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三十糎艦船連合呉支部

三十糎艦船連合呉支部

軍艦日向慰霊碑

1969年（昭和44年）7月24日建立。　合祀者233柱。（1）

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軍艦日向慰霊碑

軍艦日向慰霊碑

軍艦日向慰霊碑

軍艦日向慰霊碑

碑文

軍艦日向慰霊碑

軍艦日向について

日向
伊勢型戦艦竣工時

「日向」は、伊勢型戦艦の2番艦である。　伊勢型戦艦は扶桑型戦艦の改正型として建造された。　主砲は扶桑型と同じ45口径36cm連装砲塔6基12門であったが、砲塔は中央部の2基を第2煙突後部に背負式配置した。　これにより、艦内配置や弾薬庫防御上では有利になったが、船首楼長さが短くなったため居住性は悪化したといわれている。　副砲は扶桑型までの15.2cmから14cmに改められている。　これは、砲弾重量を当時の日本人の体格に合わせて軽いものにしたかったためである。　口径減少を補うために、扶桑型の16門から20門へ増加されている。

日向
戦艦「日向」開戦時

1932年（昭和7年）に8cm高角砲を12.7cm連装高角砲に換装。　また、最上甲板両舷の14cm砲を撤去。　さらに、毘式40mm連装機銃が装備された。　1933年（昭和89年）には艦尾に呉式二号三型射出機を装備した。1935年（昭和10年）8月1日～1937年（昭和12年）5月31日にかけて近代化改装工事が実施され、水平防御力の強化、主機と主缶の換装、遠距離砲戦に対応した主砲および副砲の仰角引き上げ、バルジの装着、艦尾の延長などが行われた。　また、射出機を呉式二号五型に換装した。　1940年（昭和15年）には毘式40mm連装機銃を九六式25mm連装機銃10基に換装した。

日向
戦艦「日向」ミッドウェイ海戦時

開戦後は、ハワイ作戦支援に参加後は内地にあって訓練に従事していたが、1942年（昭和17年）5月5日に伊予灘で訓練中、5番砲塔が爆発事故を起こした。　このため5番砲塔は撤去され、砲塔跡には25mm3連装機銃4基が設置された。　5月末には二式二号電波探信儀二型を装備し、6月のミッドウェー作戦支援に参加した。　ミッドウェー海戦での航空母艦4隻喪失をうけ、航空戦力の増強を図るため、「伊勢」とともに航空戦艦に改装されることとなった。　改装は1943年（昭和18年）5月1日～11月18日に佐世保工廠で実施された。　この改装で22機を搭載する航空戦艦となったが、搭載機が揃わず、内地で訓練に従事した。

日向
戦艦「日向」比島沖海戦時

捷一号作戦発動により、1944年（昭和19年）10月20日第三艦隊（小沢機動部隊）として豊後水道を出撃したが、「伊勢」と「日向」には航空機は搭載されていなかった。　10月25日のエンガノ岬沖海戦では、アメリカ軍機などの攻撃により航空母艦4隻が撃沈されたが、「伊勢」と「日向」は弾幕射撃と巧みな回避運動により、大きな損害を受けることなく呉に帰投した。　11月には比島方面への輸送任務に就いたが、南方からの軍需物資強行輸送作戦（北号作戦）のため、1945年（昭和20年）2月11日に軍需品を搭載してシンガポール発。　敵制空権下の南シナ海を突破し、2月20日に呉に帰投した。　その後は燃料不足のため、呉港外に繋留されていたが、7月24日のアメリカ空母機の爆撃により情島海岸で大破着底した。（2）

