オールド98ノート バッテリー復活作戦
2000年4月14日執筆

 警告!
 本記事はバッテリパックの改造を取り上げていますが、これらの改造は、あくまでも個人の責任で行ってください。筆者、メーカー、その他関係者はいっさい責任を負いません。改造行為によりメーカー保証を受けることができなくなることも、ご留意ください。また、改造に関する問い合わせをメーカーにしないでください。迷惑になります。技術と知識、経験に自信のない方は、本記事を単なる読み物としてのみ、楽しんで頂くようお願いします。
 バッテリの充放電に関する改造は十分な知識を持って行わないと、バッテリが使えなくなるだけでなく、液漏れ、破裂、爆発などの事故を引き起こす場合があります。特に注意を喚起しておきますが、バッテリパック改造においてリチウムイオン電池は絶対に使わないでください。不適当な充放電によって容易に破裂・爆発します(実際、過去にそういう事故があったそうです)。

ダメになったバッテリーパック
 PC−9801N、NV、NS/E/Tといった386以前の98ノートをよくジャンク屋で見かけます。しかし、これらの機種は発売からかなり時間がたっているため、バッテリがダメになっている場合がほとんどです。NS/E/Tなどは画面が白液晶で非常に見やすく、テキスト文章の作成に限って言うなら今でも十分役に立つため、なんとか使えるようにしたいものです。
 この時代の98ノートには、PC−9801N−11と言う型番のニッカド型のバッテリーパックが使われていました(NS/E/TではさらにセカンドバッテリとしてPC−9801NV−13という型番のパックも装着されていました)が、このパック、新品を買うと2万円以上もする高価なもので、ジャンク品の復活にかける金額にしては高すぎます。中身はニッカド電池なのですから、市販されているニッカド電池を代わりに使うことはできないのでしょうか? というわけで、さっそくバッテリーパック復活にTRYしてみたいと思います。

バッテリーパックを分解
 さて、まずPC−9801N−11なるバッテリパックがどういう構造なのか把握する必要があります。これは分解してみるのが一番です。ところが、このパックには外せるようなネジなどいっさいありません。はめ込み式のようなのですが、隙間からドライバーでこじ開けようとしても、びくともしません。考えてみれば開けてどうこうするものではないので、しっかり接着されている可能性が高いようです。
 こうなったら最終手段。はめ込み部と思われる溝に沿って、金切りばさみで強引に切りとり、無理矢理こじ開けました。
 写真が、バッテリーパックの内部です。灰色のニッカド電池が8本並んでいます。スポット溶接で、すべての電池が直列つなぎになっています。まあこれは電圧を考えれば当然でしょう。

 ただ、3本目と4本目の間に正体不明の黒いデバイスがついていました。多分温度センサー(サーミスタ?)だと思いますが、確かなことは分かりません。

 灰色のニッカド電池は一見単3型のようですが、比べてみるとふたまわりばかり太い形をしています。PC−9801N−11の定格容量が1400mAhと、通常の単3型ニッカドの700mAhの2倍もあることを考えれば、このぐらいの大きさが必要なのでしょう。幸いにして灰色電池の長さは単3型とほとんど同じなので、容量の点を除けば単3型での置き換えは可能なようです。
 というわけで、とりあえず灰色の電池をすべて取り出しバッテリパックの中を空にしました。

バッテリーパックを電池ボックスに
 さっそく空になったバッテリパックに単3型ニッカド電池を組み込むことにします。今後も電池交換することを考えて、電池ボックスのような形にします。電極は銅板を切り出して作ります。バッテリパックの横側のちょうど良い位置にくぼみがあるので、電極をそこに瞬間接着剤で貼りつけました。接着剤が乾いてから、各電極を直列つなぎになるように接続します。最後に、ノート本体との接点からの電極に結線すれば完成です。

充電済み電池で試運転
 さあ使ってみましょう。別の充電器でフル充電した単3ニッカド電池(富士通製700mAh)を改造バッテリーパックに入れて、98ノート(NS/E)に装着しました。電圧モニター用にテスターも接続しておきます。そして、おもむろにスイッチON! すると、「ぴぽ」という音とともにメモリーカウントを開始。そしてA:>が液晶画面に・・・とりあえず起動は大成功です。
 次はどのぐらい使えるかです。標準品に比べて容量は半分。あまり長時間は期待できそうにありません。そのままほうっておいたところ、端子間電圧が9.1Vを割った42分後にシャットダウンしました。ちなみに省電力設定は、液晶常時ON、HDDモータ制御なしという条件です。

 NS/Eの場合、ファーストとセカンドの両バッテリパックで約3時間稼働可ということなので、バッテリパック1本で約1.5時間持つことになります。1400mAhで1.5時間ですから、単3型ニッカドの700mAhではその半分の45分という計算になり、42分の実稼働時間と大体一致します。

 充電の方ですが、98ノートにACアダプター電源をつなげば、自動的に充電が始まるはずです。ただしオリジナルのパックと比べて容量がかなり違うので、98ノート側の充電設定を調べて、安全かどうかを確かめてから行わないと危険です。
 というわけで、今のところは充電はとりあえず単3ニッカド用の専用充電器で行うことにします。98ノートから充電できるのか否かは、また後日、報告することにします。


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