宇宙から

地球は、もともと気温を一定に保つというサイクルを自然に成り立たせ
ていました。しかし、自然界にできていた循環系がヒトの関与(燃焼に
よる熱エネルギーの抽出)をうけることによって、人工的な力の作用で
サイクルの一部を加速するようになっています。

温室効果ガスの発生量の比率が著しく増え、地球が吸収放出してい
る二酸化炭素サイクルの速度とバランスを超えたことが、温暖化を引
き起こす原因になったと思われます。

局地的な降水量が増えて地表で吸収できる限界を超えたため、大規
模な洪水がいろいろな地域でみられるようになりました。また、赤道付
近で発生する台風やハリケーンの勢力が拡大し、破壊力と降水量が
共に増強されるようになっています。

大気中の水(水蒸気)の比率は平均で0.48%程度とみられています。その微量な水蒸気の増加が、もっと微量な二酸化炭素の温室効果で洪水を引き起こす直接的な原因になっていたのです。つまり、温暖化が水蒸気を増やし、その結果豪雨が多くなって大洪水が各地に生まれているという訳です。

自然のサイクルがうまく機能していた地球で気温が安定しているというのは、水が循環することによって二酸化炭素を固定する仕組みが働いていたからでした。大気へすぐに戻ってゆくのは海面付近の水に溶け込んでいる二酸化炭素ですが、光合成の作用で生じた二酸化炭素がその後に続きます。地中や海底にではなく、地表に残ったものを植物が炭酸同化作用で組織に取り込んでいるからです。

植物が自身の成長に必要な呼吸を光合成によって効率よく行っていることが、自然の温度調節サイクルを成り立たせているサブシステムになっていたという訳です。▶(温暖化防止対策で植林が有効とされている理由はこの点にあります)


しかしながら僅か数十ppmの二酸化炭素濃度の変化が、自然災害をあれほどまでに巨大化させていたという事実もまた一方に存在するのです。

自然のサイクルでは火山性ガスが二酸化炭素を空中に放出する役割を担っていました。山火事や動植物の呼吸活動でも二酸化炭素は生まれています。植物の組織になっていた炭水化物は、短期的には薪や炭から二酸化炭素に戻り、長期的には石炭や石油となっていたものが大気へ戻っています。

問題はエネルギーを消費するその速度が速すぎる、ということなのです。自然界の調節作用の域を超えて二酸化炭素が大量に発生すると、本来の最適な環境サイクルそのものが損なわれてしまうことになるのです。

                                    地球にはかつて、二酸化炭素濃度が1000ppm(0.1%)だった 
                                    時代があるということです。暖かな気候で、植物が生育するために
                                    必要な炭水化物を作るための資源、二酸化炭素が大量にあったと
                                    いうあの太古の時代です。植物が巨大化して繁茂し、二酸化炭素 
                                    を吸収しながら酸素濃度を高めていました。

                                    温暖化が極限にまで進むと、人間がいなくなって植物が繁茂してい
                                    た太古の時代が、再びやってくるようになるのかもしれません。そう
                                    なると、もっと長いスパンのサイクルができることになるでしょう。
                                    地球にとってはヒトという有機物は、その成分の一つにしか過ぎま
                                    せん。

                                    原因を作った者が、結果を引き受けなければならないのは当然の
                                    ことでしょうが、気づいて尚行動しないということは、自らを死に追い
                                    やっているのと同じことです。 

HP:気候変動のメカニズムより抜粋

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国際宇宙ステーションからの撮影 青い帯の輝きはオーロラ(北極)