よくある間違い:解説
【
名詞
】 【
形容詞
】 【
動詞
】 【
助詞・助動詞
】 【
副詞
】 【
その他
】
名詞
中国語
(
ちゅうごくご
)
の
直訳
(
ちょくやく
)
による
間違
(
まちが
)
い
バスはとても便利な交通工具です。
(正)
バスはとても便利な
交通手段
です。
《ポイント》
「工具」は、金槌(かなづち)や鋸(のこぎり)、ドライバーなどを指す。また、「ツール」には専門的な道具というイメージがある。「コミュニケーションツール」のように外来語と組み合わせて使うこともある。
毎朝、バス站でバスを待ちます。
(正)
毎朝、
バス停
でバスを待ちます。
《ポイント》
「バス停」か「停留所(ていりゅうじょ)」という。「えき」は、電車の場合に使う(ただし、漢字は「駅」)。同じ種類の間違いに「停車場」がある。日本語では、車を停める場所は「駐車場(ちゅうしゃじょう)」という。「停車場(ていしゃば)」は「駅」の古い言い方。
私は、文法方面が苦手です。
(正)
私は、
文法が
苦手です。
《ポイント》
「〜方面」は、主に場所を指す語。例:「車で東京方面に向かう。」「経済の方面では」や「日本方面では」も「経済では」「日本では」でよい。
読解は得意ですが、聴力が弱いです。
(正)
読解は得意ですが、
ヒアリングが
苦手です。
(正)
読解は得意ですが、
聴解が
苦手です。
《ポイント》
「聴力」は、音を聴く能力そのものを指すので、「聴力が弱い」のは病気か障害があることになる。
私は台北人です。
(正)
私は
台北に住んでいます
。
(正)
私は
台北(の)出身
です。
《ポイント》
「〜人(じん)」は〈〜の国の人〉の意味。例:「フランス人」、「ブラジル人」、「韓国人」。なお、「〜人(にん)」は〈〜する人、〜な人〉の意味を表わす。例:「貧乏人(びんぼうにん)」、「管理人(かんりにん)」、「商売人(しょうばいにん)」
小学校のときは、算術が苦手でした。
(正)
小学校のときは、
算数が
苦手でした。
《ポイント》
「算術」は、「算数」または「数学」の昔の言い方。日本語では、小学校で勉強するのが「算数」で、中学校以上では「数学」となる。
私は英文が苦手です。
(正)
私は
英語が
苦手です。
《ポイント》
「英文(えいぶん)」は、英語で書いた文章という意味。『ことば』を指す場合には「英語」となる。
もう少し前に進むと、大きなビルがありました。
(正)
もう少し
先に
進むと、大きなビルがありました。
《ポイント》
【参考:→
「まえ」と「さき」
】
山口先生の課程はとても難しいです。
(正)
山口先生の
授業は
とても難しいです。
仕事が原因で、日本語の勉強を始めました。
(正)
仕事の
ため(に)
、日本語の勉強を始めました。
(正)
仕事上の理由で
、日本語の勉強を始めました。
《ポイント》
「原因」は出来事の間の明確な因果関係を示す。例:「寝タバコが原因で火事になった。」『目的』を表わす場合は「〜ため(に)」を使う。
私の興味は、日本のアニメとゲームです。
(正)
私の
趣味
は、日本のアニメとゲームです。
(正)
私は、日本のアニメとゲームに
興味があります
。
今年の作文コンテストは第3名でした。
(正)
今年の作文コンテストは
(第)3位
でした。
《ポイント》
日本語では「〜名」は人数を表わす。順位を表わす場合は「〜位」となる。中国語とは「名」と「位」の意味が逆になる。
目覚まし時計の声が聞こえました。
(正)
目覚まし時計の
音が
聞こえました。
《ポイント》
「声」は人や動物などの生き物が出す音のこと。目覚まし時計は生き物ではない。
晴れた日は傘を持つ需要がありません。
(正)
晴れた日は傘を持つ
必要が
ありません。
《ポイント》
「必要」は〈なくてはならない〉という意味。「需要」は〈ものやサービスを要求すること〉という意味。
日本語が上達になりたいです。
(正)
日本語が
上手
になりたいです。
(正)
日本語が
上達したい
です。
《ポイント》
「上達」は〈上手になる〉という意味なので「*上達になる」は不自然。「上手になる」または、3類動詞「上達する」を使う。
布団を干すと、太陽の味が聞けます。
(正)
布団を干すと、太陽の
