ギガビット対応ハブの効果・その2

2006年10月15日公開

PrecisionにギガLANカードを

 前の記事でも明らかなように、NASやハブをギガビット対応にしても、DELL Precision530のようなLANカードが100M(100BASE/T)のPCでは効果のないどころか、逆に遅くてなってしまうこともあるという結果が得られました。そこで前回予告した通り、PrecisionにもギガビットLANカードを導入し、NASアクセス速度向上の効果を見ることにしました。

 購入したのは、有名メーカーかつ安価な一品、バッファローのLGY-PCI-GTです。インストールは至って簡単で、説明書通りに行えばまず失敗はないでしょう。

ギガLANカード導入の効果

Giga-LAN(HDBench)

 では最初にHDBench(Ver3.40beta6)の結果から。

 薄紫がハブ、LANカードの両方とも交換前、空色がギガハブに交換後、青がさらにギガビットLANカード導入時の結果です。比較のためにギガビットLANをオンボードで積んでいる自作機の結果もピンク色で表示してあります。

 見ての通りLANカード導入の効果は明らかで、自作機とほぼ同等の速度となっています。効果てきめんと言えましょう。

 

Giga-LAN(CrystalMark)

 次にCrystalMarkでの結果。
 これもHDBenchと同じで、自作機とほぼ同等の速度まで改善されています。自作機より若干遅いのはPC本体の性能差のためだと思われます。

 

ローカルHDDとの比較

vs Local HDD

 ギガビットLANの導入でPrecisionでのアクセス速度も改善されましたが、ローカルディスクと比べるとどうなのでしょうか? ついでに検証してみることにしました。

 PrecisionのローカルディスクはWeatern Digital社のCaciar WD400BBです。これは7200prm、ATA100規格のIDEハードディスクで、容量は40GBです。ATA100なので転送速度は100MB/sec、すなわち換算すると0.8Gbit/secとギガビットイーサネットとカタログ上ではほぼ同じ速度となっており、結果がどうなるか興味をそそります。

 右のグラフが計測結果です。見たところ一長一短ですが、ランダムアクセスは明らかにNASの方が速いようです。なかなか興味深い結果です。

 

まとめ

 ギガビットLANカードの導入で、Precisionもギガビットイーサネットの恩恵を受けることができました。まあある意味予想通りの結果というべきかもしれません。

 ギガビットイーサネットの導入時のNASアクセス速度はATA100程度のローカルHDDと比べても遜色のないもので、効果は絶大です。特に大容量のマルチメディア系ファイルをNASに置いて運用するのであれば、ギガビットイーサネットの導入はとても効果的でしょう。