西沢ボクシングジム

ボクシングのゲームの区切り画像

十九日目(前半)

このところ、週末に必ず活動している西沢ジム。

そのせいか、グラフでボクシングのバージョンアップや
このHPの他の更新作業が止まったままの状況です。

待ってらっしゃる一部の方、
ご迷惑かけますがご了承ください。


まず我孫子から野村君が一番乗りで到着。
(今回はフックを強く打てるように指導する予定)

私は前々回の練習が終わった後、
彼と福嶋君のスパー映像を何度も見ました。

野村君は比較的、リーチが短い選手。

が、フックをほとんど打たないので
なかなかその強打が生きていない…

坂本博之からフックを無くしたようなスタイル。

確かに成長の著しい野村君だが
まだ「怖い」パンチを会得しているとは思えない。

今回は基本姿勢のチェックを終えて
すぐにフックの練習を繰り返してみた。

早速、ミットを横に構えてフックを要求すると…
「スバッ!」

最初に指導した時はまるで駄目だったはずの
左フックがなぜかいきなりシャープで重い。

頭上に振るうタイプ、ボディに叩き込むタイプ…

どれも十分に使える威力と軌道である。
(ただし右フックはいまいちだったので封印)

もしかしたらボクシングを継続してやっていると
自然と拳に体重を乗せられるようになるのかも?

なんて考えつつもこの後にくる予定の
軽量級軍団とのスパーを考えてみた。

(このパンチはちょっと危険すぎるな…)

私は野村君にその状況を説明して
軽量級とのスパーでは封印してもらうことにした。

もちろん、ライバルである直樹とのスパーでは
封印を解き、存分に打ってもらいたいものだ。

最近の野村君はダッキングを会得したので
直撃をもらわなくなってきている。

今回は実現しなかったが次回の直樹とのスパー、
恐らく両者ともに油断のならない危険な香りがします。

なにかが起こりそうな予感…


最初の汗を流し終えた頃に小島君が到着。

実は今回の練習会、どうしても彼が必要だと感じていました。

久々に参加予定の高橋君や半沢君、
彼らの指導をお願いしようと考えていました。

すでにボクシングの「仕組み」を小島君は理解しています。

リード攻撃の意味、カウンターの狙い方…
(逆に駆け引きなしに攻めてくるタイプ、
練習生では庄司君タイプを苦手としてますが)

私は高橋君を指導して一度、挫折しています。

相手の攻撃が怖くなって下を向いてしまう練習生に
何を教えても駄目だったので行き詰っていました。

が、彼らは西沢ジムまで10`の道程を自転車で
地道に走って参加してくれている。

どう考えてもボクシングをやりたいはず。

やる気がある若者にちゃんと教えられない会長…
しばらくは自分の知識不足に落ち込んでしまいました。

(ここは他の頭脳、小島君の力を借りよう…)


と、思いつつも小島君の実力を再確認すべく
久々にスパーで手合わせをしてみようと思った。

事情を伝えず、何気なくスパー開始。

さすがにフォームと重心がいいので
いい加減に打ち込めるような隙はない。
(この時点で他の練習生とは別格なのだが)

そこで小島君のミスを誘い出すために
肩をフイッと前に出すとやはりカウンター。
(このフェイントに反応するのも
ある程度の実力がある証拠)

小島君の打ち終わりに私の右ストレートを
ピッタリとあわせたはずが、
この一撃は小島君の頭上を通過する。

次にサイドステップする小島君だったが、
ここで一瞬動きが止まったので
右ショートフックを今度こそドンピシャ!

これはさすがに手応えがあったので
追撃を放とうとしたのだが、ちょっとした違和感…?

交錯時に私が小島君の足を
踏んづけていたのだ(故意ではない)。

それでバランスを崩したのが原因でした。
詫びを入れた後にスパーリングを再開。
(もし逆の立場だったら打った相手を褒めますが)

何度か交錯するシーン、ヘッドスリップを経て
途中、ロングジャブのクリーンヒットを受けた私。

次の展開でヒットを奪った選手は
大抵、大味に攻めてくるはず。

(次、カウンター狙い…)

私は歩を止めて右をいつでも出せる状態に保ち
小島君の接近、及び不用意なリードを待つ。

そして次の瞬間、完璧なカウンターチャンスがきた!

