☆☆☆数学の基礎概念☆☆☆
三角関数

-三角関数-

 三角形の角の大きさと辺の長さの間の関係を研究する学問領域がある。 様々な数学の分野の中でもきわめて古くから存在し、 測量や天文学上の計算などの実用上の要求と密接に関連して生まれ、 他の幾何学的図形の各要素の量的関係や測量などへの応用を研究する。 三角法とも呼ばれている。 三角法と数表を用いれば、直接に測ることが不可能な難しい長さを、精度良く求めることができる。

 三角関数は、歴史的に三角法から派生して生まれ、その呼び名は三角法に由来する。 それは、角の大きさと線分の長さの関係を記述する関数の族であり、それらを拡張して得られる関数の総称である。 単位円を用いて定義することもでき、円関数と呼ばれることもある。

 三角関数には、正弦(sin)、余弦(cos)、正接(tan)、余接(cot)、正割(sec)、余割(csc)の6つがある。これらは、原点Oに対し、原線OAと動径OPとの間の角θとすると、点PからOAに垂線PMを下せば、


  正弦 sinθ=MP/OP,  余弦 cosθ=OM/OP
  正接 tanθ=MP/OM,  余接 cotθ=OM/MP
  正割 secθ=OP/OM,  余割 cscθ=OP/MP

と定義される。


各象限での三角関数の符号
     θ(度) sincostancot
第Ⅰ象限 0~ 90
第Ⅱ象限 90~180
第Ⅲ象限180~270
第Ⅳ象限270~360

特別な角度での三角関数の値
 θ ラジアン0π/6π/4π/3π/2π3π/2
  度  030456090180270360
sinθ 0 1/2 √2/2√3/2+1 0 -1 0
cosθ+1√3/2√2/2 1/2 0 -1 0 +1
tanθ 0 1/√3 1 √3 0 0
cotθ √3  1 1/√3 0 0

正円より得られるcosθとsinθのグラフ


sin x と cos x のグラフ


三角関数のグラフ
Sine(青実線)、Cosine(緑実線)、Tangent(赤実線)、
Cosecant(青点線)、Secant(緑点線)、Cotangent(赤点線)


三角関数の主要公式

1.一つの角に対する関係式
sin2α+cos2α=1 (ピタゴラスの基本三角関数公式)
tanα=
sinα

cosα
1

cotα
cotα=
cosα

sinα
1

tanα
1+tan2α=
1

cos2α
1+cot2α=
1

sin2α

2.三角関数の加法定理
sin(α±β)=sinαcosβ±cosαsinβ
cos(α±β)=cosαcosβsinαsinβ
tan(α±β)=
tanα±tanβ

tanαtanβ
cot(α±β)=
cotαcotβ

cotβ±cotα

3.関数の和と差
sinα+sinβ=2sin
α+β

cos
α-β

sinα-sinβ=2cos
α+β

sin
α-β

cosα+cosβ=2cos
α+β

cos
α-β

cosα-cosβ=-2sin
α+β

sin
α-β

cotα±tanβ=
cos(αβ)

sinαcosβ

4.関数の倍角と半角の公式(加法定理の応用)
(倍角の関数)
sin2α=2sinα・cosα=
2tanα

1+tan2α
cos2α=cos2α-sin2α=
1-tan2α

1+tan2α
tan2α=
2tanα

1-tan2α
cot2α=
cot2α-1

2cotα

(半角の関数)
sin(α/2)=√(
1-cosα

)
cos(α/2)=√(
1+cosα

)
tan(α/2)=
sinα

1+cosα
1-cosα

sinα
cot(α/2)=
sinα

1-cosα
1+cosα

sinα

5.三角関数の合成
 三角関数の合成とは,sin と cos が混ざった式を,sin だけ又はcos だけで表す。
(三角関数の合成公式)
-aとbのいずれかが0でない場合-

(sin だけで表す三角関数の合成公式)


(cos だけで表す三角関数の合成公式)



以上  

(2017年3月26日)


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