西沢ボクシングジム

ボクシングのゲームの区切り画像

二十四日目

今回は新人の横田兄弟と高原君が参加。

兄の雄(ゆう)君は23歳のアメリカ留学帰りで
164pの52kg、精悍な顔つきをしている青年。

弟の琢(たく)君は20歳、優しそうな青年で
ボクシング好きの兄の影響で興味を持った様子。

さて、今回はとにかく驚いた。

雄君はスパーリングの経験がない初心者にも関わらず
サンドバックやパンチングボールでキビキビと動く。

指導しつつもそのセンスにちょっとビックリ。
(これ、本当に初心者だろうか…?)

弟・琢君のセンスも悪くないのだが、
どうしても今回は兄の雄君に眼がいってしまう。

結果的に初のスパーでも経験者10s上の高原君に
互角の戦いを演じるほどの結果を残した。

その実力を確認しようと思って
私もスパーをやってみたのだが
その実力はもう初心者の域を超えていた。

大抵、最初はパンチが飛んでくると
目をつぶったり下を向いたりするのですが
雄君に関してはそんな事がまったくありませんでした。

それどころかガードの隙間で当ててきたり
捨てパンチで仰け反らして決めのフックを打ったり…

こちらの攻撃も2度目からはきちんと反応。

私が衰えたのは隠しようもない事実なのですが
それを差し引いてもその勇敢なボクシングに
大きな期待を感じてしまいました。

(接近戦はどうかな?)

続くスパーでは頭を下げたスタイルで
ボディから顔面を狙ってみたのですが
これまた教えていない迎撃やステップ。

スタミナもまだ余裕が感じられたので
私としても雄君の今後を考えてしまいました。

もし彼が本当に初心者ならば、
相当なセンスと勇気があるボクサー。

西沢ジムでは効果的な練習相手もいないので
ずっとここに留めておくのはもったいない…

「本格的にプロを目指してみたらどうだろう?」

私がその可能性を指摘すると手応えを感じた様子。

「いままで自分が強いのかどうだか
知らなかったから…
やるからにはやってみたい…」

意思の決定にまで至らなかったが
本当に試すべきレベルだと私は感じました。

と同時に「俺もスパーは潮時かもなぁ…」
なんてちょっとだけ考えました。

とにかく動けないしキレが無くなってきたので
ガードに頼るようになってしまって
一昔前のボクシングスタイルを維持できていない。

ロートルボクサーの典型的な動作だなぁ…
逆に高原君は結構、善戦してたしなぁ、なんて。

弟の琢君も決して悪くなかった。

右のストレートはグイッと伸びていたし、
教えていないコンビネーションも打った。

疲れてしまう欠点があったけれど
初めてにしては合格点。


雄君がプロの世界に飛び込むことを期待します。
本当に初めてとは思えないような実力でした。

「弟とはスパーしたくない。」

なんか好感の持てる若者でした。
ボクシングジムを始めて色々な若者が集まってきたけれど
本当に俺にとって素晴らしい若者ばかり。

「最近の若いもんは…」なんて言っているおじさん。
彼らは自分自身は磨いているのかなぁなんて思いました。

最近の若いもんも昔の若いもんも
いい奴はいいし悪い奴は悪い。

変わってないと思うんだけど…

スパーリング 会長 vs 横田琢君 → スパーリング動画(消失)
スパーリング 会長 vs 横田雄君 → スパーリング動画(消失)
スパーリング 高原君vs 横田琢君 → スパーリング動画(消失)


右が兄の雄君、左が弟の琢君。いい顔してるよね。

ボクシングのゲームの区切り画像

二十五日目

直樹が学校の友達を連れてくるという。

聞けば、学校の番長?との事。
(番長という言葉は使ってなかったけど)

他に入会希望の新人、田中君を加えて
西沢ジムは久々の活動となりました。
(入会希望者でメールが届かなかった方、
申し訳ありません。手違いがありました…)

埼玉県の上尾から電車を乗り継いできた
178cm、65s、21歳の大学生、田中君。


西沢ジム内で最もモテそうな?田中君。

テレビでボクシングを観戦していたら
徐々に興味が出てきたとのこと。

のちに好きなボクシング・スタイルは
ヒルベルト・セラノと答えるマニアック?な面も…。
(実際に練習の後半ではリードジャブを生かして
自分の距離を着実に守ろうとする姿勢も感じられました。)