「スガガガッ!」

お互いの顔面スレスレを渾身の一撃が通り過ぎていく。
どうやら考えていた事が同じだったようだ。

こんな時、嬉しくてニヤリとしてしまう。

最後に右オーバーハンドを顔面にあわせたが
それ以外は正直、無駄な隙は感じられなかった。

満足した私は終了ゴングと同時に
高橋君の指導を小島君に任せると決定。

この時点で私の眠気が限界に達してしまい、
野村君が昼飯を食べている間に仮眠休憩。
(前日、営業不振で2時間しか寝てない)

私は16オンスグラブを頭に載せて
床に吸い込まれるようにぐったりと眠った…


悪戯好きな練習生、小島君に隠し撮られました

(前半終わり)

十九日目(後半)

越谷から中学2年生3人が自転車で到着、
ピンポーンの音で私は熟睡から覚めた。

前回、新しいメンバーを前に緊張気味の
川村君・半沢君・高橋君だったが
今回は表情も明るくてリラックスしている。

(自信を取り戻してるだろうか…?)

何度スパーをしても下を向いて動けなくなる、
ボクサーとしては致命的な症状は改善できるのか。

予定通りに高橋君の指導を小島君に依頼。

驚いた様子だったが、小島君はすぐに
ミットを手に高橋君のフォームを確認した。

(治ったら、嬉しいなぁ…)


私は高橋君を完全に小島君に任せて
他のメンバー達のフォームを確認。

川村君はだいぶ慣れてきたようで
無理のない重心から強打を打てるようになった。
(まっ、これは先週も確認できた事実)

そして次は前回、下を向いてしまった半沢君。

相変わらずの強打がミットを鳴らす。
フック、ストレート、攻撃は申し分ない。

心配なのは例の「怖がり」、一点に絞られた。
相手が打ってきた際、正しいフォームを維持できるか?

聞けば、この「西沢ジム」のHPで
前回の自分の状況を再確認したそうだ。

「下を向かない」という強い意志で
今回、練習に参加したとの事。

強い意志、確かにそれが一番大事だ。

練習の節々に気迫がこもっている半沢君。
指導者として祈るような気持ちになりました。


そして迎えたスパーリング。

用事があって帰る時間が近づいている野村君。

スタミナ不足が大きな課題となっている彼が
連続3ラウンドのスパーに挑戦することになった。

最初は柔道着のズボンに灰色のシャツ、
成長著しい川村君が野村君に挑む。

「挑む」という言葉を使ったのは
圧倒的な体格差から。

ボクシングの質では決して劣りません。

念のため、野村君にはスパーの直前に
パンチ力に関して「手加減」を依頼。
(ボクシング、手加減の難しい競技…)

開始から野村君の周囲を川村君が移動。

その動きはリラックスしていて軽い。

野村君の牽制ジャブをヒョイと避けつつ、
ボクサー特有の動作で旋回する。

そして、期を見てアタック攻撃を慣行。

細かい攻撃に混ぜた右フックが
野村君の側頭部を捕らえるが
ダメージングブローとまでいかない。
(これは体格差の影響でしょう)

野村君も手堅く反撃するが、
頭を振ってローリングしながら打つ川村君に
直撃を奪うことができない。

一通り打ち終わった川村君はバックステップ、
そして同じような旋回行動に戻る。

野村君が大きく左ストレートで追うが
上体を柔らかく使ってスリップで避ける。
(柔道着のせいか、やたら上手に見えるなぁ…)

逆に野村君は「手加減」の程度に悩んでいる様子。
(メンバー不足で本当に申し訳ない。
次回は直樹が来るので思いっきり暴れてほしい!)


次は心配な半沢君。

私とのスパーで下を向かない努力、
自分に勝とうとする気持ちが痛いほど感じられた。

が、相手がガンガンと攻めてくると
どうなるのか…、それはまったくの未知数。

接近戦が多いとさすがに心配だったので
相手とのパンチ交換数を極力減らし
少ない接点に持ち味の強打を決めていく作戦。

周囲をジャブ主体で旋回しながら
期を見て右ストレート、ボディを決めたい。
(クリンチでのリセットも今回の目標)

前回、野村君とのスパーで口内を切ったので
その恐怖を乗り越えられるかも興味深い。

スパー開始直後から私はしつこい位に
「動いて、そう! 動いて!」と声をかける。
(祈るような気持ち?)

ジャブとフットワークで野村君を近づけないが、
ついに野村君が強引に距離を詰めにかかった。

「ここで右!」と思ったが、プレッシャーが強く
接近を許してしまう。

野村君の新兵器、アッパーが
半沢君のガードを壊しにかかっている。

(下を向いちゃダメ! クリンチ!)

