引用の示し方
他の文献や資料から文や語句などの表現を借りることを引用という。
ここでは引用をする際に用いられる表現や文型について説明する。なお、引用のルールについては【→引用の方法】を参照せよ。
引用する表現には、大きく次の3つのパターンがある。
- 引用を表わす動詞を使う
- 伝聞の表現を使う
- 出典だけを示す
引用を表わす動詞を使う場合
引用を表わす動詞を使うときは、次の形が基本になる。
- [著者名]([発行年]:[ページ])は「………」と[引用を表わす動詞]。
→引用の場合はカギカッコ(「」)でくくる
- [著者名]([発行年]:[ページ])は………と[引用を表わす動詞]。
→参照の場合はカギカッコ(「」)でくくらない
引用の場合は、引用の部分を必ずカギカッコ(「」)でくくる。ただし、参照の場合はカギカッコでくくってはいけない。なお、引用と参照の違いについては、【→参照の方法】を参照せよ。
段落での引用など、引用が長くなる場合には、次のようになる。
- [著者名]([発行年]:[ページ])は、次のように[引用を表わす動詞]。……(引用の内容を書く)……
- [著者名]([発行年]:[ページ])は、以下のように[引用を表わす動詞]。……(引用の内容を書く)……
引用を表わす動詞には、次のようなものがある。引用の内容に応じて使い分けるようにする。
- (…と)述べている
- (…と)書いている
- (…と)言っている
- (…と)論じている
- (…と)考えている
- (…と)指摘している
- (…と)報告している
- (…と)説明している
- (…と)考察している
- (…と)主張している
- (…と)分析している
- (…と)定義している
- (…と)見なしている
- (…と)結論づけている
- (…と)批判している
- (…と)している
なお、引用を表わす動詞を敬語にしてはいけない。
- (…と)述べておられる。
- (…と)結論づけていらっしゃる。
著者名を引用の後に書く場合
著者名を引用の後に書く場合は次のようになる。
- 「………」([著者名][発行年]:[ページ])と[引用を表わす動詞の受け身形]。
→引用の場合
- 「………」と[引用を表わす動詞の受け身形]([著者名][発行年]:[ページ])。
→引用の場合
- ………と[引用を表わす動詞の受け身形]([著者名][発行年]:[ページ])。
→参照の場合
なお、『引用を表わす動詞の受け身形』とは、次のようなものである。
(…と)言われている/(…と)考えられている/(…と)指摘されている/(…と)されている
伝聞の表現を使う場合
伝聞の表現を使うときは、次の形が基本になる。
- [著者名]([発行年]:[ページ])によると「………」である。
→引用の場合
- [著者名]([発行年]:[ページ])によると………である。
→参照の場合
なお、「によると」は「によれば」に、「である。」は「という。」になることがある。
- [著者名]([発行年]:[ページ])によれば「………」であるという。
→引用の場合
- [著者名]([発行年]:[ページ])によれば………であるという。
→参照の場合
また、伝聞の表現であっても「…らしい」「…だそうだ」「…ようだ」「…ということだ」などの表現を使ってはいけない。
- [著者名]([発行年]:[ページ])によれば………らしい。
- [著者名]([発行年]:[ページ])によれば………だそうだ。
- [著者名]([発行年]:[ページ])によれば………のようだ。
- [著者名]([発行年]:[ページ])によれば………ということだ。
出典だけを示す場合
出典だけを示す場合には、次の形が基本になる。
- 「………([著者名][発行年]:[ページ])」。
→引用の場合
- ………([著者名][発行年]:[ページ])。
→参照の場合
出典の示し方については、【→引用の出典の示し方】および【→参照での出典の示し方】を参照。