においがします
。
(正)
布団を干すと、太陽の
においが嗅げます
。
《ポイント》
日本語では「味」という語は、食べ物や飲み物についてしか使わない。また、「におい」は「嗅ぐ(かぐ)」という。
晴れの時外で遊びますが、雨の時家にいます。
(正)
晴れの
ときは
外で遊びますが、雨の
ときは
家にいます。
《ポイント》
状況を表わす場合は「ときは」が自然な表現。また、漢字ではなく「とき」と書くようにする。
似
(
に
)
た
意味
(
いみ
)
の
語
(
ご
)
の
混同
(
こんどう
)
雨の日は気持ちも悪くなります。
(正)
雨の日は
気分も
悪くなります。
《ポイント》
「気持ち」も「気分」も〈心の状態〉を表わすが、『場面や状況による快・不快(かい・ふかい)』の意味では「気分」の方がより自然な言い方。「気持ち」は『特定の対象についての心の状態』を一般的に指すもの。
慣用的
(
かんようてき
)
な
語
(
ご
)
の
間違
(
まちが
)
い
医者さんが、病気だといいました。
(正)
医者が
、病気だといいました。
(正)
お医者さんが
、病気だといいました。
《ポイント》
「医者」または「お医者さん」という。「コックさん」、「看護婦(かんごふ)さん」、「船長(せんちょう)さん」などには『お』はつかないが、「お医者さん」と「おまわりさん(=警官)」には『お』がつく。
彼の言うことも一理があると思います。
(正)
彼の言うことも
一理ある
と思います。
《ポイント》
「一理」は「一応の理由」という意味だが、一般的に『一理ある』の形で使う。
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形容詞
「
的
(
てき
)
」の
有無
(
うむ
)
私は性格がとても楽天です。
(正)
私はとても
楽天的な性格です
。
私は性格が楽観な人です。
(正)
私は
楽観的な性格です
。
ドラマを観るのは、日本語を勉強するのに有効的な方法です。
(正)
ドラマを観るのは、日本語を勉強するのに
有効な
方法です。
語形変化
(
ごけいへんか
)
のミス
外は暑いのとき、絶対は外出しない。
(正)
外が暑いとき(に)は
、絶対に外出しない。
《ポイント》
『イ形容詞+名詞』は、「〜い+名詞」の形になる。例:「速い車」、「赤い服」、「長い髪」
教室には、多い机があります。
(正)
教室には、
多くの
机があります。
《ポイント》
イ形容詞のうち「多い」「遠い」は、「多くの+名詞」「遠くの+名詞」の形になる。例:「台北は多くの人が住んでいる。」、「今日は遠くの山がきれいです。」
12時を過ぎると、食堂は人が多くになります。
(正)
12時を過ぎると、食堂は人が
多く
なります。
《ポイント》
『イ形容詞+動詞』の場合は、「〜く…する」の形になる。例:「早く走る」「赤くなる」「高く買う」。
晴れた日は、気持ちがよくになります。
(正)
晴れた日は、気持ちが
よく
なります。
《ポイント》
『イ形容詞+動詞』の場合は、「〜く…する」の形になる。例:「早く走る」「赤くなる」「高く買う」。
私の日本語はうまいじゃありません。
(正)
私の日本語は
うまくありません
。
《ポイント》
『イ形容詞』の否定形は、「〜くない/〜くありません」の形になる。例:「早くありません」、「細くない」、「新しくない」。
私はとても眠いでした。
(正)
私はとても
眠かったです
。
《ポイント》
『イ形容詞』の過去形は、「〜かった/〜かったです」の形になる。例:「短かったです」、「若かった」、「高かったです」。
引用
(
いんよう
)
の『と』への
接続
(
せつぞく
)
彼女もつらいだと思います。
(正)
彼女も
つらいと
思います。
《ポイント》
引用の『と』に続く場合、イ形容詞は「〜いと思う/言う。」となる(「だ」は不要)。ナ形容詞では「〜だと思う/言う。」のように「だ」が必要。
今のままではダメと思います。
(正)
今のままでは
ダメだと
思います。
《ポイント》
引用の『と』に続く場合、イ形容詞は「〜いと思う/言う。」となる(「だ」は不要)。ナ形容詞では「〜だと思う/言う。」のように「だ」が必要。
日本語の作文は難しいだと思います。
(正)
