する語。 ※出典:『荘子』の「斉物論」(せいぶつろん)。 |
沈思熟考 沈思熟慮 |
ちんしじゅっこう ちんしじゅくりょ |
・じっくり落ち着いて、深く考え込む事。 ・「沈思」…深くもの思いに沈む事、考え込む事の意。 ・「熟考」…深く考えを巡らす事の意。 ・「沈思熟慮」(ちんしじゅくりょ)とも。 |
沈思黙考 | ちんしもっこう | ・思いに沈み、黙って深く考えこむ事。思案に耽(ふけ)る事。 ・黙ってじっくりと深く物事を考え込む事。 ・「沈思」…深く考える意。 ・「黙考」…黙って考える意。 ※類義語:沈思凝想(ちんしぎょうそう)、熟思黙想(じゅくしもくそう)。 |
天衣無縫 無縫天衣 |
てんいむほう むほうてんい |
・人柄が飾り気が無く、純真で無邪気な様、天真爛漫な事。 ・詩歌や文章等に技巧の跡が無く、自然で美しい事。 ・物事が完全無欠である形容にも用いられる事がある。 ・「天衣」…天人・天女の着物。 ・「無縫」…着物に縫い目の無い事。 ※天人や天女の衣には、縫い目(跡)が無いと云う言い伝え…庭で寝ていた男が、天の一角より舞い降りた天女の衣服を見て、縫い目が無い事を不思議に思いその訳を尋ねた所、天女が「天衣には針や糸は用いません」と答えた故事から。 ※出典:『霊怪録』(れいかいろく)の「郭翰」(かくかん)。 |
天命感謝 | てんめいかんしゃ | ・天から与えられた自分の使命に対して、ありがたいと思う気持ちを表す事。 ・「天命」…天から与えられた使命と云う意味と、人間の力ではいかんともしがたい運命や宿命と云う意味。天命の原義は、前者の意味。 ・「感謝」…ありがたいと思う気持ちを表す事。また、その気持ち。 ※出典:『論語』の「為政(いせい)第二」…「五十にして天命を知る」(五十歳になって、天から与えられた自分の使命を悟る様になると云う事)。 |
当意即妙 | とういそくみょう | ・その場に適当した即座の機転を利かす様子(話し方の真理)。 ・その場に応じた適切な対応や機転をとっさに利かせる事。 ・素早くその場に適応して、機転を利かせる事。気が利いている事。 ・「当意」…その場に応じて、適切な対応や工夫をする事。 ・「即妙」…即座に機転が利く事。 ※出典:仏教語の「当位即妙」…何事もそのままで真理や悟りに適っている事。また、その場の軽妙な適応。凡夫の位のままで、仏の悟りに適っている事、現にあるままで優れた働きをする事。 |
得意淡然 失意泰然 失意泰然 得意淡然 |
とくいたんぜん しついたいぜん しついたいぜん とくいたんぜん |
・上手くいっている時でも、奢らず淡々と努力を続け、上手くいかない時も、落ち込む事なく、出来る事をやって次の好機を待つ(鈴木亜由子(東京オリンピックのマラソン代表)さんの座右の銘@2019/09/16(月)テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」より)。 ・物事が上手くいっている時(順境の時)は、奢らずに、淡々としていなさい。物事が上手くいかない時(逆境の時)は、落ち込んだりせず、ゆったりと構えていなさい。 ・物事が上手くいって得意な時程、その喜びに溺れて有頂天にならず、むしろ淡々と事に当たり(淡然)、反対に落ち込んだ時には焦らず落ち着いて(泰然)、苦しみに沈み込まないと云う事。 ・物事が上手くいかなくなっても、焦らず落ち着いて、時節の到来を持つべきだ。上手くいく得意の時代には、奢らず慎ましい態度で当たるべきだ。 ・上手くいかない時機を上手く乗り切った者のみが成功する。スランプは有効に活かさなければならない。 ・「得意」…何をやっても上手くいく事。 ・「淡然」…あっさりと淡々としている様。 ・「失意」…世の中、思い通りにいかない事。 ・「泰然」…どっしりと落ち着いている様。 ※出典:『六然』(りくぜん)(著者:崔後渠(さいこうきょ)…中国・明代末の陽明学者)。 自処超然(じしょちょうぜん)…自分自身の事に捉われてはいけません。 処人藹然(しょじんあいぜん)…人に対する時は、いつも和やかでいなさい。 有事斬然(ゆうじざんぜん)…事が起これば、勇断をもって処理しなさい。 無事澄然(ぶじちょうぜん)…何事もなければ、澄みきった心でいなさい。 得意澹然(とくいたんぜん)…自分の思い通りになった時には、自慢せずにあっさりしていなさい(澹は淡に同じ)。 失意泰然(しついたいぜん)…自分の思い通りにならない時にも、取り乱す事なくゆったりとしていなさい。 |
嚢中之錐 | のうちゅうのきり | ・優れた才能を持つ人物は、凡人(大衆)の中に混じっていても、自然にその才能が現れ、目立って来ると云う事。 ・袋の中に錐を入れておくと、自然に袋を突き抜けて、尖った刃先が見えて来る。それと同じ様に、優れた人は自然と凡人の中から突き抜けて、その才能を現すと云う事。 ・「嚢中」…袋の中。 ・「錐」…小さな穴を空ける為の鋭い刃先の工具。 ※類似語:嚢中之頴(のうちゅうのえい)、鶏群一鶴(けいぐんいっかく)。 ※出典:『史記』の「平原君伝」(へいげんくんでん)…「夫(そ)れ賢士(けんし)の世に処(お)るや、例えば錐の嚢中に処(おるが若(ごと)し」。 |
破顔一笑 | はがんいっしょう | ・顔をほころばせて、にっこりと笑う事。 ・顔を破る程の「一笑」は、大きく強調した笑顔を指す。 ・「破顔」…顔をほころばせて笑う事。 ・「一笑」…少しほほえむ表情。 ※類義語:呵呵大笑(かかたいしょう)、抱腹絶倒(ほうふくぜっとう)。 |
博学才穎 | はくがくさいえい | ・広く学問に通じていて、才知が非常に優れている事。 ※出典:『山月記』(著者:中島 敦)に登場する隴西(ろうさい)の「李徴」(りちよう)をこの様に評している。 |
博覧強記 | はくらんきょうき | ・広く書物を読み、それらを非常に良く記憶している事。 ・広く物事を見知って、を良く覚えている事。知識が豊富な事。 ・幅広く書物を読み、見聞と知識とを広め、その内容を良く覚えている事。 ・「博覧」…広く書物を読んで、多くの物事を知っている事。 ・「強記」…記憶力の優れている事。「強」は「彊」とも書く。 ※類義語:博学多才(はくがくたさい)、博聞強志(はくぶんきょうし)。 ※出典:『山月記』(著者:中島 敦)に登場する隴西(ろうさい)の「李徴」(りちよう)をこの様に評している。 |
八紘一宇 | はっこういちう | ・大意としては、天下を一つの家の様にする事。 ・転じて第二次世界大戦中に大東亜共栄圏の建設の標語の一つとして用いられた。 ※出典:『日本書紀』巻第三神武天皇の条にある「掩八紘而爲宇」から作られた言葉。 |
万象皆師 | ばんしょうかいし | ・「学ぶ心」 学ぶ心さえあれば、万物すべてこれわが師である。 (以下、続く) 語らぬ石、流れる雲、つまりはこの広い宇宙、この人間の長い歴史、どんなに小さい事にでも、どんなに古い事にでも、宇宙の摂理、自然の理法がひそかに脈づいているのである。 そしてまた、人間の尊い知恵と体験がにじんでいるのである。これらのすべてに学びたい。 ・学ぶ気持ちさえあれば、何を見聞きしてもすべて師(の言葉)である。 ・自分の身の回りの総ての現象、総ての人々が自分にとっての先生である。 ※類義語:万物我師、我以外皆我師、森羅万象是皆師也。 ※出典:松下 幸之助(松下電器産業㈱の創設者)が好んだ言葉。 |
美意延年 | びいえんねん | 「意(こころ)を美(たの)しませれば年を延(の)ぶ」(訓読み)。 ・楽しければ、長生きをする。 ・心配事もなく楽しい心のまま生きれば、自然と長生き出来る。 ・心を楽しませて、つまらない事にくよくよしなければ、自然と長寿を保つ事が出来る。 ・「美」…楽しい、楽しむ事。 ・「意」…心の事。 ・「延年」…長生きする事。 ※出典:『荀子』(じゅんし)の「致士」(ちし)。 ※勝 海舟(江戸時代末期から明治時代初期の武士(幕臣)、政治家)が好んだ言葉。 |
美点凝視 | びてんぎょうし | ・良い点を知れば、随分違った面が見える。 ・相手の長所を指摘して、位置付けてやる事。 ・相手の優れた部分を取り出し、相手に魅力として伝え勇気付ける。 |
百家争鳴 | ひゃっかそうめい | ・色々な立場の学者や専門家が、自由に論争し合う事。 ・色々な議論が、賑やかに自由になされる形容。 ・「百家」…沢山の学者・専門家。 ・「争鳴」…自由、活発に論争する事。 ※類義語:議論百出(ぎろんひゃくしゅつ)、談論風発(だんろんふうはつ)、百花繚乱(ひゃっかりょうらん)。 ※中国共産党のスローガンの一つ…1950年代に中国で繰り広げられた政治的運動「百花斉放百家争鳴」(ひゃっかせいほうひゃっかそうめい)の略。 ※解説:解放後の中国で、知識人の文学・芸術・科学活動を含む学術・思想面における積極性を引き出す為に,毛沢東が1956年5月の最高国務会議で提起した文化政策のスローガン。 ※出典:「百家争鳴」は、元々古代の戦国時代の諸子百家による思想・学術活動の活況を表す言葉。 |
比翼連理 | ひよくれんり | ・夫婦仲が大変良い事の例え。 ・「比翼」…雄と雌が常に二羽一体となって飛ぶ伝説上の鳥の事。 ・「連理」…二本の木の枝がからみ合って一本の木の様になったもの。 ※出典:唐の玄宗皇帝と楊貴妃の故事から。唐の詩人・白居易が「長恨歌」の中で、二人の仲むつまじさを詠った事による。 |