なぜか声にならなかったが、
半沢君は即座にクリンチで立て直した。
(クリンチするだけでも成長である)

強打をヒットさせるまで至らなかったが
野村君の圧力を終始に渡って分散させ
ピンチの際にはクリンチで乗り切った。

一方的な状況を最後まで拒否、
有効打を受けなかったのは収穫である。

惜しむ点はガードの上を何度も叩いた強打。
あれを正確にヒットさせていれば…

有効打を奪う、のが次回の課題となるでしょう。

今回は「動け動け」と私がうるさかったので
次回はもっと自分の好きなように
スパーをさせてみようかなぁ、と思っています。


最後の3ラウンド目、高橋君である。

小島君の指導を私は見ていなかったので
正直、高橋君の出来は想像がつかない。

危なくなったら、すぐに止めなければ…
と思いつつ、開始のゴング。

「?」

高橋君のワンツー、続く右ストレート。
それは思い切りがよく、悩みが感じられない。

激しくアゴが上がっているので危なっかしいが
反撃の隙を与えないほどテンポが速い。


迷いなく振りぬく高橋君…

実力のある冷静な選手ならカウンターで
一泡を吹かせられるはずだが、
疲労気味の野村君は防戦一方で攻撃に繋げられない。

結果、そのまま押し切ってスパー終了となった…


私はこれまで、高橋君の危険な打ち方を何度も注意してきた。

が、その結果として手数が減ってしまい、
最終的には下を向いたままストップ負け。

今回はその打ち方を存分に使って
野村君をコーナーに釘付けしてみせた。

今、この時点では思う存分に打つのが
彼にとっての「強いボクシング」なのかも…

指導を小島君に任せなければ
この結果は絶対に見られなかったはず。

先を見据えた際、正しいかどうかよりも
今回のいきいきとした高橋君のスパー。

それがガツーンッと頭に響きました…


これからも色々な人が色々な事を教えるでしょう。

その中から実際に使える要素だけを集めて
自分にあったスタイルを構築していくのも才能。

今回はみんなも順調に成長したけれど
私が一番勉強させてもらえたかもなぁ…


小島君は用事で帰ってしまったけれど
「高橋君は立派に戦っていましたよ〜♪」


川村君と高橋君のエキサイト・スパー。
実力伯仲、ライバル意識ありあり!

ボクシングのゲームの区切り画像

二十日目

「この下に車を止めておいて大丈夫ですかね?」

一番乗りで到着した小島君だが、
なんだか様子(挙動?)がおかしい。

落ち着かない様子でサンドバックを
軽く叩きながらどこかソワソワしている。

聞けばお父さんの知り合いに緑の車を借りたのだが
車庫から出る際にコスってしまったとの事。

「ほんのちょっとなんですけどね♪」

とりあえず傷を確認するために車を見たら
前輪の周囲からバンパーにかけて肌色に変色。

ミラーの横も同じ色のラインが数本…

「ちょっとじゃないじゃん!」

私の車に積んである洗剤とスポンジを使って
強く磨いてみたが、まったく効果なし…

二人でカーショップへ出掛けて
店員に相談すると「コンパウンド」なる品物を
紹介されたので購入してジムに戻りました。

修復作業は小島君に任せて私は
他のメンバーが来てるかも知れないのでジムにダッシュ。

ジムに入ると初参加の高原君が
座布団の上にチョコンと正座。

挨拶をした時点でとても礼儀正しい
真面目な青年だと分かりました。

身長は174cm、体重は64kg(27才)なので
私とほぼ同じ体格ですが、筋肉質です。
(特にふくらはぎがモリッと発達)

聞けば高原君は学生時代、
陸上部で長距離の選手だったそうです。

そして深夜ボクシング録画中継のビデオを
コレクションしているほどのボクシングファン。
(浜田剛史、初回世界奪取の頃から)

早速、フォームを確認してみると
そのバランスは確かに初心者を感じさせた。

顎が上がりニコニコ顔で照れ臭そう。

体格から勝手に想像すると直線的な攻撃、
ジャブ、ストレート、およびワンツーが主武器になる。

これらを動きながら打てるように指導、
ミット打ちのポジションに応じて距離調整。
(フック系は混乱するので今日は封印)