日本語の作文は
難しいと
思います。
《ポイント》
引用の『と』に続く場合、イ形容詞は「〜いと思う/言う。」となる(「だ」は不要)。ナ形容詞では「〜だと思う/言う。」のように「だ」が必要。
似
(
に
)
た
意味
(
いみ
)
の
語
(
ご
)
の
混同
(
こんどう
)
彼はとても太いです。
(正)
彼はとても
太っています
。
《ポイント》
「太い」に「太っている」の意味はない。ただ、「細い」には「やせている」意味がある。
中国語
(
ちゅうごくご
)
の
直訳
(
ちょくやく
)
による
間違
(
まちが
)
い
このラーメンは塩すぎる。
(正)
このラーメンは
しょっぱすぎる
。
(正)
このラーメンは
塩分が多すぎる
。
《ポイント》
「*塩い」という形容詞はない。「しょっぱい」または「塩分(えんぶん)が多い」となる。'); return false;" onkeypress="subwin('「*塩い」という形容詞はない。「しょっぱい」または「塩分(えんぶん)が多い」となる。
私はお酒を飲むのが上手です。
(正)
私は
お酒が強いです
。
《ポイント》
「上手」は〈技術が優れている〉という意味で使う。お酒の量を言うときは「強い/弱い」となる。
話
(
はな
)
しことばと
書
(
か
)
きことばの
混同
(
こんどう
)
たくさんの病気は、遺伝すると聞きました。
(正)
多くの
病気は、遺伝すると聞きました。
《ポイント》
「たくさんの」は、主に話しことばで使う語。また、「多くの」は「たくさんの」よりも硬い表現。例:「多くの方々」、「たくさんの人々」。
意味
(
いみ
)
の
重
(
かさ
)
なり
頭に痛い感じがある。
(正)
頭が痛い
。
《ポイント》
「痛い」は〈痛さを感じる〉という意味。「痛い感じがある」は、意味が重なっている。
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動詞
不適切
(
ふてきせつ
)
な
受
(
う
)
け
係
(
かか
)
り
私の趣味は歌を歌います。
(正)
私の趣味は
歌を歌うことです
。
【参考:→
名詞化する表現
】
夏は海へ遊びます。
(正)
夏は海に
遊びに行きます
。
(正)
夏は海
で
遊びます。
《ポイント》
「へ」は〈方向〉を示す助詞なので、後ろの動詞は《移動》を表わす動詞になる。「遊ぶ」は《動作》を表わす動詞なので、『遊びに行く』と《移動》を表わす動詞「行く」を加えるか、〈場所〉を示す助詞「で」を使う。
休みの日はあちこちに遊びます。
(正)
休みの日はあちこちに
遊びに行きます
。
《ポイント》
「に」は〈存在の場所・目的地〉を示す助詞なので、後ろの動詞は《存在》か《移動》を表わす動詞になる。「遊ぶ」は《動作》を表わす動詞なので、『遊びに行く』と《移動》を表わす動詞「行く」を加える。
補助動詞
(
ほじょどうし
)
〜テイル
壁に絵が掛けている。
(正)
壁に絵が
掛かっている
。
(正)
壁に絵が
掛けてある
。
(正)
壁に絵が
掛けられている
。
《ポイント》
「掛かる」が自動詞(〜が)で、「掛ける」が他動詞(〜を)。〈他動詞受け身形+ている〉は〈他動詞+てある〉と同じ意味で、意図的な動作を表わす。〈自動詞+ている〉は意図的な動作は表わさない(結果だけを表わす)。なお、〈他動詞+てある〉では助詞は「が」に替わる。
あなたは彼を知りますか。
(正)
あなたは彼を
知っていますか
。
《ポイント》
「知る/知ります」の疑問形は、かならず「知っているか/知っていますか」となる。また、答えは「知っています/知りません」となる(×知ります/×知っていません)。
いつのことか覚えません。
(正)
いつのことか
覚えていません
。
《ポイント》
「思い出せない」意味では、かならず「覚えていない/覚えていません」となる。
私は3年前に日本に行ったことがあっています。
(正)
私は3年前に日本に行ったことが
あります
。
《ポイント》
「ある」はテイルの形にできない。
最近、風邪をひく人が多くなります。
(正)
最近、風邪をひく人が
多いです
。
(正)
最近、風邪をひく人が
多くなっています
。
《ポイント》
