風車問題を考える住民の会

2007年9月17日 入谷区 総会内容報告


 

入谷区町内会臨時総会  報告
               平成19年9月17日(月)19時
             水下公民館
【総会成立宣言
        
総数 306
出席 107
書面表決 168
275(成立)
【区長挨拶

いま25基の風力発電が東電、ユーラス社によって計画されている。しかし我々には一言の話もなく、町長が勝手に同意書にハンコを付き、後になって知らされた。これは、誤った、我々を馬鹿にした態度である。
あそこには熊口水源があり、私らはなに不自由なく暮らしてきた。
町民憲章にも「郷土の自然を守り 美しい町を作ります」とあるではないか。
38基もの風車は要らない。
先日、中学生のアンケートを見せてもらったが、かけがえのない自然を、手を付けず、あのままに残してほしい、と訴えている。
町長のハンコが、我々の上にのしかかってきた。いま、入谷区は人口も増え、西町と同じくらいになっている。
ここは入谷区民の強い団結力をもって対処しなければならない。

【経過

4月15日 入谷区総会

ここで、平成18年4月13日に東電、ユーラスに区が同意書にハンコを押したのを知ったが、その内容はあくまで「調査」であり、建設には地元の意見を聞き、反対であれば東電も、町もやらない、という解釈でそれまで来た。

5月30日 現地説明会 

この日、入谷区の役員、同財産区、振興会、河津の見高、、浜の各区長、河津町、東伊豆町の職員各1名、県から1名が建設予定地に招かれ(?)、事業者の社員達から説明を受けた。
途中で雨が降ってきたので、急遽、入谷公民館にて話を聞く。
「あなた達は非常識極まりない。既に工事が始まるのを当然みたいに言っているが、なぜ区民に言わないのか?」と区の役員達が強く抗議した。まあ、平社員だろうから会社に戻ったら、会社に是非伝えるように、言った。そのときの県職員も、「三筋山〜天城山の遊歩道は台無しになるから、道を移す。」などと、県が同意しているかのような発言だった。
ここに至って、これは調査だけでなく、やる気でいるな、と感じた。

8月3日 (第1回) 入谷区風車問題勉強会

東電、ユーラスエナジーから4名の出席をいただき、風車についての知識を承った。
続いて、日大講師の塩坂邦雄先生の講演を聴き、熊口水源の400メートルに道を作ることの是非を考えた。9月1日にも自分で大川の源流になるゴルフ場の山コース、8番の所にいってきた。水が一滴も出ていないで、かすかに滲む程度だった。昔から、水元をいじると水の流れが変わる、というが、その通りだと思う。熊口の水は町民1500人の命の水であり、守らなければならない。

8月10日 (第2回) 入谷区風車問題勉強会
地元の先生だった山田昌彦先生のお話しを聞いた。他の場所にない貴重な植物がたくさんある。それはまた、地元の人々が山焼きを長い年月にわたって続けてこられた努力の結果でもあり、今後とも続けてほしいと言っていた。
その後に入谷選出の議員3人と、田町の区長さんでパネルデスカッションを持った。ここで風車のいい点、悪い点を勉強し、理解を深めた。

8月27日
鳥澤富雄県議ほか小長井、おだまき、大石の各民主党議員と2人の静岡県職員、岩崎、長江氏を細野高原、三筋山に案内した。熊口の水源は命の水であり、入谷の死活問題だ、と訴えた。県の人も「規制する法律はなく、難しい点もあるが、7月に風車のガイドラインを作ったので、活用していってほしい。こんなに素晴らしい所に風力発電を立てるのはおかしい。もっと観光に生かした方がいいのではないか。いづれにしても会社と住民の合意がなければ進めることは出来ないはず」と、理解を示した。

9月5日
東電とユーラスと東伊豆町が土地の賃料を相談したらしい、という、信憑性の高い情報を得て、町長・副町長・区長の3人で話し合った。「一方的に業者と相談するのは非常識だ」と詰め寄った。すると町長は「町民が反対なら、やらない、他の3区の話も聞かなければ」という。これまでは「入谷区民が反対ならば、やらない」といっていたのに、最初とは違ってきている。

【質疑応答 (要旨)】

(1)
町長を出席させるべきだ。町議員も同意を止められないのはだらしがないのでは?
われわれを馬鹿にしている。熊口の上ではなく下に道を作ってほしい。または河津からにするとか。
(答え)
17日に総会があるから町長に出席してほしい、というと、「困った。気持ち変わっていないから区長から説明をしてほしい」といわれた。
町長もここに来ればどんな事になるか、判っているから出てこないのだろう。