右利きながらもサウスポーと悩んだ末に
まずはオーソドックス・スタイルを選択。

左ジャブをフェイントから打つ練習、
右をクイックでズバッと打ち込む練習…
(平均以上のパンチ力がありました)

指導の途中で直樹と新人の荻沢君が到着。
(越谷から猛暑の中、自転車で着たのでバテ気味…)

164cm、53sの新人中学3年生は
初のボクシング体験に怯えるというよりも
期待に目を輝かせている様子である。


いい顔してる荻沢君。落ち着いた少年でした。

「よろしくお願いします!」
ちゃんと挨拶したのでまずは一安心。

「荻沢君は格闘技の経験、ある?」
「…喧嘩だけですね。」

表情を変えずにボソッと答える荻沢君。

喧嘩とは不思議なほど別物のボクシング、
田中君と同時進行で順を追って指導していく。

荻沢君は見た目どおりパンチ力があるのだが、
その上体は力んでいて相当な硬さが感じられる。
(これじゃ、打たれ弱いだろあなぁ…)

一通り、基本を教え終わったので休憩を挟んで
軽いスパーを行うことにしました。
(こちらは決して強くは打ちません。
距離感の難しさを知ってもらう感じ?)

初スパーの田中君に対して、強引な前進は控え
左の差し合いによる駆け引きを展開。
結果的に適正距離・フォーム維持の大事さを指導。

(このスパーで距離感に違和感を感じた田中君、
以後、サウスポースタイルによる練習に変更。)

ただし、打たれても目を瞑っていなかったので
初の3分間から彼の将来性を存分に感じました。

続く荻沢君との初スパーをしようと思ったら
直樹が暇そうだったので直樹と荻沢君でスパー。
(もちろん手加減は指示しました。)

喧嘩慣れしている少年とボクシング経験者。
体格も同じくらいですが、これだけの差が…

スパーリング 直樹 vs 荻沢君 → スパーリング動画(消失)

その後、ビデオでボクシング観戦しながら休憩していると、
臨時コーチ?の小島君がなぜか白の高級車?で登場。

疲れていた練習生達でしたが、鬼コーチ?の登場で
もう一頑張りのパワーが出てきた様子。

熱い指導を小島君に依頼した私はちょっと休憩。
(正直、疲れていたので助かりました…)

しばらくボ〜ッとしていた私が集中力を取り戻すと
見違えるほどみんなの動きがよくなっている。

荻沢君は打たれても止まらない様に成長、
サウスポー化した田中君は右ジャブで旋回…

田中君は直樹とのスパーを新スタイルで迎えた。

スパーリング 直樹 vs 田中君 → スパーリング動画(消失)

最後は直樹の接近圧力に負けてしまい
右を痛打されてしまいストップとなりましたが、
そこまでの過程は決して悪くありませんでした。

利き腕から放つ右のリードブローは
ノーモーション、続く追撃の左もシャープ。

次回は接近戦、もしくはそうならないような戦法を
じっくりと教えてみたいと思います。
(高原君・庄子君・野村君が同体格なので
いいスパーの練習相手になるだろうなぁ…)

ここで田中君は足裏がベロ向け!したので
無理せずに最後は見学となりましたが
次回の成長にとても期待がもてます。

荻沢君も直樹との再スパーを終了ゴングまで
必死の形相で奮闘、私も満足感がありました。

なんか嬉しいじゃないですか。
喧嘩好きな子がボクシングに挑戦するのって。

大抵、グレちゃう子って新しい事に挑戦しない。

でも彼は数時間前にボコボコにされた直樹に対して
怖さを必死で隠しつつ、ジリジリと前進していた。

さっきと同じ様に何度か打たれましたが
私も2度目は簡単には止めませんでした。

(ガンバレ〜ッ)って感じです。

正直、スパーを一度でも経験すれば
素手で素人を殴る危険性はイヤでも理解できるはず。
(危ない事は止めるかな、と)

皆さん、お疲れ様♪
小島君、短い時間だったけど本当に助かりました。
(締まった練習会になったね)

ボクシングのゲームの区切り画像

二十六日目

私が家族でキャンプに行っている間、
夏休みで暇している直樹が留守番。
(日中に行われるW世界戦の録画を依頼)