「多くなる」:未来(これから多くなる)・法則(かならず多くなる)、「多くなっている」:進行(いま多くなっている)。
語形変化
(
ごけいへんか
)
のミス
台北には行ったじゃありません。
(正)
台北には
行きませんでした
。
《ポイント》
過去の動作の否定は「〜なかった/〜ませんでした」となる。例:「食べなかった」「読みませんでした」。
昨日、私のバイクが壊った。
(正)
昨日、私のバイクが
壊れた
。
昨日、二人で映画を見った。
(正)
昨日、二人で映画を
見た
。
父は、いつも夜遅く帰えてきます。
(正)
父は、いつも夜遅く
帰って
きます。
彼女に隠って、彼女の友達と浮気しています。
(正)
彼女に
隠れて
彼女の友達と浮気しています。
(正)
彼女に
隠して
彼女の友達と浮気しています。
スクリーンに触さないでください。
(正)
スクリーンに
触らないで
ください。
《ポイント》
「触る(さわる)」(→「触らない)」となる。「*触す」という動詞はない。
自動詞
(
じどうし
)
と
他動詞
(
たどうし
)
の
混同
(
こんどう
)
敏子は金持ちの家で育てて、不自由なく暮らしてきました。
(正)
敏子は金持ちの家で
育って
、不自由なく暮らしてきました。
《ポイント》
「育つ」(→「育って)」は自動詞、「育てる(→「育てて)」は他動詞。
紅茶にミルクを入ると、ミルクティーになる。
(正)
紅茶にミルクを
入れると
、ミルクティーになる。
《ポイント》
「入る(はいる)」は自動詞、「入れる(いれる)」が他動詞。
言いたいことが伝えません。
(正)
言いたいことが
伝わりません
。
《ポイント》
「伝わる」が自動詞、「伝える」は他動詞。
いつも逃げ回していました。
(正)
いつも
逃げ回って
いました。
《ポイント》
「逃げ回る」が自動詞。ただし、「回る(自動詞)」「回す(他動詞)」とは違って「*逃げ回す」という形はない。
壁に絵が掛けている。
(正)
壁に絵
を
掛けている。
(正)
壁に絵が
掛けてある
。
《ポイント》
「掛ける」は他動詞なので「〜を」となる。自動詞は「掛かる」。なお、〈他動詞+てある〉の場合は「〜が」となる。
似
(
に
)
た
意味
(
いみ
)
の
語
(
ご
)
の
混同
(
こんどう
)
食堂には多くの人があります。
(正)
食堂には多くの人が
います
。
《ポイント》
「ある」は非生物に対して使う語。生物に対しては「いる」を使う。
目覚まし時計が鳴きませんでした。
(正)
目覚まし時計が
鳴りません
でした。
《ポイント》
「鳴く」は〈動物が音を出すこと〉。目覚まし時計などの道具の場合は〈音がする〉意味の「鳴る」を使う。
中国語
(
ちゅうごくご
)
の
直訳
(
ちょくやく
)
による
間違
(
まちが
)
い
そんなに心配するいらないです。
(正)
そんなに心配する
必要はありません
。
(正)
そんなに心配する
ことはありません
。
《ポイント》
動詞の表わす動作の不必要を表わす表現は「〜する必要はない/〜することはない」となる。
私の番号は探しませんでした。
(正)
私の番号は
見つかりませんでした
。
日本語能力試験に参加しました。
(正)
日本語能力試験
を受けました
。
(正)
日本語能力試験
を受験しました
。
去年の日本語能力試験は合格しません。
(正)
去年の日本語能力試験は
合格できませんでした
。
合格をもらえるようにがんばります。
(正)
合格できる
ようにがんばります。
(正)
合格する
ようにがんばります。
お金が足りたら車を買うつもりです。
(正)
お金が
たまったら
車を買うつもりです。
これからはもっと文法を習いたいと思います。
(正)
これからはもっと文法を
勉強したい
と思います。
(正)
これからはもっと文法を
学びたい
と思います。
《ポイント》
「習う」には〈先生の真似をしてうまくなる〉という意味がある。例:「お茶を習う」「お花を習う」。〈自分で努力してうまくなる〉意味では「勉強する」「学ぶ」が適当。
新しいものを発現しました。
(正)
新しいものを
発見
しました。
春が来たと感じする。
(正)
春が来たと
感じる
。
その日は、ホテルに住みました。
(正)
その日は、ホテルに
泊まり
