バネ式キャンセラーの仕組み

ダイヤル式のキャンセラーはバネを使っているようです。一例としてCECのアームの機構を調べてみました。実効長229mm、オフセット角22度、オーバーハング15mm。ダイヤル目盛り0では写真のようにバネ線がアームの水平回転軸に触れないようになっています。

下から覗いたキャンセラーの構造図は次のようなものです。図ではレコードの外周あたりの時、アーム内部の軸に接触して外向きの力を与えている所です。インボリュートカム(involute cam)のポジション(ダイヤル)によりワイヤーの接触力が調整出来るようになっています。

バネワイヤーのタワミ率gf/bend degree/L(mm)が十分リニアなものとしてシュミレーションしました。針圧3g、Anti-skatingの目盛りも同じく3gとした場合です。IFC=キャンセラー力、IF=サイドフォース。バネのタワミ率は実測ではなく、実効摩擦係数0.3の時のIFに見合う値としました。このアームの初期回転角10〜20度(アーム支点から見てアームレストから外周の音溝をかける所までの移動角度)の設定によってもIFCの状態(傾斜)が少し変化しますが、このアームの全回転角が45度程度と狭い(そのせいでアームはスピンドルを越える事ができない)ので自ずからほぼ最適な所に収まるように設計されているようです。アームレスト位置での針位置がレコードの縁から何センチはなれているかでIFCの初期設定は変化するので一部のアームではこの距離(又はスピンドルからの角度)を指定しているものもありました。

CECの軸回りが中心軸の他に2軸あるなど特殊なので、このような結果が他のバネ式についても同じ事がいえるかどうかは不明です。

他のバネ式の例1:マイクロMA-701。コイルバネの両端に糸を結びつけダイアルを回しテンションを変える仕組み。

例2: Infinity Black Widow。上のマイクロと同じだがダイヤルの代わりに直線目盛りになっている。針圧1g対応目盛り以上ではバネが強すぎる感がありアンチスケート機能は個人的に使わない事が多い。正味2cmのコイルバネが最大(2.5g目盛り)では3cm程伸ばされ5cmになる。このデザインでは内周に行くに従ってバイアスが増える(回転軸の円周に巻き取られる糸の量が増えるので巻き取り軸は小径のものが要求される)といっても偏差は1割程度なのでバネのリニアリティの方が大きな要素になる。

例3:マイクロのMR-611(1970年頃)に搭載のアーム。バネを縦置きにする仕組みは珍しい。

例4:Dualの1019や1228などに採用された構造。

Dual 1019には面白いアクセサリーがありました。LehmannとHarnischの発明(US Patent3328037-1967)でDual Gebruder Steidinger社に譲渡された特許(右の図)を基にして針保持部とは別に細いバネ指針を設けたものでした。Dualのサービスショップではこのツールを使ってバイアス上の最小目盛りと最大目盛りがそれぞれの針圧でのスケーティングフォースに対応するようにアンチスケーティングのバネの張力を微調整することになっていました。このツールの詳細は<1/2インチ間隔のネジ穴でカートリッジのようにアームの先端に取り付けられ><曲率16±0.5ミクロンの高精度サファイヤ円針が使われ><その針も交換式になっており><DualのテストレコードL 097のようなピッチ幅の少ない無音溝を使ってテストし、溝無しのフラット面は使わないー何故なら溝無しでの測定結果から溝をトレースした場合を単純に推量することはできない><このメータの目盛りは最大300mgまであり、針圧3-4gまでのスケーティングフォースが実測できる><スケーティングフォースやアンチスケーティングフォースだけでなくアームの水平感度や内部配線の機械抵抗の影響も測れるーアンチスケーティング機構無しのアームで指針が左に振れるようなアームは機械抵抗が大きすぎハイファイ用途には向いていない><トレースしている針先に働く50mgのスケーティングフォースに対してメータの針先は3.6mm振れるので、カートリッジのコンプライアンスに換算すると1540x10^(-6)cm/dyneにもなる>これは単純に試算すると0.36*10^6/(0.05*980)=7347x10^(-6)cm/dyneのはずなのですが、同じカンチレバー長を持つカートリッジに換算した渦巻きバネのコンプライアンスの意味で、指針の長さはカンチレバーの約4.8倍なので偏移が3.6mmになるという意味らしい(即ち通常のカートリッジとのコンプライアンス比x4.8=偏移拡大倍率=通常のカートリッジの針先偏移の数百倍)。尚US特許の本文には次のような記述があります:<これまでアンチスケーティング力の正確な調整には溝無しの平らなレコード盤が用いられ、回転するレコード盤上で再生針が静止する時そのアンチスケート調整は正しいとされた。さらなる研究によってこの方法は見かけの正確さにすぎないことが証明された。音溝と針の実際の摩擦は異なっている。この摩擦力とアンチスケート力を実測することは複雑で容易ではない。実測を容易にするのがこの発明の目的である。スケーティング力による偏移は微小なので拡大して見るメータ指針は再生針と比べると長いので相当の質量になる。このことは無音溝では問題にならないがいろんな振幅を持つ音溝で測定する場合は不利になり測定結果に影響を及ぼし、実際の再生針のダンパー復元力の違いにより音溝とそれを再生する針の摩擦力を正確に表すものではなくなる。スケーティング力の大きさはいろんな要素により変化するがとりわけ針が溝に接する部分の曲率半径が重要。市場ではいろいろな曲率の針が売り出され、一方では針の磨耗も摩擦に影響する。> 余談ですが「磨耗針は溝との接触面が増えその圧力は相対的に減るので溝壁面に食い込む量が減る結果=摩擦が減る」という前提により「レコードの無音溝上で未使用針と使用済針の静摩擦の違いを測ることで磨耗の度合いを推量しその針の使用限度を決定する」という特許もあります[同じくDual出身の技師ZimmermannによるUS特許4577303-1986:Test equipment for phono pickup needles]。