不倶戴天 | ふぐたいてん | ・「倶(とも)には天を戴(いただ)かず」(訓読み)。 ・生かしておけない程の恨みや憎しみがある事。また、その間柄。 ・一緒にこの世には生きられないと云う事で、それ程に恨みや憎しみが深い事。 ・深い恨みや憎しみの為、相手をとてもこの世に生かしておけない事。復讐しないではいられない事。 ・本来は、父が殺されたら息子は必ずその仇(かたき)を打つべきだと云う事を云ったが、後に殺しても飽き足らない相手に使われる様になった。 ・「不倶」…一緒にする事が出来ない事。 ・「戴天」…同じ空の下で暮らす事。 ※類義語:意趣遺恨(いしゅいこん)、不同戴天(ふどうたいてん)。 ※出典:『礼記』(らいき)の「曲礼」(きょくらい)・上。 …『父之讎、弗与共戴天、兄弟之讎、不反兵、交游之讎、不同国』 「父の仇は、与に共に天を(いただ)戴かず。兄弟の仇は、兵に反らず。交遊の仇は、国を同じくせず」 (父の仇とは共にこの世に生きる事をせず、どちらかが死ぬまで闘う。兄弟の仇には、兵器を取りに家に行かずその場で直ぐ闘う。朋友の仇とは同じ国には住まない) とあるのに基づく。 |
不惜身命 | ふしゃくしんみょう ふしゃくしんめい |
・仏道(仏法)の為に、身も命も惜しまない事。また、その様な心構え。 ・仏の教えを修める為には、自分の身や命を捧げて惜しまない事。 ・転じて、国や主君等の為に、体や命を惜しまないで尽くす事。 ・「不惜」…惜しまない事。 ・「身命」…身体と命。特に命の方を云う。「しんめい」とも読む。 ※類似語:一生懸命(いっしょうけんめい)、一所懸命(いっしょけんめい)、完全燃焼(かんぜんねんしょう)、全力投球(ぜんりょくとうきゅう)。 ※対義語:可惜身命(あたらしんみょう)。 ※出典:『法華経』(ほけきょう)の「譬喩品」(ひゆぼん)…仏教語。 |
不即不離 不離不即 |
ふそくふり ふりふそく |
・「即(つ)かず離(はな)れず」(訓読み)。 ・二つのものの関係が深過ぎもせず、離れ過ぎもしない事。 ・二つのものが強く結び付きもせず、また離れもしない関係にある事。 ・つかず離れず、丁度良い関係にある事。 ・「即」…つく、くっつく意。 ※出典:『円覚経』(えんがくきょう)。 |
二股膏薬 | ふたまたこうやく ふたまたごうやく |
・自分の考えがなく、その時次第でどちらの側にも従う事。 ・あっちに従ったり、こっちに従ったりして、態度がはっきりしない事。 ・定見なく、あっちへ付いたり、こっちへ付いたりする無節操な人。 ・「二股」…両内股の意。 ・「膏薬」…練り薬。内股に塗った薬が、歩いている内に左右の足に付く事から。「膏」は「ごう」とも読む。 ※類義語:内股膏薬(うちまたこうやく)、股座膏薬(またぐらこうやく)、右顧左眄(うこさべん)。 |
不撓不屈 不屈不撓 |
ふとうふくつ ふくつふとう |
・どんな困難に出会っても、決して心が挫(くじ)けない事。 ・意志を貫く事。 ・「撓」…たわむ意。転じて、屈する事。 ※類義語:独立不撓(どくりつふとう)、百折不撓(ひゃくせつふとう)。 ※出典:『漢書』の「叙伝」。 |
刎頚の友 | ふんけいのとも | ・刎頸(ふんけい)の交わりで結ばれた友。 ・例えお互い相手の為に、頚(くび)を刎(は)ねられても悔いはないと云う程の親しい友人の事。 ・この様な友人関係を「刎頚(ふんけい)の交わり」とも云う。 ・「刎頚」…首を刎(は)ねる事。 ※類義語:魚と水、管鮑(かんぼう)の交わり、金石(きんせき)の交わり、金蘭(きんらん)の契り、膠漆(こうしつ)の交わり、心腹の友、水魚の親、水魚の交わり、断金の契り、断金の交わり、莫逆(ばくぎゃく)の友。 ※解説:春秋時代、趙(ちょう)の将軍の廉頗(れんぱ)は、功績により自分より上位になった名臣の藺相如(りんしょうじょ)を恨んだ。しかし相如は二人が争いにより共倒れになる事を懸念し、国の為に争いを避けるつもりでいる事を聞いた。それを聞いて廉頗は自分の考えを恥じ、深く反省し、相如へ詫びに出かけて刎頸の交わりを結んだと云う故事から。 廉頗と藺相如が固い友情を結ぶまでには紆余曲折があり、素晴らしい友と云うのは一朝一夕で得られるものではない。 ※出典:『史記』の「藺相如伝」(編纂者:司馬遷)…中国の戦国時代に、趙(ちょう、戦国七雄の一つに数えられる国)で活躍した藺相如(りんしょうじょ、趙の恵文王の家臣で文武知勇の将と賞される人物)と廉頗(れんぱ、趙の将軍)が残した故事。原文には、「刎頸(之)交」とある。「お互いに首を斬られても後悔しないような仲」と云う成語として用いられる。 ※出典:『永遠の0(ゼロ)』(著者:百田 尚樹)。 |
厚積薄発 | ホウジーボーファ | ・時間を掛けて地道に努力を重ね、確実に蓄積した力を少しずつ発揮していく事を意味する。また、その力を重要な事に集中して投入する事も指している。 ・時間をかけて地道に努力を重ね、その力を正しい戦略に集中して投入する事で、成功の瞬間を掴み取る事を意味する。 ※出典:中国古来の諺。 ※出典:日経ビジネス2016年12月12日号:企業研究Vol.102「華為技術」…華為技術有限公司(ファーウェイ・テクノロジーズ、Huawei Technologies Co. Ltd.)が、2016年グローバルで展開している企業広告キャンペーンは、この熟語をコンセプトにしている。 |
滂 沱 | ぼうだ | ・雨の降りしきる様。 ・涙がとめどもなく、流れ出る様。 ・汗、水等が激しく流れ落ちる様。 |
忙中有閑 | ぼうちゅうゆうかん | ・「忙中閑(かん)有り」(訓読み)。 ・どんなに忙しい時でも、一息つく僅かな暇がある事。 ・どんな忙しい時であっても、心に余裕がある事。 ・いくら多忙でも、心に余裕があれば閑は取れる。 ※類義語:忙裡偸閑(ぼうりとうかん)。 ※出典:『百朝集』(著者:安岡 正篤)…死中求活、苦中有楽、忙中有閑、壷中有天、意中有人、腹中有書の「六中観」の一つ。 |
凡事徹底 | ぼんじてってい | ・当たり前の事を当たり前に行う事。 ・当たり前の事を当たり前に行う事が一番難しい。 ・何でも無い様な当たり前の事を徹底的に行う事。 ・当たり前の事を極め、他人の追随を許さない事。 ※出典:鍵山 秀三郎(㈱イエローハットの創業者)…鍵山氏の自著のタイトルにもなっている言葉。 |
驀直進前 | まくじきしんぜん | ・何事にも全力を挙げて、打ち込む事。 ・周到な準備を整えたら、信じるところを迷わず真っ直ぐに前進する。 ※出典:無学祖元(むがくそげん、臨済宗無学派(仏光派)の祖)の蒙古襲来時に残した言葉。 |
莫煩悩 | まくぼんのう | ・「煩(わずら)い悩む莫(な)かれ」(訓読み)。 ・「煩悩スルナカレ」、辛苦を乗り越えるには、思い悩む事なく、雑念を振り払ってひたすら取り組むしかない。 ※出典:北条時宗が元寇(げんこう)と云う国難に際して、無学祖元禅師に贈られ、座右の銘とした言葉とされる。 ※元寇(げんこう)…日本の鎌倉時代に、当時大陸を支配していたモンゴル帝国(元)及びその属国高麗によって2度にわたり行われた日本侵略の、日本側の呼称である。1度目を文永の役(ぶんえいのえき・1274年)、2度目を弘安の役(こうあんのえき・1281年)と云う。「蒙古襲来」とも。中国語では「元軍侵日戦争」と称する。 |
莫妄想 | まくもうぞう | ・「妄想(もうぞう)する莫(な)かれ」(訓読み)。 ・上手くいくかどうかや損得勘定に捉われず、今やるべき事に集中する。 ・上手くやろうとか、どうしてら勝てるとか、負けたらどうしようかとか、その様な雑念を起こす時ではない。今やるべき事に専心せよ。 ・勝つとか負けるとか、上手い所を見せようとか、失敗しては困るとか、損か得か等に捉われて、自己の集中心をなくす様な事ではいけない。そう云う相対的欲望に捉われる事が妄想である。 ※「妄想」…あれこれ考えても分からない事を、あれこれ考えるたり、済んでしまってどうにもならない事を、くよくよ考える事を云う。 ※出典:無業禅師(むごうぜんし、中国の唐時代の禅僧)の言葉。 |
無一物中 無尽蔵 | むいちもつちゅう むじんぞう | ・捨てる事は、無尽蔵なものを得られる事に繋がると云う意味。 ・人は拘り(=一物)をなくせば、可能性に際限はないと云う事。 ※出典:蘇東彼(そとうば=蘇軾(そしょく)、中国の北宋時代の政治家、文豪)の句。 |
夢幻泡影 | むげんほうよう | ・夢と幻と泡と影。 ・何れも実態のない、儚(はかな)いものを表す。 ・人生の儚(はかな)い事の例え。仏語。 ※出典:『金剛経』(別名:『金剛般若波羅密経』)…鳩摩羅什(くまらじゅう)の漢訳によって通行。 |
矛盾撞着 撞着矛盾 |
むじゅんどうちゃく どうちゃくむじゅん |
・二つの事柄が論理的に食い違って、辻褄が合わない事。 ・物事が食い違う事、理屈に合わない事。 ・「矛盾」…同一人物の言動が一貫していない事。食い違っている事。「盾」は「楯」とも書く。 ・「撞着」…突き当たる意から「矛盾」と同義に転じた。「着」は「著」とも書く。 ※類義語:自家撞着、自己撞着、自己矛盾、前後撞着、前後矛盾。 ※出典:『韓非子』(著者:韓非)の「難一」(なんいち)。 |
明鏡止水 | めいきょうしすい めいけいしすい |
