−式と式の計算(算術・算法)− 算術・算法は、数の概念や数の演算、その性質や計算規則あるいは計算法など、その論理的な手続きを明らかにする学問分野である。 方程式とは、等号(=)を含む数式において、ある値の時に成り立つ等式のこと。典型的な方程式は未知数と呼ばれる項を含んだ等式のことである。 一般には、さまざまな対象の間に成り立つ数学的な関係について、記号を用いて等式などの式によって表したもののことをいう。 A 数と文字の積(掛け算)は、数を先に書く。 例:a×2×b → 2ab B 記号π(パイ)が含まれる場合、数→π→文字の順に書く。例:a×π×4 → 4πa C 同じ文字を2回以上掛ける時、指数を使う。 例:a×a×a → a3 D 掛ける数・掛けられる数の1は省略する。 例:a×1 → a , (−1)×b → −b E 1つの項の中で、文字はアルファベット順に書く。例:c×a×b→abc F 除法(割り算)は「÷」でなく、分数を使う。但し、帯分数は用いない。例:a÷b→a/b 注1)真分数(分子が分母より小さい分数) 注2)仮分数(分子が分母と同じor分子が分母より大きい分数) 注3)帯分数(整数部分と分数部分の和からなる分数) 等式の性質 @ 等式の両方の辺(両辺)に同じ数を加えても、等式は成り立つ。 A 等式の両辺から同じ数を引いても、等式は成り立つ。 B 等式の両辺に同じ数を掛けても、等式は成り立つ。 C 等式の両辺を同じ数で割っても、等式は成り立つ(割る数が0の場合を除く)。 不等式:不等式は不等号を含んだ数式のこと、量や大きさ、序列、値などを評価する。 ・数の大小関係 @ a−b>0 ならば a>b A a−b=0 ならば a=b B a−b<0 ならば a<b ・不等式の基本性質 @ a>b ならば a+c>b+c, a−c>b−c A a>b,c>0 ならば ac>bc, a/c>b/c B a>b,c<0 ならば ac<bc, a/c<b/c C 任意の実数aに対してa2≧0 特に、a2=0 ⇔ a=0 四則演算を特徴付ける性質には、交換法則、結合法則、分配法則などがある。 @ 交換法則 a+b=b+a, ab=ba A 結合法則 (a+b)+c=a+(b+c), (ab)c=a(bc) B 分配法則 (a+b)c=ac+bc, a(b+c)=ab+ac 加法と減法 @ a+b=b+a (+a)+(+b)=a+b (−a)+(+b)=−a+b=b−a (+a)+(−b)=a−b=−b+a a+(b+c)=(a+b)+c a+(b−c)=(a+b)−c A a−b=−(b−a) (+a)−(+b)=a−b (+a)−(−b)=a+b (−a)−(+b)=−a−b=−(a+b) (−a)−(−b)=−a+b=b−a a−(b+c)=a−b−c a−(b−c)=a−b+c B ||a|−|b||≦|a+b|≦|a|+|b| ||a|−|b||≦|a−b|≦|a|+|b| 乗法と除法 @ a・b=b・a (+a)・(+b)=a・b (+a)・(−b)=−a・b (−a)・(+b)=−a・b (−a)・(−b)=+a・b A (a+b)・c=a・c+b・c (a−b)・c=a・c−b・c (a+b)(c+d)=ac+bc+ad+bd (a+b)(c−d)=ac+bc−ad−bd (a−b)(c+d)=ac−bc+ad−bd (a−b)(c−d)=ac−bc−ad+bd B (a+b)(a+b)=(a+b)2=a2+2ab+b2 (a−b)(a−b)=(a−b)2=a2−2ab+b2 (a+b)(a−b)=a2−b2 C |a・b|=|a|・|b| D (a+b)/c=a/c+b/c (a−b)/c=a/c−b/c (+ab)/(+a)=+b (+ab)/(−a)=−b (−ab)/(+a)=−b (−ab)/(−a)=+b E |a|/|b|=|a/b| @ (a+bj)+(c+dj)=(a+c)+(b+d)j A (a+bj)−(c+dj)=(a−c)+(b−d)j B (a+bj)(c+dj)=(ac−bd)+(ad+bc)j C (a+bj)/(c+dj) =(ac+bd)/(c2+d2)+{(bc−ad)/(c2+d2)}j D 和の交換法則 z+w=w+z E 積の交換法則 zw=wz F 分配法則 z(v+w)=zv+zw 幾つかの単項式の和で表される式は多項式、それぞれの単項式は多項式の項という。単項式と多項式を合わせて整式という。 各項の次数で最大のものはその整式の次数であり、文字を含まない項は定数項、多項式の中で文字の部分が同じ項は同類項と呼び、同類項は1つの項にまとめることができる。 