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玄関の新規作成工事

 今回では、部屋スペースの有効活用のため、既存の玄関位置を東側に移動して新しく造り直します。   和室住宅では玄関ドアのタイブは「引き戸」が主流ですが、 以前は洋風でも「引き戸」が人気だったことがあります。  しかし、近年は防犯意識の高まりや収まり、雨仕舞いの良さ、 それに玄関がコンパクトになってきたこともあり、再びドアが多くなってきたようです。

 昔の玄関口は、水洗いするためもあり、ドアサッシは土台から15~20㎝下がっているのが当たり前だったのが、最近では玄関の外がウッドデッキになっていて、 ウッドデッキから玄関に入るというタイプもあるようです。  いよいよ日本の家屋も、ドアは土台の上に載るという、玄関とフロアに段差がないアメリカの建物のようなスタイルになってきたわけです。

 玄関ドアは毎日出入りするところなので、開口部はできるだけ広くした方が快適。   60㎝以下だと窮屈に感じてしまいますから、できれば80㎝は欲しいものです。  また車いすを通すなら、手動タイプで63㎝・電動タイプで70㎝が最低ラインとされます。

 現在の玄関ドアは高さ約2300mmのサイズが流通しています。  幅は「3尺間口・780mm(664mm)」、「片開き・872mm(756mm)」、「3尺ワイド・940mm(824mm)」が一般的。 ()内は有効間口寸法。(2023.7.26)

 


玄関ドアの配置と意匠はどうする

       

【現在の玄関口】

昔の部屋数の多い意匠なら、今の玄関はベストの位置に設けられていると言えるが、今回は部屋数より広く使い勝手のいい部屋割にしたい。

具体的には、左手の洋間と玄関の奥の茶の間を一つにし、食事をするスペースと調理を行うキッチンが同じ空間にある、ダイニングキッチン(DK)にするため、玄関の位置を右に移動したい。

近年はリビングも1つの空間にまとめ複数用途にした、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)が主流となっているようですが、今回のリフォームも仕切りは設けないので、 結果としてLDKになりそう。

【現状の玄関の戸】

現状の玄関は、開口部は2枚分あるが、動かせる範囲は1枚分の、2枚の建具がそれぞれのレールの上を動く「引き違い戸」。

戸のサイズは、高さ1830mm・幅855mm。  玄関全体の間口は、左右の壁部分を含め3330mm

ここを耐力壁部分として、薪ストーブの設置場所とする。





【新しい玄関戸のイメージ】


新しい玄関は、従来型の「引き違い戸」にするか、それとも「ドアタイプ」にするか。  古民家だから「引き戸」という固定概念はない。

「引き戸」にする場合、一枚の大きな引き戸にしても面白そう。



【デザインの補助ソフト】


玄関ドアに等間隔で小窓を設けたいが、その場合間隔をどのぐらい開ければいいか、知る必要がある。   そんなとき便利なのが要素を均等に配置する計算プログラム

全体の幅(L)、要素の幅(W)、要素の数を入れると、余白の幅(S)を算出してくれる。  計算式のソースコードも公開している。





引き戸の知識

     