帰ってきてクタクタだった私ですが
世界戦の結果が気になっていたので
着替えもせずにそのままテレビ前に正座。

すでに結果を知っている直樹は
サンドバックを無言で叩いている。

世界挑戦を経験した国内名選手を
3度も退けたにも関わらず、
世界戦がなかなか決まらなかった長嶋健吾。

抜群の距離感、それを支えるフットワークを武器に
東洋圏内では無敵を誇ってきた男が
かつて辰吉に倒されたタイのシリモンコンに挑む。

初回、長嶋の動きは悪くないが
ポジショニングがおかしい。

シリモンコンの右ストレート正面で応戦する事、数度。
(頭脳派の長嶋だけにすぐに修正すると思ったのだが…)

2R開始のゴング、直樹が手を止めて画面を見ている。
(もしかしたら、なにかあるのか…?)

すうっとコーナーに追い込まれた長嶋が
ノーガードのまま、反撃のパンチを振るう。
(こんな危険なアクションをあの長嶋が?)

王座復帰に燃えるシリモンコンは
この大きなファーストミスを逃さない。

長嶋は信じられないような速さで
リングの床に吸い込まれてしまう。
(これ以降、長嶋は試合の記憶がない…)


続く福島学は日本屈指の曲者。

柔軟な上体を生かした多彩な左リードから
強力な右へとバトンする攻撃パターンに加え、
試合展開を読む頭脳もある。

低いガードを優れた反射神経でカバー、
通用しなくなるとクリンチ多用…。

勝利を追い求める曲者に私は期待した。

今度は初回だった。

ラリオスの左ジャブが恐ろしく早い。
(発射アクションが皆無!)

それを感じた福島は距離を接近に切り替える。
すると信じられないような角度のフック。
(肩関節の可動範囲、限界ギリギリ?)

この一発で福島は混乱、中途半端な距離を旋回中に
レーザービームのようなワンツーを浴びてしまう。

一瞬のヨロメキを王者は逃さない。

即座の追撃で福島はダウン、記憶を飛ばしてしまう。

立ち上がるとすぐにコーナーに戻り「ゴメン」。
もう負けたと勘違いしている様子…

レフリーに対してファイティングポーズも見せないので、
本来ならストップもあったが、ここは続行の判断。

個人的にはこの後、福島はよく耐えたと思う。
8Rにストップされるまで健気にボクシングをした。
(猛練習、したんだろう。)

が、あるはずの多彩なリードを使わずに
アウト・フックだけで攻撃する姿は寂しい。
(記憶が6Rまでなかった、と試合後に発言。)


試合のビデオが終わると直樹が
再びサンドバックを叩き始めた。

バシ、バシ、バシ。

キャンプ帰りで疲れているはずの私…

彼らの持っている本来の強さを見ている私にとって
悔しさと無念は相当なレベルだった。

(くそっ、本当の実力はもっと…)

その気持ちは横にいた直樹にぶつけられた!

「直樹、こいっ!」

ミットを構える私に直樹も熱くなっている。
(こいつも悔しいんだなぁ…)

「お前のジャブ、こねてから打ってるぞ!」
「ほらっ、まだこねてるぞ!」
「もっとノーモーション! ダメだ、それじゃ!」
「前でさばけ! 重心を後ろにしたら強打は打てないぞ!」
「ダブル・トリプル、もっともっと、もっとだ!」

熱いミット打ちはこれまでになく激しく、そして長かった。
(気付いたら夜中…)

ボクシングのゲームの区切り画像

二十七日目(前半)

会社の会議が長引いたので(永遠に無駄話…)
10時30分からの練習開始に間に合わなかった私。

今回は27歳のシステムエンジニア、
空手経験者有の宇野君が初参加の予定。

初日から会長が不在だと印象も悪かろう、
会社の門から本気で猛ダッシュ、
いきなりトラックに轢かれそうになるジム会長…

幸運な事に?宇野君は道に迷ったようで、
無事に会長自ら迎え入れる事ができました。

「よろしくお願いします。」

168p70s、がっちりした体格の宇野君は
27歳社会人だけあって真面目な雰囲気だが、
4年間の大学時代、空手部に所属していたとの事。

とりあえず私に空手の知識がないので
ボクシングの基本攻撃を0から指導しました。

オーソドックス・前傾気味に構えた宇野君は
左ジャブ・右ストレート・左右フック、
どれも正しいフォームで放ってくる。

(いい感じだなぁ…)
空手特有の型にハマッた動作もなく
動きながらのパンチもスムーズ。

対戦相手と向かい合う事に慣れている様子で
教えながら、なかなかの好感触を掴みました。

続いて1R(3分間)、覚えたパンチを
思いっきりサンドバックに叩き込んでもらった。
(数分後、とんでもない出来事がっ!)

