☆☆☆数学の基礎概念☆☆☆
指数関数と対数関数

−指数関数と対数関数−


1.指数関数
 k個のaの積をakと記述し、aのk乗と読む。このkを指数という。

k a×a×a×・・・×a
k個

 また、この演算では、次の指数法則が成立する。

mn=am+n

(am)n=amn

(ab)n=ann

ここで、特に、a0=1,a-m=1/am と約束する。

 いま、任意の定数aが0より大きく、xが−∞と+∞の間の変数である時、次の形の指数関数を得る。

y=ax

 もし、a=eであれば、指数関数は、
y= exp(x)=ex

となる。これは有限の極大、極小または零点を持たない最も簡単な超越関数である。 なお、関数y=exの逆関数はy=logxである。




二項展開とパスカルの三角形

 指数法則を用いて、aとbの和の二乗、三乗、四乗、五乗、六乗・・・の計算をする。

(a+b)2=(a+b)(a+b)=(a+b)a+(a+b)b
=aa+ba+ab+bb=a2+2ab+b2
(a+b)3=(a+b)2(a+b)=(a2+2ab+b2)(a+b)
=a3+3a2b+3ab2+b3
(a+b)4=a4+4a3b+6a22+4ab3+b4
(a+b)5=a5+5a4b+10a32+10a23+5ab4+b5
(a+b)6=a6+6a5b+15a42+20a33+15a24+6ab5+b6

 これら一連の計算は二項展開と呼ばれ、各項の係数を二項係数という。なお、この二項係数は「パスカルの三角形」を構成する。

「パスカルの三角形」(10段の場合)



2.対数関数
 指数関数 ac=b において、c=logabと記述し、 log のことを対数と言う。ここで、aは底、bは真数と呼ばれる。 対数関数は、指数関数の逆関数である。つまり、対数nは、真数bを得るための底aを累乗すべき指数nである。 なお、底aは a>0かつa≠−1 でなければならない。また、真数bは b>0 の時に、対数関数が定義される。 これらは、対数関数の「底の条件」および「真数の条件」と呼ばれる。

logab=n

n=b

 真数1の対数は、すべての場合に0である。つまり、すべてのaに対して、

0=1

であるから、

loga=0

 もしも、底aと真数bが等しく、a=bならば、対数nは1である。つまり、すべてのaに対して、

1=a

であるから、

logaa=1


−対数計算の公式−
loga(x・y)=logax+loga
loga(x/y)=logax−loga
loga(xy)=yloga
logay√(x)=loga(1/y)=(1/y)loga

 これらの公式は、累乗の計算規則(公式)から容易に求めることができる。

−対数計算の発展公式(参考)−
logb=clogb
logab・logb=loga
logab・logbc・logc=loga
loga=1/logb

−常用対数と自然対数−
 対数は、0および1以外の任意の正の数は、底として用いることができ、科学や工学の世界では、底e=2.71828・・・ と、それを用いて定義された自然対数(底eを略記して、単にlog または ln)がしばしば用いられる。

 また、計算で広く用いられる常用対数は、底10を持っており、
log1010=1    log100.1=−1
log10100=2log100.01=−2
log101,000=3log100.001=−3

などの関係がある。

 なお、自然対数は、底をeとする対数で、lnxあるいはlogeと書き、

log10x=lnx/ln10

の関係がある。ここで、ln10=2.302585093・・・・・である。

以上  

(2013年3月24日)


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