以下の図は理論どおり針圧(横軸は針圧スケールpポント=gグラム)の約1割(1019はL202mmのショートアームなので約12%)を実効スケーティングフォース(一番左の縦軸)としています(その直ぐ右は1019のアンチスケーテング調整目盛を示しています)。右端縦軸はバイアスを掛けない時static complianceが25x10⁻⁶cm/dyneのカートリッジの針先が偏移する量μ(ミクロン)を示しています。さらに1019のアームの水平感度は40mg以下で標準バイアス目盛は針先半径16μを基準として調整されており、他の針を使った場合のバイアス数値も右図のように示されていました。楕円針が一番摩擦が大きく標準の約1.5倍になっている理由は接触面積が小さいので溝へ圧力が高いので、より深く溝を凹ますからでしょうか?楕円針は極小の球(半径5〜7μ程度)を少し離して並列(●=●)にしたのと同様になるのか?製作形状により接触面積は変化し実際の楕円針は必ずしも摩擦が大きいとは言えないと思います。

Dual 1019と同時期〔1968年頃]のPerpetuum-Ebner 2020はダイナミックバランスアームとダイヤル式アンチスケート機構を持ったものでしたが、以下の針圧とアンチスケートダイヤルの相関図を示しています(Dry/Wetがあるのは同時期Lenco CleanなどWet Playが流行した証です)。特徴的なのは針圧が増えるに従ってハイファイ用特殊形状針は理論どおりバイアス量を増やしていますが、モノラルLP用途と思われる曲率18ミクロン以上の丸針については針圧が増えるに従ってバイアス量を減らしています。これは使用上一理ある実際的な方法です。バイアス調整の目的は確実なトレースが本来の目的です。私の経験では最大速度振幅の音溝をトレースする場合、バイアス調整よりも針圧を増やした方が効果的でした。軽針圧x特殊形状針を使うハイファイ用途の場合はコンプライアンスも一般に高めなので重針圧にすることができないのでバイアス調整が不可欠な一方、ローファイ(ローコンプライアンス)の針では針圧を増やすことで安定したトレースを得ることができますーこのことが目的と用途によりバイアスについての判断基準が変わる理由ではないでしょうか?「ステレオ溝にはアンチスケート機構が必要だがモノラル溝には必要ない」とする一部のメーカーの主張の意味は:ステレオ溝の整形上12ミクロン程度まで浅くなることがあり(top width more than 30micron as per IEC98-1987)針飛びしてしまい内周側にアームが流れてしまうことがあるが、モノラル溝の溝幅は一定(50ミクロン以上)で深さも一定(溝底の丸みを考慮しても23ミクロン以上)なのでアームが流れる事が少ないということだと思います。バイアスを最大速度振幅の音溝に合わせると通常の音溝ではバイアスが強すぎますが、一般にテストレコードのバイアス調整は315Hzの最大速度振幅の音溝にバイアスをあわせることになっていますーこれはトレース能力に重点を置いた考えで、針の中点云々などは二の次です。あちら立てればこちらが立たず。イソップの「粉屋の父子と一匹のロバ」の話を思い起こします。