・曇りのない鏡や静かな水の様に、心が澄みきって落ち着いている。 ・一点の曇りもない鏡や静止している水の様に、よこしまな心がなく明るく澄みきった心境を指す。 ・「明鏡」…一点のくもりもない鏡の意。「めいけい」とも読む。 ・「止水」…静かにたたえられた澄んだ水の意。 【原文読み・書き下し文】 ・「人は流水に鑑(かがみ)すること莫(な)くして止水に鑑す。唯(た)だ止(し)にして能く衆止(しゅうし)を止(とど)む」 …人間は流れている水を鏡とする事はなく静止している水を鏡とする。それはただ静止しているからこそ、あらゆる静止した物を止める事が出来るのである。 ※類義語:虚心坦懐(きょしんたんかい)、風光霽月(ふうこうせいげつ)、心頭滅却(しんとうめっきゃく)、則天去私(そくてんきょし)、大悟徹底(たいごてってい)、無想無念(むそうむねん)、無念無想(むねんむそう)。 ※対義語:疑心暗鬼(ぎしんあんき)。 ※出典:『荘子』の「徳充符篇」(とくじゅうふへん)。 |
明眸皓歯 | めいぼうこうし | ・澄みきった美しい瞳と、歯並び整然・清潔で健康そうな歯は、人を魅惑する。 ・美人を形容する言葉。 ・ぱっちりした明るい瞳と、真っ白に輝く歯の意。 ・目元、口元の美しい美人の形容。 ※類義語:曲眉豊頬(きょくびほうきょう)、朱唇皓歯(しゅしんこうし)、蛾眉皓歯(がびこうし)、仙姿玉質(せんしぎょくしつ)、氷肌玉骨(ひょうきぎょっこつ)、宛転蛾眉(えんてんがび、「長恨歌」(著者:白居易)より…唐の美女の楊貴妃を例えた言葉)。 ※出典:『江頭に哀しむ詩』(著者:杜甫)…杜甫(とほ)が楊貴妃(ようきひ)の美しさを偲んで詩に用いた語。 |
面壁九年 九年面壁 |
めんぺきくねん くねんめんぺき |
・一つの事に忍耐強く専念して、やり遂げる事の例え。 ・長い間わき目も振らずに努力を続ける事の例え。 ・九年間の長い間、壁に向かって座禅を組んで修行する事。転じて、一つの目的に長い歳月を掛けて心を傾け、努力する例え。 ・「面壁」…壁に向かって座禅を組む事。 ※出典:『景徳伝燈(灯)録』(けいとくでんとうろく)三…中国南北朝時代、達磨大師が中国の嵩山(すうざん)の少林寺に籠もり、無言のまま九年もの長い間壁に向かって座禅を組み続け、遂に悟りを開いたと云う故事から。 |
孟母三遷の教え | もうぼさんせん | ・孟子の母親が、孟子の子供時代に良い環境で勉強させようと、三回引っ越したと云う故事。 ・子供の教育には、その周囲の環境が大事と云う意味を含んでいる。 ※出典:故事『古列女伝』の母儀・鄒孟軻母…初め墓所の近くに住んでいたところ、孟子が葬式の真似をして遊ぶので市中に引っ越した。今度は商売の真似をするので学校の近くに引っ越した。すると礼儀作法を真似たのでそこに居を定めた。 |
夜郎自大 | やろうじだい | ・自分の力量を弁(わきま)えず、仲間うちで威張る事。 ・知識も力もないのに尊大に振る舞う事の例え。 ・「夜郎」…中国の漢時代の西南部にあった小国の名前。 ・「自大」…自分を大きく見せる尊大な態度を取り、威張る事。 ※類義語:蜀犬吠日(しょくけんはいじつ)、井蛙之見(せいあのけん)、唯我独尊(ゆいがどくそん)、用管窮天(ようかんきゅうてん)、遼東之豕(りょうとうのいのこ)。 ※出典:『史記』の「西南夷伝」(せいなんいでん)…漢の使者がこの小国に立ち寄った際、漢の強大さを知らなかった夜郎国の王が自分の国の力を自慢したと云う故事から。 ※出典:『永遠の0(ゼロ)』(著者:百田 尚樹)。 |
勇往邁進 | ゆうおうまいしん | ・困難を物ともしないで、ひたすら突き進む事。 ・「勇往」…勇んで前進する事。 ・「邁進」…恐れる事となく突き進む事。 ※類義語:勇猛邁進(ゆうもうまいしん)、猪突猛進(ちょとつもうしん)、直往邁進(ちょくおうまいしん)、勇往猛進(ゆうおうもうしん)、直往邁進(ちょくおうまいしん)。獅子奮迅(ししふんじん)。努力奮励(どりょくふんれい)、奮闘努力(ふんとうどりょく)、奮励努力(ふんれいどりょく)、力戦奮闘(りきせんふんとう)。 |
融通無碍 融通無礙 |
ゆうずうむげ | ・一定の考え方に捉われる事なく、どんな事態にも滞りなく対応出来る事。 ・考え方や行動に差別や拘りのない様。 ・特定の事に捉われたり拘ったりする事がなく、自由でのびのびとしている様。 ・「融通」…滞りがない事。その場その場で適切に対応する事。 ・「無碍」…妨げになるものが無い状態。「無礙」とも書く。 ・「碍」…「礙」の俗字。さまたげる、さえぎるの意。 ※類義語:異類無碍(いるいむげ)、無碍自在(むげじざい)、融通自在(ゆうずうじざい)。 ※対義語:四角四面(しかくしめん)。 |
蘭因絮果 | らんいんじょうが | ・美しい関係も長い時間の中で起きる様々な事により、壊れてしまうと云う事。 ・「蘭因」…蘭の花の如き美しい馴れ初めの事。春秋時代の「二人同心 其利斷金、同心之言 其臭如蘭」(一緒になる、結婚する、の良い意味)による。 ・「絮」…綿、綿毛、綿の様な白い毛。くどくどしい、と云う意味も含まれる。長い時間の経過の中、様々な事で乱されていく事を暗示。古代より離散の意味で使われる「而柳絮易於飄揚飛散」による。 ・「果」…結果、と云う意味。 ※出典:『如懿伝~紫禁城に散る宿命の王妃~』(BS11)の台詞…「皇上、你知道蘭因絮果這句話嗎? 我少時讀的時候只覺得惋惜、如今卻明白了、花開花落自有時。」(幼馴染みの頃から皇后になったばかりの頃の美しい回憶は淡く消え、今はお互いの気持ちも、取り巻く立場もひどく離れてしまいました。)→最初のうちは素晴らしいと思えた結婚も、最終的には離婚で終わる。 【原文・白文】 ・二人同心、其利斷金。同心之言、其臭如蘭。 【原文読み・書き下し文】 ・二人(ににん)心を同じうすれば、その利(と)き事、金を断つ。同心の言は、その臭い(香り)蘭の如し。 【口語訳】 ・二人が心を同じくすれば、その鋭い様(鋭利さ)は、金(金属)を断つ。心を合わせた者の言葉は、その香りが蘭の様である。 【説明】 ・二人の人間が心を合わせて一致協力すれば、硬い金属でも断ち切る様な威力を発揮する(断金の交わり)。 ・心を合わせている二人が放つ言葉は、蘭の香りがする(豊かで奥深い)程に、傍の人々に影響を与える。 ・この二つを合わせて「金蘭の交わり」と云う言葉も生まれた。 ・人間は所詮一人では生きられない。何をするにも理解のある協力者を得る事が、成功の鍵となる。まして、同じ目的を持つ者同士が手を組めば、これ程心強いものは無い。 ※出典:『易経』(えききょう)の「繋辞上伝」(けいじじょうでん)第八章。 |
落筆点蠅 | らくひつてんよう | ・「落筆(らくひつ)蠅(はえ)を点(てん)ず」(訓読み)。 ・過ちや失敗を上手く取り繕う事。 ・過ちを上手く処理して、逆に上手に仕上げる事。 ・画家の優れた技を云う例え。誤って筆を落として付けた墨の汚れを、上手く蠅(はえ)に描く意から。 ・「落筆」…筆を落とす事。 ・「点」…描く意。 ・「点蠅」…蠅の絵を描く事で、筆を落とした際の汚れを上手く蠅の絵にすると云う意味。 ※出典:『呉志』(ごし、『三国志』の一つ)の「趙達伝」(ちょうたつでん)…中国三国時代、呉の画家曹不興(そうふこう)が孫権(そんけん)の命を受けて屏風に絵を描いていた時、誤って筆を落として付けた墨の汚れを、巧みに蠅(はえ)に描き変えてしまったと云う故事から。 |
流言飛語 | りゅうげんひご | ・根拠のない、いい加減な噂。 ・根も葉もないデマ。 ・「流言」「造言」…根も葉もない噂。 ・「飛語」…誰ともなく伝わった、根拠のない噂。 ※類義語:虚誕妄説(きょたんもうせつ)、造言飛語(ぞうげんひご)、飛語巷説(ひごこうせつ)、慢語放言(まんごほうげん)、妄言綺語(もうげんきご)、妄誕無稽(もうたんむけい)、流言流説(りゅうげんりゅうせつ)。 |
和顔愛語 | わがんあいご わげんあいご |
・和やかで温和な顔付きと優しい言葉遣いの事。 ・穏やかで、親しみやすい振る舞いの事。 ・穏やかな笑顔と思いやりのある話し方で人に接すれば、怒りを遠ざけ相手も自然と態度が丸くなる。 ・形あるものを持たずとも、他人の心を安らかにする事が出来る、と云う教え。 ・「和顔」…和やかな笑顔、優しい顔付きの事。 ・「愛語」…愛情を持った語り口、親愛の気持ちがこもった言葉の意。 ※出典:『浄土三部経』の「大無量寿経」…「無財(むざい)の七施(ななせ)」(財が無くても出来る七通りの布施)の中の和顔悦色施(わげんえつしきせ)と言辞施(ごんじせ)に通じる内容で、布施行の一つ。 ※『浄土三部経』(じょうどさんぶきょう)…浄土教諸宗の正依の三経典の総称。 ※「大無量寿経」(だいむりょうじゅきょう)…大乗仏教の経典の一つで、「極楽の荘厳」と云う意味。 |
リーダー | 説 明 |
リーダー | ◆リーダーとしての「勝負脳」を鍛える6つの力(自己チェックシート) ①自分に勝つ力 ②理解する力 ③指導者としてのカリスマ性 ④独創的思考能力 ⑤人間力 ⑥過去の体験や訓練を活かす力 Σ指導者の総合力 ◆理解する力を鍛える5つの訓練 ①2つ以上の情報を重ねて理解する事を習慣にする。 ②理解した内容を4日後に再度確認する。 ③人の話を感動して聴く。 ④空間認知能を鍛えている。 ⑤脳の「統一・一貫性」のデメリットを理解している。 ◆「カリスマ性」を後天的に身に付ける5つの方法 ①嘘をつかない。 ②常に自分を高め様としている。 ③自分の仕事のロマンを語る事が出来る。 ④ワクワクする環境を作れる。 ⑤豊かな表情・笑顔を鍛えている。 ◆独創的思考能力を鍛える為の5つの力 ①2つ以上の専門性を磨いている。 ②沢山の文化に触れている。 ③知識を物語の絵や図にして纏める事が出来る。 ④自分の考えに執着しない力を蓄えている。 ⑤否定的なニュアンスの“否定語”を使わない事と素直さを信条にしている。 ◆リーダーとしての「人間力」を鍛える5つの能力 ①人脈が多い。 ②意見や立場の違いを認める力を鍛えている。 ③共存・存続を守る脳の機能を理解している。 ④褒める力を鍛えている。 ⑤人類・社会に貢献する素晴らしさを大切にする。 ◆過去の体験や訓練を活かす力を伸ばす5つの能力 ①想像を絶する力を発揮した事がある。 ②途中で勝ったと思わない。 ③成功した高揚感を味わった事がある。 ④会話を楽しみ、コミュニケーションを大切にしている。 ⑤時間をおいて繰り返し考える事が出来る。 ※出典:『ビジネス〈勝負脳〉 脳科学が教えるリーダーの法則』(著者:林 成之)。 |