(2)
同意者が議会には出されてこなかった。自分は建設に賛成である。道路も1本あったほうがいい。山焼きを維持していくには金がかかり、1軒から1万から2万円取らなければならなくなる。原野を守っていくにはタダでは残せない。

(3)
ゴルフ場に貸してあり、賃料が7,8千万円入る。加森観光に変わっても同じだ。この風車の話は片野さんの時のもので、ああして辞めたのに、太田町長はどうして引き継いだのか?区長、早く意見を取りまとめてほしい。 
(答え)
既に片野町長のときからで、2年近くは過ぎている。事業者はやる気満々でおり、入谷区民の総意をぶつけて、町の判断を仰ぐ。

(4)
先にアンケートをやったと思うが、その結果はどうなるのか?
(答え)
8月の勉強会の資料にアンケートをとった。
どちらかといえば風力発電に反対 190
賛成  21
わからない 36
248

さらに関心のある項目は、水源が194で、自然がこれに次いで多かった。なおこのアンケートはあくまでも参考資料である。

(5)
事業者が幾ら進めるといっても、三筋下の細野は振興会や4区の共有地である。
地主がいやだといえば、どんな事業でもやるわけには行かない。
(答え)
10月10日ころに話し合いを持ちたいと、(業者が)言ってきた。建設を前提とした話では応じられない。現地を歩いてみるとずーっと白い杭が打ってあり、道を拡幅するつもりだな、と心中穏やかでない。振興会は立ち入りやくい打ちは認めた→ それを基に町長も認めた。→加速がついて、アセスメントがいい加減でも補助金が出る。

(6)
入谷区はこれまで原野の3分の2を放棄してきた。残りも風車なんてもので失えば、ゼロになる。先祖から受け継いできたものを、どうして守らないのか? 生活の糧だったし、住民の大切な場所である。風車のためでは……..がなくなるのでは?
(答え)
町長が一番の責任者ですよ。ハンを突いたんですから。納得のいくように説明をするようにと、前にも大声で言った。説明する責任があるのに、怖くて来れないのでは話にならない。

(7)
入谷振興会ではユーラスに同意書を出したが、建設の同意ではない。振興会としては建設に反対である。

(8)
町長は水源・湿原に問題がなければ計画を認める、といっている。いま業者はボーリング調査などをして、ここにはスコリア層がない、という報告を上げてきている。しかし、国の地質研究所の地図にも三筋から海までには3つのスコリア層がある、と出ている。
恐らく短い期間で、スコリアのない所ばかり調べて、こうした結論を持ってくる。初めに風車ありきのデータで信用できない。皆で頑張って強い気持ちで対処しよう。
(答え)
風車の基礎は20メートルくらいパイルを打ち込み、その上にコンクリートで12〜13メートル直径の台座を作る。このままの状態でも、また事業終了後でも土砂が流れるはず。
漁師も海が汚れるといっている。(河津の)見高入谷も同じ所を水源にしている。
他地区にも説明すれば判ってくれると信じている。

(9)
水が枯れるのが心配。25基のうち振興会には1つ分、町には5つか6つ分(の固定資産税)しか入らない。

(10)
町長に出てもらって説明を聞いてから決めるべきだ。順序が逆だ。
そもそも反対のことをしているからもめている、出て来ないのをどうやって連れてくるのだ、など声あり、討議終了。


【これより採決

入谷区第5号議案 稲取地区風力発電施設建設および細野高原内道路建設工事の推進について賛成 反対 を問う。
無記名投票とし、投票用紙1人1枚が配られる。
書き終えて役員の持つ箱へ投函。
同じく書面表決が全員の前で封書から出される。
開票、数票、発表。

総数 306
出席 107
書面表決 168
合計 275 このうち 賛成 21
反対 245
無効


これをもって入谷区の風車に対する住民の意思と確定し、町当局に報告かつ、事業者に対処していく。役員も今後しっかり対処していくので、一致団結して区民は支えて頂きたい。 (区長) 
大きな拍手のなか閉会   
2007年9月18日記

風車問題を考える住民の会では皆様の御意見をお待ちしております。
代表代行   飯田照男
静岡県賀茂郡東伊豆町
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