ました。
《ポイント》
「住む」は、そこで長く生活する意味。
日本の企業と合作して新商品を開発しています。
(正)
日本の企業と
協力して
新商品を開発しています。
(正)
日本の企業と
合同で
新商品を開発しています。
《ポイント》
日本語では「合作」という語はほとんど使わない。
日本語を中国語に通訳する宿題です。
(正)
日本語を中国語に
翻訳する
宿題です。
《ポイント》
「通訳」は口頭で訳すこと、「翻訳」は文章を訳すことを指す。
私は優勝をとりました。
(正)
私は
優勝しました
。
あいさつしないと、人に悪い印象をあげます。
(正)
あいさつしないと、人に悪い印象を
与えます
。
私の住むところは竹南です。
(正)
私の
住んでいる
ところは竹南です。
可能
(
かのう
)
の
表現
(
かのう
)
彼女の料理は食べできません。
(正)
彼女の料理は
食べられません
。
《ポイント》
「できる」は『〜(こと)ができる』の形で可能を表わす。動詞は「〜れる/〜られる」の形で可能を表わす。
晴れた日は外で遊びにできます。
(正)
晴れた日は外で
遊べます
。
(正)
晴れた日は外で
遊ぶことが
できます。
(正)
晴れた日は外
に遊びに行けます
。
《ポイント》
「できる」は『〜(こと)ができる』の形で可能を表わす。動詞は「〜れる/〜られる」の形で可能を表わす。
晴れた日は外で遊べるができます。
(正)
晴れた日は外で
遊ぶことが
できます。
(正)
晴れた日は外で
遊べます
。
《ポイント》
「できる」は『〜(こと)ができる』の形で可能を表わす。
ビールが冷蔵庫に入れません。
(正)
ビールが冷蔵庫に
入りません
。
《ポイント》
この場合の「入る」は無意志動詞なので、可能形にはできない。
流れた時は戻れません。
(正)
流れた時は
戻りません
。
(正)
流れた時は
戻せません
。
《ポイント》
可能形にできるのは意志動詞だけである。そのため、「戻れる(戻れない)」という形では「戻る」が意志動詞として使われていることになるが、『時』に意志はない。「戻る」を無意志動詞として使う(可能形にしない)か、人間を主語にして「(…が〜を)戻せない」の形にする必要がある。
もっと日本語がわかれるようになりたいです。
(正)
もっと日本語が
わかるように
なりたいです。
《ポイント》
わかる」は無意志動詞なので可能形にはできない。
合格できるために頑張っています。
(正)
合格できる
ように
頑張っています。
(正)
合格
する
ために頑張っています。
《ポイント》
「〜できるように」か「〜するために」の形になる。
悲しければ、泣くことができる。
(正)
悲しければ、
泣いて(も)いい
。
《ポイント》
「〜ことができる」は可能を表わす。許可を表わすのは「〜て(も)いい」である。
意志
(
いし
)
の
表現
(
ひょうげん
)
飲み過ぎて失敗したので、これからはお酒は飲みませんと思います。
(正)
これからはお酒は
飲まないようにする
と思います。
(正)
これからはお酒は
飲まないようにしよう
と思います。
《ポイント》
否定の意志は「〜しないようにする/〜しないようにしよう」の形になる。/否定の意志は「〜しないようにする/〜しないようにしよう」の形になる。
助詞
(
じょし
)
の
挿入
(
そうにゅう
)
誰も彼に話を掛けないです。
(正)
誰も彼に
話し掛けません
。
《ポイント》
「話し掛ける」でひとつの語。ひとつの語の間に「を」などの助詞を入れることはできない。
敬語
(
けいご
)
の
間違
(
まちが
)
い
私は、結構ですとおっしゃいました。
(正)
私は、結構ですと
言いました。
(正)
私は、結構ですと
申し(あげ)ました。
《ポイント》
「おっしゃる」は尊敬語なので自分(話し手)には使えない。
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助詞・助動詞
不適切
(
ふてきせつ
)
な
文末
(
ぶんまつ
)
その薬が欲しくなりましたです。
(正)
その薬が欲しく
なりました
。
《ポイント》
文末に「です」と「ます」はいっしょに使えない。
助詞
(
じょし
)
の
挿入
(
