2003-054
ABOUT SCHMIDT
ウォーレン・シュミット(ジャック・ニコルソン)は、長年勤めた生命保険会社を定年退職した。
仕事ばかりだった彼は時間をもてあます。
会社に行ってみれば当然のように自分を必要とする者はなく、家でも妻とは生活サイクルが違ってしまっていた。
何者かに必要とされたいと願う彼は、テレビのCMを見てチャリティへの参加を思いつく。
月に22ドル募金し、遠くアフリカの子供の里親になるのだ。
彼は、見たこともない里子に対し、自分のことを手紙にしたため始める。
遠くに住む一人娘の結婚を間近に控えたある日、妻が急逝した。
落ち込み、自分を失うウォーレン。
やがて気を取り直し部屋の整理をしていると、妻にも自分の知らない顔があったことを知る。
「自分」を見失ったウォーレンは、娘の結婚式を阻止することを思い立つ。
アカデミー賞主演男優賞ノミネートは当然だろう。
「戦争」がなければ、2003年は「戦場のピアニスト」ではなく、こちらに輝いていたかもしれない。
これを観て笑えるか、怯えるか。
自分の老後と照らし合わせてみよう。
2003年4月10日 東京国際フォーラム・ホールC