リーダーの資質 | ・「智者の慮は、必ず利害に雑(まじ)う」 …人の上に立つ者は、必ず利益と損失の両面を考えて、冷静に物事を判断する。 ※出典:『孫子』…中国の古典。 |
リーダーの資質 | ・リーダー共通する資質とは、「見えないものを見る力」(野田 智義:NPO法人ISL理事長) ・組織論の観点から、意思の力とぶれない姿勢(基軸力)こそ不可欠(金井 壽宏:神戸大学大学院の経営学研究科教授) ※出典:『リーダーシップの旅 見えないものを見る』。 |
リーダーの資質 | ・リーダーの資質とは、「難度(困難の度合い)を見極める賢さ」 …何を変え、何を変えないのか。何を優先し、何を劣後させるのか。分別する賢さ。 ※出典:武藤 敏郎(㈱大和総研の理事長、元・初代財務事務次官) |
リーダーの資質 | ・リーダー(チームを率いる)の資質として必要な3つの最低条件 ①強い思い …何かを成し遂げたい強い思いがある人をリーダーにすべきである。 ②共感力(共感する力) …その「自分のやりたい事」を、丁寧に伝えて共感を得る力。 ③統率力 …思いがけない困難にぶつかった時、仲間と丁寧にコミュニケーションを取り、最後まで率いる力。 ・優れたトップに一番必要なのは、正しい意思決定が出来る力である。 …いい加減な思い付きで意思決定をしても、会社に成果をもたらし、顧客の利益に資すれば、それは良い意思決定だった事になる。一方で真剣に考え抜いた意思決定でも、会社にマイナスの効果しかもたらさず、顧客の不興を買う様であれば、悪い意思決定である。リーダーの意思決定は、世の中や人の生き方に大きな影響を与える重要なものである。 ・良い意思決定をする上で必要な心構えは、『貞観政要』(じょうがんせいよう、「帝王学の教科書」と云われて来た。「貞観」は太宗の在位の年号で、「政要」は「政治の要諦」を云う)と云う中国の古典で語られる「三鏡」を挙げたい。 …太宗(たいそう、中国史上最高の名君と云われた。李氏朝鮮の第3代国王)が見ていた3つの鏡は、現代の意思決定においても欠かせない。 ①本当の鏡 …自分の顔や姿を見て、元気で明るく楽しそうかを確認する。 ②歴史の鏡 …大きな流れは過去の歴史を見なければ分らない。多くのケースを知るには、歴史を勉強するしかない。 ③人間の鏡 …人間とは、自分の横にいる仲間の事である。「貴方は間違っている」と云ってくれる人を傍に置かない限り、人は必ず間違う。それを避ける為、太宗は「人」の必要性を説いた。 ※出典:出口 治明(ライフネット生命保険㈱の会長兼CEO) |
リーダーの資質:「指揮力」 | ・「指揮力」とは、如何に情報を分析し、決断し、実行するかと云う能力。 ①即断即決出来る力 …事態が急を要する局面では、直ちに方針を決める事が重要になる。いくら即断即決しても、誤った情報を基に結論を導いてはいけない。正しい情報を集約し、判断出来る組織力を日頃から作る事が大切である。 ②混乱した状況の中でも落ち着いて冷静に事態を見抜く力 …組織のリーダーとして大切なのは、誰もが感情的になっている時こそ、一歩引いて回りを見渡し、幅広い角度から物事を分析する事である。数値化出来るものは数字を示す。数値化出来ない事も客観的に説明する。 ③日常業務を先送りしない …グローバル企業は、非常時だからと云って世界各国の通常業務を止めれば、損失は一層大きくなる。有事の際こそ、日常的な業務はしっかり続けなくてはならない。 ④非常時にこそ必要な大局観 …日本の再建を少し引いた目で、大局に立って判断出来るリーダーが求められる。今こそ、大局に立って周囲を見渡し、冷静な判断を下す事が、企業のリーダーは勿論の事、国家のリーダーにも求められる資質である。 ※出典:内永 ゆか子(ベルリッツ コーポレーション会長兼社長兼CEO)、日経ビジネス2011年4月25日号。 |
リーダーの条件 | ①Listen(聞く) ②Explain(説明する) ③Assist(助ける) ④Discuss(話し合う) ⑤Evaluate(評価する) ⑥Response(責任を取る) ※出典:ポール・ピコーズ(アメリカの社会学者、産業心理学者)…1970年代後半に提唱した「LEADER 6ヵ条」。 |
リーダーの能力 | ①潮目を見る能力(信念の裏付けが必要) ②行動に移せる実行力(リスクを顧みずに思い切って冒険出来る実行力) ・「既存の大企業勤務の時代から起業の時代に移っている」「集団的仕事から個々人の能力を基盤にした仕事へ」と云う時代には、この「2つの能力はセット」として必要。 ※出典:『格差社会の世渡り』(著者:中野 雅至)。 |
リーダーの役割 | ・生産性向上を促すのがリーダーの役割である。 …「参画→動機付け→責任感→所有意識→情熱→生産性」の連鎖の川上から川下までのそれぞれの段階に仕掛けを巡らし、生産性の連鎖を促進する事が求められる。それには、リーダー自身が、生産性の連鎖の流れをきちんと理解する事が欠かせない。 ※出典:内藤 晴夫(エーザイ㈱の社長兼CEO)。 |
リーダーの要件 | ①企画力 ②説得力 ③行動力 ④指導力 ⑤統率力 ⑥判断力 ⑦独創力 ⑧人間味 ⑨先見性 ※出典:木村 松夫(NEFE)。 |
リーダーの要素 | ①情報を読む力 ②実行力 ③方針がぶれない事 ④部下との良い関係性 ・西郷隆盛は、①~④全ての要素を保有。 ・徳川慶喜は、①②の要素のみを保有。 ※出典:『謎とき徳川慶喜』(著者:河合 重子)。 |
リーダーに備わっていなければならない要素 | ①決断力 ②実行力 ③想像力(先見力) ④直感力 ⑤知力(教養力) ⑥情報力 ⑦統率力 ⑧運 ⑨体力 ⑩明るさ ⑪使命感(信念) ⑫忍耐力(持てる力) ⑬敏捷性 ⑭言語力(喋る力) ⑮交友力 …良い友達を選ぶ事の出来る能力。 ⑯風度 …「あの人なら…」と思わせる「らしさ」と云った意味(童門 冬二)。 ⑰CI(Corporated Identity、コーポレーティド・アイデンティティ) …教養。他の人では提供出来ないその人だけが持つ、他の人との差異の事。 ⑱継承力 …次世代に次々と伝えて行く事。家を潰さずに長く継承させて行く経営能力。 +非情さ …生き方の問題。「善悪」ではなく「好悪」の問題。 →洋の東西、歴史の遠近に関係なく、戦国の世でも現代でも、凡そその人に関わる社会の歴史を動かす人に共通して云える事。 ※出典:『歴史を「本当に」動かした戦国武将』(著者:松平 定知)。 |
リーダーに必要な3要素 | ①ビジョンを構築する力 …ビジョンを作り共有化する事が大事。 ②コミュニケーション力 …ビジョンに向かって全員が動ける様にする上で不可欠な要素。 ③推進力 …逃げず、怯(ひる)まず、自ら先頭に立つ。所詮1人では何も出来ない。1人で100歩進むより、皆で揃って1歩ずつ進むのが理想。 ※出典:末川 久幸(㈱資生堂の社長)。 |
リーダーに必要な資質 | ①判断力 …複雑なシステムを見て根本的な問題は何なのかを理解する。問題に優先順位を付けて最も重要な問題が何なのかを考える。 ②起業家的な見方を身に付ける事 …人は誰でも目標の達成を妨げる問題や制約を抱えている。他人には分からないチャンスを探し出し、制約を制約でなくしてしまう。 ③意思疎通の能力 …特に他人の云う事を良く聞く事が重要。異なる文化を背景とする人が何を云おうとしているのか、真意を掴む事。 ④個人や企業の価値観を理解して、それらを長期的な目標へ置き換える事 …短期の目標に目を奪われたり、曖昧な状況の中で見失ったりせずに、長期の目標を常に見据える。 ⑤実行する勇気 …何をすべきなのかを考え、周囲と意思疎通を図って、自分にとって本当に価値のあるものは何なのかを探し求める。 ※出典:ジェイ・ライト(ハーバード大学の経営大学院(ハーバード・ビジネス・スクール)の学長、1941年生まれ)。 |
リーダーに必要な属性 | ①適応力 ②意味の共有化と他者の巻き込み ③意見と表現 ④高潔さ |
リーダーに必要な品性の四か条 | ①使命感 ②公平公正 ③無私の心 ④ロマン ※出典:樋口 武男(大和ハウス工業㈱の会長)。 |
リーダーに必要な力 | ・リーダーたる者には4つの力が必要。 ①先見力 ②判断力 ③統率力 ④人間力 …一番難しい人間的魅力の事。後ろ姿で部下を引っ張れる力で、俗に云うオーラ(aura)。 ※出典:樋口 武男(大和ハウス工業㈱の会長兼CEO)。 |
リーダーに要求する性格 | ①力量 ②幸運 ③時代に合う事 ※出典:マキァヴェツリ。 |