ガツンガツンと硬質なパンチを
順調に叩き込む宇野君。

(いい汗を流しているなぁ…)

ラウンド半ば、ここからスタミナ勝負である。
ここでジムの電話に横田雄君から連絡が入る。

動作を止めないように宇野君に指示をして
機敏な動作でピョンと電話口に出る私。

「道に迷ったんですけど…」
「今、そこから何が見えるかな?」
「え〜っと…」

横田君に道順を説明していると突然、
背後のパンチ音が止まった…

振り向くとサンドバック・スタンドの鉄骨を
バズーガ砲のように構えている汗だくの宇野君!

(なんじゃこりゃ!)

パンチの衝撃で80sを超えるサンドバックが
横倒しに倒れてしまったようだ。(無音でした)

電話を投げ捨て宇野君の救援に向かう私。
(横田君、ごめん)

数秒後に事なきを得ましたが、
ひさびさにうろたえてしまう経験でした。


宇野君は会社の野球大会があるので
スパーを経験することなく帰りましたが、
パワーのある怖いパンチを打っていました。
(なにしろ倒れるんですから!)

次回参加の際、70s周辺の練習生と
スパーをしてみたいと思います。

(もっとじっくり教えたかった♪)

ボクシングのゲームの区切り画像

二十七日目(後半)

衝撃デビュー?の宇野君が去ってから数分後、
直樹と川村君が越谷から電車+徒歩で到着。

その数分後、横田君(兄の雄君)が無事に到着。

直後に小島君が原付バイク(毎回、乗り物が違う?)。

4人の練習生があっという間に集まったので
夜勤明けの体も急に元気になったような気分。

どの練習生も一定の経験と実力を備えているので
今回はスパー主体で問題ないと判断しました。

最初に行うフォームチェックを飛ばして
軽い準備運動からすぐにジムワーク。

3R連続、サンドバック・パンチングボール・ミット。

私はサンドバックを抑えながら(警戒宣言中!)
各練習生の動きと体調をチェック。

小島君にはミットを受ける係をお願いしました。


直樹は前回の練習で重心の変更をしたばかりなので
そのフォームとパンチの出し方を再確認。

これまでの防御型だけでなく、ニュー攻撃型を試す。
(2種類の戦法があれば状況打破に役立つだろう。)

今回は攻撃偏重の重心をスパーで試すのが目的だ。
(よく見ればシャドーで固めた様子がアリアリ♪)


続く川村君は力んで疲れてしまうのが最大の課題。

得意の変則ボクシングを継続できるだけのスタミナ、
呼吸しながらの攻防動作、をとにかく意識したい。

今回はそれを指摘する前に自分から実行していました。
(自分なりに色々と考えながら参加してくれてるなぁ♪)


最後は前回の初参加でいい動きをみせた横田雄君。

サウスポーから放つ左ストレートは相変わらずの威力、
右ダブルフック等も交えてサンドバックを揺らす。

ただ福岡から飛行機で帰ってきたばかりで
少し疲労が溜まっているとの事。

どことなくパンチの連携がギコチなく感じられた。


3Rフル、ばっちし汗を流した後は
水分取得と休憩を入れて座談会。

アメリカ留学を経験している横田君の話とか
最近のボクシング世界戦についてとか…


疲れが抜けた様子を確認してからスパー開始。

まず横田君と私がスパー。

前回、ボクサーとファイターで私が試した結果、
様々な攻撃・迎撃を披露してくれた横田君。
(ボクシング好きと研究好きが伝わったなぁ♪)

今回は私の右カウンター封印を解いて
横田君の対応力を確認してみた。

スパーリング 会長 vs 横田雄君 → スパーリング動画(消失)

結論から言うと横田君の悪い点が全部出たと思う。

右ジャブの連打で相手を仰け反らせて必殺左ストレート、
のはずなのに私が仰け反っていないのに左を打ってくる。

そして左ストレートの際に顔面がまっすぐ立っている。

狙っている相手に対して100回打てば
90回以上はカウンターを食うかも…

攻撃入り口を絶たれてしまった横田君、
それでも最後まで同様の攻撃に終始。

体重差があるので仕方ないと思わずに
この経験を大事にして成長してください。
(期待が大きいので厳しく書きました。ゴメン!)

