DG1−R

DG-1R(即ち水槽を取り付けたDG-1改)の製作と使用のマニュアル

製作:

銘柄などはあくまでも参考です。

1. 材料: アクリル板/棒(三菱レーヨン等)とアクリル用接着剤(アクリサンデー)と
    90分硬化エポキシ系接着剤(ボンドEセット100g)とジェル状瞬間接着剤(積水の20g)。
    材料の総額は3千円程度です。

2. アクリルのサイズ: 後板32x18x0.5cm      1枚 (1cm厚なら最良)
                               前板32x18x0.3cm      1枚
                               底板33x11x0.3cm      1枚 (大きめの材料から割り出します)
                               側柱1x1x50cm        1本
                               三角棒0.5x0.5x90cm  1本
                               角棒 0.5x0.5x90cm  1本(硬質ゴムで代用できる)
        底板以外は上記のサイズそのままのものが市販されております。

3. 主な工具: ジグソー(なければ電動ドリルと糸鋸/鉄鋸)とプラカッター(オルファP.Cutter)と
    ヤスリ(目詰まりの少ない木工用が最適)と50W程度の半田ごて(無くても良い)。

4. 手順:

実際のレコード盤を使って後板にレコードのセンター穴を当てレコードが吊るせるような位置で製図します。仮喫水線(レコード穴から5cm強)を引きます。次にDG-1の共振槽がレコード盤の音溝の内周外周をカバーできる位置を決めDG-1の外形をトレースします。 私の場合はおおよそ下から3cm、外側から丸横が4cm、直線横が10cm、上から4.5cmの位置になりました。ドリルで下穴あけてからジグソーでDG-1がはいる穴をあけます。DG-1とぴったり嵌合するようにヤスリで仕上げます。隙間が少ないほど後の作業が楽です。 DG-1は蓋をみると分かるとおり、1cm位のところに段差があります。それを目標に取り付けを考えます。後板厚5mmの場合、何か別なもので5mmをふさがねばなりません。私の場合アクリル5mm角棒に半田ごてを当ててDG-1の外周を取り巻くよう加工して瞬間接着剤で付けました。5mm程度の硬質ゴムをフランジにする方が簡単かも知れません。これは補強のためとDG-1と水槽の内面に段差をつけないためのものです。1cm厚のアクリル板を後板に使うならこのフランジ加工は要りません。 DG-1のステンレス槽とその外側のプラスチック部分は弾性剤で簡単にシールされています。出っ張らないように注意してこの部分をエポキシ接着剤で充填します。フランジ付きDG-1をエポキシ接着剤で後板に接着します。DG-1と水槽の内面に段差がつかないようくれぐれも注意して下さい。ここまでくれば90パーセント完成も同然です。エポキシの養生のため1日以上置いて次の工程に進みます。

エポキシ養生横から見た完成画像

いよいよアクリル水槽の組み立てです。アクリル用接着剤はアクリルを瞬間溶着してしまうので流し込むように一気にやりましょう。経験の無い人は余分のアクリル板などで接着を練習した方が失敗が少ないでしょう。三角やすりなどで頂点をちょっと擦り三角棒0.5x0.5x33cmを割り取り底板に当てて接着します。それに正面板を垂直に立てて接着します。正面板を更に補強するように水槽内にも三角補強棒0.5x0.5x27cmを当てて接着します(側柱を立てる所に掛からないよう注意してください)。次は側柱1x1x18 cmを鋸で切り出したものを正面板の左右並びに底面に接着します。注意点は1cm角棒といっても一方向しか精度が出ていないものがあるのでノギスで測って使いましょう。また水槽内部幅は余裕をもたせて30.3cm位にしないといけないので側柱は32cm幅の正面板から3mm程度はみ出るようにします。最後にDG-1がついた後板を取り付け接着します。
これでおおむね完成です。喫水線に字消しペンで白線を入れたり、三角棒の残りでレコードガイドを設けたり、レコード回転駆動装置やフロートスイッチや給水口などは適宜追加すればよいと思います。備考:左右にガイドを三角棒で作り、2秒でレコードを1回転するくらいの回転速度にするとレーベル面が濡れないようです。スポンジやフェルトでレーベルが水に濡れないように工夫する手もある。

後日DG-1の重みで後板が引っ張られ歪みが出ていたのでDG-1を支える補強板を下に入れて垂直を出した。

使用法:
1. DG-1本体のマニュアルを一通り読んでおいてください。
2. 水槽周辺(特に正面)が濡れますのであらかじめビニールシートを敷きます。
3. ロートで水槽に水(もしくは洗浄液)を1リットル入れます。
 水に中性洗剤を少量加えても良いでしょう(洗うというより盤を濡らす意味です)。
 ただし洗剤は泡立たないよう静かに入れます(スプレーボトルはダメ)。
4. 電源コードをコンセントに挿します。
5. スイッチオンします。5分程予備運転します(気泡を抜くためです)。

予備運転


6. レコードの穴に6mm程の棒を差し水槽に入れます。
7. 150秒ほどゆっくりレコードを回転させます。アクリル板面に接触しないよう注意してください。くっつくと喫水線が上がってレーベル面を濡らしてしまいます。
8. 次にレコードを引き上げ、面を返して水槽に入れ150秒ほどゆっくりレコードを回転させます。
9. 5分(即ち300秒)経つと自動的にスイッチオフしますので、棒を持ってレコードを引き上げて、そのまま棒をタンス等の角に架け落ちないように棒の上に重石を置きます。
10. 30分ほど自然乾燥します(化粧用綿パッドなどで水分をふき取った方が溝にゆるく付いてるごみを取るのに良いそうです)。
11. 乾燥を確認するためにもレコードを実際にかけてみます。
12. 両面聴いたら新しい内袋に入れてからしまいましょう。若いオーディオ評論家=小原氏の本「レコード再聴戦」で内袋はU字が底に来るようにしてジャケットに差し入れ外袋はジャケットの上から被せることを教わりました。これで完封になるわけですね。実のところ私はこの作法を知りませんでした。


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