西沢ボクシングジム

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五日目

今回の参加は3名。

常連の直樹、川村君に加え
柔道部所属の高橋君が参加してくれました。

筋骨隆々の肉体にボクサー型の顔つき。

どうやら練習生の中では
一番背が高いようだが
階級的には直樹と同じだろう。

私はまだ昼飯の真っ最中だったので
「ちょっとフォームを彼に教えてあげて」
と指示すると
直樹と川村君は親切に教え始めた。

「そうそう、距離が大事だから…」
「前方重心で、伸ばすような感じで…」

自分達の中で確認をしながらの指導は
きっと本人達の復習にもなった様子だ。
(教えながら気付くことって結構ありますよね)

早速、フォームの確認をしてみると
上体が突っ立ってしまう状態だったので
それをやや前方に修正。

右ガードが中途半端だったので
正位置に補正しつつ
アゴをキチッと引く構えに。

左ジャブは長いリーチに加え
左肩が教える前から効果的に入るので
やたら遠距離攻撃が可能だった。

逆に右ストレートやフック系のパンチは
どうも不自然で体重がのらない。

(この症状は以前、片桐君を指導した際に
出会っていたけれど、
当時も結局修正できなかったっけ…)

左フックはさらに変則的で
伸びきる直前に曲がり始める、
といったハエ叩きのような不思議な左フック。

パンチ力はやはり感じられない。

が、その後の彼のスパーを見ていると
この不思議なパンチが結構ヒットしていた。
(といっても、ダメージングブローではないが)

高橋君とミット打ちをしてみると
反射神経的にまずまずの反応が感じられた。

続く川村君はファイタースタイルで
毎回ダウンを奪われているせいか
ちょっとスタイル的に行き詰まっている様子。

そこで今回は以前よりもダーティ気味なファイトを指導した。

頭を相手の首に押し付けながら
上下に打ち分ける攻撃、
クリンチされる前にサイドへ動いて
更に離れ際にフックを浴びせる…

彼の最大の弱点は
打たれると途端に弱気になってしまい
ボクシングがめちゃくちゃになってしまう点。

今回はどうしてもその壁を乗り越えたかった。

そして、最後のスパーの最終ラウンドに
キッカケを掴んだようだ。

それまで私の手打ちのペタペタパンチを浴び続けて、
ダメージもないのに恐怖からひっくり返っていた彼。

が、次第にペタペタパンチに対する恐怖心が薄れてきたのか、
もしくは猛烈に自分に対して悔しくなったのだろう。

残り30秒になると猛然にラッシュを仕掛けてきた。

それは今までの川村君にはなかった
紛れもない積極攻撃であった。

(もしかしたら直前の休憩時間にビデオで勉強した
高橋ナオトvsマーク堀越でなにかを感じたのだろうか?)

川村君の打ち終わりにパシッと返すつもりで
ガードを固めて待つ私だったが
川村君は連打を止めようとしない。

表情を見ると、意外に興奮した様子ではなく
呼吸法もキチンとこなしながらの上下ラッシュ。

指導者として嬉しい瞬間でした。

フリーソフト「時間でボクシング」が
終了のゴングを鳴らすと
川村君はスカッとした表情で一言。

「ヤッパ、ボクシング面白いわ!」

(嬉しかったなぁ…♪)

最後の直樹だが
なんか最近のサンドバック打ちを見てると
あからさまに危険なパンチを打つようになってきた。

(自宅の壁に毎日の練習メニューをデーンと張ってあるという…)

今日の川村君とのスパーでは
ファイターの入り際を左アッパーで迎撃、
バックステップで反撃も回避といった
プロ顔負けの作戦を繰り出していた。

初心者の高橋君に対して
ジャブによる主導権争いを楽しみつつ
最後にはロングフックでストップを奪うなど
ジム頭としての自覚も感じられた。

(と同時に、器用そうな左ジャブを効果的に使えず
相手をコントロールしきれていなかったので課題も残った。)