高原君が徐々に形になってきた頃、庄子君が到着。

久々に見たら腕の筋肉がモリモリだったので
私が「鍛えてるね〜」と尋ねると
「野菜を切っていたらこうなってしまった」との答え。

今回も仕事が入っていて2時間弱の参加となるので
(申し訳ないが)体を温めたらすぐにスパーとなりました。

最初に私が庄子君の現状を確認(タイムを計って1ラウンド)。

庄子君の直線系の攻撃はスピードがあってモーションも少ない。
テコンドーで鍛えているだけあってそのキレも申し分ない。

が、その際に体が立っているのでフック系のカウンターに無防備。
よって私は右と左をクロスで狙う作戦を選びました。

序盤は庄子君の側頭部にフックが数発入ったのですが
中盤からその軌道に気付いたらしくガードを意識してきました。

次に接近戦を試すと、前ほど混乱していない様子。
(以前は接近時でも攻撃を狙っていたので疲労蓄積の原因だった)

驚いたのは遠距離でフェイント休憩していた私に
グイッとステッピングジャブを当ててきました。

ボクシングでは(基本的に)両足が同時に浮かないように
ステップすることによって、パンチに足の蹴り力を利用します。

が、庄子君は両足同時にステップしてジャブ。

これは意外な攻撃だったのでビックリ。
体重の乗らない攻撃なのでダメージは少ないのですが
先制打として貴重な意味がある攻撃だと思います。

これはもらった瞬間に「なるほど」と感心してしまいました。
(たまに小島君も使いますが、拳法関係の技なのかな?)

何度かストレートの交錯も試したのですが
庄子君が上体を柔らかく使うように意識していたので
スドンッなジャストミートは奪えませんでした。

が、終了後にスパー座談会を行うと
庄子君の歯が真っ赤になっていて、ギョ!
(ヘッドギアを付け忘れました。ゴメン…
今後、同じミスは絶対にしないと誓います。)

次にこのスパーを見学していた高原君が
庄子君に一方的な攻撃を仕掛けるスパーリング。

特別ルール、経験者の庄子君は寸止め攻撃のみ、
初心者の高原君は教わったジャブ・ストレートで攻撃。

実はこのスパー、私には狙いがありました。
今までの庄子君は攻撃によって自分を守るタイプ。

防御だけの約束で相手の前に立った場合、
どうやって凌ぐのか、とても興味がありました。
(もしかしたら、意外と打たれるんじゃないかなぁ)

ゴングと同時に高原君がワンツーで攻め込むと
庄子君はこれまでと違う別人動作を見せた。

ヘッドスリップからボディ攻撃、打ち終わりにインからフック、
打った後も頭の位置を動かして3分間をほれぼれするような完封劇。

課題のスタミナも余裕がある様子で
スカッとした笑顔でスパーを振り返っている。

「いゃ〜、勉強になりました♪」

思うに相当な意識改革があったと思われる。

強打で相手を抑えつけるスタイルから
相手を空転させつつ要所を狙うスタイルへ。
(パンチの交換時でもしっかりと見ていたのが印象的)

その成長に感心していたら、
小島君がジムに戻ってきました。

「車のキズ、消えましたよ!」

満面の笑顔から察するに
精神的ショックから完全復活した様子。
(最初は青い顔してたもんなぁ…)

庄子君の出勤時間が近づいていたので
早速、庄子君と小島君のスパーを行おうとしました。

が、庄子君はスパー連続の直後で休憩不足、
小島君はまだ準備体操もしていない。

が、このスパーに向けて作戦を練ってきただろう両者。

「やりましょう!」

前回の初顔合わせは、両者ともに納得のいかないスパーだったと思う。

力と力のぶつかりあいの末に疲労困憊、
最後はドロドロの乱打戦となってしまった。

今回はお互いに作戦を練った末のスパーリング、
どちらかが一方的に打ち勝つ可能性も考えられた。

西沢ジムに新規導入されたデジタルビデオで高原君が撮影を担当、
開始のゴングがなると前回とは別人のようなボクサーがそこにいた。


今回は文章でなくビデオ画像で配信します。

白いシャツが小島君(74kg?)、
右を上から被せるように狙っています。

黒いシャツが庄子君(68kg)、
頭を振って顔面・ボディと攻撃を散らしています。

スパーリング 庄子君vs小島君 → スパーリング動画(消失)
(中盤、小島君がダウンしたように見えますが
足元のペットボトルを踏んずけたのが原因です。)

感想をお聞かせください。 → こちらまで


白熱スパーを終えた庄子君は休憩もなし、
くたくたにも関わらず、即座に職場へ出発。
(彼は毎回、ハードスケジュール。つらそ…)