整式の乗法:単項式の乗法は、次の指数法則が用いられる。 @ aman=a(m+n) A (am)n=amn B (ab)n=anbn 整式の展開:整式の積を1つの整式で表すことを展開するという。 @ m(a+b)=ma+mb A (a+b)2=a2+2ab+b2, (a−b)2=a2−2ab+b2 B (a+b)(a−b)=a2−b2 C (x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab, (ax+b)(cx+d)=acx2+(ad+bc)x+bd D (a+b)3=a3+3a2b+3ab2+b3, (a−b)3=a3−3a2b+3ab2−b3 E (a+b)(a2−ab+b2)=a3+b3, (a−b)(a2+ab+b2)=a3−b3 整式の除法:単項式の除法は、次の指数法則が用いられる。 @ (a/b)n=an/bn a(m−n) (m>nの時) A am÷an=am/an= 1 (m=nの時) 1/a(m−n) (m<nの時) 因数分解:整式を2つ以上の定数でない整式の式で表すことを因数分解するという。 @ ma+mb=m(a+b) A a2+2ab+b2=(a+b)2, a2−2ab+b2=(a−b)2 B a2−b2=(a+b)(a−b) C x2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b), acx2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d) D a3+3a2b+3ab2+b3=(a+b)3, a3−3a2b+3ab2−b3=(a−b)3 E a3+b3=(a+b)(a2−ab+b2), a3−b3=(a−b)(a2+ab+b2) 整式の最大公約数と最少公倍数:整式Aが整式Bで割り切れる時、BをAの約数、AをBの倍数という。 2つ以上の整式に共通な約数をそれらの整式の公約数と呼び、その内で次数の最大なものを最大公約数という。 また、2つ以上の整式に共通な倍数をそれらの整式の公倍数と呼び、その内で次数の最小なものを最小公倍数という。 分数式の加法と減法 @ A/C+B/C=(A+B)/C A A/C−B/C=(A−B)/C 分数式の乗法と除法 @ A/B×C/D=AC/BD A A/B÷C/D=A/B×D/C=AD/BC 比例式 0でないa,b,c,dがa/b=c/dを満たす時、 a:b=c:d と記述でき、これを比例式と呼ぶ。この時、a.dをその外項、b,cをその内項という。 比例式a:b=c:dは方程式の1つ。もし、ad=bcであれば、 @ a:c=b:d d:b=c:a b:a=d:c A am:bm=c:d am:b=cm:d (a:m):(b:m)=c:d (a:m):b=(c:m):d B a:(a+b)=c:(c+d) b:(a+b)=d:(c+d) a:(a−b)=c:(c−d) b:(a−b)=d:(c−d) C (ma+nb):(mc+nd)=(pa+qb):(pc+qd) 比例の特別な場合、 連比例 a:b=b:c 調和比例 (a−b):(c−d)=a:d 連調和比例 (a−b):(b−d)=a:d 比例と分数の関係 比例a:bは分数a/bと書くこともできる。とすれば、 (a+b):c=(a+b)/c a/b=(am)/(bm) a/b+c/d=(ad+bc)/(bd) a/b+c/d−e/f=(adf+bcf−bde)/(bdf) (a/b)・c=(a・c)/b (a/b)・(c/d)=(a・c)/(b・d) (a/b)/c=a/(b・c) (a/b)/(c/d)=(a・d)/(b・c) 一般に、中等教育では、連立一次方程式のことを指す。 2つの文字(xとy)を含み、2つの式からなる方程式は、2元連立方程式と呼ぶ。 連立方程式の解き方には代入法と加減法がある。 @代入法 片方の式をxまたはyについて解き、残りの式に代入する。 (例)
x=-y+3 2(-y+3)+5y=9 , -2y+6+5y=9 3y=9-6 ,3y=3 , y=1 x+1=3 , x=2 A加減法 2つの式のxまたはyの係数を揃え(両辺に同じ数を掛け)、2つの式を足すもしくは引くことで、xまたはyの項を消去する。 (例)
(2)式×3 , 6x+15y = 27 (1)式−(2)式 , −11y = −11 , y = 1 3x +2×1 = 8 , 3x = 6 , x = 2 以上 (2013年3月24日) | ||||||||||||||||