リーダーの心得7ヵ条 | ①常に上位者の位置にいるつもりで思考し、自分の発想が真っ当かどうか、客観視する姿勢を持つ。 ②一生懸命に仕事していると、視野狭窄になるので、外部の意見に耳を傾ける。 ③上司は自分の短所と部下の長所を比較する事で、自分の課題が見えて来る。 ④ダメ集団もリーダーで変わる。人材が活躍出来る場を作る事が求められている。 ⑤上には苦言、下には厳しさ。どちらからも嫌がられていないやつは、自らの役目を果たしていない。 ⑥皆が誤解せずに内容を共有出来る様に、分かり易いメッセージを伝える。 ⑦会社が共有すべき思想を、日常の仕事における局面や状況で、意識的に部下に語り掛ける。 ・リーダーに求められる役割は、人材が活躍出来る土壌、環境、状況をどう作るかと云う事。 ・大多数の意見が必ずしも正解とは限らない。 ※出典:安部 修二(㈱吉野家ディー・アンド・シー(現 ㈱吉野家ホールディングス)の社長)、『逆境の経営学』(著者:戸田 顕司)。 |
最高のリーダー | ・最高のリーダーとは、多くのマネージメントスタイルを、環境に応じて使い分けられるリーダー。 ・リーダーに重要な資質は、柔軟で、適応力が高い人。 ※出典:ケン・シュノールト(米アメリカン・エキスプレス会長兼CEO)。 |
リーダーシップ | ①統率力 ②指導力 ③影響力 ※出典:木村 松夫(NEFE)。 |
リーダーシップ | ・リーダーシップとは、組織の目的を効率的に達成する為に、リーダーが部下に対して行使していく対人影響力。 ※出典:清水 龍榮(慶応義塾大学の名誉教授)。 |
リーダーシップ(6量人) | ①技量(技術) ②度量(決断) ③器量(人柄、魅力) ④知量(知識) ⑤力量(体力) ⑥心量(愛情) ※出典:福光 尚次(㈱阪急百貨店の社長)。 |
リーダーシップの3要素 | ・リーダーシップの3要素 ①「大戦略の提起」能力 …先ず大局を見る、長期を展望する、そして向かうべき方向を見定める。その上で足元の現実を正確に認識して、その間を繋ぐ道筋を考える。その為に求められるのは独立自尊の気構え。想像的で独立した思考が創造性、ダイナミズムに繋がって行く。 ②「企画・立案」能力…参謀型の能力。 ③「統率・実行」能力 ※ダイナミズム…Dynamism、その物の様々な要素が力学的に作用し合って、それ独特の立体的な構造を形作っている事。 ・今、日本のリーダーに求められるのは、判断の根本をぐら付かせない事である。 ①日本は海で結ばれた同盟により大陸と向かい合う国柄がであると云う事。 ②価値観を共有するものが同盟国であり、身内であると云う事。 ③同盟国の核抑止力により未然に有事を防ぐ事こそ21世紀的安全の保証である事。 ④同盟を産業面での相互補完によって裏打ちする事が不可欠である事。 以上4点こそが、日本の立国の基本だと思う。 ※同盟国:アメリカ合衆国。 ※出典:『明日のリーダーのために』(著者:葛西 敬之)、2010/06/22。 ※葛西 敬之…東海旅客鉄道㈱の代表取締役会長。 |
リーダーシップの本質 | ・リーダーシップの本質は、「最も優れた人間が最も優れた決定をする」と云う事。 ・「経営者は、優れた独裁者であるべし。企業が常に民主主義である必要はない」 …「優れた独裁者が率いる組織が最良の組織」になる。危機下では、周囲に意見は求めるが、リーダーが己の責任で決断し、組織を導く。その代わり、リーダーは自身の決断に責任を持たなければならない。 ・決断のステップは、「読む」「構想する」「伝える」「実行する」。 ①読む …置かれている状況を把握し、将来を正確に予測する事。 ②構想する …やるべき事の優先順位を決め、実現の為のプランを考える事。 ③伝える …トップの明確なメッセージとして社員に伝え、理解される事。 ④実行する …経営者は、実行した上で、必ず成功させなければならない。その為には、己の人間力を磨く以外にない。 ・リーダーの能力は、①読む力、②決断する勇気(+スピード)、③リーダーシップ(威圧感)。 ※出典:古森 重隆(富士フイルムホールディングス㈱の会長・CEO)。 |
リーダーシップ・コミュニケーションの6要素 | ①方向(ビジョン)の設定→コミュニティ・リーダー ②情報の共有→ナビゲーター ③動機づけ→ナビゲーター ④一体感の維持→ナビゲーター ⑤価値観の伝達→変革推進者 ⑥創造の場づくり→変革推進者 ※出典:徳岡 晃一郎(フライシュマン・ヒラード・ジャパン㈱のシニアバイスプレジデント)。 |
リーダーを指名する時に話す3つの点 | ①倫理面で一点の曇りもあってはならない。 ②顧客第一の姿勢を認識する。 ③人材・戦略・業務の3つのプロセスを理解し、それらを主導する。 ※出典:『経営は「実行」』(著者:ラリー・ボシディ)。 |
イノベーティブなリーダー | ・「人と違う考え方」や「人と違う行動」を取る。現状を積極的に疑い、果敢にリスクを取ろうとする。 ・「イノベーターDNA」 …革新的なアイデアを生み出す為には、5つの基本的な発見力が必要。 ①関連付ける力 ②質問力 ③観察力 ④ネツトワーク力 ⑤実験力 ※出典:『イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル』(著者:クレイトン・クリステンセン/ジェフリー・ダイアー/ハル・グレガーセン、訳者:櫻井 祐子)、日経ビジネス2012年2月13日号。 |
革新型リーダー7要件 | ①夢や未来を描き語り続ける力 ②自ら価値創造が出来る力 ③変化への対応力 ④考え抜き結果を出す力 ⑤人を惹き付け動かす力 ⑥スピーディな意思決定・決断力 ⑦品格・高潔さ ※出典:小林 栄三(伊藤忠商事㈱の社長)。 |
グローバル・リーダーの条件 | ①英語力がある。 ②自己主張が出来、相手と侃々諤々(かんかんがくがく)の議論が出来るディペート能力を持っている。 ③場を仕切れるリーダーシップ。グループを引っ張るリーダーシップを発揮。 ④(議論の場で)皆の意見を取り纏められる。 ⑤多様な考え方に対応出来る。多様性(ダイバーシティ)のある環境に上手く対応。 ⑥GNN(義理・人情・浪花節)を実践。酸いも甘いもきちんと噛み分け乍ら、最終的には人望も求められる。 ※出典:竹内 弘高(ハーバード大学の経営大学院(ハーバード・ビジネス・スクール)の教授、1946年生まれ)。 |
変革期に求められるリーダーの要諦 | ・変革期に求められるリーダーの具体的なリーダー像 …「足元の現実から目を逸らさず、問題の本質を直視し、如何に困難であろうとも、抜本的な解決の方策を立て、実行する人」。 ・リーダーシップ …「大戦略の提起」「企画・立案」「統率・実行」と云う3つの能力が必要だが、特に地図もなく、方向も分からない様な変革期には「大戦略の提起」能力が死活問題になる。 ※出典:『明日のリーダーのために』(著者:葛西 敬之)。 ※葛西 敬之…東海旅客鉄道㈱の代表取締役会長。 |
変革期に求められるリーダーの要諦 | ・変革期に求められるリーダーの具体的なリーダー像 …「足元の現実から目を逸らさず、問題の本質を直視し、如何に困難であろうとも、抜本的な解決の方策を立て、実行する人」。 ・リーダーシップ …「大戦略の提起」「企画・立案」「統率・実行」と云う3つの能力が必要だが、特に地図もなく、方向も分からない様な変革期には「大戦略の提起」能力が死活問題になる。 ※出典:『明日のリーダーのために』(著者:葛西 敬之)。 ※葛西 敬之…東海旅客鉄道㈱の代表取締役会長。 |
求められるリーダーの自覚 | ・「逆三角形の底を支える志」 …どれだけ自分の「私」の部分を消せるかと云う事。 ・「志」…10人を支える1人の心が「志」である。 ※出典:吉田 英明(縄文アソシエイツ㈱の社長)。 |
企業や国のリーダー | ・義務の大切さを説明し、説得出来る表現能力を持ち、異質を受け入れる胆力(たんりょく)、度胸があるかが問われている。 ・「胆力」(たんりょく) …事にあたって、恐れたり、尻ごみしたりしない精神力。ものに動じない気力。肝っ玉 ※出典:數土 文夫(すど ふみお、JFEホールディングス㈱の相談役)、日経ビジネス2013年2月4日号。 |
非リーダー | ・内田 樹(うちだ たつる)氏の持論:「リーダーは誰にでも務まるもの」。 ・集団が10人であれ、100人であれ、リーダーは1人しかいない。それ以外の人は、「非リーダー」である。「集団の多数を占める非リーダー達に、如何に自分の役割を果たして貰うか、その為に社会的にどんな機能が必要なのかを考える方が、1人のリーダーのあるべき姿を論じるよりも重要である」 ・「企業の経営者やリーダーと呼ばれる人達がすべき事は、我々が何の為に存在するか、次の世代に何をレガシー(遺産)として贈与していくのかと云う物語作りだ」 ※内田 樹(うちだ たつる)…思想家、武道家、翻訳家、神戸女学院大学の名誉教授。現代思想の一つである構造主義の観点から文化や社会の諸問題に鋭い考察を披露。 ※出典:販売士資格更新講習会テキスト《2級販売士用》第2部『管理知識・技術』(発行:日本商工会議所・全国商工会連合会、発行日:2012年(平成24年)9月1日第8版2刷)P.17、2013/03/09(土)。 |
リソースとリーダーシップ | ・政治でも経済でも不変の法則が一つある。それは、世の中で変革を起こすには、ヒト・モノ・カネ(3要素)を動かさなければならない事である。ただ、この3要素は世界を動かす必要条件であっても、十分条件ではない。もう一つ、不可欠なものはリーダーシップである。 ・3要素は、あくまでリソース(資源)である。一方、リーダーシップは、それらのリソースをどの様に組み合わせ、活用するかを決断し、実行する力を指す。 ※出典:丹羽 宇一郎(伊藤忠商事㈱の前会長)。 |
幹部の資格 | ①指導推進力 ②個人別対応力 ③包容力 ※出典:『幹部の条件』(著者:畠山 芳雄)。 |