私は高原君と休憩を充分に入れながら、
スパーを何度も何度も重ねました。
(休憩、考える時間、水分補給、安全に注意)

高原君とスパーリングで向かい合うたびに
メキメキと上達するのが身を持って感じられた。

最初は無防備に食らっていた左ジャブを
頭の移動やガードで凌いだり、
教えていないボディ攻撃を放ったり、
こちらが動きを止めるとキチンと入れてきたり…
(まぐれじゃないのも確認。彼はちゃんと狙ってます。)

通なボクシングファンだけに、怖さを乗り超えたら
次々と新しい挑戦をしているように感じられた。

パンチに対する耐性もあるようでカウンター気味に
入った場合でもケロリとして反撃してくる。
(強く打ったら、また別と思うが)

元長距離ランナーだけあってスタミナも余裕、
肩で息をするようなシーンは最後までなかった。

ワンツーと防御、距離調節だけで
それなりにボクサーとなった高原君。

最初からボクシングの多くを教えるのではなく、
段階を踏んで少しづつ教えると混乱も少ないようだ。

真面目な性格、教えるとすぐに返事をせず、
一度じっくりと考えたのちにキチンと返答する姿から
「覚えたい」という向上心をヒシヒシと感じました。

久々の新人指導は改めて私の経験になりました。

個人的には庄子君とのスパーで
慣れないパンチ(外からのフック)を多用したら
腕がパンパンに張ってしまいました。

その後も本来のスタイルだけでなく
色々なスタイルで教えてたら、くたくた状態に。
(ん? 本来のスタイルって何だったけ?)

ちょっと鍛えないとダメかなぁ、と危機感…?

皆さん、お疲れ様!
(高原君の写真を撮り忘れました♪)

ボクシングのゲームの区切り画像

二十一日目

今回の参加は、直樹・川村君・高橋君、
そして2回目の参加となる高原君。

軽量級の3人が10s上の高原君に対して
これまでに覚えた技術が通用するのか、を
試すようなスパーを連続して行いました。

高原君は発達した下半身を土台に
パワフルな右ストレートを放つのですが、
その防御技術はギコチナイ頭部移動のみ。
(ここまでしか教えていません)

ちなみに高原君に教えた技術は
確かにとても中途半端でしたが、
ボクシングの基幹となる大事な要素。
(ワンツー・ダッキング・スウェ…)

それだけでどこまでいけるのか、
足りない部分は一体どんな点なのか、
今後、どんな指導を行うべきなのか…

それらを確認するためのスパーだったのかもしれません。


最初に行った直樹と高原君のスパーは
高原君に多くの課題を与えました。

全ての攻撃を空転させられた上に
シャープなフックを受けて棒立ち。

自慢の右だけでなく探り針の左も完封された高原君、
この時点で両者の実力差は大人と子供でした。
(この日、最終的には互角以上の戦いを演じますが)

その後、高原君は川村君とスパー。
(体重差があるので左攻撃限定)

川村君特有の変則フックをシコタマ浴びたおかげで、
左を効果的に使う意味やガードからの反撃タイミングなど
直すべき様々な問題が次々と浮き出てきました。


遠距離・接近時で変化するガードによる防御、
苦手な接近戦をリセットする強引クリンチ、
接近戦時に棒立ちになる悪い癖の修正、
もっと得意の右を多用する戦法への転換…

これらをザーッと教えてみた。
(欠点がハッキリしているので指導方針もハッキリ)

結果、最後に行った直樹と高原君の再戦スパーでは
上記を完璧にこなしたとは言えないが、
前戦でみせた自信のなさは解消していたと思う。

スパーリング 高原君vs直樹 → スパーリング動画(消失)

今、スパーのビデオを確認したのですが、
この内容からも多くの課題が山積みだと実感。

まず、直樹の誤った戦法。

高原君の右ストレート方向にステップしているので
自分から危険なポジションに移動しているのだ。

左回転のほうがスムーズなのでそうしているようだが、
体力で勝っている対戦相手に自分勝手は通じない。

実際、立ち止まった場面で右を側頭部に被弾している。
(ダメージもあったようだ)

次回は積極的に逆回転のステップを選択して
相手の右攻撃から離れつつジャブへと繋げたい。

そうすれば、ボディ攻撃のチャンスもあるはず。

相当、最後の直撃とダメージが悔しかったらしく
帰り際に何度もステップの練習をしていました。

ストレートが得意な相手にストレートで挑んだら
少なからず正面衝突の事故が起こる可能性がある。

次回は意識的にサイドステップを多用しつつ、
スピードで掻き回さないと同じ結果になるでしょう。
(ボクシングは単純な力比べではありません。
相手の圧力を逃がす事で力関係は逆転します。)