具体的には@ストレートの際にアゴを引く、
A相手の体勢が崩れてない時は攻めない、
B失敗した攻撃を繰り返さないように
スパーの最中にパターンを修正する…

特に@はフォームの問題なので
早めに直さないと癖になると思います。
Bは勇敢な選手が持つ弊害欠陥だと思う。
攻撃着火を少なくとも2パターン準備しよう。
スペアタイヤ、絶対に必要です。


次のスパーは小島君と他の練習生全員、
体重差があるので3R連続に挑戦してもらった。
(自分が疲れたので無理やりか?)

まずは最軽量48s、変則ファイター川村君。

20s以上の体重差があるので手加減するのだが、
実は手加減して行うボクシングはとても疲れる…

途中でパンチを止めるのは大変な上に
相打ちの危険は残るのでとても難しい。

川村君は大きな相手を前に
教わった攻撃を勇敢に放っていく。

ダッキングしながら打つ頭上フック、
要所にジャブから基本ストレート、
離れたらダック、接近でクリンチ…

少ないスタミナ・一発で倒される打たれ弱さ、
これらを必死でカバーする姿はなんだか健気。

とにかく「頑張った」。
(早く同じ体重の練習生と磨かせてあげたい…)


インターバルを挟んですぐにvs直樹。

直樹は重心を前方に変更した後の初スパー。

いきなりストレートパンチャーの小島君なので
正面からズドン!を受けて弱気になってしまうかも…、
と内心ヒヤヒヤしながらのレフリィング。

開始ゴングから両者キビキビした動作で
ジャブ・ワンツーをビュンビュン飛ばす。

小島君もパワーこそセーブしているが、
スピードとタイミングに妥協は見られない。

直樹が重心を前にした相乗効果により、
ボディストレートを自然な流れでヒット。

小島君のジャブ、突然の右も不思議なほど防ぐ。
(最近、俺でも見えないのに…)

ハイレベルなスパーを両者無事に終えると
ここで小島君がさすがに「ふぅ〜」と一息。
(やっといい具合に疲れてきた感じ?)

ちょっと気になったのは直樹のスタミナ。

慣れないスタイル・大きな相手は
確かに疲れるが、まだまだ足りない。


最後は強打のサウスポー、横田雄君。

悪い点がハッキリと露出した後のスパー、
今度こそ!の気合も入っているはず。

が、小島君は入ってくる相手に対して
右をドンピシャで入れてくるタイプ。

更に自信を失ってしまうのでは…、
と今回もドキドキする心配性の会長。

開始ゴングから横田君は慎重に旋回。

ふいに接近して狙い打とうとした瞬間、
小島君の待ち受け右ストレートが一閃!
(踏み込み時、顔の角度がやはり高い!)

大きく仰け反ったが、すぐに構え直す横田君。
そのファイティングスピリットは萎えていない。

ここから作戦を敢えて変更せずに
精力的にテンポアップする横田君。

小島君も疲れがあるはずだが、
集中力を切らさないので動きがいい。

ノーモーションの右が遠距離からヒット、
横田君は攻め気が裏目に出ている様子。

が、更に横田君はテンポをアップ、
カウンターを浴びながらも強引に接近。

ボディにズドンッと強打を決める。

打ち合いが続いたので両者疲れたかと
思ったのだが、意外にも小島君が余裕?の
ショートストレートの連打をみせる。
(横田君も戸高並みに凌いでみせたが)

終了直後、揉み合い後の離れ際に
横田君が左フックを会心ヒット!
(なぜか横田君のパンチは音が大きい)

ここで両者共に有効打を入れたスパーが終了。


小島君は見事に3R、長丁場を乗り切った。
最後まで動きにキレがあり余裕もあった。

これまでスタミナが未知数だったのだが、
どうやら一定のレベルを備えている様子。

ただし、今回は軽量級3人が相手である。
同体格と3Rスパーの場合、また別物だろう。
(宇野君・野村君、重量級の成長に期待!)