【「片引き戸(かたひきど)」】

建具(=戸)は1枚だけで、片方にだけ動くタイプ。 当然、開口部は建具1枚分しか開かない。

設置するには、建具を格納する戸袋部分が必要なので、玄関戸の設置スペースは建具の約2倍の幅が必要となる。





【「引き違い戸(ひきちがいど)」】

引き戸で一番ボビュラーな「引き違い戸」。  2枚の建具がそれぞれのレールの上を動く。

正面から見て右側が手前にくるように配置するのが一般的。

正面から見て右側は左方向へのみ、左側は右方向へのみ動かせる。

開口部は2枚分あるが、動かせる範囲は1枚分のみ。

つまり開口部は建具1枚分の幅しか開かないので、大物を出し入れする際は建具自体をレールから外す必要がある。

【開口部を大きくとれる引き違い戸】

通常の「引き違い戸」の開口部は、建具2枚分のスペースがあるが、実際に開く幅は建具1枚分。

そこで今回は建具2枚を収納する「戸袋」を設け、全面開放できる玄関とする。

大きく開くので、解放感はあるし、夏場は換気もいい。

ただし、これだと建具約3枚分の幅が必要になるので、余裕がないと造れない。
【両引き戸(りょうひきど)】

2枚の建具が1本のレールの上を動くタイプ。

両方の建具をそれぞれ「戸袋」に収納すると、建具2枚分の大きな開口部が取れる。

ただ、両引き戸にすると、玄関戸のスペースとして、建具約4枚分の空間が必要になる。



【玄関開口部は「四方枠」】

窓やドア、引き戸などの開口部の縁に施される部材を枠と呼び、玄関開口部は「四方枠」。

床面の枠がなくフラットに出来るのが「三方枠」。

「鴨居」や「敷居」とは本来は引き戸の枠上下に設置される溝の彫られた部材のことだが、ここでは引き戸の上下の滑らせる部材を指す。

室内であれば下も「敷居」に溝を掘る方式でもよいが、玄関戸は砂などが入り込み開け閉めが不自由になるので、下は「敷居レール」にする。
【「縦勝ち」と「横勝ち」】

縦材と横材を組む場合、縦枠で横枠をはさむ構造の「縦勝ち」と、横枠で縦枠をはさむ構造の「横勝ち」がある。

かまち組み建具の作り方では「縦勝ち」が基本。  引き戸の場合、横勝ちにしてしまうと横枠の木口(木の切断面)が見えてしまう。

「縦勝ち」のほうが構造的にも安定するし、見た目もすっきりしている。
【左右の扉の重ね合わせ幅】

鍵は引き戸の縦枠の重なり部分に設けるので、図のような構造になる。 重なり幅は見た目と鍵の構造に合わせる。

和風玄関ドアの「鍵」  「GOAL MS-5 面付本締鎌錠 ツーロック モノタロウで5000~7000円」、「WEST 万能面付鎌錠 430」、「Kaba star neo 6700E」。

下は上と同様に溝を滑らせる方式にするか、レール上を戸車で動かすかを選ぶ。 戸の上下にはレールの溝に嵌め込む加工が必要。
【「鴨居」、「敷居」の構造】

「敷居」と「敷居」には建具を移動させる溝が掘られる。  床に置かれる「敷居」は「鴨居」をひっくり返した形状。

「敷居」は建具の重さがかかるため、溝の底の滑りを良くする川口技研の「敷居すべりテープ」もある。  「鴨居」は重量がかからないので滑りを良くするための加工は必要はない。

敷居の材料は杉や松、ヒノキ、ツガなど。 
【建具の上下端は欠きこむ】

建具(引き戸)を嵌め込むには、建具を少し持ち上げ、「鴨居」の溝に入れたら落とす。  そのため、建具上部を「欠き込み加工」する必要がある。

建具上部の欠き込み高さと、鴨居の溝深さは同じにし、嵌め込んだ時、建具上部に13㎜前後の隙間が出るようにしておく。

建具上部の欠き込み高さと、鴨居の溝深さは同じにする。

建具の滑りをよくするため、キチキチに加工せず、接触する箇所は2mm程度隙間が空くようにする。
【鴨居と建具の組み合わせ】

一般的に引き戸が滑る「敷居」の溝の広さは、6分(=18mm)から7分(=21mm)。  建具を入れやすくするため、「鴨居」の溝は25㎜ほどの深くしておく。

建具同士の隙間は2㎜ほど。  隙間は「鴨居」の真ん中の「山」部分と、建具の高い部分の厚さで決まる。  破損の危険があるので、30㎜厚建具ならば、いずれも15mmは厚みが欲しい。

【建具・鴨居・敷居の加工関係図】

室内に置ける「鴨居」、「敷居」、「建具」の一般的な加工関係図。

コツは、上の「鴨居」の溝深さは、建具を入れる際、一旦溝に差込む必要があるので、取り付けると建具の先端から13㎜ほど上部が空く。

下の「敷居」の溝は幅21mm、深さ4㎜。 入る建具の先端は幅20㎜、高さ5mm。 真ん中山の幅は11㎜にすると各ポイントに1~2㎜前後の間隔ができる。

玄関の場合、風雨にさらされる「敷居」は、木製ではなくコンクリートにし、建具の下に「戸車」を入れて滑りを良くする。
【「戸車」を建具の底に取りつける】

建具の縦材の底を彫り込み、「戸車」をビスで取り付ける。 横材に取りつけてもいいが、耐荷重を考慮すると縦材の方が安心。

「戸車」は車輪部分の上部が建具の中に入り込む形になるので、その部分はドリルで大雑把に穴をあけて置き、トリマーで車輪が埋まり、抵抗なく回転できる深さ、25mmほど深く彫り込んでおく。

ビス止めするベース分の厚み1mmも彫り込んでおく。  キッチリ平行になっていないとスムーズに動かない。
【一般的な「戸車」の形状】

これは長さは68mm。 幅14mm。 戸車径33mm前後。

ベースから車輪トップまで24mmなので、抵抗なく回転させるには、このサイズならば深さは24mm以上彫り込む必要がある。

下の車輪部分の突き出し寸法は6mm。
【下の鴨居には「戸車レール」を使う】

Vレール用の戸車(V型、YV,YU)に合うような、溝巾21mmに収まるサイズの「戸車レール」が多数市販されている。

「戸車レール」を下の敷居の溝にはめ込むだけ。  広い方、狭い方どちらでも使える「リバーシブル仕様」になっている。

昔の引き戸レールは半円形のものを釘で留める「甲丸レール」。 戸車も中央がくぼんだ「丸型」を使っている。

(画像は三山金属カタログより)





玄関のコンクリート基礎工事

コンクリート工事の詳細については湿気の多い箇所はコンクリート打ちを参照。

   

