私の音楽遍歴(17)<きじむなあの歌−私の沖縄の歌>
♪私の作詞・作曲した曲がCDになりました。曲名は、「きじむなあの歌」で、CD名は、「
コーラスでうたう ウチナー子どもうた」(Victor VICS-61087 \2.835)です。「きじむなあ
の歌」は、昨年3月に公演された一人芝居「きじむなあ物語」(船越義彰作 間好子出演)
のBGM曲の中の一曲で、芝居のエンディングで流れた曲です。
♯「きじむなあ」とは、沖縄のガジュマルの老木に住むと言われる木の妖精の事です。よく
東北地方の「座敷わらし」と似ていると言われますが、容姿は、「あかじらー(赤い顔)」、「
ぐまっちゅう(ちびすけ)」、「あかがんたー(赤い髪)」です。魚を採るのが上手ですが、食べ
るのは、魚の左目だけです。大嫌いなのは人間の放屁です。昔話の「きじむなあ」は、人間
に幸せをもたらしたり、不幸をもたらしたりしますが、これは人間の方の態度による場合が
ほとんどです。昔話でない話に、会社の後輩の先祖が「きじむなあ」と出会い、いっしょに
遊んだりした所、別れ際に「豊見城のXXXの土地を買っておけ」と言われたそうです。その
人は、その言葉を信じ、荒野みたいな土地を買ったそうです。その後、その土地が高く売れ
てかなりのお金になったそうです。この話を聞いた時に、「きじむなあ」の存在をとても身近
に感じました。
♭「きじむなあ物語」は、「山之口獏賞」をとったファンタジー作品です。沖縄戦の前の「きじ
むなあ」の生活、人間に恋するきじむなあ、沖縄戦で「きじむなあ」の仲間だけでなく人間も
助けようとして傷つく「きじむなあ」の話をファンタジー調に書いた作品です。一人芝居では、
間好子おばあが、物語を全編ウチナーグチ(沖縄方言)で語りました。私は、BGM用に昔の
曲や新曲を合わせて10曲準備しました。こんな経験は、初めてでしたが、観客が入ったホー
ルで自分の音が響く事は、すごい感動であり、プロの人が病みつきになるのがわかる気がし
ました。私は、「きじむなあ物語」を楽しく終わらせたいと考えて、「きじむなあの歌」を作詞・
作曲し、子供達に歌ってもらって流しました。
♯CD「コーラスでうたう ウチナー子どもうた」は、14曲入りですが、NHK朝の連続テレビ小説
「ちゅらさん」のテーマ曲「Best Friend」、海勢頭 豊さんの「月桃の花(げっとうのはな)」や、
りんけんバンドの照屋 林賢さん作曲の曲などが入っています。ジャンルを問わない多様性や
オリジナリティーの高さが絶品なCDだと思います。
♭なぜ私がこの様なチャンスに恵まれたかというと、このCDのエグゼクティブ・プロデューサー
の中村透先生(国立音大卒、琉球大学音楽科教授)のおかげです。「きじむなあ物語」の
BGMの話も中村先生の紹介であり、本番を見に来てくださった先生が「きじむなあの歌」
を気に入ってくださり、このCDに入れてくださったのです。先生には、大学時代から合唱の
伴奏をフルオーケストラでつける作業をやらさせてもらったりと、とても勉強させてもらってい
ます。私にとって中村先生は、「人生の恩師」です。
♯「きじむなあの歌」は、CDを買わなくても聞く事ができます。歌っている合唱団や伴奏は
違いますが、私のホームページ「沖縄大好き」の「My Music」の中の2.「きじむなあ物語」
の14番目の「きじむなあの歌」(MP3ファイル形式)で聞く事ができます。もし良かったら聞い
てみてください。そして、気に入ったらCDも買ってくださいネ。
♭芝居のBGM作りも初めてでしたが、Victorから出るCDになるという事もすごい事です。
これはお正月の占いに出ていた『今まで努力してきた事が実る年』の一つの現れなのかも
しれません。とてもありがたいことです。ありがとうございました。
(2002年3月9日掲載)