レコードジャケット&インナースリーヴ(内袋)・ボックス(ケース)

DIN規格から一枚物のLPジャケットとインナースリーヴ:この規格で10インチ・25cmの所謂MPに言及が無い理由は1970年代には12インチ・30cmのLPが主流になりMPの発売が減少したからと思われる。基本ジャケットは右横が開いているが、インナースリーヴは上が開いています。ジャケット及び内袋は片面もしくは両面にレーベル面が見えるように切り抜く・もしくは切り抜きなしも許されています。こんなものにまで規格があるドイツ人って不思議な人種ですね(私のような変な日本人をさしおいて)。紙のインナースリーブの代わりにPEのレコードカバーで代用することも行われている。ジャケット(外袋)にまで切抜きがあると埃が入りやすいと思います(DJミックスは外袋にまで切抜きがあることが多い)。多くの場合ジャケットは透明なビニール袋にいれて保管するので問題が無いのか?日本のマニアはインナースリーブの内にレコードカバーを使う傾向があるが、それによりカビが生えやすい傾向があるのは否めない。ジャケット及び内袋の材質は<協定による>とされていますが、紙が多く使われています。PEの内袋は比較的後年採用されたようです。そういえば1975年以前のレコードの紙の内袋には他のシリーズのサムネイルやLPの扱い方など様々なものが印刷されていて楽しめました。追記及び検証:30cmLPのジャケットが横より縦のサイズが小さいのはドイツ盤に多いようです。フランスのHarmonia MundiのMUSIQUE D'ABORD(「身近の音楽」≒廉価版?)シリーズはジャケットの真中に穴がありW315xH310でマチがないペラ・ジャケットでした(透明なカバーもジャストサイズで横からしか被せられない)。日本や米国では縦横が基本的に同じ315mm前後です。ソ連時代のメロディアのペラ・ジャケットは310x310mmでした(下図のマチがない)。オーストリアのPREISSERECORDSは更に小さい308x308mmで小さすぎてレコードの出し入れに難がありました。下図の幅2mmは内寸ですが、背面にタイトルなどを記述する必要がない場合にはこの襠/マチ(日本語の襠は当て布の意味だがドイツ語では渡り板Steg)は省略できる、としています。日本などでよく見る見開き型については規定されていません。DIN45551ではボックス型が示されていますが、表・背・裏を当て布で一体化したボックスタイプも厳密には規定されていません。

別のDIN規格から:上蓋と底蓋から成るボックス物のLP外箱。背cの幅は5枚用は16mm、8枚用は22mm、12枚用は30mmとなっていますが、オペラなどには解説本やスポンジシートで中のレコードが動かないように調整されているものもあります。LPレコード1枚の厚さは2mm前後(1.5mm〜2.3mm)です。

独自のパッケージもあります。2枚組は普通見開きのものが多いのですが、以下は折りたたみ展開式でAtlantic Recordのジャズ・オムニバスでNesuhi Ertegunによる解説文が興味深い。ニューオリンズ・ニューヨーク・ロサンゼルス各地で時代は違うが独自のジャズが発展したことが分かります。ローカルなものからワールドミュージックに広がり発展するにつれ、ジャズの核心(?)が薄れていったように感じます。若い頃キース・ジャレットやボブ・ジェームスのレコード&実演を楽しみましたが、今では古いニューオリンズのジャズや中間派と呼ばれるビバップ以前の演奏・レコードに心惹かれています。私はルーツに固執する原理主義者ではないが、人生の各ステージでそれぞれ楽しめる音楽を見つけられたことは幸いだと感じています。


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