コンクリート基礎工事
【新しい玄関の基礎】

既存の玄関を壊し、すこし東側にズラした位置に新たな玄関を作る。

母屋より少し突き出す形となるため、ブロックを使って土台となる基礎を作る。
【DIYリフォームでのコンクリート基礎作り】


水糸で高さをチェックしながら、水平器で水平を見つつブロックを積んで土台を作る。

ブロックを載せる前にモルタルを置く。モルタルを敷いておくと、高さ調整・水平合わせが楽にできる。

ブロックの穴に土台を固定するボルトを埋め込んでモルタルを流し込む。
【ハイフレツクスでモルタルの接着力強化】

モルタルはドライアウトを起こしやすいので、吸水調整材としてハイフレツクスを使う。

木工用ボンド成分なので、薄めて下地剤(プライマー)としたり、モルタルに混ぜ接着力を強化する。

下地剤として使うときは、水とハイフレツクスを3:1の割合にして、濡らすように塗りこむ。   

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感想(9件)

【ドライアウト現象】

モルタルなどで発生する現象。  既存のコンクリートの上にモルタルを塗ると、夏期の炎天下で直射日光を浴びたりした場合、水分が既存のコンクリートに吸水され蒸発することで硬化不良を起こす。

水を入れすぎてもドライアウトの原因となってしまう。

事前に散水を行い、打込み後はシート養生などで水分の蒸発を防ぐ。

豊運 ビルモル グラウト 25kg/袋 無収縮モルタル

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感想(1件)

【無収縮モルタルと通常のモルタルとの違い】

セメントに砂と水を加えて混ぜ合わせてつくる一般的なモルタルは、乾燥すると収縮してひび割れを起こしやすい。

無収縮モルタルは、混和剤に膨張材を含むことで収縮を抑えており、硬化後もひび割れが起こりにくい。 ただ、高価なので全面に使うことはなく、主に耐震補強や補修などで使われる。

液状で流動性が高い「グラウト」とコテで施工する固練りの「パッド」がある。





玄関工事の部材加工

     
【土台の加工】

基礎の上に設置する土台の、アンカーボルトの位置にホゾ穴をあける。

座金は四角。  ホゾ穴は頭が土台から出ない深さに彫り込む。

アンカーボルトの間隔について、建築基準法には「土台は、基礎に緊結しなければならない」とあるが間隔について明記されていない。 2階建て住宅の場合、 基礎長2.7m以内(1.5間)ごとに設置することが多い。
【基礎に土台を載せていく】

基礎にパッキンを敷き、アンカーボルトを通して土台を設置。 アンカーボルト間隔は1m。  アンカーボルトは土台を固定するもので、 構造上さほど大きな力を受ける訳ではない。

現在では柱に発生する大きな引き抜き力は主にホールダウン金物が負担する仕組みとなっている。

基礎パッキンは基礎にも土台にも固定しないで置くだけ。 だからアンカーボルトが基礎パッキンの中を通っている必要がある。






玄関ドアの取付作業

       

【玄関サッシの土台】

玄関サッシが入る枠を作る。   一般的に、玄関土台は建前中に歩き回るのに邪魔なこともあり、少しだけ左右に伸ばしておくだけの施工をしている。

しかし、図のように土台を一本で通しておくと、玄関の幅が正確に出るのはまもちろん、左右の柱の高さに誤差が出ず施工が楽。

この玄関土台は、取付作業時はドア枠に合わせて不要部分を落とす。



【玄関土台を落とす】

ドア枠のサイズに合わせ、玄関土台を落とす。

ドア枠がはめ込まれる周りは、ドア枠を止めるための骨組み材を配置する。

骨組み材は30mmだと細い。  ドア枠を固定するビスがしっかり効くよう、厚み45mmの間柱を使う。

【ドア枠を取り付ける】


ドア枠を骨組み材(枠材)にビスで固定していく。 最後にサッシ枠の外側に防水テープを張っておく。

取り付けは必ずレーザーで水平・垂直を確認し、対角の寸法収まりをキッチリ出す。 対角誤差をミリ単位以下にすれば、必ずサッシは直角になる。

ドア枠は外付けタイプで、外からのビス留めしかできないのが一般的。

ドアの付属ビスは細い短いものがほとんど。 ドア枠は力の加わる部分なので、念のためコンパネビスの32mmで固定する。
【ドアを取り付ける】

昔はこの段階でドアを取り付けたが、養生していても工事中にどうしても傷がついてしまうという問題があった。

しかし、最近は工事用ドアというものが登場。

工事完了までは、この仮のドアを取り付けておけばドアが傷つくこともない。

右の空いた部分は「袖壁」となる。  「袖壁」とは柱や壁から垂直に張り出した幅の狭い壁のこと。  玄関に飾り棚などを設けたいときは壁が必要となるので、 そんな場合袖壁を作る。 ドアがコーナーギリギリにならず雨仕舞にも有効。






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