艦名

艦名は旧国名。 現在の宮崎県。　古くは「ヒムカ」。（3）

要目（4）（5）（6）

新造時1936年（昭和11年）大改装後1943年（昭和18年）航空戦艦改装後
艦種戦艦
建造所三菱造船長崎造船所
基準排水量29.990トン ※136,000トン ※135,200トン ※1
常備排水量31,871トン ※1
公試排水量39,657トン ※238,774トン ※2
軽荷排水量34,187トン ※2
満載排水量41,401トン ※2
垂線間長195.07m→→
水線長205.74m（公試）213.36m（公試）213.36m（公試）
全長208.16m215.80m219.62m
最大幅28.65m33.83m→
水線最大幅28.65m（公試）31.70m（公試）31.71m（公試）
水線下最大幅28.65m33.83m→
喫水8.74m（公試平均）9.21m（公試平均）9.03m
飛行甲板――全長70m、前部幅29m、後部幅13m
主缶ロ号艦本式水管缶（重油・石炭混焼）24基ロ号艦本式水管缶（重油専焼）8基ロ号艦本式水管缶（重油専焼）8基
主機パーソンズ式高低圧直結タービン2基艦本式オール・ギヤード・タービン4基→
推進器軸4軸→→
出力45,000馬力80,000馬力（公試81,050馬力）80,000馬力
速力23ノット（公試23.6ノット）24.5ノット（公試25.264ノット）24.5ノット（公試25.27ノット）
燃料石炭：4,600トン　　重油：1,411トン重油：5398トン重油：4,249トン
航続力14ノットで9,680浬16ノットで7,870浬／11,100浬（実績）16ノットで9,449浬（推定）
兵装45口径四一式36cm連装砲4基
50口径三年式14cm単装砲20基
40口径三年式8cm単装高角砲4基
安式53.3cm水中魚雷発射管6基		 45口径四一式36cm連装砲4基
50口径三年式14cm単装砲16基
40口径八九式12.7cm連装高角砲4基
毘式40mm連装機銃2基		 45口径四一式36cm連装砲4基
40口径八九式12.7cm連装高角砲8基
九六式25mm3連装機銃19基
射出機―呉式二号五型1基一式二号一一型2基
装甲水線305mm
甲板55+30mm
司令塔320mm
砲塔前楯305mm
砲塔天蓋115mm		水線305m
甲板135+32mm
司令塔320mm
砲塔前楯305mm
砲塔天蓋152mm		→
航空機―水上偵察機3機（定数）水上偵察機瑞雲8機（計画）
艦上爆撃機彗星14機（計画）
乗員1,360名1,376名1,463名
その他1921年（大正10年）に主砲の仰角引き上げを実施。 1924年（大正13年）に砲塔天蓋甲鈑換装を実施。 1932年（昭和7年）に8cm高角砲を12.7cm連装高角砲に換装。　また、最上甲板両舷の14cm砲を撤去。　さらに、毘式40mm連装機銃2基が装備された。
1933年（昭和8年）には艦尾に呉式二号三型射出機を装備した。		 1940年（昭和15年）に毘式40mm連装機銃を九六式25mm連装機銃10基に換装。捷号作戦時の兵装は以下
45口径四一式36cm連装砲4基
40口径八九式12.7cm連装高角砲8基
九六式25mm3連装機銃31基
同単装機銃11基
12cm30連装噴進砲6基