そうにゅう
)
毎日に、私は電車に乗ります。
(正)
毎日
、私は電車に乗ります。
《ポイント》
「毎〜」では「に」は不要。例:「毎月給料をもらいます。」「毎年ニュージーランドに行きます。」。
日本最大の新聞社には読売新聞です。
(正)
日本最大の新聞社
は
読売新聞です。
友人からの手紙が来ました。
(正)
友人から
手紙が来ました。
似
(
に
)
た
意味
(
いみ
)
の
語
(
ご
)
の
混同
(
こんどう
)
『で』と『に』/『で』と『へ』
家の中でいろいろな家具があります。
(正)
家の中
に(は)
いろいろな家具があります。
《ポイント》
「〜で」は、何かをする場所を表わす。「〜に」は目的地や何かが存在する場所を表わす。「〜で…する」/「〜に行く」・「〜に…がある」/「〜で」は、何かをする場所を表わす。
友達とレストランに食事しました。
(正)
友達とレストラン
で
食事しました。
《ポイント》
「〜で」は、何かをする場所を表わす。「〜に」は目的地や何かが存在する場所を表わす。「〜で…する」/「〜に行く」・「〜に…がある」/「〜で」は、何かをする場所を表わす。
雨の日はどこでも行けません。
(正)
雨の日はどこ
に
も行けません。
(正)
雨の日はどこ
へ
も行けません。
《ポイント》
「〜でも」には「どこ」「だれ」「いつ」などに付いてすべてを肯定する用法がある。「どこ」に付く場合は、肯定の「どこでも行ける。」はいえるが、否定の「*どこでも行けない。」は言いにくい。その場合は、「どこにも行けない。」「どこへも行けない。」となる。
夏は海へ遊びます。
(正)
夏は海
で
遊びます。
(正)
夏は海に
遊びに行きます
。
《ポイント》
「へ」は〈方向〉を示す助詞なので、後ろの動詞は《移動》を表わす動詞になる。「遊ぶ」は《動作》を表わす動詞なので、『遊びに行く』と《移動》を表わす動詞「行く」を加えるか、〈場所〉を示す助詞「で」を使う。
そのホテルで世界各地から来た外国人も多い。
(正)
そのホテル
には
世界各地から来た外国人も多い。
《ポイント》
「〜で」は、何かをする場所を表わす。何かが存在する場所を表わすのは「〜に」である。例:「〜で…する」/「〜に…がある」
壁で絵を掛けている。
(正)
壁
に
絵を掛けている。
《ポイント》
「〜で」は、何かをする場所を表わす。動作が及ぶ場所を表わすのは「〜に」である。例:「プールで泳ぐ(動作の場所)」/「プールに飛び込む(動作が及ぶ場所)」
『を』と『に』
毎日、公園に散歩します。
(正)
毎日、公園
を
散歩します。
(正)
毎日、公園
で
散歩(を)します。
(正)
毎日、公園に
散歩に行きます
。
毎日、電車を乗って学校に行きます。
(正)
毎日、電車
に
乗って学校に行きます。
バスに降りたとき、財布がないのに気づきました。
(正)
バス
を
降りたとき、財布がないのに気づきました。
対象
(
たいしょう
)
の『を』
先輩とずっと悪い関係を続いていた。
(正)
先輩とずっと悪い関係
が
続いていた。
《ポイント》
「続く」は自動詞なので「を」ではなく「が」となる。「を」の場合は「続ける」となる。ただ、「続ける」は意志動詞なので、この文で使うのはやや不自然。
コンビニエンスストアを買い物します。
(正)
コンビニエンスストア
で
買い物します。
将来のことが心配します。
(正)
将来のこと
を
心配します。
(正)
将来のことが
心配です
。
両親にも弱いところがあることを気づきました。
(正)
両親にも弱いところがあること
に
気づきました。
壁に絵が掛けている。
(正)
壁に絵
を
掛けている。
(正)
壁に絵が
掛けてある
。
《ポイント》
「掛ける」は他動詞なので「〜を」となる。自動詞は「掛かる」。なお、〈他動詞+てある〉の場合は「〜が」となる。
主題
(
しゅだい
)
の『は』
友達に私を助けてくれました。
(正)
友達
は
私を助けてくれました。
主格
(
しゅかく
)
の『が』
ホテルは会話の練習がいい場所だ。
(正)
ホテルは会話の練習
に
いい場所だ。
その他
その言葉を今まで覚えています。
(正)
その言葉を
今でも
覚えています。
意味
(
いみ
)
の
重
(
かさ
)
