指名された者が不在の場合
会社の中にはいるとき
「({あいにく/申し訳ないのですが/申し訳ございません。})[指名された者の名前]は(ただいま)席を外しております(が)。」
※「×トイレにいっております。」「×食事中です。」のように具体的にいう必要はない。「席を外しております。」といえばよい。
相手:「吉川さんはいらっしゃいますか?」
自分:「あいにく、吉川は、席を外しております。」
会社の中にいて、居場所がわかっているとき
〔
→待たせる〕
トイレなどですぐに戻るとき
〔
→待たせる〕
休みではないが会社の中にいないとき
※会社に戻る時間がわかれば知らせた方がていねいである。
※どこに出かけているのかを。「×竹南アカデミーに行っています。」のように具体的にいう必要なない。「外出しております。」のようにいえばよい。
指名された者が会社を休んでいるとき
「({あいにく/申し訳ないのですが/申し訳ございません。})[指名された者の名前]は、({本日/今日は}){お休みをいただいて/お休みをちょうだいして/休暇をとって/休ませていただいて}おります。」
※翌日以降の出社予定を知らせた方がていねいである。
「あいにく堀内は、本日お休みをいただいております。明日の朝には(通常通り)出社する予定でございますが。」
「あいにく堀内は、今日は休暇をいただいております。明日午後1時からの出社予定となっておりますが。」
※「×病気で休んでおります。」のように休んでいる理由をいう必要はない。休んでいることだけをいえばよい。
指名された者がまだ出社してきていないとき
「({あいにく/申し訳ないのですが/申し訳ございません。})[指名された者の名前]は、({本日は/今日は})[出社予定時間]{からの出社予定/に出社の予定}となっております。」
「×まだ出社しておりません。」というより、何時に出社してくるのかを言う方がよい。
相手:「香川さんはいらっしゃいますか?」
自分:「申し訳ないのですが、香川は、本日は、午前10時からの出社予定となっております。」
指名された者がすでに帰宅しているとき
「({あいにく/申し訳ないのですが/申し訳ございません。})[指名された者の名前]は、帰宅いたしました。」
指名された者が出張中のとき
「({あいにく/申し訳ないのですが/申し訳ございません。})[指名された者の名前]は、出張中でございます。」
※出張先をいう必要はないが、戻る日がわかれば知らせた方がていねいである。
「あいにく村田は出張中でございます。次の出社は来週の水曜日以降となりますが。」
指名された者が会議中のとき
「({あいにく/申し訳ないのですが/申し訳ございません。})[指名された者の名前]は会議中で{ございます/ございまして}。」
会議の終了する時間がわかれば、知らせた方がていねいである。
自分:「あいにく、西村は会議中でございます。3時半には終わる予定ですが。」
自分:「申し訳ないのですが、川越は会議中でございまして。あと30分ほどで終わる予定でございますが。」
指名された者がとりこんでいる場合
指名された者が電話中のとき
「({あいにく/申し訳ないのですが/申し訳ございません。})[指名された者の名前]は(ただいま){他/別}の電話に出ておりますが。」
※電話がすぐに終わりそうな場合は、そのまま待ってもらってもよい。〔→待たせる〕
※電話が長引きそうな場合は、時間がかかりそうだと伝えるとよい。
「あいにく杉田は、ただいま他の電話に出ておりまして。少々お時間がかかるかと思いますが。」
指名された者が他の客と話しているとき
「({あいにく/申し訳ないのですが/申し訳ございません。})[指名された者の名前]は{来客中/接客中}で{ございます/ございまして}。」
指名された者が別の仕事で忙しいとき
とりこんでいる(別の仕事で忙しい)と言われた場合には、その通りの内容を相手に伝えればよい。
「ただいま([指名された者の名前]は)とりこんでおりまして(電話に出ることができません)。」
「ただいま([指名された者の名前]は)手が離せない状態でございます。」
別の仕事で忙しいことを言う表現
別の仕事で忙しい(とりこんでいる)ことを言う表現は次のようなものがある。
「今、手が離せないから。」
「忙しいから。」
「後でかけ直すから。」
「折り返しかけ直すって言っといて(=言っておいて)。」
※指名された者がとりこんでいて出られないと伝えることは、相手に自分(たち)を軽んじていると受けとられる恐れもあるので、居留守を使った方がよいこともある(〔→居留守を使う〕)。その場合は、居留守を使うと一言断っておくとよい。
〜〜保留して呼び出す〜〜
自分:「久米さん、城西トラベルの野田さんから電話です。」
久米:「今、忙しいから!」
自分:「じゃあ、いないって言っときます。」
〜〜保留を解除する〜〜
自分:「申し訳ありませんが、ただいま久米は席を外しておるようでして。」