そして川村君の果敢なラッシュをみて感化されたのだろう。

直樹もラストラウンド残り1分で
猛烈ラッシュを仕掛けてきた。

(おっ、迫力あるなぁ…)

ガードの上に当たるショットは
16オンスにも関わらず危ない感じ。

4連打終わった時点で
「いいぞ、体重ものってるぞ!」
と誉めようとしたら
まだラッシュは終わっていなかった…

最初の「ぞ」のあたりで
不覚にも左フックを浴びて
続く返しの右ボディも入れられてしまった。

(その瞬間、やっぱり嬉しかったんだよなぁ
ちょっとマゾっ気があると本当に思います…)

強いパンチだったけどどういうわけか、
あんまし効かない体質なので
肩でちょこっと押し返して適正距離へ。

(ありゃ〜)

目の前の直樹はあからさまに疲れていて
口が半開きで目もなんかボケッとしています。

ジャブを打つともう全然反応なしで浴びまくり。

「ちゃんとフォーム維持して集中力!」

というと目が覚めたように
(というか本当に顔つきが戻りました)
反応するようになりましたが
直樹特有のシャープさは失われてしまいました。

追撃の右ストレートも交えて
状況の危険さを肌で感じる程度に
教えながらの終了ゴング。

ラッシュ時に呼吸してなかった事実を説明して
最後の危ないシーンでも上体を柔らかく使って
凌がなければいいラッシュの意味がないと指導。

「でもいいラッシュだったよ、
なんか俺も口の中、切ったしね」

なんだかんだで手応えを感じたようで
満足げに今回も練習が終了。

高橋君は頭痛を感じていたので
最後のスパーは中止となった。
(氷枕で応急手当、数分で回復)

最後に練習生が部屋を掃除して
家具を自発的に戻してくれる姿を見ていると
最近の若者だって捨てたものじゃないと強く感じました。

最後に「ありがとうございました!」と帰っていく中学二年生。

頭痛で途中離脱の高橋君も
「次は来週ですよね?」
とヤル気充分の様子。

全員に課題を告げて、今回も無事に終了しました…

(ボクシングジムやってて良かったなぁ)
しみじみと感じましたよ、マジで。


恵まれた長いジャブとエロい眼つき、高橋君。

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六日目

またも新しい練習生が参加してくれました。

剣道部所属の半沢君は
無口な感じを漂わせるタイプ。

相手を上目遣いにみる癖があるので
日常からアゴを引く姿勢を自然に維持している。

さっそく、サンドバックを前にフォーム確認。

剣道時は右足を前で構えるそうだが
ボクシングは左を前でしっくりきたようだ。

アゴを引いて右ガードを側頭部において
重心をやや前方に置いてみる。

ジャブとストレートを教えてから
バックステップやガードの指導。

理解したかどうかを私とのマスボクシングで確認…

が、なぜか全然指導とは別物のボクシングを展開する。

フック主体でボディをとにかく攻めてくる。
まだ怖さを知らないだけに
パンチ力はまずまずのレベル。

しかし力むのと同時にアゴが完全に上がりっぱなし、
いつでも倒される危険性を帯びたボクシング…

相手の動作お構いなく攻め続ける突貫ファイタータイプ。

考えた末、私はこの方向性で彼を伸ばしてみようと思った。
全ての練習生が相手の動作に反応して戦うボクサーが
一番適しているとは限らない。

ただ、アゴを下げるのとガード位置は
絶対に必要なのでそれだけを徹底指示。

パンチと前進力は明らかに優れているので
このボクシングで経験者3人に挑む…

私はジャブとストレートのボクシングを好むのだが
彼はそのどちらも得ることなくてスタートした。

果たして…?

