永年愛用してきたPC-9801NS/Tですが、さすがにここ数年は使うこともなく、記念に所持しているという状態が続いていました。最近、ある計測ソフトを使うために、久しぶりに使おうと電源を入れてみたところ、ウンともスンとも言わず全くの無反応で、完全に使えない状態になってしまいました。発売から15年以上経過しているので、もう寿命といってもいい位なのですが、やはり直せる物なら直したいところです。何とか修理できないか、検討してみることにしました。
電源が全く入らないことから、故障は電源部であると推察されます。そこでGoogleにて、"98ノート 電源"と検索したところ、同じような故障の修理について書かれているサイトを見つけることが出来ました(JH6SNG HOME PAGEの中の「修理:電源が入らなくなった98ノート(PC−9801NS/T編)」)。そのサイトによると、電源部の電解コンデンサを交換することで直るとあります。さっそく同じように修理してみることにしました。
NS/Tの基板をむき出しにしたところです。中央部にL型の基板があります。参考にしたサイトによれば、この基板の中央にある電解コンデンサを交換すれば直るそうです。
L型の基板の中央部に問題のコンデンサ(10μF16V)があります。
半田ごてを当てて取り外します。パターンを剥がさないよう慎重に作業します。
ごく普通の小型電解コンデンサと交換しました。
リチウム電池も消耗していたので、この際に交換することにしました。今後のことを考えて普通のリチウム電池が使えるよう、電池ホルダーを使うことにしました。幸いにしてピン間隔は全く同じで、そのまま付け替えることが出来ました。
こんな感じで交換しました。ちょっと背が高くなっているので、念のため、電池の上に絶縁テープを貼っておきました。
右の写真の通りMS−DOSも無事起動し、見事に復活を遂げました。
これからもまだまだ使えそうです。
せっかく中を開けたので、CPUの写真も撮っておきました。NS/TのCPUは、インテルのi386SLが使われていますが、右の写真を見ると分かるように、CPUにPC−98のロゴが入っています。NEC向け特別バージョンとのことです。
今の感覚からすれば、こういう物をあのインテルに作らせることが出来たことに驚きを感じます。考えてみれば、当時はジャパンアズナンバーワンと言われるぐらい日本の企業は強く、またPC−98シリーズも全盛期で、NECのインテルに対する影響力も相当の物だったのでしょう。
ただ、その後の10年が失われた10年と呼ばれるようになるとは、当時思いもよらなかったのですが・・・。