ここで上尾から田中君が到着。

前日に体調不良との連絡があったのだが
どうにか持ち直した様子である。(♪)

早速、フォームの確認をしてみると
棒立ち気味だったデトロイトスタイルが
スムーズなスタンスに修正してある。
(無駄なピョンピョンステップも減)

重心をしっかりと支えるようになったので、
ダッキング・スウェーがクイックになって
色々な体勢からジャブが飛ばせるようになっている。

聞けば、自分のビデオを何度も見直して
自分なりにフォームを研究したとの事。
(なかなか勉強しているなぁ…)

やはりボクシング・ファンは成長が早い。
(他の練習生もとにかく試合を見て勉強しよう!)

ただし相手に対して真横を向いた足の位置なので
ダメージングブローとなる左攻撃が遠くなってしまう。
(要所で変えなければ決定打は打てないだろう)

シリモンコンがコーナーで長嶋健吾を捕らえた際、
長嶋が完全に横を向いていたのを覚えているでしょうか?

接近時の横向きに関する危険を指摘しましたが、
今回のスパーでは敢えてそれを修正せず。
(練ってきたスタイルを試したいはずなので)

さて上尾のヒットマン、田中君の出来は…?


最初は私とのスパーでボクシングが機能するか確認。

開始ゴングから私の周囲を旋回しつつ、
踏み込みながらの右ジャブで牽制。

私は上体を動かしながら避けるのだが、
踏み込みがいいのでたまに体勢を崩す。

本来ならこの崩れた時点で田中君が
私に左ストレートを入れてくると効果的なのだが、
現時点では右ジャブを打つ事で精一杯?

次回は「左ストレートを決めるための
牽制右ジャブなんだ!」と意識してみよう。

有効打のないまま迎えたスパー中盤、
いい動きだった田中君から突然のストップ要請。

無呼吸運動が続いたので苦しくなったとの事。

マウスピースを外して壮絶にヨダレを垂らす二枚目に
見学していた練習生一同は爆笑するだけで誰も助けない♪

休憩を挟んで蘇った?田中君とスパー続行。

自分の距離を維持、接近されたらクリンチ、
ロングレンジの攻防は合格点だったと思う。

何度か顔面にタッチした?と思ったら
寸前で上手に避けていたので防御感もある。

手足の長い体格はまさにデトロイト向き、
この方向性でしばらく伸ばしてみましょう♪
(無呼吸だけは早々に治す必要アリ)

動画は小島君とのスパーを公開します。

スパーリング 小島君 vs 田中君 → スパーリング動画(消失)


次は直樹vs横田君、西沢ジム軽量級の頂上決戦である。

直樹は終盤のスタミナに不安があり、
横田君は上体が硬く右を食う傾向がある。

さて、どう転ぶだろう…?


スパーリング 直樹 vs 横田雄君 → スパーリング動画(消失)

開始ゴングから両者クイック強打で
有効打を狙いまくるが、寸分で避ける。

直樹のダッキングに合わせる横田君、
ギリギリガードが繰り返される。

直樹が左→右→左と単調ながらも攻める。
横田君は見ながら旋回するが、体勢が悪い。

旋回中に捕まり、右有効打を受けるが
即座のクリンチで仕切り直す横田君。

横田君が直樹のガードを強打すると、
直樹がコーナーに飛ばされる。

ここで椅子が倒れたので一時ストップ。
(西沢ジムでは壁際での危険を考えて
コーナーワークの練習ができない…)

直樹が戦闘体勢を中途半端に解いた際に
横田君の強打が連続で数発ヒット。

今回は事故にならなかったが、
一瞬で冷や汗がドーッとでた会長。

これは壁際ストップをスパー前にちゃんと
説明・指導してなかった私が全責任。
大・大・反省しています。
(ビデオをみると私のストップコールも激遅。反省…)

ラスト30秒は横田君の攻勢が続く。

直樹は頭を振ってガードを固めて凌ぐが
完璧に防ぎきれないし、反撃機会も探せない。

まだ教えていないのだが、この状況は
カウンターで攻勢をストップするのが正解。

が、直樹は最初から防御100%のダッキング。
よって一方的な攻勢を受けてしまう。

そろそろカウンターを教える時期かなぁ…
(が、覚えると横着してしまうような?)

