線材ー1点豪華主義の功罪

材質:銀・金・銅8Nまで在るが抵抗値だけなら常温では銀銅金の順になる。素材特有の音があるらしい。 素材の共振、即ち硬度と比重が関係しているのか? クリオ処理といって低温処理をすると音が良くなるらしいが、超伝導するほど低温状況におかれていないのに音が変わるというのは共振点(硬度)が変わっただけではないのか? カートリッジをクリオ処理したらどうなるか試してみたい。 MCはダンパーがあるので出来ないがMMなら針を外してやってみる価値はある? 但し、磁性体のパーマロイコアが変性する可能性も大。 磁性体は加工を記憶するーこれをヒステリシスというそうだ。

構造:裸線、銀・錫コート線、被服線、単線、複線、編線、撚線

特性:1メートル当たりの抵抗値・静電値・インダクタンスを発表していない高級ケーブルも多い。 機器の接続に20年程前のAudio-Craft社のアースコードつきRCAロー・キャパシタンスケーブルを今も愛用している。

大疑問:いくら純度の高いケーブルを1点で使ったとしても、シリコンに不純物を入れた半導体そのもの、接点の材質、メッキ、異金属間の不整合それからハンダはどうなるのか? 今まで試したケーブルはどれも最初は音が良くない。 接点なのかケーブルのエージングなのか原因は分からないが、何日かすると音がなじむようになる。 プラグが金属なので磁気が影響しているか(その場合プラグを消磁する)、またはケーブルの絶縁材料の電位??が他の機器と整合するのに時間がかかるのか? ケーブルを取り替えるたびに経験する。

数十年前のOFCに始まり、今は百花繚乱状態の線材だが、音の鮮度を高めるためにはむやみに高級ケーブルを使わないことだと最近は思うようになった。 なるたけ短く、半田付けしてしまうのが一番だ。

オーディオ帯域で表皮効果(skin effect/skin depth)の影響が現れるケースは限定される。銅線の場合100MHzで6.61μの深さ、100KHzだと0.209mmの深さ以上で電流が流れにくくなる(伝導率が1/e、つまり36.8%以下になる)。太い単線を選ばず、線径0.4mm以下の細線を束ねたものを使えばオーディオ帯域では影響が出ないようだ。実際に接続ケーブルは普通線径0.1〜0.3mmになっている。但し、それぞれの線が絶縁されていないので、実際にはどう影響するか分からない。気になるなら各線絶縁されているリッツ線のケーブルを選べばよい。いずれにしても導線の表面と中心で抵抗値がかけ離れるのは気持ちが悪い。伝導率が良いほど浅いところから表皮効果の影響を受けるのは面白い。


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