| 旅行記のTOPに戻る |
映画「羊のうた」舞台探訪〜高城家編〜
去る2003年2月24日、冬目景先生のコミック「羊のうた」が、第7巻をもって6年半にわたる物語のエンディングを迎えました。 悲痛な血の宿命にまつわる情念と孤独感が織りなすストーリー、独特の絵のタッチと和風の情景描写が相まって、強い印象を与えてくれる作品でした。 映画化された時には、わざわざ新宿まで出かけて見に行ったりもしました。(映画の評価はさておいて…) さて、ここからが今回の話の発端。 読み終わった第7巻を見てみたら、中側の表紙とカバーの見返しに、映画に登場した「高城家」らしい家屋が写っているではないですか! 「羊のうた」が映画化された直後にもロケ地を廻ったのだけど、その時に最も重要な場所なのに、所在が分からなくて行けなかったのが、この「高城家」だったのだ。 「これは、行かねばならない!」 …もはや、聖地巡礼者の悲しい性である。 ・探索編 そうと決まれば、早速情報収集。 ロケ地を廻った時点で、後でロケ地となった須坂市の施設として公開される予定、と聞いていたので、まず市のホームページを検索。しかし、それらしい施設は見あたらない。 それならば、正攻法で、と須坂市の商工観光課にメールで問い合わせてみた。 すると、届いた返事は、
ビンゴ! (^^)b ここまで分かれば、しめたもの。 さらに商工観光課の方に「受付の方に断われば室内に入って写真撮影可。ただし他の利用者の邪魔をしないこと」と確認をいただいて、事前準備は完了。 お忙しいところご対応いただいた須坂市商工観光課の方、どうもありがとうございましたm(__)m では、「羊のうた」完結記念企画スタート! ・道中編 上信越道を北上、須坂長野東I.Cで降りて須坂市へ。 須坂市は道路が入り組んでいて、車で走るにはほとんど迷路のようなもの。車で行かれる方は、R406に合流して「菅平・上田」方面を目指しましょう。 「しらふじ」は、須坂駅方面から上田方面に向かってR406左側。「公民館入り口」の信号すぐ手前。 施設のすぐ横に車2台分の駐車場があるので、ここ車を停められます。ふさがっている時には、細い道をぐるぐる廻った入り組んだ所にある公民館の駐車場を借りるしかなさそう。 ・「高城家」編
映画で見た印象よりも、ずいぶんと町中。 もっと山の近くかと思っていたけど、考えてみれば開業医の診療所が町はずれにあるわけはないわけで。映画の作りにすっかりだまされてた。 白壁の門をくぐると、映画で見た光景がそこに…
ん? 何だか、映画で見たのと、だいぶ印象が違うような気が? ここをまっすぐ進んだところが中庭になっており、第7巻の表紙は、この中庭に立って日本家屋の母屋側を撮ったものと思われる。 そして、↓コレがほぼ同じアングルから撮ったと思われる写真なのだが…。
…何かずいぶん雰囲気が違う。 一番の違いは、庭木の枝が刈り込まれてしまって、鬱蒼と茂った木々の枝葉が全く無い点(季節が冬のせいもあるが) もう一つ、建物の改修でエアコンの屋外機が設置されてしまっているのも痛い。 おまけに、カメラのレンズの違いか、広角が効かなくて視野が狭いのもイマイチ。 表紙と同じ写真を撮ろうと思って来ると、かなりガッカリするでしょう。 受付の方に案内していただいて、家の中へ。
ゴツめのデジカメ(DMC-FZ1)で写真を撮っている私を見て、受付のおばさんが、 「何か、こういった建物の研究をされている方ですか?」 とな。 (ち、違うんです、私はただの千砂萌えなんです) って、心の中で思っても、言えないよなぁ(^^; とりあえず、「ここを題材にした作品があって、そのファンで…」とかいう受け答えを。
奥庭にある池は、映画の中で千砂たちの母親が自殺した所。 (映画は原作とは母親の亡くなり方が違う。念のため)
この渡り廊下から見た中庭も、映画の中では木々の枝が鬱蒼と茂っていて、実に良い風情だったのだが、今となっては面影をうかがうことも出来なくなっている。 日本家屋の母屋から、渡り廊下を渡って、母屋と反対側の洋館へ。 洋館は、昔の診察所となっていたところで、白い壁にダークブランの木目のコントラストと、天井の白いヨーロッパ調の電灯が瀟洒な(「月姫」の遠野家のような感じというか(笑))、母屋とはまた違った雰囲気の良さのある内装だったのだが、撮影に失敗してピンボケしてしまいました(T_T) (ピンボケしなくても、広角レンズでないと雰囲気が再現出来そうにないのだが)
映画の中では、いかにも診療所といった雰囲気が再現されていたのだが、今現在はそのような雰囲気は全く無い。わずかに廊下との間の小窓がそれらしい気配を残しているだけである。 全体としては、枝がかなり刈り込まれてしまっていて、映画で見た鬱蒼とした雰囲気はあまり感じられなかったのが残念。千砂の和服姿の面影を求めるのは、ちょっと厳しい感じです。 また、残された謎が、カバーの見返しの写真。どこかにあるはずと思って、建物をあちこち探して回ったんだけど、どこにも同じ風景が無い。しいて言えば、奥庭から母屋か土蔵を見た光景が似ているんだけど、ちょっと違う。一体、これはどこを撮った写真なんだろう? そんなわけで、これにて「羊のうた」完結記念企画は終了。 −千砂に安らぎがあるように祈りつつ。− 終わり P.S. 以下は、取材中に感じた感想です。 「羊のうた」とは全く関係がない話なので、ご興味のある方だけどうぞ。 取材後のつぶやき
| 旅行記のTOPに戻る | ロケ地編 |
|