終了間際、直樹の安易で無意味な空振りに
落ち着いた横田君がキチンとワン・ツーをヒット。

キビキビしたスパー、ここで終了ゴング!
(ふぅ〜、書いてて疲れた)


いやぁ、面白いスパーだった。
お互いに勉強になったと思う。

両者共にカウンター迎撃がないので
攻防分離の傾向があったかもな〜♪

でもカウンターってスパーで教えるの大変。

私も知っててカウンターを食らいたくないし、
何百発打ってもサンドバックでは習得不能。
ここは頑丈な小島君に頑張ってもらうしか…?(嘘)

効果的な指導方法を知っている方がいたら
是非、教えてください。

えっ?自分はどうやって覚えたかって?
う〜ん、覚えてないんだよなぁ…

ボクシングのゲームの区切り画像

二十八日目

今回は野村君・高原君・宇野君が参加。

野村君と高原君は2ヶ月ほどブランクが
あったので心配でしたが
動き自体はそれほど悪いと感じませんでした。

2度目の参加となる27歳の宇野君は
見学(応援?)要員で奥さんと一緒。

全編に渡って奥さんにカメラ撮影をお願いしました。
(なかなかの腕前でした♪)

ジムワークで体を温めて休憩、
まず私がブランク明けの高原さんと確認スパー。

スパーリング 会長 vs 高原君 → スパーリング動画(消失)

スパー前、サンドバック打ちの際に
ストレート主体の高原君にアッパーを説明。

これまで相手のダッキングに空転する傾向があったので
今回はストレートで相手をダッキングさせて決め打ちアッパー、
という作戦である。

実際に私はダッキングを多用したのですが
なかなか反射的にアッパー!とはいきません。
(これは反復練習で身に着けるしかない)

が、後半になると頭が描く軌道を覚えたのか、
アッパーとフックの中間みたいな迎撃パンチ!

それがあっただけで意味あり、成功だと思います。
(途中で修正しましたが、フックに対するガードは甘かった。)


次は体重がほぼ同じ、野村君と宇野君のスパー。

スパーリング 野村君 vs 宇野君 → スパーリング動画(消失)

野村君はダッキングの際に相手を見ない癖があり、
一方的な連打攻勢を受けてしまっていた。

今回は左ストレートカウンターで
相手のアタックを事前に防ぎ、
更に自分からも積極的に攻める作戦。

初スパーとなる宇野君に関しては
まずはそのボクシングを見せてもらった。

開始から野村君が果敢に攻める。

攻撃箇所が的確!とは言いがたいが
宇野君の防御も万全とは言えず
とりあえずは一方的な攻勢を取っている。

が、更なる追撃を仕掛けようと詰めた瞬間、
宇野君が低い姿勢から右フックを一閃!

これが野村君のアゴにカウンターとして直撃、
開始20秒にしてストップとなりました。

早く終ってしまったので相手を急遽私に交代、
実質残り1分30秒ほどのスパーリングを穴埋め。

スパーリング 会長 vs 宇野君 → スパーリング動画(消失)

ミドル・クラスの宇野君と私が打ち合っても危険なので
ストレートの距離で忠実なボクシングに徹する。

闘争心溢れる表情から放たれる左右フックは
まともに食ったら確かに強烈だろう。

その上、左右上下にコンビネーションで散らしてくる。

初スパーで攻撃ができる練習生は山程いるが
さて、防御意識の方はどうだろうか…?

まずフックの合間に右ストレートを差し込みヒット、
有効打を奪い返すために踏み込みを強める宇野君。

続くパンチの合間に私が右の狙い撃ちストレート、
これは我ながらタイミング・角度ともに完璧!と
思ったのだが意外にもダッキングで避ける宇野君。

数分前にミット打ちしながら
「打ち終わりにダッキング」と指導していたのだが
その直後に行ったスパーでキチンとこなしてくれる…
(飲み込みが早いだけでなく、攻勢中も落ち着いているんだなぁ)

こんな時、教えてる側としては嬉しくなるんです。
(逆に当ってしまうと寂しかったり…)

ただ打ち始めに力む癖があり、顔に出る傾向がある。
最後は打ち始めに右ストレートを刺してスパー終了。

次回は距離を考えて更なる半歩踏み込み、
打ちながらも更に距離を調節してみましょう。
(距離さえ合えば相当危険なファイター!)


やり終えてすぐに考えた事…
(高原君と宇野君、どんなスパーになるかなぁ?)