※1：英トン（1.016メートルトン）、※2：メートルトン

艦歴（7）

年月日履歴
1915年（大正4年）5月6日三菱造船長崎造船所において起工。
1917年（大正6年）1月27日進水。
1918年（大正7年）4月30日竣工。　佐世保鎮守府籍に編入。　第一艦隊第一戦隊に編入。
1919年（大正8年）10月24日千葉県野島沖で3番砲塔爆発事故。
1920年（大正9年）7月21日豊後水道で廃船尋宮丸と衝突。
1920年（大正9年）8月29日館山発。　ソ連領沿岸警備に従事。
1920年（大正9年）9月7日小樽着。
1920年（大正9年）11月1日予備艦となる。
1922年（大正11年）4月1日第三艦隊第六戦隊に編入。
1922年（大正11年）5月24日舞鶴発。　ソ連領沿岸行動。
1922年（大正11年）6月2日小樽着。
1922年（大正11年）12月1日第一艦隊第一戦隊に編入。　呉鎮守府籍に転籍。
1923年（大正12年）8月25日横須賀発。　中国沿岸警備に従事。
1923年（大正12年）9月4日有明湾着。
1924年（大正13年）3月8日佐世保発。　中国方面行動。
1924年（大正13年）3月20日馬公着。
1924年（大正13年）9月23日佐伯湾で４番砲筒弾庫火災事故。
1925年（大正14年）3月30日佐世保発。　中国秦皇島方面行動。
1925年（大正14年）4月5日旅順着。
1927年（昭和2年）12月1日予備艦となる。
1928年（昭和3年）5月1日第一艦隊第一戦隊に編入。
1929年（昭和4年）3月29日佐伯発。　北支方面行動。
1929年（昭和4年）4月22日佐世保着。
1929年（昭和4年）11月30日予備艦となる。
1930年（昭和5年）12月1日第一艦隊第一戦隊に編入。
1931年（昭和6年）3月29日佐世保発。　青島方面行動。
1931年（昭和6年）4月5日佐世保着。
1932年（昭和7年）3月27日佐世保発。　第一次上海事変に参加。
1932年（昭和7年）4月3日大連着。
1932年（昭和7年）10月15日予備艦となる。
1932年（昭和7年）12月1日第一艦隊第一戦隊に編入。
1933年（昭和8年）6月29日佐世保発。　中支方面行動。
1933年（昭和8年）7月4日基隆着。
1933年（昭和8年）7月13日馬公発。　南洋方面行動。
1933年（昭和8年）8月21日木更津沖着。
1934年（昭和9年）9月27日旅順発。
1934年（昭和9年）10月5日佐世保着。
1934年（昭和9年）11月15日予備艦となる。
1935年（昭和10年）11月24日呉工廠で改装工事に着手。
1936年（昭和11年）9月7日改装工事完了。
1936年（昭和11年）12月1日第一艦隊第一戦隊に編入。
1937年（昭和12年）3月27日佐世保発。　青島方面行動。
1937年（昭和12年）4月6日佐世保着。
1937年（昭和12年）9月15日佐世保発。　北支方面行動。
1937年（昭和12年）9月23日佐世保着。
1938年（昭和13年）4月9日佐世保発。　南支方面行動。
1938年（昭和13年）4月14日基隆着。
1938年（昭和13年）10月17日佐世保発。　南支方面行動。
1938年（昭和13年）10月23日馬公着。
1938年（昭和13年）12月15日予備艦となる。
1940年（昭和15年）7月16日練習艦となる。
1940年（昭和15年）11月15日第一艦隊第二戦隊に編入。
1941年（昭和16年）2月24日佐世保発。　南支方面行動。
1941年（昭和16年）3月3日馬公着。
1941年（昭和16年）3月6日馬公発。
1941年（昭和16年）3月11日有明湾着。
1941年（昭和16年）3月29日呉へ回航。
1941年（昭和16年）4月26日呉発。
1941年（昭和16年）4月27日宿毛湾着。
1941年（昭和16年）5月13日宿毛湾発。
1941年（昭和16年）5月14日別府着。
1941年（昭和16年）5月18日宿毛湾に回航。
1941年（昭和16年）6月4日宿毛湾発。
1941年（昭和16年）6月5日四日市着。
1941年（昭和16年）6月23日有明湾に回航。
1941年（昭和16年）6月27日有明湾発。
1941年（昭和16年）6月30日横浜着。
1941年（昭和16年）7月6日木更津沖へ回航。
1941年（昭和16年）7月8日木更津沖発。
1941年（昭和16年）7月11日有明湾着。
1941年（昭和16年）7月16日有明湾発。
1941年（昭和16年）7月17日小松島着。
1941年（昭和16年）7月21日小松島発。
1941年（昭和16年）7月22日宿毛着。
1941年（昭和16年）7月29日宿毛発。　同日、別府着。
1941年（昭和16年）8月1日別府発。　同日、佐伯着。
1941年（昭和16年）8月21日佐伯発。　同日、柱島着。
1941年（昭和16年）9月1日柱島発。　同日、呉着。
1941年（昭和16年）9月18日呉工廠に入渠。
1941年（昭和16年）9月26日呉工廠を出渠。
