☆☆☆数学の基礎概念☆☆☆
円・楕円・双曲線・放物線

−円・楕円・双曲線・放物線−


1.円
 円は、定点を円の中心とする時、定点から同じ距離にある点の軌跡である。
 円上の2点を結ぶ直線で、円の中心を通るものは直径と呼ばれる。
 円の中心と円上の1点を結ぶ直線は半径と呼ばれる。
 円上の点全体は円の円周と呼ばれ、円周は円の面積を囲む。
 円の中心が、座標の原点にあれば、半径rの円の方程式は、次式で表示される。
2+y2=r2
または、
2

2
2

2
=1
 円の中心の座標が(xm,ym)で、半径rの円の方程式は、次式で表示される。
(x−xm)2+(y−ym)2=r2
または、
(x−xm)2

2
(y−ym)2

2
=1


2.楕円(長円)
 楕円(長円)は、2つの定点F12(焦点)に至る距離の和が等しい点の軌跡である。
 この2つの定点の中点は、楕円の中心である。
 楕円の中心が座標系の原点(0,0)にある場合、楕円の中心方程式は次式で表示される。
2

2
2

2
=1
 いま、直線F12をx軸に、線分F12の垂直二等分線をy軸にとれば、F1とF2の座標は、c>0とすると、焦点の座標は、それぞれ、
1(−c,0), F2(c,0)
となる。楕円は、x軸、y軸のいずれに関しても対称であり、楕円の中心(原点)に対しても対称である。
 また、x軸を、
1(−a,0), A2(a,0)
で切り、y軸を、
1(0,−b), B2(0,b)
で切る。
 点A12と点B12を頂点と呼び、A12を長軸、点B12を短軸という。これらは総称して主軸と呼ばれる。

 ここで、楕円の中心方程式を求めてみよう。いま、楕円の軌跡の条件に適する点P(x,y)を考えると、
√{(x+c)2+y2}+√{(x−c)2+y2}=2a
よって、
√{(x+c)2+y2}−√{(x−c)2+y2}=(2c/a)x
 これらの辺々を加えて2で割ると、
√{(x+c)2+y2}=a+(c/a)x
 両辺を2乗して整理すれば、
(a2−c2)x2

2
+y2 =a2−c2
ところが。c<aであるから、
2−c2=b2 (b>0)
とおけば、つぎの楕円の中心方程式を得る。
2

2
2

2
=1

 なお、任意の点(xm,ym)を中心とする時、楕円の方程式は次式で表示される。
(x−xm)2

2
(y−ym)2

2
=1


3.双曲線
 双曲線は、2つの定点F12(焦点)に至る距離の差が等しい点の軌跡である。
 この2つの定点の中点は、双曲線の中心である。
 双曲線の中心が座標系の原点(0,0)にある場合、双曲線の中心方程式は次式で表示される。
2

2
2

2
=1
 いま、直線F12をx軸に、線分F12の垂直二等分線をy軸にとれば、F1とF2の座標は、c>0とすると、焦点の座標は、それぞれ、
1(−c,0), F2(c,0)
となる。双曲線は、x軸、y軸のいずれに関しても対称であり、双曲線の中心(原点)に対しても対称である。
 また、x軸を、
1(−a,0), A2(a,0)
で切り、y軸とは、交わらない。
 点A1とA2とを頂点と呼び、A12を切軸、 A12軸の垂直二等分線を共役軸という。これらは総称して主軸と呼ばれる。
 ここで、双曲線の中心方程式を求めてみよう。いま、双曲線の軌跡の条件に適する点P(x,y)を考えると、
√{(x+c)2+y2}−√{(x−c)2+y2}=±2a
よって、
√{(x+c)2+y2}+√{(x−c)2+y2}=±(2c/a)x
 これらの辺々を加えて2で割ると、
√{(x+c)2+y2}=±{a+(c/a)x}
 両辺を2乗して整理すれば、
(c2−a2)x2

2
−y2 =c2−a2
ところが。c>aであるから、
2−a2=b2 (b>0)
とおけば、つぎの双曲線の中心方程式を得る。
2

2
2

2
=1

 なお、任意の点(xm,ym)を中心とする時、双曲線の方程式は次式で表示される。
(x−xm)2

2
(y−ym)2

2
=1


4.放物線
 放物線は、一つの定点(焦点)、一つの定直線(準線)とから等しい距離にある点の軌跡である。 焦点Fと準線lからの距離はパラメータpで示され、放物線の標準方程式は、次式で表示される。
2=2px

 この方程式は、頂点方程式と呼ばれ、この放物線の頂点は、準線に最も近い点となり、座標系の原点になる。 つまり、この放物線は、焦点F(p/2,0)を持ち、準線は方程式x=−p/2を持っている。

 放物線の頂点方程式は、頂点を原点にとる場合、軸の向きによって、次の方程式を得る。

 @ 放物線の軸がy軸で、上に開く場合、
焦点: F(0,p/2)
頂点方程式: x2=2py
準線の方程式: y=−p/2

 A 放物線の軸がy軸で、下に開く場合、
焦点: F(0,−p/2)
頂点方程式: x2=−2py
準線の方程式: y=p/2

 B 放物線の軸がx軸で、右に開く場合。
焦点: F(p/2,0)
頂点方程式: y2=2px
準線の方程式: x=−p/2

 C 放物線の軸がx軸で、左に開く場合、
焦点: F(−p/2,0)
頂点方程式: y2=−2px
準線の方程式: x=p/2

 放物線の頂点が座標の原点ではなく、座標S(a,b)を原点とする時、

 D 放物線の軸がy軸に平行で、上に開く場合。
焦点: F(a,b+p/2)
頂点方程式: (x−a)2=2p(y−b)
準線の方程式: y=b−p/2

 E 放物線の軸がy軸に平行で、下に開く場合。
焦点: F(a,b−p/2)
頂点方程式: (x−a)2=−2p(y−b)
準線の方程式: y=b+p/2

 F 放物線の軸がx軸に平行で、右に開く場合。
焦点: F(a+p/2,b)
頂点方程式: (y−b)2=2p(x−a)
準線の方程式: x=a−p/2

 G 放物線の軸がx軸に平行で、左に開く場合。
焦点: F(a−p/2,b)
頂点方程式: (y−b)2=−2p(x−a)
準線の方程式: x=a+p/2



以上  

(2013年3月24日)


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