あとでかけ直すと言われたとき
あとでかけ直すと伝えるように言われたときは、その通りに伝えればよい。
〜〜保留して呼び出す〜〜
自分:「中川さん、渋谷印刷の浜本さんから電話です。」
中川:「手が離せないから、後でかけ直すって言って。」
〜〜保留を解除する〜〜
自分:「申し訳ありませんが、ただいま、中川はとりこんでおりまして。折り返し、こちらからかけ直すとのことですが。」
相手にかけ直してもらうように言われたとき
上司に相手にかけ直してもらうように言われた場合は、そのまま伝えればよい。一般には、自分の側がかけ直すのがマナーだが、上司の判断であれば、責任は判断した上司にあるので、言われたとおりにすればよい。
〜〜保留して呼び出す〜〜
自分:「吉川課長、ワコー商事の真田さんから電話です。」
課長:「ちょっと手が離せないから、後でかけ直すように言っといてくれ。」
〜〜保留を解除する〜〜
自分:「申し訳ありませんが、ただいま吉川はとりこんでおりまして、電話に出ることができません。まことに恐れ入りますが、のちほどおかけ直しいただけませんでしょうか。」
※相手にかけ直してもらうときは、ていねいな表現を使ってお願いするようにする。
指名された者にとりつごうとしたがとりつげなかった場合
指名された者にとりつごうとしたがとりつげなかった場合は、理由を説明して、とりつげないことを伝える。
「{申し訳ありませんが/申し訳ないのですが}([指名された者の名前]は)ただいま席を外して{おる/いる}ようでして。」
「{申し訳ありませんが/申し訳ないのですが}([指名された者の名前]は)外出中でございまして。」
「{申し訳ありませんが/申し訳ないのですが}([指名された者の名前]は)本日、お休みをいただいておりました。」
「{申し訳ありませんが/申し訳ないのですが}([指名された者の名前]は)ただいま他の電話に出ておりまして。」
居留守を使う
指名された人に居留守を使うようにいわれたときには、とりつげなかったときと同様に対応すればよい。
相手:「渋谷印刷の浜本と申しますが、中川様いらっしゃいますか?」
自分:「中川でございますね。ただいまかわりますので、少々お待ちください。」
〜〜保留して呼び出す〜〜
自分:「中川さん、渋谷印刷の浜本さんから電話です。」
中川:「ごめん。私、今、いません。」
〜〜保留を解除する〜〜
自分:「申し訳ありませんが、中川はただいま席を外しているようでして。」
〜〜保留して呼び出す〜〜
自分:「中川さん、渋谷印刷の浜本さんから電話です。」
中川:「一日中出てることにして。」
〜〜保留を解除する〜〜
自分:「申し訳ありませんが、中川はただいま外出中でして。本日は、こちらには戻らない予定です。」
〜〜保留して呼び出す〜〜
自分:「中川さん、渋谷印刷の浜本さんから電話です。」
中川:「出たくないから、なんか適当なこと言っといてよ。」
〜〜保留を解除する〜〜
自分:「申し訳ありませんが、中川はただいま席を外しているようでして。」
居留守を使うように求める表現
居留守を使うように求める表現は次のようなものがある。
「私、今、いません。」
「今、いないから。」
「いないって言って。」
「今、出てる(=外出中)って(言って)。」
「一日中出てる(=外出中)ことにして。」
「今、会議中だから。」(→実際には会議中ではない)
「休んでることにしといて(=しておいて)。」
「なんかうまいこと言っといて。」
他にかわれる者がいない場合
自分ではわからない要件や内容だが担当者がいないとき
「(わたしにはわかりかねますが、)ただいま{担当者/担当の者/係の者}が席を外しておりまして。」
担当者にかわるように言われたが担当者がいないとき
「ただいま{担当者/担当の者/係の者}は席を外しておりまして。」
自分ではわからない要件や内容だが他にだれもいないとき
「(わたしにはわかりかねますが、)他の者は(全員)出払っておりまして。」
「(わたしにはわかりかねますが、)ただいま、私の他には誰もおりませんで。」
他の人にかわるように言われたが他にだれもいないとき
「(あいにく)他の者は(全員)出払って{おります/おりまして}。」
「ただいま私の他には誰もおりません(で)。」
だれか要件がわかる人にかわるように言われたが、だれもいないとき
「ただいま担当の者は(全員)出払っておりまして。」
相手が急ぎの場合など、要件がわかる別の人を指名されることがある。
相手:「平様いらっしゃいますか?」
自分:「あいにく、平は出張中でございます。次の出社は20日の予定ですが。」
相手:「そうですか。では、他にお分かりの方はいらっしゃいませんか?」
自分:「ただいま担当の者は全員出払っておりまして……。」
相手の日本語が理解できないが他にだれもいないとき
「今、私しかいないんですが……。日本語はよくわかりませんので……。」