次に高原君ですが、上体の動作が硬いので
中盤に何度も顔面直撃を受けています。

体重差、及びヘッドギアがあるので倒れませんが
本来なら相当ダメージを受けるような被弾状況。
(彼は打たれ強いタイプだと思いますが…)

特にフックの距離でも上体が立ったままなので
まさに「直撃」なシーンが目立っています。

この時点ではフックをまだ効果的に使えなかったので
ガードやクリンチ、一連の回避行動が正解なのですが、
無理やり気味のストレート反撃を試みるのでヒヤヒヤ…
(結果的に当たったのもあるが、リスクが多過ぎる!)

距離による状況判断が甘い、のですが
考えれば高原君はまだ二度目の練習参加。

技術的な説明をじっくり聞いてくれるので
スパーに慣れて冷静に戦う事が可能になれば
必ず修正できる問題だと思います。

最後、左右フックの正しい打ち方を指導しましたが
フックは使いどころを間違えると手痛い反撃がある。
次回、気をつけてね♪
(威力はあったけど、考えて打たないと…)


一度、私が試しに高原君の右から逃げる方向へ
サイドステップしながらスパーをしたのですが、
やはり今回はまだまだ対応できていない様子。

接近戦を挑んだ場合もまだ棒立ち気味。
(癖になる前に治したいが…)

やはりボクシングは実際にスパーリングを行い、
攻撃を受けた上で対策を考えるのが一番の勉強。
(それには指摘してくれる指導者と休憩時間が必須)


接近してガードの上を叩いていた私でしたが、
サイド移動したらガードの後方に隙間を発見。

思わず、反射的に下から突き上げボディブロー。
(スピード重視、決して打ち抜いていないのですが)

タイミングがバッチリだったらしく
タフな高原君が何だか苦しそうでした。
(痛がっていると気の毒に感じますが仕方ない。
でも、ごめんなさい…)

両者ともに勝ちたい、西沢ジムのライバル対決、
川村君vs高橋君は技術的進化が感じられなかった。

互いに相手にダメージを与える事しか考えていない。
攻撃に対して攻撃で迎え撃っているので
子供の喧嘩、もしくは泥試合の典型である。

スタミナも使い果たし、切れのない動作のまま
更なる攻撃を繰り出すが、意味はまったく感じられない。

なぜ距離をとり休憩をしないのか、
なぜ防御をして相手の隙を狙わないのか、
なぜ活路のない乱打戦を続けるのか…

これまで教えた事をまったく発揮できない原因は
やはり「クールじゃない」のが原因だと思う。

ボクシングは感情的に戦って勝てるほど甘くない。
それで勝てるならすぐに切れるタイプの人間が強い。

が、実際はそのタイプの練習生は初日で辞めてしまう。
(自分の思い通りにいかない事から逃げてしまうから)

改めてボクシングにとって「冷静」を保つ事の重要さを
このスパーを通じて練習生達に教えられたと思います。


どの練習生も今回のスパーで課題を持ち帰ったと思います。

次回、また別の課題が新しく生まれると思いますが、
練習のたびに課題は必ず発生するものです。

慣れてくると解決方法をスパーの最中に実行できるはず。

そのためには自分のスタイルに固執することなく、
臨機応変に相手の困るスタイルを考え実行する事が重要。

そろそろ、力だけの勝負は卒業かも…

ボクシングのゲームの区切り画像

二十二日目

今回は高原君が3度目の参加、
マンツーマン指導となりました。

学生時代に陸上で鍛えた脚力を活かして
サンドバックに強力な右ストレートを放つ高原君。

前回のスパーでは経験で勝る直樹の技巧に苦しみながらも
ラウンド終了間際には右を巧打して動きを止めてみせた。

が、その過程には数え切れない程の空転。

今回は主武器の右ストレートがどこまで本物なのか、
興味を持った私が直接スパーをして感じてみたかった。
(身長・体重とも私と似ています)

この路線で正しいのか、もしくは別の戦法がベストなのか…?

