前の記事でも明らかなように、NASやハブをギガビット対応にしても、DELL Precision530のようなLANカードが100M(100BASE/T)のPCでは効果のないどころか、逆に遅くてなってしまうこともあるという結果が得られました。そこで前回予告した通り、PrecisionにもギガビットLANカードを導入し、NASアクセス速度向上の効果を見ることにしました。
購入したのは、有名メーカーかつ安価な一品、バッファローのLGY-PCI-GTです。インストールは至って簡単で、説明書通りに行えばまず失敗はないでしょう。
では最初にHDBench(Ver3.40beta6)の結果から。
薄紫がハブ、LANカードの両方とも交換前、空色がギガハブに交換後、青がさらにギガビットLANカード導入時の結果です。比較のためにギガビットLANをオンボードで積んでいる自作機の結果もピンク色で表示してあります。
見ての通りLANカード導入の効果は明らかで、自作機とほぼ同等の速度となっています。効果てきめんと言えましょう。
次にCrystalMarkでの結果。
これもHDBenchと同じで、自作機とほぼ同等の速度まで改善されています。自作機より若干遅いのはPC本体の性能差のためだと思われます。
ギガビットLANの導入でPrecisionでのアクセス速度も改善されましたが、ローカルディスクと比べるとどうなのでしょうか? ついでに検証してみることにしました。
PrecisionのローカルディスクはWeatern Digital社のCaciar WD400BBです。これは7200prm、ATA100規格のIDEハードディスクで、容量は40GBです。ATA100なので転送速度は100MB/sec、すなわち換算すると0.8Gbit/secとギガビットイーサネットとカタログ上ではほぼ同じ速度となっており、結果がどうなるか興味をそそります。
右のグラフが計測結果です。見たところ一長一短ですが、ランダムアクセスは明らかにNASの方が速いようです。なかなか興味深い結果です。
ギガビットLANカードの導入で、Precisionもギガビットイーサネットの恩恵を受けることができました。まあある意味予想通りの結果というべきかもしれません。
ギガビットイーサネットの導入時のNASアクセス速度はATA100程度のローカルHDDと比べても遜色のないもので、効果は絶大です。特に大容量のマルチメディア系ファイルをNASに置いて運用するのであれば、ギガビットイーサネットの導入はとても効果的でしょう。