管理職に求められる能力 | ・「仕事をこなす」より「人を使う」 Ⅰ.責任者 ①会議を上手に運営する。 ・課題や目的を明示し、メンバーの理解を促進する。 ②情報共有を進める。 ・必要な情報を伝達したり、決定事項の根拠を説明したりする。 ③組織の効率的な運営を追求する。 ・メンバーのやる気や生産性を向上させる。 Ⅱ.管理監督者 ④組織体制を確立する。 ・チームに必要な人員や最適な体制を実現する。 ⑤リーダーとして組織の方針を決定する。 ・使命、目標、課題、傾向、方針を示し、役割を完遂する。 ⑥素晴らしいビジョンを伝える。 ・品質と成長、収益性と意欲等、相反する要請を満たす。 ※出典:高野 研一(ヘイコンサルティンググループの社長)。 |
管理職に求められる能力 | ①目標を作る能力 ②目標達成する能力 ③リーダーシップを発揮する能力 ④部下を育成する能力 ⑤時代に適応する能力 ・これからの管理職に求められる能力は、④の人材育成。部下には活躍の場を与えると同時にインセンティブを与えるミドルが不可欠となる。 ・今、組織力を底上げする方法として、上司の人間としての「総合力」に着目する企業がある。新たに「部下を育てる能力」等を組み込んだ新人事制度を設けている所もある。 ※出典:販売士資格更新講習会テキスト《2級販売士用》第2部『管理知識・技術』(発行:日本商工会議所・全国商工会連合会、発行日:2012年(平成24年)9月1日第8版2刷)P.34~P.35、2013/03/09(土)。 |
管理職の理想像 | ・管理職の理想像として、イタリアの「プロジェティスタ」(商品開発や新事業の立ち上げを請け負う個人事業主)を挙げる。 …「モチベーションの源は、お金より仕事のやりがい。会社を辞める必要はない。企業の中で管理職達がプロジェティスタの様な働きを示すべきだ」と指摘する。 ※出典:野田 稔…明治大学大学院の教授、『中堅崩壊』の著者。 |
起業家管理職に求められるもの | ①状況を把握する英知 ②物事を決断する勇気 ③決断した事を実行する行動力 ④人の素質を見抜く人物眼 ⑤社員への公平無私な愛情 ・「誠実に勝る知恵なし」「帯(おび)解き話をする」「柔よく剛を制する」 ※出典:『SEのためのシステムコンサルティング入門』(著者:黒岩 暎一…テクノロジストコンサルティング㈱の社長)。 |
グローバルで活躍出来る人材に不可欠な要素 | ①想像力 ②コミュニケーション力 ③直感力 ④実践力 ⑤求心力 ⑥徹底力…最も大事。当たり前の事を徹底的に追求する事によって非凡を生む。 ※出典:高原 豪久(ユニ・チャーム㈱の社長)、日経ビジネス2017年4月3日号。 |
経営 | ・「経営とは、理を突き詰める事」である。 …経営には、欠かせない法則がある。それはごくシンプルなものである。法則に抗って成功する事は、あり得ない。 ・経営は人間ではなく、機能の集団がなす。そしてその機能を発揮させるのは、情ではなく理である。 ※出典:並木 忠男(旭硝子㈱の元副社長、並木事務所の代表)。 |
経営者に必要な資質 | ①情報収集力…重要 ②時代を見抜く先見力…重要 ③決定力・実行力 ④会社や組織を引っ張るリーダーシップ ・中でも重要なのが1つ目と2つ目。正しい情報に基づき変化が激しい時代の先行きを見抜く力があれば、正しい意思決定が出来、会社経営も順調となり、リーダーシップも高まっていく。 ※出典:都築 冨士男(㈱都築経営研究所の代表、元ローソン・ジャパンの元社長) |
経営者に求められる資質(経営者の要件) | ①人間力 …事業を成し遂げる強い意志や任された任務に対する責任感、正義感等を備えている。 ②スキル …商売の本質を理解する力や商売を数値に置き換えて考えられる力等を備えている。 ③強烈な経験 …逃げ場のない経営、リーダーシップの経験や成功、失敗等の経験を持つ。 ※出典:玉塚 元一(㈱リヴァンプの代表パートナーの一人)。 ※「リヴァンプ」…「刷新する」「立て直す」と云う意味。 |
経営理念(創業者の思い) | ・日立製作所:「和=充分に議論を尽くし、ひとたび決まれば、事に当たって一丸となってまい進する事」 ・ホンダ:「常に夢と若さを保つ事」 ・ソニー:「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき、自由闊達にして愉快なる理想工場」 ・キャノンの行動指針:自発(自ら進んで行う)、自治(自分自身を管理する)、自覚(自分の立場・役割・状況をよく認識する)の「三自の精神」(内田 恒二:キャノン㈱の社長) ※出典:日経ビジネス2010年7月5日号。 |
研鑽四か条 | ①先見力 ②統率力 ③判断力 ④人間力 ※出典:樋口 武男(大和ハウス工業㈱の会長)。 |
現場力 | ・現場力とは、様々な能力が絡み合う複合的な力。 ①洞察力…好機や危機を察知する力。 ②瞬発力…洞察力(好機や危機)に反応して直ぐに動ける力。 ③行動力…リスクを取ってでも挑戦したり、上手くいかない時でも粘り強く取り組んだりする事で身に付く。 ④コミュニケーション力…周囲を巻き込み、動かしていくのに欠かせない力。 ・経営者の役割で、最も重要な事の一つが人材育成である。 …若手社員に現場力を身に付けさせる為、「修羅場、土壇場、正念場」を経験する様に促す。ギリギリの所まで自分を追い込む事によって、現場力は高まるからである。 ※出典:飯島 彰己(三井物産㈱の会長)。 |
現場力と現場力劣化の要因 | ・現場力 ①新しいものを生み出す能力 ②より良くする能力 ③保つ能力 →3つの能力を兼ね備えた現場を「非凡」と定義。その代表例が㈱デンソーとの事。 ※出典:遠藤 功(ローランド・ベルガー(ドイツのコンサルティング会社)の日本法人(㈱ローランド・ベルガー)の会長)。 ・現場力劣化の要因 ①雇用形態の多様化で一体感が喪失。 …非正規社員の増加、若い世代に広がった個人主義や常識の欠如(宗 裕二:㈱日本能率協会コンサルティングのシニア・コンサルタント) ②リストラによる人材不足で技能継承されず。 …リーマンショック(2008年)後のベテラン技能工のリストラで現場崩壊(宗 裕二:㈱日本能率協会コンサルティングのシニア・コンサルタント) ③海外移転で日本に「現場」が無くなった。 …空洞化や産業の高度化が進んで、現場力を育む場が無い。ISO9000(品質マネジメントシステム)を導入事で改善活動が崩壊(高橋 功吉:㈱ジェムコ日本経営の取締役) ④経費削減で教育コストを究極までカット。 …社員の海外留学や研修が減った(桐山 秀樹:ホテルの現場力に詳しいジャーナリスト) ⑤IT化によるコミュニケーション不足。 …IT化(ネット予約や自動チェックイン・アウト)は、宿泊客との対話(お客様の声)を奪った(桐山 秀樹:ホテルの現場力に詳しいジャーナリスト) →日本企業の現場力の復活には、QCサークルの復活等地道な活動で、愚直に現場を鍛える事が肝要。10年単位の長期計画で臨むしかない(遠藤 功:ローランド・ベルガー(ドイツのコンサルティング会社)の日本法人(㈱ローランド・ベルガー)の会長)。 ・大本の責任は経営者にある。負担を現場に押し付ける一方で、余計な会議や仕組みを導入して来た。 ※出典:日経ビジネス2015年5月11日号:スペシャルリポート「日本の現場は強くない」。 |
“心のクスリ”となる10ヵ条 | ①優秀な指導者より、良き理解者となれ。 ②部下に対して注意はしても、怒るな、怒鳴るな。 ③じっと上司の目を見て話を聞け。 ④仕事を好きになる努力をせよ。但し、7割出来ていれば上出来と思え。 ⑤自分欲望よりも欲求に素直になれ。 ⑥会社では家族や趣味の事を良く話せ。 ⑦家では会社の事を良く話せ。 ⑧自分1人で頑張るな。家族でも友人でも、頼れる者は全て頼れ。 ⑨小・中学生、そして高校生の頃になりたかったものや、やりたかった事を時々思い出して書いてみよ。 ⑩毎日、ちょっとした冒険をせよ。 …大事なのは、仕事やお金よりも、自分自身を大切にする事である。 ※出典:安岡 博之(南赤坂クリニック院長:予防医学「WORKABLE80」、カウンセリングの専門家)。 [日経ビジネス:心と体“心のクスリ”…1997年2月~2007年12月17日号まで毎月1回連載] |
指揮官先頭 | ・指揮官には、先見性を持って構想を練り、勇気を持って実行し、厳しい局面にさらされても怯(ひる)まず持ち応える忍耐力が必要である。 ・「指揮官先頭」と云う言葉には、公の為に尽くすリーダーとしてのあるべき姿が集約されている。 ※出典:岩崎 俊一(東北工業大学の理事長)、日経ビジネス2010年7月19日号。 |
志士を育てる7つの要諦 | ・企業の革新を担う自律型の人材を育てる秘訣 ①トップが人材育成に執念を燃やす。 ②社員に意識改革を強いる役を置く。 ③身近にロールモデルを作る。 ④自社の経営課題と向き合う。 ⑤現場にこだわり、現実を直視する。 ⑥事実を積み上げ、揺るがぬ論理を作る。 ⑦「落第生は出てもいい」と割り切る。 ※出典:日経ビジネス2010年1月11日号。 |
自浄能力を発揮する組織に必要な条件 | ・組織を守る為になくてはならない「PPAP」 ①Principle(原理原則) ・不正の真相究明と再発防止を最優先する。 ・売上高や利益等の数字至上主義に陥らない。 ②Preparation(準備) ・リスク管理の専門部署・担当者を配置する。 ・実効性のある社内通報制度を整える。 ③Action(行動) ・記者会見ではトップが自分の言葉で話す。 ・迅速に調査委員会等を立ち上げる。 ④Persistence(持続性) ・風通しの良い環境作り。 ・トップが外部・内部とのコミュニケーションを密にとる。 ※出典:日経ビジネス2016年12月12日号:特集「謝罪の流儀2016 一夜明ければ社会の敵に Part4 思考停止がもたらすマニュアルの罠」、危機管理の専門家や弁護士等への取材を基に日経BP社が作成。 |
