呉の数少ない名物である「肉じゃが」の調理法を紹介する。 一応、「海軍厨業管理教科書」の「甘煮」のレシピに基づいているが、調理の際は自己責任において実施していただきたい。
尚、分量は約1000人分である。
それでは、以下を参照して肉じゃがの調理に挑戦していただきたい。

30,000kcalのガスバーナを備えた鍋。 クレーン付きの2トン車でなければ運べないらしい。

馬鈴薯100kg。

玉葱30kg。

生牛肉30kg、白滝15kg。 醤油、砂糖大量。

30,000kcalの火力を誇るガスバーナに点火、鍋を十分熱して油を入れる。



このあたりの手順は「すき焼き」に似ている。













以上、2006年4月29日の「呉みなとまつり」での「くれ肉じゃがの会」の皆さんの奮闘でした。
肉じゃがのルーツは、かつて東郷平八郎がイギリス留学中に食べた「ビーフシチュー」を艦上食として作るように命じ、調理員が当時貴重だった赤ワインのかわりに醤油を代用した結果、肉じゃがの原型である「甘煮」が生まれたという説がある(1)。 また、舞鶴鎮守府の初代長官として舞鶴に赴任した東郷平八郎が、ビーフシチューを料理長に命じて作らせたが、当時の舞鶴にはワインやバターなどの調味料がなく、料理長は、醤油、砂糖、胡麻油で味付けをして作ったという説もある。(2)。
ワインやバターなどがビーフシチューに必要とされているが、戦前の海軍主計兵調理術教科書のビーフシチューのレシピではワインやバターは使用しない。 あるのはヘット(牛脂)を小麦粉と炒めて、スープとトマトソースを加えてドミグラスソースにするという記述である(3)。 このため、ワインやバターなどがないので代用品を使った結果、現在の肉じゃがのルーツになったという説には疑問が残る。
そこで、肉じゃがに近いイギリス料理を調べるとアイリッシュシチューが該当する。 帝国ホテルの料理長であった村上信夫氏によると、アイリッシュシチューはアイルランドの農家で昔から食べられていた料理で、畑仕事に出かける前に材料を仕こんで、鍋を暖炉にかけておき、仕事を終えて帰ってくる時刻に、ちょうど煮あがっているような料理であった。 材料は羊肉、じゃがいも、玉ねぎ、塩、胡椒で、このシチューは塩、胡椒以外の調味料を入れない料理であった。(4) このアイリッシュシチューの肉を、牛肉や豚肉に変え、醤油を入れ甘みをつければ肉じゃがになりそうである。 このことから、管理人は肉じゃがのルーツはアイリッシュシチューではないかと、類推する。
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