ところでトレース時、針先の中心線からの偏移を目で見ながらバイアス調整できるかは疑問に思っています。BiasもSide Thrustも目で見て明らかに針先が偏移するような量ではないからです。はっきり偏移が見えるなら針が不良品かアームのバイアス量が過大です。左下はカンチレバーの長さを8mmとしstatic complianceを25x10^(-6)cm/dyneとしたときの偏移量(ミクロン)と偏移角度のシミュレーショングラフです(偏移量はDualの図に合致します)。コンプライアンスがもっと少な目なら偏移はさらに少なくなります(見えにくくなります)。それゆえに上のSkate-0-meter(スケートゼロメーター)や右下のOrsonic(並木精密宝石)によるLateral pressure detector (US特許4183537-1980日本特許公開S53-088703)のように偏移を拡大して見るツールが開発されたのでしょう。短時間では微小な偏移でも長時間にわたって力を加え続けると中心点からの偏移は目に見える量に達することもあるので、ハイコンプライアンスのカートリッジには適正なバイアス量を与えた方が良いと思っています。しかし一方で0.75g前後の針圧を推奨する極端なハイコンプライアンスのカートリッジ(70年代のADC/Empireなど)は今時お目にかかれません。
Orsonicの方は無音溝ではなく音溝を使うようです。最初のモデルSG-1では指針の指示方向がDualと見かけ上逆になっているようです(6-Bのように左に振れる時インサイドフォース大、6-Cのように右に振れる時アウトフォース=アンチスケートフォース大)。後のモデルSG-2では図の14のところに水平回転目盛を設けているようです。Dualが問題にした指針の慣性力=質量の問題については並木精密宝石の中塚久義氏はUS特許の文書で次のように説明しています:
"Since the equivalent moving mass around the revolving spindle of revolving pivot 10 is much greater than the equivalent moving mass of cantilever 9 containing reproduction needle 8, revolving pivot 10 is maintained in a stationary state with regard to the signal of the audio frequency band imposed on reproduction needle 8. Accordingly, cantilever 9 can oscillate similarly to a pick up cartridge. At low frequency bands below the audio frequency, since the mechanical impedance of revolving pivot 10 falls, response becomes possible and the cantilever 9 and the revolving pivot 10 vibrate as a single unit." 中略 "A screw 20 made of magnetic material penetrates base 15 and faces the magnetic pole of the magnet. This determines the dynamic center of revolving pivot 10 and brings about a righting moment during revolving. Since the distance from magnet 19 can be adjusted by screw 20, the intensity of the righting moment can be set arbitrarily." 中略 "In this case, the fact that indicator 23 and magnet 24 have a weight equilibrium through the support spindle 21 is necessary for smooth revolution."