1941年（昭和16年）10月3日呉発。　同日、室積沖着。
1941年（昭和16年）10月10日呉へ回航。
1941年（昭和16年）10月20日佐伯へ回航。
1941年（昭和16年）11月19日柱島へ回航。
1941年（昭和16年）11月22日呉へ回航。
1941年（昭和16年）11月26日柱島へ回航。
1941年（昭和16年）12月8日ハワイ作戦支援のため、柱島発。
1941年（昭和16年）12月13日柱島着。
1942年（昭和17年）2月21日呉工廠に入渠。　主砲砲身換装。
1942年（昭和17年）2月25日呉工廠を出渠。
1942年（昭和17年）3月12日アメリカ機動部隊迎撃のため、柱島発。
1942年（昭和17年）3月16日伊勢湾着。
1942年（昭和17年）3月20日伊勢湾発。
1942年（昭和17年）3月21日柱島着。
1942年（昭和17年）4月18日ドーリットル空襲により、アメリカ機動部隊攻撃のため、柱島発。
1942年（昭和17年）4月22日柱島着。
1942年（昭和17年）5月5日伊予灘で訓練中、5番砲塔爆発事故。
1942年（昭和17年）5月29日柱島発。　ミッドウェー作戦に参加。
1942年（昭和17年）6月17日横須賀着。
1942年（昭和17年）6月22日横須賀発。
1942年（昭和17年）6月24日柱島着。
1942年（昭和17年）7月14日連合艦隊付属となる。
1942年（昭和17年）10月26日呉工廠に入渠。
1942年（昭和17年）11月1日呉工廠を出渠。
1943年（昭和18年）4月11日呉で14cm副砲の撤去工事に着手。
1943年（昭和18年）4月28日佐世保に向け呉発。
1943年（昭和18年）4月29日佐世保着。
1943年（昭和18年）5月1日航空戦艦への改装工事に着手。
1943年（昭和18年）6月26日佐世保工廠に入渠。
1943年（昭和18年）7月1日予備艦となる。
1943年（昭和18年）10月1日佐世保工廠を出渠。
1943年（昭和18年）11月18日改装工事完了。
1943年（昭和18年）11月19日佐世保発。
1943年（昭和18年）11月20日徳山着。
1943年（昭和18年）11月22日伊予灘で４日間にわたり諸公試を行う。
1943年（昭和18年）11月30日第一艦隊第二戦隊に編入。
1943年（昭和18年）12月1日呉、柱島方面で訓練に従事。
1944年（昭和19年）2月25日連合艦隊付属となる。
1944年（昭和19年）5月1日第三艦隊第四航空戦隊に編入。
1944年（昭和19年）5月24日3連装機銃8基新設工事に着手。
1944年（昭和19年）6月7日呉工廠に入渠。
1944年（昭和19年）6月17日呉工廠を出渠。
1944年（昭和19年）10月20日内海西部発。　比島沖海戦に参加。
1944年（昭和19年）10月29日呉着。
1944年（昭和19年）11月7日佐世保へ回航。
1944年（昭和19年）11月8日佐世保発。　マニラに向かったが、空襲のため入港できず。
1944年（昭和19年）11月22日リンガ泊地着。
1944年（昭和19年）12月12日リンガ泊地発。
1944年（昭和19年）12月14日カムラン湾着。
1944年（昭和19年）12月18日カムラン湾発。　同日、サンジャック着。
1944年（昭和19年）12月30日サンジャック発。
1945年（昭和20年）1月1日リンガ泊地着。　南西方面艦隊付属に編入。
1945年（昭和20年）2月10日連合艦隊付属に編入。
1945年（昭和20年）2月11日シンガポール発。　軍需品を搭載して内地へ向かう。
1945年（昭和20年）2月20日呉着。
1945年（昭和20年）3月1日予備艦となる。
1945年（昭和20年）3月19日呉でアメリカ空母機の爆撃により、被弾3発。
1945年（昭和20年）6月1日特別警備艦。
1945年（昭和20年）7月24日呉港外情島海岸でアメリカ空母機の爆撃により大破着底。
1945年（昭和20年）11月20日除籍。

参考資料

  1. ∧梶本光義（編集責任者）．呉海軍墓地誌海ゆかば：合祀碑と英霊．呉海軍墓地顕彰保存会，2005，p94
  2. ∧雑誌「丸」編集部編．日本海軍艦艇写真集：ハンディ判　2巻　戦艦扶桑・山城・伊勢・日向．東京，光人社，1996，p134-142
  3. ∧広辞苑　第四版　電子ブック版
  4. ∧日本戦艦史．東京，海人社，1988，p108,188，世界の艦船．No391 1988/3増刊号 増刊第24集
  5. ∧福井静夫．（写真）日本海軍全艦艇史資料篇．東京，ベストセラーズ，1994，p36
  6. ∧石橋孝夫．日本帝国海軍全艦船1868-1945 [ 戦艦･巡洋戦艦 ]．東京，並木書房，2007，p286-314
  7. ∧前掲．日本海軍艦艇写真集：ハンディ判　2巻　戦艦扶桑・山城・伊勢・日向．p143

謝辞

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