私の音楽遍歴(2)<バッハの小フーガト単調>


♪小学校の音楽鑑賞の時間に聴いたバッハの『小フーガト短調』にシビレました。
 親しみやすい1本のメロディーが2本、3本と絡み合い緻密な音空間を作り上げて
 ゆく、今まで聞いた事があったアメリカンポップスや日本の歌謡曲とは、まったく違
 う音のキラメキに小学生の私は「もーたまりまへんな〜」でした。
 (ザ・ピーナッツの曲に「恋のフーガ」というのがありましたが‥‥)

フーガとは、メロディーの追いかけっこ。最初は、一つの歌をずらして歌うとおもし
 ろいという発見から始まり、カノンを経て、フーガの様式が確立したと聞いております。
 そしてフーガを極めたのがバッハですが、その晩年には、「フーガは古い様式」の
 扱いを受け、彼の息子達もフーガの曲はあまり書いていません。
 写真を見ても職人肌の頑固オヤジの様なバッハは、風貌通りの逸話をたくさん残し
 ております。

♯私は行動的な少年でした。(音楽的な体験に対しては、常に行動的だったかもし
 れません。)お小遣いで買ったオカリナで『小フーガト短調』に挑戦したのでした。
 (今から考えればオーマイゴットですが)一人ではフーガは出来ませんので友人にも
 オカリナを買わせて教壇の横で演奏会をやりました。私のオカリナが第一メロディー
 を奏で、導入部を経て5度上で2本目のメロディーがアレ!(同じ調性???)
 そうです!私達の『小フーガト単調』は、ただのカノンだったのです。(フーガの第2メロ
 ディーは、第1メロディーの5度上の調性(又は4度下)で始めると言う決まり(様式)な
 のです。)
 私達の演奏は、第1メロディーと第2メロディーが絡み始めすぐに止まってしまいました。
 教壇の回りのオーディエンスが拍手をしたかどうかは覚えていませんが、「レコードで
 聴いたのと違う?」と言った子はいませんでした。

♭小学校の音楽鑑賞の時間といえばチャイコフスキーの「白鳥の湖」、グリークの「ペ
 ールギュント」、サンサースの「動物の謝肉祭」、等を思い出します。

♯中学校の音楽鑑賞の時間といえばベートーベンの「田園」、ドビュシーの「月の光」、
 ムソルグスキーの「展覧会の絵」、日本の宮城道雄の「春の海」等を思い出します。

♭上記の小学校と中学校の分類は、少々曖昧かもしれません、しかし、音楽好きの
 私にとって音楽鑑賞の時間は、ワクワクタイムでした。

(2001年11月24日掲載)

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