今後の方針をじっくり考えて、決定する。
そんな練習内容になりました。


体を各種練習で温めて、まず最初のスパー。

右強打を持つ相手に対してセオリーなのは、
右回りである(相手の右から逃げる方向)。

死角に入って何度か横腹にアタックを試すと
危険なパンチ交換もなくアタック成功。

(ま、教えてないからこんなモンかな…)

このまま続けてもいいのだが
次のチェックポイントを試してみた。

(右ストレートを正面から体感…)

待っているとやはり飛んでくる右ストレート。
サンドバックを何度も抑えているので、
その強い威力はよく知っている。

が、実際にスパーをしてみると
振りが大き過ぎてまず当たらない。

その発射タイミングも自分本位なので
相手の隙を探ってから打っているようには思えない。

強打者特有の単発傾向もあるし、
距離感もちょっとだけ遠い様子。

試しに左フックで打ち終わりを狙ってみると
ポンポンと綺麗に入ってしまった。

(顔が垂直に立っているなぁ…)
(遠距離ストレート系しかないか…)
(フェイントが皆無だなぁ…)
(立ち位置がずっと変わっていない…)

色々な欠点を感じながらスパーしていると
徐々に高原君自身も悩み始めた様子。

ペタペタと私が連打すると
ガードをしたまま後方重心で
動かなくなってしまう。

(こりゃ悪循環だ♪)

ここで一度、スパーを中止して
じっくりと時間をかけて座談会。

混乱気味の高原君に
課題をゆっくりと指摘。

右ストレートを打つ際に頭が立っているので
多少、体を流して打つように修正。
(右肩でアゴもブロックしておく)

近距離で上下ショートの打ち分け。

頭を動かして避ける事で得られる優位性。

上記の3点をゆっくりと説明したつもりだが、
よく考えたら指摘が多すぎたかもしれない。


が、休憩後に行った確認スパーでは
上記3点全てをキチンと敢行してくれた。

序盤から見事な上下の打ち分けを私にヒット!
(さっき教えた攻撃を受けるのって変な気分?)

んが!、慣れない動作が影響したのか、
無呼吸状態が続いて最後の一分は
自慢のスタミナが尽きてしまい失速。

課題を少しづつ修正しながら
スパーと座談会を繰り返し行って
この日のマンツーマン練習は終了。

高原君は自分の力量や特性をよく自覚していて、
私の説明もおおよそ理解してくれたと思う。

次回のスパーで今回のマンツーマン指導の結果が
白黒ハッキリと現れると思います。

さて、どうなるだろうか?
(教えた私も楽しみ♪)

最後はパソコンに詳しい高原君に
私が色々と指導を受けました。

ありがとう♪


真面目な好青年、高原君。右強打が当たれば強いはず!

ボクシングのゲームの区切り画像

二十三日目

今回の練習会は久々に大規模でした。
(10畳間の練習場に7人+私)

先週、マンツーマンで指導した高原君の成果確認。
他にも同じ体重の実力拮抗選手が揃ったので
私としてもスパーの内容にとても興味があります。

まず練習生の到着順に体を温めながら
私と1Rスパーでフォームの確認。

まず高原君と確認スパー。

強い右ストレート、崩れない重心が
キチンと感じられたので順調な仕上がり。

今日は野村君・直樹とスパーをする予定なので
その仕上がりに合格点を与えました。

次に久々参加、野村君とのスパー。

料理人になるための勉強を始めた彼、
高校生になってどことなく大人になった雰囲気。

なぜか不思議とボクシングも洗練されていた。

サウスポースタイルから突然伸びる左ストレート、
相手に接近する際に歩くようにスイッチしたり
教えていない技術を自然と習得していた。

一時期、相当な量のスパーをこなしたので
自分に足りない部分を勝手に補ってしまった様子。

頭を振って相手の攻撃を凌いでいる際に
あまりに一方的に攻め込まれるので
頭を振りながらフックを頭上に放つ技術を教えて終了。

さて、初顔合わせの両者。
どんなスパーを演じるのだろうか…?

が、スパー直前に高原君が右肩に違和感。
(私との確認スパーの際に右を強振して脱臼?)