オフセット角のあるアームのスケーティングフォースの解説にはAlexandrovich (US Patent 3088742-1963 assigned to Fairchild Recording Equipment)の模式図がよく引用されます。Alexandrovichは自分のバネ式のキャンセラーの発明にハイライトを当てるために極端な場合を示しています:(4頁目)「オフセット角21度のアームで針圧4gでrecorded velocity 30cm/s for 1kHzの溝をトレースした時の摩擦量は外周で1.8g内周で2.4g。。。」(5頁目)「その溝壁面に直角のside thrustはtan21度=約0.39から0.7g-0.94gと計算し」(6頁目)「カートリッジのコンプライアンスがx10-6cm/dyneの場合には針の曲がりが5度に達することがある。」 最大side thrust力を約1g=980dyneとして試算するとcu4のコンプライアンスを持った針先の偏移量は0.392mm、そのときカンチレバーが5度偏移するということは〔0.392mm÷サイン5度=4.5mm]からカンチレバーの長さは4.5mm程度と予想されます〔普通のカンチレバー長の分布は6−9mm前後]。又recorded velocity 30cm/s for 1kHzの溝はLPの内周には録音できないはずなので回転数の大きい線速度の大きい特殊なレコードを使ったとしか思えません。 興味深い点は「同じrecorded velocity であれば外周の溝よりも内周の溝の方が摩擦が大きい」(4頁目)と指摘しているところです。溝整形上の傾斜角度が急になるので摩擦が増えるようです(アコーディオンの蛇腹を想像してください)ーこれについては異議を唱える人もいます(すべり摩擦は速度に関係しないのだから仕事量は同じはず)。針が音溝に接する時の一時的な弾性変形を考えると内周に向かって増える方の意見に私は傾いていますが、一般的なアンチスケーティング機構は内周に向かって減少する例が多く見られます。また速度振幅の量によってstylus dragが増える理由はダンパーの追随性(機械抵抗)の問題であって摩擦の問題ではないとの意見もあります。無音溝の場合の摩擦量は内周外周の線速度の変化にかかわらずほぼ一定であることは多くの人が実証しています(私もMA-505のページ作成中に確認しました)。現在でもこのような多面的な問題に決着は付いていないと思います。独立した一面的な議論や理論が成り立つ理由です。カートリッジのコンプライアンスはダンパー自身のコンプライアンスだけでなくカンチレバー長と関連しているのが分かります。同じコンプライアンスのダンパーでもカンチレバーが長ければカートリッジとしてのコンプライアンスは相対的に大きくなります。カンチレバーの長さが違うカートリッジで同じコンプライアンスを持つとしたらダンパーや支持部の弾性コンプライアンス(1/stiffness)は当然異なります。ゴム系のダンパーは主にブチルゴムが使われ、バネとダッシュポットとして擬似等価されますが、ビクターの技術者は<複雑なゴムの動作を十分に表してはおらず、実際のカートリッジのダンパとしてのゴムを表す等価式はいまのところ得られていません>と(1979年)「レコードとレコードプレーヤ」P.270−271で述懐しています。余談ですがGrado氏は彼のMCからFlux-bridgeへの移行期(1966年頃)に高性能圧電型カートリッジを発明し(US特許3482061-1969)製品化(A-2,BE,BT/R & BR)していました(コンプライアンスをユーザ側で調整できる特徴がありました)。

針と盤の摩擦によりSide Thrustが発生して針飛びの一因(特にSP時代行われていたTranscription recordのhill-and-dale縦記録溝の場合は針の接触点から溝縁までのギャップが減るので)になることは古くから指摘されていました。ベル研究所のElmerはバネ式のアンチスケート機構を発明しましたが実際にアンチスケート機構が取りいれられるようになったのはLP時代のそれも2グラム以下の軽針圧になってからのことでした。Side Thrustの存在は否定できないがそれを取り除くメカニズムには諸問題(実際の摩擦量推定・バイアスメカニズム自体に生じる非直線性・盤のワープや偏芯によるアームの振れ・ラテラルバランスが崩れたり感度が落ちる問題など)があり今ではブラックボックス化して真面目に考慮しなくなってしまったのは何故でしょう?アームの振幅速度に対応する電磁式制動アームが最良の解決策だったはずなのですが今では電子アームは絶滅しました。一方で針による摩擦や振動が生じないレーザーターンテーブルが製品化されています。

SPのシェラックの摩擦係数は不明ですが上のオフセットがないアームをシミュレーションしてみました。実効長240mm、オーバーハングはマイナス20mm、針圧12gで実効摩擦係数0.3として計算してみると、side thrustがうまく補正されます。この機構を働かせるには引きバネにあらかじめテンションを与える必要があります。これに似たものは後にOrtofon RS-212(1967年頃)にも採用されましたーその場合インサイドフォース(図の+側)に対応するものでした。RS-212のバイアス目盛(Antiskating ratio index)はstylus dragの係数に対応するものなので、一度設定すれば針圧の増加にしたがってバイアス量が自動的に増えるので調整しなくて良い、とマニュアルに書いてありますがその意味を理解している使用者にはなかなかお目にかかりません:その目盛りの2は2gに対応している訳ではありません/オルトフォン自身stylus dragの指標を示していないので一般のユーザには不可解なものでしたーこんなことを言うとオルトフォンの信者さんたちには訳知り顔のお節介になりますね(工場出荷時にオルトフォン楕円針対応のバイアス設定になっているそうで、必要があればバイアス調整も出来ますよ、という程度のオマケのバイアス機構でした)。