10kgの体重差があり体格で劣る高原君だが
陸上部で鍛えた脚力を下地に右強打を飛ばす。

その上、これまで何度かハードヒットを受けても
ケロリとしている雰囲気があって私自身、
高原君が持つ実力の底を見ていないのだ。

性格的に押え気味な部分がある彼が
本当に剥きになったらどこまで強いのか…?

サンドバックを倒した男、宇野君が相手なら
そんな気遣いも関係なしで吹っ切れるのでは…?


高原君は続く野村君とのスパーを
連打攻勢でストップに追い込み、
2ヶ月の長いブランクを感じさせない。

スパーリング 野村君 vs 高原君 → スパーリング動画(消失)

(よし!高原君と宇野君のスパー決行!)

ここまでのスパーをビデオで再確認しながら
じっくりと休憩を入れて水分補給。
(床に座っていたら腰が冷えて下痢になりました。
やっぱ俺、体弱いみたい…)


休憩を終え、高原君と宇野君のスパー開始!

スパーリング 高原君 vs 宇野君 → スパーリング動画(消失)

ストレート主体の高原君に距離の選択権がある。
離れるのか、はたまた打ち合うのか…?

宇野君が持つ危険な距離に迷いなく踏み込む高原君。
ダッキングする宇野君の頭頂部からポンポンとヒットを奪う。

が、対フックのガードが未完成で
棒立ちの頭部に一抹の不安が残る。

「!」

まともなカウンター右フックが高原君の即頭部にヒット!
野村君を棄権させた例のフックと同じ軌道である。

それでも高原君は止まらずに歯を食いしばって反撃。
が、必死の選択は無情にも裏目に出てしまう。

同じ位置で応戦するという事は同じフックを
同じように受けてしまうという事だった。

「!!」

大きく揺れた高原君だがボクサー姿勢は決して崩さない。
辛いシーンほど練習して身に付いた基本攻撃しか生きない。

アッパー、サイドステップ、横のガード…

教えたばかりのテクニックはどこかへ消え去り
ナチュラルなワンツー連打が無心で発揮される。

何度も止めようかとタイミングを探すのだが、
ワンツーを健気に返す高原君の姿が光っている。
(不屈の前進、六車選手のエンドレス攻撃を彷彿…)

リードしている宇野君も打っても打っても
なかなか諦めない高原君を前に疲労傾向アリ。

最後まで高原君は打たれる距離に立ち続け、
それを宇野君は同じように打ち続けた。

ガシガシの打ち合いの最中、長い3分間が終った…

汗だくの宇野君はその場に座り込んでクタクタ。
ヘッドギアを超えて伝わった衝撃で
瞼の上に青タンを作った高原君もよろけて座る。

高原君に苦戦の技術的原因を説明する私。
棒立ち、ガードが横にない、距離を調節すべき…
(説明しつつもそのスピリッツ、
いい意味での負けず嫌い精神に感心、頑張った!)

宇野君には3分間でスタミナを使い切ってしまう
燃費の悪い戦法を注意。
(が、疲労からかぼ〜っとした様子で返事も曖昧?)

1分間のインターバル終了を告げるゴングがなる頃、
すでに息が整っていた高原君の回復力に驚くと共に
次回のスパーに期待が持てた。

フックの距離での攻防で、横にガードを固めるのは
決して運動神経やセンスを必要としない。
やるかやらないか、だけである。

今回のビデオを何度も見て研究して欲しい。

ガードで防ぐ、ボディワークで空転させる…

これらができるようになれば不思議なほど
スパーの最中に落ち着く事ができるはず。

次回はスパーを減らし、防御の練習をしましょう。
上達するための近道かもしれません。


次回は10/13、栃木県館林にある
佐野ボクシングジムとの合同練習です。

私個人としては同じ無認可ジム、その指導方法や
仕事と指導の両立などお話したい事が沢山あります。

練習生としては自分の実力を試すいい機会、
憧れのリング(ロープがある!)でのスパーリングです。

燃えろ!西沢ジム!

ボクシングのゲームの区切り画像

練習生に応援メールやアドバイス、送ってください。
こちらまでお願いします!

ボクシングのゲームの区切り画像

西沢ジムへ。
中央広場へ。
実ボクとは?/トップ/掲示板/ダウンロード/ボクシングの街/グラボクとは?/