上司に求められる条件 | 《ドイツ》 ①実務能力 ②決定能力 ③部下のやる気を高める事が出来る。 ④自分のセクションのムードを良くする事。 《フランス》 ①実務能力 ②スマート(決定能力) ③カリスマ性 ④アピアランス(Appearance、見た目、その人のセンス、人間味、「顔」) 《日本》 ①実務能力 ②人間関係調整力 |
上司力(上司に求められる要素) | ①Management(チームを纏める事) ②Teaching(教える事) ③Consulting(必要に応じて助言する事) ④Coaching(個人の能力を引き出す事) ※出典:『こんな上司が部下を追いつめる』(著者:荒井 千暁)。 |
人徳の諺 | ・"Great things can be accomplished only when people are the basis
for them.":「大きな事を成し遂げるには、人を基本としなければならない」 …劉備(中国の三国時代の英雄) ・"It is personalities, not principles, that move the age.":「時代を動かすのは主義主張ではない、人格である」 …オスカー・ワイルド(アイルランド生まれの作家) ・"A true leader values virtue above all. If he is virtuous, people will follow him.":「君子先ず徳を慎む。徳あればこれ人あり」 …『大学』 ・"Virtue is a kind of health, beauty and good habit of the soul.":「徳とは一種の健康であり、美であり、魂のよいあり方である」 …プラトン(古代ギリシャの哲学者) ・"Trust is not a thing that is completed once built up. Time wears it down, rusts it.":「信頼とは、一度築き上げれば、それで完成するものではありません。ときが経てば、消耗するし、錆びてきます」 …前田 新造(実業家、㈱資生堂の社長) ・"If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.":「たくましくなければ生きてはいけない。優しくなければ、生きている資格はない」 …レイモンド・チャンドラー(アメリカの作家) ・"The leader who does not heed the advice of those below him will surely lose his realm and bring ruin onto his house.":「凡(およ)そ人の上に立って、下(しも)のいさめを聞かざる者の、国を失い、家を破らざるは、古今とも、これなし」 …徳川 家康(江戸幕府の初代将軍) ※出典:NHK教育テレビ「ギフト~E名言の世界~」、2010年7月10日(土)再放送。 |
人事の要諦 | ・「業績は禄で報い、徳は地位で報いよ」 …業績を残した人にはボーナスで報いる。昇進させるかどうかは、リーダーシップ等その人の「徳」を重視すべきと云う意味。会社の社員をどう処遇するかで、組織の力は大きく変わる。 |
優れた組織が滅びる要因 | ①成功体験への埋没 ・組織は一度成功した事を繰り返したがる。 ②環境への過剰適応 ・あまりにも環境に適応し過ぎた組織を構築すると、新たな環境の変化に対応出来なくなる。 ③機能組織の共同体化 ・組織はある目的を持つ機能体であるが、内部の人間の幸せを追求すると、本来の目的を追求しなくなる(企業で云えば、利益追求)。 ※出典:堺屋 太一(作家)。 |
スポンサーシップ | ・リーダーシップ …「引っ張っていくリーダー」と云うイメージが強く残っている。短期的な成果を求められる危機的な状況で有用である。 ・スポンサーシップ …「部下が主役になる機会を演出する事で、質の高いチームワークを作り出す」事を狙っている。知恵を出し創造的な経営が必要なこれからの企業においては、社員自身が内側から発する動機を引き出す事が不可欠である。大きな変革や体質改善を進める為には、幹部が一枚岩となって行動する事が大切である。また、人を大切にし、人の能力を十分に発揮させる経営は時代遅れではない。 ・スポンサーシップが機能する為に必要なポイント ①セーフティーネット(安全網)作り ②「対話力」の強化 ③対話でビジョンを描き共有する「場」作り ④当事者意識の強化と自己革新 +「世話人」「参謀機能」「コアネットワーク」が重要。 ※出典:『なぜ社員はやる気をなくしているのか』(著者:柴田 昌治)。 |
成功のための五原則 | ①創造性 ②優れたリーダーシップ ③コンピテンシー(Competency、高い成果を生み出す行動特性、発揮能力) ④アラインメント(Alignment、連帯感) ⑤価値観(特に重要) …正直、信頼、他者と自己の尊重、誠実、責任と云った人間の基本的な価値観で、特に重要。 ※出典:『リアル・リーダーシップ 成功のための五原則』(著者:ピーター・ジョージェスク、デイヴィッド・ドーシー、訳者:伊藤 綺)。 |
人を動かす「10の鉄則」(カリスマの求心力) | ・「リーダー」としての「器」を磨く為の方法論や思考法、即ち「求心力」を持ち、人を動かすのに長けた「カリスマ」になる為の10の鉄則。 ①品格を磨く 「存在感が光る人」になれ。 ②上手に励ます この“ひと言”を惜しむな。 ③信頼を勝ち取る 「期待」をかけ、発奮させよ。 ④耳を貸す 「心の声」を汲み取れ。 ⑤理解を示す 「相手の立場」に立て。 ⑥巧みに助言せよ 「成長力」を加速させよ。 ⑦“ガイド”に徹する 「大きなヴィジョン」を語れ。 ⑧“結束力”を高める 「常勝チーム」をつくれ。 ⑨“後ろ盾”になる 思い切って「任せよ」。 ⑩これをやり遂げて“責任完了”! 「志のバトン」をつなげ。 …10の鉄則全てを頭に叩き込んで実践すれば、求心力のあるリーダーに成長する。 ※出典:『求心力』(Becoming a Person of Influence)(著者:ジョン・C・マクスウェル、ジム・ドーナン、訳者:齋藤 孝)。 ※マクスウェル(John C. Maxwell)…アメリカで「リーダーシップ論」の権威として、毎年25,000人以上の管理職を指導している「世界一のメンター」と讃えられている。 ※ドーナン(Jim Dornan)…航空工学のエンジニアを経て、グローバル・マーケティングの世界で活躍している。 ※齋藤 孝…1960年生まれ、明治大学の文学部教授、専攻は教育学・身体論・コミュニケーション技法。 |
マネージャーのタイプ | ・米国企業の管理職に関する調査結果、どれだけ複雑な状況(複雑性:Complexity)に対応出来るかによって、大きく3つのタイプのマネージャーがいる。 ①ソーシャライズド・マインド(Socialized Mind) ・日和見型のマネージャー。周りを見て判断する。 ・周りからどの様に見られるかによって、判断・行動が決まる。責任を取らなくても良いので、上司から明確な指示がある事を好む。 ・米国には、8%~14%程度いる。 ②セルフ・オーサリング・マインド(Self-authoring Mind) ・指示命令型のマネージャー。自分で計画・実行出来る。 ・自分自身の信念や計画に基づいて、着実に実行。仕事に自信を持っていて、過去に成功体験があるから、やるべき事は分っていて、自分が必要な情報だけを周りから入手。 ・方向性が見えている環境では高い能力を発揮する。しかし、会社が置かれている環境が大きく変わってしまった際には、ピント外れの議論を繰り返し、的確なのは半分位。その結果、業績悪化に歯止めが掛からなくなる。 ・米国には、34%~35%程度いる。 ③セルフ・トランスフォーミング・マインド(self-transforming Mind) ・自己変容型のマネージャー。自己を変容出来る心構えがある。 ・過去の成功体験を持っていながら、事業が立脚している基盤すら、疑問視出来る能力を持っている。問題が生じた場合、対症療法ではなく、根本的に治療しようとする。 ・米国には、1%以下しかいない。 ・日本企業においては、セルフ・トランスフォーミング・マインドの持ち主はもっと少ないだろう。そもそも、日本人は小さな改善は得意だが、大きな改革は不得意と云われている。更に、最近は内部統制が強化されている為、新規提案・企画は全て後回しの状況。 ※出典:ロバート・キーガン(Robert Kegan)博士…ハーバード大学の教育大学院の教授(成人学習・職業発達論)、『2022-これから10年、活躍できる人材』(著者:神田 昌典…経営コンサルタント、発行所:㈱PHP研究所)。 |
マネージング(経営・管理) | ・「マネージングとは、変化の先取り」である。 |
2対6対2の法則 | ・どんな組織でも優秀な人が2割いて、6割が普通、2割が足を引っ張る人達と云う経験則。 …企業は社長を頂点とする人材ピラミッド構造。底辺に位置する新入社員から順に、中間管理職、役員等と階層を分ける。不思議とどの層でも人材の質が2対6対2に分かれている。 |