結果、半沢君は一日を通して善戦した。

直樹とのスパーでは前方にガチッとガードを固めて
ジャブを防ぎつつ、ボディにパンチをまとめたし
川村君との互角スパーはレベルが高かった。

高橋君とは両者手数が少なかったものの
中に入ったという点で有利にゲームを進めた。

最後のスパーは右腕痛で棄権したが
力むとアゴが上がる癖と顔面攻撃を覚えれば
嫌な長身ファイターとして成功する可能性が感じられた。

今回が二日目の高橋君は壁にぶち当たった。

長いジャブによる心理戦を私が勧めたのだが
結果、それは相手が侵入してくるのを待つだけの
悪循環ボクシングへと陥ってしまったのだ。

接近戦ではガードを固めたまま
完全に手数が止まってしまうので
いいように打たれてしまい
ストップを食らうシーンが連続。

私もどんなアドバイスをすべきか悩んだのだが
最終的には自分で解決策を発見したようだ。

ストレートによる手数を増して
相手をとにかく弾き返すボクシング。

最後のスパーでそれを実行に移したのだが
まずまずの成果を残した。

私もこれをスイスイ避けてしまっては
せっかくの方向性を奪ってしまうと考えて
ガード主体で受け止めてスパー。

が、なんとこの日10ラウンド目!に達していたスパーで
私はガードしそこなって顔面へのストレートを浴びた。
(恥ずかしながら見事に腫れちゃいました…)

でも高橋君的にかなりの手応えがあったはず。
今回の低迷からの巻き返しを期待します。

川村君は打たれ弱さが依然として問題。
特に直樹戦だと初めから弱気で
他のスパーでの輝きが全然感じられない。

パンチを当てる技術は伸びてきたので
怖さを克服して防御で成長してもらいたい。

逆に直樹は伸び伸びとボクシングを
展開するようになったので
無傷で相手をポンポンと倒すようになった。

16オンスで倒すのだから
相当のパンチとセンスかもしれない。

私とのスパーでは毎回鼻血を流して
ストップとなったが、ダメージは感じられないし
動きもスムーズになってきた。
(あんまし私も余裕がなくなってきたかも…)

そろそろ草加有沢ジムか綾瀬のジムに
出稽古に出掛けるレベルかも…?

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七日目

今回も前回と同じく4人の参加となった。

前回、4人相手だと指導も中途半端になってしまったし
スパーの相手をするのも非常にしんどかった。

よって今回は西沢ジムの設備をフル回転させて
前半だけでも道具を多用したトレーニングを行いました。

サンドバック・パンチングボール・ミット打ち・シャドーを
交互に1ラウンドづつ回転させていった。

合計で4ラウンドを精力的に動くので
まずまずのトレーニングになった。

これまでシャドーだといい動きなのに
相手を前にすると恐怖でフォームが崩れるパターンが
多かったので、今回の練習はそれを見直すいい機会になりました。

目の前で4人の少年ボクサーが
汗を流している姿はなかなか壮観でしたよ。

直樹は相変わらずいいフォームでパンチを打つのに加え
倒す&避けるタイミングを覚えてきました。

現在ライトフライ級なのですが、ブラウン管の選手と比べても
すでにまずまずの実力と技術を身につけたと私は思います。

夏休みには実際にジムへ出稽古に行く予定なので
その時にどれだけ実力が出せるか、楽しみな選手です。

川村君は弱点のスタミナ不足をなるべく
カバーするような戦法を現在思索中です。

フック主体のファイタータイプなのですが
相手を一撃で倒すパンチ力はありません。

ボディの強度も心許ないので
戦法の選択は常に流動的となります。

大きく弧を描く右フックは相手のジャブに合わせて
ガッと踏み込んで打つので
分かっていても避けずらいパンチ。

密着時には細かいフックを
上下に打ち分けて
相手のガードを忙しくさせる。

反撃を感知したり、一撃を食らったら
すかさずクリンチ…

これを繰り返していると2ラウンド辺りで
段々と息が上がってきて
フットワークの足音がバタバタになる。

果たして、ファイターはいつ休めばいいのだろうか?