主武器にして唯一のダメージングブロー、
右を強く打てない状況で戦うリスク。

結局、野村君とのスパーを最後に
この日は最後まで見学に留めるほどの
痛みがあった様子。

さて、初顔合わせのスパー内容だが
両者ともにいい動きで有効打を許さない。

開始直後から細かい連打で追いかける高原君。
右肩負傷の影響で無駄な力が抜けていて
普段よりも柔らかい動きをしているかもしれない。

対する野村君は頭を振ってチャンスを待つ。
無理に反撃しない点が成長を感じさせる。

なかなか頭に当たらないので高原君は
中盤から冷静にボディショットを混ぜる。
(スパー後の座談会で「結構効いた」との事)

が、ここで野村君が頭の下がった高原君に
左ストレートをショートからズバンと好打。

徐々にスタミナを残しておいた野村君が
強打を混ぜた連打と圧力を強めていく。

が、元陸上部高原君もスタミナには自信がある。

先週覚えたダッキングとクリンチを駆使して
猛攻撃を落ち着いて防ぎながら地道な応戦。

ポイント優劣の難しいスパーとなりましたが、
お互いにボクサーとしての成長が感じられました。
(好カードがまた増えました♪)


次に直樹と野村君のスパー。

スパーリング 野村君 vs 直樹 → スパーリング動画(消失)

これまでは技術と経験で勝る直樹が
野村君をバンバンと倒していたが、
野村君はvs直樹を目標として練習してきた。

両者と手合わせした私の感想では
互角に近い実力になりつつあると思う。
(ただし両者は18s体重差アリ)

さて、今回は…?

いままで「怖さ」から直樹戦となると
重心が崩れていた野村君だが
今回はまったくそれが感じられない。

キビキビと動きながら直樹のサイドステップに
角度を合わせつつ、攻撃のチャンスを狙う。

ファーストヒットは野村君の左ストレート。
なぜか今までになく伸びている。

被弾した直樹はその場ですぐに頭を振るが、
この日はそれが裏目に出て通用しない。

体格で勝る野村君が足の止まった直樹に肉薄、
徹底的に力のこもった連打で押してくる。

その場ガードで凌ぐ直樹だが、
野村君は攻撃の手を休めない。

走るように別の隅へ逃げる直樹。

逃げるというと言葉は悪いが、この状況では
どう考えても反撃よりも逃げるほうが正解。

ここでも野村君の追い足が速いので
直樹は簡単には逃れられずに苦戦。

何度か同じようなシーンが繰り返される。

手数の出ない直樹はステップ主体で
体力を温存しているのかもしれない。

野村君は猛烈な攻撃を続け、
有効打も立て続けにヒット。
直樹もダメージで動作が緩慢になってきた。

(やっぱ、体重差がありすぎるか…?)

そう感じ始めた矢先、ちょっと距離をとった
野村君に直樹がス〜ッと近づいて右を一閃。

綺麗に入ったその一撃で野村君は
真下にストンッと倒れてしまう。

ダメージはほぼ0だが、ダウンである。

続行後、野村君の攻撃は序盤と同じように
直樹を捕まえ始めて何度かヒットを奪う。

が、終了直前にまた直樹の右が今度は
2度立て続けに野村君の側頭部にヒット。

直樹は危険な3発目も用意していたが、
「ストップ」の声に反応して中断。

確かにダウンがあったのだが、
そろそろ直樹と野村君のスパーは
危険があるかもしれない。

野村君が上手になってきた今、
経験を積むよりもダメージを蓄積するような
スパーになってしまうかもしれないのだ。

ちなみに野村君はダウンこそ喫したが、
終始に渡って見事にペースを奪っていた。

決して恥ずかしい内容のスパーではない。


スパーリング 小島君 vs 野村君 → スパーリング動画(消失)

この後に小島君とスパーをするのだが、
その成長はその時もはっきりと感じられた。

ただし「倒れ癖」は顕著である。

小島君のタイミングを計ったジャブは
確かに狙い済ました素晴らしい攻撃だったが、
その一撃で倒れてしまうのはあっけない。

両者は体重も近いので、実力差はあれど
耐えてもらいたい勿体無いシーンでした。


私と小島君とは軽めに2Rのスパーをしたのですが、
さすがに付け入る隙がなくなってきました。

入門当初は下がっていた両ガードも
要所ではしっかりと固めるし、
先制打のタイミングと鋭さも増している。

もう会長として教えるというよりも
私も練習生のひとりとして楽しむという感覚でした。

彼は中学生達に悪さを吹き込んで?
楽しそうな雰囲気も作ってくれます。
(高校生には大人の悪さも?)

ボクシング理論も私と近い上に積極性もあるので
途中から安心してトレーナーを依頼してしまいました。
(いつの間にか西沢ジムのスタッフに…?)

他にも様々なスパーがあったのですが
とにかく多すぎました。(疲れた…)

スパーリング 川村君 vs 高橋君 → スパーリング動画(消失)

皆さんもお疲れ様でした♪
また、ガンバロ〜♪

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