なり
今のままでは、卒業後から仕事がないかもしれません。
(正)
今のままでは、
卒業後に
仕事がないかもしれません。
(正)
今のままでは、
卒業後の
仕事がないかもしれません。
(正)
今のままでは、
卒業してから
仕事がないかもしれません。
《ポイント》
「卒業後」は、〈卒業してから〉の意味なので「卒業後から」は意味が重なっている。
接続表現
(
せつぞくひょうげん
)
お酒を飲んでから、酔っぱらってしまいました。
(正)
お酒を
飲んで
、酔っぱらってしまいました。
(正)
お酒を
飲んだので
、酔っぱらってしまいました。
《ポイント》
「AしてからB」は2つの事柄の時間的な前後関係を表わすもので、因果関係う含まない。一方、テ形では2つの事柄の連続性が表わされるので、因果関係を意味を含む。
助詞
(
じょし
)
の
脱落
(
だつらく
)
最後、わたしも笑ってしまいました。
(正)
最後に(は)
、わたしも笑ってしまいました。
漢語を副詞的に使う場合は、「最後に」「実際に」のような形でないと不自然に感じられる。
あんな店には二度行かない。
(正)
あんな店には
二度と
行かない。
《ポイント》
「二度と〜ない」の形で使われる。
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副詞
助詞
(
じょし
)
の
挿入
(
そうにゅう
)
好きなものはたくさんがあります。
(正)
好きなものは
たくさん
あります。
《ポイント》
「たくさんある」「たくさんいる」「たくさん買う」など、「たくさん」には副詞的な用法がある。
言いたいことは3つがあります。
(正)
言いたいことは
3つ
あります。
《ポイント》
「2つ」「3つ」などには、副詞的な用法がある。
是非に遊びにきてください。
(正)
是非
遊びにきてください。
熱がだんだんに高くなりました。
(正)
熱が
だんだん
高くなりました。
語形
(
ごけい
)
の
誤
(
あやま
)
り
めったもないチャンスなので大切にしたいです。
(正)
めったに
ないチャンスなので大切にしたいです。
《ポイント》
「めった」は「めったに〜ない」の形で副詞として用いるか、「めったな+名詞」の形で用いる。ここでは副詞なので「めったに(ない)」となる。
不適切
(
ふてきせつ
)
な
受
(
う
)
け
係
(
かか
)
り
あやうく寝てしまった。
(正)
あやうく
寝てしまうところだった
。
似
(
に
)
た
意味
(
いみ
)
の
語
(
ご
)
の
混同
(
こんどう
)
ぜひ合格します。
(正)
必ず
合格します。
(正)
きっと
合格します。
《ポイント》
副詞の「ぜひ」は相手に対して何かの実現を求めるときに使う。自分が行なうことには使えない。
今回の失敗は、必ず自分の努力が足りなかったのだと思います。
(正)
今回の失敗は、
きっと
自分の努力が足りなかったのだと思います。
最近は、忙しいのでよく仕事を休むことができません。
(正)
最近は、忙しいので
あまり
仕事を休むことができません。
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意味
(
いみ
)
の
重
(
かさ
)
なり
日本の音楽が一番最高です。
(正)
日本の音楽が
最高です
。
(正)
日本の音楽が
一番です
。
《ポイント》
副詞の「一番〜」は「もっとも」「最高に」の意味。「一番最高」のような形は、くだけた話しことばではしばしば使われるが、書きことばでは使えない。
その他
助詞相当語
(
じょしそうとうご
)
の
誤
(
あやま
)
り
他人にとって、私はもっと頑張らなければならないのだと思う。
(正)
他人から見れば
、私はもっと頑張らなければならないのだと思う。
テ形
店員さんは、私の話を聞かなくて勝手に髪を切ってしまいました。
(正)
店員さんは、私の話を
聞かずに
勝手に髪を切ってしまいました。
不自然
(
ふしぜん
)
な
語順
(
ごじゅん
)
私は初恋のときは3歳です。
(正)
私の初恋は3歳のときです。
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