A kind of Aesop's Fable: ANTI-SKATING BIAS ADJUSTMENT

Perpetuum-Ebner 2020 around 1968 had the dynamic balance arm with anti-skating dial scale. The correlation diagram of the anti-skating dial and stylus pressure and stylus profiles is shown as under. Its description about Dry/Wet was the proof that this was made in the era when Wet Play such as Lenco Clean etc was popular.

This diagram shows reasonably that anti-skating force for modern or special shape of stylus tips should be increased as the stylus force increases. However concerning the spherical needles with larger tip curvature 18 micron and more which are designed for monaural LP use, some bias (anti-skating) forces are decreased as the stylus pressure increases. This is practical way and has a certain reason. The main object of bias adjustment is to obtain stable tracing on records.

I experience that the sound groove of maximum velocity or amplitude can be traced by stylus at ease by increasing stylus pressure more effectively than increasing bias force. In case of the high-fidelity cartridge with light VTF and special stylus tip where cartridge compliance is relatively high, it is not possible to increase the stylus pressure radically, hence bias adjustment is indispensable for such cartridge. In case of low compliance (and often low-fidelity) cartridge, however, it can obtain stable trace by increasing the stylus pressure. I think this is the reason why criterion for bias force is changing in accordance with the purpose and usage of a certain cartridge. Some manufacturers of arms mention that bias mechanism or bias adjustment is not necessary for the monaural groove while anti-skating mechanism may be required for the stereo groove.

In my personal analysis, the stereo groove modulation has shallowest depth around 12 microns in actual stereophonic modulations (top width more than 30micron as per IEC98-1987 or average more than 35micron and instantaneous more than 25micron as per DIN45547-1981) the needle is easy to jump out from the groove. Meanwhile the monaural groove has uniform depth 23 microns or more when the constant top width is 50 microns or more. See following table: difference of height is measured vertically. When groove can be taken as 45degree walls, then the slope length from contacted points to top land can be multiplied by 1.4[SQRT(2)] - even then these figures for LP are very very small! I am always applauding the feat of my stylus tracing on microgroove: it looks like more wonderful skier than legendary Tony Seiler in his ski movies.

When included angle of groove is  90degree Recommended spherical radius of STYLUS  Representative Minimum top width of groove Minimum height from contact points to land on top 
Monophonic Coarse Groove (SP) about 65 micron (2.5mil) constant 150 micron approx. 29 micron
Monophonic Microgroove LP about 25 micron (1mil) constant 50 micron approx. 7 micron
Stereophonic Microgroove LP about 13 micron (0.5mil) instantaneous 25 micron approx. 3 micron

The following table shows when improper larger radius of stylus tip is used for stereophonic groove. My additional note: even if stylus is landing on the edges of land top on groove, there might be a case to trace without problem, but generally stylus tends to skip from the groove. Equation for landing stylus on the edges of groove: Minimum top width divided by SQRT(2)=Minimum spherical radius of tip. Minimum spherical radius of tip multiplied by SQRT(2)=Minimum top width of groove.

When included angle of groove is  90degree Spherical radius of tip Minimum top width of groove Minimum height from contact points to land on top 
Stereophonic Microgroove LP more than 18 micron  25 micron approx. 0 micron 
Stereophonic Microgroove LP more than 21 micron 30 micron approx. 0 micron
Stereophonic Microgroove LP more than 25 micron 35 micron approx. 0 micron 

When bias for anti-skating force is adjusted to the sound groove of maximum velocity, bias is too strong for the usual sound groove. When bias is calibrated with the test record, then it shall mean to adjust bias to the sound groove of the maximum velocity of 315Hz or 300Hz. This adjustment is carried out in consideration of tracing ability. It does not concern whether the cantilever is deflected toward inner or outer. The debates about optimum bias setting remind me of "the miller and his son and their donkey to ride on" in Aesop's Fables. Any tweak or application on anti-skating bias is all up to you! I don't care who is going on one's own way over the moon.

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