3Mにおける優れたリーダーの条件 | ①Chart the Course(指針を明示せよ) ②Inspire Others(社員を鼓舞せよ) ③Resourcefully Innovative(創意工夫せよ) ④Deliver the Result(成果を上げよ) ⑤Raise the Bar(目標は高く設定せよ) ⑥Live 3M Value(経営理念を実践せよ) |
3S1Lの原則 | ①Speedy(速く) ②Low(安く) ③Safety(安全に) ④Surely(確実に) |
ゼネラル・エレクトリック(GE)の不文律 | ・「優秀な部下を囲い込む様な人は、一流の管理職ではない」 …優秀な部下がいれば、ステップアップの為に新規分野等に出す。或いは、自分が外に出て、優秀な部下に後に託す。それが理想の上司像とされている。 |
日本ゼオン流 管理職が身につけるべき10の能力 |
①世の中の流れを予知して準備する。 ②5年後のあるべき姿を描き、挑戦する。 ③当面の目標・課題・評価を上手に行う。 ④戦略的志向で処理すべき仕事に重点を置く。 ⑤権限を委譲し、部下教育や自分の時間を確保する。 ⑥部下に与えた仕事の達成を支援する。 ⑦真の原因を掴んで問題を解決する。 ⑧何を話したか以上に何を理解したかである。 ⑨何を理解させたか以上に何を感じさせたかである。 ⑩部下を感動させる力を持つ。 ※出典:中野 克彦(日本ゼオン㈱の会長)。 |
ライオンリーダー25のキーワード | 「一勢攻守善 道天地将法 智信仁勇厳 千情略冷闘 風林火山勝」 ※出典:『羊のリーダーで終わるか ライオンリーダーになるか』(著者:皆木 和義、市川 周、発行所:㈱中経出版)。 |
時代で変化したアメリカ型経営(アメリカの経営モデルは5段階) | ①第1段階:大量生産の本格化 ・理論家:フレデリック・テイラー(経済学者、技術者、経営学者、1856/03/20~1915/03/21) …1911年に『科学的管理法』を発表し、労働者の生産性を高める方法を科学的に提示する。 ・実践者:ヘンリー・フォード(フォード創業者、1863/07/30~1947/04/07) …工場に移動式組み立てラインを導入。1908年に「T型フォード」を発売、大量生産時代の幕を開く。 ②第2段階:組織・企業の誕生 ・理論家:フレデリック・テイラー(上記を参照) ・実践者:アルフレッド・スローン(GM初代CEO、1875/05/23~1966/02/17) …GMで事業部制等多数の組織を連邦の様に束ねる経営手法を導入。企業の概念を確立する。 ③第3段階:マネジメントの発明 ・理論家:ピーター・ドラッカー(経営学者、社会学者、1909/11/19~2005/11/11) …組織を効率的に運営する為のマネジメントの概念を初めて体系化。1954年、『現代の経営』で金字塔を打ち立てる。 ・実践者:チャールズ・コフィン(GE初代社長、1844~1926年) …「偉大な経営者を育てる事が重要」との信念から経営者育成プログラムを導入。近代的な経営を実践した草分け。 ④第4段階:生産性向上手法の追求 ・理論家:エドワード・デミング(統計学者、1900/10/14~1993/12/20) …生産システムの統計的管理手法を考案し、絶え間ない改善の必要性を唱える。QC(品質管理)として日本等へ普及。 ・実践者:ボブ・ガルビン(モトローラ2代目社長、1922年~) …品質管理手法「シックスシグマ」をいち早く実践。日本では「トヨタ生産システム」として有名になる。 ⑤第5段階:起業化モデルの誕生 ・理論家:ジョセフ・シュンペータ(経済学者、1883/02/08~1950/01/08) …イノベーションの理論を構築し、「創造的破壊」によって経済の新陳代謝が進むと説く。 ・実践者:アーサー・ロック(ベンチャーキャピタリスト第1号、1926年~) …1968年、インテル創業資金を提供。偉大な起業家は偶然の産物ではなく、育成可能である事を実証。 ※出典:ジム・コリンズ(=ジェームズ・C・コリンズ)が描く「米経営モデル100年の変遷」。 ※『ビジョナリー・カンパニー』(著者:ジェームズ・C・コリンズ)には、別に「企業凋落5段階説」と云うものもある。 |
"Be Know Do" | ・"Be Know Do"は、アメリカ陸軍のリーダーシップの原則。 …アメリカ陸軍公式のリーダーシップマニュアルで、1980年代に作られた。1973年の徴兵制廃止が1つの要因になったと云われている。 ①Be …品格。リーダーとして「どうあるべきか」と云う品格を表す。具体的には、忠誠、義務、尊敬、無私の奉仕、名誉、高潔、個人的勇気の7項目から成る。 ②Know …知識、スキル。リーダーとして「何を知るべきか」で、これには4つのスキルが含まれる。コーチングやカウンセリングと云った「対人的なスキル」、創造的な思考や論理的な推論を含む「概念的スキル」、職務遂行に必要な知識や能力等「技術的スキル」、最後に目標達成の為に必要な用兵や予算、交渉等の「戦術的スキル」である。 ③Do …実践、行動。上記2つを踏まえて取るべき行動である。部下や組織とのコミュニケーションを意味する「影響」、計画立案から達成までの「実施」、組織をより良いものにする「改善」と云う3つの行動を示す。 ※米国企業では、AAR(After Action Review、事後検討会)と云う自主的討議(振り返り)を通して、特定の行動における組織の強みと弱みの双方をあぶりだして行く事が行われている(『アメリカ陸軍リーダーシップ』、"Be Know Do:Leadership the Army Way Adapted from the Official Army Leadership Manual")。 ※出典:日経ビジネス2010年9月13日号。 |
"FFS"(Five Factors & Stress) | ・"FFS"(Five Factors & Stress)は、アメリカ海兵隊が使っていた組織理論。 …アンケートで人間の性格を5つのタイプに分類し、組み合わせを最適化する事で、優れたチームを作り上げる。軍隊にとってチーム編成は何より重要であり、人間関係の亀裂は作戦の失敗に繋がりかねない。 ※出典:日経ビジネス2010年9月20日号。 ◆「FFS(Five Factors & Stress)理論」とは、最適組織編成を目的として提唱された、人間の思考行動特性とストレスの概念から構成される理論で、3つの機能がある。 ①個々の思考行動特性を数値化 …個々の特性(思考行動特性、パターン)とストレス状態を、数値化する事が可能。 ②個々の特性を目的に応じて、任意に類型化(タイプ分け) …個々の特性を数値化する事により、任意に類型化(タイプ分け)する事が可能。 ③チームの“相性・組み合わせ・関係性”を測定 …多変量解析(複数の結果変数からなる多変量データを統計的に扱う手法)によって、チームメンバー間の関係性(心理距離)の可視化。この結果、組織やチームの潜在力を発揮出来る関係性であるか否かを把握する事が可能。 |
SMART (目標を設定する時に使用するガイドライン) |
・S:Specific(具体的で) ・M:Measurable(定量化されていて)…特に重要 ・A:Achievable(実行可能で) ・R:Relevant(上位目標と関連が取れていて) ・T:Time-bound(時間軸もはっきりしている) ※出典:『“本気”の集団をつくるチーム・コーチングの技術』(著者:徳岡 晃一郎)。 |
TPL (Technology Powered Leadership、テクノロジー・パワード・リーダーシップ) |
・自らITを使ってビジネスに革新を巻き起こす新しいリーダーシップスタイル (『net PC』、1997/9 P143より) ①闘将(Ace、エース) …前線に立って戦場を肌で理解し、勝負どころ程自らエースとして行動する。 ②導将(Coach/Mentor、コーチ/メンター) …メンバーの力と意欲を育てながらチームの実績を上げ、チーム全体の意識を高めていく。 ③鳴将(Communicator、コミュニケータ) …呼び掛ける事でビジョンと戦略への共鳴を起こし、豊富な人脈から適材適所の役者を呼び込んで大きな仕事をする。 ④開将(Visionary & Strategist、ビジョナリー&ストラテジスト) …来るべき時代を見据えて方向性、ビジョン、そして戦略を打ち出す。 |
UACモデル (人を動かす効果的なコミュニケーションの基本戦略) |
・U:Understanding(理解) …コラボレーションの目的や意図、ゴール、プラン等、共有すべき事がきちんと理解されているかどうかが第一段階。 ・A:Acceptance(納得) …事実を知る事と、自らの問題として納得するのか反対するのかは、別の次元の問題であるが、納得する所までいけば、第二段階は達成。 ・C:Commitment(行動) …最後のステップが、納得したけれども自分のアクションを具体的に理解し、行動に移しているか(少なくとも、アクションを取る気があるか)、或いは、納得したものの他者がやるべき仕事でしょうと云う傍観者でいるかの別れ道。 ・コミュニケーションの基本は「共感」。 ※出典:『“本気”の集団をつくるチーム・コーチングの技術』(著者:徳岡 晃一郎)。 |