ちなみに川村君は睨み合い状態から
相手が突然踏み込んでくる攻撃を
防御できずに食らうシーンが多い。

よって距離調整とフェイントで
時間を稼ぐのが苦手なのだ。

今はとりあえず接近戦もなるべくリラックスして
スタミナの無駄遣いを防ぐ以外方法がないので
今後の研究で最善の指導をしたいと考えています。

高橋君は遠距離ボクシングを完成させるという
方向性が決定していたので、今回は成長が著しかった。

今まで足りなかった牽制用手数を
倍に増やした結果、
主導権が握れるようになってきました。

手打ちだった右ストレートも
半沢君とのスパーで驚くべき鋭さをみせた。
(ただし思い切り打ったおかげで
肩を痛めてしまい、そこから休憩を余儀なくされたが…)

惜しいのは接近戦での無策。

下を向いてしまって
完全に動きが止まってしまうのだ。

次回の重点課題となるだろう。

今回が2度目の半沢君は
一番成長が感じられた。

前回の突貫ファイター型から
見事にスタイルチェンジ。

ジャブを突きながら右を放つ隙を
探すような冷静なボクサーへと変貌した。

前回の我武者羅フックは影を潜めて
すでに他のメンバーと肩を並べるレベル。

力むとアゴが上がるのだが
アゴを引くと反応が鈍るので
アゴ問題はしばらく様子を見ることにしました。

接近戦もまずまずにこなすので
これからどこまで伸びるのか
楽しみなボクサーとなりました。

直撃も受けなかったし
反射神経も優れているのかもしれない。

うーん、全員上手になったので
本当に楽しみになってきました。

さーて、出稽古で恥ずかしくないように
まだ少し時間があるので
練習メニューをよーく考えて強くなってもらいます!


期待の新人、半沢君。剣道での距離感が生きている?

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八日目

夏休みに入り現役中学生である練習生も
部活に遊びにと忙しくなり、ペースが落ちるかと思われたが…

なんと平日も練習するようになってしまった!

今回は私の妻が動画カメラでスパー風景を撮影する予定。
それをパソコンに落とし、みんなで研究しようという計画です。

今回は部活が終わった直後に自転車で
10キロも移動してきたので、練習生もクタビレ気味。

特に高橋君は柔道の試験で3級を獲得したその足で
そのままボクシングをやるつもりだったようだ。

やはり集中力が足りない状況だったので
スパーは残念ながら開始直後に中止。

でもそれは全然仕方がない。

調子が悪かったら中止するのがスパーのおきて。

今回はボクシング漫画を読みまくってもらうことにした。
(はじめの一歩・がんばれ元気など)

直樹は本当に安定してきた。

恐らく自分なりに毎回、
テーマをもって参加しているようだ。

今回は私がダッキングすると
下からの攻撃で私の上体を起こしてみたり
左のダブルフックで私の意表をついたり…

ラウンドの最後にはラッシュを繰り出して
ポイントの流出を防ぐなど嬉しいくらいの研究ぶり。

ラッシュの開始もいい加減に開始するのではなく
フェイントからワンツー、接近したら様子を見てからフック、
距離を取られると私のジャブが飛んでくるので接近戦を維持。

正直、強くなりました。

まだまだ私の余力はありますが
それは体格の差からくるアドバンテージのおかげ。

もし同じ体重なら本当に厳しい相手でしょう。


私の左ジャブに直樹の右クロスがヒット!

次回は接近戦時に私も反撃を行いますので
ちょっと状況は変わると思いますが
本当に楽しみな練習生です。

ジムへ出稽古に行く話ですが
状況が厳しくなってきました。

出稽古は無料かなぁと勝手に考えていたのですが
どこも普通の練習生と同じ扱いになるとの答え。

西沢ジム、最大の弱点は資金力がまったくない点。

もうちょっと色々な方面に声をかけてみます。

もしくはジムの関係者の方、
受け入れしてくれるようなら連絡をください!

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練習生に応援メールやアドバイス、送ってください。
こちらまでお願いします!

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